JP3044093B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP3044093B2
JP3044093B2 JP3154146A JP15414691A JP3044093B2 JP 3044093 B2 JP3044093 B2 JP 3044093B2 JP 3154146 A JP3154146 A JP 3154146A JP 15414691 A JP15414691 A JP 15414691A JP 3044093 B2 JP3044093 B2 JP 3044093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のサスペンション装
置、特に、各車輪と車体との間にそれぞれ設けられた流
体シリンダに流体を給排することにより車両のサスペン
ション特性を可変するようにしたサスペンション装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のサスペンション装置として、例
えば、特開昭63−130418号公報に記載されてい
るように、車両のバネ上とバネ下との間、即ち、各車輪
と車体との間にそれぞれ流体シリンダを設け、運転状態
に応じて各流体シリンダに流体を給排することによりサ
スペンション特性を可変し得るように構成された所謂ア
クティブサスペンション装置が知られており、この種の
アクティブサスペンション装置においては、通常、車高
変位を検出する車高変位検出手段、流体シリンダの圧力
を検出する圧力検出手段および車両に加わる上下方向の
加速度を検出する上下加速度検出手段等を備え、これら
の検出手段により検出された検出信号に基づいて、上記
各流体シリンダへの流体の給排量を所定の制御ゲインに
より制御して、車両のバウンス、ピッチングおよびロー
ルを抑制することにより、乗り心地および安定性を向上
させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記アクテ
ィブサスペンション装置における各流体シリンダへの流
体の給排量を制御するための制御ゲインは、車両の走行
状態に対応させて予め複数の制御ゲインが設定されてお
り、車高変位を検出する車高変位検出手段、流体シリン
ダの圧力を検出する圧力検出手段および車両に加わる上
下方向の加速度を検出する上下加速度検出手段等により
検出される信号に基づいて、実際の走行状態を検出し
て、その走行状態に応じた制御ゲインが選択されるよう
になっているのであるが、車両の走行状態は、道路状況
によって大きく左右されることになる。そのため、道路
状況を加味したうえで如何にサスペンション特性の可変
制御を行うかが課題となる。
【0004】そこで本発明は、アクティブサスペンショ
ン装置における上記のような実情に対処するもので、特
に、車両の走行を案内するナビゲーション装置に着目し
て、該装置からの信号に基づいて車両の走行地点の道路
状況を判定し、この判定された道路状況に基づいて各流
体シリンダに対する流体の給排量を制御するための制御
ゲインを変更することにより、アクティブサスペンショ
ン装置によるサスペンション特性の可変制御をより緻密
に行い、乗り心地と共に操縦性ないし安定性をより一層
向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0006】
【0007】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、各車輪と車体との間にそれぞれ設
けられた流体シリンダに流体を給排することにより車両
のサスペンション特性を可変するようにしたサスペンシ
ョン装置において、図1に示すように、上記各流体シリ
ンダに対する流体の給排量を所定の制御ゲインに基づい
てコントロールする流体供給量制御手段aと、車両の現
在地を示す信号と予め記憶された地理情報とに基づいて
該車両の走行を案内するナビゲーション装置bと、該ナ
ビゲーション装置bからの地理情報を示す信号に基づい
て道路状況に対応させて複数の地理モードに区分けする
地理モード選別手段と、該地理モード選別手段と上
記ナビゲーション装置bとからの信号とに基づいて車両
の現在走行中の地理モードに応じて上記制御ゲインを変
更する制御ゲイン変更手段dとを設けたことを特徴とす
る。
【0008】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2発明という)は、図1に示すように、上記第1発明
の構成に加えて、ナビゲーション装置bからの信号に基
づいて予め設定された所定のエリア内では地理モード選
別手段の区分け能力を高める地理モード選別補正手段
を設けたことを特徴とする。
【0009】なお、上記所定のエリアとしては、例え
ば、自宅を中心とする所定範囲内等の走行頻度が高いエ
リアが選択される。
【0010】
【0011】
【作用】まず、第1発明によれば、ナビゲーション装置
bにより車両の走行が案内されると共に、地理モード選
別手段cにより道路状況に対応させて複数の地理モード
に区分けされる。そして、制御ゲイン変更手段dによ
り、車両の現在走行中の地理モードに応じて各流体シリ
ンダに対する流体の給排量をコントロールするための制
御ゲインが変更されることになる。これにより、走行状
態を左右する地理モードに応じてより緻密にサスペンシ
ョン特性の可変制御が行なわれ、乗り心地ないし操縦安
定性が一段と向上することになる。
【0012】特に、第2発明によれば、地理モード選別
補正手段が設けられていることにより、所定のエリア
内、例えば、走行頻度の高い自宅周辺においては、地理
モード選別手段の区分け能力が高められることになっ
