JP3041683B2 - 磁気共鳴を用いた3次元撮影装置 - Google Patents

磁気共鳴を用いた3次元撮影装置

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JP3041683B2
JP3041683B2 JP10043311A JP4331198A JP3041683B2 JP 3041683 B2 JP3041683 B2 JP 3041683B2 JP 10043311 A JP10043311 A JP 10043311A JP 4331198 A JP4331198 A JP 4331198A JP 3041683 B2 JP3041683 B2 JP 3041683B2
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久晃 越智
陽 谷口
啓二 塚田
博道 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴を用い
3次元撮影装置に係わり、特に励起用の高周波磁場パ
ルス(RFパルス)に複数のサブパルスから構成されるR
Fバーストを用いることにより高速撮影する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴撮影(イメージング)装置は、
核磁気共鳴を利用して被写体の断層像を計測する装置で
あり、静磁場内に置かれた被写体に高周波磁場パルスと
傾斜磁場を印加して被写体内の原子核を励起し、これに
より発生する核磁気共鳴に伴うエコーを検出し、検出さ
れたエコーに基づいて被写体の所望領域の画像を再構成
するものである。
【0003】励起用に用いる高周波磁場パルス(RFパ
ルス)は、静磁場強度に比例した周波数を有する高周波
磁場をパルス状に形成したものである。このRFパルス
として、時間軸上に離散的に配列された複数のサブパル
スから構成されるRFバーストパルスを用いることが知
られている。
【0004】ここで、図11に示すように、RFバース
トの一連のサブパルス11の振幅をsinc関数12で変調
した高周波磁場バーストパルス(以下、単に振幅変調R
Fバーストという。)1を用いる方法が知られている
(特願平7-117015 )。このようなsinc関数で振幅変調
した時間軸上のRFバースト11をフーリエ変換する
と、同図に示すように、周波数軸上では特定の幅を持っ
た方形周期波14となる。ここで、時間軸上のRFバー
スト1を構成するサブパルス11の間隔をu[秒]とす
ると、周波数軸上の方形周期波の周期は1/u[Hz]
になる。また、sinc関数の周期をT[秒]とすると、周
波数軸上の方形周期波14の幅は1/T[Hz]とな
る。磁気共鳴イメージング装置では、傾斜磁場により計
測される周波数帯域が実空間上の座標に割り振られるた
め、周波数軸上での波形はそのまま原子核の実空間上の
励起プロファイル、すなわち横磁化の絶対値を表すこと
になる。特に、T=2uとした振幅変調RFバースト1
を励起RFパルスとして用いた場合、励起されている領
域と励起されていない領域が同じ体積で交互に現れるこ
とになる。したがって、図12に示すように、T=2u
の振幅変調RFバースト1-1の搬送周波数を1/(2
u)[Hz]だけシフトした振幅変調RFバースト1-
2をフーリエ変換すると、励起されている領域と励起さ
れていない領域がちょうど入れ替わることになる。そこ
で、このような2つの振幅変調RFバースト1-1、1-
2を被写体に印加することにより、被写体の撮影断面内
の原子核ほぼ全てを励起して撮影を行うことができるこ
とになる。
【0005】ここで、図12の2つの振幅変調RFバー
スト1-1、1-2を用いて被写体を撮影する具体的な撮
影シーケンスとしては、特願平8-74960に述べられてい
るが、その一例を図13に示す。図13の横軸は時間
を、縦軸はRFパルスや傾斜磁場等の強度を表す。図1
3の各軸に付した符号は、RFは高周波磁場パルス、G
rは直交3軸方向の傾斜磁場の内の第1軸方向の傾斜磁
場(リードアウト傾斜磁場)、Gpは第2軸方向の傾斜
磁場(位相エンコード傾斜磁場)、Gsは第3軸方向の
傾斜磁場(スライス傾斜磁場又は第2位相エンコード傾
斜磁場)、Echo核磁気共鳴に伴うエコーである。図示の
ように、5個のサブパルスから構成される第1の振幅変
調RFバースト1-1と、リードアウト傾斜磁場2と同
一方向の傾斜磁場とを同一時に印加して被写体内の原子
核を励起させる。次いで、第3の高周波磁場パルス(1
80度パルス)31とスライス傾斜磁場34を印加し
て、スライス傾斜磁場Gsの方向に垂直な特定の幅を持
った断面内(撮影断面)にある原子核の磁気モーメント
を反転させ、断面外にある原子核の磁気モーメントの位
相をバラバラにする。次に、リードアウト傾斜磁場2を
印加することにより、エコー群が発生する。そして、リ
ードアウト傾斜磁場2の極性(傾斜の向き)を反転し、
これを繰り返すことにより複数のエコー群を発生させ
て、画像再構成に必要な数のエコーを計測する。このと
き、リードアウト傾斜磁場2の極性反転の繰返しに同期
させて、位相エンコード傾斜磁場33の極性を反転を繰
り返す。そして、検出される一連のエコー群36-1を
2次元逆フーリエ変換することにより、リードアウト方
向と位相エンコード方向の空間情報を有する2次元画像
が得られる。次に、第1の振幅変調Rfバースト1-1
と同一の5個のサブパルスから構成され、搬送周波数を
1/(2u)[Hz]だけシフトした第2の振幅変調R
Fバースト1-2とリードアウト傾斜磁場2と同一方向
の傾斜磁場とを同一時に印加して被写体内の原子核を励
起させて、以下同様にエコー群36-2を計測する。こ
のようにして計測されたエコー群36-1及び36-2を
それぞれ2次元逆フーリエ変換した後、合成することに
より全体の画像が得られる。
【0006】上記の従来例は、sinc 関数で振幅変調し
たRFバーストの搬送周波数を互いにシフトした関係の
2つの振幅変調RFバーストを用いた磁気共鳴撮影につ
いて述べたが、特願平8-74960には、sinc 関数で振幅変
調したRFバーストの搬送周波数を互いにシフトした関
係の3つ以上の振幅変調RFバーストを用いた磁気共鳴
撮影法が記載されている。すなわち、sinc 関数で振幅
変調したRFバーストをフーリエ変換したときの周波数
