JP2949952B2 - 粉粒体のめっき装置およびめっき方法 - Google Patents

粉粒体のめっき装置およびめっき方法

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JP2949952B2 JP22914491A JP22914491A JP2949952B2 JP 2949952 B2 JP2949952 B2 JP 2949952B2 JP 22914491 A JP22914491 A JP 22914491A JP 22914491 A JP22914491 A JP 22914491A JP 2949952 B2 JP2949952 B2 JP 2949952B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば砥粒等の各種粉
粒体の表面に、金属めっき層を形成するための粉粒体の
めっき装置およびめっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、通常の砥石の砥粒層は、金属,
樹脂,ガラス等からなる結合材中に、ダイヤモンド,C
BN,各種セラミックス等からなる砥粒を分散させたも
のであるが、最近では、砥粒に予め金属めっき層を形成
しておくことがしばしば行われる。こうして砥粒に金属
めっき層を形成しておくと、砥粒と結合材との接合強度
が向上し、砥粒の脱落頻度が低減できるうえ、砥粒の放
熱性が高められ焼け付き防止効果が得られるからであ
る。
【0003】ところで、従来、前記砥粒のような粉粒体
に金属めっき層を形成するには、無電解めっき法が一般
に採られていた。無電解めっき法は、まず粉粒体を貴金
属塩溶液等に接触させ、表面触媒化処理を施した後、粉
粒体を無電解めっき液に浸漬して攪拌しつつ、その表面
に金属めっき層を化学的に析出させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無電解
めっき法では、反応速度が小さいために処理に時間を要
し、効率が悪いという問題があった。また、比較的厚い
金属めっき層を形成するには、バッチ式にめっき液を交
換して複数回繰り返し処理しなければならず、コストと
手間がかかる欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、まず、本発明に係わる粉粒
体のめっき装置は、中心軸線を上下方向に向けて軸線回
り回転自在に設けられ内壁面の少なくとも一部が導電体
で構成された回転容器と、この回転容器を回転させるた
めの容器駆動機構と、回転容器の内部で前記内壁面に対
向して配置された陽極と、この陽極を電源陽極へ接続す
るとともに回転容器の前記導電体を電源陰極へ接続しう
る通電手段とを具備したことを特徴としている。
【0006】なお、陽極は回転容器の軸線回りに、回転
容器に対して回転自在に設けられ、さらに陽極を回転さ
せるための陽極回転機構が設けられていてもよい。
【0007】また、回転容器の内壁面は円筒状あるいは
円錐状であってもよいし、さらに陽極の形状は、この陽
極と回転容器の前記導電体との離間距離が回転容器の上
部から下部に向けて漸次増加するように設定されていて
もよい。
【0008】さらに、回転容器の内壁面は、その上下端
部の内径よりも中央部の内径が大きい曲面状とされてい
てもよい。
【0009】一方、本発明の粉粒体のめっき方法は、中
心軸線を上下方向に向けて設けられ内壁面の少なくとも
一部が導電体で構成された回転容器に、電解めっき液お
よび表面が導電性を有する粉粒体を入れ、前記回転容器
を前記軸線回りに回転させることにより遠心力で前記粉
粒体を内壁面に付着させ、かつこれら粉粒体の移動速度
と回転容器の回転速度との間に相対速度差を設けつつ、
回転容器の内壁面に対向して配置された陽極を電源陽極
に、回転容器の前記導電体を電源陰極にそれぞれ接続
し、粉粒体の表面に電解めっきを施すことを特徴とす
る。
【0010】あるいは、中心軸線を上下方向に向けて設
けられ内壁面の少なくとも一部が導電体で構成された回
転容器に、電解めっき液および表面が導電性を有する粉
粒体を入れ、前記回転容器を前記軸線回りに回転させる
ことにより遠心力で前記粉粒体を内壁面に付着させ、か
