JPS6012424B2 - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPS6012424B2
JPS6012424B2 JP56190919A JP19091981A JPS6012424B2 JP S6012424 B2 JPS6012424 B2 JP S6012424B2 JP 56190919 A JP56190919 A JP 56190919A JP 19091981 A JP19091981 A JP 19091981A JP S6012424 B2 JPS6012424 B2 JP S6012424B2
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cast iron
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mesh
coarser
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JP56190919A
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JPS5893867A (ja
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章 原山
透 中洞
誠 山崎
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TPR Co Ltd
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/04Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the coating material
    • C23C4/06Metallic material
    • C23C4/067Metallic material containing free particles of non-metal elements, e.g. carbon, silicon, boron, phosphorus or arsenic

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  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関等の摺動部材に関するものであり、さ
らに詳しく述べるならば相手材としてのシリンダ(シリ
ンダリーブ、シリンダラィナを含む、以下同じ)との相
性の良い内燃機関のピストンリングに関するものである
従来、内燃機関のピストンリング等の沼勤部材に対して
は、その基材である鋳鉄等に種々の表面処理を施こして
情勤初期性能(なじみ性)及び長期に摺動された際の耐
久性を向上させている。
その代表的なものとして硬質クロムめつき及びMo溶射
被覆を施したピストンリングが挙げられるが、何れも一
長一短があって、近年内燃機関等に課せられる高度な要
求を充すには至っていない。即ち、硬質クロムメッキは
耐摩耗性は優れており、ピストンリングの摩耗量を低下
させる利点はあるが、耐嬢付性に劣るので内燃機関等の
負荷が増大した場合暁付を生じ結果的には摩耗量が異常
に多くなるという欠点がある。さらに、硬質クロムめつ
きの高硬度はその特有な亀着組織によるものであり、高
温高負荷時の内燃機関運転条件下においては硬度低下が
著しく、その耐摩耗性は劣化する。また、高鉛ガソリン
使用機関、ディーゼル機関等においては、アブレーシブ
な燃焼生成物によっても硬質クロムめつきピストンリン
グの摩耗が促進され、安定した寿命を期待することはで
きない。一方Mo溶射被覆は硬質クロムめつき被覆に較
べて耐焼付性の面では優れているが、耐アプレーシブ摩
耗に対しては劣っている。さらに、従来、ピストンリン
グ等の耐摩耗性及び耐焼付性を向上させる対策として、
各種の炭化物、酸化物等の硬質物質を涙合溶射してピス
トンリング等の表面処理を行なう方法が知られているが
、これらによってはピストンリングそれ自体の耐摩耗性
、耐焼付性は向上するものの、相手材としてのシリング
の摩耗が大きく、内燃機関摺動部材全体の総合性能上欠
陥がある。
本発明の目的は、近年の内燃機関の苛酷な運転条件に対
応し得る優れた性能を具有するとともに、相手村(例え
ばシリンダ)の摩耗をも軽減しうる摺動部材を提供する
具体的には従来の硬質ク。
ムめつき又はMo溶射被覆ピストンリングの何れよりも
総合性能が優れているピストンリングを提供することに
ある。本発明の第1の特徴は、重量比で、CIないし6
%及びCr20なし、し35%を含有し、さらに0.5
%ないし6%のSi及び0.5なし、し3%のMoの少
なくとも1種を含有する、粒度が200メッシュより粕
粒でない高クロム鋳鉄鳩砕粉末をプラズマ溶射し、摺動
面に耐熱耐摩耗層を形成した摺動部材にある。
本発明の第2の特徴は、重量比で、CIないし6%及び
Cr20ないし35%を含有し、さらに0.5%ないし
6%のSj及び0.5なし、し3%のMoの少なくとも
1種を含有し、さらに0.5ないし6%のSi及び0.
