JP3039062B2 - 磁気再生装置 - Google Patents

磁気再生装置

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JP3039062B2 JP3313811A JP31381191A JP3039062B2 JP 3039062 B2 JP3039062 B2 JP 3039062B2 JP 3313811 A JP3313811 A JP 3313811A JP 31381191 A JP31381191 A JP 31381191A JP 3039062 B2 JP3039062 B2 JP 3039062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気再生装置に関し、
特に、例えばビデオ信号をディジタル信号に変換してい
わゆるパーシャルレスポンス方式を利用して磁気記録媒
体に記録した信号を再生するための磁気再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気記録再生においては、磁気
記録媒体に対する記録再生特性による振幅歪みや位相歪
み等を補償するために、等化器(イコライザ)が用いら
れる。近年、このような磁気記録再生においても通信で
用いられているような適応等化方式が採用されるように
なってきている。
【0003】適応等化は、従来より電話回線を利用した
高速データ伝送を行うための技術として開発されてきた
ものである。電話回線では、回線の接続状態により伝送
路特性が変化する。このため固定イコライザを用いたの
では伝送路特性を補正しきれず、適応的にイコライザの
特性を調整する必要が生じる。
【0004】このような通信系では、波形等が予め判っ
ている信号を伝送して伝送路特性を調べた後に必要な信
号を伝送する方法(自動等化)と、送信したい信号自体
を用いて伝送路特性を調べる方法(適応等化)とがあ
る。いずれの場合も、等化器の目的は、伝送路を通過す
る際に歪んでしまった受信信号波形から歪みを自動的に
取り除くことによって送信信号波形を忠実に復元するこ
とにある。
【0005】以上のような適応等化の磁気記録再生への
適用を考察するため、磁気記録再生装置として、ビデオ
信号をディジタル信号に変換し、いわゆるパーシャルレ
スポンス方式を用いて磁気テープ(ビデオテープ)に記
録再生するようなディジタルVTR(ビデオテープレコ
ーダ)を想定する。このパーシャルレスポンス方式と
は、伝送路(あるいは記録媒体)の伝達特性による符号
間干渉を積極的に利用して、符号のスペクトラムを整形
する方式のことであり、例えば、パーシャルレスポンス
方式には、NRZI符号、インターリーブドNRZI符
号等が属している。記録側にはいわゆるプリコーダが設
けられ、入力データの再生時(識別時)の符号誤りの伝
播を避けるために中間系列に変換する。このようなパー
シャルレスポンス方式を利用して磁気記録再生を行うデ
ィジタルVTRに上記適応等化方式を採用した場合の再
生側の構成の一例を図6に示す。
【0006】この図6において、磁気テープ(図示せ
ず)に記録された磁気信号は、磁気ヘッド101により
電気信号に変換された後、再生アンプ102により増幅
され、検出特性回路103に送られる。この検出特性回
路103は、上記パーシャルレスポンスの検出特性(エ
ンコード特性)であり、クラスIVの場合(1+D)の
特性を有している。検出特性回路103からの出力信号
は、いわゆるFIR(有限インパルス応答)フィルタあ
るいはトランスバーサルフィルタから成るイコライザ1
04に供給されて適応的なイコライジング処理が施され
た後、復号回路105に供給され、レベル比較(コンパ
レート)等による“1”、“0”の判別がなされて記録
時のデータ系列の復号が行われる。
【0007】復号回路105からの出力dが加算器(誤
差検出器)106に送られてイコライザ104からの出
力yが減算されることで、誤差(残差)eが取り出さ
れ、この誤差eが適応制御部107に送られる。この適
応制御部107には、上記検出特性回路103からの出
力xがいわゆる参照入力として供給されている。適応制
御部107は、上記誤差(残差)の信号パワーを最小と
