JP3041013U - 四刃式パイプカッター用スクイズオフ・アタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス会社の管工作車に常時車載されている工具
で、専用のスクイズオフ工具の代用ができるようにす
る。 【手段】２個で一対をなし、その各々が四刃式パイプカ
ッターの固定顎部または可動顎部への２枚の刃物の取付
け手段を利用して当該顎部への取付が可能であり、両顎
部に夫々取付けた状態で相互に対向するパイプ挟圧部を
有するアタッチメントを提供し、このアタッチメントを
四刃式パイプカッターの４枚の刃物に代えて、当該カッ
ターの固定顎部と可動顎部に取付けることにより、当該
工具をガス遮断及び水道遮断のスクイズオフ工具にも兼
用できるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は四刃式パイプカッターの工具に、その４枚の刃物と取り替えて装着す ることにより、パイプカッターの工具をスクイズオフ工具としても使用し得るよ うにするアタッチメントに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ガス漏れ修理などにおいて、ポリエチレン管を一時遮断する作業には、通常、 専用のスクイズオフ工具を用いるが、従来のスクイズオフ工具は比較的大きく、 嵩張るため、工具を取付けるためにはガス管の周辺をかなりの幅に亘って掘削す る必要があり、遮断するまでにかなりの時間がかかる。 また、スクイズオフ工具はポリエチレン管専用の工具であるため、ガス会社の 管工作車には常時車載されているとは限らない。従って、緊急時での対応に時間 がかかり、大きな事故につながるおそれもある。 また、ガス漏れ修理時などに水道管を誤って破損した場合には、水道を遮断す る工具がなく、差し水事故になるおそれがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一方、四刃式パイプカッターはガス会社の管工作車に常時車載されており、し かもスクイズオフ工具に比較してコンパクトで、パイプへの取付けのための掘削 幅も小さくてよい。 本考案はかかる状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、四刃 式パイプカッターの工具に取付けることにより、当該工具をガス遮断及び水道遮 断のスクイズオフ工具にも兼用できるようにするアタッチメントを提供すること により、少ない掘削量でガス及び水道の遮断を可能にし、遮断までにかかる時間 を短くすると共に緊急時での即応性を向上させることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案では、四刃式パイプカッターの工具に、その ４枚の円形刃物と取り替えて装着することにより、パイプカッターの工具をスク イズオフ工具としても使用し得るようにするスクイズオフ・アタッチメントを提 供するもので、上記スクイズオフ・アタッチメントは、２個で一対をなし、その 各々が四刃式パイプカッターの固定顎部または可動顎部への２枚の刃物の取付け 手段を利用して当該顎部への取付が可能であり、両顎部に夫々取付けた状態で相 互に対向するパイプ挟圧部を有するものである。 上記パイプ挟圧部は円弧面に形成され、円弧面の軸線が顎部の長手方向を向く ように取付けられる。

【０００５】

【考案の作用及び効果】

以上のように構成した四刃式パイプカッター用スクイズオフ・アタッチメント にあっては、四刃式パイプカッターの固定顎部及び可動顎部から４枚の刃物を全 て取り外すことにより、それら刃物の取付け手段をそのまま利用して当該固定顎 部及び可動顎部に上記刃物に代えて取付けることができる。 そして、このアタッチメントは四刃式パイプカッターの可動顎部と固定顎部に 取付けた状態で相対向し、可動顎部の固定顎部側への移動操作により、可動顎部 側のアタッチメントが固定顎部側のアタッチメントに接近する。 上記両アタッチメントには、相互に対向するパイプ挟圧部が設けてあるので、 アタッチメント間にポリエチレン管を配置すれば、当該管をパイプ挟圧部で挟み 付けて圧力をかけ、これを圧潰遮断することができる。 従って、このアタッチメントを四刃式パイプカッターの４枚の刃物に代えて、 パイプカッターの固定顎部及び可動顎部に取付けることにより、四刃式パイプカ ッターの工具はスクイズオフ工具としても使用できるようになる。 四刃式パイプカッターはガス会社の管工作車には常時車載されているため、四 刃式パイプカッターと共にアタッチメントを車載しておけば、専用のスクイズオ フ工具を車載していなくても、ポリエチレン管の一時遮断を必要とする緊急時や 、ガス漏れ修理時の水道管破損にも、迅速な対応が可能になる。 また、四刃式パイプカッターは専用のスクイズオフ工具に比較して小型・軽量 で、扱いが簡単であり、当該アタッチメントを取付けてスクイズオフ工具として 使用する場合にも、掘削範囲が小さくて良いため、専用のスクイズオフ工具を使 っての作業よりも、作業時間の短縮が可能になる。

