JP3038922B2 - 摺動部品およびその製造法 - Google Patents

摺動部品およびその製造法

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JP3038922B2 JP9500317A JP50031797A JP3038922B2 JP 3038922 B2 JP3038922 B2 JP 3038922B2 JP 9500317 A JP9500317 A JP 9500317A JP 50031797 A JP50031797 A JP 50031797A JP 3038922 B2 JP3038922 B2 JP 3038922B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はタペット、ロッカーアームなどのエンジン部
品や軸受けなどを始めとする耐摩耗性を要求される複数
の摺動面を有する摺動部品およびその製造法に関する。
背景技術 一般に機械摺動部品では片当り防止のため、対をなす
摺動面の一方は平面ではなく中央部が外縁部に対して僅
かに(数μm〜数十μm程度)高くなった凸状のクラウ
ニング形状をとっている。
このクラウニング形状は機械(研磨)加工や特開昭63
−289306に記載のセラミックスを金属で外嵌し、その締
め付け力でセラミックスを弾性変形させる方法、また特
開昭63−225728に記載の摺動面を形成するセラミックス
と本体である金属とを加熱接合し、両者の熱膨張率の差
を利用する方法、さらにに仮焼結体を予めクラウニング
形状に加工した上で焼結し、焼結したままの面を摺動面
として用いる方法[自動車技術Vol.39,No.10,(1985)p
1184]などにより成形されている。
しかしながらクラウニング形状が3次元形状であるた
め、機械加工による同形状の形成には多大なコストを要
する。
また、外嵌による方法やセラミックスと金属の熱膨張
差を利用する方法では、構造、加熱温度などが決まれば
クラウニング量に制約が生じてしまう。
仮焼結体を予めクラウニング形成に加工した上で焼結
し、焼結したままの面を摺動面として用いる方法では、
焼成時の収縮によりクラウニング形状に加工した面が変
形し寸法精度が低下してしまうといった問題があった。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、より実用性を高め
た摺動部品およびその製造法を提供することを目的とす
る。
発明の開示 上記目的を達成するため、本発明が提供する摺動部品
は、セラミックスからなる第一の部材と鋼からなる第二
の部材とからなる摺動部品であって、 鋼にて構成される個所の(第二の部材)に部分的に表
面焼き入れ処理を施すことにより、少なくとも1ケ所の
第一の部材の摺動面がクラウニング形状になっている摺
動部品 表面焼入後に行なう熱処理や鋼部の加工によりクラウ
ニング量を変化させた摺動部品 以上の表面焼き入れ処理によりクラウニング形状をな
す摺動面を形成する部材のうち少なくとも1ケ所が接合
または嵌合にて形成されている摺動部品 で、 その製造法は、 摺動面をクラウニング形状にするために摺動部品本体
のうち鋼で構成されている箇所に部分的に表面焼き入れ
処理を施こす方法 表面焼入後にクラウニング量を変化させるために熱処
理や鋼部の加工を行う方法。
摺動面を形成する部材を摺動部品本体に接合や嵌合に
て行う方法である。
また、接合や嵌合で形成される摺動面の部材は、セラ
ミックスを用いることがより好ましい。
作用 本発明の摺動部品では、摺動部品を構成する焼き入れ
可能な鋼に部分的に表面焼き入れ処理を行うことにより
少なくとも1ケ所の摺動面にクラウニング形状を形成さ
せる。
すなわち表面焼き入れ時のマルテンサイト変態による
体積膨張やいわゆる焼歪みなどを利用することにより、
部分的に変形を生じさせ、摺動部品中の任意の摺動面に
クラウニング形状を付与させる。
表面焼き入れを施す箇所は、クラウニングを付与する
摺動面の場所やクラウニング量により適時選択される。
表面焼入によりクラウニングを付与するには上記の現象
を利用する。したがって接合部付近や広範囲に焼入を行
