JP3042077B2 - 電着砥石の製造装置および製造方法 - Google Patents

電着砥石の製造装置および製造方法

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JP3042077B2
JP3042077B2 JP3256802A JP25680291A JP3042077B2 JP 3042077 B2 JP3042077 B2 JP 3042077B2 JP 3256802 A JP3256802 A JP 3256802A JP 25680291 A JP25680291 A JP 25680291A JP 3042077 B2 JP3042077 B2 JP 3042077B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着砥石の製造装置お
よび製造方法に係わり、特に、砥粒の電着精度および電
着効率を高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は一般的な電着砥石の砥粒層を示
す断面拡大図である。図中符号1は各種形状の砥石基体
(台金)であり、この砥石基体1の砥粒層形成面1Aに
は、金属めっき相3を介して単層状に多数の超砥粒2が
固着されている。
【0003】従来、このような電着砥石の製造方法とし
ては、主に電解めっき法が使用されている。例えば、外
周面に砥粒層を有するホイール型等の電着砥石を製造す
る場合には、まず外周面1Aを除いてマスキングを施し
た砥石基体1を電解めっき液内に浸漬し、外周面1Aの
少なくとも一部を上向きかつ水平に配置する。
【0004】次いで、この水平面に超砥粒2を蒔き、砥
石基体1を電源陰極に接続するとともに、前記水平面と
対向配置された陽極との間で通電し、金属めっき相3を
析出させて超砥粒2を固定する。この操作を砥石基体1
を間欠的に回しながら外周面1Aの全周に亙って繰り返
し、単層状の砥粒層3を均一に形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
電着砥石の製造方法では、以下のような欠点を有してい
た。 局部的なめっきを断続的に繰り返して砥粒層を形成
するので、人手による超砥粒の散布密度のばらつきや、
めっき時間およびめっき条件のばらつきに起因するめっ
き相の厚さの不均一などにより、砥粒層中の砥粒分布密
度が不均一になり易く、砥粒層各部の切れ味や寿命にむ
らが生じて偏摩耗や砥石の異常振動を生じる場合があ
る。
【0006】 人手により砥粒を散布するうえ、砥石
基体から落下した砥粒を電着中に循環使用することがで
きないため、多量の砥粒が必要で砥粒コストが高くな
る。 電着作業中に常時人手を要するから、人件費がかさ
むうえ、製造効率が低い。 被めっき面に超砥粒を載せ、めっき液を十分に攪拌
せずにほぼ静止状態で電着するため、被めっき面への金
属イオン供給が不十分になり易い。このため、めっき電
流を大きくできず、電着作業そのものの効率も悪い。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、砥石基体全周に亙って均一な砥粒層が形成でき、電
着効率が高く、しかも製造の手間および砥粒使用量が低
減できる電着砥石の製造装置および製造方法の提供を課
題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の電着砥石の製造装置は、砥粒層を外周面に
形成すべき砥石基体を同軸に固定しうる回転軸と、前記
回転軸に固定された砥石基体の外周面を全周に亘って
密的に収容し、砥粒を混入しためっき液が内部に満たさ
れためっき容器と、前記回転軸および前記めっき容器を
それぞれ回転する駆動機構と、前記めっき容器の内部に
設けられ、砥石基体の外周面対向して設けられた陽極
と、前記めっき容器の内部に設けられ、めっき容器の回
転につれめっき容器の下側部分でめっき液中の砥粒を補
集する一方、めっき容器の上側部分で補集した砥粒を解
放して前記砥石基体の外周面上部に砥粒を落下せさうる
砥粒保持部とを具備したことを特徴とする。
【0009】なお、砥石基体の外周面と対向するめっき
容器の内壁面は、砥石基体の外周面と同軸な円周面状と