軸上の方形周期波の幅、つまり励起幅をリードアウト傾
斜磁場方向の1画素の幅とする撮影について開示してい
る。例えば、sinc 関数で振幅変調したRFバーストの
搬送周波数を互いに異ならせてなる4つの振幅変調RF
バーストを励起用のRFパルスとして用い、RFバース
トを構成するサブパルスの間隔uと、RFバーストを振
幅変調した sinc 関数の周期Tの関係をT=4uにする
と、1つの振幅変調RFバーストで1ピクセル内の1/
4の領域を励起することができる。したがって、搬送周
波数を順次1/(4u)[Hz]シフトさせた4つの振
幅変調RFバーストを順次照射して撮影することによ
り、合計4枚の画像データを取得できる。そして、それ
らを2次元フーリエ変換した後、合成すれば、傾斜磁場
強度を大きくすることなくリードアウト方向の空間分解
能を向上させることが可能である。また、1回目から4
回目までの照射では、それぞれ励起する領域が異なるた
め、撮影の間には縦磁化の回復を待つための時間は必要
ない。
【0007】図13では、2次元画像を得るための撮影
シーケンスについて説明したが、3次元画像を得るため
には、例えば図14に示す撮影シーケンスを用いる。つ
まり、同図に示すように、図13におけるスライス傾斜
磁場34の代わりに、第2の位相エンコード傾斜磁場
(Gp2)4の強度を多段階に変化させながら印加して
エコーを計測し、それらを3次元逆フーリエ変換した
後、合成する必要がある。図14において、図13と同
一のものには同一の符号を付して説明を省略する。図1
3では、180度パルスを用いてスライスを選択する必
要があることから、180度パルスによるスピンエコー
も発生させているが、3次元撮影においては、スライス
選択は不要であるため、リードアウト傾斜磁場2の極性
反転によるフィールドエコーのみを発生させている。
【0008】このようにして、リードアウト傾斜磁場2
の極性反転ごとにエコー群が発生し、第1の振幅変調R
Fバースト1-1に対して複数のエコー群6-1-nと、
第2の振幅変調RFバースト1-2に対して複数のエコ
ー群6-2-nを計測する。そして、3次元画像を得るた
めには、図14のシーケンスを、第2の位相エンコード
傾斜磁場4の印加量を変化させながら、必要なn回の計
測を実行する。つまり、3次元画像の第2の位相エンコ
ード傾斜磁場4の方向の画素数と同じ回数nだけ変化さ
せて、エコー群を計測する。図14において、エコー群
6-1-nと記しているのは、第n番目の第2の位相エン
コード傾斜磁場印加量の時に計測したエコー群であるこ
とを示している。また、エコー群6-1-nの計測と、エ
コー群6-2-nの計測においては、それぞれ励起する領
域が異なるため、2つの計測の間には縦磁化の回復を待
つための時間は必要はなく、連続して実行することがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
において、エコー群6-1-nの計測とエコー群6-1-
(n+1)の計測は励起する領域が同じであるから、2
つの計測の間に縦磁化の回復を待つための時間をあけな
ければならない。一般に、磁気共鳴イメージング装置に
よる撮影においては、エコーの計測時間は数10ミリ秒
と短い。しかし、Trと呼ばれる繰り返しの計測時間
は、縦磁化の回復を待つために、励起フリップ角が90
度近い場合は一般に0.5秒〜2秒程度に設定されるこ
とが多い。このため、撮影全体に要する時間は長くな
る。
【0010】例えば、図14の撮影シーケンスを用い
て、第2の位相エンコード傾斜磁場4の印加方向の画素
数を16個とし、繰り返し時間を0.5秒とした場合の
撮影手順を図15に示す。なお、エコー群6-1-nの計
測に要する時間は、傾斜磁場発生装置の性能が高いほど
短縮できる。いま、傾斜磁場発生装置の性能を、最大傾
斜磁場強度30ミリテスラ/メートル、スリューレート
100テスラ/メートル/秒と仮定する。このとき、最
大傾斜磁場強度を出力するための立ち上がり時間は、3
0/0.1=250マイクロ秒である。また、リードア
ウト傾斜磁場印加方向の視野を19センチメートルと
し、リードアウト傾斜磁場印加方向の画素数を64個と
仮定し、第1の位相エンコード傾斜磁場印加方向の画素
数を64個と仮定する。第1の位相エンコード傾斜磁場
印加方向に対して、ハーフフーリエ像再構成法を適用
し、合計40個のエコーを計測して像再構成すると仮定
すると、図14のエコー群6-1-n計測に必要なリード
アウト傾斜磁場Grの反転回数は、40/5=8であ
る。1テスラにおける水素原子核の磁気共鳴周波数は、
約43メガHzであるため、エコー計測時のサンプリン
グレートは、1/(43*103)/30/0.19=
0.00000407となり、約4マイクロ秒である。
したがって、1つのエコーの計測に要する時間は4*3
2=128マイクロ秒である。5個のサブパルスに対応
する5個のエコー群の計測に要する時間は、128*7
=896マイクロ秒となる。リードアウト傾斜磁場の立
ち上がり時間を含めて、エコー群6-1-nの計測に要す
る時間は、(896+300)*8=9568となり、
10ミリ秒以下である。したがって、図15から明らか
なように、エコー計測に要する時間の合計は、10*2
*16=320ミリ秒以下と短いにもかかわらず、繰り
返し時間Trを0.5秒と設定した場合、3次元撮影全
体に要する時間は、500*15+10*2=7520
となり、約7.5秒もかかることが分かる。
【0011】上述したように、従来の3次元撮影方法
は、励起用の振幅変調バーストを印加してエコー群を計
測する撮影シーケンスを1回実行して2次元画像を得
て、これを3次元方向に繰り返し実行して3次元撮影を
行うものである。そのため、3次元方向の撮影シーケン
スを実行するたびに、縦磁化の回復を待つための0.5
秒〜2秒程度の無駄時間をあけなければならず、撮影全
体に要する時間が長くなるという問題点があった。
【0012】本発明は、3次元撮影の撮影全体に要する
時間を短縮することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、被写体に印加する静磁場を発生する静磁
場発生手段と、前記被写体に印加する直交3軸方向の傾
斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記被写体に印
