JP2641424B2 - 内燃機関動弁装置の製造方法 - Google Patents

内燃機関動弁装置の製造方法

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JP2641424B2
JP2641424B2 JP60248875A JP24887585A JP2641424B2 JP 2641424 B2 JP2641424 B2 JP 2641424B2 JP 60248875 A JP60248875 A JP 60248875A JP 24887585 A JP24887585 A JP 24887585A JP 2641424 B2 JP2641424 B2 JP 2641424B2
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    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/12Transmitting gear between valve drive and valve
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    • F01L1/12Transmitting gear between valve drive and valve
    • F01L1/14Tappets; Push rods
    • F01L1/16Silencing impact; Reducing wear

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は内燃機関動弁装置の製造方法に係り、特にカ
ム等の接触面を高耐摩材から成る複合構造にした内燃機
関動弁装置の製造方法に関する。
〔発明の背景〕
内燃機関動弁装置の相対する摺動面は従来、合金鋼、
あるいは肌焼鋼で製造し熱処理によって表面硬化して用
いられていた。この場合、カムシャフトのカムコマと接
触する部分は極めて高い耐摩耗性が要求されるので深い
硬化層あるいは硬質な焼結材の埋込み等がされている。
例えば特開昭58−53612号ではカムの摺動部の表面に炭
化物を含むCo基焼結合金を鋳鉄又は鋼本体に溶融したFe
基焼結合金による中間層で接合した構造が記載されてい
る。このバルブリフタ(本文中ではタペットと表現)は
耐スカッフィング性等耐摩耗性は優れているが、製造の
際、表面層となるCo基合金粉末を圧粉して、その上に液
相焼結になるFe基合金粉を圧粉後、本体と組付けられた
Fe基焼結合金が液相となる温度まで加熱しており、生産
性まるいは高温加熱による変形、Coのような高価材を使
うことなどによる価格の点に関し、十分に配慮されてい
るとはいえない。
次に1250℃以下で液相焼結できる耐摩耗性焼結合金を
バルブリフタ胴体のカム側に嵌合させる方法が特開昭56
−60811号に記載されている。このバルブリフタは焼結
部に焼結空孔を残すなどによって、耐摩耗性の関しては
検討されているが、胴体表面に凸部を加工して、その内
部に焼結した部品を嵌合させるので、バルブリフタが大
形となり、また成分調整、焼結及び機械加工等生産工程
も複雑になる等、小形軽量化あるいは生産性、価格の点
で十分配慮されているとはいえない。
一方、軽量化を考慮したバルブリフタとして特開昭58
−214609号が開示されている。これは本体をアルミニウ
ム,マグネシウムなどの軽合金の鋳造品を作製し、その
表面のカムコマとの摺動面にセラミック,炭化タングス
テン等を溶射している。従って軽量化に関しては検討さ
れているが表面の耐摩耗性,耐久性に関しては十分に配
慮されていない。すなわち、溶射法は数μmから数100
μmの溶射粒子を基材に吹付けて被膜を形成させる。従
って基材との結合強度は機械的となり数kg/mm2程度にす
ぎない。また、被膜内は気孔を含んだ積層構造を呈し、
個々の積層粒子間の結合も弱く、高負荷での摩擦条件で
はピッチング等が生じる。また胴体は軽合金の鋳造によ
る成形品であるので強靭性に関しても配慮が十分とはい
えない。
ここで、動弁用バルブリフタはカムの回転につれ、下
端から押上げられ、その往復運動をバルブに伝える円筒
形部品である。往復運動に伴なう摺動面はカム側の表
面、円筒の外周面およびバルブ側の内面があるが円筒の
外周面と内面は摩擦条件から見るとあまり問題はなく、
一般鉄鋼材であれば浸炭あるいは窒化による表面硬化で
十分であることが知られている。しかし、カムコマと接
触する表面側は高面圧の繰返し変動荷重下で動作するの
で、一般鋼材の浸炭程度の表面硬さではスカッフィング
現象等が発生し、耐久性の上で問題になることがある。
一方耐摩耗性の改善法として焼結材の接合あるいは硬質
材の溶射がある。前者では液相焼結に近い材料でないと
焼結粒子間の結合が弱く、変動応力による疲労現象でチ
ッピングを発生する場合がある。その対策として液相焼
結材を用いるか高温加熱による直接本体と同時に焼結,
