JP3043284B2 - 液体用容器の注口構造 - Google Patents

液体用容器の注口構造

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JP3043284B2
JP3043284B2 JP8307148A JP30714896A JP3043284B2 JP 3043284 B2 JP3043284 B2 JP 3043284B2 JP 8307148 A JP8307148 A JP 8307148A JP 30714896 A JP30714896 A JP 30714896A JP 3043284 B2 JP3043284 B2 JP 3043284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体用容器の注口
部に取り付けられて、注口部から吐出される液体の液跳
ねを抑える注口構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液体用容器の注口部から吐出される液体
の液跳ねを抑える構造として、例えば実開平6−806
45号公報には円筒状の口金に外嵌される環状の嵌着部
と、該嵌着部の上端から外方へ延びて注ぎ口となる筒部
とからなっており、筒部内で軸方向に延びる仕切板を設
けて、一方を空気の吸引路とし、他方を液体の吐出路に
区切り、上記仕切板では吐出液体の脈動を防止する構成
が開示されている。しかし、上記構成では、筒部を形成
しその中に仕切板を形成する必要があるので、一旦、口
金に取り付けると、更に上から蓋やキャップをかぶせる
ことは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、実開平2−85
154号公報には、容器口の周囲に取付け、容器内部に
向けた吸気管を設けた構造が開示されている。しかし上
記構成は吸気管によって液跳ねや脈動を抑えるとしてい
るが、仕切板を有していないので有効に液跳ねや脈動を
解消することはできない。この発明は上記事情に鑑みて
鋭意研究の結果、創案されたものであって、その主たる
課題は、液体用容器の注口部に取り付けて容器内部に向
けた仕切片を有し上から蓋やキャップをかぶせることが
できる注口構造を提供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決すため
に、液体用容器の注口部に取付けて、注口部の開口の一
部を覆い、この覆った面には通気孔を設け、他方を所望
の形状で開いて小径の注口として用いると共に、注口近
傍で注口部を容器内部に向かって仕切り、容器の注口部
から吐出する液体の液跳ねを防止しながら液体を流出さ
せるようにしたことを特徴とする。即ち、請求項1の発
明では、液体用容器の注口部に取り付けられて吐出する
液体の液跳ねを抑える注口構造において、液体用容器の
注口部に取り付けられる略筒状の嵌着部と、該嵌着部に
注口部の一部を覆うと共に注口部の他部と連通する開口
を形成したカバー部と、上記カバー部で注口部を覆う面
に形成された通気孔と、扁平な板状からなって、上記カ
バー部に上端が連接し容器内部へ向けて延び、液体用容
器の注口部内にほぼ直径方向に配置されて内部を二分す
る仕切片とからなる、という技術的手段を講じている。
また、請求項2の発明では、嵌着部に着脱自在に注口部
を塞ぐ蓋部が取り付けられている、という技術的手段を
講じている。請求項3の発明では、カバー部に通気孔を
外側から覆って通気可能としながら液体の流出を防止す
る通気保護片を設けてなる、という技術的手段を講じて
いる。また、請求項4の発明では、カバー部が、注口と
なるカバー部の開口を狭めたり広げたりする開口調整部
を設けている、という技術的手段を講じている。請求項
5の発明では、嵌着部に仕切片を有するカバー部を着脱
自在に取り付けられている、という技術的手段を講じて
いる。請求項6の発明では、嵌着部に仕切片を有するカ
バー部を一体に取り付けられている、という技術的手段
を講じている。また、請求項7の発明では、嵌着部が、
液体用容器の注口部の上端全周に沿って掛止可能な円環
状に形成されてなる、という技術的手段を講じている。
請求項8の発明では、カバー部に仕切片が着脱可能に取
付けられてなる、という技術的手段を講じている。更
に、請求項9の発明では、カバー部の縁部が折曲されて
仕切片が形成されてなる、という技術的手段を講じてい
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の液体用容器の注
口構造としてPETボトルに用いる場合の実施の形態に
ついて図面を参照しつつ説明する。図1および図2に示
す注口構造は、PETボトルからなる液体用容器20の
注口部21に取り付けられた第1実施例を示す。この注
口構造は、注口部20に嵌め込まれて蓋部10を取付け
るための嵌着部1と、該嵌着部1に設けられたカバー部
2と、カバー部2に形成された通気孔3と、カバー部2
に連接された仕切片5とからなっている。
【0006】即ち、容器20の注口部21は円筒状から
なり、外周面で高さ方向中途位置に嵌着部1を取付ける
ための掛止手段の一方の掛止構成部として環状の突部2
2が形成されている。なお、図中23は注口部21の基
部に設けられた環状突部である。この注口部20に、プ
ラスチックからなる嵌着部1が着脱可能に取り付けられ
ている。ここで嵌着部1は、注口部21に取り付けるた
めの他方の掛止構成部として上記注口部21を上端から