ったほうが効率的である。ちなみに表面焼き入れを施こ
す表面積の合計は部品全体からクラウニング形成させた
部分を除いた表面積の30%以上であることが好ましい。
また、付与するクラウニング量は表面焼き入れの手法
や方法(加熱や冷却時間など)、また使用する鋼剤の種
類などにより広範囲の制御が可能である。
また、焼き入れ処理を行なった箇所は硬化され、摩耗
が少なく耐久性があり摺動部としても機能を発揮できる
という効果も同時に生じる。
表面焼き入れ処理を施す部分の鋼は、表面焼き入れ処
理により硬化すれば種類は特には問われないが、強度、
材料や加工のコスト面から機械構造用鋼として広く用い
られている炭素鋼やNi,Cr,Moを合金元素として添加され
ている合金鋼などが好ましい。
また、本発明では表面焼入処理を行った摺動部品に熱
処理を加えることによりクラウニング量を変化させる。
これは、表面焼入により生じた残留応力の解放やマルテ
ンサイトを始めとする焼入によって形成された不安定組
織の変化を利用する。熱処理は、全体にまたは部分的で
もよく変化させるクラウニングの場所や量および形状に
より選択される。
この熱処理は焼き入れた箇所の焼戻処理として行うこ
とにより使用目的に応じた適度な硬さとじん性を備えさ
せることができ、残留応力が除去され、それによってク
ラウニング量の経年変化やそれによる焼き入れ箇所の割
れを防ぐことができる。
本発明の摺動部品は表面焼入処理後、鋼部に加工を施
すことによりクラウニング量を変化させる。表面焼入
後、摺動部品は焼歪みなどによる様々な残留応力がバラ
ンスしそのクラウニング形状を保っているが、加工によ
り剛性を変化させたり、残留応力層を除去し、そのバラ
ンスを崩すことを利用してクラウニング量を変化させ
る。
加工箇所は、変化させるクラウニングの場所や量によ
り適時選択される。この加工は当然高精度の寸法や面粗
度を要求される摺動箇所を形成させるものとして用いて
もよい。
また、特に摺動特性が要求される箇所には、摺動特性
の優れた部材を摺動部品本体に接合や嵌合にて取り付け
てもよい。この場合、接合や嵌合により生じた残留応力
の解放が焼入後の熱処理や加工で生じるので、クラウニ
ングの変化量を広範囲とすることができる。
この摺動部品本体に取り付けられ摺動面を形成する部
材は、特に摺動性、耐熱性が優れたセラミックスを用い
ることが望ましい。
セラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al
2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4
などの高強度の材料がより好ましい。なお、セラミック
スとしてはJIS準拠の4点曲げ強度50kg/mm2以上、かつ
耐熱衝撃性を示す温度差400℃以上のものを用いる。こ
れらの内でも特にSi3N4セラミックスが優れた特性を示
す。
さらに好ましくは、その室温での強度値および耐熱衝
撃性を示す温度差がそれぞれJIS準拠の4点曲げ試験片
で100kg/mm2以上、800℃以上である窒化珪素系セラミッ
クスを用いる。
表面焼き入れ処理される付近にセラミックスと鋼が接
合されている場合は、その接合状態や強度を保持するた
め接合部の温度を接合時より低くなるように冷却を行っ
たり、処理条件の調製を行うが、形状などの制約から接
合部が接合温度近傍まで温度上昇する場合もある。その
ため、冷却(油冷など)による熱衝撃後の強度劣化を招
かないためには、セラミックスは耐熱衝撃温度差は少な
くとも400℃以上とする。この場合最も確実には800℃以
上であることが望ましい。
さらに、セラミックスとして前記高強度の窒化珪素系
セラミックスを選び、その強度を100kg/mm2以上、好ま
しくは130kg/mm2以上とすることにより、接合部付近に
表面焼き入れ処理を行なう場合でもセラミックスに発生
する応力に耐え、割れの発生を容易に防ぐことができ
る。
次に、本発明の摺動部品の製造法について述べる。
用いる表面焼き入れ処理法は、高周波、火炎、レーザ
ビーム、電子ビーム焼き入れなど公知の方法を用いる。
又、焼き入れ処理を行う箇所のじん性を確保する必要
