JP3043780B2 - エチレン重合体及びその製造法 - Google Patents

エチレン重合体及びその製造法

Info

Publication number
JP3043780B2
JP3043780B2 JP2157455A JP15745590A JP3043780B2 JP 3043780 B2 JP3043780 B2 JP 3043780B2 JP 2157455 A JP2157455 A JP 2157455A JP 15745590 A JP15745590 A JP 15745590A JP 3043780 B2 JP3043780 B2 JP 3043780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene polymer
polymer
reaction
acid
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2157455A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0450224A (ja
Inventor
直浩 三川
聰 植木
裕之 古橋
直美 小山
哲哉 森岡
重之 土岐
Original Assignee
東燃株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東燃株式会社 filed Critical 東燃株式会社
Priority to JP2157455A priority Critical patent/JP3043780B2/ja
Publication of JPH0450224A publication Critical patent/JPH0450224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3043780B2 publication Critical patent/JP3043780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、主鎖にエステル結合を有し、生分解のエチ
レン重合体及びその製造方法に関する。
従来の技術 ポリエチレンは、分子量が低いものであれば微生物が
分解することができる。又、微生物により分子中のエス
テル結合は加水分解されることも知られている。
高分子量のポリエチレンを生分解性にするために、該
ポリエチレンに澱粉類を混合する方法が知られている。
しかしながら、澱粉類は分解されるものの、該ポリエチ
レンそのものは分解されない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、生分解可能なエチレン重合体を提供するこ
とを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記の知見に基づき、その骨格にエス
テル結合を持ち、かつ比較的低分子量のポリエチレンセ
グメントを持つ重合体を提供できれば、本発明の目的が
達成できるとの観点から、鋭意研究を行った結果、両末
端にオキシ基若しくはその置換基を持つエチレン重合体
とジカルボン酸若しくはその誘導体を重縮合することに
より、本発明の目的物である重合体が得られることを発
見して本発明を完成した。
発明の要旨 すなわち、本発明は の繰り返し単位からなり、AがCH2・CH2の繰り返し
単位からなる数平均分子量(n)300〜300,000のポリ
エチレンセグメントであるn500〜5,000,000のエステ
ル結合含有エチレン重合体、 〔但し、Rは炭素数1〜20個の二価の炭化水素基を示
す。〕 (2) CH2・CH2の繰り返し単位からなり、かつそ
の両末端にXO−基が結合したn300〜300,000のエチレ
ン重合体(I)と、一般式 で表わされる化合物(II)を重縮合することからなる上
記(1)記載のエステル結合含有エチレン重合体の製造
法である。
〔但し、Xは水素原子、−SiR1 3又は を、Yは−OH,−OR3,ハロゲン原子又は−SO3R4を示し、
R1,R2及びR3は炭素数1〜5個の炭化水素基、R4は炭素
数1〜20個の炭化水素基をそれぞれ示す。Rは前記と同
意義である。〕 エステル結合含有エチレン重合体 本発明のエステル結合含有エチレン重合体は、前記繰
り返し単位で表わされる。該繰り返し単位におけるRは
炭素数1〜20個の二価の炭化水素基を示すが、望ましく
は炭素数1〜12個の二価の飽和若しくは不飽和の脂肪族
炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。
該繰り返し単位中のAはポリエチレンセグメントから
なり、その数平均分子量(n)は300〜300,000である
が、生分解性の観点からはnが100,000以下、特に10,
000以下のものが望ましい。
本発明のエステル結合含有エチレン重合体は、500〜
5,000,000のnを持つものであるが、望ましくはが1,0
00〜500,000のものである。
エステル結合含有エチレン重合体の製造法 本発明のエステル結合含有エチレン重合体は、前記エ
チレン重合体(I)と化合物(II)を重縮合することに
より製造することができる。
エチレン重合体(I) エチレン重合体(I)は、CH2・CH2の繰り返し単
位からなり、かつその両末端にXO−基が結合したn300
