JP3041691B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3041691B2
JP3041691B2 JP10289136A JP28913698A JP3041691B2 JP 3041691 B2 JP3041691 B2 JP 3041691B2 JP 10289136 A JP10289136 A JP 10289136A JP 28913698 A JP28913698 A JP 28913698A JP 3041691 B2 JP3041691 B2 JP 3041691B2
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智嗣 平田
啓二 塚田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気共鳴イメージン
グ装置に係り、特に撮影視野を指定した際に、高い空間
分解能で撮影を行うことのできる磁気共鳴イメージング
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)装置
は、被検体を横切る任意の平面内の水分子に磁気共鳴を
起こさせ、それによって発生する磁気共鳴信号からその
平面内における断層像を得る医用画像診断装置である。
一般的には、被検体の断層像を得ようとする平面を特定
するスライス傾斜磁場を印加すると同時にその平面内の
磁化を励起させる励起パルスを与え、これにより励起さ
れた磁化が収束する段階で発生する磁気共鳴信号(エコ
ー)を得る。磁化に位置情報を与えるため、励起からエ
コーを得るまでの間に、断層面内で互いに垂直な方向の
位相エンコード傾斜磁場とリードアウト傾斜磁場を印加
する。計測されたエコーは、横軸をkx、縦軸をkyと
するk空間と呼ばれるメモリに格納される。1つのエコ
ーは、kx軸に平行な1本のラインを占める。このk空
間に対して逆フーリエ変換することによって画像再構成
が行われる。
【0003】エコーを発生させるためのパルスと各傾斜
磁場は、あらかじめ設定されたパルスシーケンスに基づ
いて印加されるようになっている。このパルスシーケン
スは、目的に応じて種々のものが知られている。例え
ば、最も一般的な撮影法であるスピンエコー(SE)法
は、そのパルスシーケンスを繰り返して作動させ、繰り
返しごとに位相エンコード傾斜磁場を順次変化させるこ
とにより、1枚の断層像を得るために必要な数のエコー
を順次計測していく方法である。
【0004】図15にSE法のパルスシーケンスの一例
を示す。このパルスシーケンスの動作は以下のとおりで
ある。すなわち、スライス傾斜磁場1の印加とともに磁
化励起用高周波磁場(RF)パルス2を印加し、対象物
体内のあるスライスに磁気共鳴現象を誘起する。磁化の
位相に位相エンコード方向の位置情報を付加するための
位相エンコード傾斜磁場パルス3を印加してディフェー
ズ用リードアウト傾斜磁場4を印加した後、エコーを生
成するためにスライス傾斜磁場5とともに180度パル
ス6を印加する。そして、リードアウト方向の位置情報
を付加するためのリードアウト傾斜磁場パルス7を印加
しながら磁気共鳴信号(エコー)8を計測する。
【0005】以上の手順を繰り返し時間TRで繰り返
し、1枚の画像を得るのに必要なエコーを計測する。各
エコーは、図16のようにk空間上に配置され、2次元
逆フーリエ変換によって画像再構成される。
【0006】この方法では、1回のパルスシーケンス作
動で1個のエコーしか計測せず、通常256回の繰り返
しにより256個のエコーを計測する。SE画像は非常
に高画質であるため、形態画像の撮影に広く用いられて
いる。ただし、パルスシーケンスの繰り返しごとに、励
起された磁化が平衡状態になるまでの待ち時間が必要な
ため、撮影時間が長くなる。パルスシーケンスの繰り返
し時間は通常数秒であり、撮影時間は10分程度であ
る。
【0007】2次元のMRI撮影において視野の指定
は、通常、その大きさを数値で指定し、断面位置を断面
決定用の参照画像上で指定することによって行われる。
この参照画像は本撮影の視野に対して垂直な断面をも
ち、本撮影の前に撮影される。図17に、参照画像
(a)とそれを用いて指定した視野の画像(b)を示
