JP3041944B2 - 偏向コイル装置 - Google Patents

偏向コイル装置

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JP3041944B2 JP2298981A JP29898190A JP3041944B2 JP 3041944 B2 JP3041944 B2 JP 3041944B2 JP 2298981 A JP2298981 A JP 2298981A JP 29898190 A JP29898190 A JP 29898190A JP 3041944 B2 JP3041944 B2 JP 3041944B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は偏向コイル装置、特に水平コイルがサドル型
に巻回された偏向コイル装置の共振が原因となって発生
する水平帰線期間直後の画面左側に生ずる縦縞状のリン
ギングを防止した偏向コイル装置に関する。
〔発明の概要〕
本発明のサドル型水平コイルを具備している偏向コイ
ル装置では、サドル型水平コイルがセクション用セパレ
ータに巻回されており、このセクション用セパレータに
補助コイルを巻回し、これを閉回路構成にして前記サド
ル型水平コイルの不要な共振をダンプするようにした。
〔従来の技術〕
従来、垂直コイルがトロイダル状に巻回された偏向ヨ
ークとして、水平コイルにサドル型、垂直コイルにトロ
イダル型を使用したテレビジョン受像機においては、第
4図に平面構成図で示したように画面1の左側端に5〜
6本の縦縞模様2が現われることがあった。この現象は
リンギング現象といわれ、画質を著しくそこなうもので
あった。第5図は水平コイルがサドル型に、垂直コイル
がトロイダル型に巻回された偏向ヨークの一例を説明す
るための断面構成図である。図において、3は環状に形
成されたトロイダルコアで、このトロイダルコア3には
それぞれ対向部分にトロイダル型に垂直コイル4,5およ
びサドル型に水平コイル6,7が各一対ずつ巻回して構成
されている。
このような構成によると、垂直コイル4,5は、各巻線
間の分布容量と微少巻線部分のインダクタンスとで形成
する種々の周波数の共振回路を含み持つことになる。し
たがって、水平コイル6,7に水平偏向電流が供給される
と、帰線期間のように電流変化の激しい所では共振現象
を起し、トロイダルコア3の内部には電子ビームを水平
に偏向する磁界としての水平偏向磁界8に振動磁界が重
畳される。そして、この振動磁界は帰線期間の始めから
走査期間の最初の部分まで振動が持続するため、走査の
初めに対応する画面左側端での電子ビームは前記振動磁
界で速度変調を受け、この結果、第4図に示したように
画面1の左側端には縦縞模様2のリンギング現象が発生
する。第6図はこのようなリンギング現象がみられる時
の水平偏向コイルの電圧電流の波形を示したものでAは
水平偏向コイル電圧、Bは水平偏向コイル電流の波形で
ある。
このようなリンギング現象を改善したものとしては、
第7図に示すようにトロイダル型垂直コイル4,5のそれ
ぞれの両端部に合計4個の補助コイル9,10,11,12を設け
たものが知られている。これらの補助コイルはそれぞれ
独立して抵抗とコンデンサを直列又は並列に接続した回
路で終端されている。又、4個の補助コイルすべてを直
列持続したものに抵抗とコンデンサを直列又は並列に接
続した回路を終端させている場合もある。
次に、垂直コイルがサドル型の場合の従来技術につい
て説明する。サドル型垂直コイル(図示せず)もトロイ
ダル型の場合と同様に各線間の分布容量と微少巻線部分
のインダクタンスとで形成する種々の周波数の共振回路
を含み持っている。したがって、水平偏向電流が供給さ
れると、共振現象を起し、水平偏向磁界に振動磁界が重
畳される。そして前記トロイダル型の場合と同じよう
に、帰線期間の始めから走査期間の最初の部分まで振動
が持続し、第4図の様に画面1の左側端にリンギング現
象が発生する。
〔発明が解決しようとする課題〕
この場合のリンギング現象対策としては、これまで中
間タップ方式、逆巻き方式等が行なわれてきた。中間タ
ップ方式は対になっている一方のコイルの中間よりタッ
プを出してそのタップとコイルの巻き初め或いは巻き終
りとの間に適当な値のコンデンサを接続し共振回路を構
成し、他方のコイルの浮遊容量による共振エネルギーを
相殺するようにしたものである。しかしこの方法では製
造工程が複雑になってしまうという問題点があった。
本発明は前記問題を解決し、簡単な方法でリンギング
現象を防止できるようにした偏向ヨークを提供すること
を目的としている。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を達成するために、サドル型水平コ
イルが巻回されたセクション用セパレータに補助コイル
を巻回し、この補助コイルを前記サドル型水平コイルの
作る主磁界発生方向と逆方向の偏向磁界を発生するよう
に閉回路構成にした。
〔作用〕
サドル型水平コイルが巻回されたセクション用セパレ
ータに補助コイルを巻回し、その補助コイルの両端に、
抵抗とコンデンサを並列又は直列に接続した回路をもっ
て終端させ閉回路を形成させる。こうすることにより、
補助コイルは磁心を介してサドル型水平コイルと磁気的
に結合することになり、サドル型水平コイルにビーム偏
向電流を流すと、補助コイルに電流が流れる。ここで補
助コイルのコンデンサの値を選んでその共振周波数をサ
ドル型水平コイルのリンギング周波数に近いものに設定
すれば、補助コイルに共振電流が流れ、その分エネルギ