〜300,000のものである。生分解性の点からはnが10
0,000以下、特に10,000以下のものが望ましい。
上記において、Xは水素原子、−SiR1 3又は を示す。R1及びR2は炭素数1〜5個の炭化水素基、望ま
しくはアルキル基であり、特に望ましくはメチル基及び
エチル基である。
エチレン重合体(I)の製造法 Xが水素原子であるエチレン重合体(I)は、下記の
方法で製造することができる。
バナジウムキレート化合物とジアルキルアルミニウム
ハライドからなる重合触媒と炭素数5〜20個のα,ω−
ジオレフィン化合物との反応物の存在下、エチレンを重
合し、次いで該ジオレフィン化合物と反応させた後、プ
ロトン供与体と反応させることによって得られる両末端
にビニル基を持つエチレン重合体(III)をオキシ化す
ることによって製造できる。
又、Xが−SiR1 3又は であるエチレン重合体(I)は、上記で得られたオキシ
化エチレン重合体に、一般式R1 3SiY〔但し、R1は前記と
同意義、Yはハロゲン原子を示す。〕のシラン化合物又
は一般式R2COOH〔但し、R2は前記と同意義。〕のカルボ
ン酸と反応させることにより製造が可能である。
(1) 重合触媒とジオレフィン化合物との反応 重合触媒は、バナジウムキレート化合物とジアルキル
アルミニウムハライドからなる。
バナジウムキレート化合物は、下記の一般式らなる。
一般式 この一般式において、R5〜R7は水素原子又は炭素数1
〜8個の炭化水素基を示す。但し、R5〜R7の少なくとも
一つは水素原子である必要があるが、R5〜R7の全部が水
素原子であってはならない。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。
・R6が水素原子であり、R5とR7が炭化水素基である場
合。
R5/R7:CH3/CH3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,CH3/C6H5,C2H5/C6H
5,C6H5/C6H5,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5CH2,C2H5/C6H5C
H2,C6H5/C6H5CH2 ・R6が炭化水素であり、R5とR7はいずれかが水素原子で
他が炭化水素基である場合。
R6/R5又はR7:CH3/CH3,C2H5/CH3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,C6
H5/CH3,CH3/C6H5,C6H5/C2H5,C2H5/C6H5,C6H5/C6H5,C6H5
CH2/CH3,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5CH2,C6H5CH2/C2H5,C
2H5/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5,C6H5/C6H5CH2 ・R6が水素原子であり、R5とR7はいずれかが水素原子で
他が炭化水素基である場合。
R5又はR7:CH3,C2H5,C6H5,C6H5CH2等が挙げられ、これら
の内でも特に下記の化合物が望ましい。
ジアルキルアムニミウムハライドは、前記一般式R8 2A
lX〔但し、R8は炭素数1〜20個のアルキル基、Xはハロ
ゲン原子を示す。〕で表わされ、その具体例としてジメ
チルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロ
リド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミ
ニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリ
ド等が挙げられる。
バナジウムキレート化合物とジアルキルアルミニウム
ハライドの使用割合は、該バナジウム化合物の1モル当
り、ジアルキルアルミニウムハライド1〜1,000モルで
ある。
α,ω−ジオレフィン化合物は、一般式H2C=CHCmH
2mCH=CH2〔但し、mは1〜15である。)で表わされ
る。
該ジオレフィン化合物の具体例としては、1,4−ペン
タジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,
7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエ
ン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13
−テトラデカジエン、1,15−ヘキサデカジエン、1,14ポ
クタデカジエン等が挙げられる。
重合触媒と該ジオレフィン化合物との反応は、反応に
おいて不活性で、かつ反応時に液状である溶媒中で行う
のが望ましく、該溶媒としては、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素等
が挙げられる。
反応は−50℃以下、望ましくは−65℃以下で、1分間
〜10時間、望ましくは5分間〜2時間行なわれる。
重合触媒と該ジオレフィン化合物との反応割合は、該
ジオレフィン化合物1モル当り、重合触媒中の該バナジ
ウム化合物が0.1〜10モル、好ましくは0.5〜2.0モルで
ある。
(2) エチレンの重合 エチレンの重合は、上記(1)で得られた反応生成物
の存在下、望ましくは、上記(1)の反応系にエチレン
