JP3044399B2 - Hemt及びその製造方法 - Google Patents
Hemt及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速動作が可能なIn
AlAs、InGaAs等のIn系化合物半導体を用い
たHEMT及びそのHEMTを製造するのに好適な方法
に関する。
AlAs、InGaAs等のIn系化合物半導体を用い
たHEMT及びそのHEMTを製造するのに好適な方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のコンピュータシステムの高速化あ
るいは通信の高周波化の傾向に応えるために、高速で動
作可能な能動素子が要求され、n−InAlAs/iI
nGaAsヘテロ接合を用いたHEMT等の化合物半導
体電界効果トランジスタが期待され活発な研究開発が行
われている。従来、GaAs系化合物半導体を用いた電
界効果トランジスタにおいては、そのショットキゲート
電極材料の検討が数多く行われており、Ptの仕事関数
が5.6と大きく、ショットキ障壁の高さも高いことが
見出されている。
るいは通信の高周波化の傾向に応えるために、高速で動
作可能な能動素子が要求され、n−InAlAs/iI
nGaAsヘテロ接合を用いたHEMT等の化合物半導
体電界効果トランジスタが期待され活発な研究開発が行
われている。従来、GaAs系化合物半導体を用いた電
界効果トランジスタにおいては、そのショットキゲート
電極材料の検討が数多く行われており、Ptの仕事関数
が5.6と大きく、ショットキ障壁の高さも高いことが
見出されている。
【0003】また、PtはGaAsとの反応性に富み、
350℃程度の熱処理によってPtゲート電極をGaA
s中に埋め込むことができ、その結果、しきい値電圧を
調節できることも知られている。しかし、本発明の対象
であるIn系化合物半導体においては、同様な検討がな
されず、n−InAlAs/i−InGaAsヘテロ接
合を用いたHEMTにおいては、ショットキゲート電極
用材料として主にAlが用いられていた。
350℃程度の熱処理によってPtゲート電極をGaA
s中に埋め込むことができ、その結果、しきい値電圧を
調節できることも知られている。しかし、本発明の対象
であるIn系化合物半導体においては、同様な検討がな
されず、n−InAlAs/i−InGaAsヘテロ接
合を用いたHEMTにおいては、ショットキゲート電極
用材料として主にAlが用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に依ると、
AlとInAlAsとの間に生成されるショットキ障壁
の高さは0.55eV程度と低く、チャネル部のバンド
不連続値が大きいため、つぎのような問題があった。
ノーマリ・オフ型HEMTを構成できないこと。
順方向の立ち上がり電圧が低いため、これを用いて論理
回路を構成した場合にハイレベルの電圧が低くなりマー
ジンが小さいこと。 逆方向耐圧が低いため、リーク
電流が大きいこと。
AlとInAlAsとの間に生成されるショットキ障壁
の高さは0.55eV程度と低く、チャネル部のバンド
不連続値が大きいため、つぎのような問題があった。
ノーマリ・オフ型HEMTを構成できないこと。
順方向の立ち上がり電圧が低いため、これを用いて論理
回路を構成した場合にハイレベルの電圧が低くなりマー
ジンが小さいこと。 逆方向耐圧が低いため、リーク
電流が大きいこと。
【0005】前記に記述したノーマリ・オフ型HEM
Tを構成できない理由は次のとおりである。 HEMTに
於けるしきい値電圧V th は、 Vth=Ψm−ΔEC −qND d2 /2εΨm:ショットキ障壁の高さ ΔE C :InAlAsとInGaAsの間の伝導帯不連
続量 N D :n−InAlAs層のドーピング濃度 d:厚さ ε:誘電率 q:素電荷 で表される。 AlとInAlAsの間に於けるショット
キ障壁については、Ψm=0.55V、ΔEC =0.3
5eVであるから、qND d2 /2εがどのような値を
とっても、 Vth≦Ψm−ΔEC =0.02〔V〕 が成り立つから、Vthは0.02V以上にはなりえな
い。即ち、この程度Vthでは、ノーマリ・オフ型HEM
Tを構成することは困難である。
Tを構成できない理由は次のとおりである。 HEMTに
於けるしきい値電圧V th は、 Vth=Ψm−ΔEC −qND d2 /2εΨm:ショットキ障壁の高さ ΔE C :InAlAsとInGaAsの間の伝導帯不連
