JP3044908U - エンジン起動装置 - Google Patents
エンジン起動装置Info
- Publication number
- JP3044908U JP3044908U JP1997006143U JP614397U JP3044908U JP 3044908 U JP3044908 U JP 3044908U JP 1997006143 U JP1997006143 U JP 1997006143U JP 614397 U JP614397 U JP 614397U JP 3044908 U JP3044908 U JP 3044908U
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で製造時の組付精度の許容度を緩
和し、製造精度をあまり要求されないことから製造コス
トを低減することが可能なエンジン起動装置を提供す
る。 【解決手段】 カム26、ラチェット28、ワンウェイ
クラッチ29およびプーリ27が、互いに一体的に組付
けられて、リール14の回転をギヤ17を介してクラン
クシャフト25に伝達する一方向回転伝達手段が構成さ
れ、相互に係合可能なカム26とラチェット28間に、
カム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ29お
よびプーリ27相互間の組付時の誤差を吸収する間隙3
2が設けられている。 【効果】 製造コストを削減した簡単な構造で、確実な
エンジン起動を行うエンジン起動装置が提供可能にな
る。
和し、製造精度をあまり要求されないことから製造コス
トを低減することが可能なエンジン起動装置を提供す
る。 【解決手段】 カム26、ラチェット28、ワンウェイ
クラッチ29およびプーリ27が、互いに一体的に組付
けられて、リール14の回転をギヤ17を介してクラン
クシャフト25に伝達する一方向回転伝達手段が構成さ
れ、相互に係合可能なカム26とラチェット28間に、
カム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ29お
よびプーリ27相互間の組付時の誤差を吸収する間隙3
2が設けられている。 【効果】 製造コストを削減した簡単な構造で、確実な
エンジン起動を行うエンジン起動装置が提供可能にな
る。
Description
【0001】
本考案は、エンジンを手動(リコイルスタータ)、あるいはモータ(セルモー タ)で選択的に起動させることができるエンジン起動装置に関するものである。
【0002】
例えば、農業用器具などは使用期間が所定の時期に集中し、不使用の期間が比 較的長いので、エンジンの起動装置には、実開昭63−183477号公報に開 示されているように、起動モータ(セルモータ)のバッテリー切れを考慮して、 通常は手動起動手段(リコイルスタータ)が併設されている。
【0003】
この種のエンジン起動装置で、起動モータによる駆動力と手動起動装置による 回転力を選択的にエンジンの回転軸に連結される駆動回転軸部分に伝えるために ワンウェイクラッチを使用するが、この際、使用されるワンウェイクラッチは図 3に示すように回転軸1の外側に、外輪部2が回転軸1を中心に回転自在に配設 されており、この外輪部2にはクラッチ空間3が形成され、このクラッチ空間3 には、スプリング5で一方向(図面上反時計回り方向)に付勢されたころ6が転 動自在に取付けられている。
【0004】 このワンウェイクラッチでは、図3(a)に示すように外輪部2が、回転軸1 に対して他方向(図面上時計回り方向)に回転すると、スプリング5のばね力で ころ6は外輪部2のクラッチ空間3のカム面の噛合位置に進み、外輪部2から回 転軸1に対してころ6を介してくさび力が与えられ、外輪部2とともに回転軸1 は時計回り方向に回転する。一方、同図(b)に示すように、外輪部2が、回転 軸1に対して反時計回り方向に回転すると、回転軸1は外輪部2に対して相対的 に時計回り方向に回転することになり、ころ6は外輪部2のクラッチ空間3のカ ム面から離れて、外輪部2は回転軸1に対して空転する。
【0005】 そしてエンジンの回転軸に連結される駆動回転軸に取付けて一方向回転伝達手 段を構成する場合には、このようなワンウェイクラッチ、起動モータあるいは手 動操作により回転される被回転部材に取付けたカム、カムの回転を伝達するラチ ェットおよび駆動回転軸を固設する部材とを一体的に組付ける。しかしながら、 このようなワンウェイクラッチを用いた組付構造は、各部材相互間に極めて高い 組付精度が要求され、このために製造の際にも厳密な精度が要求され製造コスト 上で問題があった。