接合をすることは困難であるので、焼結材を作製後、ろ
う付けあるいは嵌合法によっており、小形軽量化の難点
になっている。一方、溶射法であるが、一般の酸化物以
外の溶射では溶射の際の個々の粒子間に酸化による酸化
物および凝固の際の収縮孔を多数含むことになる。この
状態では基材との密着力,粒子間の結合力が十分ではな
く、高荷重の変動応力下ではチッピング等により耐摩耗
性が低下する。また、酸化物の溶射ではさらに個々の粒
子間の結合強度が低下するとともに気孔が多くなるので
耐摩耗性が低下する。一方、溶射材の一種に自溶性合金
がある。この材料はNiあるいはCo基合金中にBおよびSi
を1〜4%添加して材料で、一般の溶射法で基材面に被
覆した後、被膜を溶融温度以上に加熱して溶融(再溶融
処理と呼ぶ)させて、被膜内の酸化物,気孔を減少させ
て結合強さを向上させて使用するものである。しかし、
BおよびSi量が極めて高いので、被膜が極めて脆いこ
と、溶融温度が低いこと等によって、高荷重の変動応力
下ではチッピング現象等により異状摩耗をすることがあ
る。
以上のようにバルブリフタは強靭性と高荷重による変
動応力下での耐摩耗性を要する。従来、一般構造用鋼で
あるSCM420で製作し、浸炭焼入れ処理を行い、カム側の
表面にSKD11の焼入れ品を嵌合していた。昨今の機器の
効率向上の上からみるとバルブリフタの小形,軽量化が
重要な技術課題になった。バルブリフタのような量産部
品での生産性は強靭化の上で鉄鋼材の冷間構造による製
造が望ましい。従って、素材は炭素量0.1〜0.4%の鉄鋼
が望ましい。炭素量が0.1%以下では冷間鍛造後の熱処
理でも内部が強化されず、使用中変形することがある。
炭素が0.4%以上になると冷間鍛造が困難になり、成形
の際割れを発生すると共に型材の消耗が大きくなる。小
形,軽量化の点からはその表面は強靭・高耐摩材のコー
ティングあるいはろう付けが考えられるが後者の場合、
寸法精度の安定性,作業性,生産性の上で多くの因子が
あり、これら等を制御するのが困難である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、小形強靭で、耐チッピング、耐スカ
ッフィング性,耐摩耗性に優れる複合構造の内燃機関動
弁装置の製造方法を提供するにある。
〔発明の概要〕
本発明は、カム軸に結合されるカムの回転により、バ
ルブリフタを介して弁杵を往復動させる内燃機関動弁装
置の製造方法において、前記バルブリフタまたは前記カ
ムの相対して摺動する部分の少なくとも一方の摺動面に
重量で炭素1.5〜5.0%及びクロム20〜30%含み、残部鉄
からなる溶射層を減圧雰囲気中で形成した後、浸炭焼入
れ処理することを特徴とする内燃機関動弁装置の製造方
法にある。
更に、本発明は溶射層としてバナジウムを1.0〜8.0
%、又はこれにタングステン,モリブデン,ニオブ,タ
ンタル及びジルコニウムの少なくとも1つを0.1〜2.0%
を含むことを特徴とするものである。
これによって小形強靭で、耐チッピング,耐スカッフ
ィング性,耐摩耗性に優れた複合構造の内燃機関動弁装
置が提供される。
第1図は本発明に係る内燃機関動弁用バルブリフタの
要部断面を示すもので、筒状に形成された動弁用バルブ
リフタ1はシリンダヘッド2の一部に形成されたバルブ
リフタ案内孔3に挿入配置されている。該案内孔3の中
心にはシリンダヘッド2を貫通する弁杆4が弁ガイドを
介して保持され、該弁杆4は、弁杆一端にコツタ5を介
して固設されたリテーナ6と前記案内孔3の底面間に配
置されたコイル弁バネ7により移動力が常時カム軸方向
に働らいて弁8を閉弁するようにしている。一方カム軸
9に固設されるカム10は前記バルブリフタ1のヘッド11
の中心に接触圧をもって接触している。前記ヘッド11部
は厚さ0.1mm以上の拡散層11aを形成している。
上記構成においてバルブリフタの表面が受ける稼働条
件下で高い信頼性を得る材料に関して検討した結果、材
料は硬質な炭化物,窒化物,金属間化合物を一定量以上
含み、さらに強靭化の上では内部にこれらの微細に析出
させるとともに酸化物,気孔がなく、さらに基体に対し
て、拡散層を形成して結合していることが重要である。
その溶射層の厚さは0.1mm以上0.75mm以下が好ましい。
炭素はクロム、その他の元素と単独あるいは複合炭化
物を形成し、耐摩耗性を改善する主要成分である。ま
た、真空中で合金粉末を製造する際に、C1.5%未満の低
C鋼では融点が高く粉末の製造が困難であるとともに、
溶射に際しても低C鋼は高温での溶射となることから作
業をきわめて困難にする。更に、溶射層の深さ全体にわ
たって浸炭することは高温で長時間必要となるので、溶
射量全体を浸炭しない場合でも溶射層自身で十分な硬さ
を有するものでなければならない。そのため全溶射層の
うち溶射のままの部分での溶射層の炭素量を1.5%以上
にしておかないとその部分で十分な硬さが得られなく耐
摩耗の上で耐久性に問題があるので、溶射層のC量は1.