がある場合は、あらかじめ浸炭処理を施した鋼製本体を
用いればよい。
表面焼入れ後の熱処理は、100℃から700℃で行う。10
0℃より低いとクラウニングの変化はほとんどなく、700
℃を越えるとオーステナイト組織が生じ焼入により生じ
た組織が崩れることになり好ましくない。より好ましい
温度範囲は、150℃から600℃である。
表面焼入後の鋼部の加工は、切削などの公知の機械加
工により行なう。特に焼入を行ない摺動部として用いる
場合は、黒皮と呼ばれる表面層を除去し、また焼き歪み
による変形をなくし高精度に加工することが必要であ
る。また、面粗度を適度により小さいレベルに調整する
場合には、研磨加工により行なえばよい。
摺動面を形成する部材を摺動部品本体に取り付ける場
合は、接合や嵌合により行なう。接合としてはロウ付け
や拡散接合などの加熱接合、溶接や圧接などの公知の方
法を利用すればよい。
加熱接合時の温度は表面焼き入れ処理時の温度上昇で
の影響がないように800℃以上であることが最も好まし
い。
言い換えると、加熱接合時の温度以上にならないよう
に、表面焼き入れ箇所を選択することが好ましく、また
表面焼入得時に熱の拡散が少ない電子ビームやレーザビ
ーム焼き入れでは接合部近傍まで焼き入れを施すことが
でき、表面焼き入れできる面積は大きくできる。
一方、火炎や高周波焼き入れでは、熱影響部が大きく
なるので接合部近傍までは焼き入れを施すことが難し
く、例えば高周波焼入では加熱時間や周波数により異な
るが焼き入れ範囲は概ね接合部から数mm程度離すことが
好ましい。
接合される部材がセラミックスの場合には、ロウ付け
による接合を行うが、ロウ材は、セラミックスを金属に
直接接合する場合、Tiを含む銀ロウ、例えばAg−Cu−Ti
系、Ag−Ti系等が選択され、セラミックスの接合面側に
メタライズ処理されている場合は、Ag−Cu系等がよい。
また、ロウ付け雰囲気は非酸化雰囲気(真空およびA
r,N2,H2およびそれらの混合ガス等)が好ましい。嵌合
は圧入や焼きばめなどの公知の方法に行えばよい。
図面の簡単な説明 図1は、バルブリフター本体縦断面図である。
図2は、タペット縦断面図である。
図3は、タペット縦断面図である。
図4は、タペット本体縦断面図である。
図5は、タペット縦断面図である。
図6は、タペット縦断面図である。
図7は、バルブリフター縦断面図である。
符号の説明 A 焼入範囲上限 1 バルブリフター本体 2 タペット本体 3 摺動部材 4 バルブリフター本体 5 摺動部材 10 摺動面 11 外周面 12 半球面 13 内底面 14 首部外周面 発明を実施するための最良の形態 参考例 図1に本発明の摺動部品の参考例として作製したバル
ブリフターを示す。
バルブリフター本体1は機械構造用合金鋼クロムモリ
ブデン鋼SCM440(JIS G4105)を用いた。
全体の寸法は、外径φ25mm、内径φ22mm、全高25mm、
内側高さ20mmである。
バルブリフター本体1を850℃から油冷し、550℃から
の急冷で焼き戻しを行った後、摺動面となる面10を平面
度3μm、表面粗さ1.6μm以下(JIS十点平均粗さ)に
加工した。
外周面11を周波数300kHzの高周波により、開口部から
同外周面全長でそれぞれ6,12,18,25mmの範囲を加熱し、
加熱範囲の異なる試料とした。これらの試料はその後直
ちにバルブリフター全体を水冷し、焼き入れ処理をし
た。
焼き入れ処理後、20個の平均で面10の形状は中央部が
外縁部に較べて、表1に示す値だけ張り出した球面状で
あった。ここで外縁部とは直径で21mmの所とした。
また、焼入範囲が25mmのサンプルを用いて同様に内底
面13を高周波焼入し、その際加熱時間を2,4,6,8秒と変
化させた。クラウニング量(張り出し量)の内底面焼入
前後での変化量は5個の平均でそれぞれ、5,3,−1,−3
μmとなった。
さらに、加熱時間が2秒のものを200℃の油浴で焼戻
処理し、外周をセンタレス研削でφ24.8mmに仕上げた。
焼戻後はクラウニングが5個の平均で2μm、加工後に
は2μmそれぞれ増加した。
実施例1 図2に、本発明に基づく摺動部品の1例として作製し
たタペットを示す。
