JP2754888B2 - 電着砥石の製造装置および製造方法 - Google Patents

電着砥石の製造装置および製造方法

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JP2754888B2
JP2754888B2 JP2230126A JP23012690A JP2754888B2 JP 2754888 B2 JP2754888 B2 JP 2754888B2 JP 2230126 A JP2230126 A JP 2230126A JP 23012690 A JP23012690 A JP 23012690A JP 2754888 B2 JP2754888 B2 JP 2754888B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、電着砥石の製造装置および製造方法に係わ
り、特に、砥粒の電着精度および電着効率を高めるため
の改良に関する。
「従来の技術」 第13図は一般的な電着砥石の砥粒層を示す断面拡大図
である。
図中符号1は各種形状の砥石基体(台金)であり、こ
の砥石基体1の砥粒層形成面1Aには、金属めっき相3を
介して単層状に多数の超砥粒2が固着されている。
従来、このような電着砥石の製造方法としては、主に
電解めっき法が使用されている。例えば、外周面に砥粒
層を有するホイール型等の電着砥石を製造する場合に
は、まず外周面1Aを除いてマスキングを施した砥石基体
1を電解めっき液内に浸漬し、外周面1Aの少なくとも一
部を上向きかつ水平に配置する。
次いで、この水平面に超砥粒2を蒔き、砥石基体1を
電源陰極に接続するとともに、前記水平面と対向配置さ
れた陽極との間で通電し、金属めっき相3を析出させて
超砥粒2を固定する。この操作を砥石基体1を間欠的に
回しながら外周面1Aの全周に亙って繰り返し、単層状の
砥粒層3を均一に形成する。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、上記のような電着砥石の製造方法では、以下
のような欠点を有していた。
局部的なめっきを断続的に繰り返して砥粒層を形成
するので、人手による超砥粒の散布密度のばらつきや、
めっき時間およびめっき条件のばらつきに起因するめっ
き相の厚さの不均一などにより、砥粒層中の砥粒分布密
度が不均一になり易く、砥粒層各部の切れ味や寿命にむ
らが生じて偏摩耗の砥石の異常振動を生じる場合があ
る。
電着作業中に常時人手を要するから、人件費がかさ
むうえ、製造効率が低い。
被めっき面に超砥粒を載せ、めっき液を十分に攪拌
せずにほぼ静止状態で電着するため、被めっき面への金
属イオン供給が不十分になり易い。このため、めっき電
流を大きくできず、電着作業そのものの効率も悪い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、砥石基体
全周に亙って均一な砥粒層が形成でき、電着効率が高
く、しかも人手を省くことができる電着砥石の製造装置
および製造方法の提供を課題としている。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するため、本発明の電着砥石の製造装
置は、電解めっき液を満たしためっき槽と、このめっき
槽内に軸線を水平にして配置された基体固定具と、この
基体固定具を軸線回りに回転させる駆動機構と、基体固
定具に取り付けられた砥石基体の外周に同軸に配置され
基体固定具に連結された円筒状の砥粒搬送リングと、砥
石基体の外周面に対向して配置された陽極とを具備し、 砥粒搬送リングの内周面には、砥粒搬送リングの回転
につれ砥粒搬送リングの下側部分でめっき液中の砥粒を
補集し、砥粒搬送リングの上側部分で補集した砥粒を解
放して砥石基体の上面に落下せさうる砥粒保持部が設け
られたことを特徴とする。
なお、砥粒搬送リングの周壁に多数の貫通孔を形成す
るとともに、砥粒搬送リングの下方から砥粒を含んだめ