て、より詳細に地理モードが区分けされ、この詳細に区
分けされた地理モードに基づいて制御ゲインが変更され
る。これにより、詳細に区分けされた地理モードに応じ
てより緻密にサスペンション特性の可変制御が行なわれ
ることになって、乗り心地ないし操縦安定性が一段と向
上することになると共に、走行頻度の高い所定のエリア
内のみにおいて地理モード選別手段による区分け能力
が高められることにより、当該装置の大型化ならびにコ
ストアップを招くことがない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】図2は、本発明に係る車両のサスペンショ
ン装置を含む車両の全体概略図であり、図2において
は、車体1の左側のみが図示されているが、車体1の右
側も同様に構成されている。図2において、車体1と左
前輪2FLとの間および車体1と左後輪2RLとの間に
は、それぞれ流体シリンダ3,3が設けられており、各
流体シリンダ3内には、シリンダ本体3a内に嵌装され
たピストン3bにより、液圧室3cが形成されている。
各流体シリンダ3のピストン3bに連結されたピストン
ロッド3dの上端部は、車体1に連結され、また、各シ
リンダ本体3aは、左前輪2FLまたは左後輪2RL
それぞれ連結されている。
【0015】上記各流体シリンダ3の液圧室3cは、連
通路4によりガスばね5と連通しており、各ガスばね5
は、ダイアフラム5eによりガス室5fと液圧室5gと
に分割され、該液圧室5gは、連通路4、流体シリンダ
3のピストン3bにより流体シリンダ3の液圧室3cと
連通されている。
【0016】上記各流体シリンダ3には、該シリンダ3
に流体を供給する油圧ポンプ8が流体通路9を介して接
続されており、この流体通路9には、各流体シリンダ3
に供給される流体の流量を制御する比例流量制御弁10
が設けられていると共に、上記油圧ポンプ8には、流体
の吐出圧を検出する吐出圧計11が設けられ、また、各
流体シリンダ3の液圧室3c内の液圧を検出する液圧セ
ンサ12が設けられている。
【0017】更に、各流体シリンダ3のシリンダストロ
ーク量を検出して、各車輪に対する車体1の上下方向の
変位、即ち、車高変位を検出する車高変位センサ13,
13が設けられていると共に、車両の上下方向の加速
度、即ち、車輪のばね上の上下方向の加速度を検出する
上下加速度センサ14a,14b,14cが設けられ、
これらのセンサのうち14a,14bが、車両の略水平
面上で各左右の前輪2FL,2FR(一方のみ図示)の
上方に、また、残る1つの上下加速度センサ14cが、
左右の後輪2RL,2RR(一方のみ図示)間の車幅方
向の中央部に位置するようにそれぞれ配置されている。
また、車体1の重心位置には、車両の横方向に加わる横
方向の加速度を検出する横加速度センサ15が設けら
れ、更に、舵角センサ16および車速センサ17が設け
られている。
【0018】そして、上記吐出圧計11、液圧センサ1
2、車高変位センサ13、上下加速度センサ14a,1
4b,14c、横加速度センサ15、舵角センサ16お
よび車速センサ17の検出信号は、内部にCPU等を有
するコントロールユニット18に入力され、このコント
ロールユニット18は、上記各検出信号に基づいて所定
のプログラムに従って演算を行い、所望のサスペンショ
ン特性となるように上記各比例流量制御弁10の作動を
制御する。
【0019】次に、上記各流体シリンダ3に対して作動
油圧を給排するための油圧供給回路について説明する
と、図3に示すように、油圧発生源としての上記油圧ポ
ンプ8は、所定の駆動源20により駆動されるパワース
テアリング装置用の油圧ポンプ21と並設され、該油圧
ポンプ8より各シリンダ3に作動流体を吐出する吐出管
8aには、アキュムレータ22が接続され、該吐出管8
aは、アキュムレータ22の接続部の下流側において、
前輪側配管23Fおよび後輪側配管23Rに分岐されて
おり、前輪側配管23Fは、後輪側配管23Rとの分岐
部の下流側で左前輪側配管23FLおよび右前輪側配管
23FRに分岐され、各前輪側配管23FL,23FR
は、それぞれ左前輪用のシリンダ3FLおよび右前輪用
のシリンダ3FRの液圧室3c,3cに連通されてい
る。同様に、後輪側配管23Rは、分岐部の下流側で左
後輪側配管23RLおよび右後輪側配管23RRに分岐
され、各後輪側配管23RL,23RRは、それぞれ左
後輪用のシリンダ3RLおよび右後輪用のシリンダ3R
Rの液圧室3c,3cに連通されている。
【0020】上記各シリンダ3FL,3FR,3RL,
3RRには、それぞれガスばね5FL,5FR,5R
L,5RRが接続されており、各ガスばね5FL,5F
R,5RL,5RRは、4つのガスばねユニッ5a,5
b,5c,5dより構成され、これらのガスばねユニッ
ト5a,5b,5c,5dは、それぞれ、対応するシリ
ンダ3FL,3FR,3RL,3RRの各液圧室3c…
3cに連通する連通路4に、分岐通路4a,4b,4
c,4dにより接続されている。また、各ガスばね5F
L,5FR,5RL,5RRの分岐通路4a,4b,4
c,4dには、それぞれオリフィス25a,25b,2
5c,25dが設けられており、これらのオリフィス2
5a,25b,25c,25dの減衰作用およびガスば
ね5FL,5FR,5RL,5RRのガス室5fに封入
されたガスの緩衝作用により、車両に加わる高周波の振
動の低減が図られている。
【0021】上記各ガスばね5FL,5FR,5RL,
5RRを構成するガスばねユニット5a,5b,5c,
5dのうち各シリンダ3FL,3FR,3RL,3RR
の各液圧室3cに最も近い位置に設けられた第1のガス
ばねユニット5aとこれに隣接する第2のガスばねユニ
