JP2001334799A - 塗装塗膜の除去装置及び除去方法 - Google Patents

塗装塗膜の除去装置及び除去方法

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JP2001334799A
JP2001334799A JP2000153514A JP2000153514A JP2001334799A JP 2001334799 A JP2001334799 A JP 2001334799A JP 2000153514 A JP2000153514 A JP 2000153514A JP 2000153514 A JP2000153514 A JP 2000153514A JP 2001334799 A JP2001334799 A JP 2001334799A
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scraping
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carbonized
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JP2000153514A
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Shigeo Inoue
繁夫 井上
Hiroshi Kondo
浩 近藤
Motoetsu Ishii
元悦 石井
Yoriyuki Hasegawa
順行 長谷川
Mitsuhiro Shintani
光裕 新谷
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装塗膜の除去装置及び除去方法において、
作業効率を向上させるとともに作業に掛かるコストを低
減できるようにする。 【解決手段】 構造物50に塗装された塗装塗膜51を
加熱して炭化させる加熱装置2Aと、加熱装置2Aによ
り炭化させた塗装塗膜51aを掻取って構造物50から
除去する掻取り装置5Aとをそなえて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼構造物等に施さ
れた塗装塗膜を除去するのに用いて好適の、塗装塗膜の
除去装置及び除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の表面に塗装された塗膜や被膜
は、塗装されてから時間が経過すると、やがて、剥離や
ひび割れを起こす。そこで、塗装を補修する必要が生じ
るが、補修塗装の際には、剥離やひび割れを起こした旧
塗膜層を除去して下地処理が行なわれる。このような構
造物表面の塗膜や被膜を除去する方法としては、従来よ
り、サンド(砂)やショット(鋼片)などの研削材を旧
塗膜層に噴射して除去するブラスト工法が一般に行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たブラスト工法では、噴射された研削材が周囲に飛散し
て作業環境の悪化を招く虞があり、研削材の飛散防止対
策又はその回収に多くの時間とコストが費やされるなど
の課題があった。本発明は、このような課題に鑑み創案
されたもので、作業効率を向上させるとともに作業に掛
かるコストを低減できるようにした、塗装塗膜の除去装
置及び除去方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の塗装塗膜の除去装置は、構造物に塗装された
塗装塗膜を加熱して炭化させる加熱装置と、該加熱装置
により炭化させた該塗装塗膜を掻取って該構造物から除
去する掻取り装置とをそなえて構成されていることを特
徴としている。
【0005】請求項2記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置は、請求項1記載の塗装塗膜の除去装置において、該
掻取り装置により掻取られた該塗装塗膜を回収する回収
装置がそなえられていることを特徴としている。請求項
3記載の本発明の塗装塗膜の除去装置は、請求項1又は
2記載の塗装塗膜の除去装置において、該加熱装置は、
赤外線ランプを用いた赤外線加熱装置であることを特徴
としている。
【0006】請求項4記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の塗装塗膜の
除去装置において、該掻取り装置が、上記の炭化した塗
装塗膜を掻取るスクレーパ本体と、該スクレーパ本体を
回転駆動するスクレーパ駆動装置とをそなえて構成され
ていることを特徴としている。請求項5記載の本発明の
塗装塗膜の除去装置は、請求項4記載の塗装塗膜の除去
装置において、該スクレーパ本体が、該スクレーパ駆動
装置により駆動される回転軸と、該回転軸に設けられた
ワイヤブラシとをそなえて構成されていることを特徴と
している。
【0007】請求項6記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置は、請求項4記載の塗装塗膜の除去装置において、該
スクレーパ本体が、該スクレーパ駆動装置により駆動さ
れる回転軸と、該回転軸に取り付けられた掻取り刃とを
そなえて構成されていることを特徴としている。請求項
7記載の本発明の塗装塗膜の除去装置は、請求項1〜3
のいずれかの項に記載の塗装塗膜の除去装置において、
該掻取り装置が、高圧水を噴射する多孔式ノズルを装備
し、該多孔式ノズルを回転させながら高圧水を噴射させ
て、上記炭化した塗装塗膜を掻取るウォータジェット噴
射ガンにより構成されたことを特徴としている。
【0008】請求項8記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置は、請求項1〜7のいずれかの項に記載の塗装塗膜の
除去装置において、該加熱装置及び該掻取り装置が、い
ずれも同一の移動台車に取り付けられたことを特徴とし
ている。請求項9記載の本発明の塗装塗膜の除去装置
は、請求項1〜7のいずれかの項に記載の塗装塗膜の除
去装置において、該加熱装置及び該掻取り装置を、個別