っき液を噴き上げ、前記貫通孔を通じて砥粒を砥粒搬送
リングの内側に供給する砥粒還流手段をめっき槽に設け
てもよい。
あるいは、砥粒搬送リングの側方から砥粒搬送リング
の内側に、砥粒を含んだめっき液を供給する砥粒還流手
段をめっき槽に設けてもよい。
また、陽極は、前記砥粒搬送リングと砥石基体との間
に同軸に配置された多孔状のリング状陽極体であっても
よいし、砥粒搬送リングの少なくとも一部が導電体で構
成され、この導電部が前記陽極とされていてもよいし、
陽極は砥粒搬送リングの外方に配置されていてもよい。
陽極の材質としては、可溶性金属または白金等の不溶性
導電材料が使用可能である。
また、砥粒搬送リングの両側面は隔壁で封止され、こ
れら隔壁の少なくとも一部は、めっき液は透過可能かつ
砥粒は透過不能なフィルタ材で構成され、この封止され
た空間内のめっき液にのみ砥粒が分散されていてもよ
い。
一方、本発明の電着砥石の製造方法は、砥粒を分散し
た電解めっき液内に軸線を水平にして砥石基体を配置
し、この砥石基体を軸線回りに回転しつつ、砥石基体の
外周面と対向して配置した陽極と砥石基体との間に通電
するとともに、 砥石基体の外周に、内周面に砥粒保持部が形成された円
筒状の砥粒搬送リングを同軸に配置し、これを砥石基体
と同角速度で回転させることにより、砥粒搬送リングの
下側部分の砥粒保持部によりめっき液中の砥粒を補集す
る一方、砥粒搬送リングの上側部分で補集した砥粒を解
放して砥石基体の上面に砥粒を落下させ、砥石基体の外
周面に析出する金属めっき相でこれら砥粒を固定するこ
とを特徴としている。
なお、電着に際し、砥粒搬送リングの周壁面に多数の
貫通孔を形成しておくとともに、砥粒還流手段によって
砥粒搬送リングの下方から砥粒を含んだめっき液を噴き
上げ、前記貫通孔を通じて砥粒を砥粒搬送リングの内側
に供給してもよい。
あるいは、砥粒還流手段により砥粒搬送リングの側方
から砥粒搬送リングの内側に砥粒を含んだめっき液を供
給してもよい。
また、電着に際し、砥粒搬送リングの両側面を隔壁に
より封止し、これら隔壁の少なくとも一部を、めっき液
は透過可能かつ砥粒は透過不能なフィルタ材で構成する
とともに、この封止空間に満たされためっき液にのみ砥
粒を分散しておいてもよい。
「作 用」 本発明の製造装置および製造方法では、砥石基体と陽
極との間に通電しつつ、砥石基体の外周に配置した砥粒
搬送リングを砥石基体と一体に定速で連続回転させるこ
とにより、この砥粒搬送リングの下側内周面に落下した
砥粒を砥粒保持部によって補集し、次いで、これら砥粒
を砥粒搬送リングの上側部分で解放して砥石基体の上面
に落下させる。これにより、砥粒は砥石基体回転と連動
して砥石基体の外周面に均一に散布されるうえ、砥石基
体の外周面全周に亙って金属めっき相の析出条件も均一
化される。したがって、厚さおよび砥粒含有率が均一な
砥粒層が容易に形成できる。
また、電着中に砥石基体を連続回転させるため、砥石
基体の表面近傍においてめっき液が攪拌さ、砥石基体外
周面に対する金属イオンの供給を十分に行なうことがで
き、めっき速度を向上して電着効率が高められる。
「実施例」 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
第1図および第2図は、第1実施例の電着砥石の製造
装置を示す正断面図および側断面図である。
図中符号10はめっき槽で、その下部10Aはテーパ状に
窄められ、下端には開口部10Bが形成されている。めっ
き槽10の内部にはNiめっき液等の電解めっき液Mが満た
され、このめっき液Mには所定量のダイヤモンドまたは
CBN等の超砥粒が添加されている。ただし、本発明では
超砥粒に限定されず、一般砥粒やその他の粒子ももちろ
ん使用できる。
めっき槽10の内部中央には基体固定具11が軸線水平に
配置されている。この基体固定具11は、回転軸12とその
一端側に取り付けられた固定フランジ13およびナット14
とから構成され、これら固定フランジ13とナット14との
間に砥石基体15が同軸に着脱可能に取り付けられてい