ット5bとの間の連通路4には、該連通路4を開く開位
置とこの通路4を通路断面積を絞る閉位置とに切り換え
られて、連通路4の通路断面積を調整し、ガスばね5F
L,5FR,5RL,5RRの減衰力を2段階に切り換
える切換バルブ26…26が設けられている。
【0022】上記油圧ポンプ8の吐出管8aにおけるア
キュムレータ22の接続部の上流側には、アンロードリ
リーフバルブ28が接続されており、このアンロードリ
リーフバルブ28は、吐出圧計11で測定された吐出圧
が所定の上限値、例えば、160Kgf/cm2以上の
ときには、開位置に切り換えられて油圧ポンプ8から吐
出された作動油をリザーブタンク29に直接戻し、一
方、所定の下限値、例えば、120Kgf/cm2以下
のときには、閉位置に切り換えられて作動油をアキュム
レータ22に供給し、該アキュムレータ22の蓄圧値が
所定の値に保持されるように制御される。このようにし
て、各流体シリンダ3FL,3FR,3RL,3FRへ
の流体の供給は、所定の蓄圧地に保持されたアキュムレ
ータ22の蓄圧によって行われるようになっている。
【0023】なお、図3においては、上記アンロードリ
リーフバルブ28が閉位置の状態が図示されている。
【0024】ここで、左右の前輪および左右の後輪の油
圧回路は同様に構成されているので、以下、左前輪2F
Lの油圧回路のみにつき説明し、その他については省略
する。
【0025】即ち、上記比例流量制御弁10は、三方弁
よりなり、全ポートを閉じる閉鎖位置と、左前輪側配管
23FLを油圧供給側に開く供給位置と、左前輪側配管
23FLの流体シリンダ3FLをリターン配管32に連
通する排出位置とのいずれかに切り換えられるようにな
っており、図3においては、閉位置にある状態が図示さ
れている。また、上記比例流量制御弁10は、圧力補償
弁10a,10aを備えており、これらの圧力補償弁1
0a,10aにより、該比例流量制御弁10が、供給位
置または排出位置になるとき、流体シリンダ3FLの液
圧室3c内の液圧が所定値に保持されるようになってい
る。
【0026】更に、上記比例流量制御弁10の流体シリ
ンダ3FL側には、左前輪側配管23FLを開閉可能な
パイロット圧応答型の開閉弁33が設けられており、こ
の開閉弁33は、比例流量制御弁10の油圧ポンプ8側
の左前輪側配管23FLの液圧を導く電磁弁34の開時
に、該電磁弁34の液圧がパイロット圧として導入さ
れ、このパイロット圧が所定値以上のときに、開閉弁3
3は、左前輪側配管23FLを開き、比例流量制御弁1
0による流体シリンダ3FLへの流体の流量を制御する
ようになっている。
【0027】また、上記流体シリンダ3FLの液圧室3
cの内圧が異常上昇したときに開いて、液圧室3c内の
作用油をリターン配管32に戻すリリーフ弁35、アキ
ュムレータ22接続部の下流側近傍の油圧ポンプ8の吐
出管8aに接続され、イグニッションオフ時に開いて、
アキュムレータ22内に蓄えられた作用油をリザーバタ
ンク29に戻し、アキュムレータ22内の高圧状態を解
除するイグニッションキー連動弁36、油圧ポンプ8の
吐出圧が異常に上昇したときに、該油圧ポンプ8内の作
動油をリザーバタンク29に戻して吐出圧を下降させる
油圧ポンプリリーフバルブ37およびリターン配管32
に接続されて流体シリンダ3FLからの作動油排出時
に、蓄圧作用を行うリターンアキュムレータ38,38
がそれぞれ設けられている。
【0028】一方、上記コントロールユニット18内に
は、各比例流量制御弁10を制御して各流体シリンダ3
FL,3FR,3RL,3RRに対する流体の給排量を
コントロールするための流体制御量算出回路39が設け
られており、この流体制御量算出回路39は、図4ない
図6に示すように、該各車輪の車高変位センサ13…
13の車高変位信号Xfr,Xfl,Xrr,Xrlに
基づいて、車高を目標車高に制御する制御系Aと、各車
高変位信号Xfr,Xfl,Xrr,Xrlを微分して
得られる車高変位速度信号Yfr,Yfl,Yrr,Y
rlに基づいて、車高変位速度を制御する制御系Bと、
3個の上下加速度センサ14a,14b,14cの上下
加速度信号Gfr,Gfl,Grに基づいて車両の上下
振動の低減を図る制御系Cと、各車輪の液圧センサ12
…12の圧力信号Pfr,Pfl,Prr,Prlに基
づいて車体のねじれを演算し、これを抑制する制御系D
と、横加速度センサ16の横加速度検出信号Ghに基づ
いて車両の横方向の振動の低減を図る制御系Eとにより
構成されている。
【0029】上記制御系Aには、各車輪の車高センサ1
3…13により検出された車高変位信号のノイズをカッ
トするため、高周波成分をカットするローパスフィルタ
40…40が設けられ、各ローパスフィルタ40により
高周波成分がカットされた左右の前輪2FL,2FRの
各車高センサ14の出力Xfr,Xflを加算すると共
に、各ローパスフィルタ40により高周波成分がカット
された左右の後輪2RL,2RRの各車高センサ14の
出力Xrr,Xrlを加算して、車両のバウンス成分を
演算するバウンス成分演算部41、左右の前輪2FL,
2FRの各車高センサ14の出力Xfr,Xflの加算
値から左右の後輪2RL,2RRの各車高センサ13の
出力Xrr,Xrlの加算値を減算して、車両のピッチ
ング成分を演算するピッチング成分演算部42、左右の
前輪2FL,2FRの各車高センサ13の出力Xfr,
Xflの差分(Xfr−Xfl)と、左右の後輪2R
L,2RRの各車高センサ14の出力Xrr,Xrlの
差分(Xrr−Xrl)とを加算して、車両のロール成
分を演算するロール成分演算部43とを備えている。
【0030】また、制御系Aは、バウンス成分演算部4
1で演算された車両のバウンス成分および目標平均車高