続量 N D :n−InAlAs層のドーピング濃度 d:厚さ ε:誘電率 q:素電荷 で表される。 AlとInAlAsの間に於けるショット
キ障壁については、Ψm=0.55V、ΔEC =0.3
5eVであるから、qND d2 /2εがどのような値を
とっても、 Vth≦Ψm−ΔEC =0.02〔V〕 が成り立つから、Vthは0.02V以上にはなりえな
い。即ち、この程度Vthでは、ノーマリ・オフ型HEM
Tを構成することは困難である。
【0006】この現状に鑑み、発明者等は、InAlA
s化合物半導体に対するショットキ電極の材料として用
い得る多くの材料について検討を行った結果、Ptが極
めて有望であることを見出した。したがって、本発明
は、InAlAs化合物半導体に対するショットキゲー
ト電極材料としてPtを選択し、また、そのPtの厚さ
を規定し、製造条件を設定することにより、Ψmを大き
くして、上記の〜の問題点を解決し、所望の特性の
電界効果トランジスタを提供することを目的とするもの
である。
s化合物半導体に対するショットキ電極の材料として用
い得る多くの材料について検討を行った結果、Ptが極
めて有望であることを見出した。したがって、本発明
は、InAlAs化合物半導体に対するショットキゲー
ト電極材料としてPtを選択し、また、そのPtの厚さ
を規定し、製造条件を設定することにより、Ψmを大き
くして、上記の〜の問題点を解決し、所望の特性の
電界効果トランジスタを提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に依るHEMT及
びその製造方法に於いては、 (1)n−InAlAs/i−InGaAsHEMTに
おいて、その電子供給層であるn−InAlAs化合物
半導体層上に形成された、該電子供給層の厚さをdÅと
するとき、(d−200Å)/2以下である厚さのPt
層と、その上に形成された耐熱性金属層からなるショッ
トキゲート電極を有することを特徴とするか、又は、 (2)n−InAlAs/i−InGaAsHEMTの
製造方法において、電子供給層であるn−InAlAs
化合物半導体層上に、該電子供給層の厚さをdÅとする
とき、(d−200Å)/2Å以下の厚さのPt層を設
け、その上に耐熱性金属層を設けた後、前記InAlA
s化合物半導体層と前記Ptとの間で合金化するに足る
熱処理を加えることによってショットキゲート電極を形
成することを特徴とするか、又は、 (3)前記(2)に於いて、InAlAs化合物半導体
と前記Ptとを合金化する熱処理を、該熱処理によって
しきい値電圧の変動が実質的に生じなくなるまで加える
ことを特徴とするか、又は、 (4)前記(2)に於いて、InAlAs化合物半導体
と前記Ptとを合金化する熱処理を、400℃以下で行
なうことを特徴とする。
びその製造方法に於いては、 (1)n−InAlAs/i−InGaAsHEMTに
おいて、その電子供給層であるn−InAlAs化合物
半導体層上に形成された、該電子供給層の厚さをdÅと
するとき、(d−200Å)/2以下である厚さのPt
層と、その上に形成された耐熱性金属層からなるショッ
トキゲート電極を有することを特徴とするか、又は、 (2)n−InAlAs/i−InGaAsHEMTの
製造方法において、電子供給層であるn−InAlAs
化合物半導体層上に、該電子供給層の厚さをdÅとする
とき、(d−200Å)/2Å以下の厚さのPt層を設
け、その上に耐熱性金属層を設けた後、前記InAlA
s化合物半導体層と前記Ptとの間で合金化するに足る
熱処理を加えることによってショットキゲート電極を形
成することを特徴とするか、又は、 (3)前記(2)に於いて、InAlAs化合物半導体
と前記Ptとを合金化する熱処理を、該熱処理によって
しきい値電圧の変動が実質的に生じなくなるまで加える
ことを特徴とするか、又は、 (4)前記(2)に於いて、InAlAs化合物半導体
と前記Ptとを合金化する熱処理を、400℃以下で行
なうことを特徴とする。
【0008】
【作用】前記手段を採ることに依り、順方向の立ち上が
り電圧が高く、逆方向耐圧が高いノーマリ・オフ型HE
MTを実現することができ、また、ショットキ・ゲート
電極が製造工程中或いは動作中の熱履歴に依ってオーミ
ックに変化して特性が劣化するようなことはなくなる。
り電圧が高く、逆方向耐圧が高いノーマリ・オフ型HE
MTを実現することができ、また、ショットキ・ゲート
電極が製造工程中或いは動作中の熱履歴に依ってオーミ
ックに変化して特性が劣化するようなことはなくなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例を説明するための概