す。ここでは、ヒト頭部の冠状面の画像13を撮影しよ
うとしており、参照画像はそれに垂直な矢状面11であ
る。視野断面の指定は、この矢状面上で例えば図の上下
方向に線分12を移動させてその断面位置を指定するこ
とによって行う。本撮影の視野断面は、この線分を含み
参照画像に垂直な面となる。
【0008】2次元撮影においては、本撮影の画像と同
じスライス面の参照画像を用いる場合もある。この場合
には、参照画像を見ながら視野の大きさを数値で指定す
る。以上いずれにおいても視野の中心は、常に磁石空間
の原点である。
【0009】3次元撮影の場合には、撮影したい部位を
磁石空間の中心に配置し、視野の大きさを数値で指定す
るのが普通である。例えばヒト頭部の3次元撮影では、
頭部が磁石空間の中心になるように被検体を寝かせたベ
ッドを移動させ、視野の大きさを26cm×26cm×
26cmというように指定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た視野の指定方法は、一度撮影した画像上の任意の領域
を拡大して再び撮影しようとする場合などの高分解能撮
影には適していない。すなわち、2次元撮影では、参照
画像と撮影画像の断面の方向が一致していないため、同
一断面内の任意の領域を倍率を変えながら繰り返し撮影
することができないという欠点がある。一致している場
合でも、視野の中心が磁石の中心に固定されているた
め、これを変更する場合にはベッドを動かさなければな
らない。
【0011】本発明の目的は、高分解能撮影を行う際
に、視野を容易に指定することができる磁気共鳴イメー
ジング装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、静磁場を発生する静磁場発生手段と、傾
斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発
生する高周波磁場発生手段と、前記静磁場内に置かれた
検査対象に前記傾斜磁場および前記高周波磁場を印加し
たときの、前記検査対象からの磁気共鳴信号を検出する
信号検出手段と、検出した前記磁気共鳴信号から前記検
査対象のスライス面の全体の断層画像を再構成する画像
演算手段と、再構成した前記スライス面の全体の断層画
像を第1の画像として表示画面上に表示する画像表示手
段と、前記表示画面に表示された前記第1の画像に対し
て当該表示画面上で撮影視野を指定する撮影視野指定手
段と、前記指定された撮影視野で前記検査対象の断層画
像を第2の画像として撮影し、前記第2の画像を前記表
示画面全体に表示する撮影制御手段とを備え、前記撮影
制御手段は、前記傾斜磁場の印加を伴う複数個の高周波
磁場パルスの照射によって磁化を励起してエコー群を計
測し、該エコー群から前記第2の画像が再構成されてい
るとき、前記撮影制御手段は、前記第2の画像の視野と
前記複数個の高周波磁場パルスにより励起される領域の
幅を等しく設定し、かつ前記複数個の高周波磁場パルス
の搬送波周波数を前記第2の画像の視野の中心における
周波数に等しく設定することを特徴としている。また、
本発明は、静磁場を発生する静磁場発生手段と、傾斜磁
場を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発生す
る高周波磁場発生手段と、前記静磁場内に置かれた検査
対象に前記傾斜磁場および前記高周波磁場を印加したと
きの、前記検査対象からの磁気共鳴信号を検出する信号
検出手段と、検出した前記磁気共鳴信号から前記検査対
象のスライス面の全体の断層画像を再構成する画像演算
手段と、再構成した前記スライス面の全体の断層画像を
第1の画像として表示画面上に表示する画像表示手段
と、前記表示画面に表示された前記第1の画像に対して
当該表示画面上で撮影視野を指定する撮影視野指定手段
と、前記指定された撮影視野で前記検査対象の断層画像
を第2の画像として撮影し、前記第2の画像を前記表示
画面全体に表示する撮影制御手段とを備え、前記撮影制
御手段は、前記傾斜磁場の印加を伴う、全体が周期Tの
sinc関数によって振幅変調された複 数個の高周波磁
場パルスの照射によって磁化を励起してエコー群を計測
して、前記第1と第2の画像を計測し、前記第2の画像
の前記傾斜磁場を印加する方向の画素の大きさが前記第