る。なお、基体固定具11のめっき液Mとの接触面はマス
キングされている。
砥石基体15としては、金属製ホイール型台金が一般的
であるが、本発明ではそれ以外にも、外周面が湾曲した
総型砥石用台金や、外周面のみが導電体で構成された複
合台金、あるいは導電性シート材等も使用可能である。
砥石基体15として導電性シート材を使用する場合には、
側面が絶縁されたホイール型の金属製治具を用意し、こ
の治具の外周面に導電性シート材を張設したうえ、治具
を回転軸12に固定して電着を行えばよい。この場合に
は、前記金属製治具が基体固定具11の一部となる。
一方、回転軸12の他端は、めっき槽10内に浸漬された
駆動機構16に連結され、この駆動機構16によって軸線回
りに回転される。
砥石基体15の外周には、砥石基体15より大径の円筒形
の砥粒搬送リング17が同軸に配置されている。この砥粒
搬送リング17の一側面には隔壁部18が一体に形成され、
この隔壁部18がナット19により前記回転軸12に垂直に固
定されている。砥粒搬送リング17の材質としてはプラス
チック等が成形容易で好ましいが、その他の絶縁材を使
用してもよい。
砥粒搬送リング17の周壁の幅は砥石基体15より大き
く、装置を平面視した状態で、砥粒搬送リング17の幅方
向中央部に砥石基体15が位置するようになっている。
砥粒搬送リング17の周壁には、第1図および第3図に
示すように多数の貫通孔20が一定間隔毎に全周に亙って
形成されている。ただし、貫通孔20の形状は図示したも
のに限らず、適宜変更してよい。
砥粒搬送リング17の内周面には、各貫通孔20の間に断
面く字状の搬送羽根21が砥石基体15の回転方向に先端部
21Aを向けて等間隔に固定されている。これら搬送羽根2
1は次の条件を満たすように形状設定されている。
i.砥粒搬送リング17の下方から砥粒を含んだめっき液M
が噴きあげられると、第1図に示すようにこのめっき液
Mが貫通孔20を通り、搬送羽根21の間を抜けて砥石基体
15の周囲にまで達する。
ii.砥粒搬送リング17の内側に供給された砥粒が沈降す
ると、これら砥粒が砥粒搬送リング17の回転につれ搬送
羽根21の回転方向前方側の面に補集され、この状態を保
ったまま砥粒搬送リング17の上側まで搬送される。
iii.砥粒搬送リング17の上側に達すると、搬送羽根21の
先端部21Aが下傾し、搬送羽根21内に保持されていた砥
粒が漸次、砥石基体15上にこぼれおちる。
また、砥粒搬送リング17の内部には、砥石基体15およ
び搬送羽根21から離れて円筒状の陽極22が同軸に配置さ
れ、前記隔壁部18に固定されている。この陽極22は砥粒
が容易に通り抜けるメッシュ状または多孔状をなし、不
溶性の導電性材料で形成されている。
具体的には、この陽極22として、不溶性金属ワイヤを
編んだ網状物や、不溶性金属板に多数の切れ込みを形成
して引き延ばしたエキスパンデッドメタル、あるいは貫
通孔よりも小さい孔をプレスで多数形成した多孔板等が
使用可能である。
不溶性金属とは、例えば白金や白金めっきしたチタン
等の電解めっき時に溶出しない金属である。陽極22が不
溶性であれば、電着時に陽極22からアノードスライムが
生じず、めっき面の荒れが生じないうえ、陽極22が消耗
しないため電流密度の一定化が図れ、繰返し使用も可能
である。
そして、陽極22は図示しない通電手段を介して電源陽
極に接続されるとともに、砥石基体15は回転軸12および
駆動機構16を通じて電源陰極に接続されるようになって
いる。なお、使用する電源は直流電源、パルス電源、あ
るいは直流バイアスをかけた交流電源のいずれでもよ
い。
めっき槽10の側面には、取水口23が形成され、この取
水口23には、砥粒を通さずめっき液Mのみを通すフィル
タ25が固定されている。そして導出口23と前記開口部10
Bとの間にはポンプ24を介して循環路26が形成され、導
出口23から取水されためっき液Mがポンプ24を介して開
口部10Bから砥粒搬送リング17の下面に向けて噴出され
るようになっている。