加する高周波磁場パルスを発生する高周波磁場発生手段
と、前記被写体から発生するエコー信号を検出する信号
検出手段と、該信号検出手段により検出された前記磁気
共鳴信号に基づいて画像を再構成する演算手段と、前記
各手段を制御する制御手段とを備えてなる磁気共鳴を用
いた3次元磁気共鳴撮影装置であって、前記高周波磁場
発生手段は、時間軸上に離散して配列された複数の高周
波磁場サブパルスをsinc 関数で振幅変調してなる励起
用の高周波磁場バーストパルスを発生するものとし、前
記制御手段は、前記高周波磁場発生手段と前記傾斜磁場
発生手段とを制御して、前記被写体に前記高周波磁場バ
ーストパルスと前記直交3軸のうちの第1軸方向の傾斜
磁場と共に印加した後、第1軸方向の傾斜磁場をリード
アウト傾斜磁場として該傾斜磁場の傾きを反転しながら
繰返し印加し、該繰返し印加に同期させて前記直交3軸
のうちの第2軸方向の傾斜磁場を第1位相エンコード傾
斜磁場として該傾斜磁場の傾きを反転しながら、かつ該
軸方向の位相情報をシフトしながら繰返し印加して前記
エコー信号を発生させ、前記高周波磁場バーストパルス
の印加に係る核磁化の横磁化緩和時間内に、前記直交3
軸のうちの第3軸方向の傾斜磁場を第2位相エンコード
傾斜磁場として該軸方向の位相情報をシフトしながら繰
返し印加することにより、前記高周波磁場バーストパル
スによる1回の励起により3次元画像の再構成に必要な
複数のエコー群を計測する制御を、前記高周波バースト
パルスの搬送周波数をずらして複数回実行するものとし
ことを特徴とする。
【0014】つまり、第1,2軸方向の空間情報を付与
して得られる2次元画像情報を、核磁化の横磁化緩和時
間内(通常、0.15〜0.2秒程度)に、第3軸方向
の空間情報を変化させながら付与することにより、3次
元画像情報を得ることを特徴とする。これにより、高周
波磁場バーストパルス(振幅変調RFバースト)による
1回の励起により、3次元画像情報を得ることができる
から、振幅変調RFバーストによる励起の繰返しの回数
を大幅に減らすことができ、3次元撮影の全体の撮影時
間を短縮できる。
【0015】この場合において、高周波磁場サブパルス
の離散間隔をuとし、sinc 関数の周期をTとし、m=
T/uとしたとき(但し、mは整数)、振幅変調RFバ
ーストの搬送周波数を毎回1/(mu)ずらしてm回繰
返し計測し、得られたm個の画像を合成することによ
り、解像度を向上させることができる。例えば、m=2
の場合、振幅変調RFバーストの周波数軸上の方形周期
波の幅は1/2uになる。そのため、1回の励起により
被写体の体積の1/2の領域しか励起されないから、解
像度が落ちる。しかし、続いて搬送周波数を1/2uず
らして励起すると、残りの1/2の領域が励起されるか
ら、撮影領域全体を撮影することができるので、解像度
が向上する。なお、その2回の励起は、励起に係る領域
が異なることから、縦磁化の回復を待つ必要がないの
で、撮影時間の長大化の問題はない。
【0016】リードアウト傾斜磁場に合わせて印加する
第1と第2の位相エンコード傾斜磁場の印加法の具体例
としては、まず、振幅変調RFバーストをフーリエ変換
したときの周波数軸上の方形周期波の幅を、リードアウ
ト傾斜磁場の方向の1画素の幅とし、エコー群計測時に
リードアウト傾斜磁場と第1位相エンコード傾斜磁場と
をほぼ同期させて傾きの極性の反転を繰返し、前記リー
ドアウト傾斜磁場の傾きの極性が反転する期間に、第1
位相エンコード傾斜磁場と第2位相エンコード傾斜磁場
のいずれか一方にブリップ状の傾斜磁場を付加し、一定
の間隔で並んだ極性が同じ第2位相エンコード傾斜磁場
の方向に付加するブリップ群のうち、奇数番目のブリッ
プの次に印加する第1位相エンコード傾斜磁場の方向に
付加するブリップと、偶数番目のブリップの次に印加す
る第1位相エンコード傾斜磁場の方向に付加するブリッ
プの極性とを互いに反対にすることをあげることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 (第1実施の形態) 図1に、本発明に係る3次元撮影装置に係る一実施の形
態の撮影シーケンスを示し、図2にその撮影シーケンス
を適用してなる磁気共鳴イメージング装置の概略構成図
を示す。図2に示すように、磁気共鳴イメージング装置
は、静磁場を発生するマグネット101、傾斜磁場を発
生するコイル102、シーケンサ104、傾斜磁場電源
105、RFパルス発生器106、プローブ107等を
含んで構成されている。シーケンサ104は、傾斜磁場
電源105とRFパルス発生器106に命令を送り、そ
れぞれコイル102及びプローブ107より傾斜磁場及
びRFパルス発生させる。通常、RFパルスは、RFパ
ルス発生器106の出力をRFパワーアンプ115によ
り増幅し、プローブ107を通じて被写体103に印加
される。被写体103から発生した信号はプローブ10
7により受波され、受信器108で検波が行われる。検
波の基準とする磁気共鳴周波数は、シーケンサ104に
よりセットされる。検波された信号は計算機109に送
られ、ここで画像再構成等の信号処理が行われる。結果
はディスプレイ110に表示される。必要に応じて、記
憶媒体111に信号や測定条件を記憶させることもでき
る。被写体103は、マグネット101及びコイル10
2により形成された磁場内に設置される。
【0018】静磁場均一度を調整する必要があるとき
は、シムコイル112を使う。シムコイル112は複数
のチャネルからなり、シム電源113により電流が供給
される。静磁場均一度の調整時には、各コイルに流れる
電流をシーケンサ104により制御する。シーケンサ1
04は、シム電源113に命令を送り、静磁場不均一を
補正するような付加的な磁場をコイル112より発生さ
せる。なお、シーケンサ104は通常、予めプログラム
されたタイミング、強度で各装置が動作するように制御
を行う。このプログラムのうち、特にRFパルス、傾斜
磁場、エコー受信のタイミングや強度を記述したものは
撮影シーケンスと呼ばれている。
【0019】図1に示す撮影シーケンスに基づいて、本
発明の一実施の形態の3次元撮影法について説明する。
図1では、上から順に、高周波磁場パルスRF、リード
アウト傾斜磁場Gr、第1位相エンコード傾斜磁場Gp
1、第2位相エンコード傾斜磁場Gp2、エコーEch
oのそれぞれのタイムチャートが示されている。同図に