1の画像に対して1/mであるとき、前記撮影制御手段
は、前記第2の画像の計測時における前記傾斜磁場の強
度と前記周期Tとの積を前記第1の画像の計測時のm倍
に設定することを特徴としている。
【0013】上記構成よれば、表示画面上に第1の画像
が表示されているとき、画像上で注目すべき部位(詳細
に観察したい部位)が見つかったら、その部位に合わせ
て撮影視野を指定する。撮影視野の指定は撮影視野指定
手段を用いて行う。撮影視野が指定されると、撮影制御
手段は、指定された撮影視野を第2の画像として撮影
し、その撮影画像を表示画面に表示する。表示画面上に
表示された第2の画像は第1の画像よりも空間分解能が
高く、注目すべき部位の詳細を知ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1は、磁気共鳴イ
メージング装置の概略構成を示すブロック図である。図
で、31は静磁場を発生する静磁場発生マグネット、3
2は傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生コイル、33は被
検体(検査対象)であり、これは静磁場発生マグネット
31および傾斜磁場発生コイル32内に設置される。ま
た、シーケンサ34は傾斜磁場電源35と高周波磁場発
生器36に命令を送り、傾斜磁場および高周波磁場を発
生する。高周波磁場はプローブ37を通じて被検体33
に印加される。被検体33から発生した信号はプローブ
37によって受波され、受信器38で検波が行われる。
検波の基準とする磁気共鳴周波数(以下、検波基準周波
数と記す)は、シーケンサ34によりセットされる。検
波された信号は計算機39に送られ、ここで画像再構成
などの信号処理が行われる。結果はディスプレイ40に
表示される。必要に応じて、記憶媒体41に信号や測定
条件を記憶させることもできる。また、計算機39に
は、ポインティングデバイス44が接続されており、デ
ィスプレイ40上の任意の点を指し示すことができる。
【0015】静磁場均一度を調整する必要があるとき
は、シムコイル42を使う。シムコイル42は複数のチ
ャネルからなり、シム電源43により電流が供給され
る。静磁場均一度調整時には各コイルに流れる電流をシ
ーケンサ34により制御する。シーケンサ34はシム電
源43に命令を送り、静磁場不均一を補正するような付
加的な磁場をシムコイル42より発生させる。なお、シ
ーケンサ34は通常、予めプログラムされたタイミン
グ、強度で各装置が動作するように制御を行う。該プロ
グラムのうち、特に高周波磁場、傾斜磁場、信号受信の
タイミングや強度を記述したものはパルスシーケンスと
呼ばれている。
【0016】この装置を用いた本発明による2次元画像
の撮影手順を図2に示す流れ図を用いて説明する。ま
ず、スライス位置決定用参照画像を撮影し、本撮影のス
ライス位置と視野を決定する(ステップ101)。この
手順は、図1で説明した従来の方法と同様であり、参照
画像のスライス面は本撮影のスライス面と直交関係にあ
る。また、通常は被検体の断面が決定した視野内に収ま
るようにする。なお、スライス面があらかじめ決まって
いる場合には、この手順は省略してもよい。そして、ス
テップ101で決定したスライス面で1回目の本撮影を
行う(ステップ102)。この撮影により、注目してい
るスライス面の全体画像が得られる。
【0017】次に、画像内に注目すべき部位(例えば、
画像コントラストの異常から病巣と疑われる臓器)が発
見された場合などには、2回目の本撮影を行う。これに
はまず、1回目の本撮影で得られた画像上で撮影視野を
指定し(ステップ103)、その撮影視野で撮影を行う
(ステップ102)。
【0018】撮影視野の指定は、図3(a)に示すよう
に、注目したい部位にカーソル51を移動させ、クリッ
クすることにより行う。撮影視野は、クリックした位置
を中心とし、表示されている画像の1辺を1/2にした
矩形52(面積にして1/4)に設定されている。これ
により撮影される画像は、図3(b)のようになる。こ
の2回目の撮影では、注目部位のより詳細な情報を得た
いため、1回目の撮影よりも空間分解能を高くするのが
普通である。以後、注目部位の十分な情報が得られるま
で、ステップ102と103を繰り返して撮影を終了す
る。