次に、上記装置を用いた電着砥石の製造方法の一例を
説明する。
まず、電着すべき砥石基体15を回転軸12に固定し、め
っき槽10にセットする。次いで、ポンプを作動してめっ
き液Mを循環させつつ、駆動機構16により砥石基体15お
よび砥粒搬送リング17を等速度で回転させ、砥石基体15
および陽極22に通電する。
すると、めっき液M中の砥粒は、第1図および第2図
に示すように開口部10Bからの水流に噴きあげられ、め
っき液Mとともに貫通孔20および搬送羽根21間を通って
砥粒搬送リング17の内側に達する。
やがて、めっき液M中の砥粒の一部は砥粒搬送リング
17の内周面に沈降し、搬送羽根21に補集されて砥粒搬送
リング17の上側に運ばれる。この実施例では特に、メッ
シュ状または多孔状の陽極22が砥粒搬送リング17の内側
に配置されているので、この陽極22により一部の砥粒が
上昇を阻まれ、砥粒の沈降が早められる。
補集された砥粒が砥粒搬送リング17の上側に達する
と、搬送羽根21の先端部から砥粒が砥石基体15上にこぼ
れおち始め、一定時間、連続的に落下しつづける。落下
した砥粒はめっき液M中を広がりなから落下し、さらに
この実施例では陽極22によって一端散乱され、砥石基体
15上に均一に散布される。
その間、砥石基体15上には金属めっき相が析出しつづ
け、砥石基体15上に堆積した砥粒の下層は金属めっき相
により砥石基体15に固着される。さらに砥石基体15が回
転すると過剰の砥粒は砥石基体15から砥粒搬送リング17
内に落下する。
以上の工程を一定時間繰り返すことにより、砥石基体
15の外周面には均一な砥粒層が形成される。所望の厚さ
の砥粒層が形成されたら、通電を停止し、砥石基体15を
固定具11から外して水洗する。さらに、必要に応じてこ
の砥石にツルーイングやドレッシングを行ない、砥粒層
の外周面を整形、あるいは目立てする。
上記構成からなる電着砥石の製造装置および方法によ
れば、砥粒搬送リング17の下側内周面に落下した砥粒を
搬送羽根21によって補集し、砥粒搬送リング17の上側部
分で解放して砥石基体15の上面に落下させるため、砥粒
は砥石基体15の回転と連動して砥石基体15の外周面に均
一に散布されるうえ、砥石基体15の外周面全周に亙って
金属めっき相の析出条件が均一化される。したがって、
厚さおよび砥粒含有率が均一な砥粒層が容易に形成でき
る。また、砥石基体15の回転速度を変えることにより、
集中度のコントロールが可能である。
また、砥石基体15を連続回転させるため、砥石基体15
の表面近傍においてめっき液Mが攪拌され、砥石基体15
の外周面に対する金属イオンの供給を十分に行なうこと
ができ、めっき速度の向上が図れ、生産効率を高めるこ
とができる。
また、砥粒搬送リング17は基体固定具11に単純に固定
されているだけで、別の駆動機構を必要としないため、
実施容易で装置のコストも安い。
さらに、この例では、ポンプ24により開口部10Bから
めっき液Mを噴出させ、砥粒を強制的に砥粒搬送リング
17の内部に送り込むので、比較的少量の砥粒を効率良く
電着することができるうえ、砥石基体15の周囲でめっき
液Mの循環を良くし、イオン濃度の低下が妨げる。ま
た、ポンプ24はフィルタ25を通して取水するため、砥粒
を含んだめっき液Mを送水する構成に比して、通常のケ
ミカルポンプで十分に対応できる利点を有する。
なお、砥粒搬送リング17の形状は適宜変更してよく、
例えば第5図ないし第7図のような変形例も実施可能で
ある。
第5図は、砥粒搬送リング17を金網、エキスパンデッ
トメタル、樹脂製等のメッシュ体30で構成したもので、
上記実施例と同様の搬送羽根21がこのメッシュ体30に等
間隔毎に固定されている。なお、搬送羽根21の形状も円
弧状等に適宜変更してよい。
また、第6図は砥粒搬送リング17に貫通孔31および凹
部32を形成したもので、砥粒は貫通孔31を通じて砥粒搬
送リング17内に入り、凹部32に補集される。この例では
凹部32の深さと開口径を調整することにより、砥粒が解
