JP3038980B2 - 2サイクルエンジンの排気タイミング可変装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気タイミング可変装置

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JP3038980B2
JP3038980B2 JP3126206A JP12620691A JP3038980B2 JP 3038980 B2 JP3038980 B2 JP 3038980B2 JP 3126206 A JP3126206 A JP 3126206A JP 12620691 A JP12620691 A JP 12620691A JP 3038980 B2 JP3038980 B2 JP 3038980B2
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忠司 飯山
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気通路に弁体を進退
移動させることによって排気タイミングを変化させるよ
うにした2サイクルエンジンの排気タイミング可変装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動二輪車等の車両に搭載さ
れる2サイクルエンジンには、排気通路におけるシリン
ダ側開口上縁部に配設された弁体によって排気タイミン
グを変化させるようにした排気タイミング可変装置を備
えるものがある。
【0003】弁体は、その先端がシリンダの内周面に沿
う態様で円弧状に形成されており、上記排気通路に向け
て進退自在に配設されている。
【0004】この種の排気タイミング可変装置を備える
2サイクルエンジンによれば、上記弁体を排気通路に進
退移動させると、該弁体が進退移動した分だけ排気通路
におけるシリンダ側開口の上縁位置が実質的に変化する
ことになるため、ピストンの往復移動による排気通路の
開成時期を各エンジン回転数域で最適なものとすること
ができ、低回転数域から高回転数域に亘る広い回転数域
でエンジンの出力を向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記のような
排気タイミング可変装置においては、排気通路に突出す
る弁体の先端とシリンダの内周面との間隙が小さければ
小さいほど、それだけシリンダから排気通路へのガスの
逃げが抑えられるため、その効果が一層顕著となること
が知られている。
【0006】このため従来の排気タイミング可変装置で
は、上述したように弁体の先端をシリンダの内周面に沿
う態様で円弧状に形成し、該シリンダの内周面との間隙
を小さくするようにしている。
【0007】しかしながら、エンジンの運転中において
は、図4(a)および図4(b)に示すように、シリン
ダ1側の開口2aを介してピストンリング3が排気通路
2の内部に突出してくるため、実際には、このピストン
リング3と干渉しないように弁体4を突出させる必要が
ある。
【0008】図からも明らかなように、上記ピストンリ
ング3は、シリンダ1の軸方向および周方向において、
それぞれ上記排気通路2における開口2aの中央部で最
も大きく突出するため、上記排気タイミング可変装置で
は、シリンダ1の内周面1aとの間、特に突出する弁体
4の上方部やその両端部に大きな間隙α,βが構成され
ることになる。
【0009】本発明の目的は、上記実情に鑑みて、エン
ジン出力の一層の向上を図ることができる2サイクルエ
ンジンの排気タイミング可変装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る2サイクル
エンジンの排気タイミング可変装置では、排気通路にお
けるシリンダ側開口上縁部に弁体を移動可能に配設し、
この弁体を上記排気通路に進退移動させることによって
排気タイミングを変化させるようにした2サイクルエン
ジンの排気タイミング可変装置において、上記弁体を上
記排気通路に突出させた際に、その先端形状が上記シリ
ンダ側開口から上記排気通路に突出するピストンリング
の軌跡に倣うように構成している。
【0011】
【作用】上記構成によれば、弁体の先端が排気通路に突
出するピストンリングの軌跡に倣うため、該先端をピス
トンリングに干渉させることなく、可及的にシリンダの
内周面との間隙を小さくすることができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳細に説明する。図2は、本発明に係る排気タイミング
可変装置を適用した2サイクルエンジンを概念的に示し
たもので、このエンジンは、シリンダブロック10に形
成された排気通路11の上部(図示していないピストン
の上死点側で図中の上方)に収容孔12を有している。
この収容孔12は、シリンダブロック10の側面上部か
らシリンダ13の軸心に向けて下方(図示していないピ
ストンの下死点側で図中の下方)に傾斜する態様で貫設
されており、該シリンダ13および上記排気通路11に