【0019】撮影視野の指定には、以下のような方法を
用いてもよい。すなわち、図4に示すように視野を示す
矩形53を移動させ、撮影したい部位がそれに含まれる
ように配置するという方法である。あるいは、図5に示
すように、カーソル54を用いて異なる位置の2点を指
定し、その2点を結ぶ線分が視野55の対角線56とな
るようにする方法でもよい。この方法によると、視野の
位置を直感的に把握しやすい。なお、図3と図4におけ
る矩形の大きさは、必要に応じて任意に調整することも
可能である。
【0020】3次元画像を撮影する場合には、以上の説
明において矩形となっていた視野の形状を直方体とする
ことにより、同様の手順で視野を指定することができ
る。
【0021】以上の撮影において、受信器38のフィル
タがローパスフィルタの場合には、従来とは異なり、リ
ードアウト方向の視野の中心が必ずしも傾斜磁場の原点
とはならないため、エコーをサンプリングする際の検波
基準周波数を視野の中心位置に応じて変更した方がよ
い。図6は、リードアウト方向の視野の中心61と傾斜
磁場の原点62が一致している場合の被検体のプロジェ
クション63とリードアウト傾斜磁場64を示してい
る。この場合には、従来同様、検波基準周波数を傾斜磁
場の原点の周波数γ・H0 としてエコーをサンプリング
する(65)。ここで、γは磁気回転比、H0 は静磁場
強度である。エコーの周波数は磁場強度に比例するた
め、受信器38のフィルタ帯域は、視野の幅66と等し
くする。
【0022】これに対して図7のように傾斜磁場の原点
とリードアウト方向の視野の中心が一致していない場合
には、検波基準周波数を視野原点の周波数γ・(H0+
Gx・x0 )とする(67)。ここで、Gx はエコーサ
ンプリング時のリードアウト方向の傾斜磁場強度、x0
はリードアウト方向の視野中心位置である。こうするこ
とにより、受信器38のフィルタ帯域は、図6と同様、
視野の幅68と等しくすることができる。もし、搬送波
周波数を視野に応じて変更せず、図7の場合にも傾斜磁
場中心の周波数65とした場合には、受信器38のフィ
ルタの帯域を69のように広くしなければならなくな
り、SN比が低下する。なお、受信器38のフィルタが
バンドパスフィルタの場合には、検波基準周波数を変更
する必要はなく、バンドパスフィルタの帯域を68とす
る。
【0023】このように検波基準周波数を変更する場合
の撮影手順は図8のようになる。ここで、ステップ10
1,102,103は図2の場合と同じである。すなわ
ち、まず、スライス位置決定用参照画像を撮影し、本撮
影のスライス位置と視野を決定し(ステップ101)、
その決定したスライス面で1回目の本撮影を行う(ステ
ップ102)。次に、画像内に注目すべき部位が発見さ
れた場合には、2回目の本撮影を行う。このとき、1回
目の本撮影で得られた画像上で視野を指定し(ステップ
103)、その視野で撮影を行う(ステップ102)。
【0024】そして、本撮影手順では、ステップ102
における本撮影を実施する前に、検波基準周波数をステ
ップ103で指定した視野中心の周波数に設定する(ス
テップ110)。以後、注目部位の十分な情報が得られ
るまで、ステップ102,103,110を繰り返して
撮影を終了する。なお、周波数は、ステップ102にお
いて本撮影を行うためのシーケンス実行中に変更するこ
とも可能である。
【0025】被検体が視野からはみ出している場合に
は、画像に折り返しが発生するという問題がある。これ
に対しては、従来から行われている方法を用いて以下の
ように対処することができる。すなわち、リードアウト
方向には、パルスシーケンスの視野の大きさを指定した
大きさよりも大きくすることにより折り返しの問題を防
ぐことができる。通常は、サンプリング点を2倍、サン
プリングレートを1/2にしてこれを実現する。
【0026】一方、位相エンコード方向には、撮影に先
立って領域選択用のパルスシーケンスを実行しておく。
この場合の撮影手順を図9に示す。ここで、ステップ1
01,102,103は図2の場合と同じである。すな
わち、まず、スライス位置決定用参照画像を撮影し、本
撮影のスライス位置と視野を決定し(ステップ10
1)、その決定したスライス面で1回目の本撮影を行う
(ステップ102)。次に、画像内に注目すべき部位が