に操作及び移動できるように、それぞれ異なる移動台車
に取り付けることを特徴としている。
【0009】請求項10記載の本発明の塗装塗膜の除去
装置は、請求項8又は9記載の塗装塗膜の除去装置にお
いて、該移動台車に、磁石がそなえられ、該磁石によ
り、該移動台車が該構造物に吸着することを特徴として
いる。請求項11記載の本発明の塗装塗膜の除去方法
は、構造物に塗装された塗装塗膜を加熱して炭化させる
第1のステップと、上記の炭化した塗装塗膜を該構造物
から除去する第2のステップとから構成されていること
を特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。まず、本発明の第1実施形
態としての塗装塗膜の除去装置及び除去方法について説
明すると、図1〜図5は本発明の第1実施形態としての
塗装塗膜の除去装置及び除去方法について示す図であ
り、図1はその機略構成を示す概念図、図2はその構成
を示す模式的な縦断面図、図3はその構成を示す模式的
な平面図、図4はその変形例の構成を示す模式的な縦断
面図、図5はその変形例の構成を示す模式的な平面図で
ある。
【0011】本実施形態の塗装塗膜除去装置1Aの機略
構成について、図1の概念図を参照しながら説明する
と、塗装塗膜除去装置1Aは、ケーブル9を介して電源
4に接続される赤外線ランプ3を有する赤外線加熱装置
(加熱装置)2Aと、スクレーパ本体6A及びスクレー
パ駆動装置18を有する掻取り装置5Aと、回収ホース
8及び図示しない吸引装置からなる回収装置とをそなえ
て構成されている。このような構成により、赤外線加熱
装置2A,掻取り装置5Aを移動させながら、赤外線加
熱装置2Aの赤外線ランプ3により、構造物50に塗装
された塗膜層(塗装塗膜)51を加熱して炭化させ、こ
の炭化して構造物50から剥離させやすくなった塗装膜
(炭化塗膜層)51aを、スクレーパ駆動装置18によ
り駆動されるスクレーパ本体6Aにより掻取って構造物
50から除去し、さらに、構造物50から除去された炭
化塗膜層(塗装塵灰)51a′を回収ホース8により吸
引して回収するようになっている。
【0012】なお、掻取るとは、上記のようにスクレー
パ本体6を直接に炭化塗膜層51aに接触させて構造物
50から剥離させるだけでなく、たとえば、炭化塗膜層
51aに流体を噴射することにより、この流体によって
構造物50から炭化塗膜層51aを剥離させることも含
む。以下、塗装塗膜除去装置1Aの具体的な構成につい
て、図2及び図3を参照しながら説明すると、塗装塗膜
除去装置1Aは、上述した赤外線加熱装置2A,掻取り
装置5A及び回収装置に加え、赤外線加熱装置2A及び
掻取り装置5Aが共に取り付けられる移動台車10をそ
なえて構成されており、後述するように、移動台車10
を移動させながら、赤外線加熱装置2Aによる塗膜層5
1の加熱作業、掻取り装置5Aによる炭化塗膜層51a
の掻取り作業、掻取られた炭化塗膜層(塗装灰塵)51
a′の回収ホース8(回収装置)による回収作業を同時
に行なえるようになっている。
【0013】赤外線加熱装置2Aは、電源4(図1参
照,図2及び図3では省略)に接続された赤外線ランプ
3と、赤外線ランプ3を収容するボックス11aとをそ
なえて構成されている。ボックス11aは開口部を有
し、この開口部が作業時に塗膜層51に面するように、
ボックス11aは、図2において移動台車10の下方に
開口部を下に向けて取り付けられている。また、ボック
ス11aには反射板12が内貼りされており、この反射
板12より、赤外線ランプ3から放射状に照射された赤
外線が、開口部から塗膜層51に向けて照射されるよう
になっている。これにより、赤外線ランプ3から照射さ
れた赤外線により効率よく塗膜層51を加熱して炭化で
きるようになっている。
【0014】掻取り装置5Aは、炭化塗膜層51aを掻
取るスクレーパ本体(掻取り工具)6と、図示しない外
部のコンプレッサからエアホース18aを介して高圧エ
アを供給されスクレーパ本体6を回転駆動するエアモー
タ(スクレーパ駆動装置)18とをそなえて構成されて
いる。また、スクレーパ本体6は、エアモータに駆動さ
れる回転軸17と、回転軸17の周面に放射状に取り付
けられた複数のワイヤブラシ6aとからなる。移動台車
10にはボックス11bが設けられおり、このボックス
11bは開口部を有し、ボックス11bは、作業時にこ
の開口部が塗膜層51に向くように移動台車に設けられ
ている。スクレーパ本体6は、このボックス11b内に
設置されており、作業時は、ボックス11bと構造物5
0とにより外部から略遮蔽されるようになっている。
【0015】これにより、ボックス11b内でスクレー
パ本体6を回転させることにより、開口部において、ワ
イヤブラシ6aの先端が回転しながら炭化塗膜層51a
に接触して、この炭化塗膜層51aを掻取ることがで
き、さらに、この掻取られた炭化塗膜層(塗装塵媒)5
1a′をボックス11b内に保持して外部に飛散させな
いようにしている。
【0016】また、ボックス11bには、ボックス11
bの内部と連通するように、回収ホース8の一端が取り
付けられており、この回収ホース8の他端には、上述し
たように図示しない吸引装置が接続されている。これに
より、スクレーパ本体6により掻取られボックス11b
内に保持された塗装塵媒51a′を、回収ホース8から
回収できるようになっている。
【0017】移動台車10には、その四隅にそれぞれ車
輪13がそなえられ、また、塗膜層51と面しない側に
は、作業者が人手により移動台車10を持ち運んだり又
は走行させたりし易いように取手14a,14b(取手
14aは図3では省略)が取り付けられている。塗装さ
れた構造物50は、ここでは磁性体製の鋼構造物として
構成されており、このような鋼構造物50が鉛直又は水
平方向に対して大きく傾斜している場合にも鋼構造物5
0上を安定して走行できるように、移動台車10の四隅
には、それぞれ磁石15が取付けられている。これによ
り、例えば鉛直な壁面(鋼構造物)50に磁石15の作
用により移動台車10を安定して吸着させつつ、作業者