ーが消費されてダンプされる。したがって総体的にサド
ル型水平コイルに流れる電流のうちでリンギング現象に
関係する周波数成分の電流の値は小さくなる。したがっ
て画面の左側端に現われる縦縞模様は消えるか又は目立
たなくなる。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
(a) 第1の実施例の説明 第1図は水平コイルがサドル型に巻回された第1の実
施例の偏向ヨーク(偏向コイル装置)の分解斜視図であ
る。図において、トロイダルコア17に固着されたセパレ
ータA,19、セパレータB,20にそってサドル型垂直コイル
がトロイダルコア17の内側に巻回されてはりつけられて
いる。更にその内側にサドル型セクション用セパレータ
18が装着されており、又、その内側にサドル型水平コイ
ル13がサドル型セクション用セパレータ18の案内溝25に
沿って巻回されている。本発明の補助コイル21,22,23,2
4は、サドル型垂直コイル15,16と同じようにトロイダル
コア17の内側に巻回して装着される。本発明の場合は、
トロイダルコア17の画面側から電子銃側へ短冊状に所定
の数だけ(例えば本実施例の場合は5回)巻回したもの
を4個設けている。この補助コイル21,22,23,24は独立
してそれぞれ抵抗とコンデンサ(図示せず)より成る回
路で終端されている。
このように構成することにより、補助コイル21,22,2
3,24はトロイダルコア17を介してサドル型水平コイル13
と磁気的に結合する。補助コイル21,22,23,24のそれぞ
れのコンデンサの値を選んでその共振周波数をサドル型
水平コイル13のリンギング周波数に近いものに設定すれ
ば、補助コイル21,22,23,24のそれぞれに共振電流が流
れ、その結果、エネルギーが抵抗で消費されダンプされ
リンギング現象に関係する周波数成分の電流の値は小さ
くなる。第2図は本実施例の対策後の水平偏向コイル電
圧と水平偏向コイル電流の波形を示したものである。第
6図と比較してみて分る通りリンギングは消えている。
なお、この実施例では補助コイル4個を独立に抵抗と
コンデンサによる回路で終端させているが、別の方法と
して補助コイル4個全てを直列に接続してから抵抗とコ
ンデンサによる回路で終端してもよい。又、2個づつで
もよい。
(b) 第2の実施例の説明 第3図は、補助コイルをサドル型水平コイルのセパレ
ータに装着したもので、補助コイルをつけたサドル型セ
クション用セパレータ18の正面図である。これは上下対
になっているセパレータの上半分を示したもので、補助
コイルも4個のうち2個しか図示していない。この補助
コイルをつけたサドル型セクション用セパレータ18の案
内溝に沿ってサドル型の水平コイル(図示せず)が巻回
される。
この図において、補助コイル26,28はサドル型セクシ
ョン用セパレータ18の案内溝に沿って画面側から電子銃
側に短冊状に所定の回数(本実施例の場合、例えば5
回)だけ巻回され、線のはし27,29には抵抗とコンデン
サより構成される回路が接続され、それぞれ閉回路を形
成する。補助コイルの装着場所としてはサドル型水平コ
イル13の窓部(第1図の30)を避ければよい。第1の実
施例と比較しての差異については特記すべきものはな
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、サドル型水平偏向コイルにリン
ギング現象対策として本発明の補助コイルを用いれば、
中間タップ方式、逆巻き方式のように線の巻き方を変え
たサドル型水平偏向コイルを対にして用いる必要がなく
なる。即ち、全く同じ仕様のサドル型水平偏向コイルを
2個組合せてリンギング対策ができる。又、サドル型水
平偏向コイルを巻回した後でも補助コイルの調整が可能
である。したがって生産性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は第一の実施例の偏向ヨーク(偏向コイル装置)
の分解斜視図、第2図Aは本実施例の水平偏向コイル電
圧波形図、第2図Bは水平偏向コイル電流波形図、第3
図は補助コイルをつけたサドル型セクション用セパレー
タの正面図、第4図はテレビ画面の平面構成図、第5図
は偏向ヨーク断面構成図、第6図Aは水平偏向コイル電
圧波形図、第6図Bは水平偏向コイル電流波形図、第7
図はトロイダルコアに巻回された補助コイルの断面模式
図を示したものである。 2……縦縞模様 3……トロイダルコア 4,5……トロイダル型垂直コイル 6,7……サドル型水平コイル 8……水平偏向磁界 9,10,11,12……補助コイル 13,14……サドル型水平コイル 15,16……サドル型垂直コイル 17……トロイダルコア 18……サドル型セクション用セパレータ 19……セパレータA 20……セパレータB 21,22,23,24……補助コイル 26,28……補助コイル 30……サドル型水平コイルの窓部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー受像管の電子ビームを偏向させるた
    めに、セクション用セパレータに巻回されたサドル型水
    平コイルを具備している偏向コイル装置において、 前記サドル型水平コイルが巻回された前記セクション用
    セパレータに補助コイルを巻回し、 この補助コイルを前記サドル型水平コイルの作る主磁界
    発生方向と逆方向の偏向磁界を発生する閉回路構成にし
    た ことを特徴とする偏向コイル装置。
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