タペット本体2は、機械構造用合金鋼ニッケルクロム
鋼SNC836(JIS G4102)を用いた。摺動部品の寸法は、
直径φ30mm、中空部内径φ25mm、全高40mmである。本発
明に基づいて摺動面10を形成する摺動部材3に直径φ30
mm、厚さ1.5mmの市販の炭化珪素(SiC)セラミックス、
超硬合金を用い、摺動面となる面10は平面度5μm、表
面粗さ1.6m以下(十点平均粗さ)に加工した。
タペット本体2への摺動部材3の接合は、厚み50μm
のAg−Cu−Ti系ロウ材を介して真空中で860℃、30分保
持の条件で行った。外周面11を加速電圧6kVの電子ビー
ムにより加熱し、焼き入れ処理とした。面10の形状は表
面焼き入れ処理により外縁部(φ25mm)に対する中央部
の球面状の張り出し量が20個の平均でSiC、超硬合金で
それぞれ9.4μm増加し、全体の張り出し量は29,22μm
となった。
実施例2 実施例1と同様の形状のタペットを以下のように作製
した。
タペット本体2は機械構造用合金鋼クロム鋼SCr440
(JIS G4104)を用い、Si3N4製摺動部材3は以下に示
すように作製した。
市販のSi3N4粉末に焼結助剤として5重量%のY2O3
2重量%のAl2O3を加え、エタノール中でボールミルに
よる混合を96時間行った。乾燥後、得られた混合粉末を
プレス成形した後さらにCIPを行った後、2気圧の窒素
ガス雰囲気中において1710℃、4時間の条件で焼結し、
その後1000気圧の窒素ガス雰囲気中で1660℃、1時間の
HIP処理を行った。
得られた焼結体はα率が11%、50μm長さに対する結
晶粒の線密度が115であった。α率は、(α−窒化珪
素、α′−サイアロン)、(β−窒化珪素、β′−サイ
アロン)、のそれぞれの(102)+(210)、(101)+
(210)の回折線のピーク強度比;α[(102)+(21
0)]/{α[(102)+(210)]+β[(101)+(21
0)}として求めた。又、焼結体の機械的特性を表2に
示す。
得られた焼結体直径30mm、厚さ1mmの素材を切り出
し、摺動面となる面10は平面度5μm、表面粗さ1.6μ
m以下(十点平均粗さ)に加工した。タペット本体2と
厚み50μmのAg−Ti系ロウ材を介して真空中で1000℃、
30分保持の条件でロウ付けを行った。
ロウ付けされたタペットを実施例1同様高周波(400k
Hz)により外周面11の表面を開口部からA部(開口部か
ら25mm)まで加熱し、その後直ちにタペット全体を水冷
し、続いて半球面12も同様に高周波により焼き入れ(加
熱時間5秒)し水冷した。
表面焼き入れ処理後、20個の平均で摺動面10の外縁部
(φ25mm)に対する中央部の球面状の張り出し量(クラ
ウニングの変化量)は面11のみ焼入れした場合は8μm
増加し、32μmとなった。面12にも焼入れした場合はさ
らに12μm増加した。
実施例3 実施例2において、外周面11の焼入の範囲を開口部か
らの距離で5,15,25,30mmと変化させた。その結果、外周
面の焼入によるクラウニングの変化量は、表3のように
なった。
実施例4 実施例2において、半球面12の焼入を加熱時間を3,7,
9秒と変更して行った。その結果、外周面11の焼き入れ
後からのクラウニングの変化量は、それぞれ20個の平均
で16,5,−2μmであった。
実施例5 実施例2の高周波焼入したタペットを、200℃の油浴
中で熱処理(焼戻)を行った。その結果、外周面11の焼
き入れ後からのクラウニングの変化量は、20個の平均で
5μmであった。
実施例6 図3に、本発明に基づく摺動部品の1例として作製し
たタペットを示す。
タペット本体2は、機械構造用合金鋼ニッケルクロム
鋼SCM435(JIS G4105)を用いた。摺動部品の寸法は、
直径φ31mm、中空部内径φ27、全高55mmである。実施例
3で作製した窒化珪素を直径φ30mm、厚さ1.3mmに加工
し摺動部材3とし、摺動面となる面10は平面度3μm、
表面粗さ0.8μm以下(十点平均粗さ)に研磨加工し
た。
タペット本体2への摺動部材3の接合は、厚み50μm
のAg−Cu−Ti系ロウ材を介して真空中で880℃、40分保
持の条件で行った。