5%以上としなければならない。しかし、5.0%を越えて
多くしても浸炭焼入れによって更なるより高い硬さの向
上は得られないとともに、逆に、遊離炭素が現われ靭性
を低下させるので、その上限は5.0%である。
クロムは比重も小さく、軽量で耐摩耗性を向上するの
に適した成分である。しかし、20%未満では浸炭しても
十分な炭化物量が得られず、高い耐摩耗性が得られな
い。従って、20%以上のクロム量とすることにより十分
なクロム炭化物量となり、顕著に耐摩耗性が改善され
る。しかし、30%を越えると溶融温度が高くなり、均一
層を形成するのが困難になるとともに、それ以上により
硬さを高める顕著な効果が得られないので、30%以下と
すべきである。
バナジウムは複合炭化物を形成し、耐摩耗性および耐
熱性をよくする。クロムとの共存状態では1.0%程度か
ら効果がみられる。特に耐摩耗性に顕著な効果が得られ
るのは2%以上である。これらの成分を単独あるいは複
合で添加すると各種の硬質な炭化物が形成し、その存在
量は炭素量とともに多くなるが8%を越えると溶融温度
が急激に上昇し、気孔が形成され易くなり脆化する。
その他の炭化物形成元素としてタングステン,モリブ
デン,ニオブ,タンタル,ジルコニウムがあり、これら
の元素も耐摩耗性を改善する。その効果は0.1%以上で
現われるが単独あるいは複合の合計で2.0%を越えると
多孔質となり均質で強靭な膜が得られにくくなる。
次に以上の成分の効果であるが、添加した合計の炭素
量の80%以上が炭化物を形成することができる。炭素が
固溶状態あるいはグラファイトとして存在すると耐摩耗
性の低下、膜の脆性が著しく大きくなる。前述の組成を
有する溶射層を形成した後、浸炭焼入れすることによ
り、炭素量の80%以上が炭化物を形成することが可能と
なる。
次に膜中の酸素量も膜の靭性の上で重要な因子とな
る。酸素量が多くなると酸化物となって析出し、膜を脆
化させる。その限界値は約1500ppmで、これ以上では靭
性が著しく低下し、チッピング現象が生ずる。減圧雰囲
気中で溶射した後、浸炭焼入れすることにより、酸素量
1500ppm以下にすることができる。
次にこれ等の膜と基材との結合状態であるが、十分な
る耐久性の上からは基材成分との間で拡散層を形成して
結合されていることが望ましい。膜の厚さも耐久性およ
び信頼性の上で重要である。膜厚が0.2mm未満では高荷
重での摩擦の際基材の影響を受けて耐摩耗性が低下する
とともに被膜が消耗後の摩耗が多くなり、0.75mmを越え
てもそれ以上の顕著な効果が得られないので、0.2〜0.7
5mmが好ましい。また、膜の構造であるが、炭化物は微
細均一に分散した状態が靭性をよくする。その炭素量も
表面程多く分布している構造がよい。
〔発明の実施例〕
実施例1 SCM415の素材を用いて、第1図に示す形状のバルブリ
フタ基体を冷間鍛造法により製作した。その表面1をグ
リットブラスティング後、プラズマ溶射法で硬質材被膜
を形成後表面の耐久性を比較した。プラズマ溶射法は一
般の大気中溶射法と減圧雰囲気中溶射法である。後者は
特別の溶射チャンバを作製し、排気等によって0.1Torr
以下に減圧後、アルゴンガスを導入し50Torrの圧力を保
持した状態で行った。溶射はアルゴンと水素ガスでプラ
ズマを形成させた。電流は約600Aである。溶射用合金粉
末は10〜44μmの粒度のもので成分は(1)2%炭素−
20%クロム鋼、(2)5%炭素−25%クロム−5%バナ
ジウム鋼、(3)4.2%炭素−20%クロム−3%バナジ
ウム−2%タングステン鋼、(4)5%炭素−20%クロ
ム−2%バナジウム−1%ニオブ鋼、(5)3.5%炭素
−30%クロム−3%バナジウム−0.5%モリブデン−0.5
%ニオブ鋼である。いずれの粉末も真空アトマイズ法で
作製した。以上の粉末を第1図のように厚さ0.5mmプラ
ズマ溶射した。一部はそのままの状態で耐久性を比較し
た。次に、溶射したバルブリフタに次の熱処理を施し
た。(1)1000℃15minの高温浸炭焼入れ、(2)1000
℃15min真空熱処理である。被膜内の酸素量は溶射法お
よび熱処理によって変化していた。すなわち、従来の大
気中溶射はいずれも5000ppm以上であり、その後の熱処
理によって多少減少する傾向はあるがあまり顕著ではな