を供給し、上記(1)の場合と同様の温度範囲で、上記
(1)の場合よりも長時間反応させることにより行なわ
れる。反応温度を特に−65℃以下にするとw(重量平
均分子量)/n(数平均分子量)=1.05〜1.5という
単分散に近い重合体が得られる。重合時間を長くするこ
とにより、重合体の収率及び分子量を上昇することがで
きる。
(3) ジオレフィン化合物との反応 上記(2)の反応生成物と、該ジオレフィン化合物と
の反応は、望ましくは、上記(2)の反応系に該ジオレ
フィン化合物を導入することによりなされ、その反応条
件は、前記(1)の場合と同じでよい。
(4) プロトン供与体との反応 プロトン供与体としては、水、アルコール、無機酸等
が使用し得る。アルコールとしては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等が、無機酸としては、塩酸、硝
酸、硫酸等が挙げられる。プロトン供与体は、重合体の
末端に作用して重合触媒の離脱とプロトンを供与して重
合体を析出させることにある。
プロトン供与体との反応は、−100℃〜+200℃、好ま
しくは0〜150℃で、1分間〜10時間、好ましくは0.1〜
2時間行なわれる。プロトン供与体は通常大過剰で用い
られる。
かくすることによって、両末端にビニル基を持つエチ
レン重合体(III)を製造することができるが、その重
合体(III)は、上記の製造法を採ることから、製造の
際に用いられる該ジオレフィン化合物骨格及び該ジアル
キルアルミニウムハライドの該アルキル基R8をその中に
包含する下記のようなミクロ構造を採るものと推定され
る。
ACH2・CH2 nB 但し、A及びBは下記の通りであり、nは数平均分子
量に見合う整数である。
(5) エチレン重合体(III)のオキシ化反応 オキシ化反応には、次の3方法がある。の方法で
は、重合体の両末端のα位がオキシ化(−CH2−CH2−O
H)され、及びの方法ではそのβ位がオキシ化 される。
重合体(III)をジボランと反応させた後、水酸化
アルカリ及び過酸化水素と反応させる。
重合体(III)を硫酸及び水と反応させる。
重合体(III)を酢酸水銀及び水と反応させた後、
ナトリウムボロンハイドライド(NaBH4)と反応させ
る。
以下、〜の方法について説明する。
の方法 重合体(III)とジポランとの反応は、通常、望まし
くはエーテル等の溶媒の存在下、100〜200℃で、1分間
〜10時間行なわれる。エーテルとしては、100℃以上の
沸点を有するものが望ましく、例えばジn−ブチルエー
テル、ジs−ブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、
ジi−アミルエーテル等の脂肪族系のエーテルが特に望
ましい。
ジボランは、通常、テトラヒドロフランの溶液として
用いられ、その使用量は、前記(1)及び(3)で用い
られる該ジオレフィン化合物の全量1モル当り、0.2〜1
00モル、望ましくは0.5〜20モルである。
水酸化アルカリ及び過酸化水素との反応は、0〜100
℃で1時間〜1週間行なわれる。
水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが一般的であり、通常その水溶液が用いられ
る。又、過酸化水素は、通常その水溶液が用いられる。
水酸化アルカリ及び過酸化水素の使用量は、上記で用
いられるジボランと、それぞれ等モル以上であれば良い
が、通常は大過剰で用いられる。
の方法 重合体(III)と硫酸及び水との反応は、通常水又は
水とエーテルの混合物の存在下、80〜150℃で1分間〜1
0時間行なわれる。
の方法 重合体(III)と酢酸水銀及び水との反応は、通常水
とエーテルの混合物の存在下、80〜150℃で1分間〜10
時間行なわれる。
次いで、ナトリウムボロンハイドライドと反応される
が、その方法は上記酢酸水銀及び水との反応の場合と同
じでよい。
(6) シラン化合物又はカルボン酸との反応 用いられるシラン化合物は、一般式R1 3SiYで表わされ
る。式において、R1は炭素数1〜5個の炭化水素基であ
り、メチル及びエチルが特に望ましい。又、Yはハロゲ
ン原子であり、塩素、臭素、弗素、ヨウ素が挙げられ
る。
カルボン酸は、一般式R2COOHで表わされる。式におい
て、R2は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、メチル及
びエチルが特に望ましい。
上記(5)で得られるジオキシ化エチレン重合体とシ
ラン化合物又はカルボン酸との反応は、アルコールをト
リアルキルシリル化又はエステル化する場合に一般に行
なわれる方法と同じでよい。
例えば、シラン化合物との反応は、通常、望ましく
は、アミン化合物等の溶媒の存在下、最初に0〜50℃で
1分間〜5時間両者を反応させた後、更に100〜150℃で
1〜10時間反応させることにより行なわれる。アミン化
合物としては、ピリジン等の沸点が100℃以上のものが
最適である。
又、エステル化反応では、カルボン酸を単独で用いる
他に、少量の濃硫酸又は乾燥塩化水素を同時に用いても
よい。更に、カルボン酸の代りにカルボン酸のハロゲン
化物を用いることでできる。
シラン化合物又はカルボン酸の使用量は、前記両末端
にオキシ基を持つエチレン重合体に対して2倍モル以上
あれば良い。
上記のようにしてエチレン重合体(I)は製造でき
る。