するようにイコライザ104のフィルタ特性を調整す
る。イコライザ104にいわゆるトランスバーサルフィ
ルタが用いられている場合には、各タップ毎の乗算係数
(タップ係数)が適応的に修整、更新されて、トランス
バーサルフィルタの特性が、磁気記録再生の際の電磁変
換特性の逆特性に近い形となるように調整される。
【0008】復号回路105からの出力は、信号処理回
路108に送られて、同期ブロックの再生、エラー訂正
等が行われ、ビデオ信号処理回路109に送られて元の
画像データの復元が行われる。この他、図示しないが、
信号処理回路108からの出力データは、オーディオ信
号処理回路や、サブコード信号処理回路等に送られてそ
れぞれの処理が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ディジタルVTR(ビデオテープレコーダ)等において
現実に記録再生を行っている際に、いわゆるドロップア
ウトやバーストエラー、あるいは磁気ヘッドの目づまり
(クロッギング)等が生ずることがあり、このような異
常発生時には、何らかの対策が必要とされる。例えば、
上記異常が発生しているにもかかわらず、上記適応制御
部107及びイコライザ104等において定常的な適応
制御動作が行われていると、上記タップ係数が誤った値
に更新されてしまい、正しい等化動作が行われなくな
る。また、この異常状態が長時間に亘って続いた場合に
は、修正不可能な値になってしまい、等化能力が失われ
てしまう虞れもある。
【0010】このため、上記ドロップアウト、バースト
エラー、目づまり等による異常発生時には、可及的速や
かにこれを検出し、何らかの必要な処置を施すことが重
要とされる。
【0011】ところで、ディジタルVTR等のような記
録再生するデータ量が膨大な装置、特にHD(高精細
度)TV信号のVTR等においては、例えば磁気ヘッド
とテープとの相対速度を上げたり、記録再生のチャンネ
ル数を増やして、記録再生可能なデータ量の大幅な増加
を図っている。この場合、各記録再生チャンネル毎にそ
れぞれ回路を持ち、独自の信号処理が行われるが、実際
に記録再生される際の条件は略々等しく、信号レベル等
の相関性も高いことから、これら各チャンネルの記録再
生信号間の相違に着目することが考えられる。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、例えばドロップアウト、バーストエラ
ー、目づまり等による異常発生時に、これらの異常を迅
速に検出でき、適応等化動作への悪影響を防止し得るよ
うな磁気再生装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気再生装
置は、磁気記録媒体に記録された磁気データを再生する
磁気再生装置において、磁気ヘッドからの再生信号の特
性を補償するイコライザとなるフィルタと、このフィル
タからの出力信号を復号する復号回路と、上記フィルタ
への入力信号及び上記復号回路への入出力信号に基づい
て上記フィルタの特性を適応的に調整する適応制御部
と、上記適応制御部の入力信号又は出力信号を基準値と
比較して信号の値が適切か否かに応じて上記フィルタの
係数を更新させるかさせないかを判定する判定手段とを
有して成ることにより、上述した課題を解決する。
【0014】また、本発明に係る磁気再生装置は、磁気
記録媒体に記録された磁気データを再生する磁気再生装
置において、磁気ヘッドからの再生信号の特性を補償す
るイコライザとなるフィルタと、このフィルタからの出
力信号を復号する復号回路と、上記フィルタへの入力信
号及び上記復号回路への入出力信号に基づいて上記フィ
ルタの特性を適応的に調整する適応制御部と、少なくと
も上記フィルタ及び上記復号回路からの各出力信号が供
給され信号の安定状態を検出する安定度検出部とを有し
て成る再生系を少なくとも2チャンネル具備し、これら
の各チャンネルのそれぞれ対応する部分の信号を各チャ
ンネル間で互いに比較することにより動作が正常か否か
を判定する比較手段を設けて成ることにより、上述した
課題を解決する。
【0015】ここで、上記判定手段は、上記フィルタへ
の入力信号の大きさが適切か否か、上記復号回路からの