放される角度範囲が設定できる。
また、第7図は砥粒搬送リング17に貫通孔31、および
回転方向前方側の面が切り立った幅方向に延びるV溝33
を多数形成したもので、V溝33の各斜面の角度を調整す
ることにより、砥粒の解放される角度範囲が設定でき
る。
その他にも、砥粒搬送リング17の内周面に比較的目の
粗いメッシュ体を固定し、このメッシュ体の網目により
砥粒を補集し、搬送する構成としてもよい。
次に、第8図は本発明の製造装置の第2実施例を示す
もので、この例では、砥粒搬送リング17の周壁を不溶性
導電材料で形成し、これを陽極40として電源に接続した
ことを特徴としている。この例によっても、前記実施例
と同様の効果が得られる。
次に、第9図は第3実施例の装置を示し、この例で
は、砥粒搬送リング17の周壁に貫通孔20が形成されてい
ない点、および開口部10Bから砥粒を含んだめっき液M
を取水し、ポンプ51および循環路52を介して、めっき槽
10の下部側面に形成された噴出口50から砥粒搬送リング
17の下部内に向けて砥粒を含むめっき液Mを噴出させる
点が第1実施例と異なる。
この構成によれば、砥粒搬送リング17の内側に効果的
に砥粒を送り込むことができ、砥石基体15上での砥粒の
散布密度が向上できる。ただし、砥粒を含むめっき液M
をポンプ51に通すので、砥粒で損傷しにくいスラリーポ
ンプ等を使用する必要がある。
次に、第10図は本発明の第4実施例を示し、この装置
では陽極を砥粒搬送リング17と一体に設ける代わりに、
砥粒搬送リング17の上方に別個に配置したことを特徴と
する。なお、砥粒搬送リング17には第1実施例と同様に
貫通孔20が形成されている。
この陽極60は前述した不溶性金属で成形された板状の
もので、カチオン膜またはアノードバッグ(布材)等で
構成された陽極室61内に水平に配置され、砥石基体15の
真上でめっき液Mに浸漬されている。なお、陽極室61
は、陽極60から砥石基体15へ異物が落下することを防ぐ
ためのものである。
この例によれば、陽極60と対向する砥石基体15の上部
周面にのみ金属めっき相が析出するため、砥粒を散布し
た直後に、効果的に砥粒を固着させることができ、砥粒
の固着密度を高め易いという利点を有する。
なお、陽極60の形状は必要に応じて適宜変更してよ
く、例えば円弧状に湾曲させたり、円環状として砥粒搬
送リング17の外周に沿って同軸に配置してもよい。
次に第11図は本発明の第5実施例を示し、この例で
は、砥粒搬送リング17の開口端に、固定リング70により
フィルタ材71を固定し、砥粒搬送リング17の内部にのみ
砥粒を分散したことを特徴とする。
前記フィルタ材71は、めっき液Mは通過させるが砥粒
は通さない材質が選択され、具体的には濾布材等が使用
可能である。このような材質であれば、ポンプ24により
フィルタ材71を通して砥粒搬送リング17の内部にめっき
液Mを供給し、イオンの不足を補うことができる。
上記構成によれば、めっき槽10の内部全域に砥粒を分
散させる必要がないため、砥粒の使用量が減らせる利点
がある。また、ポンプ24も普通のケミカルポンプ等で済
む。
なお、本発明の装置では、第12図に示すような単層状
の砥粒層だけでなく、電着時間を延長すればさらに多層
状に砥粒を含む砥粒層も形成できる。従来の人手による
製造方法では、このような多層状の砥粒層を形成すると
砥粒の分布ばらつきが累積して使用に耐える砥石が製造
できなかったが、本発明の製造装置および方法によれ
ば、砥粒の分布が均一化するため、高精度の多層状砥粒
層が形成できる。
また、砥粒に予めNi,Co,Cuなどの金属皮膜を形成して
おくことにより、放熱性および砥粒保持力の増大を図っ
てもよい。特に砥粒層を多層状に形成する場合には、砥
粒に金属皮膜を形成しておくと、砥粒の間に気孔を残し
た状態で金属めっき相が析出するため、砥粒層が多孔質
になる。このような多孔質砥粒層によれば、切粉排出性
や研削液の供給性を高めることが可能である。
さらに、装置核部の形状等は必要に応じて適宜変更し