略図である。この図において、1は半絶縁性InP基
板、2はノンドープIn0.52Al0.48As層、3はノン
ドープIn0.53Ga0.47As層、4はn−In0.52Al
0.48As層、5はn−In0.53Ga0.47As層、6はリ
セスエッチングした領域、7はPt層、8はTi層、9
はPt層、10はAu層、11はAuGeソース電極、
12はAuGeドレイン電極である。
する。図1は、本発明の第1実施例を説明するための概
略図である。この図において、1は半絶縁性InP基
板、2はノンドープIn0.52Al0.48As層、3はノン
ドープIn0.53Ga0.47As層、4はn−In0.52Al
0.48As層、5はn−In0.53Ga0.47As層、6はリ
セスエッチングした領域、7はPt層、8はTi層、9
はPt層、10はAu層、11はAuGeソース電極、
12はAuGeドレイン電極である。
【0010】図1を参照して本発明をHEMTに適用し
た場合について説明する。まず、半絶縁性InP基板1
上に、厚さ3000ÅのノンドープIn0.52Al0.48A
s層2、厚さ500ÅのノンドープIn0.53Ga0.47A
s層3、厚さ300Åの1×1018cm-3のSiドープ
n−In0.52Al0.48Asの電子供給層4、厚さ100
Åの1×1018cm-3のSiドープn−In0.53Ga
0.47Asキャップ層5をMOCVDによって順次エピタ
キシャル成長する。
た場合について説明する。まず、半絶縁性InP基板1
上に、厚さ3000ÅのノンドープIn0.52Al0.48A
s層2、厚さ500ÅのノンドープIn0.53Ga0.47A
s層3、厚さ300Åの1×1018cm-3のSiドープ
n−In0.52Al0.48Asの電子供給層4、厚さ100
Åの1×1018cm-3のSiドープn−In0.53Ga
0.47Asキャップ層5をMOCVDによって順次エピタ
キシャル成長する。
【0011】つぎに、メサエッチングによって素子分離
をした後に、ソースおよびドレイン電極としてAuGe
合金を蒸着し、熱処理し合金化してソース電極11、ド
レイン電極12を形成する。つぎに、ゲート部のn−I
nGaAs層5をリセスエッチングしてn−InAlA
s層4を露出した後、この領域に50ÅのPt層7、厚
さ300ÅのTi層8、厚さ600ÅのPt層9、厚さ
2000ÅのAu層10をこの順に蒸着し、300〜4
00℃で加熱処理してPt層7とn−InAlAs層4
を反応させ合金化する。本実施例では、Pt層上にTi
/Pt/Auを形成したが、これに限られるわけではな
く、Mo、Ta、W等の耐熱性金属あるいは耐熱性金属
とAuの積層構造にすることも考えられる。
をした後に、ソースおよびドレイン電極としてAuGe
合金を蒸着し、熱処理し合金化してソース電極11、ド
レイン電極12を形成する。つぎに、ゲート部のn−I
nGaAs層5をリセスエッチングしてn−InAlA
s層4を露出した後、この領域に50ÅのPt層7、厚
さ300ÅのTi層8、厚さ600ÅのPt層9、厚さ
2000ÅのAu層10をこの順に蒸着し、300〜4
00℃で加熱処理してPt層7とn−InAlAs層4
を反応させ合金化する。本実施例では、Pt層上にTi
/Pt/Auを形成したが、これに限られるわけではな
く、Mo、Ta、W等の耐熱性金属あるいは耐熱性金属
とAuの積層構造にすることも考えられる。
【0012】図2は、本発明のHEMTにおけるΨmお
よびΔVthの熱処理時間依存性の実験結果を示す図であ
る。この図は、Pt層(dÅ)、Ti層(300Å)、
Pt層(600Å)、Au層(2000Å)をこの順に
蒸着して積層したゲート電極をもつn−InAlAs/
InGaAs HEMTのショットキ障壁の高さΨmお
よびしきい値電圧シフトΔVthを300℃で熱処理した
場合の経時変化を測定した結果である。なお、Pt層の
厚さdを、0Å、10Å、50Å、100Åにした場合
について測定した。
よびΔVthの熱処理時間依存性の実験結果を示す図であ
る。この図は、Pt層(dÅ)、Ti層(300Å)、
Pt層(600Å)、Au層(2000Å)をこの順に
蒸着して積層したゲート電極をもつn−InAlAs/
InGaAs HEMTのショットキ障壁の高さΨmお
よびしきい値電圧シフトΔVthを300℃で熱処理した
場合の経時変化を測定した結果である。なお、Pt層の
厚さdを、0Å、10Å、50Å、100Åにした場合
について測定した。