出力と上記フィルタからの出力との誤差信号の大きさが
適切か否か、及び上記適応制御部で更新されて出力され
るタップ係数の値が適切か否か、の少なくとも1つをチ
ェックして、上記フィルタのタップ係数を実際に更新さ
せるかさせないかを判定するようにすればよい。また上
記比較手段は、例えば各チャンネル間の状態の安定度を
比較するものであり、安定度の指標としては、上記フィ
ルタへの入出力信号、復号回路からの出力信号等が挙げ
られ、また適応等化回路系の信号としては、誤差信号、
タップ係数の修正量等を利用することができる。
【0016】
【作用】適応制御部に対する入力信号又は出力信号を所
定の基準値と比較することにより、あるいは複数チャン
ネルの各チャンネル間の対応部分の信号を比較すること
により、動作状態の異常を検出して判定することがで
き、この結果に応じて必要な処置、例えばタップ係数更
新を中止する等の処置を施すことができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明に係る磁気再生装置の一実施
例としての、前述したようなディジタルVTRの再生系
の概略構成を示すブロック回路図である。この図1にお
いて、磁気テープ(図示せず)に記録された磁気信号
は、VTRのメカブロック(図示せず)内の磁気ヘッド
11により電気信号に変換された後、再生アンプ12に
より増幅され、検出特性回路13に送られる。この検出
特性回路13は、前述したパーシャルレスポンスの検出
特性(エンコード特性)であり、クラスIVの場合(1
+D)の特性を有している。検出特性回路13からの出
力信号は、イコライザの主要部となるディジタルフィル
タ14に供給される。このディジタルフィルタ14とし
ては、一般的にいわゆるFIR(有限インパルス応答)
フィルタあるいはトランスバーサルフィルタが用いら
れ、そのフィルタ特性が後述する適応制御部17により
適応的に調整されるようになっている。このフィルタ1
4からの出力信号は、復号回路15に供給され、レベル
比較(コンパレート)等による“1”、“0”の判別が
なされて記録時のデータ系列の復号が行われる。この復
号回路15からの出力信号は、出力端子15OTを介して
取り出され、前述した図6に示す信号処理回路108等
に送られる。
【0018】加算器(誤差検出器)16は、復号回路1
5の出力dからイコライザのフィルタ14の出力yを減
算することで誤差(残差)eを取り出し、この誤差eを
適応制御部17に送っている。適応制御部17には、上
記検出特性回路13からの出力xがいわゆる参照入力と
して供給されている。この適応制御部17が上記誤差
(残差)の信号パワーを最小とするようにディジタルフ
ィルタ14の係数(タップ係数)を修整、更新すること
で、イコライザ特性が磁気記録再生の際の電磁変換特性
の逆特性に近い形となるように調整される。すなわち、
ディジタルフィルタ14と適応制御部17とでいわゆる
適応フィルタを構成しており、適応等化器とは、イコラ
イザに適応フィルタを用いたものと見ることができる。
【0019】この図1において、検出特性回路13から
適応制御部17への入力信号路の途中に入力値判定回路
31が、加算器(誤差検出器)16から適応制御部17
への誤差信号路の途中に誤差信号判定回路32が、ま
た、適応制御回路17からディジタルフィルタ14への
タップ係数信号路の途中にタップ係数値判定回路33が
それぞれ挿入接続されている。これらの判定回路31〜
33は、再生動作中等にいわゆるドロップアウトや、ノ
イズ、バーストエラー等による異常状態の発生を検出
し、上記タップ係数が異常な値をとらないようにタップ
係数の更新の実行時に制限を付するためのものであり、
入力値判定回路31は入力信号の大きさが適切か否か
を、誤差信号判定回路32は誤差信号の大きさが適切か
否かを、またタップ係数値判定回路33は更新しようと
するタップ係数の値が適切か否かをそれぞれ判定するも
のである。以下これら各判定回路についてさらに説明す
る。
【0020】入力値判定回路31では、入力信号のレベ
ルが所定の適切な入力値の範囲内にあるか否かを判定
し、この適切値の範囲内にないとき、上記タップ係数の