【0006】 本考案は前述したようなこの種のエンジン起動装置の製造の現状に鑑みてなさ れたものであり、その目的は、簡単な構造で製造時の組付精度の許容度を緩和し 、製造精度をあまり要求されないことから製造コストを低減することが可能なエ ンジン起動装置を提供することにある。
【0007】
前記目的を達成するために本考案に係るエンジン起動装置は、ゼンマイばねに より付勢されたリールに対してスタータロープが巻装され、該スタータロープを 前記ゼンマイばねのばね力に抗して引き出すことにより前記リールを回転させ、 伝達された回転力を被回転部材を経て一方向回転伝達手段を介して駆動回転軸に 伝達し、該駆動回転軸に連結したエンジンを起動させる手動起動手段と、起動モ ータの回転を伝達された前記被回転部材を経て前記一方向回転伝達手段を介して 駆動回転軸に伝達し、前記エンジンを起動させるモータ駆動手段とを備えたエン ジン起動装置であって、前記一方向回転伝達手段は前記被回転部材の回転により 回転するカムと、該カムに係合して該被回転部材の回転を前記駆動回転軸に固設 されたプーリに伝達するラチェットと、前記プーリと前記ラチェット間に設けら れるワンウェイクラッチとで一体的に構成され、前記カムと前記ラチェットとが 間隙をおいて相互に係合可能であることを特徴とするものである。
【0008】 本考案によると、被回転部材の回転を駆動回転軸に伝達する回転伝達手段が、 手動起動手段あるいはモータ駆動手段により選択的に回転する被回転部材を経て 回転するカムと、駆動回転軸が固設されるプーリと、カムに係合して前記被回転 部材の回転をプーリに伝達するラチェットと、プーリとラチェット間に設けられ るワンウェイクラッチとで一体的に構成され、カムとラチェット間に設けた間隙 が、カム、ラチェット、ワンウェイクラッチおよびプーリ相互間の組付誤差を吸 収して、組付けが容易になり、製造精度をあまり要求されないことから製造コス トを削減した簡単な構造で、確実なエンジン起動を行うエンジン起動装置が製造 される。
【0009】
以下に本考案を図1および図2に基づいて説明する。 図1は本考案の一実施例の構成を示す断面説明図、図2は図1のA−A断面図 である。
【0010】 本考案では、図1に示すように、スタータケース10に一体に形成されたシャ フト13に、リール14が回転自在に緩挿され、リール14の外周にはロープ溝 14aが形成され、このロープ溝14aにスタータロープ15が巻装されており 、スタータロープ15の一端は、スタータケース10に設けた取出孔(図示せず )から外部に引出されて、この引出し端部にはノブが取付けられている。
【0011】 また、リール14とスタータケース10間には、ゼンマイばね16が配置され ていてゼンマイばね16のばね力によって、リール14はスタータロープ15を 巻込む方向に付勢されている。
【0012】 さらに、リール14の内面には、一方向のみ(ゼンマイばね14に抗してリー ル14を引出す方向のみ)の回転を伝達するラチェット19が設けられ、リール 14には被回転部材としてのギヤ17が取付けられ、このギヤ17にはダンパ3 1を介してカム26が取付けられ、図2に示すようにカム26の内面には係合凹 部26aが形成され、この係合凹部26aに係合可能な凸部28aを有するラチ ェット28が、カム26内に配置されている。
【0013】 一方、リール14のシャフト13と同芯位置にはプーリ27の回転軸部27a が、回転自在に取付けられ、このプーリ27にはエンジンの駆動回転軸に連結さ れるクランクシャフト25が固設されている。また、ラチェット28とプーリ2 7間にはすでに図3を参照して説明したような構成のワンウェイクラッチ29が 、圧入配置され、該ワンウェイクラッチ29はラチェット28に一方向の回転力 が与えられた時のみプーリ27と動作結合するよう設けられている。
【0014】 このようにして本考案では、カム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ 29およびプーリ27が、互いに一体的に組付けられて、リール14の回転をギ ヤ17を経てクランクシャフト25に伝達する一方向回転伝達手段が構成されて いる。
【0015】 そして、図示実施例では係合可能なカム26とラチェット28との間には、カ ム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ29およびプーリ27相互間の組 付時の誤差を吸収する間隙32が設けられている。