発見された場合には、2回目の本撮影を行う。このと
き、1回目の本撮影で得られた画像上で視野を指定し
(ステップ103)、その視野で撮影を行う(ステップ
102)。
【0027】そして、本撮影手順では、ステップ102
における本撮影を実施する前に、視野外の領域の磁化を
飽和させるパルスシーケンスを実施し、信号の出ない状
態にしておく(ステップ120)。以後、注目部位の十
分な情報が得られるまで、ステップ102,103,1
20を繰り返して撮影を終了する。
【0028】ここで、ステップ120において視野外を
飽和させる方法を図10および図11を用いて説明す
る。図10はこのパルスシーケンスの一例、図11は、
被検体71と視野72との関係を示す。図11におい
て、xはリードアウト方向、yは位相エンコード方向で
あり、図10において、75は撮影用パルスシーケンス
である。領域選択部76は、まず、RFパルス77と傾
斜磁場パルス78によってy方向の視野72の外73だ
けを励起し、クラッシャー傾斜磁場パルス79によって
この領域を飽和させる。次に、同様にRFパルス80と
傾斜磁場パルス81によって、y方向の視野72の外7
4だけを励起し、クラッシャーパルス82によってこの
領域を飽和させる。飽和させたい領域は、RFパルスの
搬送波周波数を変えることによって任意に選択すること
ができる。あるいは、飽和させたい領域が傾斜磁場の原
点に対して対称である場合には、搬送波周波数を一定に
して傾斜磁場パルス78と81の極性を反転させてもよ
い。
【0029】なお、図10のパルスシーケンスでは励起
を2回に分けて行ったが、励起プロファイルが73と7
4だけになるようなRFパルスを用いれば、1回の励起
とクラッシャー傾斜磁場パルスの印加で視野外の飽和を
行うことが可能である。このようなRFパルスの波形
は、最も簡単には、励起プロファイルを逆フーリエ変換
することによって作成することができる。
【0030】以上の方法で、視野外の領域73と74を
信号の出ない状態にすれば、位相エンコード方向の励起
可能な領域を視野の範囲だけに絞ることができる。その
直後に撮影を開始すれば、折り返しの問題はなくなる。
【0031】位相エンコード方向の領域選択を行う別の
方法として、以下のような方法もある。すなわち、図1
5の180度パルス6と傾斜磁場パルス5の代わりに、
図12に示すように2個の180度パルス85と86を
用いる方法である。図12において、xはリードアウト
方向、yは位相エンコード方向、zはスライス方向であ
る。この方法では、まず180度パルス85と傾斜磁場
パルス87によって位相エンコード方向の視野の範囲を
選択し、180度パルス85と傾斜磁場パルス87によ
ってスライス方向の選択を行っている。この他に、1個
のRFパルスによって2次元の領域を選択する方法を用
いることもできる。この方法の詳細については、C.J.Ha
rdy and H.E.Cline,"Spatial Localization in Two Dim
ensionsUsing NMR Designer Pulses," J.of Magn.Reso
n.,vol.82,pp.647-654,1989にある。
【0032】次に、撮影シーケンスとして振幅変調バー
スト法を用いた場合の実施例を説明する。振幅変調バー
スト法は、特別な付加装置を必要とせずに撮影時間をミ
リ秒オーダまで短縮できる超高速撮影法であり、高分解
能撮影にも応用可能である。振幅変調バースト法につい
ては特願平07−117015に、また、振幅変調バー
スト法を用いた高分解能撮影法については、特願平08
−74960に詳しく述べられている。
【0033】振幅変調バースト法では、励起パルスに図
13(a)に示すような振幅変調バーストパルスを用い
ている。このパルスは、それぞれがsinc関数の形状
をもつサブパルス91から成り、サブパルス全体は周期
Tのsinc関数92で振幅変調されている。図13
(b)は、このパルスとx方向(リードアウト方向)の
傾斜磁場Gxを同時に印加した場合の励起プロファイル
である。図13の(a)と(b)とはフーリエ変換の関
係にある。励起プロファイルは細いストリップ状にな
り、振幅変調バースト法を用いた高分解能撮影法では、
再構成された画像の空間分解能が、このストリップ93
