JP3039411B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP3039411B2
JP3039411B2 JP568497A JP568497A JP3039411B2 JP 3039411 B2 JP3039411 B2 JP 3039411B2 JP 568497 A JP568497 A JP 568497A JP 568497 A JP568497 A JP 568497A JP 3039411 B2 JP3039411 B2 JP 3039411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置に関
し、特に、複数枚の羽根本体を備えた風向調整羽根を有
する空気調和装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平1−22585
5号公報に開示されているように、空気調和装置の吹出
口には、風向調整羽根が取り付けられている。この風向
調整羽根は、一端がスイングモータに連結され、他端が
軸受けに支持されており、スイングモータの駆動に従っ
て揺動し、調和空気の吹き出し方向の変更を可能として
いる。
【0003】ところで、運転能力の大きな空気調和装置
では、調和空気の吹き出し量を多くしなければならず、
吹出口の間口を大きくとる必要がある。そのため、1枚
の風向調整羽根だけで調和空気の吹き出し方向を制御す
ることは困難である。従って、この種の空気調和装置で
は、並設された複数枚の羽根本体、例えば2枚の羽根本
体からなる風向調整羽根が用いられている。
【0004】このような風向調整羽根においては、2枚
の羽根本体は互いに平行の位置を保ったまま連動する必
要があるので、羽根本体同士が確実に接続されていなけ
ればならない。また、風向調整羽根はスイングモータに
よって駆動されるため、スイングモータと確実に連結さ
れる連結部を備えていなければならない。
【0005】そのため、従来の風向調整羽根は、2枚の
羽根本体が一体的に形成されていた。更に、連結部もそ
れらと一体的に形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の風
向調整羽根は、2枚の羽根本体及び連結部が一体的に形
成されているので、機種に対応して複数種類の風向調整
羽根を製作しなければならないという問題があった。
【0007】つまり、上述したように、空気調和装置に
は、1枚の風向調整羽根を有する1枚ものや、2枚以上
の風向調整羽根を有する複数枚ものがある。その際、2
枚の風向調整羽根を一体形成していると、当然に1枚も
のの空気調和装置には適用することができず、それぞれ
専用の風向調整羽根を製作しなければならなかった。
【0008】この結果、1枚の羽根本体からなる風向調
整羽根に比べて、製造のために使用する金型の製作費が
高くなる等、風向調整羽根の製造並びに管理に手数を要
し、高価になるという問題があった。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、複数枚の羽根本体を
備える風向調整羽根を安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一枚の羽根本体を備える複数の羽根部材
を連結部材で連結することにより、複数枚の羽根本体を
備える風向調整羽根を構成することとした。
【0011】具体的には、請求項1に記載の発明が講じ
た手段は、ケーシング(3)に形成された吹出口(2)に複数
枚の風向調整羽根(6A,6B)が並列に設けられ、該風向調
整羽根(6A,6B)によって調和空気の吹出方向を調節する
ようにした空気調和装置において、上記ケーシング(3)
の吹出口(2)の両側部には、ケーシング(3)に1枚の風向
調整羽根(6B)を直接に支持するための支持部材(40)が設
けられ、上記各風向調整羽根(6A,6B)は、支持部材(40)
に対して抜き差し自在な接続部材(30a,30b)が羽根本体
(6a,6b)の両側部に形成されて同一形状に構成される一
方、上記羽根本体(6b)の両側部にはめ込まれる嵌合片(7
3)と、該嵌合片(73)に連続形成され、且つ隣接する風向
調整羽根(6A)の接続部材(30a)に対して抜き差し自在な
延長片(71)とを有する連結部材(70)によって各風向調整
羽根(6A,6B)が連結されている構成としたものである。
【0012】上記発明特定事項により、嵌合片(73)が羽