てよい。例えば、めっき槽10の開口部10Bの位置を砥粒
搬送リング17の開口端側にずらすとともに、開口端10B
を斜め上方に向けて形成し、開口部10Bから噴出された
めっき液が砥粒を伴って砥粒搬送リング17の側方から内
部に吹き込まれる構成としてもよい。
次に、第12図は本発明の第6実施例を示し、第11図の
装置とは、フィルタ材71(たとえばカチオン交換膜ある
いは濾布)を円筒状の砥粒搬送リング17の外周に張設す
るとともに、陽極60を砥粒搬送リング17の外側に設けた
ことを相異点としている。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる電着砥石の製造
装置および製造方法によれば、以下のような優れた効果
が得られる。
砥石基体の外周に配置した砥粒搬送リングを砥石基
体と一体に連続回転させ、この砥粒搬送リングの下側内
周面に落下した砥粒を砥粒保持部によって補集する一
方、これら砥粒を砥粒搬送リングの上側部分で解放して
砥石基体の上面に落下させることにより、砥石基体の外
周面に砥粒を均一に散布することができるとともに、砥
石基体の外周面全周に亙って金属めっき相の析出条件を
均一化することができる。したがって、厚さおよび砥粒
含有率が均一な砥粒層が容易に形成でき、砥粒分布の不
均一さに起因する電着砥石の切り味のむらや偏摩耗、異
常振動等を防止することが可能である。
電着中に砥石基体を連続回転させるため、砥石基体
の表面近傍においてめっき液が攪拌され、砥石基体外周
面に対する金属イオンの供給を十分に行なうことができ
るため、めっき速度を向上して電着効率が高められる。
電着時に人手の介入が少なくて済むため、人件費等
に要するコストが低減でき、生産性も高められる。
砥粒搬送リングを基体固定具に一体に連結して連動
回転させる構造であるから、砥石基体を回転させる駆動
機構の他に特別な駆動機構が不要で、設備コストが安
く、信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明に係わる電着砥石の製造装
置の第1実施例を示す正断面図および側断面図、第3図
および第4図は同装置の砥粒搬送リングを示す平面図お
よび断面図、第5図ないし第7図は砥粒搬送リングの変
形例を示す断面図、第8図ないし第12図は本発明の第2
ないし第6実施例の製造装置を示す側断面図である。 一方、第13図は一般的な電着砥石を示す断面拡大図であ
る。 10……めっき槽、10A……テーパ部、10B……開口部、11
……基体固定具、12……回転軸、15……砥石基体、16…
…駆動機構、17……砥粒搬送リング、18……隔壁、20…
…貫通孔、21……搬送羽根(砥粒保持部)、22……陽
極、23……取水口、24……ポンプ、30……メッシュ体、
31……貫通孔、32……凹部(砥粒保持部)、33……V溝
(砥粒保持部)、40……導電体(陽極)、50……噴出
口、51……ポンプ、60……陽極、61……陽極室、70……
固定リング、71……フィルタ材。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解めっき液を満たしためっき槽と、この
    めっき槽内に軸線を水平にして配置された基体固定具
    と、この基体固定具を軸線回りに回転させる駆動機構
    と、前記基体固定具に取り付けられた砥石基体の外周に
    同軸に配置され前記基体固定具に連結された円筒状の砥
    粒搬送リングと、前記砥石基体の外周面に対向して配置
    された陽極とを具備し、 前記砥粒搬送リングの内周面には、砥粒搬送リングの回
    転につれ砥粒搬送リングの下側部分でめっき液中の砥粒
    を補集し、砥粒搬送リングの上側部分で補集した砥粒を
    解放して前記砥石基体の上面に落下せさうる砥粒保持部
    が設けられていることを特徴とする電着砥石の製造装
    置。
  2. 【請求項2】前記砥粒搬送リングの周壁には多数の貫通
    孔が形成されるとともに、前記めっき槽には、砥粒搬送