ロウ付けされたタペットを実施例3同様高周波により
外周面11の表面を開口部からA部まで加熱し、その後直
ちにタペット全体を水冷し、続いて半球面12も同様に高
周波により焼き入れし水冷した。150℃の油浴中で焼戻
後、タペット本体2をセンタレス研削によりφ30.5まで
加工した。その結果、焼戻後かにのクラウニングの変化
量は、20個の平均で6μmであった。なお、クラウニン
グは中央部と外縁部(φ25mm)の段差として測定した。
実施例7 図4に、本発明に基づく摺動部品の1例として作製し
たタペット本体2を示す。材料は機械構造用合金鋼ニッ
ケルクロム鋼SNC631(JIS G4102)を用いた。摺動部品
の寸法は、直径φ25.5mm、中空部内径φ22、全高45mmで
ある。実施例2で作製した窒化珪素を直径φ24.5mm、厚
さ1.2mmに加工し摺動部材3とし、摺動面となる面10は
平面度3μm、表面粗さ0.8μm以下(十点平均粗さ)
に研磨加工し、摺動部材3とした。
タペット本体2への摺動部材3の接合は、厚み50μm
のAg−Ti系ロウ材を介して真空中で1100℃、20分保持の
条件で行った。
ロウ付けされたタペットを実施例2同様高周波により
外周面11の表面を開口部からA部まで加熱し、その後直
ちにタペット全体を水冷し、続いて半球面12も同様に高
周波により焼き入れし水冷した。150℃の油浴中で焼戻
後、タペット鋼部をセンタレス研削によりφ25.0mmまで
加工した。その後、図5のように接合部付近を機械加工
によりφ24.75mmまで仕上げた。その結果、接合部付近
の加工をしたものはしなかったものに較べてクラウニン
グは、20個の平均で5μm大きかった。なお、クラウニ
ングは中央部と外縁部(φ25mm)の段差として測定し
た。
実施例8 図6に、本発明に基づく摺動部品の1例として作製し
たタペットを示す。摺動部品の寸法は、カサ部が直径φ
30mm、首部直径φ17mm、全高45mmである。実施例3で作
製した窒化珪素を直径φ30mm、厚さ1.2mmに加工し摺動
部材3とした。面10の平面度、表面粗さは実施例2と同
じにした。
タペット本体2は機械構造用合金鋼ニッケルクロムモ
リブデン鋼SNCM616(IJS G4103)に浸炭処理(浸炭深
さ:0.5mm)を施したものを用いた。ただし、摺動部材3
との接合面は浸炭層を除去加工した。摺動部材3への接
合は、厚み70μmのAg−Cu−Ti系ロウ材を介して真空中
で860℃、10分保持の条件で行った。一方、市販の超硬
合金を窒化珪素と同様に加工し、1050℃で拡散接合によ
りタペット本体2に接合した。
ロウ付けされたタペエットの首部外周面14を高周波に
より加熱し、その後直ちにタペット全体を水冷した。そ
の結果、クラウニングは20個の平均で焼入により窒化珪
素、超硬合金でそれぞれ10,7μm大きくなった。
実施例9 図7に本発明に基づく摺動部品の1例として作製した
バルブリフターを示す。バルブリフター本体4は機械構
造用合金鋼ニッケルクロムモリブデン鋼SNCM439(JIS
G4103)を用いた。摺動部品の寸法は直径φ30mm、全高4
0mmである。
本発明に基づいて摺動面10を形成する。摺動部材5に
直径φ27.5mm、厚さ6mmの市販の窒化珪素セラミック
ス、超硬合金および実施例3で作製した窒化珪素セラミ
ックスを用い、圧入シロ50μmで嵌合した。摺動面とな
る面10は実施例1と同様の加工を施した。
外周面11を加速電圧7kVの電子ビームにより加熱し、
焼き入れ処理とした。焼き入れ処理により20個の平均で
市販窒化珪素、超硬合金、実施例3で作製した窒化珪素
でそれぞれ、摺動面10の形状は中央部が外縁部(φ23)
に較べてそれぞれ、7,5,8μm、球面状に張り出し、全
体の張り出し量はそれぞれ14,10,15μmとなった。
産業上の利用可能性 本発明は、摺動部品の鋼にて構成される箇所に公知の
表面焼き入れ処理を施すことによりクラウニング形状を
成形させ、さらに表面焼き入れ後の熱処理や鋼部の加工
によりクラウニング形状を変化させ、そのクラウニング
形状を成す摺動面の内、少なくとも1ケ所の摺動面を形
成する部材、好ましくは曲げ強度、耐熱衝撃性が優れた