の幅 d = 1 / (γ・Gx・T) ……… (1) と等しくなる。
【0034】このパルスを用いた場合、x方向の励起範
囲Wは、サブパルスの形状がn山のsinc関数で印加
時間がtのとき、 W = (n + 1) / (γ・Gx・t) ……… (2) となり、その外側の磁化は励起されない。したがって、
指定した視野とWを等しくしておけば、必ずしも上述の
ように倍サンプリングをして視野を限定する必要はなく
なる。なお、x方向の視野の中心が傾斜磁場の中心と一
致しない場合には、エコーサンプリングの搬送波だけで
はなく、励起パルスの搬送波の周波数もγ・(H0+G
x・x0)とする。
【0035】振幅変調バースト法を用いた撮影では、空
間分解能が変更された場合には(1)式よりGxかTを
変更すればよい。また、視野の大きさが変更された場合
には(2)式よりGxかtを変更すればよい。
【0036】例えば、空間分解能が変更された場合の撮
影手順は図14のようになる。ここで、ステップ10
1,102,103は図2の場合と同じである。すなわ
ち、まず、スライス位置決定用参照画像を撮影し、本撮
影のスライス位置と視野を決定し(ステップ101)、
その決定したスライス面で1回目の本撮影を行う(ステ
ップ102)。この撮影により、注目しているスライス
面の全体画像が得られる。このときの画素の大きさをd
(i)とする。次に、画像内に注目すべき部位が発見され
た場合には、2回目の本撮影を行う。この場合、1回目
の本撮影で得られた画像上で視野を指定し(ステップ1
03)、その視野で撮影を行う(ステップ102)。ス
テップ103で視野を指定した結果、画素の大きさがd
(i+1)になった場合、この空間分解能を実現するた
め、ステップ102における本撮影を実施する前に、G
xとTの積が直前の撮影のd(i)/d(i+1)倍になる
ように変更する(ステップ130)。以後、注目部位の
十分な情報が得られるまで、ステップ102,103,
130を繰り返して撮影を終了する。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、画像上で注目すべき部位が見つかった場合、その
部位に合わせて撮影視野を指定してから本撮影を行うこ
とができるので、検査対象に対して任意の部位を高分解
能で容易に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の全体
構成図である。
【図2】撮影手順のフローチャートである。
【図3】視野指定方法の一例を示した図である。
【図4】視野指定方法の他の例を示した図である。
【図5】視野指定方法の更に他の例を示した図である。
【図6】視野と検波基準周波数との関係を説明した図で
ある。
【図7】視野と検波基準周波数との関係を説明した図で
ある。
【図8】検波基準周波数を変更した場合の撮影手順のフ
ローチャートである。
【図9】領域選択用のパルスシーケンスを実行して撮影
する場合のフローチャートである。
【図10】領域選択用のパルスシーケンスを示した図で
ある。
【図11】領域選択を説明した図である。
【図12】領域選択用の他のパルスシーケンスを示した
図である。
【図13】振幅変調バースト法と視野との関係を示した
図である。
【図14】空間分解能が変更された場合の撮影手順のフ
ローチャートである。
【図15】SE法のパルスシーケンスを示した図であ
る。
【図16】k空間上にエコーが配置される様子を示した
図である。
【図17】従来の視野指定方法を示しており、(a)は
参照画像を、(b)は視野の画像をそれぞれ示した図で
ある。
【符号の説明】
31 静磁場発生マグネット(静磁場発生手段) 32 傾斜磁場発生コイル(傾斜磁場発生手段) 33 被検体 34 シーケンサ(撮影制御手段) 35 傾斜磁場電源 36 高周波磁場発生器(高周波磁場発生手段) 37 プローブ(信号検出手段) 38 受信器 39 計算機(画像演算手段) 40 ディスプレイ(画像表示手段) 41 記憶媒体 42 シムコイル 43 シム電源 44 ポインティングデバイス(撮影視野指定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 啓二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 