JP3056702U - 電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音の少ない電動アシスト自転車のハブ式モ
ータ伝動機構の提供。 【解決手段】 ハブ式モータ中の電磁場の駆動動力を第
１駆動ユニットを介して太陽歯車に伝え、その後、遊星
歯車を介して内歯歯車に伝え、内歯歯車の動力をさらに
単方向の第２駆動ユニットを介して車輪を駆動する駆動
部材に伝え、駆動部材を内歯歯車と遊星歯車を連動させ
ずに単独回転可能とすることで、空転を自由に行わせる
と共に、多くの歯車で伝動することによる騒音の発生を
防止している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構に係り、特に一種 の、車輪を自由に空転させられ騒音を減少した伝動機構に関する。なお本考案中 でいう自転車は二輪或いは二輪以上のペダル操作或いは電力による直接駆動を進 行できる車を包括する。

【０００２】

【従来の技術】

電動アシスト自転車は、軽快で騒音が低く、環境に対する汚染性が比較的低い ため、徐々に受け入れられており、歩行の代用工具として使用されている。

【０００３】 電動アシスト自転車のハブ式モータと自動車、モーターサイクル或いはその他 の車両の異なる所は、ハブ中にステータとロータにより電磁場が形成されている ことであり、電池より電流を供給することでロータを回転させるようにしてある 。これに関する従来の技術には、アメリカ合衆国特許第５，１６４，６２３号、 第５，４５０，９１５号、第５，２７２，９３８号、第４，４９０，６３７号、 第３，０９５，５１６号、第４，０２１，６９０号及び第３，７９２，７４２号 がある。

【０００４】 ロータの開始回転速度は直接車輪を駆動するには不適合であり、且つ電磁場の 出力するトルクを増加するために、一般には減速歯車系による補助を介する必要 がある。李 宜和等による台湾実用新案登録願第８１２１４５８９号の明細書第 ３、５、６から８頁中には、プリントコイルを利用したハブ式モータが記載され ている。その使用する減速歯車系については第３頁及び第９頁中にその減速とト ルク増加の必要性について詳細に説明がなされている。

【０００５】 このほか、台湾実用新案登録願第８３１０６３１１号はそれ以前の技術の改良 が示され、またその第２、３及び第８頁にもう一種の減速伝動機構が記載されて いる。

【０００６】 上に述べた従来の技術はいずれも電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構 に係るものであり、いずれも相当大きな騒音を発生した。特にステータが輪軸に 取り付けられて、リムを回転させる機構は騒音を発生した。

【０００７】 これらの従来の伝動機構は電流が通じる時、太陽歯車が遊星歯車を介して外周 に配された内歯歯車に伝動し、最後に内歯歯車に固定されたスチールワイヤシー トを回転させるようにしてある。

【０００８】 電流が中断すると、スチールワイヤシートは、慣性力により継続して運転し、 内歯歯車がそれに伴い回転し、従来の装置は減速歯車と太陽歯車の間に単方向ク ラッチが設けられてはいるが、但し遊星歯車とその外周の内歯歯車がスチールワ イヤシートの自由な回転を妨げるのを防止できなかった。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、一種の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構を提供し、それ は、内歯歯車と遊星歯車がスチールワイヤシートの空転に伴い、スチールワイヤ シートの自由な回転を妨げないようにしたものとする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、一種の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構におい て、 一つの固定軸１、 固定軸１に套設され、一つの第１駆動ユニット３を介して一つの電磁場駆動部 材８の動力を受けて回転する、一つの太陽歯車２、 該固定軸１に套設された内歯歯車５、 上記太陽歯車２と上記内歯歯車５の間に介装されて該太陽歯車２の回りを運転 し、並びに該内歯歯車５に伝動する一つの遊星歯車ユニット４、 車輪を駆動する一つの駆動部材６、 上記内歯歯車５と上記駆動部材６の間に介装されて、該内歯歯車５に上記駆動 部材６を単方向に駆動させ、該駆動部材６が自分で回転する時に該内歯歯車５を 連動せず自由に回転するようにしてある、一つの単方向の第２駆動ユニット７、 少なくとも以上を具えて構成された、電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動 機構としている。