つこれら粉粒体を間欠的に内壁面から離脱させつつ、回
転容器の内壁面に対向して配置された陽極を電源陽極
に、回転容器の前記導電体を電源陰極にそれぞれ接続
し、粉粒体の表面に電解めっきを施してもよい。
【0011】なお、回転容器の内壁面から粉粒体を間欠
的に離脱させるために、回転容器の回転速度を周期的に
変化させてもよい。また、電解めっき液に、前記粉粒体
よりも大径の攪拌用大径粒子を添加しておいてもよい。
さらに電解めっき液に超音波振動を加えてもよい。
【0012】
【作用】本発明の粉粒体のめっき装置およびめっき方法
では、遠心力で粉粒体を回転容器の内壁面に単層もしく
は多層状に付着させ、この内壁面を構成する導電体と各
粉粒体を導通させた状態で、導電体と陽極との間に通電
することにより、最内周に位置する粉粒体の陽極との対
向面に金属めっき層を形成する。
【0013】この金属めっき層がある程度の厚さに達し
たら、一旦、全ての粉粒体を容器内壁面から離脱させ、
再度、遠心力により粉粒体を容器内壁面に積層付着させ
る。この過程において、金属めっき層が形成された粉粒
体は重量が相対的に大きいため、遠心力がより強く作用
し、他の粉粒体よりも先に容器内壁面に付着し、他の粉
粒体はその上に続いて積層する。
【0014】この配列作用により、金属めっき層が未だ
形成されていない、あるいは形成割合の少ない粉粒体が
常に内周側に配置され、続いてこれらに金属めっき層が
形成されるため、前記の付着,電着,離脱のサイクルを
繰り返すことにより、全ての粉粒体に均一に金属めっき
層が形成される。
【0015】また、粉粒体の粒径そのものにばらつきが
ある場合には、前記配列作用により粒径の小さい粉粒体
が内周側に配置され、金属めっき層が形成される率が大
きくなるので、最終的に得られる金属めっき粒子の外径
が均一化できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を用いて本発明に係わる粉粒体の
めっき装置およびめっき方法の実施例を詳細に説明す
る。
【0017】図1は、粉粒体めっき装置の一実施例を示
す正断面図であり、図中符号1は有底円筒形の回転容
器、2はこの回転容器の底部を貫通して配置された回転
軸である。回転軸2は基台4を垂直に貫通して回転自在
に支持され、さらにその下端にはプーリ6が固定され
て、モータ(容器駆動機構)12の回転軸に固定された
プーリ10との間にタイミングベルト8が巻回されてい
る。回転軸2は、陽極導体部2A,絶縁体部2Bと陰極
導体部2Cとからなり、陽極導体部2Aは図示しないリ
ード線を介して電源陽極に接続され、陰極導体部2Cは
図示しないリード線を介して電源陰極に接続されてい
る。
【0018】回転容器1の内壁面1A(底部を除く)
は、全面に亙ってTiまたはステンレス鋼等の、無電解
めっき液Mに対して耐食性のある金属で構成されてお
り、この金属は回転軸2に固定され、前記陰極導体部2
Cを介して電源陰極に接続されている。また、図2にも
示すように、回転軸2には陽極14が同軸に固定されて
いる。
【0019】この陽極14は、円筒形の外周部14a
と、回転軸2に固定されたテーパ部14bとからなり、
白金めっきTi等の不溶性金属のメッシュ板で形成され
たものである。メッシュ板の編目寸法は、粉粒体Aが自
由に通過できる程度が好ましい。ただし、陽極は図示の
メッシュ板に限定されるものではなく、その他の板状,
線状等でもよい。
【0020】この装置により粉粒体をめっきするには、
まず、回転容器1に、電解めっき液Mおよび粉粒体Aを
入れる。電解めっき液Mとしては、従来使用されている
いかなる種類のものでもよい。また、本装置でめっき可
能な粉粒体Aは、その表面が導電体で構成されているこ
とが必須で、めっき液Mよりも比重が大きいことが好ま
しい。
【0021】したがって、粉粒体Aそのものが導電体で
あればそのままめっき可能であるが、不導体であるなら
ば、その表面に予め無電解めっき法等により、薄い金属
被膜を形成しておく必要がある。
【0022】その場合、金属被膜の種類は限定されない
が、一般的にはNi,Co,Cu等が使用される。金属
被膜の厚さは0.05〜5μm程度が好ましく、0.0
5μmより薄いと金属被膜の導電性が不均一になり、電