されるとともに、砥粒保持部は、この内壁面から突出し
て設けられた搬送羽根、あるいはこの内壁面に形成され
た凹部であってもよい。
【0010】また、陽極は、めっき容器の内壁面に固定
されていてもよい。また、砥石基体の外周面には、多数
の貫通孔を有し絶縁体で成形された多孔状マスク板が固
定されていてもよい。また、多孔状マスク板の表面には
導電性を有する多孔状の陽極板が固定され、この陽極板
が陽極とされていてもよい。陽極材は、可溶性金属で
も、白金等の不溶性金属を含む不溶性導電材料であって
もよい。また、めっき容器には、めっき液の供給口およ
び排出口が形成されていてもよいし、排出口には、砥粒
の通過を阻止するフィルタが設けられていてもよい。さ
らに、駆動機構は、回転軸および前記めっき容器をそれ
ぞれ異なる回転速度で回転させるものであってもよい。
【0011】一方、本発明の電着砥石の製造方法は、
粒層を外周面に形成すべき砥石基体を回転軸に同軸で固
定し、この砥石基体の外周面を全周に亘って、砥粒を混
入しためっき液が内部に満たされためっき容器内に気密
的に収容し、回転軸および前記めっき容器をそれぞれ回
転しつつ、めっき容器の内部に設けた砥粒保持部によ
り、めっき容器の下側部分でめっき液中の砥粒を補集す
る一方、めっき容器の上側部分で砥粒を解放して砥石基
体の外周面上部に砥粒を連続的に落下させ、さらに、め
っき容器の内部で砥石基体の外周面と対向して設けられ
た陽極と砥石基体との間に通電し、砥石基体の外周面に
砥粒を電着することを特徴としている。
【0012】なお、電着に際し、砥石基体の外周面に絶
縁体で成形され多数の孔を有する多孔状マスク板を固定
しておいてもよい。また、この多孔質マスク板の表面に
多孔質の導電性を有する陽極板を固定し、この陽極板に
通電してもよい。
【0013】また、電着中に、めっき容器に形成された
供給口からめっき液を供給するとともに、めっき容器に
形成された排出口からめっき液を排出してもよいし、回
転軸およびめっき容器をそれぞれ異なる回転速度で回転
させてもよい。
【0014】
【作用】本発明の製造装置および製造方法では、砥石基
体と陽極との間に通電しつつ、回転軸およびめっき容器
を回転させることにより、このめっき容器の下側内周面
に落下した砥粒を砥粒保持部によって補集し、次いで、
これら砥粒をめっき容器の上側部分で解放して砥石基体
の上面に落下させる。これにより、砥粒はめっき容器の
回転と連動して砥石基体の外周面に均一に散布されるう
え、砥石基体の外周面全周に亙って金属めっき相の析出
条件も均一化される。したがって、厚さおよび砥粒含有
率が均一な砥粒層が容易に形成できる。
【0015】また、砥石基体から落下した砥粒を循環使
用するため、電着に要する砥粒が比較的少量で済み、砥
粒コストが低減できる。さらに、電着中に砥石基体およ
びめっき容器を連続回転させるため、砥石基体の表面近
傍においてめっき液が攪拌され、砥石基体外周面に対す
る金属イオンの供給を十分に行なうことができ、電着効
率が高められるとともに、印加電流を増してめっき速度
を向上することが可能で、生産効率が増大できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係わる電着砥石の製造装置お
よび製造方法の実施例を詳細に説明する。図1および図
2は、第1実施例の電着砥石の製造装置を示す側断面図
および正断面図である。
【0017】図中符号10は水平に配置された回転軸
で、図示しない駆動機構により軸線回りに回転される。
回転軸10の中央部にはめっき容器12が同軸に取り付
けられ、このめっき容器12の中には、電着すべき砥石
基体20が回転軸10に同軸に通された状態で気密的に
収容されている。
【0018】砥石基体としては、図に示すようなホイー
ル型台金20が一般的であるが、本発明ではそれ以外に
も、外周面が湾曲した円環状の総型砥石用台金(後述の
図10参照)や、外周面のみが導電体で構成された複合
台金、あるいは導電性シート材等も使用可能である。
【0019】砥石基体として導電性シート材を使用する
場合には、側面が絶縁されたホイール型の金属製治具を
用意し、この治具の外周面に導電性シート材を張設した
うえ、治具を回転軸10に固定して電着を行えばよい。
【0020】めっき容器12は有底円筒状の本体14