【０００６】

【実施の形態】

以下、図に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 図中Ａは四刃式パイプカッター、Ｂはこの四刃式パイプカッターＡ用のスクイ ズオフ・アタッチメントである。 四刃式パイプカッターＡは、チャンネル形若しく大略Ｃ字形に形成された本体 １の一方の端部に固定顎部２が設けられ、他方の端部には締め込みスピンドル３ がネジにより上記固定顎部２に対して直角方向に進退するように設けられている 。

【０００７】 また、上記締め込みスピンドル３の先端と固定顎部２との間には、可動顎部４ が固定顎部２と上下対向状に配置され、この可動顎部４は本体１に設けた摺動案 内部５に案内されて垂直に移動し、固定顎部４に接離できるようになっている。 上記固定顎部２及び可動顎部４には、夫々その長さ方向に所定の間隔をおいて 各々２枚づつ、計４枚の円形刃物６が取付けられている。 各円形刃物６は、固定顎部２及び可動顎部４に夫々その長さ方向に延び、かつ 相互に対向するように設けられた刃物取付用の溝７に、刃物支持軸８を介してそ の円周の一部を当該溝７の溝縁から突出するように設けられている。

【０００８】 固定顎部２及び可動顎部４には、刃物支持軸８を取付けるための２個一組の軸 受孔９が、刃物取付用の溝７を挟んで同軸に開設されており、上記刃物支持軸８ が一方の軸受孔９を挿通して他方の軸受孔９内延びている。この刃物支持軸８は 軸受孔９に螺着固定されているが、締め込み方向と逆に回転させることにより取 り外し可能になっており、これを取り外すことにより円形刃物６を取り外すこと ができる。

【０００９】 上記軸受孔９は固定顎部２及び可動顎部４に夫々二組づつ設けられており、一 方の顎部２又は４に設けた２組の軸受孔９の芯々距離は、他方の顎部４又は２に 設けた２組の軸受孔９の芯々距離と一致している。 四刃式パイプカッターＡの斯る構造・形態は従来周知のものである。

【００１０】 一方、符号Ｂで示されるスクイズオフ・アタッチメントは、片面を円弧面10a となして概ね蒲鉾型、若しくは円柱を軸方向に切断した形状に形成されたパイプ 挟圧部10と、このパイプ挟圧部10の上記円弧面10a に背向する平らな面10b に垂 直に立設された取付部11とからなっている。

【００１１】 上記パイプ挟圧部10は、円弧面10a の軸芯方向の大きさが四刃式パイプカッタ ーＡの固定顎部２及び可動顎部４の長さより若干大きく、上記軸芯に直交する幅 方向の大きさが少なくとも刃物取付け用の溝７の溝幅より大きく形成されており 、長さ方向の一端はこのアタッチメントＢを四刃式パイプカッターＡに取付けた ときにその本体１に当たらないように端面を斜めに切り欠いてある。

【００１２】 取付部11はパイプカッターＡの固定顎部２及び可動顎部４の刃物取付用の溝７ の溝幅にほぼ相当する厚さと、上記両顎部２，４の長さにほぼ相当する長さを有 しており、パイプ挟圧部10の幅方向の中心線上を、端面を切り欠いた端部側から 他端部に向けて当該挟圧部10の長さ方向に延びるように設けられており、その側 面には固定顎部２及び可動顎部４の軸受孔９とほぼ同径の２個の取付孔12が、上 記両顎部２，４の長さ方向に設けられた夫々２組の軸受孔９の芯々距離に相当す る芯々距離をもって水平位置に開設されている。