Thが入力され、ゲインKb1に基づいてバウンス制御
における各車輪の流体シリンダ3への作動油供給量を演
算するバウンス制御部44、ピッチング成分演算部42
で演算された車両のピッチング成分が入力され、ゲイン
Kp1に基づいてピッチング制御における各車輪の流体
シリンダ3への作動油供給量を演算するピッチング制御
部45およびロール成分演算部43で演算されたロール
成分および目標ロール変位量Trが入力され、ゲインK
rf1,Krr1に基づいて、目標ロール変位量Trに
対応する車高となるように、ロール制御における各車輪
の流体シリンダ3への作動油供給量を演算するロール制
御部46を備えている。
【0031】こうして、バウンス制御部44、ピッチン
グ制御部45およびロール制御部46で演算された各制
御量は、各車輪毎に、正負が反転され、即ち、各車高セ
ンサ13…13で検出された車高変位信号Xfr,Xf
l,Xrr,Xrlとは、その正負が反対になるように
反転され、その後、各車輪に対するバウンス、ピッチン
グおよびロールの各制御量がそれぞれ加算されて、制御
系Aにおける各車輪の比例流量制御弁10への制御信号
QFL1,QFR1,QRL1,QRR1が得られる。
【0032】ここに各ローパスフィルタ40とバウンス
演算部41、ピッチング演算部42およびロール演算部
43との間には、不感帯回路47…47が設けられてお
り、各車高センサ13から各ローパスフィルタ40を経
て入力された車高変位信号Xfr,Xfl,Xrr,X
rlが、予め設定された不感帯Xh…Xhを越えた場合
にのみ、これらの車高変位信号Xfr,Xfl,Xr
r,Xrlを、バウンス演算部41、ピッチング演算部
42およびロール演算部43に出力するように構成され
ている。
【0033】上記制御系Bは、上記各車高センサ13か
ら入力され、各ローパスフィルタ40により高周波成分
がカットされた車高変位信号Xfr,Xfl,Xrr,
Xrlを微分し、数1に示す算出式に従って車高変位速
度信号Yfr,Yfl,Yrr,Yrlを演算する微分
回路50…50を有する。
【0034】
【数1】 ここに、Xnは時刻tの車高変位量、Xn-1は時刻t−1
の車高変位量、Tはサンプリング時間である。
【0035】更に、制御系Bは、左右の前輪2FL,2
FR側の車高変位速度信号Yfl,Yfrの加算値から
左右の後輪2RL,2RR側の車高変位速度信号Yr
l,Yrrの加算値を減算して、車両のピッチ成分を演
算するピッチ成分演算部51および左右の前輪2FL,
2FR側の車高変位速度信号Yfl,Yfrの差分(Y
fl−Yfr)と、左右の後輪2RL,2RR側の車高
変位速度信号Yrl,Yrrの差分(Yrl−Yrr)
とを加算して、車両のロール成分を演算するロール成分
演算部52とを備えている。
【0036】こうして、ピッチ成分演算部51で演算算
出されたピッチ成分は、ピッチ制御部53に入力されて
ゲインKp2に基づいてピッチ制御における各比例流量
制御弁10への流量制御量が演算され、また、ロール演
算部52で演算算出されたロール成分は、ロール制御部
54に入力され、ゲインKrf2,Krr2に基づい
て、目標ロール変位量Trに対応する車高になるよう
に、ロール制御における各比例流量制御弁10への流量
制御量が演算される。
【0037】上記ピッチ制御部53およびロール制御部
54で演算された各制御量は、更に、各車輪毎にその正
負が反転され、即ち、各微分回路50により演算された
車高変位速度信号Yfr,Yfl,Yrr,Yrlと
は、その正負が反対となるように反転され、その後、各
車輪に対するピッチおよびロールの各制御量がそれぞれ
加算され、制御系Bにおける各車輪の比例流量制御弁1
0への流量信号QFR2,QFL2,QRR2,QRL
2が得られる。
【0038】上記制御系Cは、ローパスフィルタ60…
60により、高周波成分がカットされた上下加速度セン
サ14a,14b及び14cが検出した上下加速度信号
Gfr,Gfl,Grを加算して、車両のバウンスを成
分を演算するバウンス成分演算部61と、左右の前輪2
FL,2FRの上方に取り付けられた上下加速度センサ
14a,14bの出力Gfr,Gflの平均値から、左
右の後輪の車幅方向の中央部に設けられた上下加速度セ
ンサ14cの出力Grを減算して、車両のピッチ成分を
演算するピッチ成分演算部62と、右前輪側の上下加速
度センサ14aの出力Gfrから左前輪側の上下加速度
センサ14bの出力Gflを減算して、車両のロール成
分を演算するロール成分演算部63と、バウンス成分演
算部61により演算されたバウンス成分の演算値が入力
されゲインKb3に基づいてバウンス制御における各比
例流量制御弁10への作動油の制御量を演算するバウン
ス制御部64と、ピッチ成分演算部62により演算され
たピッチ成分の演算値が入力されゲインKp3に基づい
てピッチ制御における比例流量制御弁10への作動油の
制御量を演算するピッチ制御部65およびロール成分演
算部63により演算されたロール成分の演算値が入力さ
れ、ゲインKrf3,Krr3に基づいてピッチ制御に
おける比例流量制御弁10への作動油の制御量を演算す
るロール制御部66により構成されている。
【0039】このようにして、バウンス制御部64、ピ
ッチ制御部65およびロール制御部66により演算算出
された制御量は、各車輪毎に、その正負が反転され、そ
の後、各車輪に対するバウンス、ピッチおよびロールの
各制御量が加算され、制御系Cにより出力される各比例
流量制御弁10への流量信号QFR3,QFL3,QR
R3およびQRL3が得られる。
【0040】なお、高周波成分をカットする各ローパス
フィルタ60と、バウンス成分演算部61、ピッチ成分