と、この本体14の開口部を塞ぐ蓋16とから構成さ
れ、これらの当接面にはOリング18が介装されてい
る。本体14の内面および蓋16の内面には、それぞれ
砥石基体20との間を封止するOリング22,24がそ
れぞれ介装されている。なお、めっき容器12の材質と
してはプラスチック等の絶縁材が使用される。
【0021】本体14の深さは砥石基体20の厚さと同
一にされている。そして回転軸10の両側にナット2
6,28 が締め込まれ、本体14、砥石基体20および
蓋16が回転軸10に対して固定されている。なお、図
示していないが、本体14にはめっき液の排出口および
供給口が形成され、通常は栓により封止されている。
【0022】そして、めっき容器12の内部にはNiめ
っき液等の電解めっき液Mが満たされ、このめっき液M
には所定量のダイヤモンドまたはCBN等の超砥粒が添
加されている。ただし、本発明では超砥粒に限定され
ず、一般砥粒やその他の粒子ももちろん使用できる。
【0023】本体14の周壁部の内周面には、不溶性の
導電性材料で成形された円筒状の陽極30が全周に亙っ
て固定されている。前記不溶性材料としては、例えば白
金や白金めっきしたチタン等の電解めっき時に溶出しな
い金属が挙げられる。陽極30が不溶性であれば、電着
時に陽極30からアノードスライムが生じず、めっき面
の荒れが生じないうえ、陽極30が消耗しないため電流
密度の一定化が図れ、繰返し使用も可能である。
【0024】そして、陽極30は図示しない通電手段を
介して電源陽極に接続されるとともに、砥石基体20は
回転軸10を通じて電源陰極に接続されるようになって
いる。なお、使用する電源は直流電源、パルス電源、あ
るいは直流バイアスをかけた交流電源のいずれでもよ
い。
【0025】陽極30の内周面には、周方向等間隔毎
に、断面く字状をなす搬送羽根(砥粒搬送部)32が多
数固定されている。これら搬送羽根32は、図3に示す
ようにその先端部32Aが一定角度αを以て砥石基体2
0の回転方向前方側に屈折しており、次の条件を満たす
ように形状設定されている。
【0026】(a) めっき容器12に満たされためっ
き液M中の砥粒が沈降すると、これら砥粒がめっき容器
12の回転につれ搬送羽根32の回転方向前方側の面に
補集され、この状態を保ったままめっき容器12の上側
まで送られる。 (b) 砥粒を保持した搬送羽根32がめっき容器12
の上側に達すると、図2に示すように搬送羽根32の先
端部32Aが下傾するため、搬送羽根32内に保持され
ていた砥粒が漸次、砥石基体20上にこぼれおちる。
【0027】この搬送羽根32において、砥粒の落下地
点を調整するには、前記角度αを変更すればよい。例え
ば図4に示すように角度αを小さくすれば、砥粒の落下
地点がめっき容器12の回転方向前方側に移動する。ま
た図3および図4に示した形状以外にも、図5に示すよ
うな円弧状等も可能であるし、必要に応じてはさらに他
の形状に変更してもよい。
【0028】次に、上記装置を用いた電着砥石の製造方
法の一例を説明する。まず、電着すべき砥石基体20を
回転軸10に通し、めっき容器12にセットする。次い
で、図示しない給液孔からめっき容器12内に砥粒を含
むめっき液Mを満たした後、駆動機構によりめっき容器
12全体を回転させつつ、砥石基体20と陽極30との
間に通電する。
【0029】すると、めっき液M中の砥粒の一部は、め
っき容器12の内周面に沈降し、搬送羽根32に補集さ
れてめっき容器12の上側に運ばれる。こうして砥粒が
めっき容器12の上側に達すると、搬送羽根32の先端
部32Aから砥粒が砥石基体20上にこぼれおち始め、
一定時間、連続的に落下しつづける。落下した砥粒はめ
っき液M中を広がりなから落下していき、砥石基体20
の周面上に均一に散布される。
【0030】その間、砥石基体20の周面上には金属め
っき相が析出しつづけるため、砥石基体20上に堆積し
た砥粒の下層は金属めっき相により砥石基体20に固着
される。さらに砥石基体20が回転すると過剰の砥粒は
砥石基体20からめっき容器12内に落下する。
【0031】以上の工程を一定時間繰り返すことによ
り、砥石基体20の外周面には均一な砥粒層が形成され
る。所望の厚さの砥粒層が形成されたら、通電を停止