おけるシリンダ側開口11a′の上縁部に開口してい
る。
【0013】図からも明らかなように、この収容孔12
には、ガイドスリーブ20を介して3つの板状弁体3
0,40,50が層状に配設されている。ガイドスリー
ブ20は、上記収容孔12の側面開口12aを閉塞する
大きさを有し、軸部挿通孔21が貫設されたフランジ部
22と、このフランジ部22から上記収容孔12の内周
面の一部に沿う態様で延設され、その内周面に上記収容
孔12の軸方向に沿う案内溝23が形成された上板部2
4とを有しており、該上板部24を上記収容孔12の上
部に配置させ、上記フランジ部22を介して収容孔12
に固定設置されている。なお、このガイドスリーブ20
における上板部24の先端部は、上記排気通路11の上
部内周面11aの一部およびシリンダ13の内周面13
aの一部を構成している。
【0014】最上位に配置された第1の弁体30は、上
記ガイドスリーブ20の上板部24に形成された案内溝
23に対向する部位に第1貫通ピン31を備えており、
該第1貫通ピン31を上記案内溝23に配置させ、かつ
ガイドスリーブ20のフランジ部22裏面との間に第1
コイルスプリング32を介装させた状態で、上記収容孔
12の軸方向に沿って摺動自在に配設されている。この
第1の弁体30には、上記上板部24に形成された案内
溝23に沿う態様で、その下面に第1案内溝33が形成
されている。
【0015】中間に配置された第2の弁体40は、上記
第1の弁体30の第1案内溝33に対向する部位に第2
貫通ピン41を備えるとともに、該第1の弁体30の第
1貫通ピン31に対向する部位に上記第1案内溝33に
沿う第2案内溝42を有しており、第2貫通ピン41を
第1案内溝33に配置させ、かつ第2案内溝42に第1
貫通ピン31を配置させ、さらにガイドスリーブ20の
フランジ部22裏面との間に第2コイルスプリング43
を介装させた状態で、上記第1の弁体30と同様に、上
記収容孔12の軸方向に沿って摺動自在に配設されてい
る。
【0016】最下部に配置された第3の弁体50は、上
記第2の弁体40の第2貫通ピン41に対向する部位に
上記第2案内溝42に沿う第3案内溝51を有するとと
もに、その基端に軸部52を有しており、上記第3案内
溝51に第2貫通ピン41を配置させ、かつ軸部52を
ガイドスリーブ20におけるフランジ部22の軸部挿通
孔21に貫挿させた状態で、上記第2弁体40と同様
に、上記収容孔12の軸方向に沿って摺動自在に配設さ
れている。この第3の弁体50の軸部52には、該軸部
52の軸心に直交する態様で係合ピン53が貫設されて
おり、該係合ピン52に回動アクチュエータ60のアー
ム61が係合されている。
【0017】これら第1、第2および第3の弁体30,
40,50は、上記回動アクチュエータ60の作動によ
り、軸部52を介して第3の弁体50を最も縮退させる
と、第3案内溝51の端面に第2貫通ピン41が当接す
ることにより、第2の弁体40が第2コイルスプリング
43の押圧力に抗して最も縮退した位置に保持され、さ
らに第2案内溝42の端面に第1貫通ピン31が当接す
ることにより、第1の弁体30が第1コイルスプリング
32の押圧力に抗して最も縮退した位置に保持される。
このとき、これら弁体30,40,50は、それぞれ上
記収容孔12内に完全に収容されており、個々の下面が
排気通路11の上部内周面11aを構成している。
【0018】一方、上記回動アクチュエータ60の作動
によって第3の弁体50を排気通路11内に突出させる
と、図1(a)に示すように、第2の弁体40が第2コ
イルスプリング43の押圧力によって排気通路11内に
突出され、さらに第1の弁体30が第1コイルスプリン
グ32の押圧力によって排気通路11内に突出されるこ
とになる。
【0019】このときの各弁体30,40,50の先端
中心部A1,A2,A3における排気通路11への突出
量A′1,A′2,A′3は、案内溝23、第1案内溝
33、第2案内溝42および第3案内溝51の長さによ
って決定されるものであるが、これらを調整することに
より、排気通路11のシリンダ側開口11a′から該通
路11に突出するピストンリングPの軌跡に倣う態様
で、予め下式(1)を満たすように設定する。 A′1<A′2≦A′3 …(1)
【0020】また、図1(b)に示すように、各弁体3
0,40,50が最も突出した状態において、シリンダ
13の中心からそれぞれの両端B1,B2,B3までの
距離B′1,B′2,B′3が下式(2)乃至(5)を
満たすように設定し、さらに各弁体30,40,50の
先端形状を、排気通路11に突出するピストンリングP
の軌跡に倣う態様で、上述した先端中心部A1,A2,
A3と両端B1,B1,B2,B2,B3,B3とを結
んだ弧状に成形する。 B′1<B′2≦B′3 …(2) A1>B1 …(3) A2>B2 …(4) A3>B3 …(5) (なお、B′1=R(シリンダの径)+0.2〜0.6
mm程度)
【0021】上記のように構成された弁体30,40,
50を備える2サイクルエンジンでは、エンジンの低回