【0013】この測定結果から、ショットキ障壁の高さ
Ψmは、d=100Åの試料を除いて、熱処理によって
上昇していることがわかる。これはPt/GaAs接合
の場合と同様、熱処理によって界面にPtとInAlA
sの合金(シンターリング)が形成されたためと思われ
る。
Ψmは、d=100Åの試料を除いて、熱処理によって
上昇していることがわかる。これはPt/GaAs接合
の場合と同様、熱処理によって界面にPtとInAlA
sの合金(シンターリング)が形成されたためと思われ
る。
【0014】また、d=10Åのデータとd=0Åのデ
ータを比較すると、わずか10ÅのPtによってもΨm
を高くする効果があることがわかる。d=50Åの試料
ではΨm=0.7eVとなっており、従来のAlと比べ
て0.15eV高い値が得られた。また、しきい値電圧
のずれΔVthについては、いずれも正側へシフトしてい
ることがわかる。そしてまた、d=100Åの試料では
ΔVthは増加し続ける。これはPtが過剰に存在するた
めに反応が際限なく進んだ結果と考えられる。
ータを比較すると、わずか10ÅのPtによってもΨm
を高くする効果があることがわかる。d=50Åの試料
ではΨm=0.7eVとなっており、従来のAlと比べ
て0.15eV高い値が得られた。また、しきい値電圧
のずれΔVthについては、いずれも正側へシフトしてい
ることがわかる。そしてまた、d=100Åの試料では
ΔVthは増加し続ける。これはPtが過剰に存在するた
めに反応が際限なく進んだ結果と考えられる。
【0015】また、d=50Å、10Åの試料では、最
初の1分間は変化は大きいが、その後はほぼ安定であ
る。これは最初の1分間の反応でPtが消費しつくされ
たためと考えられる。また、d=0Åの試料では、ΔV
thが小さいことから、反応は主にPtと半導体の反応に
よるものであり、Tiはあまり反応に寄与していないと
いえる。上記の300℃での熱処理による測定の外に、
350℃および400℃における熱処理による同様の実
験を行い、300℃の場合と同様にΨmが上昇すること
を確認した。
初の1分間は変化は大きいが、その後はほぼ安定であ
る。これは最初の1分間の反応でPtが消費しつくされ
たためと考えられる。また、d=0Åの試料では、ΔV
thが小さいことから、反応は主にPtと半導体の反応に
よるものであり、Tiはあまり反応に寄与していないと
いえる。上記の300℃での熱処理による測定の外に、
350℃および400℃における熱処理による同様の実
験を行い、300℃の場合と同様にΨmが上昇すること
を確認した。
【0016】以上の実験結果から、Ptの厚さが極端に
薄いと当然その効果が現れず、10Å以下の均一な膜を
形成することは通常の方法では困難であるから、有効な
Ptの厚さの下限は、10Åである。
薄いと当然その効果が現れず、10Å以下の均一な膜を
形成することは通常の方法では困難であるから、有効な
Ptの厚さの下限は、10Åである。
【0017】また、PtはGaAsに対する場合と同様
に、InAlAsに対しても反応性に富むため、Pt層
の厚さを100Å以上にすると、素子製作後に行う配線
のためのボンディングや使用中の発熱によって温度が上
昇するときにPtとInAlAsとの反応が際限なく進
んで、Vthが変動するため、InAlAsと接するPt
層の厚さには100Å未満の上限が存在する。この種の
トランジスタにおいては、ボンディング時や使用中の発
熱による温度上昇は350℃程度であるから、Pt層の
厚さは100Åより薄くしなければならない。
に、InAlAsに対しても反応性に富むため、Pt層
の厚さを100Å以上にすると、素子製作後に行う配線
のためのボンディングや使用中の発熱によって温度が上
昇するときにPtとInAlAsとの反応が際限なく進
んで、Vthが変動するため、InAlAsと接するPt
層の厚さには100Å未満の上限が存在する。この種の
トランジスタにおいては、ボンディング時や使用中の発
熱による温度上昇は350℃程度であるから、Pt層の
厚さは100Åより薄くしなければならない。
【0018】この実験ではPt層の上層としてTi/P
t/Auを用いたが、InAlAsとの反応は主として
最下層のPtでのみ生じていると考えられることから、
上層の材料が変化してもPt層の厚さに関する上記の結
論は変わらない。すなわち、Pt上に形成する膜として
はTi/Pt/Auに限らず、GaAs系電界効果トラ
ンジスタにおいて既に提案されている耐熱性金属(M
o、W、Ta等)を用いてもよい。この説明は、ゲート
メタルとして最下層にPtがあれば良いことを示すか
