JP3039995B2 - 光ファイバ通信線路の特性検出方法 - Google Patents

光ファイバ通信線路の特性検出方法

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JP3039995B2
JP3039995B2 JP2412521A JP41252190A JP3039995B2 JP 3039995 B2 JP3039995 B2 JP 3039995B2 JP 2412521 A JP2412521 A JP 2412521A JP 41252190 A JP41252190 A JP 41252190A JP 3039995 B2 JP3039995 B2 JP 3039995B2
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良三 山内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ伝送路
を分岐して構成した通信路の監視に関するもので、運用
中においても個々の分岐線路の特性を分離して測定、把
握できる方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを用いた伝送路において、例
えば、ケーブルテレビジョン(以下CATV)のように
主線路の端末を分岐して個々の端局、加入者端末機器、
受信器等に分配する方法として、いわゆる光カプラ等を
用いて主線路を複数の分岐線路に分岐する方法がある。
(図4)このような伝送路では、主線路と各分岐線路と
は、ある結合損失を伴いつつ光学的に接続されている。
【0003】一方、光ファイバの特性を計測する方法と
して、光パルス試験法(別名OTDR:Optical
Time−Domain Reflectometr
y)がある。OTDRでは、図に示すように光ファイ
バ伝送路に入射光として光パルスを入射すると、光パル
スが光ファイバ中を伝搬する間に進行方向とは逆方向、
即ち、入射端に向かって後方散乱光(Backscat
lered light)が帰っていくので、この後方
散乱光の強度の時間変化P(t)を計ることによりファ
イバ各点の損失情報を得ることができる。光パルス入射
時刻からの時間tは、t=2x/v(x:入射端からの
ファイバの長さ、v:光ファイバ中の光パルス伝搬速
度)の換算式によりファイバの位置(長さ)情報に換算
出来る。光ファイバが単一線路にある典型的な後方散乱
波形を図(距離x(=vt/2)とlogP(t)の
関係を示すグラフ)に示す。伝送路が正常であればlo
gP(t)は直線的に変化するが、接続点では接続損失
に対応して段差が現れたり(接続損失≠0)伝送路が破
断していればlogP(t)に明確な変化が現れたり、
伝送路が連続的に損増加を起こしていれば(異常部)、
logP(t)の傾斜が大きくなっていたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図4のよう
な伝送路にOTDR光パルスを入射すると、分岐点(こ
こでは、光カプラ)より先では、分岐線路全部から後方
散乱光が戻って来るので、特定の分岐線路の異常が他の
分岐線路からの光でマスクされるだけでなく、どの分岐
線路が異常なのかわからず、例えば損失増を受けていた
り、破断したりしていても異常部分を確定することが出
来ないものであった。本発明はこのような従来技術の問
題点を克服するためのもので、各分岐線路に波長選択回
路を設け、前記各波長選択回路に対応する波長の複数の
光を入射し、OTDR測定をすることで各分岐線路の特
性を検出する方法である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1のWDMカプラと、第2のWDMカプラと、これ
第1および第2のWDMカプラとの間を接続する主アー
ムおよび副アームと、副アームに設けられた固有の波長
帯のみを通過せしめる波長選択フィルタとからなる波長
選択回路を、光ファイバ通信線路の分岐後の各分岐線路
に挿入し、光ファイバ通信線路の入射端から、通信光と
前記各波長選択フィルタの通過波長に対応する波長の複
数の測定用光とを入射し、各分岐線路に伝送し、前記波
長選択回路の第1のWDMカプラで通信光と複数の測定
用光とに分波し、主アームに通信光を、副アームに複数
の測定用光を伝送し、副アームの波長選択フィルタで1
の測定用光を選択し、第2のWDMカプラでこの1の測
定用光と主アームを伝送する通信光とを合波して各分岐
線路に伝送するようにし、各測定用光の後方散乱光を観
測して前記各分岐線路の特性を検出するものである。
【0006】
【作用】かかる構成により、各分岐線路毎に異なる波長
のOTDR用光を伝送させるとともに、通信用光を伝送
させることもでき、伝送路運用中にもOTDR測定をす
ることもできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の特性検出方法が適用される
光ファイバ通信線路の例を示すものである。この光ファ
イバ通信線路は、図4に示したものとほぼ同様の構成に
なっており、中央伝送装置Cは、光カプラ10を経て各
端末T 1 、T 2 、T 3 …T N に接続されている。中央伝
送装置Cは、通信光λ s と複数の波長の異なる測定用光
λ 1 、λ 2 、λ 3 …λ N とが同時に送出(場所によって
は受信を含む双方向通信)するものである。各分岐線路
には、波長選択回路S 1 、S 2 、S 3 …S N が挿入され
ている。
【0008】この波長選択回路Sは、図2に示すよう