転数域においてこれら弁体30,40,50を排気通路
11に突出させた際に、ピストンリングPに干渉しない
範囲でそれぞれの先端が可及的にシリンダ13の内周面
13aに近接配置され、該弁体30,40,50の両端
部や上部の間隙も可及的に小さくなるため、シリンダ1
3内のガスの流出が確実に阻止され、エンジン出力の更
なる向上を図ることが可能となる。
【0022】なお、上記実施例では、3つの板状弁体3
0,40,50を備える排気タイミング可変装置を例示
しているが、本発明は唯一の弁体を備えるものや、3以
外の複数の弁体を備える可変装置にももちろん適用する
ことができる。複数の弁体を備える排気タイミング可変
装置に適用する場合、実施例においては、貫通ピン3
1,41を案内溝23,33,42,51に配置させ、
唯一の回動アクチュエータ60の作動によって3つの弁
体30,40,50を進退移動させるようにしている
が、複数の弁体を個別のアクチュエータによって進退移
動させるようにしてもよい。また、弁体30,40,5
0をシリンダ13の軸心に対して傾斜させる態様で進退
移動させるようにしているが、弁体の移動方向はシリン
ダの軸心に沿う方向や軸心に直交する方向に進退させて
も構わない。さらに、排気通路11はシリンダ13に唯
一の開口11a′を有しているが、シリンダに複数の開
口を有する2サイクルエンジンにも適用することができ
る。
【0023】また、上記実施例では、弁体30,40,
50の先端形状が、シリンダ13の軸心に沿った方向お
よびシリンダ13の内周面13aに沿った方向の両方向
において排気通路11に突出するピストンリングPの軌
跡に倣うように構成しているが、本発明ではいずれか一
方向のみを軌跡に倣うようにすればよい。シリンダ13
の軸心に沿った方向を突出するピストンリングPの軌跡
に倣うように構成する場合、実施例においては、複数の
弁体30,40,50の突出量を調整するようにしてい
るが、形状そのものを軌跡に倣うようにしても構わな
い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る2サ
イクルエンジンの排気タイミング可変装置によれば、弁
体の先端が排気通路に突出するピストンリングの軌跡に
倣うため、該弁体の先端をピストンリングに干渉させる
ことなく、シリンダの内周面との間隙を可及的に小さく
することができ、エンジン出力の一層の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る2サイクルエンジンの排
気タイミング可変装置の要部を概念的に示したもので、
図1(a)は弁体を最も突出させた状態を示す断面側面
図、図1(b)は弁体を最も突出させた状態を示す断面
平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る排気タイミング可変装置
を適用した2サイクルエンジンを概念的に示したもの
で、図2(a)は弁体を縮退させた状態を示す断面側面
図である。
【図3】図3は、本発明に係る排気タイミング可変装置
を適用した2サイクルエンジンの排気通路を概念的に示
したもので、弁体を最も突出させた状態を示す正面図で
ある。
【図4】図4は、従来の2サイクルエンジンの排気タイ
ミング可変装置の要部を概念的に示したもので、図4
(a)は弁体を最も突出させた状態を示す断面側面図、
図4(b)は弁体を最も突出させた状態を示す断面平面
図である。
【符号の説明】
11 排気通路 11a′ シリンダ側開口 30,40,50 弁体 P ピストンリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−303119(JP,A) 実開 平3−92546(JP,U) 特公 平3−57287(JP,B2) 特公 平3−57286(JP,B2) 特公 平2−32455(JP,B2) 実公 平2−40264(JP,Y2) 実公 平2−23790(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 5/20 F02B 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路におけるシリンダ側開口上縁部
    に弁体を移動可能に配設し、この弁体を上記排気通路に
    進退移動させることによって排気タイミングを変化させ
    るようにした2サイクルエンジンの排気タイミング可変
    装置において、上記弁体を上記排気通路に突出させた際
    に、その先端形状が上記シリンダ側開口から上記排気通
    路に突出するピストンリングの軌跡に倣うように構成し
    たことを特徴とする2サイクルエンジンの排気タイミン
    グ可変装置。
JP3126206A 1991-05-29 1991-05-29 2サイクルエンジンの排気タイミング可変装置 Expired - Fee Related JP3038980B2 (ja)

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