JP3042560U - 自走式塗膜剥離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非破壊検査前の処理作業に欠かせない塗膜除
去作業を、高周波誘導加熱コイル、回転式ブラシ、スプ
ロケット式剥離機の組合せによる方法で、容易に施工で
きる自走式塗膜剥離装置を提供する。 【構成】 塗膜溶融用高周波誘導加熱コイル、局部の塗
幕剥離用回転式ブラシ、周辺部塗膜剥離用のスプロケッ
ト式剥離装置からなる自走式塗膜剥離装置で、剥離から
研掃まで同時に施工できる事を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、各種大型構造物等で発生する、非破壊検査前の処理作業に必要な 塗膜除去作業に関するものであり、詳しくは、高周波誘導加熱コイルで塗膜を溶 融させた後に、非破壊検査する鋼板表面から塗装を剥離させる為にエアモーター で回転するブラシ及び、スプロケット式の塗膜の剥離と研掃を同時に行う自走式 塗膜剥離装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の各種大型構造物の被処理面表面から錆び、塗膜等を除去する為の方法は 通常大気中で行う遮蔽してのスチール粒子、または砂の粒子を研掃面に噴射する ブラスト装置、及び電動式ハンド工具によるブラッシング、スケリング等で塗膜 除去及び研掃する施工する方法が一般的である。またすでに公知であるバキュー ム吸着パッドを有する自走式ブラスト装置と高周波誘導加熱コイルを組み合わせ た下地処理装置、いわゆるインバック装置（特許公開平成７年２２５８１８号及 び同平成７年３１１５０号）による塗膜除去も実用に供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の技術で述べた一般的な塗膜除去、及び研掃方法の場合次 のような不具合が発生する。まず遮蔽してのブラスト装置による作業方法の場合 では噴射されたスチール粒子、または砂の粒子等の研磨材や除去された塗膜、及 び錆び等が飛散し粉塵公害となると共に回収、清掃作業等の新たな付随作業が発 生する。また、作業者は粉塵の中での施工であり作業環境的にも衛生面で大きな 問題点を有している。電動式ハンド工具によるブラッシング、スケリング等によ る作業についてもブラスト装置と同様の問題点を有している。その中でブラスト 装置で発生する問題に関しては「インバック装置」の開発により一部解決が図ら れている。しかし、塗装技術及び、塗料の性能の向上による上質の塗膜の状態に よっては従来の方法では剥離できない場合が発生する。本考案はこうした従来の 一般的な塗膜除去方法及び「インバック装置」の持つ欠点を解消するためになさ れたもので、本装置の先端に装備した高周波誘導加熱コイルで溶融された塗膜を 適正に剥離すると共に研掃も行う事が可能な機構を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の自走式塗膜剥離装置では、前述の問題点を解決するために次のような 特徴を有する。まず、高周波誘導加熱コイルで塗膜を溶融する。その後すぐにエ アモーターによる回転式ブラシで、非破壊検査のため塗膜の除去及び、研掃を行 う被処理面の溶接部の塗膜のみを重点に剥離する。更に、溶接継ぎ手部に近接す る両端部も後続するエアモーターにより回転するスプロケット式剥離機で幅広く 塗膜の剥離と研掃を行うというように、各々の採用機器の役割を専用化した構造 を特徴とする自走式塗膜剥離装置が提供される。

【０００５】

【作用】

本考案による方法では、高周波誘導加熱コイルを使用しての鋼板表面の塗膜の 溶融を行ないながら、後続する２通りの剥離機器で連続して自動的に塗膜を適正 に剥離する。また塗膜剥離後の処理状態も回転式ブラシ、及びスプロケット式剥 離機で処理するためブラスト噴射による処理と同様の高品質の適正な研掃状態を 得られる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明すると、図１が本考案であ る自走式塗膜剥離装置の機器配置図である。まず、自走式塗膜剥離装置（１）本 体の進行方向側の先端に高周波誘導加熱コイル（２）が適正な高さを得るための リンク機構（３）により取付られている。次に、継ぎ手部（８）に対して適正に ブラシ先端部（１６）が当たるように傾斜させるための可変式シート（５）に保 持されたエアモーターによる回転式ブラシ（４）が１台配置される。さらにその 後部に継ぎ手部（８）の両側の被処理面の塗膜剥離を行うため、適正な高さを得 るための可変式シート（６）に保持されたスプロケット式剥離機（７）が継ぎ手 （８）を挟んで２台配置される。最後部には本装置の走行用のモーター（９）と スプロケット（１０）及び、駆動チェーンで構成される走行装置（１１）が配置 される。

【０００７】 図２では自走式塗膜剥離装置（１）本体の上部にインバーター部（１２）、整 合部（１３）、及び高周波トランス（１４）が配置される。又、剥離用機器の操 作レバー（１５）の操作によるスプロケット式剥離機（７）の可変状態を示す、 スプロケット式剥離機（７）も高周波誘導加熱コイル（２）と同様に剥離用回転 式ブラシ（４）と連動して昇降する。

【０００８】 図３は高周波誘導加熱コイル（２）の昇降を行うリンク機構（３）で操作レバ ー（１５）の操作によって他の剥離用の機器である回転式ブラシ（４）、及びス プロケット式剥離機（７）と連動して昇降する。

【０００９】 図４においては、回転式ブラシ（４）の可変状態を示したもので、塗膜を剥離 する段がついた継ぎ手部（８）に対して可変式シート（５）の効果により傾斜し た状態でブラシ先端部（１６）が継ぎ手部（８）に当たり適正な塗膜剥離を行う 事ができる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、前述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 自走式塗膜剥離装置の走行ラインに段付きや曲がりがあっても、又その走行状 態から起こる上下動や傾き等があってもリンク機構及び、可変シートでその影響 を吸収して塗膜剥離箇所への適正な高周波誘導による加熱及び、回転式ブラシと スプロケット式剥離機による塗膜剥離が行える。また、スプロケット式剥離機の 採用によって、安定した塗膜剥離とともに適正な研掃作業も同時進行ができ、作 業時間の減少にも効果を奏する。特にスプロケット式剥離機については塗装技術 及び、塗料の性能の向上による上質の塗膜の状態に対しても安定した塗膜剥離が 行えるため、従来のように塗膜剥離不足による再処理が発生する事はない。

【図面の簡単な説明】

【図 １】採用機器の平面配置図

【図 ２】高周波誘導加熱コイル取付部正面図

【図 ３】回転ブラシ取付部正面図

【図 ４】スプロケット式剥離機昇降状況図

【符号の説明】

１ 自走式塗膜剥離装置 ２ 高周波誘導加熱コイル ３ リンク機構 ４ 回転式ブラシ ５ 可変式シート ６ 可変式シート ７ スプロケット式剥離機 ８ 継ぎ手部 ９ モーター １０スプロケット １１走行装置 １２インバーター部 １３整合部 １４高周波トランス １５操作レバー １６ブラシ先端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】非破壊検査の前処理作業である塗膜の除
   去、及び研掃作業を行う被処理面に対して、高周波誘導
   加熱コイルで塗膜を溶融させ、そのあとをエアモーター
   駆動による回転式ブラシとスプロケット式剥離機で連続
   して被処理面の塗膜除去、及び研掃する機構をもつ事を
   特徴とする自走式塗膜剥離装置。