が人手により取手14a,14bを介して塗装塗膜除去
装置1A(移動台車10)を任意に走行させることがで
きるようになっている。
【0018】なお、磁石15による吸着力は、強すぎる
と移動台車10を鋼構造物50上で走行させることがで
きなくなり、弱すぎると移動台車10が傾斜した鋼構造
物50上から滑落してしまうので、移動台車10と鋼構
造物50との間で所定の吸着力が作用するように、磁石
15の配置や個数が決定される。したがって、ここで
は、磁石15は、移動台車10の四隅にそれぞれ取り付
けられているが、所定の吸着力を発生できるのであれ
ば、例えば、移動台車10の中央部に一つの磁石15を
設けるように構成しても良い。
【0019】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の
除去装置は上述のように構成されているので、作業者
が、取手14a,14bを把持して塗装塗膜除去装置1
Aを除去処理対象(構造物)50まで運搬し、塗装塗膜
除去装置1Aをこの構造物50上に設置した後、以下の
ような手順(本実施形態としての塗装塗膜の除去方法)
により構造物50の塗膜層51が除去される。
【0020】つまり、作業者が、取手14a,14bを
操作して、赤外線加熱装置2Aが前方、掻取り装置5A
が後方になる姿勢で塗装塗膜除去装置1Aを構造物50
上で所定速度で移動させる。この時、塗装塗膜除去装置
1Aは、移動台車10の四隅にそれぞれ取り付けられた
磁石15により所定の吸着力で構造物50に吸着され
る。
【0021】そして、電源4をオンして赤外線ランプ3
に通電すると赤外線ランプ3が発熱し、この熱が、ボッ
クス11aに内貼りされた反射板12により塗膜層51
に向けて反射される。これにより、赤外線加熱装置2A
に面する塗膜層51が加熱されて炭化する(第1のステ
ップ)。上述したように、この時、塗装塗膜除去装置1
Aを、赤外線加熱装置2Aを前方且つ掻取り装置5Aを
後方にして移動させており、したがって、赤外線加熱装
置2Aにより塗膜層51を炭化させると、やがて、この
炭化された塗膜層(炭化塗膜層)51a上に掻取り装置
5Aが位置するようになる。この時、エアモータ18に
はエアホース18aを介して図示しないコンプレッサか
ら高圧エアが供給されており、このエアモータ18によ
り回転軸17を介してワイヤブラシ6Aが回転駆動され
る。これにより、ワイヤブラシ6aの先端が回転しなが
ら炭化塗膜層51aに接触して、この炭化塗膜層51a
が構造物50の表面から掻取られる(第2のステッ
プ)。
【0022】そして、この掻取られた炭化塗膜層(塗装
塵媒)51a′は、ワイヤブラシ6aが収容されるボッ
クス11bから、ボックス11bに接続された回収ホー
ス8より吸引されて回収される。したがって、従来のブ
ラスト工法では研削材を使用していたのに対し、本塗装
塗膜除去装置1Aによれば、研削材を使用せずに構造物
50から塗膜層51を除去でき、したがって、作業環境
を好適なもに維持することができ、さらに、研削材の回
収作業が不要となるので、作業効率を向上させて除去作
業時間を短縮することができるという利点がある。ま
た、回収作業にかかるコストが不要となるという利点も
ある。
【0023】また、赤外線加熱装置2Aにより塗膜層5
1を炭化させて構造物50の表面から剥離させやすい状
態としてから、この炭化した塗膜層51aを掻取り装置
5Aにより掻取って構造物50の表面から除去するの
で、塗膜層51の除去が容易になって、この点からも作
業効率を向上させることができるという利点がある。ま
た、スクレーパ本体6が線状のワイヤブラシ6aにより
構成されているので、構造物50を傷つけることなく、
塗膜層51を構造物50から取り残さずに掻取って、良
好な処理面(構造物50の表面)が得られるという利点
もある。つまり、スクレーパ本体6の炭化塗膜層51a
との接触部の剛性が高すぎると、この接触部が、炭化塗
膜層51aが付着した構造物50に接触した際、この構
造物50を傷つける虞があるが、かかる接触部が、線状
のワイヤブラシ6aにより構成されているので、炭化塗
膜層51aを良好に掻取る程度の強度を有しながらも、
構造物50と接触した際には撓んで、構造物50を傷つ
けることなく炭化塗膜層51aを掻取ることができるの
である。
【0024】また、構造物50の表面から掻取られた塗
装塵媒51a′は、外部に放出されることなく回収ホー
ス8により回収されるので、この点からも作業環境を整
然としたものに維持することができるという利点があ
る。さらに、赤外線加熱装置2Aと掻取り装置5Aとが
ともに移動台車10に設置されて一体化されているの
で、装置を比較的小型且つ簡素な構成とすることができ
る。また、赤外線加熱装置2Aを前方に且つ掻取り装置
5Aを後方に向けた姿勢で塗装塗膜除去装置1Aを移動
させることにより、ある塗膜層51の所定箇所に対し
て、赤外線加熱装置2Aによる塗膜層51の加熱/炭化
と、掻取り装置5Aによる塗膜層51(炭化塗膜層51
a)の掻取りがこの順に行なわれるようになるので、単
に塗装塗膜除去装置1Aを移動させるだけで塗膜層51
を除去することができるという利点もある。
【0025】また、塗装塗膜除去装置1Aは、移動台車
10の四隅にそれぞれ取り付けられた磁石15により所
定の吸着力で構造物50に吸着されているので、安定し
た状態で塗装塗膜除去装置1Aを構造物50上で移動さ
せることができ、安定して塗装塗膜除去作業を行なえる
ので、この点からも、作業効率を向上させることができ
るという利点がある。
【0026】なお、上述の実施形態では、塗装塗膜除去
装置1Aの掻取り装置5Aを、ワイヤブラシ6aを有す
るスクレーパ本体6Aをそなえて構成しているが、例え
ば、掻取り装置5Aの代わりとして、図3及び図4に示
すように、塗装塗膜除去装置1Bの掻取り装置5Bを、
掻取り刃16aを有するスクレーパ本体6Bをそなえて
構成しても良い。スクレーパ本体6Bは、回転軸26
と、回転軸26の周面に周方向に対して略等間隔で立設
された複数の板状の可撓部材16bと、これらの可撓部
材16bの先端に回転軸26の軸方向(図5で上下方