演算部62およびロール成分演算部63との間には、そ
れぞれ不感帯回路67…67が設けられており、上下加
速度センサ14a,14b,14cから各ローパスフィ
ルタ60を経て入力される上下加速度信号Gfr,Gf
l,Grが、予め設定された不感帯Xg…Xgを越えた
ときのみ、これらの上下加速度信号Gfr,Gfl,G
rをバウンス成分演算部61、ピッチ成分演算部62お
よびロール成分演算部63に出力するようになってい
る。
【0041】制御系Dは、左右の前輪2FL,2FRの
流体シリンダ3の液圧センサ13,13により検出され
た液圧検出信号され、その高周波成分がローパスフィル
タ70,70によりカットされたのち、左右の前輪の流
体シリンダ3の液圧室3c,3cの液圧の差(Pfr−
Pfl)と、これらの加算値(Pfr+Pfl)との比
Pf{(Pfr−Pfl)/(Pfr+Pfl)}を演
算し、演算された液圧比Pfが、所定のしきい値液圧ω
lに対して、−ωl<Pf<ωlである場合には、演算
された液圧比Pfをそのまま出力し、他方、Pf<−ω
lまたはPf>ωlである場合には、しきい値液圧比ω
lを出力する前輪側液圧比演算部71aと、左右の後輪
2RL,2RRの流体シリンダ3の液圧センサ12,1
2により検出された液圧検出信号され、その高周波成分
がローパスフィルタ70,70によりカットされたの
ち、左右の後輪の流体シリンダ3の液圧室3c,3cの
液圧の差(Prr−Prl)と、これらの加算値(Pr
r+Prl)との比Pr{(Prr−Prl)/(Pr
r+Prl)}を演算する後輪側液圧比演算部71bと
を有し、後輪側の液圧比Prをゲインωfに基づいて所
定の倍率で増大したのち、これを前輪側の液圧の比Pf
より減算するウォープ制御部71を備え、このウォープ
制御部71の出力ゲインωaを用いて所定の倍率で増加
させ、その後、前輪側では、ゲインωcを用いて所定の
倍率で増加させ、更に、各車輪に対する作動油の供給制
御量が、左右の車輪間で正負反対となるように、一方を
反転させ、制御系Dにおける各比例流量制御弁10への
流量信号QFR4,QFL4,QRR4およびQRL4
が得られる。
【0042】更に、制御系Eは、横加速度センサ15に
より検出された車両の横方向に加わる横加速度検出信号
Ghが入力され、ローパスフィルタ80によって、その
高周波成分がカットされたのち、ゲインKgに基づいて
制御量が演算され、左右の前輪2FL,2FRについて
は、更に、ゲインAgfに基づいて所定の倍率で増加さ
れ、その後、左右の車輪に対する流体の供給制御量が、
正負反対になるように、左前輪2FLの流体供給制御量
を反転し、他方、左右の後輪2RL,2RRについて
は、左右の後輪に対する流体の供給制御量が、正負反対
になるように、左後輪2RLの流体供給制御量を反転し
て、制御系Eにおける各比例流量制御弁10への流量信
号QFR5,QFL5,QRR5およびQRL5が得ら
れる。
【0043】以上のようにして得られた各制御系A,
B,C,DおよびEにおける各比例流量制御弁10への
流量信号は、各車輪に加算され、更に、左右の前輪につ
いては、ゲインAfが乗じられ、各比例流量制御弁10
へのトータル流量信号QFR,QFL,QRRおよびQ
RLが得られる。
【0044】ここで、コントロールユニット18内に記
憶されている上記各制御系A,B,C,DおよびEにお
いて用いられる制御ゲインの基準マップの一例を、表1
に示す。このマップは、運転状態に応じて7つのモード
が設定されている。
【0045】
【表1】 表1において、モード1は、エンジンの停止後60秒の
間における各制御ゲインの値、モード2は、イグニッシ
ョンスイッチがオンさてはいるが、車両は停止され、車
速が0の状態における各制御ゲインの値、モード3は、
車両の横方向加速度Ghが0.1以下の直進状態におけ
る各制御ゲインの値をそれぞれ示し、モード4は、図示
しないロールモードスイッチにより逆ロールモードが選
択されたときに、車両の横方向加速度Ghが0.1を越
え、0.3以下の緩旋回状態においてモード5に換えて
選択される制御ゲインの値をし、車速が120Km/h
以上になると、逆ロールモードが選択されている場合で
あっても、自動的にモード5に切り換えられるようにな
っており、また、モード5は、車両の横方向加速度がG
hが0.1を越え、0.3以下の緩旋回状態における各
制御ゲイン値、モード6は、車両の横方向加速度Ghが
0.3を越え、0.5以下の中旋回状態における各制御
ゲインの値、モード7は、車両に作用する横加速度Gh
が0.5を越えた急旋回状態における各制御ゲインの値
をそれぞれ示している。
【0046】また、表1において、Qmaxは、各車輪
の比例流量正制御弁10に供給される最大制御流量を示
しており、Pmaxは、流体シリンダ3の液圧室3c内
の最大圧力を示し、各液圧室3cからアキュムレータ2
2に作動油が逆流することのないように設定され、ま
た、Pminは、各流体シリンダ3の液圧室3c内の最
小圧力を示し、各液圧室3c内の圧力が過度に低下して
ガスばね5が伸びきって破損することのないように設定
されている。
【0047】なお、表1において、モード4を除き、モ
ード番号が大きくなる程、操縦安定性を重視したサスペ
ンション制御が行われるように設定されている。また、
表1中、Lはリットル/分を示す。
【0048】更に、上記コントロールユニット18は、
図7に示すように、車両の走行を案内するナビゲーショ
ン装置81の一部として構成されており、このコントロ
ールユニット18の内部には、同図に示すように、CP
U82と、RAM83と、ROM84と、入出力インタ
フェイス85とが内蔵されていると共に、該コントロー
ルユニット18には、運転者が目的地を設定するための