、主アーム12と副アーム14からなる伝送路、主ア
ーム12と副アーム14を分岐する第1のWDMカプラ
1と、主アーム12と副アーム14を結合する第2のW
DMカプラ2と、波長選択フィルタF(図1のi番目の
位置に設定されればi)から概略構成されている。
1、第2の WDM(Wavelength Divi
sion Multiplexing)カプラ1、2は
波長多重型カプラといわれるもので、任意の波長を選択
して光を分岐するものである。第1のWDMカプラ1お
よび第2のWDMカプラ2の不要ボートは無反射処理が
施されている。
【0009】中央伝送装置Cからの通信光λ s と測定用
光λ 1 、λ 2 、λ 3 …λ N は、光カプラ10で分岐さ
れ、各分岐線路の各波長選択回路S 1 、S 2 、…S N
入力される。i番目の分岐線路の波長選択回路S i の第
1のWDMカプラ1には、全ての波長の光、すなわち、
通信光λ s 測定用光λ 1 、λ 2 、λ 3 …λ N が入力され
る(区分A)。第1のWDMカプラ10では、通信光λ
s と測定用光λ 1 、λ 2 、λ 3 …λ N とに分波され、通
信光λ s は主アーム12に伝送され(区分B)、測定用
光λ 1 、λ 2 、λ 3 …λ N は副アーム12に伝送される
(区分C)。
【0010】副アーム12に伝送される測定用光λ 1
λ 2 、λ 3 …λ N は、波長選択フィルタFiにおいて、
選択され、1つの測定光λ i のみが出力されて副アーム
14を通り(区分D)、第2のWDMカプラ2に入力さ
れる。第2のWDMカプラ2では主アーム12を伝送す
る通信光λ s と副アーム14を伝送する1つの測定光λ
i が合波され、分岐線路に伝送され(区分E)、端末T
i に送られる。そして、測定用光λ i の後方散乱光を中
央伝送装置においてOTDR測定することで、分岐線路
の特性を検査できると同時に通信光λ s は常時伝送状態
にあり、通信光の伝送中においても、各分岐線路の特性
を知ることができる。
【0011】以下、具体例を示す。図1および図2に示
した光ファイバ通信線路で実際に特性検出を行った。分
岐線路数は3とした。中央伝送装置から通信光λs
して1.55μmの光を入射し、OTDR用波長とし
て、1.3μm帯の波長の光(λ1 =1.295μm、
λ2 =1.315μm、λ3 =1.335μm)を入射
した。1.55μmの波長の信号光は第1のWDMカプ
ラ1、主アーム12、第2のWDMカプラ2を実質的に
無損失(最大約1dB)で通過した。波長選択フィルタ
Fiは各OTDR用光の波長に対応するように各分岐線
路ごとに通過波長帯が異なるように(F1 、F2
3 )設定した。OTDR光源としては、外部共振器を
有するFabry Perotレーザを使用した。波長
選択フィルタFiの30dB波長幅は約15nmである
が、レーザの波長精度およびスペクトル幅は共に1nm
以下であり、フィルタの波長幅15nmと比べて十分小
さく、問題はない。第2の分岐線路(i=2)に予め破
断点を形成し、図3に示す如く波長調整を行ったOTD
R用光を使用することで、第2の分岐線路での異常検出
をすることができた。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の通信線路
の特性検出方法によれば、各分岐線路毎に異なる波長の
OTDR用光を伝送させるとともに、通信用光を伝送さ
せることもでき、通信線路運用中にもOTDR測定をす
ることができ、各波長ごとの測定結果を観測すること
で、各分岐線路での異常部分の位置の検出が容易に可能
となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の伝送路を示す図である。
【図2】 実施例の波長選択回路を示す図である。
【図3】 OTDR光源の波長調整を示す図である。
【図4】 光ファイバの通信線路の伝送路を示す図であ
る。
【図5】 OTDR測定を示す図である。
【図6】 OTDR測定における後方散乱波形を示す図
である。
【符号の説明】
10 光カプラ、1…第1のWDMカプラ、2…第2の
WDMカプラ、S…波長選択回路、12…主アーム、1
4…副アーム、F…波長選択フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/02 H04B 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のWDMカプラと、第2のWDMカ
    プラと、これら第1および第2のWDMカプラとの間を
    接続する主アームおよび副アームと、副アームに設けら
    れた固有の波長帯のみを通過せしめる波長選択フィルタ
    とからなる波長選択回路を、 光ファイバ通信線路の分岐後の各分岐線路に挿入し、 光ファイバ通信線路の入射端から、通信光と前記各波長
    選択フィルタの通過波長に対応する波長の複数の測定用
    光とを入射し、各分岐線路に伝送し、 前記波長選択回路の第1のWDMカプラで通信光と複数
    の測定用光とに分波し、主アームに通信光を、副アーム
    に複数の測定用光を伝送し、副アームの波長選択フィル
    タで1の測定用光を選択し、第2のWDMカプラでこの
    1の測定用光と主アームを伝送する通信光とを合波して
    各分岐線路に伝送するようにし、 各測定用光の後方散乱光を観測して前記各分岐線路の特
    性を検出することを特徴とする光ファイバ通信線路の特
    性検出方法。
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