【００１３】 斯るスクイズオフ・アタッチメントＢは、前記四刃式パイプカッターＡの固定 顎部２と可動顎部４に、当該顎部２，４に取付けられている円形刃物６に代えて 取付けられる。 円形刃物６は、刃物支持軸８を緩めて抜き取ることにより簡単にり取り外すこ とができる。 また、スクイズオフ・アタッチメントＢの取付は、上記円形刃物６を取り外し た後の刃物取付用の溝７にその取付部11を嵌め込んで、取付部11の取付孔12と顎 部２，４の軸受孔９とを整合させ、これら整合した孔９，12に前記刃物支持軸８ を挿通させて、これを軸孔９にねじ込み固定して行う。 取付け状態において、スクイズオフ・アタッチメントＢはそのパイプ挟圧部10 が固定顎部２及び可動顎部４の長さ方向に延び、その先端部は固定顎部２及び可 動顎部４の先端部より更に先に延在するようになる。

【００１４】 このようにしてスクイズオフ・アタッチメントＢを取付けた四刃式パイプカッ ターＡの工具をスクイズオフ工具として使用し、ポリエチレン管Ｃの一時遮断を 行うには、掘削露出させたポリエチレン管Ｃの遮断する部分を、図４（ａ）に示 すようにアタッチメントＢのパイプ挟圧部10でその円弧面10a の軸芯が管Ｃの軸 芯とほぼ直角に交わるように挟み、図４（ｂ）に示すように締め込みスピンドル ３を操作して可動顎部２を固定顎部４側に押し付け移動させ、管Ｃをパイプ挟圧 部10で締め込むようにする。 この締め込みにより管Ｃは、パイプ挟圧部10で挟まれた部分において圧潰状に 変形し、管壁が密着して遮断される。 この際、パイプ挟圧部10は管Ｃに接触する側の面が円弧状に形成されているた め、圧潰状に変形して密着する管壁は、密着部分が線接触となり、確実な遮断状 態が得られる。 また、管壁がパイプ挟圧部10の円弧面10a に倣って変形するため、変形に無理 がなく、管Ｃの破損が防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスクイズオフ・アタッチメントを四刃
式パイプカッターに、円形刃物と交換して取付ける状態
を説明する斜視図。

【図２】スクイズオフ・アタッチメントの斜視図。

【図３】四刃式パイプカッターに取付けた状態を示す側
面図で、四刃式パイプカッターを二点破線で示してい
る。

【図４】スクイズオフ・アタッチメントを取付けた四刃
式パイプカッターでポリエチレン管を遮断する状態を示
し、（ａ）は締め込み直前の状態を、（ｂ）は締め込み
が終了して管の遮断が完了した状態を夫々示している。

【符号の説明】

Ａ：四刃式パイプカッター Ｂ：スクイズ
オフ・アタッチメント ２：固定顎部 ４：可動顎部 ６：円形刃物 ８：取付け手
段（刃物支持軸） ９：取付け手段（軸受孔） 10：パイプ挟
圧部 10a ：パイプ挟圧部の円弧面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】四刃式パイプカッターの４枚の刃物に代え
   て、当該カッターの固定顎部と可動顎部に取付けるアタ
   ッチメントであって、２個で一対をなし、その各々が上
   記固定顎部または可動顎部への２枚の刃物の取付け手段
   を利用して当該顎部への取付が可能であり、両顎部に夫
   々取付けた状態で相互に対向するパイプ挟圧部を有する
   四刃式パイプカッター用スクイズオフ・アタッチメン
   ト。
2. 【請求項２】パイプ挟圧部が円弧面に形成され円弧面の
   軸線が顎部の長手方向を向くように取付けられることを
   特徴とする請求項１記載の四刃式パイプカッター用スク
   イズオフ・アタッチメント。