操作スイッチ86がエンコーダ87を介して信号の授受
可能に接続されている。
【0049】また、上記コントローラ18には、CD−
ROM88が装填されるCDプレーヤ89がデコーダ9
0を介して信号の授受可能に接続され、該デコーダ90
には、車室内に音声放送するオーディオ装置91が接続
されている。そして、上記CD−ROM88の内部に
は、車両の整備要領、道路の制限速度および駐車禁止等
の各付加情報ならびに車両の走行誘導に必要な情報と共
に、主要な地名、学校、病院および道路舗装の有無、高
速道路と一般道路の区別、もしくは整地と悪路ないし低
μ路との区別が、例えば図8に示すような区分地図92
の座標系において正確に記憶されていて、該CD−RO
M88の車両の整備要領は上記デコーダ90で選別され
てオーディオ装置91で音声で車室内に放送される一
方、道路情報がCPU82に入力されてらRAM83に
記憶される。
【0050】更に、上記コントロールユニット18に
は、車両の現在地を検出する現在位置検出手段としての
現在位置認識装置93が信号授受可能に接続されている
と共に、ブラウン管や液晶ディスプレイ等の表示器94
が表示制御回路95およびビデオメモリ96を介して接
続されている。そして、上記CPU82は、現在位置認
識装置93で検出した車両の現在位置と、操作スイッチ
86で設定された目的地とを含む道路情報をRAM83
から読み出すと共に、車両の走行軌跡を演算記憶して、
これらを上記表示制御回路95に出力して表示器94に
これらの道路情報を、図8に示すように表示する機能を
有している。
【0051】上記現在位置認識装置93は、図9に示す
ように、車速を検出する車速センサ17と、磁気コンパ
スよりなる地磁気センサ97と、これら両センサ17,
97の検出信号を受けて車両の進行方向および基準地点
からの相対距離を検出して車両の現在位置を把握する信
号処理回路98とからなる地磁気利用型の現在位置認識
回路99と、衛星利用型の現在位置認識回路100とを
備えている。この衛星利用の現在位置認識回路100
は、図10に示すように、全世界測位衛星システムFを
利用したものであって、同図に示すように、地上アンテ
ナ101から電波を発信させる地上の主制御局102
と、地上アンテナ101からの電波をそれぞれ受信する
4機の人工衛星103…103と、これらの各衛星10
3からの電波を受信して電波の測位誤差の程度を示す劣
化係数を演算し、該劣化係数を上記各地上アンテナ10
1からの電波に重畳させるモニタ局104とを備えたシ
ステムに対して、図9に示すように、上記4機の衛星1
03からの各電波を受信するGPS受信器105と、該
GPS受信器105で受信した各電波相互間の受信タイ
ミングに基づいて4機の衛星100と車両間の距離をそ
れぞれ把握して車両の現在位置を絶対的に検出する信号
処理回路106とを備えると共に、上記電波の劣化係数
を判定する劣化係数判定回路107とを備えている。該
劣化係数判定回路107は、上記GPS受信器105が
受信した電波に含まれる劣化係数が所定値異常のとき、
および電波の強さが所定値以下のとき(例えば、車両が
トンネル内を走行中の如き電波の受信不能時等)に測位
誤差増大信号を出力するものである。更に、図9の現在
位置認識装置93は、地磁気利用型と衛星利用型の各現
在位置認識回路99,100を選択的に切り換える切換
回路108を備えており、この切換回路108は、劣化
係数判定回路107からの測位誤差増大信号の非出力時
には、衛星利用型の現在位置認識回路100を選択する
一方、測位誤差増大信号の出力時には、地磁気利用型の
現在位置認識回路99を選択して、この選択された車両
の現在位置を上記コントロールユニット18のCPU8
2に出力するものである。
【0052】そして、上記ナビゲーション装置81を構
成すると共に、表1に示すように、基準マップに予め設
定された各制御ゲインに基づいてサスペンション特性を
可変制御するコントロールユニット18は、ナビゲーシ
ョン装置81からの信号、即ち、RAM83内に記憶さ
れた地理情報を示す信号と、現在位置認識装置93から
の車両の現在位置を示す信号とに基づいて該車両の現在
の走行地点の道路状況に応じて表1に示す制御ゲインを
変更するゲイン補正制御を行う。
【0053】次に、上記コントロールユニットによる道
路状況に応じたサスペンション特性可変制御につい
て、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0054】まず、コントロールユニット18は、ステ
ップS1において、ナビゲーション装置81を構成する
現在位置認識装置93からの信号と、RAM83内に記
憶された地理情報とを入力する。次に、ステップS2に
おいて、RAM83内に記憶された所定のエリアと上記
ステップS1において入力した信号とに基づいて車両の
現在位置が所定のエリア内に位置するかを判定する。そ
して、所定のエリア内でないと判定したときには、ステ
ップS3で高速道路を走行中であるか否かを判定し、Y
ESのとき、即ち、高速道路走行中には、ステップS4
を実行し、上下加速度に対する制御ゲインGを低下させ
ると共に、変位速度に対する制御ゲインΔXないし横加
速度に対する制御ゲインLを高める。即ち、表1の基準
マップのうち上下加速度に関して設定された各制御ゲイ
ンに対して所定の値、例えば、0.9を乗じることによ
り、そのゲインを低下させ、また、基準マップのうち変
位速度および横加速度に関して設定された各制御ゲイン
に対しては、それぞれ所定の値、例えば、1.1を乗じ
ることにより、そのゲインを高める。これにより、乗り
心地に影響する上下加速度に対する制御ゲインGが僅か