向)に対して略等間隔で設けられた複数の掻取り刃16
aにより構成されており、掻取り刃16aは例えば硬質
の耐摩耗材等により構成されている。
【0027】このような構成により、エアモータ18に
より回転駆動される掻取り刃16aが塗膜層51と当接
した際には、掻取り刃16aを支持する可撓部材16b
が撓むので、掻取り刃16aは、構造物50の表面を傷
つけることなく、構造物50の表面から効率的に塗膜層
51を掻取ることができる。なお、図3及び図4に示す
例では、可撓部材16bの先端に複数の掻取り刃16a
を間隔をあけて設ける構成としているが、可撓部材16
bの先端部の全長に渡る幅広の掻取り刃を設けた構成と
しても良い。
【0028】次に、本発明の第2実施形態としての塗装
塗膜の除去装置及び除去方法について説明すると、図6
は本発明の第2実施形態としての塗装塗膜の除去装置及
び除去方法について示す図であって、(a)はその構成
を示す模式的な正面図、(b)はその構成を示す模式的
な側面図である。なお、第1実施形態で説明したものと
同一の部材については、同じ符号を付し、その説明を省
略する。
【0029】本実施形態は、図6(a),(b)に示す
ように、図1〜図3に示す上述した第1実施形態の塗装
塗膜除去装置1Aを、ゴンドラ30上に搭載して使用す
る例を示す。ゴンドラ30は、図6(a)で左右両側
を、構造物60の表面(例えばビルの壁面)に沿って鉛
直方向に吊られた昇降ワイヤ31にそれぞれ摺動可能に
取り付けられるとともに、構造物60上を走行する複数
(ここでは4個)のガイドローラ34をそなえており、
ゴンドラ30を構造物60の表面に沿って安定して昇降
できるとともに任意の位置に停止できるようなってい
る。
【0030】ゴンドラ30の上部には構造物60の表面
に沿ってガイドレール35が水平に設けられており、こ
のガイドレール35には、ガイドレール35にそって移
動可能にロープ33の上端が取付けられている。そし
て、このロープ33の下端には塗装塗膜除去装置1Aが
吊り下げられており、塗装塗膜除去装置1Aを、ロープ
33,ガイドレール35を介してゴンドラ30に支持さ
せつつ、ガイドレール35に沿って水平方向に移動させ
ることができるようになっている。
【0031】また、構造物60の表面から掻取られた塗
膜層51を回収する回収装置37Aは、回収ホース8と
吸引装置37とをそなえて構成されるが、吸引装置37
は、ここでは、ゴンドラ30上に載置されている。ま
た、赤外線加熱装置2Aに電気を供給する電源4や、エ
アモータ18に高圧エアを供給するコンプレッサはゴン
ドラ30の外部に置かれている(赤外線加熱装置2A,
電源4,エアモータ18は図2及び図3参照)。勿論、
吸引装置37をゴンドラ30の外部に設置することもで
きるし、電源4やコンプレッサをゴンドラ30内に設置
することもできる。
【0032】本発明の第2実施形態としての塗装塗膜の
除去装置は上述のように構成されているので、以下のよ
うな手順(本実施形態としての塗装塗膜の除去方法)に
より構造物50の塗膜層51が除去される。つまり、先
ず、ゴンドラ30を所定の昇降位置に停止させる。そし
て、塗装塗膜除去装置1Aを、所定の水平位置におい
て、磁石15(図2及び図3参照)の作用により所定の
吸着力で磁性体製の構造物50に吸着させつつ、ゴンド
ラ30上の作業者が、取手14a,14bを把持しなが
ら塗装塗膜除去装置1Aを鉛直方向に運搬/走行させる
ことにより、第1実施形態で上述したように、塗膜層5
1を、炭化させ(第1のステップ)、そして、構造物5
0から掻取って回収する(第2のステップ)ことができ
る。
【0033】そして、ゴンドラ30上の作業者は、塗装
塗膜除去装置1Aを、構造物50から一旦離隔させて、
ロープ33に支持させながらガイドレール35に沿って
所定の水平位置に移動させてから、上述したように鉛直
方向に移動させて、塗膜層51を構造物50から除去す
る。以降、このような操作を繰り返し、所定範囲での塗
膜層51の除去作業が終了すると、ゴンドラ30を昇降
させて所定の高さに移動させた後、さらに、上述した操
作を繰り返して、塗膜層51の除去作業が行なわれる。
【0034】したがって、本実施形態によれば、第1実
施形態の効果に加え、例えばビルのような高層建築物の
塗膜層51を除去することができるという利点がある。
なお、上述した実施形態では、ゴンドラ30に、図2及
び図3に示す塗装塗膜除去装置1Aを搭載した例を示し
たが、塗装塗膜除去装置1Aの代わりに、図4及び図5
に示す塗装塗膜除去装置1Bを搭載した構成としても良
い。
【0035】次に、本発明の第3実施形態としての塗装
塗膜の除去装置及び除去方法について説明すると、図7
〜図10は本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の除
去装置及び除去方法について示す図であり、図7はその
赤外線加熱装置の構成を一部破断して示す模式的な側面
図、図8はその掻取り装置の構成を一部破断して示す模
式的な側面図、図9は鋼管材の継手における加熱作業の
一例を説明するための図、図10は鋼管材の継手におけ
る掻取り作業の一例を説明するための図である。なお、
上述の各実施形態で説明したものと同一の部材について
は、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0036】上述した図2〜図6に示す実施形態では、
赤外線加熱装置及び掻取り装置が同じ移動台車に設置さ
れていたのに対し、本実施形態の塗装塗膜除去装置で
は、図7及び図8に示すように、赤外線加熱装置2A
と、掻取り装置5Aとがそれぞれ異なる移動台車40,
41に取り付けられている。赤外線加熱装置2Aは、図
7に示すように、反射板12が内貼りされ開口部を有す
るボックス11aと、このボックス11aに収容される
赤外線ランプ3とをそなえて構成されており、赤外線ラ
ンプ3は、ケーブル9により、ゴンドラ30に積載され
た電源4と接続されている。作業時には、赤外線加熱装
置2Aは、ボックス11aの開口部が構造物50に面す
るように構造物50上にセットされて、赤外線ランプ3