窒化珪素系セラミックスでその摺動面を形成し、かつ当
該部材が接合または嵌合により摺動部品に取り付けられ
ることにより以下の効果がある。
表面焼き入れ処理、表面焼き入れ後の熱処理および鋼
部の加工によりクラウニング形状を付与するため、クラ
ウニング形状を付与する箇所およびクラウニング量の制
御が可能である。
摺動特性が必要な部分に接合または嵌合する部材の前
加工形状が平面のため3次元の前加工が不要なため、低
コストの摺動部品が提供可能である。
摺動特性が必要な部分にセラミックスを摺動部材とし
て接合または嵌合するため、低コストの摺動部品が提供
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−103057(JP,A) 特開 平4−203206(JP,A) 特開 平4−314903(JP,A) 特開 昭63−225728(JP,A) 特開 昭63−289306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/14 F01L 1/18 C21D 9/00 C21D 9/32 C21D 9/40

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラウニング状の摺動面を有するセラミッ
    クスからなる第一の部材と鋼からなる第二の部材とから
    なる摺動部品であって、第一の部材が第二の部材にロウ
    付接合され、そのクラウニング状の摺動面は、第一の部
    材と第二の部材のロウ付接合工程と、第二の部材の表面
    の部分的な焼き入れ処理工程によって形成されており、
    第二の部材の焼き入れされた表面が、第一の部材が接合
    された面を除く第二の部材全表面の30%以上を占めるこ
    とを特徴とする摺動部品。
  2. 【請求項2】クラウニング状の摺動面を有するセラミッ
    クスからなる第一の部材と鋼からなる第二の部材とから
    なる摺動部品であって、第一の部材が第二の部材に嵌合
    され、そのクラウニング状の摺動面は、第一の部材と第
    二の部材の嵌合工程と、第二の部材の表面の部分的な焼
    き入れ処理工程によって形成されており、第二の部材の
    焼き入れされた表面が、第一の部材が接合された面を除
    く第二の部材全表面の30%以上を占めることを特徴とす
    る摺動部品。
  3. 【請求項3】第一の部材が円板であり、第二の部材がバ
    ルブリフターまたはタペットであって、該バルブリフタ
    ーまたはタペットの焼き入れされた面が、その開口部側
    から形成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の摺動部品。
  4. 【請求項4】第一の部材が円板であり、第二の部材がバ
    ルブステムまたはタペットであって、該バルブステムま
    たはタペットの焼き入れされた面が、その首部全面に形
    成されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    摺動部品。
  5. 【請求項5】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理を
    施すことにより、摺動面の中央部と外縁部の段差、いわ
    ゆるクラウニング量を増加させたことを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載の摺動部品。
  6. 【請求項6】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理を
    施すことにより、クラウニング量を減少させたことを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の摺動部品。
  7. 【請求項7】第二の部材への部分的な表面焼き入れ処理
    後に熱処理を施すことにより、クラウニング量を増加さ
    せたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の