解めっきが均一に行えないおそれがある。また、5μm
より厚いと導電性層形成のための無電解めっきにコスト
がかかり、本発明のメリットが低下する。なお、粉粒体
Aの粒径は限定されないが、本発明者らの実験によれ
ば、1μm以上であると均一に電解めっきしやすいこと
が判明している。
【0023】めっき液Mと粉粒体Aをセットし終えた
ら、モータ12を作動させて回転容器1を等速回転さ
せ、遠心力で粉粒体Aを内壁面1Aに静止付着させる。
同時に陽極14を電源陽極に、回転容器1の内壁面1A
を電源陰極にそれぞれ接続し通電する。めっき時に適し
た回転速度は実験によって適宜決定すべきであり、めっ
き液Mが回転容器1から飛散せず、粉粒体Aが回転容器
1の内壁面1A全体にできるだけ均等に広がるような速
度に設定すべきである。
【0024】この操作により、図3に示すように、遠心
力により内壁面1Aに積層した粉粒体Aのうち、最内周
に位置する粉粒体Aの、陽極14との対向面に、金属め
っき層Bが形成される。粉粒体Aには、内壁面1Aとの
摩擦により回転運動が加わるため、金属めっき層Bは順
次粉粒体Aの全面に広がる。この金属めっき層Bがある
程度の厚さに達したら、回転容器1を停止または急減速
させ、めっき液Mを攪拌する。こうして全ての粉粒体A
を一旦、容器内壁面1Aから離脱させた後、再び回転容
器1の回転数を元に戻し、遠心力により粉粒体Aを容器
内壁面1Aに積層付着させる。
【0025】すると、金属めっき層Bが形成されている
粉粒体Aは重量が相対的に大きいため、遠心力がより強
く作用し、他の粉粒体Aよりも先に容器内壁面1Aに付
着し、続いて他の粉粒体Aがその上に付着する。
【0026】このような配列作用により、図4に示すよ
うに、金属めっき層Bが未だ形成されていない(あるい
は形成割合の少ない)粉粒体Aは常に陽極14側に配置
され、これらに金属めっき層Bが形成される。したがっ
て、この付着→回転→電着→離脱(攪拌)のサイクルを
繰り返すことにより、全ての粉粒体Aに均一に金属めっ
き層Bが形成される。また、粉粒体A上の金属めっき層
Bの厚さが大きくなるに従って回転容器1の回転速度を
大きくし、内壁面1A全体にできるだけ均等に広がるよ
うにコントロールするのがよい。
【0027】なお、粉粒体Aの粒径そのものにばらつき
がある場合には、前記配列作用により粒径の小さい粉粒
体Aが優先的に内周側に配置され、これらに金属めっき
層が形成される率が大きいので、小さい粉粒体Aほど金
属めっき層Bが厚く形成され、最終的に得られる金属め
っき粒子の外径が均一化できる。このような等径化作用
は、従来の無電解めっき法では決して得られないもので
ある。
【0028】また、前記実施例では、回転容器1の回転
速度を高速→低速(停止)→高速…と切り替えて、粉粒
体Aの攪拌を行っていたが、その代わりに、回転容器1
の回転速度は変化させず、一定時間毎に何らかの攪拌体
をめっき液M内に挿入し、これにより粉粒体Aを攪拌し
てもよい。また、回転容器1の回転速度を急に高速化し
て攪拌を行なうこともできるが、その場合には、めっき
液Mが飛散しないように回転容器1に蓋などを設けると
よい。蓋を設けることにより低回転から高回転まで可能
となり、各種粉粒体、例えば比重が1以下のものにもめ
っきが可能となる。すなわち、粉粒体に最適な回転速度
の設定が可能となる。
【0029】また、回転容器1と回転軸2とを相対回転
可能とし、それぞれ別個に回転駆動する構成としてもよ
い。この場合には、めっき時に回転容器1と回転軸2と
を同速回転させる一方、攪拌時には、回転容器1と回転
軸2とを互いに異なる速度で回転させる。特に、これら
を互いに逆回転させれば、それぞれは比較的低速であっ
ても、高い攪拌効果が得られる利点を有する。また、回
転容器1の内壁面1Aに突起あるいは凹所を、特に螺旋
状に形成しておくと、回転容器1の1回転毎に内壁面1
Aからの粉粒体の離脱を行うことができ、容易に均一な
金属めっき層Bが形成可能となる。
【0030】通電する電流としては、直流電流、パルス
電流、直流電流に交流電流によるバイアスをかけた電流
など、必要に応じて適宜選択すればよい。さらに、回転
容器1の内壁面全体を導電体で構成しなくてもよく、場
合によってはある高さ範囲の帯状部分のみを導電体で形