し、砥石基体20をめっき容器12から外して水洗す
る。さらに、必要に応じてこの砥石にツルーイングやド
レッシングを行ない、砥粒層の外周面を整形、あるいは
目立てする。
【0032】上記構成からなる電着砥石の製造装置およ
び方法によれば、めっき容器12の下側内周面に落下し
た砥粒を搬送羽根32によって補集し、めっき容器12
の上側部分で解放して砥石基体20の上面に落下させる
ため、砥粒は砥石基体20の回転と連動して砥石基体2
0の周面全面に均一に散布される。同時に、砥石基体2
0の周面全周に亙って金属めっき相の析出条件が均一化
されるため、厚さおよび砥粒含有率が均一な砥粒層が容
易に形成でき、安定した切れ味の砥石を得ることができ
る。
【0033】また、めっき容器12を連続回転させるこ
とにより、砥石基体20の表面近傍においてめっき液M
が攪拌されるため、砥石基体20の周面に対する金属イ
オンの供給を十分に行なうことができ、めっき速度を向
上して電着効率が高められる。さらに、砥石基体20の
回転速度を変えることにより集中度のコントロールが可
能である。
【0034】また、めっき容器12は回転軸10に対し
て単純に固定されているだけで、別の駆動機構を必要と
しないため、実施容易で装置のコストも安い。さらに、
砥石基体20から落下した砥粒を循環使用するうえ、比
較的小形のめっき容器12の内部にのみ砥粒を入れるの
で、砥粒の使用効率が高く、砥粒コストを低減すること
ができる。
【0035】なお、上記実施例では、本体14の周壁面
に沿って陽極30が固定されていたが、その代わりに図
6に示す第2実施例のように、搬送羽根32よりも内周
側に、円筒状かつ多孔状の陽極板40を回転軸10と同
軸に設け、本体14の側壁面に固定してもよい。
【0036】この陽極板40としては、不溶性金属のワ
イヤを編んだ網状物や、不溶性金属板に多数の切れ込み
を形成して引き延ばしたエキスパンデッドメタル、ある
いは貫通孔よりも小さい孔をプレスで多数形成した多孔
板等が使用可能である。この実施例によれば、前記実施
例の効果に加え、搬送羽根32から落下した砥粒が、多
孔状の陽極板40で一旦散乱されるため、砥粒の散布密
度を一層均一化することができる利点を有する。
【0037】次に図7は、本発明の第3実施例を示し、
この例では搬送羽根32の代わりに、多孔状の絶縁板4
2を陽極30の内周面に固定したことを特徴とする。こ
の絶縁板42には全面に亙って円形等の貫通孔(砥粒搬
送部)42Aが形成されており、めっき容器12の下側
で砥粒はこれら貫通孔42Aに入り、めっき容器12の
上側で貫通孔42Aから砥石基体20上に落下する構成
となっている。この例では、貫通孔42Aの開口径と、
絶縁板42の板厚を調整することにより、砥粒が解放さ
れる角度範囲が設定できる。なお、絶縁板42として
は、3次元編み目構造を有するウレタンフォーム等も使
用可能である。この場合には、編み目の内部に砥粒が保
持される。
【0038】次に、図8は本発明の第4実施例を示し、
この例では、電着時に、めっき容器12の内部にめっき
液Mを連続供給できるようにした点を新たな特徴として
いる。この例のめっき容器12は、一対の有底円筒状の
容器部材50,52から構成され、これら容器部材50,
52は、その大径側開口端に形成された凸部50A,5
2Aを互いにはめあわせることにより、気密的に封止可
能となっている。
【0039】また、容器12の軸線方向の内幅は砥石基
体20よりも大きく、砥石基体20の両端面との間に液
流通用の間隙が形成され、砥石基体20は固定ナット5
4,56で回転軸10に固定されている。各容器部材5
0,52の底板部には、回転軸10の外径よりも内径が
大きい円環部50B,52Bが形成されるとともに、こ
れら円環部50B,52Bと回転軸10との間を塞ぐフ
ィルタ60,58がそれぞれ固定され、砥粒は通さずめ
っき液のみ通すようになっている。
【0040】また、各円環部50B,52Bには、回転
シール70,62を介して給液部材72,64がそれぞれ
相対回転可能に取り付けられている。これら給液部材7
2,64には回転軸10を通すための円形口が形成さ
れ、これら円形口と回転軸10との間にはOリング7
4,66が介装されている。
【0041】そして、上記給液部材72,64の給液口