に低下されるものの、操縦安定性に影響する変位速度ゲ
インΔX、横加速度ゲインLが高められることになっ
て、乗り心地を悪化させる要因が少ない整備された高速
道路においては、操縦安定性重視のサスペンション特性
可変制御が実行されることになる。
【0055】また、上記ステップS3において、高速道
路走行中でないと判定したときには、ステップS5にお
いて、市街地を走行中であるか否かを判定する。この場
合、RAM83に記憶されている区分地図92のデータ
により単位面積当たりの道路密度、道路の分岐状況ない
し道路に設置されたナビゲーション用のサインポストの
数等に基づいて判定を行う。そして、市街地走行中であ
ると判定したときには、ステップS6により、制御ゲイ
ンのうち、上下加速度に対する制御ゲインGを高めると
共に、変位速度に対する制御ゲインΔXを低下させる。
即ち、表1の基準マップのうち上下加速度に関して設定
された各制御ゲインに対して所定の値、例えば、1.2
を乗じることにより、そのゲインを高め、また、基準マ
ップのうち変位速度に関して設定された各制御ゲインに
対しては、例えば、0.9を乗じることにより、そのゲ
インを低下させる。これにより、変位速度ゲインΔXが
僅かに低下するものの、乗り心地に影響する上下加速度
に対する制御ゲインGが高められて乗り心地が向上する
ことになって、市街地走行中においては、乗り心地重視
のサスペンション特性可変制御が実行されることにな
る。
【0056】また、上記ステップS5において、市街地
走行中でないと判定したときには、ステップS7におい
て、表1に示す基準マップに基づいて制御を行う。
【0057】一方、上記ステップS2において、予め設
定された所定のエリア内、例えば、走行頻度の高い自宅
周辺等の所定のエリア内を走行中であると判定したとき
には、車両の走行地点の道路状況を判別する能力を向上
させたのち、ステップS8において、高速道路走行中で
あるかを判定し、高速道路を走行中であれば、ステップ
S9で、上記ステップS4と同様の制御を行い、乗り心
地を悪化させる要因が少ない整備された高速道路におい
ては、操縦安定性を向上させる。
【0058】また、ステップS8において、高速道路走
行中でないと判定したときには、ステップS10におい
て、都市を走行中であるか否かを判定する、そして都市
を走行中のときには、ステップS11で、制御ゲインの
うち、上下加速度に対する制御ゲインGを高めると共
に、変位速度に対する制御ゲインΔXを低下させる。即
ち、表1の基準マップのうち上下加速度に関して設定さ
れた各制御ゲインに対して所定の値、例えば、1.3を
乗じ、また、基準マップのうち変位速度に関して設定さ
れた各制御ゲインに対しては、例えば、0.8を乗じ
る。これにより、変位速度ゲインΔXが僅かに低下する
ものの、乗り心地に影響する上下加速度に対する制御ゲ
インGが高められて乗り心地が向上することになって、
都市走行中においては、乗り心地重視のサスペンション
特性可変制御が実行されることになる。
【0059】更に、上記ステップS10において、都市
を走行中でないと判定したときには、ステップS12に
おいて、住宅地を走行中であるかを判定し、YESの場
合には、ステップS13において、上下加速度に対する
制御ゲインGを高めると共に、変位速度に対する制御ゲ
インΔXを低下させる。即ち、表1の基準マップにうち
上下加速度に関して設定された各制御ゲインに対して所
定の値、例えば、1.3を乗じ、また、基準マップのう
ち変位速度に関して設定された各制御ゲインに対して
は、例えば、0.9を乗じる。これにより、変位速度ゲ
インΔXが僅かに低下するものの、乗り心地に影響する
上下加速度に対する制御ゲインGが高められて乗り心地
が向上することになって、都市走行中と同様に住宅地走
行中においては、乗り心地重視のサスペンション特性可
変制御が実行されることになる。
【0060】また、上記ステップS12において、住宅
地を走行中でないと判定したときには、ステップS14
において、市街地を走行中であるか否かを判定し、YE
Sの場合には、ステップS15で、表1に示す基準マッ
プに基づいて制御を行う。
【0061】更に、上記ステップS14において、市街
地を走行中でないと判定いしたときには、ステップS1
6において、山道を走行中であるかを判定し、YESの
場合には、ステップS17において、制御ゲインのう
ち、上下加速度に対する制御ゲインGを低下させると共
に、変位速度に対する制御ゲインΔXを高める。即ち、
表1の基準マップのうち上下加速度に関して設定された
各制御ゲインに対して所定の値、例えば、0.9を乗
じ、また、基準マップのうち変位速度に関して設定され
た各制御ゲインに対しては、例えば、1.2を乗じる。
これにより、乗り心地に影響する上下加速度に対する制
御ゲインGが僅かに低下されるものの、操縦安定性に影
響する変位速度ゲインΔXが高められることになって、
特に、安定性が要求される山道を走行中には、操縦安定
性重視のサスペンション特性可変制御が実行されること
になる。
【0062】このように、ナビゲーション装置81から
の信号に基づいてコントロールユニット18により車両
の現在の走行地点の道路状況が判定されると共に、この
判定された道路状況に基づいて各流体シリンダ3FL,
3FR,3RL,3RRに対する流体の給排量をコント
ロールするための制御ゲインが変更されることになる。
これにより、車両の現在の走行地点の道路状況に合致し
た最適の制御ゲインに基づいて各流体シリンダ3FL,
3FR,3RL,3RRに対する流体の給排量がコント
ロールされることになって、走行状態を左右する道路状
況に応じてより緻密にサスペンション特性の可変制御を
行うことが可能となり、乗り心地ないし操縦安定性が一