    摺動部品。
  8. 【請求項8】第二の部材への部分的な表面焼き入れ処理
    後に鋼部の一部もしくは全体に加工を施すことにより、
    クラウニング量を増加させたことを特徴とする請求項1
    乃至5の何れかに記載の摺動部品。
  9. 【請求項9】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理に
    よりクラウニング形状をなす摺動面を形成する部材のう
    ち少なくとも1ケ所が窒化珪素系セラミックスからな
    り、その室温での強度および耐熱衝撃性を示す温度差が
    それぞれ100kg/mm2以上、800℃以上であることを特徴と
    する請求項7または8に記載の摺動部品。
  10. 【請求項10】摺動面を形成するためのセラミックスか
    らなる第一の部材を鋼からなる第二の部材にロウ付接合
    した後、第一の部材を接合した面を除く第二の部材の30
    %以上の表面の焼き入れ処理工程によって第一の部材の
    摺動面にクラウニングを形成することを特徴とする摺動
    部品の製造方法。
  11. 【請求項11】摺動面を形成するためのセラミックスか
    らなる第一の部材を鋼からなる第二の部材に嵌合した
    後、第一の部材を接合した面を除く第二の部材の30%以
    上の表面の焼き入れ処理工程によって第一の部材の摺動
    面にクラウニングを形成することを特徴とする摺動部品
    の製造方法。
  12. 【請求項12】第一の部材が円板であり、第二の部材が
    バルブリフターまたはタペットであって、該バルブリフ
    ターまたはタペットの焼き入れ面を、その開口部側から
    形成することを特徴とする請求項10または11記載の摺動
    部品の製造方法。
  13. 【請求項13】第一の部材が円板であり、第二の部材が
    バルブステムまたはタペットであって、該バルブステム
    またはタペットの焼き入れ面を、その首部全面に形成す
    ることを特徴とする請求項10または11記載の摺動部品の
    製造方法。
  14. 【請求項14】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理
    を施すことにより、目的とするある部分でクラウニング
    量を増加させることを特徴とする請求項10乃至13の何れ
    かに記載の摺動部品の製造法。
  15. 【請求項15】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理
    を施すことにより、目的とするある部分でクラウニング
    量を減少させることを特徴とする請求項10乃至13の何れ
    かに記載の摺動部品の製造法。
  16. 【請求項16】第二の部材への部分的な表面焼き入れ処
    理後の熱処理により、クラウニング量を増加させること
    を特徴とする請求項14または15に記載の摺動部品の製造
    法。
  17. 【請求項17】熱処理の温度範囲が100℃〜700℃である
    請求項16に記載の摺動部品の製造法。
  18. 【請求項18】第二の部材への部分的な表面焼き入れ処
    理後に鋼部の一部もしくは全体に加工を施すことによ
    り、クラウニング量を増加させることを特徴とする請求
    項14または15に記載の摺動部品の製造法。
  19. 【請求項19】加工法が研磨加工であることを特徴とす
    る請求項18に記載の摺動部品の製造法。
  20. 【請求項20】第二の部材に部分的に表面焼き入れ処理
    によりクラウニング形状をなす摺動面を形成する部材の
    うち少なくとも1ケ所が窒化珪素系セラミックスからな
    り、その室温での強度および耐熱衝撃性を示す温度差が
    それぞれ100kg/mm2以上、800℃以上であることを特徴と
    する請求項14乃至19の何れかに記載の摺動部品の製造
    法。
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