更新を禁止している。これは、等化器に入力される信号
は、正常動作ではある範囲内にあるが、何らかの原因で
突発的に入力が大きくあるいは小さくなることが考えら
れるため、入力信号での制限を行うものである。
【0021】誤差信号判定回路32では、所定の適切な
誤差信号の範囲内にあるか否かを判定し、この適切値範
囲外のとき上記タップ係数の更新を禁止している。これ
は、適応等化アルゴリズムがうまく動作している(収束
している)際には、誤差信号はS/Nに従った比較的狭
い範囲の定常値をとるが、この定常値範囲から大きく外
れるときは、信号の状態が変化している(異常状態であ
る)と考えられるため、誤差信号での制限を行うもので
ある。
【0022】次に、タップ係数値判定回路33でも、所
定の適切なタップ係数の範囲内にあるか否かを判定し、
この範囲外のとき上記タップ係数の更新を禁止してい
る。これは、適応等化においてタップ係数が収束してい
ると考えられる場合も、ノイズ等のため、係数の値は常
に小さな変動を繰り返しているが、その変動はある範囲
内に収まっており、また、タップ係数が収束状態に落ち
着く場合にも、タップ係数にとり得る範囲があり、これ
らの範囲を外れたときには何らかの異常が生じていると
考えられるためである。
【0023】これらの条件は、それぞれ単独に、あるい
は組み合わせて使用すればよい。組み合わせて使用する
場合には、例えば、先ず入力値判定回路31で入力値が
適当かどうかを判定した後、フィルタ出力と希望応答
(復号回路15の出力)とから誤差信号eを算出する。
この誤差信号eに対して、誤差信号判定回路32で上述
のようなチェックを行い、正常な範囲にあれば、適応制
御部17にて新たなタップ係数値を計算する。算出され
たタップ係数値のそれぞれが適切な値か否かをタップ係
数値判定回路33で検査した後、初めてディジタルフィ
ルタ14での現実のタップ係数の更新が行われる。各判
定条件を満たさなかった場合、その時点でアルゴリズム
を中止し、タップ係数の更新を禁止して、前のタップ係
数をそのまま用いるようにする。
【0024】ここで、上記各判定条件におけるそれぞれ
の適切値の範囲は、経験や実験によって予め設定し、R
OMやテープ上等に記録しておく。あるいは、誤差信号
やタップ係数値は、収束状態の値として、一定区間の値
の平均値を実際の等化アルゴリズム実行中に求め、この
平均値からの差に基づいて判定を行わせることもでき
る。このような差を用いて判定を行うための閾値は、上
記と同様に予めROMやテープ上等に保管しておけばよ
い。
【0025】次に、上記フィルタ14と適応制御部17
とから成るいわゆる適応フィルタの具体的な構成の一例
について、図2を参照しながら説明する。この図2にお
いて、入力端子14INからの参照入力xは、タップ数に
応じた遅延素子、例えば4個の遅延素子21a、21
b、21c、21dの直列回路に送られている。入力端
子14INからの入力x0 及び各遅延素子21a、21
b、21c、21dからの各出力x-1、x-2、x-3、x
-4は、それぞれ係数乗算器22a、22b、22c、2
2d、22eに送られ、それぞれフィルタ係数(フィル
タタップ係数)w0 、w1 、w2 、w3 、w4 と乗算さ
れた後、加算される。すなわち、係数乗算器22a、2
2bからの各出力は加算器23aで加算され、係数乗算
器22cからの出力と加算器23aからの出力は加算器
23bで加算され、以下同様に加算器23c、23dで
各係数乗算器22d、22eからの出力も順次加算さ
れ、出力yとなって、上記復号回路15に送られてい
る。各フィルタ係数w0 、w1 、w2 、w3 、w4 は、
適応制御部17からの係数修整(更新)制御信号により
修整されるようになっている。
【0026】適応制御部17で用いられる適応アルゴリ
ズムとしては、多くの手法のものが提案されているが、
その一具体例として、LMS(リーストミーンスクウェ
ア、最小自乗平均)アルゴリズムについて説明する。こ
こで、上記遅延素子の個数を一般化してL個とし、遅延
素子211 、212 、・・・、21L とする。このと
き、上記最初の入力x0 とこれらの各遅延素子231
232 、・・・、23L からの各出力x-1、x-2、・・