からこの開口部を介して構造物50上に赤外線が照射さ
れ、構造物50の塗膜層51を加熱して炭化させるよう
になっている。
【0037】また、移動台車40には、ボックス11a
側(図7中で左側)の面の4隅にそれぞれガイドローラ
44が取り付けられ、また、その反対側(図7中で右
側)の面には取手24aが設けられている。さらに、移
動台車40には図示しない磁石が取り付けられており、
赤外線加熱装置2A(移動台車40)は所定の吸着力で
磁性体製の構造物50に吸着するようになっており、作
業者は取手24aを把持しながら、構造物50上で移動
台車40を走行させて赤外線加熱装置2Aを移動させる
ことができるようになっている。
【0038】また、移動台車40の取付台40aには、
ゴンドラ30のガイドレール35から吊り下げられたロ
ープ33の下端が接続されており、このロープ33を介
して赤外線加熱装置2A(移動台車40)がゴンドラ3
0に支持されている。ロープ33の上端が接続されるガ
イドレール35は、図7において、紙面に対して垂直方
向に沿って設けられ、また、ロープ33の上端はガイド
レール35に摺動可能に取り付けられている。これによ
り、赤外線加熱装置2Aを、ゴンドラ30に支持させな
がら、図7において紙面に対して垂直方向に安定して移
動させることができ、また、赤外線加熱装置2Aを誤っ
て落下させてしまわないようにしている。
【0039】掻取り装置5Aは、図8に示すように、移
動台車41に設置されたボックス11bと、ボックス1
1b内に収容されるスクレーパ本体6Aとをそなえて構
成されており、スクレーパ本体6Aは、回転軸17と、
この回転軸17の周面に設けられる複数のワイヤブラシ
6aとから構成されている。ゴンドラ30にはコンプレ
ッサ46が積載されており、回転軸17は、このコンプ
レッサ46から高圧エアを供給されるエアモータ18
(図2及び図3参照)により回転駆動されるようになっ
ている。そして、掻取り装置5Aは、作業時には、ボッ
クス11bの開口部が構造物50に面するようにセット
され、回転するワイヤブラシ6aの先端が、この開口部
において、図7に示す赤外線加熱装置2Aにより炭化さ
せた炭化塗膜層51aと接触して掻取るようになってい
る。
【0040】さらに、ボックス11bには、ボックス1
1bの内部と連通するように回収ホース8の一端が接続
され、また、回収ホース8の他端は、ゴンドラ30に載
置された吸引装置37に接続されている。これにより、
スクレーパ本体6Aにより掻取られた塗装灰塵51a′
が吸引され回収されるようになっている。また、ボック
ス11bは、開口部でない側を移動台車41の取付台4
1aに取り付けられている。そして、移動台車40に
は、ボックス11b側(図8中で左側)の面の4隅にそ
れぞれガイドローラ45が取り付けられ、また、その反
対側(図8中で右側)の面には取手24bが設けられて
いる。さらに、移動台車41には図示しない磁石が取り
付けられており、掻取り装置5Aは所定の吸着力で構造
物50に吸着するようになっている。これにより、作業
者は取手24bを把持しながら、構造物50上で図8に
おいて上下方向に安定して掻取り装置5Aを移動させる
ことができるようになっている。
【0041】また、移動台車41の取付台41aには、
ゴンドラ30のガイドレール35から吊り下げられたロ
ープ33の下端が接続され、また、ロープ33の上端は
ガイドレール35に摺動可能に取り付けられており、掻
取り装置5Aを、ゴンドラ30に支持させて落下を防止
しながら、図8において紙面に対して垂直方向に安定し
て移動させることができるようになっている。
【0042】本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の
除去装置は上述のように構成されているので、以下のよ
うな手順(本実施形態としての塗装塗膜の除去方法)に
より構造物50の塗膜層51が除去される。つまり、先
ず、赤外線加熱装置2Aを、移動台車40の取付台40
aを介して、ゴンドラ30の上部から吊り下げたロープ
33に支持させながら、作業者が取手24aを操作し
て、赤外線加熱装置2Aを、磁石により構造物50に吸
着させつつ移動させる。この際、赤外線加熱装置2Aの
赤外線ランプ3により構造物50の塗膜層51を加熱し
て炭化させる(第1のステップ)。
【0043】次に、掻取り装置5Aを、赤外線加熱装置
2Aと同様に、移動台車41の取付台41aを介して、
ゴンドラ30から吊り下げられたロープ33に支持させ
ながら、作業者が、取手24bを操作して構造物50に
吸着した状態で掻取り装置5Aを移動させる。この際、
回転するスクレーパ本体6Aのワイヤブラシ6aによ
り、赤外線加熱装置2Aにより炭化させた炭化塗膜層5
1aが掻取られる。そして、この掻取られた炭化塗膜層
(塗装灰塵)51a′を吸引装置37により吸引して回
収する(第2のステップ)。
【0044】このような掻取り装置5Aの作業は、赤外
線加熱装置2Aにより塗膜層51を炭化させてから直ち
に行なうこともできるし、時間が経過してから行なうこ
ともできる。つまり、炭化した炭化塗膜層51aは、時
間経過に応じて性状が変化してしまうようなことがない
ので、その後行なわれる掻取り作業は、何ら時間的に規
制されることがないのである。
【0045】また、被作業対称が、図9及び図10に示
すように、主鋼管材(主部材)52と支持鋼管材(支持
部材)53,54とを接続する継手部55である場合に
は、先ず、図9に示すように、作業者は、簡略化して示
す赤外線加熱装置2Aを、ゴンドラ30(図7参照)又
は他の手段により支持させつつ、二点鎖線で示す比較的
広い範囲aで移動させて継手部55の表面の塗膜層を加
熱して炭化させる。
【0046】次に、作業者は、図10に示すように、簡
略化して示す掻取り装置5Aを、赤外線加熱装置2Aと
同様に、ゴンドラ30(図8参照)又は他の手段により
支持させつつ、二点鎖線で示す範囲aを移動させなが
ら、赤外線加熱装置2Aにより炭化させた塗膜層を掻取
って除去/回収する。この場合でも、掻取り装置5Aに
よる作業は、上述したように、赤外線加熱装置2Aによ