【0016】 他方、起動モータ21のモータ軸22に、ギヤ23aが固設され、ギヤ23a と噛合するギヤ23bが配設され、ギヤ23bには一体同軸にギヤ23cが設け られ、さらにギヤ23cと噛合するギヤ23dが配置され、ギヤ23dには同軸 にギヤ23eが設けられ、ギヤ23eの軸部には上記同様に図3のような構成を 有するワンウェイクラッチ24が配置され、ギヤ23eがギヤ17に噛合してい る。なお前記ワンウェイクラッチ24は起動モータ21による回転がギヤ23d に伝えられた時のみギヤ23eを回転させる構造である。
【0017】 このような構成の本考案の動作を説明する。 起動モータ21による起動時には、起動モータ21を駆動させると、モータ軸 22に取付けられているギヤ23aが、ギヤ23bと噛合して回転するので、ギ ヤ23bが回転し、ギヤ23bの回転で回転するギヤ23cが、ギヤ23dと噛 合して回転する。このためにギヤ23dが回転し、ワンウェイクラッチ24を介 してギヤ23eが被回転部材であるギヤ17と噛合して回転する。このために、 ギヤ17が回転するのでカム26が回転し、カム26の回転によってカム26に 係合したラチェット28が回転し、ラチェット28の回転によって、ワンウェイ クラッチ29を介して、プーリ27が回転してプーリ27に固設されたクランク シャフト25が回転してエンジンが起動される。 なお、この際にはラチェット19によりリール14には起動モータ21による 回転力は何ら作用しない。
【0018】 また、手動起動時には、ゼンマイばね16のばね力に抗してスタータロープ1 5を引出すと、リール14が回転し、リール14の回転によってラチェット19 を介してギヤ17が回転し、さらにカム26が回転し、カム26に係合したラチ ェット28が回転し、ラチェット28の回転によって、ワンウェイクラッチ29 を介してプーリ27が回転してプーリ27に固設されたクランクシャフト25が 回転しエンジンが起動される。エンジンの起動後に手を離すと、ゼンマイばね1 6のばね力によりリール14はスタータロープ15を巻込むように回転するが、 この時、ワンウェイクラッチ29によりプーリ27に対してラチェット28は空 転するので、エンジンの駆動に影響を及ぼすことなくスタータロープ15は巻込 まれる。 なお、この際にはスタータロープ15の引出し時のギヤ17の回転は、ワンウ ェイクラッチ24によってギヤ23dには伝達されず、手動動作時の操作が起動 モータ21に悪影響を与えることはない。
【0019】 このように本考案によると、カム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ 29およびプーリ27が、互いに一体的に組付けられて、リール14の被回転部 材であるギヤ17を介して、クランクシャフト25に伝達する一方向回転伝達手 段が組立られるが、相互に係合可能なカム26とラチェット28間に形成されて いる間隙32が、カム26、ラチェット28、ワンウェイクラッチ29およびプ ーリ27相互間の組付時の誤差を吸収し、簡単な構造で、異常動作にも的確に対 応して、確実なエンジン起動を行うエンジン起動装置を製造コストを低減して製 造することが可能になる。
【0020】 また、本考案によると、プーリ27とクランクシャフト25の接続部の構造が 薄型化され、部品点数も削減されるとともに、構造上でクランクシャフト25の 角速度変化に迅速に追従可能となり、起動モータ21の駆動トルクを小さくする ことも可能になる。
【0021】
以上述べた通り本考案によると、手動起動時には、ゼンマイばねで付勢されか つギアからなる被回転部材を取付けたリールに巻装されたスタータロープを、ゼ ンマイばねのばね力に抗して引出すことにより、被回転部材を回転させ、その回 転力を一方向回転伝達手段を介して駆動回転軸に伝達して、駆動回転軸に連結し たエンジンを起動させ、一方モータ起動時には、起動モータの回転が被回転部材 に伝達されると、該被回転部材の回転が、前記一方向回転伝達手段を介して駆動 回転軸に伝達されて、エンジンを起動させるが、一方向回転伝達手段が、被回転 部材に固設され、該被回転部材とともに回転するカムと、該カムに係合し、被回 転部材の回転を駆動回転軸が固設されるプーリに伝達するラチェットと、プーリ とラチェット間に設けられるワンウェイクラッチとで一体的に構成され、カムと ラチェット間に、カム、ラチェット、ワンウェイクラッチおよびプーリ相互間の 組付誤差を吸収する間隙が設けられているので、製造精度をあまり要求されない ことから製造コストを削減でき、簡単な構造で、確実なエンジン起動を行うエン ジン起動装置が提供可能になる。