化合物(II) 化合物(II)は、一般式 で表わされる。式において、Rは炭素数1〜12個の二価
の炭化水素基を示すが、望ましくは炭素数1〜12個の二
価の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は脂環式
炭化水素基である。
Yは、−OH,−OR3,ハロゲン原子又は−SO3R4を示す。
R3は炭素数1〜5個の炭化水素基、好ましくはアルキル
基であり、特にメチル及びエチルが望ましい。
R4は炭素数1〜20個の炭化水素基であり、ハロゲン原
子を含んでもよい。好ましくは、炭素数6〜12個のアリ
ール若しくはアルアルキル基である。
Yの具体例として、−OH,−OCH3,−OC2H5,−O・n−
C3H7,−O・i−C3H7,−O・i−C4H9,−Cl,−Br,−I, これらの中でも、−OH,−OCH3,−OC2H5,−Cl, が望ましい。
化合物(II)としては、マロン酸、こはく酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカル
ボン酸、ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、メサコン酸、1,4−ブテンジカルボン酸等の不飽和
脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、し
ょうのう酸等の飽和脂環式ジカルボン酸等のジカルボン
酸:上記ジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエ
ステル、ジn−プロピルエステル、ジi−ブチルエステ
ル等のジアルキルエステル:上記ジカルボン酸のジクロ
リド、ジブロミド等のジハライド等を例示することがで
きる。
エチレン重合体(I)と化合物(II)との重縮合 重合体(I)と化合物(II)との重縮合反応は、通常
溶媒の存在下行なわれる。溶媒としては、炭化水素が望
ましく、特に沸点が80℃以上のトルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素が望ましい。
両者の反応は、50〜250℃、好ましくは100〜200℃
で、1〜100時間、好ましくは5〜50時間行なわれる。
更に、溶媒を除去した後、減圧下150〜200℃で反応させ
るのが特に望ましい。
重縮合反応において、反応を促進するためにチタニウ
ムテトラプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、
チタニウムテトラヘキシルオキシド等のチタニウムテト
ラアルコキシド等を触媒として使用することも可能であ
る。又、生成する副生物をトラップするために、アミン
等のトラップ剤の併用も可能である。
更に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等の
アンモニウム塩を、反応促進剤として使用することもで
きる。
重縮合反応において、反応温度を高く、反応時間を長
く、又触媒を使用する等の方法により、通常本発明のエ
ステル結合含有エチレン重合体の分子量を高くすること
ができる。
発明の効果 本発明の方法により、微生物が分解することが可能な
エステル結合含有エチレン重合体を製造することができ
る。
実施例 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 a) エチレン重合体(I)の合成 窒素ガスで十分置換した3のフラスコに、トルエン
1.0を入れ65℃に冷却した。同温度で1,7−オクタジエ
ン1.2ミリモルを加えた。次いで10ミリモルのAl(C
2H52Clと1ミリモルのV(2−メチル−1,3−ブタン
ジオナト)を添加し、30分攪拌した。さらに4.5gのエ
チレンを2時間かけて導入した後、1.7−オクタジエン
を1.2ミリモル添加した。10分間攪拌した後、反応溶液
をエタノール中にそそぎ生成したポリマーを濾過した。
GPCにより求めた重合体の数平均分子量(n)は4.9×
103であった。また収量は4.3gであった。
上記重合体のプロトンNMRを測定した結果、5.0ppmと
5.8ppmに末端二重結合のプロトンに基くシグナルが観測
された。それらの帰属は下記の通りである。
δ(ppm) 帰属 δ(ppm) 帰属 5.0 −CH=CH2 5.8 −CH=CH2 このシグナルとエチレン重合体に起因する1.3ppmのピ
ークの強度比より、両末端にビニル基が存在するとして
求めたnは4.6×103であった。
この値は、GPCより求めた結果と良く一致している。
このことにより得られた重合体は両末端にビニル基を有
するエチレン重合体であると結論した。
上記重合体を200mlのn−ブチルエーテル中に添加
し、窒素流通下において激しくかきまぜながらジボラン
のTHF溶液を室温で添加した。添加したジボランの量は
2.5ミリモルであった。還流温度で1時間攪拌した後、
降温し3Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlと30%過酸化
水素水200mlを加え、さらに1日攪拌した。生成ポリマ
ーは充分水で洗浄し、つづいてアセトンで洗浄した後乾
燥した。
生成ポリマーのIR(赤外吸収スペクトル)チャートに
は3300〜3500cm-1にブロードなピークが存在した。この
ことにより、得られたポリマーは、両末端にオキシ基を
持つエチレン重合体(I)であると結論した。