【００１１】 請求項２の考案は、前記第１駆動ユニット３と第２駆動ユニット７が単方向ク ラッチ或いは単方向軸受とされたことを特徴とする、請求項１に記載の電動アシ スト自転車のハブ式モータ伝動機構としている。

【００１２】 請求項３の考案は、前記駆動部材６が軸受６２により固定軸１に套設されたラ チェットホイールシート６２と、該ラチェットホイールシート６２に固定されて リム部品の固定に利用されるスチールワイヤシート６３を包括することを特徴と する、請求項１に記載の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構としている 。

【００１３】 請求項４の考案は、前記単方向クラッチが、 外縁に一つ或いは複数の凹所を具えている一つの爪座、 基部が弾性ユニットにより該爪座に保持されている一つ或いは複数の爪、 該爪と噛み合う内環ラチェット歯を具えたラチェットホイールシート、 以上を具えたことを特徴とする、請求項２に記載の電動アシスト自転車のハブ 式モータ伝動機構としている。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構は、ハブ式モータ中の電 磁場の駆動動力を第１駆動ユニットを介して太陽歯車に伝え、その後、遊星歯車 を介して内歯歯車に伝え、内歯歯車の動力をさらに単方向の第２駆動ユニットを 介して車輪を駆動する駆動部材に伝え、駆動部材を内歯歯車と遊星歯車を連動さ せずに単独回転可能とすることで、空転を自由に行わせると共に、多くの歯車で 伝動することによる騒音の発生を防止している。

【００１５】 遊星歯車は、単一或いは複数設けられ、単方向駆動ユニットには各種形態の単 方向クラッチを応用可能であり、例えば典型的な爪とラチェットホイールが応用 される。常用される単方向駆動ユニットとしては、単方向軸受がある。

【００１６】

【実施例】

図１と図２に示されるように、本考案の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝 動機構は、一つの固定軸１を具え、太陽歯車２が該固定軸１上に回転自在に設け られ、第１駆動ユニット３、例えば単方向クラッチ或いは単方向軸受或いはその 他の同等の効果を有するユニットを介して電磁場駆動部材８の動力を受けて回転 するようにしてある。別に、内歯歯車５が、一つの軸受５１と軸受５２を介して 該固定軸１に套設され、一つの遊星歯車ユニット４が太陽歯車２と内歯歯車５の 間に保持され、太陽歯車２の回りで運転するようにしてあり、並びに該内歯歯車 ５に伝動するようにしてある。本考案の装置はさらに一つの駆動部材６を具え、 該駆動部材６は軸受６１を介して軸スリーブ５１に套設されて車輪を駆動する。 及び、一つの単方向の第２駆動ユニット７を具え、該単方向の第２駆動ユニット ７は、内歯歯車５と駆動部材６のラチェットホイールシート６２の間に介装され て、内歯歯車５に駆動部材６を単方向に駆動させ、該該駆動部材６は自分で回転 する時、該内歯歯車５を連動せず自由に回転できるようにしてある。

【００１７】 駆動部材６は車輪のリムを駆動するのに用いられ、それは軸受６１を介して固 定軸１に套設されたラチェットホイールシート６２と、該ラチェットホイールシ ート６２に固定されてリムの部品をネジ付けるのに利用されるスチールワイヤシ ート６３を包括する。

【００１８】 第１駆動ユニット３は、一つの連結器とされるか、或いはキーとキー溝の組合 せ装置とされうるが、ただしハブ式モータとの位置の微調整に適応するように、 望ましくは第２駆動ユニット７の如き単方向駆動ユニットとされる。

【００１９】 単方向の第２駆動ユニット７には図１及び図３に示される単方向のクラッチ或 いは単方向軸受或いはその他の同等の効果を有するユニットを採用可能である。 その中、単方向クラッチの実施例は図３に示され、内歯歯車５の外縁に一つ或い は複数の凹所５３が設けられ、別に一つ或いは複数の爪７２が設けられ、各一つ の爪７２の基部が一つのバネユニット、例えば環状バネ７３によりそれぞれ所属 の凹所５３中に挟持されている。駆動部材６のラチェットホイールシート６２は 複数の内歯を具え、該内歯は爪７２の単方向噛み合わせに利用され、ラチェット ホイールシート６２が時計回りに回転する時、各爪７２がラチェットホイールシ ート６２のラチェット歯の係止を受けるため、スチールワイヤシート６３の動力 は内歯歯車５に伝えられない。