【図1】本考案の一実施例の構成を示す断面説明図であ
る。
る。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】エンジン起動装置に使用されるワンウェイクラ
ッチの説明図で、(a)は一体的に回転する状態を示す
図、(b)は空転時の状態を示す図である。
ッチの説明図で、(a)は一体的に回転する状態を示す
図、(b)は空転時の状態を示す図である。
【符号の説明】 10 スタータケース 13 シャフト 14 リール 14a ロープ溝 15 スタータロープ 16 ゼンマイばね 17 ギヤ 19 ラチェット 21 起動モータ 22 モーター軸 23a ギヤ 23b ギヤ 23c ギヤ 23d ギヤ 23e ギヤ 24 ワンウェイクラッチ 25 クランクシャフト 26 カム 26a 係合凹部 27 プーリ 27a 回転軸部 28 ラチェット 28a 凸部 29 ワンウェイクラッチ 31 ダンパ 32 間隙
Claims (1)
- 【請求項1】 ゼンマイばねにより付勢されたリールに
対してスタータロープが巻装され、該スタータロープを
前記ゼンマイばねのばね力に抗して引き出すことにより
前記リールを回転させ、伝達された回転力を被回転部材
を経て一方向回転伝達手段を介して駆動回転軸に伝達
し、該駆動回転軸に連結したエンジンを起動させる手動
起動手段と、起動モータの回転を伝達された前記被回転
部材を経て前記一方向回転伝達手段を介して駆動回転軸
に伝達し、前記エンジンを起動させるモータ駆動手段と
を備えたエンジン起動装置であって、前記一方向回転伝
達手段は前記被回転部材の回転により回転するカムと、
該カムに係合して該被回転部材の回転を前記駆動回転軸
に固設されたプーリに伝達するラチェットと、前記プー
リと前記ラチェット間に設けられるワンウェイクラッチ
とで一体的に構成され、前記カムと前記ラチェットとが
間隙をおいて相互に係合可能であることを特徴とするエ
ンジンの起動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997006143U JP3044908U (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | エンジン起動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997006143U JP3044908U (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | エンジン起動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3044908U true JP3044908U (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=43179315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997006143U Expired - Lifetime JP3044908U (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | エンジン起動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3044908U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003067128A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-08-14 | Nsk Ltd. | Dispositif de transmission de rotation de type a roue libre et demarreur |
-
1997
- 1997-06-30 JP JP1997006143U patent/JP3044908U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003067128A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-08-14 | Nsk Ltd. | Dispositif de transmission de rotation de type a roue libre et demarreur |
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