b) アジピン酸シクロリドとの重縮合 上記で得られたエチレン重合体(I)とアジピン酸ジ
クロリド1ミリモルを120℃のトルエン20mlに溶解し
た。この溶液に1ミリモルのテトラメチルエチレンジア
ミンを滴下し、120℃で24時間反応した。熱濾過により
副生物を除去した後、室温に冷却し、沈殿したポリマー
を回収した。
このポリマーのIRを測定したところ、オキシ基に基づ
くピークは見られず、1740cm-1にエステル基に基づく吸
収ピークが見られた。又、GPCにより求めたnは2.0×
104であった。
上記の結果から、得られたエチレン重合体は、下記の
繰り返し単位からなる重合体であると結論できる。
実施例2 a) エチレン重合体(I)の合成 1.5gのエチレンを30分かけて導入した以外は、実施例
1と同様にして両末端にオキシ基を持つエチレン重合体
(I)を合成した。GPCにより測定したこの重合体の
nは1.2×103であった。
b) こはく酸ジエチルエステルとの重縮合 上記で得られたエチレン重合体(I)1.2gとこはく酸
ジエチルエステル1ミリモルを混合した後、チタニウム
テトラブトキシドを1滴加え、窒素ガス気流下180℃で
1時間反応した。更に、2mmHgの減圧下、180℃で6時間
処理を行った。その後、室温迄降温し、固形状のエチレ
ン重合体を得た。
この重合体のIRを測定したところ、オキシ基に起因す
る吸収ピークは全く見られなかった。また、GPCにより
測定したnは5.0×103であった。
上記の結果から、得られたエチレン重合体は、下記の
繰り返し単位からなる重合体であると結論できる。
実施例3 a) エチレン重合体(I)の合成 窒素ガスで十分置換した3のフラスコに、トルエン
1.0を入れ−78℃に冷却した。同温度で1,9−デカジエ
ン0.6ミリモルを加えた。次に100ミリモルのAl(C2H5
2Clと20ミリモルのV(アセチルアセトナト)を添加
し、30分攪拌した。さらに1.5gのエチレンを30分かけて
導入した後、1,9−デカジエンを0.6ミリモル添加した。
30分間攪拌した後、反応溶液をエタノール中にそそぎ生
成したポリマーを濾別した。ポリマーの収量は1.2g、
nは2.6×103であった。
ジボランの量を1ミリモルにした以外は実施例1と同
様の操作を行い、両末端オキシ化エチレン重合体(I)
を合成した。
上記で得られたエチレン重合体(I)とトリメチルク
ロルシラン10gをピリジン250mlに加え、25℃で1時間攪
拌した後、ピリジンの還流下4時間反応を行った。生成
したポリマーを、メタノールで洗浄後、乾燥した。
プロトンNMRで測定の結果、δ=0.08ppmに−Si(C
H3基のプロトンに起因するシグナルが観測された。
又、IR測定の結果、オキシ基に起因する吸収フペクトル
は、観測されなかった。このことにより、得られたポリ
マーは、両末端にトリメチルシリルオキシ基を持つエチ
レン重合体(I)であると結論した。
b) こはく酸ジクロリドとの重縮合 上記で得られた両末端トリメチルシリルオキシ化エチ
レン重合体(I)1.3g、こはく酸ジクロリド0.5ミリモ
ル及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド10mgを
150℃でトリメチルシランクロリドの発生が認められな
くなる迄反応した後、180℃で1時間反応した。室温に
降温し、固形状のエチレン重合体を得た。
この重合体のIRを測定したところ、1740cm-1,1150cm
-1付近にエステル結合に起因する吸収スペクトルが見ら
れた。又、GPCにより測定したnは1.5×104であっ
た。
上記の結果から、得られたエチレン重合体は、下記の
繰り返し単位からなる重合体であると結論できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 直美 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 森岡 哲哉 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 土岐 重之 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 の繰り返し単位からなり、AがCH2・CH2の繰り返し
    単位からなる数平均分子量(n)300〜300,000のポリ
    エチレンセグメントであるn500〜5,000,000のエステ
    ル結合含有エチレン重合体。 〔但し、Rは炭素数2〜20個の二価の炭化水素基を示
    す。〕
  2. 【請求項2】CH2・CH2の繰り返し単位からなり、且
    つその両末端にXO−基が結合したn300〜300,000のエ
    チレン重合体(I)と、一般式 で表わされる化合物(II)を重縮合することからなる請
    求項(1)に記載のエステル結合含有エチレン重合体の
    製造法。 〔但し、Xは水素原子、−SiR1 3又は Yは−OH、−OR3、ハロゲン原子又は−SO3R4を示し、
    R1、R2及びR3は炭素数1〜5個の炭化水素基、R4は炭素
    数1〜20個の炭化水素基をそれぞれ示す。Rは前記と同
    意義である。〕