【００２０】 図１と図４に示される遊星歯車ユニット４は一般には単一アーム或いは複数の アームを具えた遊星枠４６により、遊星歯車４１の短軸４２を支持し、該短軸４ ２をスナップリング４５で遊星枠４６に固定し、遊星歯車４１を軸受４３を介し て短軸４２に套設し、遊星歯車４１を内歯歯車５と主動歯車２と同時に噛み合わ せてなる。電磁場駆動部材８が回転する時、第１駆動ユニット３を透過してその 端部の太陽歯車２が遊星歯車４１を回転させ、さらに第２駆動ユニット７の伝動 を介して駆動部材６が回転し、最後にスチールワイヤシート６３が回転する。

【００２１】 電磁場駆動部材８が回転を停止すると、スチールワイヤシート６３が慣性力に より継続して回転し、動力が内歯歯車５に伝達されないため、スチールワイヤシ ート６３に連接する駆動部材６が単独回転し、内歯歯車５と遊星歯車４１を連動 させず、こうしてその空転が滑らかに行われ、複数の歯車の伝動による騒音の発 生が減少される。

【００２２】

【考案の効果】

本考案の電動アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構は、内歯歯車と遊星歯車 がスチールワイヤシートの空転に伴い、スチールワイヤシートの自由な回転を妨 げないようにしてあり、騒音が発生しないようにしてある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の部分分解斜視図である。

【図２】本考案の実施例の組合せ断面図である。

【図３】図２の３−３線断面図である。

【図４】図２の４−４線断面図である。

【符号の説明】

１ 固定軸 ２ 太陽歯車 ３ 第１駆動ユニット ４ 遊星歯車ユニット ４１ 遊星歯車 ４２ 短軸 ４３ 軸受 ４５ スナップリング ４６ 遊星枠 ５ 内歯歯車 ５１ 軸スリーブ ５２ 軸受 ５３ 凹所 ６ 駆動部材 ６１ 軸受 ６２ ラチェットホイールシート ６３ スチールワイヤシート ７ 単方向の第２駆動ユニット ７２ 爪 ７３ バネ ８ 電磁場駆動部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一種の電動アシスト自転車のハブ式モー
   タ伝動機構において、 一つの固定軸１、 固定軸１に套設され、一つの第１駆動ユニット３を介し
   て一つの電磁場駆動部材８の動力を受けて回転する、一
   つの太陽歯車２、 該固定軸１に套設された内歯歯車５、 上記太陽歯車２と上記内歯歯車５の間に介装されて該太
   陽歯車２の回りを運転し、並びに該内歯歯車５に伝動す
   る一つの遊星歯車ユニット４、 車輪を駆動する一つの駆動部材６、 上記内歯歯車５と上記駆動部材６の間に介装されて、該
   内歯歯車５に上記駆動部材６を単方向に駆動させ、該駆
   動部材６が自分で回転する時に該内歯歯車５を連動せず
   自由に回転するようにしてある、一つの単方向の第２駆
   動ユニット７、 少なくとも以上を具えて構成された、電動アシスト自転
   車のハブ式モータ伝動機構。
2. 【請求項２】 前記第１駆動ユニット３と第２駆動ユニ
   ット７が単方向クラッチ或いは単方向軸受とされたこと
   を特徴とする、請求項１に記載の電動アシスト自転車の
   ハブ式モータ伝動機構。
3. 【請求項３】 前記駆動部材６が軸受６２により固定軸
   １に套設されたラチェットホイールシート６２と、該ラ
   チェットホイールシート６２に固定されてリム部品の固
   定に利用されるスチールワイヤシート６３を包括するこ
   とを特徴とする、請求項１に記載の電動アシスト自転車
   のハブ式モータ伝動機構。
4. 【請求項４】 前記単方向クラッチが、 外縁に一つ或いは複数の凹所を具えている一つの爪座、 基部が弾性ユニットにより該爪座に保持されている一つ
   或いは複数の爪、 該爪と噛み合う内環ラチェット歯を具えたラチェットホ
   イールシート、 以上を具えたことを特徴とする、請求項２に記載の電動
   アシスト自転車のハブ式モータ伝動機構。