り塗膜層51を炭化させてから直ちに行なうこともでき
るし、時間が経過してから行なうこともできる。
【0047】したがって、本実施形態の塗装塗膜除去装
置によれば、上述した各実施形態の利点に加え、赤外線
加熱装置2Aと掻取り装置5Aとを異なる移動台車4
0,41に設置して独立した構成としたので、赤外線加
熱装置2Aによる作業と、掻取り装置5Aによる作業と
を、周囲の条件や、作業の進捗状況に応じて、適宜独立
して行なうことができ、作業効率の向上が可能であると
いう利点がある。また、赤外線加熱装置2Aと掻取り装
置5Aとに分割された構成となるので、赤外線加熱装置
2Aと掻取り装置5Aとを一体化した構成に比べ、持ち
運びや取り扱いを容易にすることができるという利点も
ある。
【0048】次に、本発明の第4実施形態としての塗装
塗膜の除去装置及び除去方法について説明すると、図1
1は本発明の第4実施形態としての塗装塗膜の除去装置
及び除去方法にかかる掻取り装置について示す図であ
り、(a)はその構成を一部破断して示す模式的な側面
図、(b)はその高圧水及び高圧エアの供給系統を示す
模式的な側面図である。なお、上述の各実施形態で説明
したものと同一の部材については、同じ符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0049】本実施形態の塗装塗膜除去装置は、上述し
た図7及び図8に示す第3実施形態に対し、掻取り装置
の構成を変えだけのもなので、以下、掻取り装置につい
てのみ説明する。本実施形態の掻取り装置5Cは、図1
1(a)に示すように昇降ワイヤ31に昇降可能に支持
されたゴンドラ30に搭載され、ロープ33を介してゴ
ンドラ31に支持されている。掻取り装置5Cは、赤外
線加熱装置2A(図7参照)により加熱され炭化した塗
膜層51に高圧水を噴射して塗膜層51を掻取るウォー
タジェット噴射ガンとして構成されており、掻取り装置
5Cは、高圧水を噴射する多孔式ノズル43と、多孔式
ノズル43を軸心線を中心に回転駆動するエアモータ4
8と、多孔式ノズル43を遮蔽するフード49とをそな
えている。
【0050】そして、図11(a),(b)に示すよう
に、エアモータ48には、コンプレッサ46からエアホ
ース46aを介して高圧エアが供給され、多孔式ノズル
43には、ウォータジェットポンプ47から高圧水ホー
ス47aを介して高圧水が供給されている。ここでは、
コンプレッサ46及びウォータジェットポンプ47は、
地上GRに設置されているが、ゴンドラ30に設置して
も良い。
【0051】これにより、本発明の第3実施形態にかか
るとしての掻取り装置5Cは上述のように構成されてい
るので、赤外線加熱装置2A(図7参照)により加熱さ
れ炭化した塗膜層51を以下の手順(第2のステップ)
により掻取る。つまり、コンプレッサ46から高圧エア
をエアモータ48に供給することにより、多孔式ノズル
43を回転駆動し、同時に、ウォータジェットポンプ4
7から高圧水を供給することにより、回転する多孔式ノ
ズル43から、炭化塗膜層51aに対して高圧水を噴射
させる。したがって、高圧水は、旋回しながら炭化塗膜
層51aに噴射し、この高圧水により炭化塗膜層51a
が掻取られる。この際、多孔式ノズル43から炭化塗膜
層51aに向けて噴射された高圧水及び掻取られた塗装
灰塵は、多孔式ノズル43の周囲に取り付けられたフー
ド49により周囲に飛散することが防止されるので、作
業者は、高圧水及び塗装灰塵に煩わされることなく作業
を行なうことができる。
【0052】そして、掻取り装置5Cをロープ33で支
持させながら、作業者が、掻取り装置5Cを移動させた
り、多孔式ノズル43の向きを変えて高圧水の噴射方向
を調整するなどして、所定範囲における掻取り作業が行
なわれる。したがって、本発明の第4実施形態の塗装塗
膜除去装置及び除去方法によれば、上述した各実施形態
と同様に、研削材を使用することなく塗膜層を除去する
ことができ、作業効率を向上させることができるという
利点がある。また、高圧水を噴射させて炭化塗膜層51
aを掻取るので、この際、構造物50を傷つけてしまう
ことを確実に防止できるという利点もある。
【0053】なお、上述の実施形態では、高圧水を噴射
して炭化塗膜層51aを掻取るようにしているが、高圧
水の代わりに高圧エアを噴射するように構成しても良
い。また、構造物50に噴射され塗装灰塵を含む処理水
を回収する回収装置を設けても良い。具体的には、例え
ば、回収装置を、吸引装置と、この吸引装置に接続され
フード49の内部に連通するようにフード49に取り付
けられた吸引用ホースとをそなえて構成すればよい。こ
の場合、回収装置による吸引力が構造物50に噴射され
た高圧水に影響して炭化塗膜層51aの除去が阻害され
てしまうことのないように、吸引用ホースの取り付け位
置を設定する必要がある。
【0054】また、本発明の塗装塗膜の除去装置及び除
去方法は、上述した各実施形態のものに限定されず、発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上述の各実施形態では、本発明の塗装塗膜の除
去装置及び除去方法を、磁性体製の構造物50における
塗装塗膜の除去に適用した例を説明したが、磁性を有さ
ない構造物50における塗装塗膜の除去に適用すること
もできる。この場合、構造物50が磁性を有さないため
磁力により除去装置を構造物50に吸着できないが、除
去装置を構造物50に沿って走行させるように拘束する
手段を設けたり、又は、構造物50が、水平又は安定し
て移動台車を走行させることができる程度で傾斜したも
のであれば、このような手段なしにも作業可能である
し、或いは、被作業対象が、鉛直であったり傾斜が大き
い場合でも、除去装置を軽量にできれば、除去装置を人
手により構造物50に押し付けて作業することもでき
る。
【0055】また、構造物50が磁性を有し且つ鉛直な
ものであっても、除去装置が軽量で人手により構造物5
0に押し付けられるものであれば、移動台車に磁石を設
けなくても良い。また、上述の実施形態では、掻取り装
置5A,5Bのスクレーパ本体6A,6Bを駆動するス