・、x-Lがそれぞれ係数乗算器240 、241 、2
2 、・・・、24L に送られ、それぞれフィルタ係数
0 、w1 、w2 、・・・、wL と乗算されて、加算器
に送られて加算されるものとする。
【0027】入力xのデータ系列のk回目のサンプル周
期時点(時刻k)における入力データ及び上記各遅延素
子211 、212 、・・・、21L からの各遅延出力デ
ータを、それぞれxk 、xk-1 、xk-2 、・・・、x
k-L とするとき、FIRフィルタ処理される入力ベクト
ルXk を、 Xk =〔xk k-1 k-2 ・・・ xk-L T ・・・(1) とおく。この(1)式のTは転置記号を示す。この入力
ベクトルXk に対して、上記各フィルタ係数(加重係
数)をwk0、wk1、wk2、・・・、wkLとし、FIRフ
ィルタ出力をyk とすると、入出力の関係は次の(2)
式のようになる。
【0028】 yk =wk0k +wk1k-1 +・・・+wkLk-L ・・・(2) さらに、フィルタ係数ベクトル(加重ベクトル)W
k を、 Wk =〔wk0k1k2 ・・・ wkLT ・・・(3) と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T k =Wk T k ・・・(4) のように記述される。希望の応答をdk とすれば、出力
との誤差εk は、 εk =dk −yk =dk −Xk T k ・・・(5) のように表される。εk が、0に近づくように、Wk
更新するため、次式を用いる。
【0029】 Wk+1 =Wk −μ▽k ・・・(6) この式でμは、適応の速度と安定性を決める利得因子で
あり、▽k は、グラジエントを表す。LMSアルゴリズ
ムでは、▽k は、εk 2 の短時間平均より推定したもの
ではなく、εk 2 を直接偏微分して用いる。 ▽k =δεk 2 /δW =−2εk k ・・・(7) この(7)式を上記(6)式に代入して、係数更新式
は、 Wk+1 =Wk +2μεk k ・・・(8) のように表される。
【0030】この図2において、入力端子14INと適応
制御部17との間に上記入力値判定回路31が挿入接続
でき、加算器16と適応制御部17との間に上記誤差信
号判定回路32が挿入接続でき、また適応制御部17と
ディジタルフィルタ14の各係数乗算器22a〜22e
との間に上記タップ係数値判定回路33を挿入でき、こ
れらの少なくとも1つを設けることにより、突発的な変
動に振られることなく適切な適応等化が行える。
【0031】ここで、図3はタップ係数の時間経過に伴
う変化の具体例を示しており、図3のAは従来例に、図
3のBは上述したような本発明の実施例にそれぞれ対応
している。これらの図3のA、B中の期間TD の間、上
述したドロップアウト等による信号の異常が生じてい
る。
【0032】先ず図3のAは、従来のアルゴリズムの実
行例であるが、外乱やドロップアウト等でタップ係数の
値は大きく変化してしまい、正常な等化が行えず、ま
た、正常状態に戻るのに時間を要する。これに対し、図
3のBに示す本発明実施例のアルゴリズムでは、単発的
な入力異常に対しタップ係数の変更を行わない(禁止し
ている)ため、悪影響を受けることがない。このように
タップ係数の変更を制限していることから、ドロップア
ウト等の信号の異常が終了した後には、迅速に元の状態
に戻ることが可能である。
【0033】次に、本発明の他の実施例について、図4
を参照しながら説明する。この図4において、磁気テー
プ(図示せず)に記録された磁気信号は、VTRの回転
ヘッドに用いられる磁気ヘッド1、11によりそれぞれ
電気信号に変換された後、再生アンプ2、12によりそ
れぞれ増幅され、再生アンプ2からの再生信号は検出特
性回路3に、また再生アンプ12からの再生信号は検出
特性回路13に、それぞれ送られている。検出特性回路
3からの出力信号は、イコライザの主要部となるディジ
タルフィルタ4に供給される。このフィルタ4として
は、上述したようにいわゆるFIR(有限インパルス応
答)フィルタあるいはトランスバーサルフィルタが用い
られ、そのフィルタ特性が後述する適応制御部7により
適応的に調整されるようになっている。このフィルタ4