嵌め込んで挟圧する縦向きの環状の凹部6が形成されて
いる。この発明では、注口部21と嵌着部1との取付は
上記実施例に限らず、例えば図3に示すように、嵌着部
1の内壁面の高さ方向中途位置に環状の凹部7を形成し
ておき、上記環状の突部23を外嵌する構成、その他、
公知の取付構造を種々用いることができる。
【0007】また、本実施例で、嵌着部1は容器の注口
部21に着脱可能な構成を例示したが、取付後には固着
されて取り外せない構造であってもよい。また、この嵌
着部1は、蓋部10を着脱可能に取り付ける構造からな
っているので、例えば、図1に示すように嵌着部1の外
周に雄ネジ11を形成し、蓋部10の内周面にこれに対
応する雌ねじ12を形成して、ネジ止めにより蓋体10
を着脱することができる。あるいは図3に示すように嵌
着部1の上端縁部に凹凸係合する一方の係止構造11を
設け、蓋体10の下端縁部に他方の係止構造12を設け
て着脱可能とする等、適宜選んで用いることができる。
【0008】次ぎに、嵌着部1にはカバー部2が取り付
けられており、注口部20の上端開口面の一部が覆われ
ている。即ち、注口部20の上端開口面は円形であり、
カバー部2はその一部を略半円状で覆っており、塞がれ
なかった開口部分が実質的な注口8となる。ここで、カ
バー部2の形状は特に限定されるものではなく、例えば
扇状その他任意の形状で開口面を塞ぐものであればよ
く、カバー部2で覆われなかった開口は図5に示すよう
に扇状としたり、あるいは菱形、円形、楕円形その他任
意の形状となって、注口部20の開口面積を狭めて、実
質的な注口8を形成している。
【0009】次ぎに、このカバー部2には貫通孔からな
る通気孔3が形成されている。この通気孔3はカバー部
2上で後述の仕切片5と最も離れた位置に配置されるの
が好ましい。通気孔3は、容器内の液圧差を無くすため
に容器内へ空気を補給するものである。この通気孔3に
は、これを覆って通気可能としながら液体の流出を防止
する通気保護片4を設けてもよい。この通気保護片4と
しては、例えば通気孔3を形成する際にカバー部2の一
部を切り起こして通気孔3とし、切り起こされた片を用
いることができる。
【0010】ここで、図2および図4に示すカバー部2
では、その縁部となる直線状の辺2aに直交して容器内
部へ向けて延び、注口部20内を軸方向に仕切る仕切片
5が一体に連設されている図示例の仕切片5は、注口部
20のほぼ全長に亘って延びており、注口部21をその
軸線に沿って仕切っている。この仕切片5の左右両端は
注口部20の内壁につながるものでも、あるいは分離さ
れて上記内壁との間に僅かな隙間を有して嵌挿されるも
のであってもよい。
【0011】上記構成からなっているので、液体用容器
10を傾けて液体を吐出する際には、注口部20を通る
液体が仕切板5にぶつかって脈動が乱されると共に通気
孔3から容器内へ補給される空気(圧力)によって液圧
差が解消し、吐出時の液跳ねを抑えることができる。ま
た、通気孔3から流出しようとする液体は通気保護片4
に邪魔される。また、この注口構造1は注口部20に取
り付けられる嵌着部1に形成されるので、蓋部10を嵌
着部1に取り付けて注口部20を完全に覆うことができ
る。
【0012】次ぎに、前記実施例では、カバー部2に設
けた開口8は一定の大きさである場合を例示したが、こ
の開口面積を狭めるように調整してもよい。例えば、図
6に示すように、カバー部2に略扇形の調整片9を軸支
P1し、また必要に応じて嵌着部1の内周面にも上記調
整片をガイドするガイド溝Gを設けて調整片9の縁部を
摺動可能に嵌め込んでおく。そして、該調整片9を所望
角度に旋回して、カバー部2の開口面積を狭める方向に
調整することができる。尚、9aは、調整片9aを摺動
させるための把持部である。
【0013】この調整片9は、不使用時にはカバー部2
の開口を完全に覆おうように旋回させておけば、開口か
らの液体の流出を防ぐこともできる。上記実施例では、
カバー部2に調整片9を重ね、該調整片9を旋回変位さ
せて開口8を閉じるようにしたが、例えば、図7に示す
ように二分割されたカバー片2a、2bを上下に重ねて
枢着P1し、一方または双方を旋回方向に回転させて開
口8を広げたり狭めたり調整できるようにしてもよい。
この際、上記カバー片2a、2bはその変位により通気
孔4が塞がれないように、変位時に通気孔4と重なる部
分が無い形状に設定されている。
【0014】次ぎに、前記実施例ではカバー部2に仕切
片5を一体に形成した場合を示したが、仕切片5は選択
したものを取り付けることができるようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、カバー部2の裏面に蟻溝2
cを有する突状を突設しておき、一方、仕切片5の上端
には上記蟻溝2cに係止可能な断面鈎状の突部5aを形
成しておく。そして、素材の弾性力で撓ませて前記鈎状
突部5aを蟻溝2cに押し込むことにより仕切片5をカ
バー部2へ取り付けることができる。これにより、用途
に応じた長さや形状、その他の構造の仕切片5を選択し
て最適のものをカバー部5へ取り付けることができる。
【0015】更に、この仕切片5は、カバー部2に連設
せずに、嵌着部1の内周面に固着するものであってもよ
い。例えば仕切片5の上端はカバー部2の裏面に接して
配置し、その両側縁部の上方を嵌着部の内周面に一体に
固着したり、あるいは前述のように蟻溝と鈎部からなる
掛止手段などを利用して取り付ける等の構造を用いても