クレーパ駆動装置を、エアモータにより構成している
が、例えば電動モータにより構成してもよい。同様に、
図11に示す掻取り装置5Cでは、多孔式ノズル43を
回転駆動する駆動装置48を、エアモータにより構成し
ているが、電動モータにより構成してもよい。
【0056】また、上述した図1〜図5に示す第1実施
形態の塗装塗膜除去装置1A,1Bにおいて、スクレー
パ6A,6Bを用いた掻取り装置5A,5Bの代わり
に、図11に示す第4実施形態のウォータジェット噴射
ガン(掻取り装置)5Cを用いた構成としても良い。さ
らに、上述した各実施形態では、加熱装置を、赤外線ラ
ンプを用いた赤外線加熱装置により構成しているが、加
熱装置は、塗膜層51を加熱して炭化させるものであれ
ば良く、例えば、熱風を噴射して塗膜層51を炭化させ
るものでもよい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の塗装塗膜の除去装置によれば、従来のブラスト工
法では研削材が必要であったのに対し、加熱装置により
炭化させて構造物から剥離させ易くなった塗装塗膜を、
掻取り装置により構造物から掻取って除去するため研削
材が不要となるので、研削材による作業環境の悪化や研
削材の回収作業がなくなり、これにより、作業効率を向
上させるとともに作業に掛かるコストを低減できるとい
う利点がある。
【0058】請求項2記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置によれば、掻取り装置により掻取られた塗装塗膜が回
収装置により回収されるので、作業環境を好適なものに
維持して作業効率を向上させることができ、また、掻取
られた塗装塗膜が外部に飛散してしまうことを防止でき
るという利点がある。請求項3記載の本発明の塗装塗膜
の除去装置によれば、加熱装置は、赤外線ランプを用い
た赤外線加熱装置により構成されているので、簡易な構
成により、塗装塗膜を加熱して炭化させることができる
という利点がある。
【0059】請求項4記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置によれば、スクレーパ駆動装置により駆動されて回転
するスクレーパ本体により、簡易な構成で、炭化した塗
装塗膜を確実に掻取ることができるという利点がある。
請求項5記載の本発明の塗装塗膜の除去装置によれば、
炭化した塗装塗膜は、スクレーパ駆動装置により駆動さ
れる回転軸に設けられたワイヤブラシにより掻取られる
が、この際、ワイヤブラシが撓むので、構造物を傷つけ
ずに塗装塗膜を構造物から除去できるという利点があ
る。
【0060】請求項6記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置によれば、スクレーパ駆動装置により駆動される回転
軸に設けられた掻取り刃により、炭化した塗装塗膜を構
造物から効率よく除去できるという利点がある。請求項
7記載の本発明の塗装塗膜の除去装置によれば、回転す
る多孔式ノズルから噴射される高圧水により炭化した塗
装塗膜が掻取られるので、構造物を全く傷つけることな
く塗装塗膜を除去できるという利点がある。
【0061】請求項8記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置によれば、加熱装置及び掻取り装置が、いずれも同一
の移動台車に取り付けられているので、加熱装置を前方
に向け且つ掻取り装置を後方に向けた姿勢で移動台車を
移動させることにより、自ずと、加熱装置による塗装塗
膜の炭化と、掻取り装置による炭化した塗装塗膜の掻取
りとがこの順に行なわれるようになり、容易に塗装塗膜
を除去することができるという利点がある。
【0062】請求項9記載の本発明の塗装塗膜の除去装
置によれば、加熱装置及び掻取り装置が、それぞれ異な
る移動台車に取り付けられているので、加熱装置及び掻
取り装置を個別に操作及び移動でき、したがって、周囲
の条件や作業の進捗状況に応じて、加熱装置及び掻取り
装置を適宜使用できるようになって、作業効率を向上さ
せることができるようになるという利点がある。
【0063】また、除去装置が、加熱装置と掻取り装置
とに分割された構成となるので、加熱装置と掻取り装置
とを一体化した構成に比べ、持ち運びや取り扱いを容易
にすることができるという利点もある。請求項10記載
の本発明の塗装塗膜の除去装置によれば、移動台車にそ
なえられた磁石により移動台車が構造物に吸着するの
で、移動台車を安定して構造物上で走行させることがで
き、作業効率を向上させることができるという利点があ
る。
【0064】請求項11記載の本発明の塗装塗膜の除去
方法によれば、第1のステップで、構造物に塗装された
塗装塗膜を炭化させて構造物から剥離させやすい状態と
し、第2のステップで、この炭化した塗装塗膜を構造物
から除去するので、研削材が不要であり、したがって、
研削材による作業環境の悪化や研削材の回収作業がなく
なり、作業効率を向上させるとともに作業に掛かるコス
トを低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の除去
装置及び除去方法の機略構成を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の除去
装置の構成を示す模式的な縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の除去
装置の構成を示す模式的な平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の除去
装置の変形例の構成を示す模式的な縦断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態としての塗装塗膜の除去
装置の変形例の構成を示す模式的な平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態としての塗装塗膜の除去
装置について示す図であって、(a)はその構成を示す