68,76には図示しないめっき液循環装置が接続さ
れ、給液口68からフィルタ58、めっき容器12の内
部、フィルタ60、給液部材72の給液口76に至る給
液路を通じてめっき液のみが循環されるようになってい
る。
【0042】この実施例ではさらに、めっき回転軸10
を回転させる駆動機構の他に、めっき容器12を回転軸
10と別個に軸線回りに回転させる駆動機構が設けられ
ている(図示略)。なお、陽極30、搬送羽根32の構
成は前記各実施例と同様である。
【0043】この第4実施例の装置によれば、電着中に
めっき液Mを循環させ、金属イオンを外部から供給する
ことができるため、めっき条件の制御が容易であるとい
う利点を有する。また、めっき容器12を砥石基体20
とは異なる回転速度で回転させることができるから、め
っき液Mの攪拌効果をさらに高めるとともに、搬送羽根
32と砥石基体20との相対位置を変化させることがで
き、砥粒散布の一層の均一化が図れる。
【0044】次に図9は、本発明の第5実施例を示し、
この例では電着すべき砥石基体20の外周面に、予め多
孔状のマスク板80を着脱可能に固定していることを特
徴とする。このマスク板80は可撓性を有する絶縁体か
らなり、砥粒径に比して十分に内径が大きい多数の貫通
孔82が全面に亙って形成されている。なお、このマス
ク板80は電着後に砥石基体20から除去する。
【0045】この例によれば、めっき容器12の上側に
おいて搬送羽根32から砥粒が落下すると、これら砥粒
がマスク板80の貫通孔82に入り、砥石基体20の回
転につれ周面が多少傾斜しても砥粒は貫通孔82内に保
持され、砥石基体20の周面に接触した状態に保たれ
る。したがって、砥石基体20の水平面部分だけでな
く、周面の傾斜部分でも砥粒の固着が続行されるから、
電着効率を高めることができる。
【0046】また、砥石基体20上に互いに独立した砥
粒層が形成されるので、これら砥粒層の間の空隙部分が
研削液の供給路および切粉排出通路となり、砥粒層の目
詰まりを防止し、切れ味を高めることができる。
【0047】次に、図10は本発明の第6実施例を示
し、この例では、砥石基体20の周面に、前記同様の多
数の貫通孔82を有するマスク板80を固定したうえ、
さらにこのマスク板80の外周面に陽極板84を固定し
たことを特徴とする。この陽極板84は前記不溶性金属
で成形されたもので、マスク板80の貫通孔82に合致
した貫通孔86が全面に亙って形成されている。そして
この陽極板84が、図示しない通電手段を介して電源陽
極に接続されている。
【0048】この第5実施例によれば、砥石基体20の
周面と陽極板84との離間量が、マスク板80の厚さに
より正確に確保されるから、図10に示すように砥石基
体20の外周面が単純な円周面ではない場合にも、各貫
通孔82内の被めっき面における電流密度は全て一定に
なるうえ、個々の貫通孔82への砥粒の入り込み数もほ
ぼ一定数に維持される。したがって、砥石基体20の形
状が複雑な総型砥石等に対しても、均等な砥粒含有率を
有する砥粒層が容易に形成できる利点を有する。なお、
多数の孔を形成した陽極板84の代わりに、不溶性金属
等からなるメッシュ状の陽極板を使用することも可能で
ある。
【0049】ところで、本発明の装置では、図11に示
すような単層状の砥粒層だけでなく、電着時間を延長す
ればさらに多層状に砥粒を含む砥粒層も形成できる。従
来の人手による製造方法では、このような多層状の砥粒
層を形成すると砥粒の分布ばらつきが累積して使用に耐
える砥石が製造できなかったが、本発明の製造装置およ
び方法によれば、砥粒の分布が均一化するため、高精度
の多層状砥粒層が形成できる。
【0050】また、砥粒に予めNi,Co,Cuなどの
金属皮膜を形成しておいてもよい。特に砥粒層を多層状
に形成する場合に、砥粒に金属皮膜を形成しておくと、
砥粒の間に気孔を残した状態で金属めっき相が析出する
ため、砥粒層が多孔質になる。このような多孔質砥粒層
によれば、切粉排出性や研削液の供給性を一層高めるこ
とが可能である。さらに本発明は、図示した装置に限ら
ず、必要に応じて適宜構成を変更してよいし、装置の使
用方法もそれに応じて変えてよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる電