成してもよいし、さらに異なるパターンで導電体化する
ことも可能である。
【0031】また、電解めっきに超音波振動を加えなが
らめっきを行うと、粉粒体A同士の電解めっき金属によ
る架橋現象が防止できるうえ、粉粒体Aと内壁面1Aと
の電解めっき金属による架橋現象防止が容易になる。さ
らにイオン補給速度が向上するため、電解電流の増大が
可能となり、電解めっき層の成長速度を高めることがで
きる。
【0032】次に、図6は本発明の他の実施例を示し、
この例では、陽極14の外周部14Aの形状を下方に向
けて窄む円錐状としたことを特徴とする。これにより、
容器内壁面1Aと、陽極14との離間距離が、回転容器
1の上部から下部に向けて漸次増加するように設定され
ている。この構成により、容器内壁面1Aにおける電流
密度は、図6のグラフに示すように容器下部で小さく、
容器上部ほど高くなる。
【0033】この例のように、回転容器1が円筒状であ
ると、金属めっき層が比較的厚く形成されて相対的に重
い粉粒体Aは、重力の影響により回転容器1の下部に偏
在する傾向が強く、逆に軽い粉粒体Aは容器上部に偏在
する傾向が強い。この装置では、前記のように回転容器
1の上部で電流密度が高く、したがって金属の析出速度
が相対的に大きいため、重量が小さい粒子ほど効率よく
めっきが行われ、前述の配列作用がさらに顕著となり、
等径化効果がいっそう高められる。また陽極14の外周
部を円筒状とし、回転容器1を円錐状としても、全く同
様の効果が得られる。
【0034】また、この実施例では、もう1つの特徴と
して、めっき液Mに粉粒体Aよりも大きい攪拌用大径粒
子16を多数添加している。これら攪拌粒子16は、非
導電体で形成され、粉粒体Aと略同等の比重を有するも
ので、攪拌時には容器内壁面1Aに沿って転がり、容器
内壁面1Aに付着している粉粒体Aを掻き落とす作用を
果たす。この攪拌作用の分、掻き落とし時の回転速度変
化幅を小さくでき、駆動系の負担が軽減できる。
【0035】次に、図7はさらに他の実施例を示し、こ
の実施例では、球状の回転容器20を採用したことを主
たる特徴としている。この回転容器20の上部に気密的
に開閉可能な蓋20Aが取り付けられている。また、こ
の例の陽極22は有底円筒形をなし、その底を上にして
回転軸2の上端に同軸に固定されている。この陽極22
は、メッシュ体または孔が形成された不溶性金属板で形
成されたものである。
【0036】この実施例では、回転容器20の内壁面
が、その上下端部の内径よりも中央部の内径が大きい凹
球面状をなしているから、重い粉粒体Aほど容器1の中
央部に集まる傾向を有する。一方、陽極22は円筒状で
あるから、陽極22と回転容器20の内壁面との離間距
離は、相対的に重い粒子の集まりやすい中央部で大きく
(すなわち電流密度小)、相対的に軽い粒子が多くなる
上下端側で小(すなわち電流密度大)となる。したがっ
て、相対的に軽い粒子ほど効率よくめっきが行われ、前
記実施例と同様に優れた等径化作用が得られる。
【0037】次に、図8は、本発明のさらに他の実施例
を示している。この実施例では、回転容器24の形状を
上に向けて開いた円錐状とするととに、陽極26を外面
に孔のない円錐状とし、さらに陽極26を回転させるた
めの回転軸28と、容器本体24を回転させるための回
転軸30とを別個に設けたことを特徴とする。
【0038】また、回転容器24の上端には、回転時の
液の飛散を防止するためのカバー24Aが取り付けられ
るとともに、陽極26の外周面には、軸線方向に延びる
突条26Aが等間隔毎に複数形成されている。
【0039】この実施例によれば、回転容器24の上部
ほど内径が大きくなっているから、上部ほど遠心力が大
きく作用する。このため、粉粒体Aには上方に向けて移
動させる力が加わる。したがって、この上向きの力と、
粉粒体Aにかかる重力とが均衡する回転速度を選択する
ことにより、粉粒体Aは回転容器24の内壁面の広い範
囲に均等に分散し、広い面積でめっきを行うことがで
き、めっき効率の向上が可能となる。
【0040】また、この例では、陽極26を回転容器2
4と別駆動にしたうえ、陽極26に突条26Aを形成し
たので、攪拌時に回転容器24と陽極26を互いに異な
る速度で回転させる際に、突条26Aにより高い攪拌効
果が得られる。