い。次に減圧雰囲気中溶射は溶射のままで1000〜4000pp
mで、その後、浸炭焼入れで1000ppm以下、真空熱処理で
1500ppm以下になっていた。次に表面硬さは大気中溶射
のものは溶射のままでHv400〜750であり、ばらつきが極
めて大きい。このばらつきは熱処理であまり均一化され
ない。次に減圧雰囲気中溶射したものは溶射のままでHv
500〜970で、ばらつきが多い。しかし、その後浸炭焼入
れすると800〜1000Hvになってばらつきがなく、一様な
硬さを有する溶射層が得られた。大気中溶射は減圧中溶
射に比較して被膜内には酸化物気孔が多数存在してい
る。これがその後の熱処理によってほとんど変化せず脆
化の原因になっている。第2図は(2)の組成の大気中
溶射及び減圧雰囲気中溶射した溶射層の硬さ分布を示す
線図である。図に示すように溶射したままでは硬さのば
らつきが見られるとともに一様な硬さを有する溶射層か
ら得られないことが分る。第3図は本発明の3.5%炭素
−30%クロム−5%バナジウム鋼の減圧溶射後浸炭焼入
れしたものの溶射層の硬さ分布を示す線図である。図に
示すように溶射層は全体を通して一様な硬さを有する。
これらの製品の耐久性を比較した結果、減圧雰囲気中
溶射後浸炭処理したものが最も耐久性が優れていた。大
気中溶射では溶射のままおよび熱処理状態でいずれも短
時間でチッピング現象がみられ摩耗し、最も耐久性のあ
るものの約1/3の耐久性であた。次に減圧雰囲気中溶射
は溶射のままでの耐久性は溶射後浸炭の1/2〜4/5であっ
た。この場合、長時間の繰返しで基材から剥離するもの
がある。次に減圧雰囲気中溶射後真空熱処理したものの
耐久性は減圧雰囲気中溶射後浸炭したものの3/4〜1.0で
ある。このものは表面に摩耗が生じたもので剥離等はみ
られない。この製品の断面を顕微鏡観察すると基体との
間に拡散層が形成されている。この拡散層は大気中溶射
の場合その後の熱処理でも明瞭には観察されない。
実施例2 実施例1と同様に減圧雰囲気中でプラズマ溶射後、96
0℃,150min、浸炭後、870℃,60min保持し焼入れを行っ
た。溶射層の組成(重量%)は第1表のとおりである。
溶射用粉末は真空アトマイズ法で作製し、粒径は10〜44
μmであり、溶射層の厚さは0.5mmである。
第1表に示すように、本発明のNo.1は浸炭焼入れによ
って顕著に溶射層の硬さが向上するが、Cr20%未満のN
o.2、Cr30%を越えるNo.3及びC5%を越えるNo.4の比較
のものの浸炭焼入れ後の硬さは溶射のままのものと同等
の硬さしか得られない。
実施例3 実施例1と同様減圧雰囲気中でプラズマ溶射後1000℃
15minの浸炭焼入れを行った。被膜成分は(1)0.3%炭
素−4%クロム−0.5%バナジウム鋼、(2)0.4%炭素
−4%クロム−1%タングステン鋼、(3)1.5%炭素
−20%クロム−8%バナジウム鋼、(4)12%炭素−30
%クロム鋼である。粉末はいずれも真空アトマイザ法で
製造後10〜44μmの粒度を調制した。ここで、(1)及
び(2)は溶射用粉末が作製できなかった。溶射膜の厚
さは0.5mmである。耐久性を比較した結果(1)および
(2)は(3)の3/4程度であった。また、(4)は遊
離炭素が現われ、靭性に問題があった。
尚、上記実施例ではバルブリフタ1のヘッド11に溶射
により硬質被膜11aを形成しているが、第1図の如くカ
ム10の面圧が一番高くなる摺接部分10aあるいは全周に
設けてもよい。そしてこの被膜層は必要に応じて摺動面
の両方もしくはいずれか一方に形成すれば足りることは
言うまでもない。
第4図は他の実施例を示すもので、ロッカアーム20の
弁杆4と対接する面20bとカム10と対接する背面20cにそ
れぞれ硬質被膜20aを形成したものでカムの摺接部分10a
と併せて耐摩耗性を向上させている。
第5図は弁杆4をロッカアーム20の一端に固設した構
造のものにおいて、ロッカアームの摺接部分21bとカム
の摺接部分10aにそれぞれ硬質被膜11a,21aに設けてい
る。この被膜は前記したとおり必要に応じて、相対する
面の一方もしくは両面に形成される。
〔発明の効果〕
以上本発明によれば、小形強靭で、極めて耐チッピン
グ,耐スカッフィング性,耐摩耗性に優れた複合構造の