模式的な正面図、(b)はその構成を示す模式的な側面
図である。
【図7】本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の除去
装置にかかる赤外線加熱装置の構成を一部破断して示す
模式的な側面図である。
【図8】本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の除去
装置にかかる掻取り装置の構成を一部破断して示す模式
的な側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の除去
装置による鋼管材の継手における加熱作業の一例を説明
するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態としての塗装塗膜の除
去装置による鋼管材の継手における掻取り作業の一例を
説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態としての塗装塗膜の除
去装置にかかる掻取り装置について示す図であり、
(a)はその構成を一部破断して示す模式的な側面図、
(b)はその高圧水及び高圧エアの供給系統を示す模式
的な側面図である。
【符号の説明】
1A,1B 塗装塗膜除去装置 2A 赤外線加熱装置(加熱装置) 3 赤外線ランプ 4 電源 5A,5B 掻取り装置 5C 掻取り装置(ウォータジェット噴射ガン) 6A,6B スクレーパ本体 6a ワイヤブラシ 8 回収ホース 9 ケーブル 10,40,41 移動台車 11a,11b ボックス 12 反射板 13 車輪 14a,14b,24a,24b 取手 15 磁石 16a 掻取り刃 16b 可撓部材 17,26 回転軸 18 エアモータ(スクレーパ駆動装置) 18a,46a エアホース 30 ゴンドラ 31 昇降ワイヤ 33 ロープ 34,44,45 ガイドローラ 35 ガイドレール 37 吸引装置 37A 回収装置 40a,41a 取付台 43 多孔式ノズル 46 コンプレッサ 47 ウォータジェットポンプ 47a 高圧水ホース 48 エアモータ 49 フード 50 構造物 51 塗膜層(塗装塗膜) 51a 炭化塗膜層 51a′ 塗装灰塵 52 主鋼管材 53,54 支持鋼管材 55 継手部 a 作業範囲
フロントページの続き (72)発明者 石井 元悦 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 長谷川 順行 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 新谷 光裕 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 4D075 BB20Z DB02 DC05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に塗装された塗装塗膜を加熱して
    炭化させる加熱装置と、 該加熱装置により炭化させた該塗装塗膜を掻取って該構
    造物から除去する掻取り装置とをそなえて構成されてい
    ることを特徴とする、塗装塗膜の除去装置。
  2. 【請求項2】 該掻取り装置により掻取られた該塗装塗
    膜を回収する回収装置がそなえられていることを特徴と
    する、請求項1記載の塗装塗膜の除去装置。
  3. 【請求項3】 該加熱装置は、赤外線ランプを用いた赤
    外線加熱装置であることを特徴とする、請求項1又は2
    記載の塗装塗膜の除去装置。
  4. 【請求項4】 該掻取り装置が、 上記の炭化した塗装塗膜を掻取るスクレーパ本体と、 該スクレーパ本体を回転駆動するスクレーパ駆動装置と
    をそなえて構成されていることを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれかの項に記載の塗装塗膜の除去装置。
  5. 【請求項5】 該スクレーパ本体が、 該スクレーパ駆動装置により駆動される回転軸と、 該回転軸に設けられたワイヤブラシとをそなえて構成さ
    れていることを特徴とする、請求項4記載の塗装塗膜の
    除去装置。
  6. 【請求項6】 該スクレーパ本体が、 該スクレーパ駆動装置により駆動される回転軸と、 該回転軸に取り付けられた掻取り刃とをそなえて構成さ
    れていることを特徴とする、請求項4記載の塗装塗膜の
    除去装置。
  7. 【請求項7】 該掻取り装置が、高圧水を噴射する多孔
    式ノズルを装備し、該多孔式ノズルを回転させながら高
    圧水を噴射させて、上記炭化した塗装塗膜を掻取るウォ
    ータジェット噴射ガンにより構成されたことを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかの項に記載の塗装塗膜の除
    去装置。
  8. 【請求項8】 該加熱装置及び該掻取り装置が、いずれ
    も同一の移動台車に取り付けられたことを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれかの項に記載の塗装塗膜の除去装
    置。
  9. 【請求項9】 該加熱装置及び該掻取り装置を、個別に
    操作及び移動できるように、それぞれ異なる移動台車に
    取り付けることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか
    の項に記載の塗装塗膜の除去装置。
  10. 【請求項10】 該移動台車に、磁石がそなえられ、該
    磁石により、該移動台車が該構造物に吸着することを特
    徴とする、請求項8又は9記載の塗装塗膜の除去装置。
  11. 【請求項11】 構造物に塗装された塗装塗膜を加熱し
    て炭化させる第1のステップと、 上記の炭化した塗装塗膜を該構造物から除去する第2の
    ステップとから構成されていることを特徴とする、塗装
    塗膜の除去方法。
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