    リングの下方から砥粒を含んだめっき液を噴き上げ、前
    記貫通孔を通じて砥粒を砥粒搬送リングの内側に供給す
    る砥粒還流手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の電着砥石の製造装置。
  3. 【請求項3】前記めっき槽には、前記砥粒搬送リングの
    側方から砥粒搬送リングの内側に、砥粒を含んだめっき
    液を供給する砥粒還流手段が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の電着砥石の製造装置。
  4. 【請求項4】前記陽極は、前記砥粒搬送リングと前記砥
    石基体との間に同軸に配置された多孔状のリング状陽極
    体であることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    電着砥石の製造装置。
  5. 【請求項5】前記砥粒搬送リングの周壁は、少なくとも
    一部が導電体で構成され、この導電部が前記陽極とされ
    ていることを特徴とする請求項1、2または3記載の電
    着砥石の製造装置。
  6. 【請求項6】前記陽極は、前記砥粒搬送リングの外方に
    配置されていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の電着砥石の製造装置。
  7. 【請求項7】前記砥粒搬送リングの両側面は隔壁で封止
    され、これら隔壁の少なくとも一部は、めっき液は透過
    可能かつ砥粒は透過不能なフィルタ材で構成され、この
    封止された空間内に前記砥石基体および前記陽極が配置
    されるとともに、この封止空間内のめっき液にのみ砥粒
    が分散されていることを特徴とする請求項1記載の電着
    砥石の製造装置。
  8. 【請求項8】砥粒を分散した電解めっき液内に軸線を水
    平にして砥石基体を配置し、この砥石基体を軸線回りに
    回転しつつ、前記砥石基体の外周面と対向して配置した
    陽極と砥石基体との間に通電するとともに、 前記砥石基体の外周に、内周面に砥粒保持部が形成され
    た円筒状の砥粒搬送リングを同軸に配置し、これを砥石
    基体と同角速度で回転させることにより、前記砥粒搬送
    リングの下側部分の砥粒保持部によりめっき液中の砥粒
    を補集する一方、砥粒搬送リングの上側部分で補集した
    砥粒を解放して前記砥石基体の上面に砥粒を落下させ、
    前記砥石基体の外周面に析出する金属めっき相でこれら
    砥粒を固定することを特徴とする電着砥石の製造方法。
  9. 【請求項9】前記電着に際し、前記砥粒搬送リングの周
    壁面に多数の貫通孔を形成しておくとともに、砥粒還流
    手段によって砥粒搬送リングの下方から砥粒を含んだめ
    っき液を噴き上げ、前記貫通孔を通じて砥粒を砥粒搬送
    リングの内側に供給することを特徴とする請求項8記載
    の電着砥石の製造方法。
  10. 【請求項10】前記電着に際し、砥粒還流手段により前
    記砥粒搬送リングの側方から砥粒搬送リングの内側に砥
    粒を含んだめっき液を供給することを特徴とする請求項
    8記載の電着砥石の製造方法。
  11. 【請求項11】前記電着に際し、前記砥粒搬送リングの
    両側面を隔壁により封止し、これら隔壁の少なくとも一
    部を、めっき液は透過可能かつ砥粒は透過不能なフィル
    タ材で構成するとともに、この封止された空間内に前記
    砥石基体および前記陽極を配置し、この封止空間に満た
    されためっき液にのみ砥粒を分散しておくことを特徴と
    する請求項8記載の電着砥石の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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