からの出力信号は、復号回路5に供給され、レベル比較
(コンパレート)等による“1”、“0”の判別がなさ
れて記録時のデータ系列の復号が行われる。この復号回
路5からの出力信号は、出力端子5OTを介して取り出さ
れる。また、検出特性回路13からの出力は、フィルタ
14、復号回路15を介して出力端子15OTより取り出
される。これらの出力端子5OT、15OTからの各データ
信号は、前述した図6に示す信号処理回路108等に送
られる。これらのフィルタ4、適応制御部7から成る適
応フィルタ側の作用と、フィルタ14、適応制御部17
から成る適応フィルタ側の作用は、前述した図1の実施
例と同様であるため、説明を省略する。
【0034】次に、安定度検出回路8は、上記再生アン
プ2、検出特性回路3、ディジタルフィルタ4、復号回
路5等からの各出力信号が供給され、このヘッド1側の
チャンネルの信号の安定状態を算出するものである。ま
た安定度検出回路18は、上記再生アンプ12、検出特
性回路13、ディジタルフィルタ14、復号回路15等
からの各出力信号が供給され、このヘッド11側のチャ
ンネルの信号の安定状態を算出するものである。これら
の安定度検出回路8、18からの各検出出力信号は、比
較回路9に送られて比較されることによって、いずれか
のチャンネルに異常が発生しているか否かの判定がなさ
れる。この判定結果あるいは比較結果の出力は、出力端
子9OTを介して取り出され、例えば動作を中止させた
り、異常が発生したことを知らせる警報ランプ点灯等の
処理を行わせる。
【0035】ここで、上述のような複数チャンネルの再
生回路系が存在するとき、これらの各チャンネル間の信
号状態等の情報を利用して各チャンネルの異常(トラブ
ル)の検出が行えるのは、次のような理由による。すな
わち、安定した状態に対して何らかの変化が表れる場合
を考える。この変化が特定のチャンネルのみに長期的に
表れる場合に、そのチャンネルのヘッド以降の回路に、
ヘッドの目づまり、回路欠損等のトラブルが発生したと
考えられる。これに対して、全てのチャンネルに同様な
状態変化が表れた場合には、複数の回路で同時にトラブ
ルが発生するとは考えられないことから、テープによる
状態変動が起きたと考えることができる。このような点
から、チャンネル間の信号や状態を比較することによ
り、チャンネル毎のトラブルの発見が行えるわけであ
る。
【0036】安定状態の指標としては、上記再生回路系
の信号のみならず、適応等化回路系の各種情報、例えば
上記誤差信号e、あるいはΔe、e2 、Δe2 や、タッ
プ係数の修正量Δw、あるいは複数タップの合計ΔΣ
w、平均値からのずれ等を利用することが考えられる。
このことから、適応等化実行中にトラブルの判定も行う
ことができる。この回路の一例を図5に示す。
【0037】この図5において、安定度比較回路10
は、適応制御回路7、17からの上述したような誤差信
号やタップ係数の修正量等を各チャンネル間で比較し
て、動作が正常か否かを判定する。この安定度比較回路
10からの出力信号は、出力端子10OTを介して取り出
され、上述したように動作を中止させたり警報を発生さ
せたりするのに用いられる。なお、図5の他の構成は、
上記図4や図1の構成と同様であるため、対応する部分
に同じ指示符号を付して説明を省略する。
【0038】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、フィルタ14の具体的構成
や、適応制御部17に用いられるアルゴリズム等は上記
実施例のFIRフィルタやLMSアルゴリズムに限定さ
れない。また、適用機器はディジタルVTRに限定され
ず、ディジタルテープレコーダ、アナログVTR等にも
本発明を適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本件
出願の第1の発明に係る磁気再生装置によれば、磁気記
録媒体に記録された磁気データを再生する磁気再生装置
において、磁気ヘッドからの再生信号の特性を補償する
イコライザとして適応フィルタを用い、この適応フィル
タの適応制御部の入力信号又は出力信号を基準値と比較
して信号の値が適切か否かを判定し、判定結果に応じて