おいて、横軸は時間、縦軸はRFパルスや傾斜磁場等の
強度を表す。
【0020】図示のように、第1のRFバースト1-1
とリードアウト傾斜磁場2をほぼ同一時に印加して被写
体を励起させる。第1のRFバースト1-1は、図12
に示した振幅変調RFバースト1-1と同一のバースト
パルスである。その後、リードアウト傾斜磁場2の傾き
の極性反転を繰り返すことにより、エコー群6-1をフ
ィールドエコーとして取り出す。
【0021】3次元撮影を行うためには、第1の位相エ
ンコード傾斜磁場(Gp1)3の方向と第2の位相エン
コード傾斜磁場(Gp2)4の方向に、位置情報を付与
する必要がある。そこで、エコー群6-1の計測に際し
て、リードアウト傾斜磁場(Gr)2の印加量がゼロで
ある時間を含む期間に合わせて、つまりリードアウト傾
斜磁場(Gr)2の傾きの極性を反転させるタイミング
に合わせて、第1の位相エンコード傾斜磁場3あるいは
第2の位相エンコード傾斜磁場4のいずれか一方だけ
に、ブリップ状の傾斜磁場を印加する。なお、第1の位
相エンコード傾斜磁場3は、リードアウト傾斜磁場2の
極性反転に同期させて、かつ極性を一致させて繰返し印
加され、これにブリップ状の傾斜磁場(ブリップ3’)
を付加して印加する。
【0022】ここで、一定の間隔で並んだ極性が正の第
2の位相エンコード傾斜磁場4の方向に印加する複数個
(図示例では15個)のブリップ4-1〜4-15のう
ち、奇数番目のブリップの次に印加する第1の位相エン
コード傾斜磁場3の方向に印加するブリップ3’と、偶
数番目のブリップの次に印加する第1の位相エンコード
傾斜磁場3の方向に印加するブリップ3’の極性が互い
に反対となるように、それぞれの方向のブリップを印加
する。
【0023】ここで、ブリップの作用について図3を参
照して説明する。まず、リードアウト傾斜磁場2と第1
の位相エンコード傾斜磁場3を極性反転しながら繰返し
印加する最初の10msecの計測で、図1のエコー群
6-1-1が計測される。リードアウト傾斜磁場2の1つ
の矩形波に対応してリードされるエコー群6-1-1の1
つのエコーは、逆フーリェ変換したk空間で考えると、
図3に示すように、例えばリードアウト傾斜磁場2と第
1の位相エンコード傾斜磁場3に対応するkx,ky空
間の1本の走査線21に対応する位置情報が含まれてい
る。そして、第1位相エンコード傾斜磁場3のブリップ
3’により、走査線12の位置がky方向にシフトされ
る。したがって、リードアウト傾斜磁場2の極性が反転
して繰返し印加されるとともに、第1位相エンコード傾
斜磁場3のブリップ3’が印加されることにより、k空
間上では、走査線12の位置がky方向に順次シフトさ
れると同時に、走査方向が反転して、1枚の2次元画像
に対応した画像情報が得られることになる。そして、第
2の位相エンコード傾斜磁場4のブリップ4-1〜4-1
5を印加するたびに、位置がkz方向にシフトされる。
これにより、kz方向に重ねられた複数枚の2次元画像
の画像情報、つまり3次元画像情報が得られる。図1の
シーケンスでは、第2の位相エンコード傾斜磁場4のブ
リップが15個であるから、16枚の2次元画像に相当
する3次元画像情報が得られる。kz方向の2次元画像
を何枚撮影できるかは、1回の励起による横磁化緩和時
間(例えば、150〜200msec)の制限を受け、1枚
の2次元画像を得る計測時間を10msecとすると、10
〜20枚に制限されることになる。
【0024】次に、図12に示したのと同一のRFバー
スト1-2を、第2のRFバースト1-2として、リード
アウト方向の傾斜磁場Grをほぼ同時に印加した後、リ
ードアウト傾斜磁場2の極性反転を繰り返すことによ
り、エコー群6-2をフィールドエコーとして取り出
す。このとき、エコー群6-1の計測時と同様に、リー
ドアウト傾斜磁場の印加量がゼロである時間を含む期間
に、第1の位相エンコード傾斜磁場あるいは第2の位相
エンコード傾斜磁場のいずれか一方だけにブリップ状の
傾斜磁場を印加する。
【0025】図1に示した撮影シーケンスのうち、前半
部と後半部は、第1のRFバースト1-1と第2のRF
バースト1-2の搬送周波数が、互いに1/2u[H
z]ずれている以外は、全く同じシーケンスである。し
たがって、第1のRFバースト1-1をフーリエ変換し
たときの周波数軸上の波形は、図4に示した方形周期波
となり、撮影領域の半分の体積が励起される。また、第
2のRFバースト1-2をフーリエ変換したときの周波
数軸上の波形は、図4に示した方形周期波を半周期シフ
トした波形となり、撮影領域の残りの半分の体積が励起
される。例えば、図4に示すように、第1のRFバース
ト1-1を被写体に印加した時の励起プロファイルの方
形周期波の幅が3ミリメートル、撮影画像のリードアウ
ト傾斜磁場の方向のピクセルサイズが6ミリメートルと
なる条件に設定して、得られた複数個のエコー群を2次
元逆フーリエ変換する。これに基づいて得られる画像の
1ピクセルと励起プロファイルの位置関係は図4に示し
たとおりである。ところで、無限個のサブパルスから構
成される振幅変調RFバーストを励起用のRFパルスと
して用いれば、励起プロファイルは完全な方形周期波と
なる。しかし、図1の撮影シーケンスでは、5個のサブ
パルスからなるRFバーストを用いているため、励起プ
ロファイルは完全な方形周期波とはならないが、ここで
は励起プロファイルをほぼ方形周期波と見なすことがで
きるものとして説明する。
【0026】第1のRFバースト1-1を被写体に印加
して撮影して得られる画像の1ピクセルには、実際に励
起されている3ミリメートルの領域のみの情報を持って
いる。次に、搬送周波数を1/(2u)[Hz]だけシ
フトした第2のRFバースト1-2を被写体に印加して
撮影し、そのエコー群を2次元逆フーリエ変換すると、
第1のRFバースト1-1では励起されていなかった3
ミリメートルの領域のみの情報を持った画像が得られ
る。そこで、図5に示すように、2つの画像を1ピクセ
ルおきに交互に配列し合成すれば、リードアウト傾斜磁
場の方向の空間分解能が3ミリメートルの画像を得るこ
とができる。すなわち、撮影画像のリードアウト傾斜磁
場の方向のピクセルサイズを6ミリメートルから3ミリ
メートルに改善できる。図5においては、その合成方法
を模式的に示している。エコー群6-1-1を2次元フー