【0041】なお、本発明は上記各実施例のみに限定さ
れるものではなく、必要に応じて適宜変更してよいのは
もちろんである。例えば、電解めっき液を回転容器に連
続または間欠的に供給するとともに、同量づつ排出する
ようにしてもよい。また、めっき後の粉粒体Aの用途
は、砥石用に限られることなく、いかなる分野にも使用
可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる粉
粒体のめっき装置およびめっき方法によれば、遠心力で
粉粒体を回転容器の内壁面に積層付着させ、内壁面と陽
極との間に通電することにより、最内周に位置する粉粒
体の陽極との対向面に金属めっき層を形成するので、従
来使用されていた無電解めっき法に比して大幅に生産性
を高めることができる。
【0043】また、めっき中に時折、全ての粉粒体を容
器内壁面から離脱させ、再度、遠心力により粉粒体を容
器内壁面に積層付着させる攪拌操作により、金属めっき
層が形成された重い粉粒体に遠心力がより強く作用する
ようにし、金属めっき層が未だ形成されていない、ある
いは形成割合の少ない粉粒体が常に内周側に配置される
ようにするので、これを間欠的に繰り返すことにより、
全ての粉粒体に均一に金属めっき層を形成することがで
きる。
【0044】また、粉粒体の粒径そのものにばらつきが
ある場合には、前記の配列作用により粒径の小さい粉粒
体が内周側に配置され、これらに金属めっき層が形成さ
れる率が大きくなるので、最終的に得られる金属めっき
粒子の外径が均一化できる。
【0045】また、陽極を回転容器に対し相対回転させ
るための陽極回転機構を設けた場合には、めっき時に回
転容器と陽極を同速回転させる一方、回転容器と陽極を
互いに異なる速度で回転させることにより攪拌が行え
る。特に、これらを互いに逆回転させれば、それぞれは
比較的低速であっても、高い攪拌効果が得られる利点を
有する。
【0046】また、回転容器の内壁面を円筒状とし、陽
極を、この陽極と回転容器の内壁面との離間距離が回転
容器の上から下に向けて漸次増加するように形状設定し
た場合には、回転容器の下部に偏在する傾向が強い相対
的に重い粉粒体に対するめっき効率を相対的に低下させ
る一方、軽い粉粒体ほど効率よくめっきが行われるよう
にすることができ、前述の配列作用がさらに顕著となっ
て、等径化効果がいっそう高められる。
【0047】また、回転容器の内壁面を、その上下端部
の内径よりも中央部の内径が大きい曲面状とする一方、
この内壁面と陽極との離間距離を、回転容器の上下端部
よりも中央部において大とした場合には、重い粉粒体ほ
ど回転容器の中央部に集まるため、上下にずれた位置に
偏って集まる相対的に軽い粉粒体へのめっき効率を相対
的に高めることができ、前記と同様に優れた等径化作用
が得られる。
【0048】また、回転容器の内壁面から粉粒体を間欠
的に離脱させるために、回転容器の回転速度を周期的に
変化させる場合には、装置の構成が簡単で済むという利
点がある。
【0049】さらに、電解めっき液に、前記粉粒体より
も大径の攪拌用大径粒子を添加した場合には、この大径
粒子が攪拌時に容器内壁面に沿って転がり、容器内壁面
に付着している粉粒体を確実に掻き落とすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる粉粒体のめっき装置の一実施例
の正断面図である。
【図2】同実施例の回転容器の平面図である。
【図3】同装置を用いた粉粒体めっき方法の作用を示す
説明図である。
【図4】同装置を用いた粉粒体めっき方法の作用を示す
説明図である。
【図5】同装置を用いた粉粒体めっき方法の作用を示す
説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の説明図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の正断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の正断面図である。
【符号の説明】