ら、Pt/AlやPt/高融点メタル等の組合せにおい
ても成立することはいうまでもない。
t/Auを用いたが、InAlAsとの反応は主として
最下層のPtでのみ生じていると考えられることから、
上層の材料が変化してもPt層の厚さに関する上記の結
論は変わらない。すなわち、Pt上に形成する膜として
はTi/Pt/Auに限らず、GaAs系電界効果トラ
ンジスタにおいて既に提案されている耐熱性金属(M
o、W、Ta等)を用いてもよい。この説明は、ゲート
メタルとして最下層にPtがあれば良いことを示すか
ら、Pt/AlやPt/高融点メタル等の組合せにおい
ても成立することはいうまでもない。
【0019】 (第2実施例) 第1実施例の説明中で説明したように、Pt層のゲート
電極を有するn−InAlAs/i−InGaAsHE
MTにおいては、しきい値電圧の必要シフト量とPtの
厚さの関係を勘案して、ゲートを形成した後に熱処理を
施していた。
電極を有するn−InAlAs/i−InGaAsHE
MTにおいては、しきい値電圧の必要シフト量とPtの
厚さの関係を勘案して、ゲートを形成した後に熱処理を
施していた。
【0020】ところが、Pt層の膜厚が厚い場合は熱処
理(シンターリング)される深さも大きくなり、場合に
よってはこの熱処理によって、ゲート電極はショットキ
接触からオーミック接触に近いものに変質し、HEMT
としての特性が著しく劣化する現象が見出された。ま
た、このショットキ特性の劣化は、ゲートメタルとチャ
ネルの距離が短くなりすぎた場合、薄いInAlAsが
実効的なバリアとして作用しなくなった結果であること
を発見した。
理(シンターリング)される深さも大きくなり、場合に
よってはこの熱処理によって、ゲート電極はショットキ
接触からオーミック接触に近いものに変質し、HEMT
としての特性が著しく劣化する現象が見出された。ま
た、このショットキ特性の劣化は、ゲートメタルとチャ
ネルの距離が短くなりすぎた場合、薄いInAlAsが
実効的なバリアとして作用しなくなった結果であること
を発見した。
【0021】本実施例は、熱処理(シンタリング)によ
り、ショットキ特性の劣化を招かないHEMTに関す
る。図3は、本発明の第2実施例を説明するための概略
図である。この図において、20は半絶縁性InP基
板、21はi−InGaAs層、22は二次元電子ガ
ス、23はn−InAlAs層、24はi−InAlA
s層、25はn+ −InGaAs層、26はPt層、2
7はTi層、28はPt層、29はAu層、30はソー
ス電極、31はドレイン電極である。
り、ショットキ特性の劣化を招かないHEMTに関す
る。図3は、本発明の第2実施例を説明するための概略
図である。この図において、20は半絶縁性InP基
板、21はi−InGaAs層、22は二次元電子ガ
ス、23はn−InAlAs層、24はi−InAlA
s層、25はn+ −InGaAs層、26はPt層、2
7はTi層、28はPt層、29はAu層、30はソー
ス電極、31はドレイン電極である。
【0022】本実施例のHEMTは、半絶縁性InP基
板20上に、i−InGaAs層21、不純物濃度2×
1018cm-3で厚さ100Åのn−InAlAs層2
3、厚さ220Åのi−InAlAs層24、不純物濃
度2×1018cm-3で厚さ500Åのn+ −InGaA
s層25を順次成長し、n+ −InGaAs層25を選
択的にリセスエッチングしてi−InAlAs層24を
露出し、この層に厚さ50ÅのPt層26、厚さ300
ÅのTi層27、厚さ500ÅのPt層28、厚さ10
00ÅのAu層29を形成してゲート電極とし、n+ −
InGaAs層上にレジストを塗布してパターニング
し、その上にAuGeをE−gunによって全面に蒸着
し、リフトオフしてソース電極30、とドレイン電極3
1を形成し、熱処理(シンター)することによって製造
される。なお、22は二次元電子ガスを示している。
板20上に、i−InGaAs層21、不純物濃度2×
1018cm-3で厚さ100Åのn−InAlAs層2
3、厚さ220Åのi−InAlAs層24、不純物濃
度2×1018cm-3で厚さ500Åのn+ −InGaA
s層25を順次成長し、n+ −InGaAs層25を選
択的にリセスエッチングしてi−InAlAs層24を
露出し、この層に厚さ50ÅのPt層26、厚さ300
ÅのTi層27、厚さ500ÅのPt層28、厚さ10
00ÅのAu層29を形成してゲート電極とし、n+ −
InGaAs層上にレジストを塗布してパターニング
し、その上にAuGeをE−gunによって全面に蒸着
