JP2794917B2 - 電着砥石の製造装置および製造方法 - Google Patents

電着砥石の製造装置および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、電着砥石の製造装置および製造方法に係わ
り、特に、砥粒の電着精度および電着効率を高めるため
の改良に関する。
「従来の技術」 第12図は一般的な電着砥石の砥粒層を示す断面拡大図
である。
図中符号1は各種形状の砥石基体(台金)であり、こ
の砥石基体1の砥粒層形成面1Aには、金属めっき相3を
介して単層状に多数の超砥粒2が固着されている。
従来、このような電着砥石の製造方法としては、主に
電解めっき法が使用されている。例えば、外周面に砥粒
層を有するホイール型等の電着砥石を製造する場合に
は、まず外周面1Aを除いてマスキングを施した砥石基体
1を電解めっき液内に浸漬し、外周面1Aの少なくとも一
部を上向きかつ水平に配置する。
次いで、この水平面に超砥粒2を蒔き、砥石基体1を
電源陰極に接続するとともに、前記水平面と対向配置さ
れた陽極との間で通電し、金属めっき相3を析出させて
超砥粒2を固定する。この操作を砥石基体1を間欠的に
回しながら外周面1Aの全周に亙って繰り返し、単層状の
砥粒層3を均一に形成する。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、上記のような電着砥石の製造方法では、以下
のような欠点を有していた。
局部的なめっきを断続的に繰り返して砥粒層を形成
するので、人手による超砥粒の散布密度のばらつきや、
めっき時間およびめっき条件のばらつきに起因するめっ
き相の厚さの不均一などにより、砥粒層中の砥粒分布密
度が不均一になり易く、砥粒層各部の切れ味や寿命にむ
らが生じて偏摩耗や砥石の異常振動を生じる場合があ
る。
電着作業中に常時人手を要するから、人件費がかさ
むうえ、製造効率が低い。
被めっき面に超砥粒を載せ、めっき液を十分に撹拌
せずにほぼ静止状態で電着するため、被めっき面への金
属イオン供給が不十分になり易い。このため、めっき電
流を大きくできず、電着作業そのものの効率も悪い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、砥石基体
全周に亙って均一な砥粒層が形成でき、電着効率が高
く、しかも人手を省くことができる電着砥石の製造装置
および製造方法の提供を課題としている。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するため、まず本発明の電着砥石の製
造装置は、電解めっき液を満たしためっき槽と、このめ
っき槽内に軸線を水平にして配置された回転軸と、この
回転軸を軸線回りに回転させる駆動機構と、前記回転軸
に取り付けられた砥石基体の外周面に対向して配置され
た陽極と、ループの一端側が前記砥石基体の上方に位置
しループの他端側が下方に延びるように配置された無端
状の砥粒搬送ベルトと、この搬送ベルトを走行させるベ
ルト駆動機構を具備し、 前記砥粒搬送ベルトには、砥粒搬送ベルトの走行につ
れ前記ループの下端側でめっき液中の砥粒を補集し、前
記ループの上端側で補集した砥粒を解放して前記砥石基
体の上側の周面に落下せさうる砥粒保持部が設けられて
いることを特徴としている。
なお、めっき槽には、砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に
砥粒を供給する砥粒還流手段が設けられていてもよい。
また、砥粒還流手段は、めっき槽の下部に形成された
下方に向けて窄まるテーパ部と、このテーパ部の下端に
形成された噴出口と、めっき槽内のめっき液を砥粒濾過
用のフィルタを通して吸入し、噴出口から砥粒搬送ベル
トの砥粒保持部に向けて噴出させるポンプとを具備し、 前記テーパ部の斜面に沿って噴出口の周囲に集まった
砥粒を、噴出口から噴き入れられるめっき液流とともに
前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に供給するようになっ
ていてもよい。
また、前記陽極は、砥石基体の周囲に同軸に配置され
た多孔状の円環状陽極体であってもよいし、あるいは、
砥石基体の上側の周面と対向して配置されていてもよ
い。なお、陽極の材質は可溶性材料でも不溶性材料でも
よい。
一方、本発明の電着砥石の製造方法は、砥粒を分散し
た電解めっき液内に軸線を水平にして砥石基体を配置
し、この砥石基体を軸線回りに回転しつつ、前記砥石基
体の外周面と対向して配置した陽極と砥石基体との間に
通電するとともに、 ループの一端側が砥石基体より上方に位置し、ループ
の他端側が下方に延びるように配置された無端状の砥粒
搬送ベルトを走行させることにより、この砥粒搬送ベル
トに設けられた砥粒保持部により、ループの下側部分で
めっき液中の砥粒を補集する一方、ループの上側部分で
補集した砥粒を解放して砥石基体の上側の周面に砥粒を
落下させ、砥石基体の外周面に析出する金属めっき相で
これら砥粒を固定することを特徴とする。
なお、電着に際し、砥粒搬送ベルトの下方から砥粒を
含んだ前記めっき液を噴き上げ、これにより砥粒を砥粒
搬送ベルトの砥粒保持部に供給してもよい。
また、電着に際し、砥石基体の回転速度を高速または
低速に交互に切り替えるとともに、高速回転時には砥粒
搬送ベルトを停止させ、低速回転時には砥粒搬送ベルト
を走行させてもよい。
「作 用」 本発明の製造装置および製造方法では、砥石基体と陽
極との間に通電しつつ、砥粒搬送ベルトを走行させるこ
とにより、そのループの下側部分の砥粒保持部によって
めっき槽内に沈澱する砥粒を補集し、次いで、これら砥
粒をループの上側部分で解放して砥石基体の上側周面に
落下させる。これにより、電着中に砥粒は砥石基体の外
周面に均一に散布されるため、厚さおよび砥粒含有率が
均一な砥粒層が容易に形成できる。
また、電着中に砥石基体を回転させるため、砥石基体
の表面近傍においてめっき液が撹拌され、砥石基体外周
面に対する金属イオンの供給を十分に行なうことがで
き、めっき速度を向上して電着効率が高められる。
一方、砥粒還流手段が、めっき槽の下部に形成された
テーパ部と、このテーパ部の下端に形成された噴出口
と、めっき液を砥粒濾過用のフィルタを通して吸入し、
前記噴出口から砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に向けて噴
出させるポンプとを具備し、テーパ部の斜面に沿って噴
出口の周囲に集まった砥粒を、噴出口から噴き入れられ
るめっき液流とともに前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部
に供給した場合には、前記ポンプに砥粒を通さずに済む
から、砥粒還流手段のポンプとして安価な通常のポンプ
が使用でき、砥粒還流手段に要するコストを低減できる
利点がある。
また、電着に際し、砥石基体の回転速度を高速または
低速に交互に切り替えるとともに、高速回転時には砥粒
搬送ベルトを停止させ、低速回転時には砥粒搬送ベルト
を走行させた場合には、低速回転時にまず砥粒を金属め
っき相で砥石基体の外周面に単層状に仮固定し、次いで
高速回転時には仮固定されていない余分な砥粒を砥石基
体から振り落としたうえで、仮固定された砥粒の間に金
属めっき相を析出させ砥粒の埋め込みを行なう。これに
より、砥粒が乱雑な多層状に固着されることが防止で
き、砥粒層表面における個々の砥粒の突出量を均一化で
きる利点がある。また、砥粒層を単層状に形成する場合
に限らず、多層状に形成する場合にも、単層状に固着さ
れた砥粒を積層することになるから、砥粒を砥石基体上
に連続供給しつつ電着する場合に比して、各層の砥粒が
平面的に揃った砥粒層が形成できるうえ、集中度のコン
トロールも可能である。
「実施例」 以下、本発明に係わる電着砥石の製造装置および製造
方法の実施例を詳細に説明する。
第1図および第2図は、第1実施例の電着砥石の製造
装置を示す側断面図および正断面図である。
図中符号10は箱状のめっき槽で、その下部12は四角錐
状に窄められたテーパ部とされ、このテーパ部12の下端
には噴出口14が形成されている。この噴出口14は、めっ
き液Mをめっき槽10内に吹き込むためのもので、その噴
出方向はテーパ部12の一側面12Bに沿う斜め上方に向け
られている。
めっき槽10の内部にはNiめっき液等の電解めっき液M
が満たされ、このめっき液Mには所定量のダイヤモンド
またはCBN等の超砥粒が添加されている。ただし、本発
明では超砥粒に限定されず、一般砥粒やその他の粒子も
もちろん使用できる。
めっき槽10の内部中央には、回転軸16が軸線水平に配
置され、その一端側には固定フランジ18およびナット20
によりホイール型の砥石基体22が同軸かつ着脱可能に取
り付けられている。回転軸16のめっき液Mとの接触面は
マスキングされている。一方、回転軸16の他端は、めっ
き槽10内に浸漬された駆動機構24に連結され、この駆動
機構24によって軸線回りに回転されるようになってい
る。
砥石基体としては、図に示すようなホイール型台金
(22)が一般的であるが、本発明ではそれ以外にも、外
周面が湾曲した円環状の総型砥石用台金(例えば後述の
第11図参照)や、外周面のみが導電体で構成された複合
台金、あるいは導電性シート材等も使用可能である。
なお、砥石基体として導電性シート材を使用する場合
には、側面が絶縁されたホイール型の金属製治具を用意
し、この治具の外周面に導電性シート材を張設したう
え、治具を回転軸16に固定して電着を行えばよい。
砥石基体22の側方には、前記傾斜面12Bの側に、上下
方向に延びる円弧状のループとされた砥粒搬送ベルト26
が配置され、砥粒搬送ベルト26の上端は砥石基体22の上
側周面の真上に位置している。
この砥粒搬送ベルト26は、複数(図では5個)のロー
ラ30,32に巻回されており、これらローラ30,32はいずれ
も円弧状の支持部材34により回転自在に支持されてい
る。
支持部材34の各ベルト当接面には、第3図に示すよう
にそれぞれ蟻溝34Aが形成されている。また砥粒搬送ベ
ルト26の内周面には全長に亙って、これら蟻溝34Aに入
る大きさの蟻突条26Bが形成されており、蟻溝34Aに摺動
可能にはめ込まれている。これにより砥粒搬送ベルト26
は、支持部材34の両側面に沿って走行可能とされてい
る。また、各ローラ32の軸32Aは、支持部材34を貫通し
て回転自在に支持されている。
一方、上側の2個のローラ30も同様に支持部材34に支
持されたうえ、めっき液Mに浸漬された駆動機構33に取
り付けられており、この駆動機構33によってローラ30の
いずれか1方を回転し、砥粒搬送ベルト26を走行させる
ようになっている。
砥粒搬送ベルト26は、ゴム、プラスチック等の軟質材
で一体成形されたベルト体、あるいは硬質材からなる小
片を連結した平チェーン等で構成されている。
砥粒搬送ベルト26の外周面には、一定間隔毎に、断面
く字状をなす搬送羽根28(砥粒搬送部)がベルトの幅方
向に向けて固定されている。これら搬送羽根28は、第4
図に示すようにその先端部28Aが一定角度で砥石基体22
の回転方向と同じ向きに屈折しており、次の条件を満た
すように形状設定されている。
i.噴出口14からめっき液Mが噴出され、砥粒が傾斜面12
Bに沿った領域で舞い上がると、砥粒の一部が第1図中
矢印の方向に移動する各搬送羽根28が次々と入り、上方
に移送される。
ii.砥粒を保持した搬送羽根28がめっき槽10の上側のU
ターン部に達すると、第1図に示すように搬送羽根28の
先端部28Aが下傾するため、搬送羽根28内に保持されて
いた砥粒が漸次、砥石基体22上にこぼれおちる。
なお、搬送羽根28の形状は第1図および第4図示のも
のに限られず、第5図に示すように円弧状等としてもよ
い。さらに、砥粒搬送部としては、第6図に示すように
砥粒搬送ベルト26の外周面に多数の凹部50を形成した
り、第7図に示すようにベルトの幅方向に延びる多数の
V溝52を形成した構成としてもよい。
一方、砥石基体22の上方には、第1図および第2図に
示すように、めっき液M中に平板状の陽極36が水平に配
置され、カチオン膜またはアノードバッグ(布材)等で
構成された陽極室38内に収められている。この陽極室38
は、陽極36から砥石基体22へ異物が落下することを防ぐ
ためのものである。
陽極36は不溶性材料から成形されており、不溶性材料
としては、例えば白金や白金めっきしたチタン等の、電
解めっき時に溶出しない金属が挙げられる。陽極36が不
溶性であれば、電着時に陽極36からアノードスライムが
生じず、めっき面の荒れが生じないうえ、陽極36が消耗
しないための電流密度の一定化が図れ、繰返し使用も可
能である。
そして、陽極36は図示しない通電手段を介して電源陽
極に接続されるとともに、砥石基体22は回転軸16を通じ
て電源陰極を接続されるようになっている。なお、使用
する電源は直流電源、パルス電源、あるいは直流バイア
スをかけた交流電源のいずれでもよい。
一方、めっき槽10の側面には取水口40が形成され、こ
の取水口40には、砥粒を通さずめっき液Mのみを通すフ
ィルタ42が固定されている。そして取水口40と前記噴出
口14との間にはポンプ44を介して循環路46が形成され、
取水口40から取水されためっき液Mがポンプ44を介して
噴出口14から砥粒搬送ベルト26の下面に向けて噴出され
るようになっている。
次に、上記装置を用いた電着砥石の製造方法の一例を
説明する。
まず、電着すべき砥石基体22を回転軸16に固定し、め
っき槽10にセットする。次いで駆動機構24により砥石基
体22を第1図中矢印の方向へ回転させつつ、砥石基体22
と陽極30との間に通電する。同時に、ベルト駆動機構33
を作動させ、砥粒搬送ベルト26を第1図中矢印の方向へ
走行させ、さらにポンプ44を作動させる。
すると、めっき槽10のテーパ部12に沿って下降し、噴
出口14の周囲に溜まっていた砥粒は、噴出口14からのめ
っき液流とともに傾斜面12Bに沿って舞い上がる。する
と、その一部は砥粒搬送ベルト26の搬送羽根28の間に入
り、搬送羽根28に保持される。
砥粒を保持した搬送羽根28がやがて、ループの上端に
達してUターンすると、搬送羽根28の先端28Aが下向き
になって砥粒が解放される。解放された砥粒は、めっき
液M内を散乱しつつ落下し、砥石基体22の上側周面に次
々に着地する。その間、砥石基体22も回転しているか
ら、砥石基体22の全面に亙って均一に砥粒が散布される
ことになる。
一方、砥石基体22の周面上には金属めっき相が一定速
度で析出しつづけるため、砥石基体22上に堆積した砥粒
の下層は金属めっき相により砥石基体22に固着される。
さらに砥石基体22が回転すると過剰の砥粒は砥石基体22
からめっき槽10内に落下する。
以上の工程を一定時間繰り返すことにより、砥石基体
22の外周面には均一な砥粒層が形成される。所望の厚さ
の砥粒層が形成されたら、通電を停止し、砥石基体22を
めっき槽10から外して水洗する。さらに、必要に応じて
この砥石にツルーイングやドレッシングを行ない、砥粒
層の外周面を整形、あるいは目立てする。
上記構成からなる電着砥石の製造装置および方法によ
れば、めっき液M中の砥粒を砥粒搬送ベルト26の各搬送
羽根28によって連続的に補集したうえ、砥石基体22の上
側の周面に連続的に落下させるため、砥石基体22の周面
全面に亙って砥粒を均一に散布することができる。した
がって、厚さおよび砥粒含有率が均一な砥粒層が容易に
形成でき、安定した切れ味の砥石を製造することが可能
である。
また、めっき槽10内に溜まった砥粒を効率良く循環使
用するため、砥粒の使用量を減らすことができ、砥粒コ
ストの低減が図れる。
また、この例では、ベルト駆動機構33と砥石基体22の
駆動機構24とを別に設けられているため、これらの相対
回転速度を任意に変更することができ、砥石基体22の周
面における砥粒の散布量を自在に設定して最適の電着条
件を得ることが容易である。
また、ポンプ44により噴出口14からめっき液Mを噴出
させ、砥粒を強制的に砥粒搬送ベルト26の搬送羽根28に
供給するので、砥粒を効率良く回収できるうえ、めっき
液Mを撹拌して砥石基体の周囲におけるイオン濃度低下
が防げる効果も有する。
さらに、ポンプ44はフィルタ42を通して取水するた
め、砥粒を含んだめっき液Mを送水する構成に比して、
通常のケミカルポンプで十分に対応できる。
なお、上記方法の変形として、電着の際に砥石基体22
の回転速度を高速または低速に交互に切り替えるととも
に、高速回転時には砥粒搬送ベルト26を停止させ、低速
回転時には砥粒搬送ベルト26を走行させてもよい。
この場合には、低速回転時においてまず、砥粒を砥石
基体22の外周面に単層状に仮固定する。
次いで高速回転時には、仮固定されていない余分な砥
粒を砥石基体22から振り落としたうえで、仮固定された
砥粒の間に金属めっき相を析出させ砥粒の埋め込みを行
なう。なお各回転速度、回転時間等は、実際に実験を行
なって決定すべきである。
したがって、この場合には、砥粒が乱雑な多層状に固
着されることが防止でき、砥粒層表面における個々の砥
粒の突出量を均一化できる利点がある。また、砥粒層を
単層状に形成する場合に限らず、多層状に形成する場合
にも、この方法によれば整然とした単層状に固着された
砥粒を積層することになるから、砥粒を砥石基体22上に
連続供給しつつ電着する場合に比して、各層の砥粒が平
面的に揃った砥粒層が形成できる。さらに集中度のコン
トロールが可能である。
なお、陽極36の形状は必要に応じて適宜変更してよ
く、例えば第8図に示すように、砥石基体22の砥粒が乗
っている箇所の外周面に沿う円弧状に湾曲させてもよ
い。この場合には、陽極36と対向する砥石基体22の砥粒
載置箇所にのみ金属めっき相が析出するため、砥粒を散
布した直後に、効果的に砥粒を固着させることができ、
砥粒の固着密度を高め易いという利点を有する。
また、第9図は、砥粒搬送ベルト26と砥石基体22の間
に、円筒状かつ多孔状の陽極板54を砥石基体22と同軸に
設けた例である。この陽極板54としては、不溶性金属の
ワイヤを編んだ網状物や、不溶性金属板に多数の切れ込
みを形成して引き延ばしたエキスパンデッドメタル、あ
るいは貫通孔よりも小さい孔をプレスで多数形成した多
孔板等が使用可能である。
この実施例によれば、前記実施例の効果に加え、砥粒
搬送ベルト26から落下した砥粒が多孔状の陽極板54で一
旦散乱されるため、砥粒の散布密度を一層均一化するこ
とができる利点を有する。
また、この例では砥石基体54の全周に亙って金属めっ
き相が同時に析出するため、砥石基体22の上側において
周面に仮固定した砥粒を、砥石基体22の下側において埋
め込む効果が得られる。
次に、第10図は本発明のさらに他の実施例を示し、こ
の例では電着すべき砥石基体22の外周面に、予め多孔状
のマスク板56を着脱可能に固定していることを特徴とす
る。装置の他の構成は第1実施例と同様でよい。マスク
板56は可撓性を有する絶縁体からなり、砥粒径に比して
十分に内径が大きい多数の貫通孔56Aが全面に亙って形
成されている。なお、このマスク板56は電着後に砥石基
体22から除去する。
この例によれば、砥粒搬送ベルト26から落下した砥粒
がマスク板56の貫通孔56Aに入るため、砥石基体22の回
転につれ周面が多少傾斜しても、砥粒は貫通孔56A内に
保持され、砥石基体22の周面に接触した状態に保たれ
る。したがって、砥石基体22の水平面部分だけでなく、
周面の傾斜部分でも砥粒の固着が続行されるから、電着
効率を高めることができる。
また、この方法によれば砥石基体22上に互いに独立し
た砥粒層が形成されるので、これら砥粒層の間の空隙部
分が研削液の供給路および切粉排出通路となり、砥粒層
の目詰まりを防止し、切れ味を高めることができる。
次に、第11図はさらに他の実施例を示し、この例で
は、砥石基体22の周面に、前記同様の多数の貫通孔56A
を有するマスク板56を固定したうえ、さらにこのマスク
板56の外周面に陽極板58を固定したことを特徴とする。
この陽極板58は前記不溶性金属で成形されたもので、
マスク板56の貫通孔56Aに合致した貫通孔58Aが全面に亙
って形成されている。そしてこの陽極板58は、図示しな
い通電手段を介して電源陽極に接続されている。
この実施例によれば、砥石基体22の周面と陽極板58と
の離間量が、マスク板56の厚さにより正確に確保される
から、例えば第11図に示すように砥石基体22の外周面が
単純な円周面ではない場合にも、各貫通孔56A内の被め
っき面における電流密度は全て一定になるうえ、個々の
貫通孔56Aへの砥粒の入り込み数もほぼ一定数に維持さ
れる。したがって、砥石基体22の形状が複雑な総型砥石
等に対しても、均等な砥粒含有率を有する砥粒層が容易
に形成できる利点を有する。
なお、多数の孔を形成した陽極板58の代わりに、不溶
性金属等からなるメッシュ状の陽極板を使用しても同様
の効果が得られる。
ところで、本発明の装置では、第12図に示すような単
層状の砥粒層だけでなく、電着時間を延長すればさらに
多層に砥粒を含む砥粒層も形成できる。従来の人手によ
る製造方法では、このような多層状の砥粒層を形成する
と砥粒の分布ばらつきが累積して使用に耐える砥石が製
造できなかったが、本発明の製造装置および方法によれ
ば、砥粒の分布が均一化するため、高精度の多層状砥粒
層が形成できる。
また、砥粒に予めNi,Co,Cuなどの金属皮膜を形成して
おくことにより、放熱性および砥粒保持力の増大を図っ
てもよい。特に砥粒層を多層状に形成する場合に、砥粒
に金属皮膜を形成しておくと、砥粒の間に気孔を残した
状態で金属めっき相が析出するため、砥粒層が多孔質に
なる。このような多孔質砥粒層によれば、切粉排出性や
研削液の供給性を一層高めることが可能である。
さらに本発明は、図示した装置に限らず、必要に応じ
て適宜構成を変更してよいし、装置の使用方法もそれに
応じて変えてよい。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる電着砥石の製造
装置および製造方法によれば、以下のような優れた効果
が得られる。
砥石基体と陽極との間に通電しつつ、砥粒搬送ベル
トを走行させることにより、そのループの下側部分の砥
粒保持部によってめっき槽内に沈澱する砥粒を補集し、
次いで、これら砥粒をループの上側部分で解放して砥石
基体の上側周面に落下させる。これにより、電着中に砥
粒は砥石基体の外周面に均一に散布されるため、厚さお
よび砥粒含有率が均一な砥粒層が容易に形成できる。し
たがって、砥粒分布の不均一さに起因する電着砥石の切
れ味のむらや偏摩耗、異常振動等を防止することが可能
である。
砥石基体から落下した砥粒を循環使用するうえ、電
着に要する砥粒が比較的少量で済み、砥粒の使用効率を
高めて砥粒コストが低減できる。
電着時に人手の介入が少なくて済むため、人件費等
に要するコストが低減でき、生産性も高められる。
電着中に砥石基体を回転させるため、砥石基体の表
面近傍においてめっき液が撹拌され、砥石基体外周面に
対する金属イオンの供給を十分に行なうことができ、め
っき速度を向上して電着効率が高められる。
砥粒還流手段が、めっき槽の下部に形成されたテー
パ部と、このテーパ部の下端に形成された噴出口と、め
っき液を砥粒濾過用のフィルタを通して吸入し、前記噴
出口から砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に向けて噴出させ
るポンプとを具備し、テーパ部の斜面に沿って噴出口の
周囲に集まった砥粒を、噴出口から噴き入れられるめっ
き液流とともに前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に供給
した場合には、前記ポンプに砥粒を通さずに済むから、
砥粒還流手段のポンプとして安価な通常のポンプが使用
でき、砥粒還流手段に要するコストを低減できる利点が
ある。
電着に際し、砥石基体の回転速度を高速または低速
に交互に切り替えるとともに、高速回転時には砥粒搬送
ベルトを停止させ、低速回転時には砥粒搬送ベルトを走
行させた場合には、低速回転時にまず砥粒を金属めっき
相で砥石基体の外周面に単層状に仮固定し、次いで高速
回転時には仮固定されていない余分な砥粒を砥石基体か
ら振り落としたうえで、仮固定された砥粒の間に金属め
っき相を析出させ砥粒の埋め込みを行なう。これによ
り、砥粒が乱雑な多層状に固着されることが防止でき、
砥粒層表面における個々の砥粒の突出量を均一化できる
利点がある。砥粒層を単層状に形成する場合に限らず、
多層状に形成する場合にも、単層状に固着された砥粒を
積層することになるから、砥粒を砥石基体上に連続供給
しつつ電着する場合に比して、各層の砥粒が平面的に揃
った砥粒層が形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明に係わる電着砥石の製造装
置の第1実施例を示す正断面図および側断面図、第3図
は第1図中III−III線視断面図、第4図ないし第7図は
砥粒搬送部のそれぞれ異なる変形例を示す側面図、第8
図および第9図は本発明の他の実施例の装置を示す正断
面図、第10図および第11図は本発明のさらに他の実施例
における要部の断面図である。 一方、第12図は一般的な電着砥石の砥粒層を示す断面拡
大図である。 10……めっき槽、12……テーパ部、14……噴出口、16…
…回転軸、22……砥石基体、24……基体駆動機構、26…
…砥粒搬送ベルト、28……搬送羽根(砥粒搬送部)、3
0,32……ローラ、34……支持部材、36……陽極、38……
陽極室、40……取水口、42……フィルタ、44……ポン
プ、50,52……砥粒搬送部、54……リング状の陽極、56
……マスク板、58……陽極板。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24D 3/00 340 B24D 3/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解めっき液を満たしためっき槽と、この
    めっき槽内に軸線を水平にして配置された回転軸と、こ
    の回転軸を軸線回りに回転させる駆動機構と、前記回転
    軸に取り付けられた砥石基体の外周面に対向して配置さ
    れた陽極と、ループの一端側が前記砥石基体の上方に位
    置しループの他端側が下方に延びるように配置された無
    端状の砥粒搬送ベルトと、この搬送ベルトを走行させる
    ベルト駆動機構を具備し、 前記砥粒搬送ベルトには、砥粒搬送ベルトの走行につれ
    前記ループの下端側でめっき液中の砥粒を補集し、前記
    ループの上端側で補集した砥粒を解放して前記砥石基体
    の上側の周面に落下せさうる砥粒保持部が設けられてい
    ることを特徴とする電着砥石の製造装置。
  2. 【請求項2】前記めっき槽には、前記砥粒搬送ベルトの
    前記砥粒保持部に砥粒を供給する砥粒還流手段が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の電着砥石の製
    造装置。
  3. 【請求項3】前記砥粒還流手段は、前記めっき槽の下部
    に形成された下方に向けて窄まるテーパ部と、このテー
    パ部の下端に形成された噴出口と、めっき槽内のめっき
    液を砥粒濾過用のフィルタを通して吸入し、前記噴出口
    から前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に向けて噴出させ
    るポンプとを具備し、 前記テーパ部の斜面に沿って前記噴出口の周囲に集まっ
    た砥粒を、噴出口から噴き入れられるめっき液流ととも
    に前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に供給しうるように
    構成されていることを特徴とする請求項2記載の電着砥
    石の製造装置。
  4. 【請求項4】前記陽極は、前記砥石基体の周囲に同軸に
    配置された多孔状の円環状陽極体であることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の電着砥石の製造装置。
  5. 【請求項5】前記陽極は、前記砥石基体の上側の周面と
    対向して配置されていることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の電着砥石の製造装置。
  6. 【請求項6】砥粒を分散した電解めっき液内に軸線を水
    平にして砥石基体を配置し、この砥石基体を軸線回りに
    回転しつつ、前記砥石基体の外周面と対向して配置した
    陽極と砥石基体との間に通電するとともに、 ループの一端側が砥石基体より上方に位置し、ループの
    他端側が下方に延びるように配置された無端状の砥粒搬
    送ベルトを走行させることにより、この砥粒搬送ベルト
    に設けられた砥粒保持部により、ループの下側部分でめ
    っき液中の砥粒を補集する一方、ループの上側部分で補
    集した砥粒を解放して前記砥石基体の上側の周面に砥粒
    を落下させ、前記砥石基体の外周面に析出する金属めっ
    き相でこれら砥粒を固定することを特徴とする電着砥石
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記電着に際し、前記砥粒搬送ベルトの下
    方から砥粒を含んだ前記めっき液を噴き上げ、これによ
    り砥粒を前記砥粒搬送ベルトの砥粒保持部に供給するこ
    とを特徴とする請求項6記載の電着砥石の製造方法。
  8. 【請求項8】前記電着に際し、前記砥石基体の回転速度
    を高速または低速に交互に切り替えるとともに、高速回
    転時には前記砥粒搬送ベルトを停止させ、低速回転時に
    は前記砥粒搬送ベルトを走行させることを特徴とする請
    求項6または7記載の電着砥石の製造方法。
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