リエ変換して得られた画像20-1と、エコー群6-2-
1を2次元フーリエ変換して得られた画像20-2を、
1ピクセルおきに交互に配列して2次元画像20を得
る。第1のRFバースト1-1と第2のRFバースト1-
2の印加において、それぞれ励起する領域が異なるた
め、2つの撮影の間には縦磁化の回復を待つための時間
は必要ない。なお、上述したように、5個のサブパルス
を用いた第1のRFバースト1-1と第2のRFバース
ト1-2の場合、励起プロファイルは完全方形周期波と
はならないため、隣のピクセルに若干の漏れ込みが生じ
るが、実用上問題のない程度である。
【0027】更に、エコー群6-1、6-2を、それぞれ
3次元逆フーリエ変換し、2つの3次元画像をリードア
ウト傾斜磁場Grの方向に1ピクセル(画素)おきに交
互に配列して合成する。これにより、撮影領域全域の3
次元画像が再構成される。図1に示した撮影シーケンス
の前半部と後半部では、それぞれ励起されている領域が
異なるため、2つの計測の間には縦磁化の回復を待つた
めの時間は必要ない。
【0028】ここで、図14と図15に示した従来の撮
影シーケンスと同じ画素数、視野、リードアウト傾斜磁
場強度で撮影を行うと、エコー群6-1-1の計測に要す
る時間は10ミリ秒以下である。したがって、32個の
エコー群(6-1-1〜6-1-16、6-2-1〜6-2-1
6)の計測に要する(撮影全体に要する)時間は、RF
バースト1-1、1-2の印加時間も含めて、320ミリ
秒以下とすることが可能である。その結果、図14と図
15の従来の撮影シーケンスを用いて3次元撮影を行う
場合は、前述したように約7.5秒かかったが、本実施
の形態によれば、3次元撮影全体に要する時間を、大幅
に短縮できる効果がある。
【0029】以上説明したように、図1の3次元撮影方
法は、まず、静磁場内に置かれた被写体に、時間軸上に
離散して配列された複数の高周波磁場サブパルスをsinc
関数で振幅変調してなる励起用のRFバーストを、直
交3軸のうちの第1軸方向の傾斜磁場と共に印加する。
その後、第1軸方向の傾斜磁場をリードアウト傾斜磁場
としてその傾斜磁場の傾きを反転しながら繰返し印加す
る。そして、その繰返し印加に同期させて、直交3軸の
うちの第2軸方向の傾斜磁場を第1位相エンコード傾斜
磁場としてその傾斜磁場の傾きを反転しながら、かつ該
軸方向の位相情報をシフトしながら繰返し印加して、複
数のエコー群を検出して画像を再構成する。その際、R
Fバーストの印加に係る核磁化の横磁化緩和時間内に、
直交3軸のうちの第3軸方向の傾斜磁場を第2位相エン
コード傾斜磁場としてその軸方向の位相情報をブリップ
によりシフトしながら繰返し印加することにより、RF
バーストの1回の励起により3次元画像の再構成に必要
な複数のエコー群を計測するようにしたのである。
【0030】言い換えれば、第1,2軸方向の空間情報
を付与して得られる2次元画像情報を、核磁化の横軸緩
和時間内(通常、0.15〜0.2秒程度)に、第3軸
方向の空間情報を変化させながら付与することにより、
3次元画像情報を得ていることから、RFバーストによ
る励起の繰返しの回数を大幅に減らすことができ、3次
元撮影の全体の撮影時間を大幅に短縮できる。
【0031】上述したように、3次元画像の撮影時間を
短縮できると、動画表示が可能となる。その動画表示手
順の例を、図6(a)に示す。図1の撮影シーケンスに
よりエコー群6-1と6-2を計測し、それぞれを3次元
逆フーリエ変換し、2つの3次元画像を得る。2つの3
次元画像をリードアウト傾斜磁場の方向に1ピクセルお
きに交互に配列して合成する。さらに、同じ撮影領域を
連続して撮影し、ディスプレイ上にそれらの3次元画像
を順次表示することにより動画表示が実現する。この動
画表示の場合は、同一の撮影領域を連続して撮影するこ
とになるため、縦磁化の回復を待つ目的で繰り返し時間
Trを0.5秒としている。したがって、図6(a)に
示した動画表示手順では、0.5秒に1回の割合で画像
が更新されディスプレイ上に表示されるから、動きのよ
い動画を表示することがでる。例えば、磁気共鳴イメー
ジング(MRI)装置を用いた脳機能計測のように、脳
の活性状態を時間を追って観察する場合等に用いること
ができる。このような3次元画像を用いた脳機能計測を
行うことにより、2次元画像を用いた脳機能計測を行う
場合よりも、より詳しい脳機能情報を抽出することが可
能である。
【0032】つまり、図14,15に示した従来の3次
元撮影シーケンスを用いた場合は、3次元撮影全体に要
する時間が7.5秒以上かかるため、最短でも7.5秒
に1回の割合でしか画像が更新されない。この点、図1
の撮影シーケンスを用いれば、脳機能計測の時間分解能
を向上させることができ、より詳しい脳機能情報を抽出
することが可能である。また、脳機能以外の3次元機能
計測においても、物質の時間変化を3次元的に観察する
ことから、時間分解能が高いほど、より詳しい機能情報
を抽出することが可能である。なお、エコー群6-1,
6-2はそれぞれ独立に3次元逆フーリエ変換すること
ができるため、動画表示手順は図6(b)に示す手順で
もよい。つまり、エコー群6-1を計測し、それを3次
元逆フーリエ変換して得られた3次元画像をリードアウ
ト傾斜磁場の方向に1ピクセル毎に1ピクセル分の空隙
を置きながら表示する。次いで、エコー群6-2を計測
し、それを3次元逆フーリエ変換して得られた3次元画
像をリードアウト傾斜磁場の方向に1ピクセル毎に前記
空隙の位置に表示する。この図6(b)に示した動画表
示手順によれば、0.25秒に1回の割合でリードアウ
ト傾斜磁場の方向の1ピクセルおきに画像を更新して、
ディスプレイ上に表示できる。
【0033】ところで、図1の撮影シーケンスは、T=
2uのRFバーストを用いた例について説明したが、本
発明はこれに限られるものではない。要は、m=T/u
としたとき(但し、mは整数が好ましい。)、RFバー
ストの搬送周波数を毎回1/(mu)ずらしてm回繰返
し計測し、得られたm枚の画像を合成して2次元画像を
得るようにすることができる。例えば、図4に示した励
起プロファイルを有するsinc関数で振幅変調したRFバ
ーストに対し、サブパルスの間隔uは同一として、sinc
関数の周期Tを2倍にしたRFバーストの場合の励起プ
ロファイルと1ピクセルとの位置関係は、図7に示すよ