根本体(6b)の両側部にはめ込まれると共に、延長片(71)
が風向調整羽根(6A)の接続部材(30a)に差し込まれるこ
とによって、複数枚の風向調整羽根(6A,6B)が連結され
る。そのため、単一の羽根本体(6a,6b)を有する複数の
風向調整羽根(6A,6B)から、複数枚の羽根本体を備える
風向調整羽根が容易かつ安価に構成される。
【0013】請求項2に記載の発明が講じた手段は、請
求項1に記載の空気調和装置において、接続部材(30a,3
0b)は、羽根本体(6a,6b)より延びる基板(36a,36b)と、
該基板(36a,36b)に連続形成され、且つ支持部材(40)又
は連結部材(70)が抜き差しされるスライド溝(39a,39b)
を形成するコ字状の弾性変位自在な把持片(31a,32a,31
b,32b)と、上記基板(36a)に連続形成されて連結部材(7
0)の嵌合片(73)に当接する押さえ片(33a,33b)とを備え
る一方、連結部材(70)の嵌合片(73)は、羽根本体(6b)の
断面に沿う曲線形状に形成され、延長片(71)は、嵌合片
(73)から該嵌合片(73)の湾曲方向と逆方向にコ字状に湾
曲し、先端部が上記接続部材(30a)のスライド溝(39a)に
挿入される挿入部(71)に構成されると共に、該挿入部(7
1)と該嵌合片(73)との間で上記接続部材(30a)の把持片
(32a)と押さえ片(33a)とを挟持するように構成されてい
る構成としたものである。
【0014】上記発明特定事項により、把持片(31a,32
a)によって挿入部(71)がスライド溝(39a)に確実に挟持
され、風向調整羽根(6A)と連結部材(70)とが確実に連結
される。また、羽根本体(6b)の断面形状に形成された嵌
合片(73)が風向調整羽根(6B)の羽根本体(6b)を確実に把
持するので、風向調整羽根(6B)と連結部材(70)とが確実
に連結される。
【0015】請求項3に記載の発明が講じた手段は、請
求項2に記載の空気調和装置において、支持部材(40)及
び挿入部(71)には凹部(56)が形成される一方、接続部材
(30a,30b)の把持片(32a,32b)には、上記凹部(56)に係合
する凸部(34a,34b)が形成されている構成としたもので
ある。
【0016】上記発明特定事項により、凸部(34a,34b)
と凹部(56)の係合により、支持部材(40)と連結部材(7
0)、及び連結部材(70)と風向調整羽根(6A)とが堅固に連
結される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を天井吊
り下げ型の空気調和装置(1)に適用した場合について説
明する。
【0018】図1は、本実施形態に係る空気調和装置
(1)の斜視図、図2は空気調和装置(1)の内部構造を示す
平面図、図3はその縦断面図である。
【0019】これらの図に示すように、本空気調和装置
(1)は、天井面(A)に設置され、水平方向に開口する吹出
口(2)、つまり吹出口(2A)〜(2D)を4辺に有する箱形の
ケーシング(3)を備えている。このケーシング(3)の内部
には、各吹出口(2)に対向するように環状に配設された
熱交換器(4)と、ケーシング(3)の中央部に位置するター
ボファン(5)とが収容されている。また、各吹出口(2)に
は、室内へ吹き出す調和空気の風向を調整する風向調整
羽根である2段フラップ(6)が水平軸回りに回動自在に
設けられている。
【0020】ケーシング(3)の下面には、中央部に空気
吸込口(7)を有する吸込グリル(8)が開閉自在に取り付け
られている。吸込グリル(8)には、吸込空気中の塵埃等
を除去するエアフィルタ(9)が設けられている。
【0021】ケーシング(3)の中心部には、ターボファ
ン(5)が設置されている。ターボファン(5)は、円形のエ
ンドプレート(21)と、中央部に空気導入開口(20a)を有
する円形のシュラウド(20)と、これらシュラウド(20)及
びエンドプレート(21)の間に保持されたブレード(22)と
を備えている。これにより、エンドプレート(21)とシュ
ラウド(20)との間に、空気吸込口(7)から吸い込んだ空
気を熱交換器(4)に向って案内する空気通路(C)が形成さ
れている。エンドプレート(21)の中心部分は下側に膨出
してハブ部(23)を構成している。この膨出によりハブ部
(23)の上側にモータ(25)の収容空間が形成されている。
ハブ部(23)の中心部には円柱状のボス部(24)が一体形成