内燃機関動弁装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は内燃機関の一部を含むバルブリフタの要部断面
図、第2図は減圧雰囲気中溶射と大気中溶射の硬さを示
す比較図、第3図は減圧溶射後浸炭焼入れした溶射層の
硬さを示す線図、第4図,第5図はそれぞれ他の実施例
における動弁装置の一部断面正面図である。 1……バルブリフタ、3……弁杵、9……カム軸、10…
…カム、11……ヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 昌之 日立市久慈町4026番地 株式会社日立製 作所日立研究所内 (72)発明者 青山 進 柏市藤心933番地の1 (56)参考文献 特開 昭60−152665(JP,A) 特開 昭58−93867(JP,A) 特開 昭59−67364(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カム軸に結合されるカムの回転により、バ
    ルブリフタを介して弁杵を往復動させる内燃機関動弁装
    置の製造方法において、前記バルブリフタまたは前記カ
    ムの相対して摺動する部分の少なくとも一方の摺動面に
    重量で炭素1.5〜5.0%及びクロム20〜30%含み、残部鉄
    からなる溶射層を減圧雰囲気中で形成した後、浸炭焼入
    れ処理することを特徴とする内燃機関動弁装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記溶射
    層の厚さを0.2〜0.75mmとすることを特徴とする内燃機
    関動弁装置の製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、前記浸炭
    焼入れ処理後の溶射層の酸素量を1500ppm以下とするこ
    とを特徴とする内燃機関動弁装置の製造方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、前記バル
    ブリフタ本体の炭素量が0.1〜0.4重量%の鋼であること
    を特徴とする内燃機関動弁装置の製造方法。
  5. 【請求項5】カム軸に結合されるカムの回転により、バ
    ルブリフタを介して弁杵を往復動させる内燃機関動弁装
    置の製造方法において、前記バルブリフタまたは前記カ
    ムの相対して摺動する部分の少なくとも一方の摺動面に
    重量で炭素1.5〜5.0%,クロム20〜30%及びバナジウム
    を1.0〜8.0%含み、残部鉄からなる溶射層を減圧雰囲気
    中で形成した後、浸炭焼入れ処理することを特徴とする
    内燃機関用バルブリフタの製造方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項において、前記溶射
    層の厚さを0.2〜0.72mmとすることを特徴とする内燃機
    関動弁装置の製造方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第5項において、前記浸炭
    焼入れ処理後の溶射層の酸素量を1500ppm以下とするこ
    とを特徴とする内燃機関動弁装置の製造方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第5項において、前記バル
    ブリフタ本体の炭素量が0.1〜0.4重量%の鋼であること
    を特徴とする内燃機関動弁装置の製造方法。
  9. 【請求項9】カム軸に結合されるカムの回転により、バ
    ルブリフタを介して弁杵を往復動させる内燃機関動弁装
    置の製造方法において、前記バルブリフタまたは前記カ
    ムの相対して摺動する部分の少なくとも一方の摺動面に
    重量で炭素1.5〜5.0%,クロム20〜30%,バナジウム1.
    0〜8.0%と、タングステン,モリブデン,ニオブ,タン
    タル及びジルコニウムの1種又は2種以上の合計量で0.
    1〜2.0%とを含み、残部鉄からなる溶射層を減圧雰囲気
    中で形成した後、浸炭焼入れ処理することを特徴とする
    内燃機関用動弁装置の製造方法。
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