よい。また、仕切片5は、平板に限らず、断面円弧形状
や断面V字状など、液跳ね防止可能な形状であればいか
なる断面形状であってもよい。
【0016】次ぎに、カバー部2は嵌着部1と一体に成
形されまたは固着により一体的に形成されるものである
と、別体に形成されて容器の注口部21と共に嵌着部1
に取り付けられるものであってもよい。例えば、図9に
示すように、嵌着部1の内周面に下方が拡開する環状の
段部を形成しておき、内側からカバー部2を嵌挿できる
ようにしておく。そして、取付時には、容器の注口部2
1に前記カバー部を載置した状態で嵌着部1を嵌め込ん
で、嵌着部1と注口部21上端でカバー部2を挟圧して
取り付けることができる。その他、嵌着部1の内周面に
環状の凹溝を形成してカバー部2を嵌合しておいてもよ
いこと勿論である。この場合も、嵌着部1に対して、用
途に応じて最適の開口または仕切片を有するカバー部2
を取り付けることができる。
【0017】前記実施例では液体用容器としてPETボ
トルを例に説明したが、この発明の液体用容器の種類、
構造、用途は特に限定されるものではなく、注口部を有
して液体を収納する容器であれば、如何なる容器であっ
てもよく、液体の種類も問わない。また、嵌着部の内周
面とカバーとの間に形成される開口(注口)は、イージ
ーオープンな蓋でシールされており、使用に際して開か
れるものでもよい。また、未使用時に、嵌着部の上部開
口をシールなどで密封すれば、容器内の液体の漏れを防
ぐことができ、公知の構成を適宜組み合わせることがで
きること勿論である。
【0018】
【発明の効果】本発明の液体用容器の注口構造によれ
ば、仕切片と通気孔によって、吐出される液体の液跳ね
を防止することができスムーズに液体を吐出することが
できる。また、嵌着部には蓋部を取り付けることができ
るので、予め液体用容器の注口部に取り付けておくこと
ができる。あるいは、日本酒のように栓を用いる液体用
容器の場合には、開栓後に、嵌着部を取り付けて上記の
ように液跳ねを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係わる注口構造の断面図。
【図2】同平面図。
【図3】第2実施例の側面図。
【図4】嵌着部を省略したカバー部及び仕切片を示す斜
視図。
【図5】注口の異なる形状を示す平面図。
【図6】開口を調整するカバー部の異なる実施例を示す
平面図。
【図7】分割されたカバー片を用いた別の実施例の平面
図。
【図8】カバー部と仕切片の異なる実施例を示す側面
図。
【図9】カバー部の取付の異なる実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1…嵌着部 2…カバー部 3…通気孔 4…通気保護片 5…仕切片 8…開口(実質的な注口) 10…蓋部 20…液体用容器 21…注口部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体用容器の注口部に取り付けられて吐
    出する液体の液跳ねを抑える注口構造において、 液体用容器の注口部に取り付けられる略筒状の嵌着部
    と、 該嵌着部に注口部の一部を覆うと共に注口部の他部と連
    通する開口を形成したカバー部と、 上記カバー部で注口部を覆う面に形成された通気孔と、扁平な板状からなって、上記カバー部に上端が連接し容
    器内部へ向けて延び、液体用容器の注口部内にほぼ直径
    方向に配置されて内部を二分する仕切片とからなる こと
    を特徴とする液体用容器の注口構造。
  2. 【請求項2】 嵌着部に着脱自在に取り付けられて注口
    部を塞ぐ蓋部が取り付けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の液体用容器の注口構造。
  3. 【請求項3】 カバー部に通気孔を外側から覆って通気
    可能としながら液体の流出を防止する通気保護片を設け
    てなることを特徴とする請求項1または2に記載の液体
    用容器の注口構造。
  4. 【請求項4】 カバー部が、カバー部の開口を狭めたり
    広げたりする開口調整部を設けていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の液体用容器の注口構造。
  5. 【請求項5】 嵌着部に仕切片を有するカバー部が着脱
    自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の液体用容器の注口構造。
  6. 【請求項6】 嵌着部に仕切片を有するカバー部が一体
    に取り付けられていることを特徴とする請求項1または
    2に記載の液体用容器の注口構造。
  7. 【請求項7】 嵌着部が、液体用容器の注口部の上端全
    周に沿って掛止可能な円環状に形成されてなることを特
    徴とする請求項1または2に記載の液体用容器の注口構
    造。
  8. 【請求項8】 カバー部に仕切片が着脱可能に取付けら
    れてなることを特徴とする請求項1または2に記載の液
    体用容器の注口構造。
  9. 【請求項9】 カバー部の縁部が折曲されて仕切片が形
    成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載
    の液体用容器の注口構造。
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