されている。このボス部(24)がケーシング(3)中央部に
配置されたモータ(25)の駆動軸(25a)下端部に直結され
ている。これにより、モータ(25)の駆動に伴ってターボ
ファン(5)全体が回転し、ターボファン(5)の下側から吸
い込んだ空気を径方向外側に吹き出すようになってい
る。
【0022】また、このターボファン(5)の下側には、
ターボファン(5)へ室内空気を案内するためのベルマウ
ス(26)が配設されている。このベルマウス(26)は、中央
部にシュラウド(20)の開口(20a)よりも僅かに小さい開
口(26a)を有している。この開口(26a)の縁部は、断面円
弧状に形成されており、ターボファン(5)に対し空気を
円滑に流すようになっている。
【0023】熱交換器(4)は、互いに平行に配置された
複数本の伝熱管に対して多数の板状フィンを直交状態で
取り付けて成るクロスフィンタイプであって、冷房運転
時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として機能
する。これにより、ターボファン(5)から導出した空気
を温度調整する。
【0024】また、熱交換器(4)の下側には熱交換器(4)
で発生したドレンを回収するドレンパン(10)が配設され
ている。
【0025】ケーシング(3)内の1つの隅角部(図2に
おける右下の隅角部)にはケーシング内部空間に対して
仕切板(11)によって区画された配管スペース(12A)が形
成されている。この配管スペース(12A)には、冷媒配管
(13)、ドレンポンプ(14)、及びケーシング(3)を天井裏
空間のコンクリート部材に対して吊り下げボルトにより
吊り下げるための吊り金具(15A)等が配置されている。
この配管スペース(12A)は、ケーシング(3)に対して着脱
自在なコーナカバー(16A)によって覆われている。他の
3箇所の隅角部には、ケーシング内部空間に対して断熱
材(17)によって区画されたスペース(12B),(12C),(12D)
が形成されている。配管スペース(12A)と対角するスペ
ースであるモータスペース(12C)には、2段フラップ(6)
の角度を制御する制御手段であるモータ(50)が収納され
ている。モータ(50)の軸(51)は支持部材(40)のジョイン
ト部(48)に接続されている。スペース(12A),(12B),(12
D)には、後述する支持部材(40)及びこれら支持部材(40)
同士を連結する自在継手(52)が収納されている。また、
各スペース(12B),(12C),(12D)には吊り金具(図示せ
ず)が配置されており、各々はコーナカバー(16B),(16
C),(16D)によって覆われている。これらコーナカバー(1
6A)〜(16D)により、空気調和装置(1)の外観が良好に確
保されている。
【0026】−2段フラップ(6)の構成− 次に、本発明の特徴である風向調整羽根たる2段フラッ
プ(6)を説明する。図4に示すように、2段フラップ(6)
は、上下に並設された第1羽根部材(6A)及び第2羽根部
材(6B)と、これら2つの羽根部材(6A),(6B)を連結する
連結部材(70)とから構成されている。
【0027】まず、第1羽根部材(6A)を詳細に説明す
る。図5に示すように、第1羽根部材(6A)は、断面の外
縁が円弧状に湾曲した流線形状の羽根本体(6a)と、この
羽根本体(6a)の両側端部に設けられた接続部材たる接続
部(30a)とから構成されている。接続部(30a)は、第1羽
根部材(6A)を連結部材(70)に接続するための部分であ
り、羽根本体(6a)の両側端部の下方に、それぞれ羽根本
体(6a)と一体的に形成されている。
【0028】接続部(30a)は、羽根本体(6a)の長手方向
(図5に示すY方向)と直交して羽根本体(6a)の下方
(図5に示すZ方向)に延びる側板(35a)と、羽根本体
(6a)の下方に延びて側板(35a)と直交する基板たる正面
板(36a)と、正面板(36a)から後方(図5に示すX方向)
に延びる平板状の上板(31a)と、同じく正面板(36a)から
後方に延び、上板(31a)に対し所定間隔を存して略平行
に並ぶ中板(32a)及び下板(33a)とから構成されている。
上板(31a)は側板(35a)に固定されているが、中板(32a)
及び下板(33a)は側板(35a)に固定されていない。このよ
うに、上板(31a)、中板(32a)及び下板(33a)は、正面板
(36a)を根本として後方に向かって延び、互いに所定間