着砥石の製造装置および製造方法によれば、以下のよう
な優れた効果が得られる。
【0052】 砥石基体と陽極との間に通電しつつ、
回転軸およびめっき容器を回転させることにより、この
めっき容器の下側内周面に落下した砥粒を砥粒保持部に
よって補集し、次いで、これら砥粒をめっき容器の上側
部分で解放して砥石基体の上面に落下させる。これによ
り、砥粒はめっき容器の回転と連動して砥石基体の外周
面に均一に散布されるうえ、砥石基体の外周面全周に亙
って金属めっき相の析出条件も均一化される。したがっ
て、厚さおよび砥粒含有率が均一な砥粒層が容易に形成
でき、砥粒分布の不均一さに起因する電着砥石の切れ味
のむらや偏摩耗、異常振動等を防止することが可能であ
る。
【0053】 砥石基体から落下した砥粒を循環使用
するうえ、従来のめっき槽に比して小形のめっき容器の
内部にのみ砥粒を入れるので、電着に要する砥粒が比較
的少量で済み、砥粒の使用効率を高めて砥粒コストが低
減できる。
【0054】 電着中に砥石基体およびめっき容器を
連続回転させるため、砥石基体の表面近傍においてめっ
き液が攪拌され、砥石基体外周面に対する金属イオンの
供給を十分に行なうことができ、めっき速度を向上して
電着効率が高められる。 電着時に人手の介入が少なくて済むため、人件費等
に要するコストが低減でき、生産性も高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電着砥石の製造装置の第1実施
例を示す正断面図である。
【図2】同装置を示す側断面図である。
【図3】同装置の搬送羽根(砥粒搬送部)を示す正面図
である。
【図4】同装置の搬送羽根(砥粒搬送部)を示す正面図
である。
【図5】同装置の搬送羽根(砥粒搬送部)を示す正面図
である。
【図6】本発明の他の実施例の装置を示す側断面図であ
る。
【図7】本発明の他の実施例の装置を示す側断面図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例の装置を示す側断面図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例の装置を示す側断面図であ
る。
【図10】本発明の他の実施例の装置を示す側断面図で
ある。
【図11】従来の電着砥石の断面拡大図である。
【符号の説明】
10 回転軸 12 めっき容器 14 本体 16 蓋 20 砥石基体 30 陽極 32 搬送羽根(砥粒搬送部) 40 多孔状の陽極 42 多孔状の絶縁板 42A 貫通孔(砥粒搬送部) 50 容器部材 52 容器部材 58 フィルタ 60 フィルタ 62 回転シール 70 回転シール 64 給液部材 72 給液部材 68 給液口(供給口、排出口) 76 給液口(供給口、排出口) 80 マスク板 82 貫通孔 84 多孔状の陽極 86 貫通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭46−7946(JP,A) 特開 昭62−161998(JP,A) 特開 平3−53097(JP,A) 特開 昭62−120979(JP,A) 特開 平3−2393(JP,A) 特開 昭63−2672(JP,A) 特開 昭63−162162(JP,A) 実開 昭54−35494(JP,U) 特公 昭49−14613(JP,B1) 実公 昭35−2241(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/06 B24D 3/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒層を外周面に形成すべき砥石基体を
    同軸に固定しうる回転軸と、前記回転軸に固定された砥
    石基体の外周面を全周に亘って気密的に収容し、砥粒を
    混入しためっき液が内部に満たされためっき容器と、前
    記回転軸および前記めっき容器をそれぞれ回転する駆動
    機構と、前記めっき容器の内部に設けられ、砥石基体の
    外周面対向して設けられた陽極と、前記めっき容器の
    内部に設けられ、めっき容器の回転につれめっき容器の
    下側部分でめっき液中の砥粒を補集する一方、めっき容
    器の上側部分で補集した砥粒を解放して前記砥石基体の