清水 博道 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株式会社 日立メディコ内 (56)参考文献 特開 昭63−192430(JP,A) 特開 平2−246930(JP,A) 特開 平7−255693(JP,A) 特開 平3−15443(JP,A) 特開 平4−30830(JP,A) 特開 平8−89492(JP,A) 特開 平8−308809(JP,A) 特開 平9−262219(JP,A) 特公 平3−65973(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 A61B 6/00 - 6/14 313 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場を発生する静磁場発生手段と、傾
    斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発
    生する高周波磁場発生手段と、前記静磁場内に置かれた
    検査対象に前記傾斜磁場および前記高周波磁場を印加し
    たときの、前記検査対象からの磁気共鳴信号を検出する
    信号検出手段と、検出した前記磁気共鳴信号から前記検
    査対象のスライス面の全体の断層画像を再構成する画像
    演算手段と、再構成した前記スライス面の全体の断層画
    像を第1の画像として表示画面上に表示する画像表示手
    段と、前記表示画面に表示された前記第1の画像に対し
    て当該表示画面上で撮影視野を指定する撮影視野指定手
    段と、前記指定された撮影視野で前記検査対象の断層画
    像を第2の画像として撮影し、前記第2の画像を前記表
    示画面全体に表示する撮影制御手段とを備え、前記撮影
    制御手段は、前記傾斜磁場の印加を伴う複数個の高周波
    磁場パルスの照射によって磁化を励起してエコー群を計
    測し、該エコー群から前記第2の画像が再構成されてい
    るとき、前記撮影制御手段は、前記第2の画像の視野と
    前記複数個の高周波磁場パルスにより励起される領域の
    幅を等しく設定し、かつ前記複数個の高周波磁場パルス
    の搬送波周波数を前記第2の画像の視野の中心における
    周波数に等しく設定することを特徴とする磁気共鳴イメ
    ージング装置。
  2. 【請求項2】 静磁場を発生する静磁場発生手段と、傾
    斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発
    生する高周波磁場発生手段と、前記静磁場内に置かれた
    検査対象に前記傾斜磁場および前記高周波磁場を印加し
    たときの、前記検査対象からの磁気共鳴信号を検出する
    信号検出手段と、検出した前記磁気共鳴信号から前記検
    査対象のスライス面の全体の断層画像を再構成する画像
    演算手段と、再構成した前記スライス面の全体の断層画
    像を第1の画像として表示画面上に表示する画像表示手
    段と、前記表示画面に表示された前記第1の画像に対し
    て当該表示画面上で撮影視野を指定する撮影視野指定手
    段と、前記指定された撮影視野で前記検査対象の断層画
    像を第2の画像として撮影し、前記第2の画像を前記表
    示画面全体に表示する撮影制御手段とを備え、前記撮影
    制御手段は、前記傾斜磁場の印加を伴う、全体が周期T
    のsinc関数によって振幅変調された複数個の高周波
    磁場パルスの照射によって磁化を励起してエコー群を計
    測して、前記第1と第2の画像を計測し、前記第2の画
    像の前記傾斜磁場を印加する方向の画素の大きさが前記
    第1の画像に対して1/mであるとき、前記撮影制御手
    段は、前記第2の画像の計測時における前記傾斜磁場の
    強度と前記周期Tとの積を前記第1の画像の計測時のm
    倍に設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
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