隔を存してほぼ平行に並んでいる。
【0029】上記のような構成から、上板(31a)と中板
(32a)との間には両側方及び後方に開口するスライド溝
(39a)が形成されている。上板(31a)及び中板(32a)は本
発明でいうところの把持片を構成し、下板(33a)は押さ
え板を構成している。
【0030】中板(32a)は、後方先端部が下方に向かっ
て傾斜しており、連結部材(70)の挿入部たる支持部(71)
を後方から前方へ向かってスライド挿入する際に、その
挿入が容易になるように形成されている。中板(32a)の
上面には、後面が傾斜面(37a)で、かつ前面が鉛直面(38
a)で成る凸部(34a)が設けられている。つまり、凸部(34
a)は、スライド溝(39a)に挿入される方向(図5のX’
方向)の支持部(71)のスライド移動に対しては、支持部
(71)が傾斜面(37a)を乗り上げるようにしてそのスライ
ド挿入を許容する一方、スライド溝(39a)から離脱する
方向(図5のX方向)のスライド移動に対しては、鉛直
面(38a)で引っかけることにより、その離脱を阻止する
ように構成されている。
【0031】上述したように、中板(32a)は側板(35a)に
固定されておらず、正面板(36a)のみによって支持され
ている。従って、この中板(32a)は、正面板(36a)と連続
している根本を支点として、微小な弾性変位が自在であ
る。また、中板(32a)が有するこの弾性力は、スライド
溝(39a)に挿入された支持部(71)を上板(31a)と中板(32
a)との間に挟む付勢力を発生させる。
【0032】スライド溝(39a)の上下方向の溝幅は、連
結部材(70)の支持部(71)が挿入されていない状態では、
支持部(71)の厚さより若干小さく構成されている。しか
し、この溝幅は、支持部(71)が挿入されることにより、
中板(32a)が下方に微小変位し、支持部(71)の厚さと等
しくなる。
【0033】なお、羽根本体(6a)及び接続部(30a)は、
合成樹脂により形成されている。
【0034】一方、図4に示す第2羽根部材(6B)は、第
1羽根部材(6A)と同一の形状及び同一の材料から構成さ
れている。つまり、2段フラップ(6)は、同一の羽根部
材(6A),(6B)を積層することによって構成されている。
【0035】第1羽根部材(6A)と第2羽根部材(6B)と
は、連結部材(70)によって連結されている。連結部材(7
0)は、水平方向に延びる挿入部たる支持部(71)と、この
支持部(71)からU字型の屈曲部(72)を介して略水平に延
び、第2羽根部材(6B)の羽根本体(6b)を把持する嵌合片
たる把持部(73)とから構成されている。支持部(71)は、
矩形平板に形成された平坦部(57)と、平坦部(57)の裏面
に形成された凹部(56)とから構成されている。
【0036】支持部(71)は、第1羽根部材(6A)のスライ
ド溝(39a)に挿入されており、中板(32a)の付勢力によっ
て上板(31a)及び中板(32a)に掴持されている。中板(32
a)の凸部(34a)は支持部(71)の凹部(56)に係合し、支持
部(71)がスライド溝(39a)から離脱しないように支持部
(71)を係止している。把持部(73)は、第2羽根部材(6B)
の羽根本体(6b)の外縁に沿って延びるC字型の胴部(74)
と、この胴部(74)の羽根本体(6b)との対向面に設けられ
た複数の突条(76)とを備えている。突条(76)は羽根本体
(6b)に当接し、第2羽根部材(6B)を連結部材(70)に拘止
している。屈曲部(72)は、第1羽根部材(6A)を下方に付
勢することにより、第1羽根部材(6A)の下板(33a)を把
持部(73)の上面に圧接させ、第1羽根部材(6A)と第2羽
根部材(6B)との連結を強化している。
【0037】なお、上記連結部材(70)も合成樹脂により
形成されている。
【0038】−2段フラップ(6)の組立方法− 次に、図4を参照して、2段フラップ(6)の組立方法を
説明する。
【0039】まず、連結部材(70)に対して、第2羽根部
材(6B)を接続する。具体的には、連結部材(70)の把持部
(73)に対し、羽根本体(6b)の側端を側方から(図4のY
方向又はY’方向へ)挿入する。なお、連結部材(70)は
第2羽根部材(6B)の両側端にそれぞれ接続される。
【0040】その後、連結部材(70)の支持部(71)を第1
羽根部材(6A)のスライド溝(39a)に挿入する。具体的に
は、第2羽根部材(6B)に接続された連結部材(70)の支持