うになる。すなわち、ピクセルサイズ6mmとしたとき、
1つのRFバーストの撮影で1.5mmの領域の画像デー
タを計測できる。そして、第1の画像データを取得した
後、RFバーストの搬送周波数を1/(4u)[Hz]
シフトしながら合計4枚の画像データを取得し、それら
を2次元フーリエ変換した後に合成すれば、傾斜磁場強
度を大きくすることなく、リードアウト方向の空間分解
能を向上させることが可能である。1回目から4回目ま
での照射ではそれぞれ励起する領域が異なるため、撮影
の間には縦磁化の回復を待つための時間は必要ない。
【0034】(第2実施の形態)図8に、本発明の他の
実施の形態に係る3次元撮影シーケンスの要部を示す。
本実施の形態が図1の実施の形態と異なる点は、位置情
報を付与する手順を変えたことにある。つまり、第1と
第2の位相エンコード傾斜磁場にブリップ状の傾斜磁場
を印加するタイミングパターンの他の例を示すものであ
る。図示のように、図8では、リードアウト傾斜磁場G
r、第1の位相エンコード傾斜磁場Gp1、及び第2の
位相エンコード傾斜磁場Gp2の印加方法(リードアウ
トに対応した部分)についてのみ示しており、RFバー
スト1-1,1-2及び励起用の傾斜磁場の印加について
省略している。
【0035】本実施の形態では、図1の場合と同様に、
第1の位相エンコード傾斜磁場3はリードアウト傾斜磁
場2とほぼ同期して同一極性で極性を反転させている。
また、リードアウト傾斜磁場の印加量がゼロである時間
を含む期間に、つまり極性反転のタイミングに合わせ
て、第1の位相エンコード傾斜磁場3あるいは第2の位
相エンコード傾斜磁場4のいずれか一方だけに、ブリッ
プ状の傾斜磁場を印加している。また、一定の間隔で並
んだ極性が同じ第2の位相エンコード傾斜磁場4の方向
に印加するブリップ群のうち、奇数番目のブリップの次
に印加する第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印
加するブリップと、偶数番目のブリップの次に印加する
第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印加するブリ
ップの極性が、互いに反対になるようにそれぞれの方向
のブリップを印加している。
【0036】例えば、第2の位相エンコード傾斜磁場4
の方向に印加するブリップ群のうち、ブリップ4-1-1
〜4-1-15は一定の間隔で並んだ極性が正のブリップ
群である。そして、ブリップ4-1-1〜4-1-15のう
ちの、奇数番目のブリップ4-1-1,4-1-3,4-1-
5,4-1-7,4-1-9,4-1-11,4-1-13,4
-1-15の次に印加される第1の位相エンコード傾斜磁
場3の方向に印加するブリップ3-2,3-4,3-6,
3-8,3-10,3-12,3-14,3-16の極性は
負である。また、偶数番目のブリップ4-1-2,4-1-
4,4-1-6,4-1-8,4-1-10,4-1-12,4
-1-14の次に印加される第1の位相エンコード傾斜磁
場3の方向に印加するブリップ3-3,3-5,3-7,
3-9,3-11,3-13,3-15の極性は正である。
また、第2の位相エンコード傾斜磁場4の方向に印加す
るブリップ群のうち、ブリップ4-2-1〜4-2-3、…
…は、一定の間隔で並んだ極性が負のブリップ群であ
る。ブリップ4-2-1〜4-2-3……のうち、奇数番目
のブリップ4-2-1,4-2-3,……の次に印加される
第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印加するブリ
ップ3-19,3-21,……の極性は負であり、偶数番
目のブリップ4-2-2,…の次に印加される第1の位相
エンコード傾斜磁場3の方向に印加するブリップ3-2
0の極性は正である。このような撮影シーケンスによっ
て撮影される3次元画像は、図1実施の形態と同様であ
り、3次元撮影の時間を大幅に短縮することがでる。
【0037】(第3の実施の形態)図9に、本発明の更
に他の実施の形態に係る3次元撮影シーケンスの要部を
示す。本実施の形態が図1,図8の実施の形態と異なる
点は、位置情報を付与する手順を変えたことにある。つ
まり、第1と第2の位相エンコード傾斜磁場にブリップ
状の傾斜磁場を印加するタイミングパターンの更に他の
例を示すものである。図示のように、図8では、リード
アウト傾斜磁場Gr、第1の位相エンコード傾斜磁場G
p1、及び第2の位相エンコード傾斜磁場Gp2の印加
方法(リードアウトに対応した部分)についてのみ示し
ており、RFバースト1-1,1-2及び励起用の傾斜磁
場の印加について省略している。
【0038】本実施の形態では、図1の場合と同様に、
第1の位相エンコード傾斜磁場3はリードアウト傾斜磁
場2とほぼ同期して同一極性で極性を反転させている。
また、リードアウト傾斜磁場の印加量がゼロである時間
を含む期間に、つまり極性反転のタイミングに合わせ
て、第1の位相エンコード傾斜磁場3あるいは第2の位
相エンコード傾斜磁場4のいずれか一方だけに、ブリッ
プ状の傾斜磁場を印加している。また、一定の間隔で並
んだ極性が同じ第2の位相エンコード傾斜磁場4の方向
に印加するブリップ群のうち、奇数番目のブリップの次
に印加する第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印
加するブリップと、偶数番目のブリップの次に印加する
第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印加するブリ
ップの極性が、互いに反対になるようにそれぞれの方向
のブリップを印加している。このような撮影シーケンス
によって撮影される3次元画像は、図1実施の形態と同
様であり、3次元撮影の時間を大幅に短縮することがで
る。
【0039】(第4実施の形態)図10に、本発明の更
に他の実施の形態に係る3次元撮影シーケンスの要部を
示す。本実施の形態が図1,図8及び図9の実施の形態
と異なる点は、位置情報を付与する方法を変えたことに
ある。つまり、第1と第2の位相エンコード傾斜磁場に
ブリップ状の傾斜磁場を印加するタイミングパターンの
更に他の例を示すものである。図示のように、第1の位
相エンコード傾斜磁場3はリードアウト傾斜磁場2の反
転繰返しに同期して反転繰り返して印加されている点は
同じである。しかし、第1と第2の位相エンコード傾斜