段と向上することになる。
【0063】また、所定のエリア内、例えば、走行頻度
の高い自宅周辺においては、より詳細に道路状況が判別
され、この詳細に判別された道路状況に基づいて制御ゲ
インが変更され、これにより、より緻密にサスペンショ
ン特性の可変制御が行なわれ、乗り心地ないし操縦安定
性が一段と向上することになる。しかも、走行頻度の高
い所定のエリア内のみにおいて道路状況を判別する能力
が高められることにより、当該装置の大型化ならびにコ
ストアップを招くことがない。
【0064】
【0065】
【発明の効果】以上のように、第1発明によれば、ナビ
ゲーション装置により車両の走行が案内されると共に、
地理モード選別手段により、道路状況に対応させて複数
の地理モードに区分けされる。そして、制御ゲイン変更
手段により、車両の現在走行中の地理モードに応じて各
流体シリンダに対する流体の給排量をコントロールする
ための制御ゲインが変更されることになり、これによ
り、走行状態を左右する地理モードに応じてより緻密に
サスペンション特性の可変制御が行なわれることになっ
て、乗り心地ないし操縦安定性が一段と向上することに
なる。
【0066】特に、第2発明によれば、所定のエリア
内、例えば、走行頻度の高い自宅周辺においては、地理
モード選別手段の区分け能力が高められることになっ
て、より詳細に地理モードが区分けされ、この詳細に区
分けされた地理モードに応じてより緻密にサスペンショ
ン特性の可変制御が行なわれることになって、乗り心地
ないし操縦安定性が一段と向上することになると共に、
走行頻度の高い所定のエリア内のみにおいて地理モード
選別手段による区分け能力が高められることにより、当
該装置の大型化ならびにコストアップを招くことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1、第2発明の基本構成を示す機能ブロ
ック図。
【図2】 第1、第2発明に係る車両のサスペンショ
ン装置を含む車両の全体概略図。
【図3】 サスペンション装置の油圧回路図。
【図4】 コントロールユニット内に設けられた流体
制御量算出回路の制御ブロック図。
【図5】 コントロールユニット内に設けられた流体
制御量算出回路の制御ブロック図。
【図6】 コントロールユニット内に設けられた流体
制御量算出回路の制御ブロック図。
【図7】 ナビゲーション装置の概略構成を示すシス
テムブロック図。
【図8】 表示器に表示される区分地図を示す概略
図。
【図9】 現在位置認識装置の概略構成を示すシステム
ブロック。
【図10】 衛星型現在位置認識装置の概略構成を示す
全体概略図。
【図11】 コントロールユニットによるサスペンショ
ン特性可変制御を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 車体 2FL,2RL 車輪 3(3FL,3FR,3RL,3RR) 流体シリンダ 10 比例流量制御
弁 18 コントロール
ユニット 81 ナビゲーショ
ン装置 93 現在位置認識
装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−289422(JP,A) 特開 平2−227311(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪と車体との間にそれぞれ設けられ
    た流体シリンダに流体を給排することにより車両のサス
    ペンション特性を可変するようにしたサスペンション装
    置であって、上記各流体シリンダに対する流体の給排量
    を所定の制御ゲインに基づいてコントロールする流体供
    給量制御手段と、車両の現在地を示す信号と予め記憶さ
    れた地理情報とに基づいて該車両の走行を案内するナビ
    ゲーション装置と、該ナビゲーション装置からの地理情
    報を示す信号に基づいて道路状況に対応させて複数の地
    理モードに区分けする地理モード選別手段と、該地理モ
    ード選別手段と上記ナビゲーション装置とからの信号と
    に基づいて車両の現在走行中の地理モードに応じて上記
    制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段とが備えられ
    ていることを特徴とする車両のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 各車輪と車体との間にそれぞれ設けられ
    た流体シリンダに流体を給排することにより車両のサス
    ペンション特性を可変するようにしたサスペンション装
    置であって、上記各流体シリンダに対する流体の給排量
    を所定の制御ゲインに基づいてコントロールする流体供
    給量制御手段と、車両の現在地を示す信号と予め記憶さ
    れた地理情報とに基づいて該車両の走行を案内するナビ
    ゲーション装置と、該ナビゲーション装置からの地理情
    報を示す信号に基づいて道路状況に対応させて複数の地
    理モードに区分けする地理モード選別手段と、上記ナビ
    ゲーション装置からの信号に基づいて予め設定された所
    定のエリア内では上記地理モード選別手段の区分け能力
    を高める地理モード選別補正手段と、上記地理モード選
    別手段と上記ナビゲーション装置とからの信号とに基づ
    いて車両の現在走行中の地理モードに応じて上記制御ゲ
    インを変更する制御ゲイン変更手段とが備えられている
    ことを特徴とする車両のサスペンション装置。
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