部(71)に対しスライド溝(39a)を位置合わせしたうえ
で、第1羽根部材(6A)を後方(図4のX方向)にスライ
ド移動させる。このとき、支持部(71)は中板(32a)先端
の傾斜面上を滑り、更に凸部(34a)の傾斜面(37a)を乗り
越えた後、この凸部(34a)に係止され、スライド溝(39a)
に拘止される。なお、支持部(71)のスライド溝(39a)へ
の上記接続は、第1羽根部材(6A)の両側部の接続部(30
a)において行う。
【0041】以上のようにして、第1羽根部材(6A)と第
2羽根部材(6B)とが連結部材(70)によって連結され、2
段フラップ(6)が簡易に組み立てられる。
【0042】−2段フラップ(6)の設置状態− 次に、2段フラップ(6)の空気調和装置(1)への設置状態
を説明する。図6は、スペース(12D)の一部を切り欠い
た内部構造を示す断面図である。図6に示すように、2
段フラップ(6)は、支持部材(40)を介してケーシング(3)
内部に固定されている。
【0043】支持部材(40)は、断面L字型の外箱体(41)
と、外箱体(41)に回動自在に嵌入された回動体(42)とか
ら構成されている。外箱体(41)は、ネジ(58)によってケ
ーシング(3)内部にネジ止め固定されている。回動体(4
2)の左端はジョイント部(48)に形成され、右端は平板状
の支持板(54)に形成されている。この支持板(54)の下面
には、凹部(56)が設けられている。
【0044】2段フラップ(6)の第2羽根部材(6B)のス
ライド溝(39b)には、上記支持板(54)が係合されてい
る。第2羽根部材(6B)の凸部(34b)は、支持板(54)の凹
部(56)に嵌入され、支持板(54)を係止している。そのた
め、2段フラップ(6)は、支持部材(40)の回動体(42)の
回動に従って回動するように構成されている。
【0045】また、支持部材(40)のジョイント部(48)
は、隣り合う支持部材(40a)のジョイント部(48a)と自在
継手(52)を介して連結されている。従って、図2を参照
して以下に示すように、空調機ケーシング(3)の4辺の
吹出口(2A)〜(2D)に位置する4つの2段フラップ(6)
は、モータ(50)の駆動により、互いに同調して連動す
る。
【0046】−2段フラップ(6)の動作− 空気調和装置(1)では、運転状態に応じて、モータ(50)
の駆動により2段フラップ(6)の羽根本体(6a),(6b)の角
度が制御される。図2を参照して、2段フラップ(6)の
動作を説明する。
【0047】まず、モータ(50)のモータ軸(51)の回転力
は、モータスペース(12C)内の支持部材(40c)のジョイン
ト部(48c)に伝達され、ジョイント部(48c)が水平軸回り
に回動する。これに従い、支持部材(40c)の回動体(42)
全体が回動し、その一部である支持板(54)も回動する。
空気吹出口(2B)及び(2C)に設けられた2段フラップ(6-
B),(6-C)は、第2羽根部材(6B)の接続部(30b)において
支持板(54)と接続されているため、2段フラップ(6-B),
(6-C)全体が支持板(54)の回動に従って回動する。
【0048】吹出口(2B)に設けられた2段フラップ(6-
B)は吹出口(2A)に設けられた2段フラップ(6-A)と、吹
出口(2C)に設けられた2段フラップ(6-C)は吹出口(2D)
に設けられた2段フラップ(6-D)と、それぞれ支持部材
(40)及び自在継手(52)を介して連結されている。そのた
め、上記と同様に、各2段フラップ(6-A),(6-D)は他の
2段フラップ(6-B),(6-C)と同調して連動する。
【0049】このように、4つの空気吹出口(2A)〜(2D)
にそれぞれ設けられた2段フラップ(6-A)〜(6-D)は、一
つのモータ(50)によって、互いに連動するように制御さ
れている。
【0050】−2段フラップ(6)の着脱方法− 図7を参照しながら、2段フラップ(6)の着脱方法を説
明する。
【0051】取り外しの際には、はじめに、作業者は第
2羽根部材(6B)の中板(32b)の先端部を下方に変位させ
る。その結果、スライド溝(39b)の溝幅が若干増加し、
凸部(34b)の係止が解かれる。その状態で、2段フラッ
プ(6)を吹出口の前方(図7に示すX’方向)にスライ
ド移動させ、2段フラップ(6)を取り外す。
【0052】一方、2段フラップ(6)の取り付けの際に
は、接続部(30b)を支持部材(40)の支持板(54)の位置に