磁場3,4に印加するブリップの関係を、図1とは逆の
関係にしていることにある。
【0040】つまり、一定の間隔で並んだ極性が同じ第
1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印加するブリッ
プ群のうち、奇数番目のブリップの次に印加する第2の
位相エンコード傾斜磁場4の方向に印加するブリップ
と、偶数番目のブリップの次に印加する第2の位相エン
コード傾斜磁場4の方向に印加するブリップの極性が反
対であるようにそれぞれの方向のブリップを印加する。
図では、第1の位相エンコード傾斜磁場3の方向に印加
するブリップとして、ブリップ3-1,3-2のみ示し、
ブリップ3-2以降は省略されている。省略部分には、
ブリップ3-1,3-2と同じ間隔で、ブリップ3-3〜
3-7が存在する。すなわち、第1の位相エンコード傾
斜磁場印加方向に印加するブリップ群のうち、ブリップ
3-1〜3-7は一定の間隔で並んだ極性が正のブリップ
群である。ブリップ3-1〜3-7のうちの、奇数番目の
ブリップ3-1の次に印加される第2の位相エンコード
傾斜磁場印加方向に印加するブリップ4-2-1の極性は
負であり、偶数番目のブリップ3-2の次に印加される
第2の位相エンコード傾斜磁場印加方向に印加するブリ
ップ4-3-1の極性は正である。この撮影シーケンスに
よって撮影される3次元画像も、図1実施の形態と同様
であり、3次元撮影の時間を大幅に短縮することがで
る。
【0041】本発明の特徴である横磁化緩和時間内に第
1と第2の位相エンコードを付与しながらリードアウト
して3次元撮影を実行することは、上述した撮影シーケ
ンス以外の撮影シーケンスにも同様に適用できる。つま
り、sinc関数で振幅変調した搬送周波数の異なる複
数のRFバーストを励起RFパルスとして用い、そのR
Fバーストをフーリエ変換したときの周波数軸上の方形
周期波の幅、すなわち励起幅をリードアウト傾斜磁場の
方向の1画素の幅とし、エコー計測時に、リードアウト
傾斜磁場と第1の位相エンコード傾斜磁場がほぼ同期し
て極性を反転させ、リードアウト傾斜磁場の印加量がゼ
ロである時間を含む期間に、第1の位相エンコード傾斜
磁場あるいは第2の位相エンコード傾斜磁場のいずれか
一方だけにブリップ状の傾斜磁場を印加するようにし、
一定の間隔で並んだ極性が同じ第2の位相エンコード傾
斜磁場の方向に印加するブリップ群のうち、奇数番目の
ブリップの次に印加する第1の位相エンコード傾斜磁場
の方向に印加するブリップと、偶数番目のブリップの次
に印加する第1の位相エンコード傾斜磁場印加方向に印
加するブリップの極性を互いに反対にしてそれぞれの方
向のブリップを印加することにより、撮影全体に要する
時間を短縮することが可能である。例えば、エコーの発
生方法は、リードアウト傾斜磁場の反転により発生する
フィールドエコーである必要はなく、180度パルスに
より発生するスピンエコーであってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3次元撮影全体に要する時間を短縮することが可能であ
る。その結果、3次元動画表示の時間分解能を改善する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元撮影方法の一実施の形態の撮影
シーケンスを示す図である。
【図2】本発明の3次元撮影方法を適用してなる磁気共
鳴イメージング装置の概要構成図である。
【図3】図1の撮影シーケンスによる3次元画像情報の
位相情報の付与方法を説明する図である。
【図4】図1の撮影シーケンスによる1ピクセル内の励
起状態を示す図である。
【図5】搬送周波数が異なる2つのRFバーストでそれ
ぞれ計測された2つの2次元画像の合成方法を説明する
図である。
【図6】図1の撮影シーケンスにより3次元撮影を繰返
し実行する手順を説明する図である。
【図7】RFバーストのサブパルス間隔をsinc関数の周
期の1/4にした場合の1ピクセル内の励起状態の一例
を示す図である。
【図8】本発明の3次元撮影方法の他の実施の形態の撮
影シーケンスを示す図である。
【図9】本発明の3次元撮影方法の更に他の実施の形態
の撮影シーケンスを示す図である。
【図10】本発明の3次元撮影方法の更に他の実施の形
態の撮影シーケンスを示す図である。
【図11】sinc関数で振幅変調したRFバーストを説明
する図である。
【図12】搬送周波数を1/(2u)[Hz]シフトした振
幅変調のRFバーストを説明する図である。
【図13】sinc関数で振幅変調したRFバーストを用い
た従来の2次元撮影シーケンスを示す図である。
【図14】従来の3次元撮影シーケンスの一例を示す図
である。
【図15】図14の撮影シーケンスを用いた3次元撮影
の手順を説明する図である。
【符号の説明】 1-1,1-2 RFバースト 2 リードアウト傾斜磁場 3 第1位相エンコード傾斜磁場 3’ ブリップ 4 第2位相エンコード傾斜磁場 4-1〜15 ブリップ 6-1,6-2 エコー群 101 静磁場を発生するマグネット 102 傾斜磁場を発生するコイル 103 被写体 104 シーケンサ 105 傾斜磁場電源 106 高周波磁場発生器 107 プローブ 115 RFパワーアンプ 108 受信器 109 計算機 110 ディスプレイ 111 記憶媒体 112 シムコイル 113 シム電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 博道 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株式会社 日立メディコ内 (56)参考文献 特開 平8−71054(JP,A) 特開 平2−131746(JP,A) 特開 昭61−86641(JP,A) 特開 平9−262220(JP,A) 特開 平8−308809(JP,A) 特表 平6−500166(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に印加する静磁場を発生する静磁
    場発生手段と、前記被写体に印加する直交3軸方向の傾
    斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記被写体に印
    加する高周波磁場パルスを発生する高周波磁場発生手段