し、リフトオフしてソース電極30、とドレイン電極3
1を形成し、熱処理(シンター)することによって製造
される。なお、22は二次元電子ガスを示している。
【0023】この図3において、ゲートメタル最下層の
Pt層26の厚さをD、ゲート部のリセス後のi−In
AlAs層24とn−InAlAs層23の合計の膜厚
をdÅとし、上記のようにそれぞれの数値を限定した理
由を説明する。上記のHEMTにおいて、ゲート電極形
成後に熱処理(シンター)を行うと、約2×DÅの深さ
にシンタリングされて、実効的なショットキ界面はそれ
だけチャネルとなるi−InGaAs層21に近づくか
ら、電子供給層の厚さは(d−2D)Åとなる。
Pt層26の厚さをD、ゲート部のリセス後のi−In
AlAs層24とn−InAlAs層23の合計の膜厚
をdÅとし、上記のようにそれぞれの数値を限定した理
由を説明する。上記のHEMTにおいて、ゲート電極形
成後に熱処理(シンター)を行うと、約2×DÅの深さ
にシンタリングされて、実効的なショットキ界面はそれ
だけチャネルとなるi−InGaAs層21に近づくか
ら、電子供給層の厚さは(d−2D)Åとなる。
【0024】発明者等は、この電子供給層の厚さが薄す
ぎるとショットキ接合が形成されず、InAlAsとP
tの場合は、この厚さが200Å以上ないとショットキ
接合にならないことを実験的に確かめた。したがって、
リセスエッチング後の電子供給層の厚さdとPt層の厚
さDは、200Å<d−2DÅの関係を有することが必
要である。この関係から、D<(d−200)/2Åな
る関係が必要となる。
ぎるとショットキ接合が形成されず、InAlAsとP
tの場合は、この厚さが200Å以上ないとショットキ
接合にならないことを実験的に確かめた。したがって、
リセスエッチング後の電子供給層の厚さdとPt層の厚
さDは、200Å<d−2DÅの関係を有することが必
要である。この関係から、D<(d−200)/2Åな
る関係が必要となる。
【0025】図3に示した、本実施例においては、i−
InAlAs層24の厚さが220Å、n−InAlA
s層23の厚さが100Åであるから、その合計である
電子供給層の厚さは220+100=320Åとなる。
したがって、Pt層26の蒸着量を、上記のように(3
20−200)÷2=60Å以下とする。
InAlAs層24の厚さが220Å、n−InAlA
s層23の厚さが100Åであるから、その合計である
電子供給層の厚さは220+100=320Åとなる。
したがって、Pt層26の蒸着量を、上記のように(3
20−200)÷2=60Å以下とする。
【0026】さらに、上記の厚さのPtを形成した後、
しきい値電圧のシフトが進行しない350℃の熱処理を
10分間程度行って完成する。この熱処理により、しき
い値電圧は、初期値の−0.25Vから+0.08Vへ
と変化し、エンハンスメントモードのHEMTが得られ
る。上記の本発明の説明は、ゲートメタルとして最下層
にPtがあればよいから、Pt/AlやPt/高融点メ
タル等の組合せにおいても成立することはいうまでもな
い。
しきい値電圧のシフトが進行しない350℃の熱処理を
10分間程度行って完成する。この熱処理により、しき
い値電圧は、初期値の−0.25Vから+0.08Vへ
と変化し、エンハンスメントモードのHEMTが得られ
る。上記の本発明の説明は、ゲートメタルとして最下層
にPtがあればよいから、Pt/AlやPt/高融点メ
タル等の組合せにおいても成立することはいうまでもな
い。
【0027】
【発明の効果】本発明に依るHEMT及びその製造方法
に於いては、InAlAsチャネル層に対するゲート電
極のショットキ障壁を高くすることができる為、ノーマ
リ・オフ型HEMTを実現することができ、これを論理
回路に用いた場合にはハイレベルの電圧を高くすること
ができ、リーク電流を少なくすることが可能になる。 ま
た、ゲート部のリセスエッチング後の電子供給層の厚さ
から、シンターさせるPt層の厚さを規定することに依
り、シンター処理に伴うEモード素子に於いてもショッ
トキ特性の劣化を招来することがなくなり、性能及び製
造歩留りを共に向上させることができる。
に於いては、InAlAsチャネル層に対するゲート電
極のショットキ障壁を高くすることができる為、ノーマ
リ・オフ型HEMTを実現することができ、これを論理
回路に用いた場合にはハイレベルの電圧を高くすること
ができ、リーク電流を少なくすることが可能になる。 ま
た、ゲート部のリセスエッチング後の電子供給層の厚さ