合わせ、この支持板(54)がスライド溝(39b)に挿入され
るようにフラップ(6)を吹出口の後方(図7に示すX方
向)にスライド移動させる。このスライド移動の際に、
支持板(54)は、中板(32b)の先端部の斜面を滑りながら
スライド溝(39b)に導入され、その後、凸部(34b)の傾斜
面(37b)を乗り越えた後、スライド溝(39b)の奥部に収納
される。その結果、凸部(34b)が支持板(54)の凹部(56)
と係合することにより、支持板(54)が係止される。以上
のようにして、2段フラップ(6)は支持部材(40)に接続
される。
【0053】−2段フラップ(6)の効果− 以上説明してきたように、本形態によれば、一枚の羽根
本体を有する同一形状の羽根部材(6A),(6B)を連結部材
(70)で連結することにより、2枚の羽根本体を備える風
向調整羽根を容易に構成することができる。
【0054】羽根部材の製造に際しては、同一種類の羽
根部材(6A),(6B)を製造すればよいので、金型費を安価
に抑えることができる。
【0055】連結部材(70)の支持部(71)は、第1羽根部
材(6A)の上板(31a)及び中板(32a)に掴持されると共にス
ライド溝(39a)に係止され、把持部(73)は第2羽根部材
(6B)の羽根本体(6b)を突条(74)で拘止しながら把持して
いる。そのため、連結部材(70)を介して第1羽根部材(6
A)と第2羽根部材(6B)とを確実に連結することができ
る。
【0056】また、上板(31a),(31b)及び弾性を有する
中板(32a),(32b)によりスライド溝(39a),(39b)を形成し
ているので、中板(32a),(32b)の上下方向の弾性変位に
より、スライド溝(39a)、(39b)の溝幅が変化する。ま
た、中板(32a),(32b)の先端部は傾斜面に形成されてい
る。そのため、支持部材(40)の支持板(54)及び連結部材
(70)の支持部(71)は、この傾斜面に沿ってスライド溝(3
9a),(39b)に挿入されるので、第1羽根部材(6A)の取り
付け及び2段フラップ(6)の支持部材(40)への取り付け
を容易に行うことができる。従って、2段フラップ(6)
の取り付け及び組立を迅速且つ容易に行うことができ
る。
【0057】2段フラップ(6)は、第2羽根部材(6B)の
中板(32b)を下方に微小変位させた状態でスライド移動
させるだけで取り外すことができる。従って、2段フラ
ップ(6)の取り外しを迅速かつ容易に行うことができ、
2段フラップ(6)の清掃作業や交換作業が容易になる。
【0058】また、支持部材(40)は、空調機ケーシング
(3)の四隅部(12A)〜(12D)に設けられ、回動体(42)のジ
ョイント部(48)が自在継手(52)を介して連動自在に連結
されているので、ケーシング(3)の4辺に設けられた4
つの2段フラップ(6)を一つのモータ(50)によって制御
することができる。従って、複数のモータ(50)を設ける
必要がなく、空気調和装置(1)のコストの低減を図るこ
とができる。
【0059】なお、本実施形態は2枚の羽根部材(6A),
(6B)を備えているが、本発明は、3枚以上の羽根部材を
備えるものであってもよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0061】請求項1に記載の発明によれば、同一形状
に形成された複数の風向調整羽根を連結部材によって一
体に連結するようにしたので、風向調整羽根の汎用性を
向上させることができる。
【0062】つまり、各風向調整羽根は、1枚の風向調
整羽根を有する空気調和装置に適用できると共に、2枚
以上の風向調整羽根を有するものにも適用することがで
きるので、1種類の風向調整羽根を製作するだけで足
り、製造及び管理を容易かつ安価に行うことができる。
【0063】特に、連結部材は、ケーシングに接続する
接続部材を利用して隣り合う風向調整羽根を連結するの
で、連結部材を連結するための連結構造を風向調整羽根
に施す必要がなく、形状の簡略化を図ることができる。
【0064】また、請求項2に記載の発明によれば、風
向調整羽根の接続部材にスライド溝を形成する把持片を
設けるようにしたために、支持部材や連結部材の着脱を
容易に行うことができるので、作業性の向上を図ること
ができる。
【0065】特に、上記把持片が弾性変位するので、支
持部材や連結部材の挿入を容易に行うことができ、風向
調整羽根の着脱を容易に行うことができる。
【0066】また、請求項3に記載の発明によれば、接