    外周面上部に砥粒を落下せさうる砥粒保持部とを具備す
    ることを特徴とする電着砥石の製造装置。
  2. 【請求項2】前記砥石基体の外周面と対向する前記めっ
    き容器の内壁面は、前記外周面と同軸な円周面状とされ
    るとともに、前記砥粒保持部は、この内壁面から突出し
    て設けられた搬送羽根であることを特徴とする請求項1
    記載の電着砥石の製造装置。
  3. 【請求項3】前記めっき容器の前記砥石基体の外周面と
    対向する内壁面は、前記外周面と同軸な円周面状とされ
    るとともに、前記砥粒保持部は、この内壁面に形成され
    た凹部であることを特徴とする請求項1記載の電着砥石
    の製造装置。
  4. 【請求項4】前記陽極は、前記めっき容器の内壁面に固
    定されていることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の電着砥石の製造装置。
  5. 【請求項5】前記砥石基体の外周面には、多数の貫通孔
    を有し絶縁体で形成された多孔状マスク板が固定されて
    いることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    電着砥石の製造装置。
  6. 【請求項6】前記多孔状マスク板の表面には導電性を有
    する多孔状の陽極板が固定され、この陽極板が前記陽極
    とされていることを特徴とする請求項5記載の電着砥石
    の製造装置。
  7. 【請求項7】前記めっき容器には、めっき液の供給口お
    よび排出口が形成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載の電着砥石の製造装
    置。
  8. 【請求項8】前記排出口には、砥粒の通過を阻止するフ
    ィルタが設けられていることを特徴とする請求項7記載
    の電着砥石の製造装置。
  9. 【請求項9】前記駆動機構は、前記回転軸および前記め
    っき容器をそれぞれ異なる回転速度で回転させることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8
    記載の電着砥石の製造装置。
  10. 【請求項10】 砥粒層を外周面に形成すべき砥石基体
    を回転軸に同軸で固定し、この砥石基体の外周面を全周
    に亘って、砥粒を混入しためっき液が内部に満たされた
    めっき容器内に気密的に収容し、前記回転軸および前記
    めっき容器をそれぞれ回転しつつ、前記めっき容器の内
    部に設けた砥粒保持部により、めっき容器の下側部分で
    めっき液中の砥粒を補集する一方、めっき容器の上側部
    分で砥粒を解放して前記砥石基体の外周面上部に砥粒を
    連続的に落下させ、さらに、前記めっき容器の内部で砥
    石基体の外周面と対向して設けられた陽極と、前記砥石
    基体との間に通電し、砥石基体の外周面に砥粒を電着す
    ることを特徴とする電着砥石の製造方法。
  11. 【請求項11】前記電着に際し、前記砥石基体の外周面
    に、絶縁体で成形され多数の孔を有する多孔状マスク板
    を固定しておくことを特徴とする請求項10記載の電着
    砥石の製造方法。
  12. 【請求項12】前記電着に際し、前記多孔質マスク板の
    表面に多孔質の導電性を有する陽極板を固定するととも
    に、前記陽極としてこの陽極板に通電することを特徴と
    する請求項11記載の電着砥石の製造方法。
  13. 【請求項13】前記電着に際し、前記めっき容器に形成
    された供給口からめっき液を供給するとともに、前記め
    っき容器に形成された排出口からめっき液を排出するこ
    とを特徴とする請求項10、11または12記載の電着
    砥石の製造方法。
  14. 【請求項14】前記電着に際し、前記回転軸および前記
    めっき容器をそれぞれ異なる回転速度で回転させること
    を特徴とする請求項10、11、12または13記載の
    電着砥石の製造方法。
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