1 回転容器 1A 導電体で構成された内壁面(周面のみ) 2 回転軸 4 基台 12 モータ(容器駆動機構) 14 陽極 M めっき液 A 粉粒体 B 金属めっき層 16 攪拌用大径粒子 20 回転容器 22 陽極 24 回転容器 26 陽極 26A 突条 28 陽極回転軸 30 容器回転軸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−52594(JP,A) 特開 昭49−59043(JP,A) 特開 平3−2393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 7/00 C25D 5/54

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸線を上下方向に向けて軸線回り回
    転自在に設けられ内壁面の少なくとも一部が導電体で構
    成された回転容器と、この回転容器を回転させるための
    容器駆動機構と、前記回転容器の内部で前記内壁面に対
    向して配置された陽極と、この陽極を電源陽極へ接続す
    るとともに回転容器の前記導電体を電源陰極へ接続しう
    る通電手段とを具備したことを特徴とする粉粒体のめっ
    き装置。
  2. 【請求項2】 前記陽極は、前記回転容器の軸線回りに
    回転容器に対し回転自在に設けられ、さらにこの陽極を
    回転させるための陽極駆動機構が設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の粉粒体のめっき装置。
  3. 【請求項3】 前記回転容器の前記内壁面は円筒状ある
    いは円錐状としたことを特徴とする請求項1または2記
    載の粉粒体のめっき装置。
  4. 【請求項4】 前記陽極の形状は、この陽極と回転容器
    の前記導電体との離間距離が回転容器の上部から下部に
    向けて漸次増加する形状とされていることを特徴とする
    請求項1,2または3記載の粉粒体のめっき装置。
  5. 【請求項5】 前記回転容器の内壁面は、その上下端部
    の内径よりも中央部の内径が大きい曲面状とされている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の粉粒体のめっ
    き装置。
  6. 【請求項6】 中心軸線を上下方向に向けて設けられ内
    壁面の少なくとも一部が導電体で構成された回転容器
    に、電解めっき液および表面が導電性を有する粉粒体を
    入れ、前記回転容器を前記軸線回りに回転させることに
    より遠心力で前記粉粒体を内壁面に付着させ、かつこれ
    ら粉粒体の移動速度と回転容器の回転速度との間に相対
    速度差を設けつつ、回転容器の内壁面に対向して配置さ
    れた陽極を電源陽極に、回転容器の前記導電体を電源陰
    極にそれぞれ接続し、粉粒体の表面に電解めっきを施す
    ことを特徴とする粉粒体のめっき方法。
  7. 【請求項7】 中心軸線を上下方向に向けて設けられ内
    壁面の少なくとも一部が導電体で構成された回転容器
    に、電解めっき液および表面が導電性を有する粉粒体を
    入れ、前記回転容器を前記軸線回りに回転させることに
    より遠心力で前記粉粒体を内壁面に付着させ、かつこれ
    ら粉粒体を間欠的に内壁面から離脱させつつ、回転容器
    の内壁面に対向して配置された陽極を電源陽極に、回転
    容器の前記導電体を電源陰極にそれぞれ接続し、粉粒体
    の表面に電解めっきを施すことを特徴とする粉粒体のめ
    っき方法。
  8. 【請求項8】 回転容器の内壁面から粉粒体を間欠的に
    離脱させるために、回転容器の回転速度を周期的に変化
    させることを特徴とする請求項7記載の粉粒体のめっき
    方法。
  9. 【請求項9】 電解めっき液に、前記粉粒体よりも大径
    の攪拌用大径粒子を添加しておくことを特徴とする請求
    項6,7または8記載の粉粒体のめっき方法。
  10. 【請求項10】 電解めっき液に超音波振動を加えなが
    ら粉粒体の表面に電気めっきを施すことを特徴とする請
    求項6,7,8または9記載の粉粒体のめっき方法。
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