続部材に凹部を設け、支持部材及び連結部材に凸部を設
けたために、風向調整羽根の支持を確実に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和装置の斜視図である。
【図2】空気調和装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】空気調和装置の縦断面図である。
【図4】2段フラップの斜視図である。
【図5】第1羽根部材の斜視図である。
【図6】配管スペースの一部を切り欠いた縦断面図であ
る。
【図7】2段フラップの着脱動作を示す断面図である。
【符号の説明】
(2) 吹出口 (6) 2段フラップ (6A) 第1羽根部材 (6B) 第2羽根部材 (6a) 羽根本体 (31a) 上板 (32a) 中板 (33a) 下板 (34a) 凸部 (36a) 正面板 (40) 支持部材 (48) ジョイント部 (50) モータ (52) 自在継手 (54) 支持板 (56) 凹部 (70) 連結部材 (71) 支持部 (73) 把持部 (76) 突条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−225855(JP,A) 特開 平6−257846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 13/08 F24F 13/14 - 13/15 F24F 1/00 401

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(3)に形成された吹出口(2)に
    複数枚の風向調整羽根(6A,6B)が並列に設けられ、該風
    向調整羽根(6A,6B)によって調和空気の吹出方向を調節
    するようにした空気調和装置において、 上記ケーシング(3)の吹出口(2)の両側部には、ケーシン
    グ(3)に1枚の風向調整羽根(6B)を直接に支持するため
    の支持部材(40)が設けられ、 上記各風向調整羽根(6A,6B)は、支持部材(40)に対して
    抜き差し自在な接続部材(30a,30b)が羽根本体(6a,6b)の
    両側部に形成されて同一形状に構成される一方、 上記羽根本体(6b)の両側部にはめ込まれる嵌合片(73)
    と、該嵌合片(73)に連続形成され、且つ隣接する風向調
    整羽根(6A)の接続部材(30a)に対して抜き差し自在な延
    長片(71)とを有する連結部材(70)によって各風向調整羽
    根(6A,6B)が連結されていることを特徴とする空気調和
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気調和装置におい
    て、 接続部材(30a,30b)は、羽根本体(6a,6b)より延びる基板
    (36a,36b)と、該基板(36a,36b)に連続形成され、且つ支
    持部材(40)又は連結部材(70)が抜き差しされるスライド
    溝(39a,39b)を形成するコ字状の弾性変位自在な把持片
    (31a,32a,31b,32b)と、上記基板(36a)に連続形成されて
    連結部材(70)の嵌合片(73)に当接する押さえ片(33a,33
    b)とを備える一方、 連結部材(70)の嵌合片(73)は、羽根本体(6b)の断面に沿
    う曲線形状に形成され、延長片(71)は、嵌合片(73)から
    該嵌合片(73)の湾曲方向と逆方向にコ字状に湾曲し、先
    端部が上記接続部材(30a)のスライド溝(39a)に挿入され
    る挿入部(71)に構成されると共に、該挿入部(71)と該嵌
    合片(73)との間で上記接続部材(30a)の把持片(32a)と押
    さえ片(33a)とを挟持するように構成されていることを
    特徴とする空気調和装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の空気調和装置におい
    て、 支持部材(40)及び挿入部(71)には凹部(56)が形成される
    一方、 接続部材(30a,30b)の把持片(32a,32b)には、上記凹部(5
    6)に係合する凸部(34a,34b)が形成されていることを特
    徴とする空気調和装置。
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