適応フィルタのタップ係数の更新禁止等を行うことによ
り、適応フィルタでの適応動作が、突発的な変動の影響
を受けることなく、変動終了後に迅速に収束状態あるい
は正常状態に戻ることができる。
【0040】また、本件出願の第2の発明に係る磁気再
生装置によれば、磁気ヘッドからの再生信号の特性を補
償するイコライザとなるフィルタと、このフィルタから
の出力信号を復号する復号回路と、上記フィルタへの入
力信号及び上記復号回路への入出力信号に基づいて上記
フィルタの特性を適応的に調整する適応制御部とを有し
て成る再生系を少なくとも2チャンネル具備し、これら
の各チャンネルのそれぞれ対応する部分の信号を互いに
比較することにより動作が正常か否かを判定することに
より、ヘッドの目づまり等の異常(トラブル)の早期発
見が可能となり、警報等を発して適切な処置を促すこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気再生装置の一実施例となるデ
ィジタルVTRの再生系の一部の概略構成を示すブロッ
ク回路図である。
【図2】該実施例に用いられる適応等化器(適応フィル
タ)の内部構成の具体例を示すブロック回路図である。
【図3】適応フィルタのタップ係数の時間変化の様子を
示すグラフである。
【図4】本発明に係る磁気再生装置の他の実施例となる
ディジタルVTRの再生系の一部の概略構成を示すブロ
ック回路図である。
【図5】本発明に係る磁気再生装置のさらに他の実施例
となるディジタルVTRの再生系の一部の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図6】従来技術の説明に供するディジタルVTRの再
生系の概略構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1、11・・・・・磁気ヘッド 3、13・・・・・検出特性回路 4、14・・・・・フィルタ(イコライザ) 5、15・・・・・復号回路(コンパレータ) 6、16・・・・・加算器(誤差検出器) 7、17・・・・・適応制御部 8、18・・・・・安定度検出回路 9・・・・・比較回路 10・・・・・安定度比較回路 31・・・・・入力値判定回路 32・・・・・誤差信号判定回路 33・・・・・タップ係数値判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−67374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/10 321

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に記録された磁気データを
    再生する磁気再生装置において、 磁気ヘッドからの再生信号の特性を補償するイコライザ
    となるフィルタと、 このフィルタからの出力信号を復号する復号回路と、 上記フィルタへの入力信号及び上記復号回路への入出力
    信号に基づいて上記フィルタの特性を適応的に調整する
    適応制御部と、 上記適応制御部の入力信号又は出力信号を基準値と比較
    して信号の値が適切か否かに応じて上記フィルタの係数
    を更新させるかさせないかを判定する判定手段とを有し
    て成ることを特徴とする磁気再生装置。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体に記録された磁気データを
    再生する磁気再生装置において、 磁気ヘッドからの再生信号の特性を補償するイコライザ
    となるフィルタと、このフィルタからの出力信号を復号
    する復号回路と、上記フィルタへの入力信号及び上記復
    号回路への入出力信号に基づいて上記フィルタの特性を
    適応的に調整する適応制御部とを有して成る再生系を少
    なくとも2チャンネル具備し、 これらの各チャンネルのそれぞれ対応する部分の信号を
    各チャンネル間で互いに比較することにより動作が正常
    か否かを判定する比較手段を設けて成ることを特徴とす
    る磁気再生装置。
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