JP2157455A 1990-06-18 1990-06-18 エチレン重合体及びその製造法 Expired - Fee Related JP3043780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2157455A JP3043780B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 エチレン重合体及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2157455A JP3043780B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 エチレン重合体及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0450224A JPH0450224A (ja) 1992-02-19
JP3043780B2 true JP3043780B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=15650036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2157455A Expired - Fee Related JP3043780B2 (ja) 1990-06-18 1990-06-18 エチレン重合体及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3043780B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177039A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Mitsui Chemicals Inc 耐熱性と透明性に優れた脂肪族ポリエステルブロック共重合体、脂肪族ポリエステル樹脂組成物、およびそれらの成形品、シート。

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0450224A (ja) 1992-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Allcock et al. Reaction of phenyllithium with poly (dichlorophosphazene)
CN114957692B (zh) 一种超支化聚苯及其制备方法与应用
JP2862336B2 (ja) 両末端修飾オレフィン重合体及びその製造法
JP3043780B2 (ja) エチレン重合体及びその製造法
KR20010093120A (ko) 실일작용성 활성 양이온 중합체
JP2722916B2 (ja) 両末端反応性ポリシラン及びその製造方法
EP0530408B1 (en) Olefin polymers having both ends modified and processes for the production thereof
TWI336335B (en) Method of preparing phosphonium compound for cyclic olefin polymerization
CN113527650A (zh) 一种酸碱对催化剂催化乙交酯丙交酯共聚的方法
JP3043779B2 (ja) エチレン重合体及びその製造方法
Power-Billard et al. Synthesis, properties, and functionalization of poly (ferrocenylsilane) s with chloroalkyl side chains
JP2682324B2 (ja) 両末端ヒドロキシポリシラン及びその製造方法
US5367033A (en) Biodegradable ethylene polymer having ester bonds in the main chain and process for production of the same
JP2725535B2 (ja) 両末端ヒドロポリシランの製造方法
CN113683767B (zh) 一种聚烯醚类化合物及其制备方法与应用
CN113583058B (zh) 铁配合物及其制备方法、铁催化剂及其应用以及聚丁二烯及其制备方法
JPH06128381A (ja) 高分子量ポリシランの製造法
CA2052617C (en) Ethylene polymer and a process for the production of the same
JP3186820B2 (ja) 反応性ポリシロキサンおよびその製造方法
JP3468680B2 (ja) カルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法
Petreus et al. Synthesis of some flame-retardants containing phosphorus and halogen
JPH0686484B2 (ja) 末端修飾プロピレン重合体
JP2905548B2 (ja) α―メチルスチレン誘導体、そのリビングポリマーおよびその重合体
JPH08113650A (ja) 置換ポリシラン化合物の製造方法
JP4297656B2 (ja) 新規アルケニルフェノール重合体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees