JP2976502B2 - 給液手段を有する砥石およびその製造方法 - Google Patents

給液手段を有する砥石およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、電着砥粒層の研削面に開口する多数の給液
孔(給液手段)を有する砥石およびその製造方法に関す
る。
「従来の技術」 第8図は、一般的な電着砥石の砥粒層およびその近傍
を示す断面拡大図である。
図中符号4は各種形状の砥石基体であり、この砥石基
体4の砥粒層形成面4Aには、金属めっき相6を介して単
層状に多数の砥粒5が固着されている。
金属めっき相6を形成するには、通常、主に電解めっ
き法が使用されている。例えば、外周面に砥粒層を有す
るホイール型通の電着砥石を製造する場合には、まず外
周面4Aを除いてマスキングを施した砥石基体(台金)4
を電解めっき液内に浸漬し、外周面4Aの少なくとも一部
を上向きかつ水平に配置する。
そして、この水平面に超砥粒5を蒔き、台金4を電源
陰極に接続するとともに、前記水平面と対向配置された
陽極との間で通電し、金属めっき相6を析出させて超砥
粒5を固定する。この操作を台金4を間欠的に回しなが
ら外周面4Aの全周に亙って繰り返し、単層状の砥粒層を
均一に形成する。
しかし、上記のような電着砥石には、以下のような欠
点があった。
超砥粒5が緻密かつ硬質の金属めっき相6で強固に
固定されているため、特に硬質で脆い被削材の研削を行
なった場合、個々の超砥粒5が被削材に食い込む時点で
の衝撃が大きく、被削材に微細な欠け(チッピング)が
生じて、表面粗さおよび加工精度が低下する。
金属めっき相6の表面が緻密でしかも平坦であるた
め、研削中に生じた切粉を砥石の運動につれて研削部分
から排出する効果(切粉排出性)が小さい。
湿式研削に使用した場合、と同様の理由により研
削液が研削部に供給されにくく、研削液による冷却およ
び潤滑効果、切粉排出効果が十分に得られない。
局部的なめっきを断続的に繰り返して砥粒層を形成
しているので、人手による超砥粒5の散布密度のばらつ
きや、めっき時間およびめっき条件のばらつき等に起因
するめっき層の厚さ不均一などにより、砥粒層中の砥粒
分布密度が不均一になり易く、砥粒層各部の切れ味や寿
命にばらつきが生じて、偏摩耗や砥石の異常振動を生じ
る原因となる。
多層状に超砥粒5を電着できれば砥石の長寿命化が図
れるのであるが、上記の方法では、相当丹念に電着を行
なわないと、砥粒分布密度のばらつきが累積して使用に
堪える精度の砥粒層が形成できない。したがって、一般
には単層状の砥粒層しか形成されていないのが現状で、
砥石寿命が短い問題がある。
そこで、電着砥粒層を貫通する給液孔を多数形成し、
被削材を研削する際に、これら給液孔を通じて研削液を
研削面に供給することにより、研削面の冷却および潤滑
を図ることを本発明者らは発案した。
そして給液孔の形成方法として、本発明者らは、まず
第9図に示すように予め多数の貫通孔2を形成した金属
製の基体1を用い、この基体1を砥粒を混入した電解め
っき液に浸漬したうえ、基体1と対向して配置された陽
極と基体1との間に通電し、基体1の表面に金属めっき
相3を析出させ、砥粒を単層状に固定するとともに給液
孔4を形成する方法を試みた。
「発明が解決しようとする課題」 しかし上記の製造方法では、基体1に形成された貫通
孔2の内部にも金属めっき相が析出するうえ、特に、貫
通孔2の両端部分で電流密度が高く、析出速度が大きく
なるために、電着砥粒層3の成長につれて給液孔4の口
径D2が徐々に挟まっていく。
したがって、所望の口径を有する給液孔4を形成する
には、電着砥粒層3の厚さ、めっき条件および貫通孔2
の口径D1等、複数のパラメータを考慮しなければなら
ず、給液孔4の口径設定が難しかった。
また、貫通孔2の口径を小さくすると、電着中に砥粒
によって目詰まりし、給液孔4が塞がる場合があり、あ
る程度以下に口径の小さい給液孔4は形成困難だった。
また、超砥粒を多層状に固定した電着砥粒層が形成で
きれば、砥石の使用寿命が延長できるのであるが、上記
の方法では、電着砥粒層3が厚くなると前記問題が一層
顕著になるため、多層状の電着砥粒層は形成困難で、砥
石寿命が限られる問題を有していた。
さらに、上記方法に得られた砥石では、上述した理由
により、給液孔4が両端の窄まった断面形状に形成され
るから、研削により電着砥粒層3が摩耗すると口径D2が
拡大していく。したがって、研削時における研削液の供
給流量が安定しない欠点を有していた。
「課題を解決するための手段」 本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
まず、本発明に係わる給液手段を有する砥石は、一面側
から他面側に連通する多数の連通気孔を有する多孔性基
体と、この多孔性基体の前記一面に形成され、砥粒を金
属めっき相中に分散してなる電着砥粒層とを具備し、こ
の電着砥粒層には、前記連通気孔のそれぞれに連通する
とともに電着砥粒層の研削面に開口する多数の給液孔が
形成され、個々の給液層の内径は電着砥粒層の厚さ方向
に亙ってほぼ一定とされていることを特徴とする。
なお、前記連通気孔は、前記多孔性基体の内部におい
て3次元網目構造をなして形成されていてもよい。
一方、本発明の給液手段を有する砥石の製造方法は、
一面側から他面側に連通する多数の連通気孔を有し、少
なくとも前記一面が導電性材料で構成された多孔性基体
を、砥粒を分散させた電解めっき液中に浸漬し、前記他
面側から前記各連通気孔にガスを供給して前記一面側か
ら気泡を発生させつつ、この一面と対向して電解めっき
液中に配置された陽極との間に通電し、前記一面上に金
属めっき相を析出させて砥粒を固定することを特徴とし
ている。
また、本発明の他の製造方法は、一面側から他面側に
連通する多数の連通気孔を有する多孔性基体を、砥粒を
分散させた無電解めっき液中に浸漬し、前記他面側から
前記各連通気孔にガスを供給して、前記一面側から気泡
を発生させつつ、この一面上に金属めっき相を析出させ
て砥粒を固定することを特徴としている。
なお、前記電着砥粒層を形成した後に、この電着砥粒
層のみを多孔性基板から剥離させて砥石としてもよい。
また、3次元網目構造を有する樹脂多孔質体に高融点
金属またはセラミックスの耐熱被覆を形成し、この被覆
した樹脂多孔質体の内部に、前記耐熱被覆よりも低融点
の金属溶湯を充填し、固化させた後、この固化体の両面
を除去し、前記連通気孔を露出させることにより、前記
多孔性基体を作成してもよい。
さらに、樹脂多孔質体の除去方法としては、高融点金
属またはセラミックスの耐熱被覆を形成した後に、熱を
加えて樹脂多孔質体を熱弁解させて予め除去してもよい
し、また金属溶湯の充填後に熱分解させて除去してもよ
い。
「作 用」 本発明の給液手段を有する砥石によれば、給液孔の内
径がその全長に亙って一定に形成されているから、研削
につれ電着砥粒層が摩耗しても給液孔の口径が変化せ
ず、給液流量が変わって研削条件に影響を与えない。
また、多孔性基体の内部に3次元網目構造をなす連通
気孔が全域に亙ってくまなく形成された場合には、多孔
性基体がクッション性を有するため、電着砥粒層の被削
材への当たりが柔らかになり、過剰の食い込みを低減し
て、被削材の仕上げ面粗さが向上できる。
さらに、この場合には、連通気孔を通して研削液を流
すことにより、多孔性基体の内部が隅々まで均一かつ効
果的に冷却されるから、研削中における多孔性基体の過
熱を効果的に防ぐことが可能である。
一方、本発明に係る給液手段を有する砥石の製造方法
では、連通気孔から噴き出す気泡によって連通気孔の開
口部での金属めっき相析出を阻止するため、連通気孔と
ほぼ等しい口径を維持したまま電着砥粒層が成長し、全
長に亙って内径が一定の給液孔が形成できる。
したがって、給液孔の口径設定が容易であるうえ、電
着砥粒層の厚さの影響を受けないために、使用寿命の長
い多層状の電着砥粒層が形成できる。さらに、連通気孔
が砥粒で塞がることがないため、従来よりも小さい口径
の給液孔を高い分布密度で形成することが可能である。
また、樹脂多孔質体を使用して連通気孔を形成した場
合には、給液孔の口径は樹脂多孔質体の繊維径に相当
し、また給液孔の分布密度は樹脂多孔質体のセル径に対
応するから、金属製の基体に孔を形成する方法等では不
可能なほど小口径、高分布密度の給液孔を形成すること
が可能で、製造コストも安く済む。
さらに、樹脂多孔質体は、繊維径およびセル径が広範
囲に調整可能であるから、砥石の用途に応じて給液孔の
口径および分布密度を任意に設定できる利点も有する。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明に係わる給液手段を有す
る砥石の一実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例として、ラッピング加工
等に使用される円板形状の定盤型砥石を示す断面拡大図
である。
図中符号10は円板形の多孔性基体で、この多孔性基体
10は一定厚の金属充填層11によって主構成されている。
この金属充填層11の内部には、3次元網目構造を有する
連通気孔12が全域に広がって形成され、この連通気孔12
の内壁面は全て一定厚の耐熱被覆14により形成されてい
る。
耐熱被覆14がNiあるいはNi合金等の酸に溶解しやすい
金属で、金属充填層11がAl合金等の酸に溶けにくい金属
で構成されている場合には、予め、耐熱被覆14のみを硝
酸等で溶解除去しておき、連通気孔12の内径を拡大して
もよい。
連通気孔12は互いに連通し、多孔性基体10の裏面側に
開口する多数の導入口12A、および表面側に開口する多
数の導出口12Bを有している。連通気孔12の内径はいず
れの部分でもほぼ一定である。
金属充填層11は、耐熱被覆14よりも低融点の金属で形
成され、具体的な材質としてはAl合金,Sn合金,Cu合金等
が上げられるが、融点および軽量化の点から特にAl合金
が好ましい。一方、耐熱被覆14は、Cu,Ni,Co等からなる
比較的高融点の金属および合金、またはアルミナ、マグ
ネシア等のセラミックスで形成されている。
多孔性基体10の表面側には、一定厚の電着砥粒層16が
全面に亙って形成されている。この電着砥粒層16は、ダ
イヤモンドまたはCBN等の超砥粒18を、Ni,Co等の金属め
っき相20中に多層状に分散して固定したものである。
電着砥粒相16の内部には垂直に給液孔22が多数形成さ
れ、個々の給液孔22の一端は各導出口12Bのそれぞれと
連通し、他端は砥粒層16の表面(研削面)に開口してい
る。給液孔22の内径は、対応する各導出口12Bの口径と
ほぼ等しく、かつ電着砥粒層16の厚さ方向に亙ってほぼ
一定になっている。
なお、超砥粒18の平均粒径と砥粒含有率、並びに電着
砥粒層16の厚さは、この砥石の用途に応じて適宜決定す
べきである。
次に、上記構成からなる給液手段を有する砥石の製造
方法を説明する。
第2図は、多孔性基体10を成形するために使用される
樹脂多孔質体30の拡大図である。この樹脂多孔質体30
は、発泡剤を用いて樹脂を高度に発泡させたもので、等
方性の3次元網目構造をなしている。
樹脂多孔質体30の具体的な材質としては、成形が容易
でコストの安いポリウレタンフォーム等が適している。
例えば、株式会社ブリヂストン製の「エバーライトSF」
(商品名)は、セル同士の連通性が高く、本発明の目的
に好適である。なお、ここでセルと称するのは、樹脂多
孔質体30の内部の網目状繊維で囲まれた、ほぼ球状をな
す空間のことである。
樹脂多孔質体30のセル径は、多孔性基体10の導出口12
Bの分布密度と対応し、ひいては給液孔22の分布密度と
も対応する。したがって、所望される給液孔22の分布密
度に応じて決定すべきである。ただし、平均セル径は、
超砥粒18の平均粒径の5倍以上であることが望ましい。
この値が5倍未満では、後述する電着過程において超砥
粒18の電着が著しく阻害され、超砥粒18が電着砥粒層16
中に均一に分散されにくくなる。
次に、樹脂多孔質体30の繊維の全面に亙って、第3図
に示すように耐熱被覆14をほぼ一定の厚さに形成する。
材質としては、前述のように高融点金属またはセラミッ
クスが使用される。
耐熱被覆14をCu,Ni,Co等からなる高融点金属またはそ
の合金で形成する場合には、無電解めっき法が容易であ
る。具体的にはまず、金属析出を促進するための表面触
媒化処理を樹脂多孔質体30に施す。
この処理は、Au,Pt,Pd,Ag等の貴金属触媒核を付与す
るためのもので、例えばPdCl2等のような前記貴金属の
塩溶液に樹脂多孔質体30を浸漬し、水洗する。その際の
処理溶液の濃度、温度、処理時間などの条件は、従来無
電解めっきを行なっていた場合と同様でよい。
次いで、処理を終えた樹脂多孔質体30を高融点金属の
イオンを含む無電解めっき液に浸漬し、適度な処理条件
で耐熱被覆14を析出させればよい。また、引き続いて電
解めっきを行なうことにより、より早い速度で耐熱被覆
14を形成してもよい。さらに、この時点で、耐熱被覆14
を形成した樹脂多孔質体30に熱処理を施し、樹脂多孔質
体30を分解除去して耐熱被覆14のみを残し、連通気孔12
を有する多孔構造体としてもよい。
あるいは、金属充填層11と耐熱被覆14は溶解せず、樹
脂のみを溶解する濃アルカリ溶液等に被覆した樹脂多孔
質体30を浸漬して、樹脂多孔質体30を完全に溶解する方
法も可能である。これにより、樹脂多孔質体30の後に3
次元網目構造の連通気孔12が形成され、多孔構造体が得
られる。
一方、耐熱被覆14として、アルミナ,マグネシア,カ
ルシア等のセラミックスを使用する場合には、次のよう
な方法が可能である。
まず、これらの微粉末を水ガラス等に分散させ、この
分散液を樹脂多孔質体30に塗布し、乾燥固化する。この
作業を繰り返した後、焼結することにより、樹脂多孔質
体30が熱分解して除去され、連通気孔12を有する多孔構
造体が得られる。
次に、耐熱被覆14を形成した樹脂多孔質体30のセル内
に、耐熱被覆14よりも低融点であるAl,Sn,Cu等からなる
金属またはその合金の溶湯を充填して金属充填層11を形
成し、第4図に示すうな板材を作成する。この際、多孔
構造体の内部に樹脂多孔質体30が残っていて、この樹脂
多孔質体30が熱分解して除去されとしても、耐熱被覆14
が形成されているため、樹脂多孔質体30の形状はそのま
ま連通気孔12として保たれる。
溶湯が十分に固化したら、この板材の両面を第4図
イ,ロに示すように一定厚さづつ研削し、連通気孔12の
端部を露出させる。
次に、第5図に示すめっき装置を用い、多孔性基体10
上に電着砥粒層16を形成する。
この装置の構成を簡単に説明すると、符号40は電解め
っき槽であり、その内部にははNi,Co等の電解めっき液
Mが満たされ、このめっき液Mには一定量の超砥粒18が
添加されている。また、めっき槽40には図示しない撹拌
機が設けられるとともに、めっき槽40の内部には水平に
有底円筒体の通気治具42が配置されている。この通気治
具42には、めっき槽40の外へ延びる通気路44が連結さ
れ、この通気路44に流量調節可能なエアポンプ(図示
略)が接続されている。
そして、通気治具42の内部に多孔性基体10が気密的か
つ水平に嵌め込まれており、通気路44から加圧空気が導
入されると、多孔性基体10の連通気孔12の各導出口12B
から気泡が発生するようになっている。
多孔性基体10の上方には、めっき液M内に不溶性陽極
46が水平に配置され、多孔性基体10および陽極46はスイ
ッチを介して電源に接続されている。使用する電源は直
流電源、パルス電源、あるいは直流バイアスをかけた交
流電源のいずれでもよい。
電着を行なうにはエアポンプを作動し、通気路44を介
して空気を連続的に通気治具42内に送り、多孔性基体10
の表面に開口する導出口12Bから気泡を発生させる。気
泡の発生強度は、超砥粒の多孔性基体10上への堆積を阻
害しない程度に設定される。同時に撹拌機を作動させ、
めっき液Mとともに超砥粒18を撹拌する。
次いで、陽極46と多孔性基体10との間に通電し、導出
口12Bを除く多孔性基体10の表面上に金属めっき相20を
析出させ、この面に堆積していた超砥粒18を下層から順
に多層状に固定していく。
電着砥粒層16の厚さが所望値に達したら、通電を停止
して定期治具42を取り出し、多孔性基体10を外して水洗
する。さらに、形成された電着砥粒層16を必要に応じて
ツルーイングおよびドレッシングし、製品とする。
上記構成からなる定盤型砥石によれば、砥粒層16に被
削材を当接させ、被削材と相対回転させて被削材の研削
を行なう際に、多孔性基体10の裏面から研削液を吹き付
けることにより、連通気孔12および給液孔22を通じて、
研削面に研削液を効果的に供給することができる。併せ
て切粉の排出性が著しく改善され、砥石の目詰まりは皆
無となり、切れ味向上が図れる。
また、個々の給液孔22の内径は、電着砥粒層16の厚さ
方向に亙って一定に形成されているため、研削につれて
電着砥粒層16が摩耗しても給液孔22の口径は変化しな
い。このため、給液流量が変わって研削条件に影響を与
えるおそれがない。連通気孔12に研削液を通すことによ
り、多孔性基体10が内部から効果的に冷却される利点も
有する。
また、多孔性基体10の内部に、3次元網目構造をなす
連通気孔12がくまなく形成されているため、多孔性基体
10がクッション性を有する。よって電着砥粒層16の被削
材への当たりが柔らかになり、被削材への超砥粒18の過
剰な食い込みを防いで、仕上げ面粗さが向上できる。
一方、上記の砥石製造方法においては、連通気孔12か
ら噴き出す気泡によって、その開口縁では金属めっき相
20が析出できないため、連通気孔12とほぼ等しい口径を
維持したまま電着砥粒層16が成長していき、全長に亙っ
て内径がほぼ一定の給液孔22が形成できる。したがっ
て、給液孔22の口径設定が容易であるうえ、電着砥粒層
16の厚さの影響を受けないために使用寿命の長い多層状
の電着砥粒層が形成できる。
また、電着中に給液孔22が砥粒で塞がるおそれがない
ので、樹脂多孔質体30を用いた場合には、給液孔22の口
径が樹脂多孔質体30の繊維径に相当し、また給液孔22の
分布密度は樹脂多孔質体30のセル径に対応するから、金
属製の基体に孔を形成する方法では不可能なほど小口
径、高分布密度の給液孔を形成することが容易で、製造
コストも安く済む。
また、ポリウレタンフォーム等の樹脂多孔質体30は、
繊維径およびセル径が広範囲に調整可能であるから、砥
石の用途に応じて給液孔の口径および分布密度が任意に
設定できる利点も有している。
なお、上記実施例では電着砥粒層16の金属めっき相20
を緻を多孔質に形成することが可能である。それには、
予め超砥粒18にNi,Cu等の導電性被膜50を形成してお
き、後は前述と全く同じ操作を行なえばよい。
この場合、金属めっき相20は、前記製造方法のように
基体10上にのみ析出するのではなく、基体10に対して導
通している超砥粒18の導電性被覆50上にも順次析出し、
超砥粒18同士が金属めっき相20によって架橋される。
よって、この方法によって得られた砥石は、第7図に
示すように超砥粒18の間に部分的に気孔51が残り、その
一部は相互かつ連通気孔22とも連通しあい、金属めっき
相20が多孔質になる。
この実施例によれば、前記気孔51も給液孔としての作
用を果たすため、あたかも電着砥粒層16の表面全面に給
液孔が存在することになる。
また、別の気孔形成方法としては、電着時に超砥粒18
に金属粉を混合しておき、これらを共に多孔性基体10に
電着する方法も可能である。ただしこの場合には、金属
粉を混入する分、金属めっき相20による超砥粒18の保持
力が低下する傾向を有する。
また、電着砥粒層16を形成する方法としては、前述し
た電解めっき法だけでなく、Cu,Ni,Co等の無電解めっき
法を使用可能である。無電解めっきの方法は従来と同様
でよい。必要に応じては、電着砥粒層16を単層状に形成
してもよい。
また、多孔性基板10としては、上記のように3次元網
目構造を有するものに限らず、金属板に多数の単純な貫
通孔を機械加工やエッチング等によって形成したもの、
あるいは一面のみが導電体で構成された絶縁体に貫通孔
を形成したもの等が使用可能である。
また、上記実施例はラッピング加工用の定盤型砥石で
あったが、本発明はこれに限らず、多孔性基体の形状を
円環状等に適宜変更して、通常の平面研削に用いたり、
多孔性基体10の裏面に台金を固定したりしてもよい。
また、電着後に、多孔性基体10から電着砥粒層16を剥
離させ、この電着砥粒層16のみを砥石として使用するこ
とも可能である。この場合には、電着に先立ち、多孔性
基体10の電着面に離型剤を塗布しておけば、砥粒層16の
剥離が容易である。
さらに、本発明の砥石の給液孔は、研削液の供給のみ
に用途限定されるものではなく、必要に応じてはガス噴
出や被削材の吸引等の目的で使用されても構わない。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる給液手段を有す
る砥石によれば、給液孔の内径がその全長に亙って一定
に形成されているから、研削につれ電着砥粒層が摩耗し
ても給液孔の口径が変化せず、給液流量が変わっても研
削条件に影響を与えるおそれがない。
また、多孔性基体の内部に3次元網目構造をなす連通
気孔がくまなく形成された場合には、多孔性基体がクッ
ション性を有するため、電着砥粒層の被削材への当たり
が柔らかになり、過剰な食い込みを低減して、被削材の
仕上げ面粗さが向上できるとともに、この連通気孔に研
削液を通すことにより多孔性基体が効果的に冷却され
る。
一方、本発明に係わる給液手段を有する砥石の製造方
法では、連通気孔から噴き出す気泡によって連通気孔の
開口部での金属めっき相析出を阻止するため、連通気孔
とほぼ等しい口径を維持したまま電着砥粒層が成長し、
全長に亙って内径が一定の給液孔が形成できる。したが
って、給液孔の口径設定が容易であるうえ、電着砥粒層
の厚さの影響を受けないために、使用寿命の長い多層状
の電着砥粒層が形成できる。さらに、連通気孔が砥粒で
塞がることがないため、従来よりも小さい口径の給液孔
を高い分布密度で形成することが可能である。
また、樹脂多孔質体を使用して連通気孔を形成した場
合には、給液孔の口径は樹脂多孔質体の繊維径に相当
し、また給液孔の分布密度は樹脂多孔質体のセル径に対
応するから、金属製の基体に孔を形成する方法では不可
能なほど小口径、高分布密度の給液孔を形成することが
容易で、製造コストも安くて済む。
さらに、樹脂多孔質体は、繊維径およびセル径が広範
囲に調整可能であるから、砥石の用途に応じて給液孔の
口径および分布密度を任意に設定できる利点も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる給液手段を有する砥石の一実施
例を示す断面拡大図、第2図は同砥石の製造方法に使用
される樹脂多孔質体を示す平面図、第3図は樹脂多孔質
体に耐熱被覆を形成した状態を示す断面拡大図、第4図
は樹脂多孔質体に金属を充填した状態を示す断面拡大
図、第5図は電着砥粒層の電着装置を示す構成図、第6
図は電着状態を示す断面拡大図である。また、第7図は
本発明の他の実施例を示す断面拡大図である。 一方、第8図および第9図は、従来技術の問題点を説明
するための断面拡大図である。 10……多孔性基体、11……金属充填層、 12……連通気孔、12A……導入口、 12B……導出口、14……耐熱被覆、 16……電着砥粒層、18……超砥粒、 20……金属めっき相、22……給液孔、 30……樹脂多孔質体、40……めっき槽、 50……金属被覆、51……気孔、 M……めっき液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−87397(JP,A) 特開 昭52−72988(JP,A) 特開 平3−190675(JP,A) 特開 昭56−126581(JP,A) 特開 昭63−174878(JP,A) 実開 平4−13260(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24D 3/10 B24D 3/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一面側から他面側に連通する多数の連通気
    孔を有する多孔性基体と、 この多孔性基体の前記一面に形成され、砥粒を金属めっ
    き相中に分散してなる電着砥粒層とを具備し、 この電着砥粒層には、前記連通気孔のそれぞれに連通
    し、電着砥粒層の研削面に開口する多数の給液孔が形成
    され、これら個々の給液孔の内径は電着砥粒層の厚さ方
    向に亘ってほぼ一定とされていることを特徴とする給液
    手段を有する砥石。
  2. 【請求項2】前記連通気孔は、前記多孔性基体の内部で
    3次元網目構造をなして広がっていることを特徴とする
    請求項1記載の給液手段を有する砥石。
  3. 【請求項3】前記電着砥粒層は、前記給液孔以外の部位
    においても多孔性構造とされていることを特徴とする請
    求項1または2記載の給液手段を有する砥石。
  4. 【請求項4】一面側から他面側に連通する多数の連通気
    孔を有し、少なくとも前記一面が導電性材料で構成され
    た多孔性基体を、砥粒を分散させた電解めっき液中に浸
    漬し、 前記他面側から前記各連通気孔にガスを供給して前記一
    面側から気泡を発生させつつ、この一面と対向して電解
    めっき液中に配置された陽極との間に通電し、前記一面
    上に金属めっき層を析出させて砥粒を単層状または多層
    状に固定し、電着砥粒層を形成することを特徴とする、
    給液手段を有する砥石の製造方法。
  5. 【請求項5】一面側から他面側に連通する多数の連通気
    孔を有する多孔性基体を、砥粒を分散させた無電解めっ
    き液中に浸漬し、 前記他面側から前記各連通気孔にガスを供給して、前記
    一面側から気泡を発生させつつ、この一面上に金属めっ
    き相を析出させて砥粒を単層状または多層状に固定し、
    電着砥粒層を形成することを特徴とする、給液手段を有
    する砥石の製造方法。
  6. 【請求項6】前記電着砥粒層を形成した後に、この電着
    砥粒層のみを多孔性基板から剥離させて砥石とすること
    を特徴とする請求項4または5記載の、給液手段を有す
    る砥石の製造方法。
  7. 【請求項7】前記多孔性基体は、 3次元網目構造を有する樹脂多孔質体に高融点金属また
    はセラミックスの耐熱被覆を形成し、 この被覆した樹脂多孔質体の内部に、前記耐熱被覆より
    も低融点の金属溶湯を充填して固化させた後、 この固化体の両面を除去し、前記連通気孔の両端を露出
    させることを特徴とする請求項4,5または6記載の、給
    液手段を有する砥石の製造方法。
  8. 【請求項8】前記砥粒の表面には導電性被覆層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項4,5,6または7記載
    の、給液手段を有する砥石の製造方法。
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