から、シンターさせるPt層の厚さを規定することに依
り、シンター処理に伴うEモード素子に於いてもショッ
トキ特性の劣化を招来することがなくなり、性能及び製
造歩留りを共に向上させることができる。
【図1】本発明の第1実施例を説明するための概略図で
ある。
ある。
【図2】本発明のHEMTにおけるΨmおよびΔVthの
熱処理時間依存性の実験結果を示す図である。
熱処理時間依存性の実験結果を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例を説明するための概略図で
ある。
ある。
1 半絶縁性InP基板 2 ノンドープIn0.52Al0.48As層 3 ノンドープIn0.53Ga0.47As層 4 n−In0.52Al0.48As層 5 n−In0.53Ga0.47As層 6 リセスエッチングした領域 7 Pt層 8 Ti層 9 Pt層 10 Au層 11 AuGeソース電極 12 AuGeドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/778 H01L 21/338 H01L 29/812
Claims (4)
- 【請求項1】n−InAlAs/i−InGaAsHE
MTにおいて、その電子供給層であるn−InAlAs
化合物半導体層上に形成された、該電子供給層の厚さを
dÅとするとき、(d−200Å)/2以下である厚さ
のPt層と、その上に形成された耐熱性金属層からなる
ショットキゲート電極を有することを特徴とするHEM
T。 - 【請求項2】n−InAlAs/i−InGaAsHE
MTの製造方法において、電子供給層であるn−InA
lAs化合物半導体層上に、該電子供給層の厚さをdÅ
とするとき、(d−200Å)/2Å以下の厚さのPt
層を設け、その上に耐熱性金属層を設けた後、前記In
AlAs化合物半導体層と前記Ptとの間で合金化する
に足る熱処理を加えることによってショットキゲート電
極を形成することを特徴とするHEMTの製造方法。 - 【請求項3】InAlAs化合物半導体と前記Ptとを
合金化する熱処理を、該熱処理によってしきい値電圧の
変動が実質的に生じなくなるまで加えることを特徴とす
る請求項2記載のHEMTの製造方法。 - 【請求項4】InAlAs化合物半導体と前記Ptとを
合金化する熱処理を、400℃以下で行なうことを特徴
とする請求項2記載のHEMTの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13117890 | 1990-05-23 | ||
JP2-131178 | 1990-05-23 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04212427A JPH04212427A (ja) | 1992-08-04 |
JP3044399B2 true JP3044399B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=15051833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03035093A Expired - Fee Related JP3044399B2 (ja) | 1990-05-23 | 1991-02-06 | Hemt及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3044399B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2611735B2 (ja) * | 1993-12-22 | 1997-05-21 | 日本電気株式会社 | ヘテロ接合fet |
US7411226B2 (en) * | 2005-04-27 | 2008-08-12 | Northrop Grumman Corporation | High electron mobility transistor (HEMT) structure with refractory gate metal |
-
1991
- 1991-02-06 JP JP03035093A patent/JP3044399B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04212427A (ja) | 1992-08-04 |
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