    と、前記被写体から発生するエコー信号を検出する信号
    検出手段と、該信号検出手段により検出された前記磁気
    共鳴信号に基づいて画像を再構成する演算手段と、前記
    各手段を制御する制御手段とを備えてなる磁気共鳴を用
    いた3次元磁気共鳴撮影装置であって、 前記高周波磁場発生手段は、時間軸上に離散して配列さ
    れた複数の高周波磁場サブパルスをsinc 関数で振幅変
    調してなる励起用の高周波磁場バーストパルスを発生す
    るものとし、 前記制御手段は、前記高周波磁場発生手段と前記傾斜磁
    場発生手段とを制御して、前記被写体に前記高周波磁場
    バーストパルスと前記直交3軸のうちの第1軸方向の傾
    斜磁場と共に印加した後、第1軸方向の傾斜磁場をリー
    ドアウト傾斜磁場として該傾斜磁場の傾きを反転しなが
    ら繰返し印加し、該繰返し印加に同期させて前記直交3
    軸のうちの第2軸方向の傾斜磁場を第1位相エンコード
    傾斜磁場として該傾斜磁場の傾きを反転しながら、かつ
    該軸方向の位相情報をシフトしながら繰返し印加して前
    記エコー信号を発生させ、前記高周波磁場バーストパル
    スの印加に係る核磁化の横磁化緩和時間内に、前記直交
    3軸のうちの第3軸方向の傾斜磁場を第2位相エンコー
    ド傾斜磁場として該軸方向の位相情報をシフトしながら
    繰返し印加することにより、前記高周波磁場バーストパ
    ルスによる1回の励起により3次元画像の再構成に必要
    な複数のエコー群を計測する制御を、前記高周波バース
    トパルスの搬送周波数をずらして複数回実行するものと
    したことを特徴とする磁気共鳴を用いた3次元画像撮影
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の3次元画像撮影装置に
    おいて、 前記高周波磁場サブパルスの離散間隔をuとし、前記 s
    inc 関数の周期をTとし、T/uの値をm(但し、mは
    整数)としたとき、前記制御装手段は、前記高周波磁場
    バーストパルスの搬送周波数を毎回1/muずらしてm
    回繰返し計測することを特徴とする磁気共鳴を用いた3
    次元画像撮影装置。
  3. 【請求項3】 静磁場空間に配置された被写体に、時間
    軸上に離散して配列された複数の高周波磁場サブパルス
    をsinc 関数で振幅変調してなる励起用の高周波磁場バ
    ーストパルスを、リードアウト方向の傾斜磁場とほぼ同
    時に印加した後、前記被写体内に生じる核磁気共鳴にと
    もなうエコーを、リードアウト傾斜磁場を印加すること
    によりエコー群として計測する撮影シーケンスを制御す
    る手段と、収集されたエコー群に基づいて前記被写体の
    3次元画像を作成する演算手段とを有する磁気共鳴を用
    いた3次元撮影装置であって、前記撮影シーケンスを制
    御する手段は、前記高周波バーストパルスの搬送周波数
    をずらして複数回前記被写体に印加し、各回の前記高周
    波バーストパルスによる1回の励起により3次元画像の
    再構成に必要な複数のエコー群を計測する制御を実行す
    るものとし、前記高周波磁場バーストパルスをフーリエ
    変換したときの周波数軸上の方形周期波の幅をリードア
    ウト傾斜磁場の方向の1画素の幅とし、エコー群計測時
    にリードアウト傾斜磁場と第1位相エンコード傾斜磁場
    とをほぼ同期させて傾きの極性の反転を繰返し、前記リ
    ードアウト傾斜磁場の傾きの極性が反転する期間に、第
    1位相エンコード傾斜磁場と第2位相エンコード傾斜磁
    場のいずれか一方にブリップ状の傾斜磁場を付加し、一
    定の間隔で並んだ極性が同じ第2位相エンコード傾斜磁
    場の方向に付加するブリップ群のうち、奇数番目のブリ
    ップの次に印加する第1位相エンコード傾斜磁場の方向
    に付加するブリップと、偶数番目のブリップの次に印加
    する第1位相エンコード傾斜磁場の方向に付加するブリ
    ップの極性とを互いに反対にすることを特徴とする磁気
    共鳴を用いた3次元撮影装置。
  4. 【請求項4】 静磁場空間に配置された被写体に、時間
    軸上に離散して配列された複数の高周波磁場サブパルス
    をsinc 関数で振幅変調してなる励起用の高周波磁場バ
    ーストパルスを、リードアウト方向の傾斜磁場とほぼ同
    時に印加した後、前記被写体内に生じる核磁気共鳴にと
    もなうエコーを、リードアウト傾斜磁場を印加すること
    によりエコー群として計測する撮影シーケンスを制御す
    る手段と、収集されたエコー群に基づいて前記被写体の
    3次元画像を作成する演算手段とを有する磁気共鳴を用
    いた3次元撮影装置であって、前記撮影シーケンスを制
    御する手段は、前記高周波バーストパルスの搬送周波数
    をずらして複数回前記被写体に印加し、各回の前記高周
    波バーストパルスによる1回の励起により3次元画像の
    再構成に必要な複数のエコー群を計測する制御を実行す
    るものとし、前記高周波磁場バーストパルスをフーリエ
    変換したときの周波数軸上の方形周期波の幅をリードア
    ウト傾斜磁場の方向の1画素の幅とし、エコー群計測時
    にリードアウト傾斜磁場と第1位相エンコード傾斜磁場
    とをほぼ同期させて傾きの極性の反転を繰返し、前記リ
    ードアウト傾斜磁場の傾きの極性が反転する期間に、第
    1位相エンコード傾斜磁場と第2位相エンコード傾斜磁
    場のいずれか一方にブリップ状の傾斜磁場を付加し、一
    定の間隔で並んだ極性が同じ第1位相エンコード傾斜磁
    場の方向に付加するブリップ群のうち、奇数番目のブリ
    ップの次に印加する第2位相エンコード傾斜磁場の方向
    に付加するブリップと、偶数番目のブリップの次に印加
    する第2位相エンコード傾斜磁場の方向に付加するブリ
    ップの極性が互いに反対にすることを特徴とする磁気共
    鳴を用いた3次元撮影装置。
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