5なし、し3%のMoの少なくとも1種を含有する、粒
度が200メッシュより粗粒でない高クロム鋳鉄鳩砕粉
末55ないし90重量%と、粒度が250メッシュより
粗粒でないアトマィズ粉末からなる目溶合金10ないし
45重量%と、をプラズマ溶射し、摺動面に耐熱耐摩耗
性を形成した摺動部村にある。
本発明の第3の特徴はト重量比で、CIないし6%及び
Cr20なし、し35%を含有し、さらに0.5%ない
し6%のSi及び0.5なし、し3%のMoの少なくと
も1種を含有し、さらに0.5ないし6%のSi及び0
.5ないし3%のMoの少なくとも1種を含有する、粒
度が200メッシュより粗粒でない高クロム鋳鉄鳩砕粉
末70なし、し95重量%と、粒度が350メッシュよ
り粗粒でない造粒粉末からなるMo5ないし3の重量%
と、をプラズマ溶射し、摺動面に耐熱耐摩耗層を形成し
た摺動部材にある。
本発明の第4の特徴は、重量比で、CIないし6%及び
Cr20ないし35%を含有し、さらに0.5%ないし
6%のSi及び0.5なし、し3%のMoの少なくとも
1種を含有する粒度が200メッシュより粗粒でない高
クロム鋳鉄損砕粉末70なし、し85重量%と、粒度が
350メッシュより粗粒でない造粒粉末からなるMo5
なし、し15重量%と、粒度が250メッシュより粗粒
でないアトマィズ粉末からなる自熔合金10ないし25
重量%と、をプラズマ溶射し、摺動面に耐熱耐摩耗層を
形成した摺動部材にある。
本発明の共通の特徴は高クロム鋳鉄鳩砕粉末をプラズマ
溶射することにあり、その意義は高クロム鋳鉄の高含有
量のCrによって優れた耐熱性が具現されているととも
に、Crが炭化物として鋳造材料中に既に存在している
ので、港射層中にも安定した炭化物形態として微細に分
散しており、優れた耐摩耗性を奏するからである。また
上記共通特徴の意義は耐熱耐摩耗性(摺動)層の相手材
との相性が良い点にもある。すなわち、現在の内燃機関
シリンダの材質は、ラィナレス機関の場合FC29相当
材であり、またシリンダラィナを鼓装するディーゼル機
関の場合、高級合金鋳鉄材が使用されているが、これら
の何れの材質とも良い相性を呈し、相手材を著しく摩耗
させることはない。なお、高クロム鋳鉄中のクロム炭化
物それ自体は高硬度を有し、相性の面からは好ましくな
いが、本発明ではクロム炭化物を単独で港射するのでは
なく、鋳鉄の基地中に均一に分散されているクロム炭化
物を溶射するので、好結果を得ることが出来るのである
。さらに、高クロム鋳鉄は耐食性、殊に稀硫酸腐食に対
する耐食性が良好であるので、内燃機関の燃焼生成物と
してのSQより生成する腐食性酸による問題も少なくな
る。加えて、高クロム鋳鉄は鋳造状態で白鋳鉄組織を有
し、この事は鋳物(ィンゴット等)の鶴砕性に好影響を
与え、結果的には粉末の製造が容易になるに留まらず、
粉末形状も粉末粒子間結合強度を高めるものとなってい
ると考えられる。さらに、高クロム鋳鉄は炭化物等と比
較して安価に、公知の手法で入手できる点でも利とする
ところが多い。なお、本発明において鳩砕鋳鉄粉末に代
えてアトマィズ鉄粉を使用することができる。次に、高
クロム鋳鉄の組織限定理由について述べる。
主要成分であるCrは炭化物形成に強い作用をもつ元素
であって、鋳鉄中に含有されるCの大部分をCr7C3
,Cr23C6等の炭化物として固定する。
これらの炭化物は基地中に微細形態で分散しており、漆
射された鋳鉄粒子中にも介在相として含まれ、摺動部村
としての耐摩耗性及び耐暁付性を付与する重要な働きを
もつ。而して、Cr含有量は相手材としての鋳鉄製シリ
ンダとの相対摩耗をも念頭において定められ、20%未
満では晶出する炭化物の量が不足して、ピストンリング
自身の耐摩耗性及び耐焼付性が低下し、又35%を越え
るとピストンリングの耐摩耗性が向上する反面、相手材
の摩耗を促進する。したがって、Cr含有量は20なし
・し35%であり、好ましくは25なし、し35%であ
る。C含有量はCrと結合して、前記炭化物を生成する
範囲に留めるべきであり、そのために1ないし6%、好
ましくは2なし、し5%、を適量範囲とする。
即ち、C含有量が1%未満では生成される炭化物の絶対
量が不足し、耐摩耗性が不満足であり、又6%越えると
、被溶射基材との密着性を阻害する遊離炭素(黒鉛)が
鋳鉄中に発生するおそれがあるので、遊離炭素が混在し
ない6%以下に留めることが望ましい。Siは鋳鉄に耐
酸化性を付与するとともに、溶射用粉末の原材料として
の高クロム鋳鉄の鶏砕性を改善し、高クロム鋳鉄粉末の
粒度の調整を容易にする。
一般の鋳鉄ではSi‘ま黒鉛化を促進することは周知で
あるが、本発明では炭化物形成傾向の大きいCrが多量
に含まれているので、黒鉛化よりもむしろ爆砕性改善上
意義がある。Si含有量が0.5%未満ではその効果が
期待されず、6%を越えると、溶射被覆層の熱ショック
に対する抵抗性が劣化するので、0.5〜6%の範囲と
する。Siの好ましい含有量は2〜6%である。Moは
Siとともに又はその代りに添加され、高クロム鋳鉄の
基地中に殆んど固溶され、その高温強度及び耐熱性を改
善して溶射被覆層の耐暁付性の増大に寄与し、且つ高ク
ロム鋳鉄の潟砕性を改善する働きをする。
Mo含有量が0.5%未満では上記効果が期待されず、
3%を越えるとコストが上昇し不利になるので0.5〜
3%の範囲とする。好ましいMo含有量は0.5〜2%
である。なお、上記C.Si,Mo及びCr以外に鋳鉄
材としての他の成分、例えばMh,P,S,Ni等は前
記特性を害しない範囲で少量含有してもよい。
さらに、Si及びMoは何れか一方含有されておればよ
いが、高クロム鋳鉄鳩砕粉末の粒度調整の容易さ、溶射
条件の安定性あるし、は溶射被覆層の質的向上等を企図
する場合はともに含有させてもよい。次に、高クロム鋳
鉄の鳩砕方法としては、鋳物又は落陽を適当な形状に凝
固させたものを、スタンプミル、ボールミル等で潟砕し
、ふるい等により分粒され、所望の粒度に斉える。
上記高クロム鋳鉄鶴砕粉末を200メッシュを越えない
粒度に限定した理由を以下述べる。
一般に溶射層は気孔を有し、これが油溜りとなって耐焼
付性に貢献するが、一方気孔が粗大になると溶射粒子間
の自己結合力が不足して溶射粒子がピストンリング表面
から摺動中に脱落して摩耗が起こるのみならず、脱落粒
子が摺動部材間に介在して相手材をも摩耗する結果を招
く。そこで、潤滑油保持及びピストンリング又は相手材
の耐摩耗性面から気孔率、気孔の大きさ及びその分布状
態を適正に制御すべきであり、これは溶射法をプラズマ
溶射と特定した場合、主として溶射材料、特に溶射粉末
の粒度に大きく影響される。かかる面を考慮して200
メッシュを越えない粒度に限定した。さらに、溶射の作
業性ひいては溶射層の性質も溶射粉末粒度によって影響
を受け、余りに徴粉になると流動性が害され、熔射ノズ
ルへの粉末安定供給が困難になり、好ましくない。特に
損砕粉末では粒形が不整形になり流動化が阻害される。
この面から20ミクロン以上の粗粒が好ましい。粒度が
20ミクロン以上で且つ200メッシュを越えない粒で
ある時は、気孔割合、気孔の分布が安定となり、上記第
1の特徴の発明では、気孔率10〜3%、気孔の大きさ
は3ミクロン以下に調節され、しかも均一に分布した気
孔が得られる。基体はピストンリングとして常用される
鋳鉄、その他鋼材を用いることができる。
上記本発明によれば、Moの線材の酸素アセチレンガス
港射等に比較して可成りの改善効果力乳られるが、情勤
部材特性の一層の充実を図るためにNj基、Co基、N
i−Cr基あるいはFe基等の自落合金を一定の割合で
高クロム鋳鉄損砕粉末と混合して用いる第2の特徴の発
明(以下第2発明と称する)が提供される。
この自溶合金は自落成分として一般的にBを例えば2〜
3%、及び/又はSiを3〜4.5%含有し、主成分と
して、Ni,Co,Fe及びNi−Crの少なくとも1
種を残部含有する。
上記Ni,Co,Cr等は一般に耐熱性及び耐酸化性が
良好であり、ピストンリングに溶射されても同様な効果
があり、さらにNi等は自溶成分の存在により一旦液相
状態となった後に粒子状に凝固すると想定されるので、
高クロム鋳鉄粒子を強固に分散保持し、この結果溶射被
覆層の強度も格段と高められる。また、一般に自溶合金
なしの溶射の場合は、気孔率が高くなる傾向があるが、
自溶合金を用いると気孔率も調節される。まらに、自溶
合金を用いると、熔射後情動面を加工仕上した際に極め
て平滑な面が得られ、摺動初期の相手材とのなじみ上好
結果を得る。上述のように、自溶合金は耐酸化性が高く
且つ溶射被覆層の強度も高めるので、熱負荷が高く且つ
酸化も厳しい内燃機関運転条件下でのピストンリング等
の性能が改善される。目溶合金の量は上記要請の他に他
の粉末との相対的割合を考慮して定められ、殊に高クロ
ム鋳鉄鴇砕粉末がもたらす耐摩耗性を阻害しないように
定められ、10〜45重量%を良好とする。
自溶合金粉末の混合量が10%未満では、前記効果が十
分でなく、45%を越えると必然的に高クロム鋳鉄鶴砕
粉末の量、すなわちク。ム炭化物の生成量が不足して、
ピストンリング等の耐摩耗性が低下する。一方、第2発
明における高クロム鋳鉄鳩砕粉末の混合量は自ずから5
5〜9の重量%の範囲となる。好ましい高クロム鋳鉄鳩
砕粉末混合量は60〜85重量%である。自溶合金粉末
の粒度は、250メッシュより粗粒になると溶射時の粒
子溶融が不足して、気孔の増大化、粒子間結合力の劣化
、及び溶射被覆層中の各成分の不均一分散等の不所望の
結果を招来する。
好ましくは粒度は10ミクロン以上であり、これより微
粒では溶射中に自落合金が過溶解し、溶射層の物性が悪
くなる。そして粉末の種類としては流動性が良いことと
市場性の点からアトマィズ粉とした。而して250メッ
シュを越えない微粒であって、350メッシュを越えな
い微粒が50%以上であると、溶射の際の溶射材料の流
動性が向上し、粒子の溶融性が高まるので、高クロム鋳
鉄粒子が扇平に層状に堆積され、しかも微細粉末であっ
ても酸化変質することがなく、表面からの熱酸化に対し
て優れた抵抗性を示すために、より安定した被覆層の形
成に役立つばかりでなく、その密度及び加工性が向上し
、摺動面の仕上加工時の溶射粒子の脱落が減少すること
によって、摺動特性上より安定した仕上面が得られる。
自港合金を混合して溶射した場合の気孔率は3〜15%
、気孔の大きさは5ミクロン以下に調整され、しかも気
孔は均一に分布している。次に、第3の特徴の発明(第
3発明)及び第4の特徴の発明(第4発明)のモリブデ
ン造粒粉末について述べる。
モリブデン造粒粉末を高クロム鋳鉄鳩砕粉末及び場合に
よっては自港合金粉末と混合綾射すると、粉末粒子は相
互に溶融結合し、基材(鋳鉄、鋼等)との熔射層の密着
性及び港射被覆層内部の粒子結合力の改善が図れる。一
方、現在ピストンリング等の表面処理として多用されて
いるMo単独溶射は層内の1ふ粒子結合力が弱く、表面
にあるMo粒子がシリンダとの摺動によって比較的簡単
に脱落し、多くの改善提案がなされているのが現状であ
る。この原因はMoの耐酸化性が低いため、内燃機関の
燃焼ガスに晒されたMo粒子が酸化され、その相互結合
力が低下することが原因であると、推定される。本発明
ではMo粒子は高クロム鋳鉄造粒粉末と泥合溶射される
から、耐酸化性の優れたCrと一種の混合状態で存在し
、それ自身の耐酸化抵抗が低いことは緩和されているが
、抜本的改善対策として本発明はMoの粉体構造に着目
した。その結果、Mo造粒粉末を用いることにしたので
あるが、Mo造粒粉末はMo微粒子を有機その他のバイ
ンダーで結合したものであり、これをプラズマ溶射する
ことによってMo粒子が微細に分散した溶射被覆層が得
られ、Mo微粒子の微細分散のために粒子結合強度の向
上が期待される。しかも、金属モリブデンは昇華性を有
するために微粒となると港射中に消失してしまうが、造
粒粉体構造としたことによってこの欠点がなくなり、均
一分散状態のモリブデンが得られる。さらに、第3発明
及び第4発明において、Mo造粒粉末の粒度を350メ
ッシュを越えない微粒としたのは、溶射層の厚さが粉末
粒径とともに増大し、粗粒であると層の厚さが大きくな
り溶射層内のMo粒子の均一分布性を確保することが出
釆ないからである。
この粒度範囲であれば、単独ではMoの昇華性故に使用
できない3ミクロン程度の超微粉も溶射原料として、造
粒使用出来る。そして、Mo単独で超微粉を溶射に使用
した場合には原料粉末中でMoの偏析が避けられないが
、この欠点もなくなる。好ましくはMo造粒粉末の粒度
は5ミクロン以上である。Mo造粒粉末の見掛密度を2
.5タ′地以下、好ましくは2.0〜2.5多′流以下
、とすれば、溶射段階で各粉末とMo粉末との均一分布
が良好になり、徴粉の造粒粉を使用しても溶射の際の流
動性悪化による溶射操作トラブルを解消することが出来
る。
次に、第3発明におけるMo造粒粉末使用量の限定理由
について述べる。
Moは前述のように溶射被覆層の各粒子の結合強度を高
める効果がある他に、溶射後の研摩、ラッピング等の加
工時における高クロム鋳鉄粒子の脱落を防止する効果が
あるから、摺動初期のミクロ的な相手材の摩耗を防止す
るとともに、機関運転中の高クロム鋳鉄粒子脱落による
摺動部材と相手材との相互間のアブレーシブーな摩耗を
顕著に減少させる。さらにモリブデン独自の耐スカッフ
ィング性を発揮する。而して、Mo造粒粉末の混合量が
5%未満では前記諸効果が発揮されず、30%を越える
と溶射被覆層の耐酸化性が劣化して、機関運転中に粒子
間結合力が急速に低下する結果を招来し、アブレーシブ
な摩耗も起こってくる。そこで、Mo造粒粉末の混合量
は5〜3の重量%の範囲、好ましくは5〜25重量%の
範囲とするご一方、高クロム鋳鉄塙砕粉末の量は第1発
明の場合と同様の理由により限定されるが、Mo造粒粉
末混合量によって70〜95重量%、好ましくは75〜
95重量%である。次に、第4発明は、高クロム鋳鉄損
砕粉末、Mo造粒粉末及び自溶合金粉末の組合わせを特
色とするものである。
これは、各粉末の特色を兼備し総合したものであり、殊
に高クロム鋳鉄粒子の耐熱性、耐暁付性、耐摩耗性及び
相手村との相性が、他の粒子との共存によって、なおも
改善されることが判明した。各粉末の混合量は、第2〜
第3発明と同様の理由によって、限定されるが、他の粉
末混合量との関連で、高クロム鋳鉄鴇砕粉末は70〜8
5重量%、Mo造粒粉末は5〜15%、そして自溶合金
粉末は10〜25%、である。以下、実機試験による本
発明の実施例を説明する。
実施例 供謙エンジン及びテスト条件は以下のとおりであった。
{1} 内径(770)×行程(86職)×4気筒■
総排気量177○CC (3’シリンダ FC29相当材 ‘41 使用燃料 有鉛ガソリン(Pb3.2女/聡ガロン)【5} 運転
条件 500びpm×全負荷×20斑時間 ピストンリング(基材−鋳鉄)の表面処理は次のとおり
であった。
‘ィ’Mo線材溶射 99.9%Moを酸素−アセチレン熔射して厚さ15ミ
クロンの溶射被覆層を形成した。
{o} 硬質クロムめつき 厚さが15ミクロンのめつき層を形成した。
し一 高クロム鋳鉄鳩砕粉末31.87%Cr,2.4
3%C,1.19%Sj,1.5%Mo,0.26%M
n、残部鉄及び不純物の鉄を200メッシュを越えない
微粒で且つ20ミクロン以上にボールミルで膿砕し、M
ETC07Mプラズマ熔射機で、厚さ15ミクロンに溶
射した。
8 高クロム鋳鉄鴇砕粉十Ni目溶合金(30%)14
.7%Cr,3.24%B,4.26%Si,0.65
%C,2.75%Fe、残部主としてNjのJISMS
FN財相当の目熔合金を10ミクロン以上250メッシ
ュを越えない微粒にアトマィズしたものを用いた他は上
記しすと同様とした。
畑 高クロム鋳鉄爆砕粉末(85%)十Mo造粒粉末(
15%)3〜5ミクロンのモリブデン徴粉を造粒して、
5ミクロン以上350メッシュを越えない微粒であって
、見掛密度2.0〜2.5タ′塊としたも* のを用い
た他は上託けと同様とした。
日 高クロム鋳鉄爆砕粉末(70%)十Mo造粒粉末(
10%)十目溶合金粉末(20%)上記それぞれの粉末
を所定量混合して、し一と同様に綾射を行なった。
実施例における百分率はすべて重量による。
試験結果を次に示す。以上の説明により、本発明のピス
トンリングは内燃機関での使用性能に優れ、相手村のシ
リンダも摩耗させないところから、高速高負荷及び潤滑
油使用量低減等のピストンリング等の摺動部材に対する
苛酷な条件下においてもこれに対応する総合性能を兼備
した情勤部材を提供し得るものであることが理解されよ
う。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比で、C1ないし6%及びCr20ないし35
    %を含有し、さらに0.5%ないし6%のSi及び0.
    5ないし3%のMoの少なくとも1種を含有する、粒度
    が200メツシユより粗粒でない高クロム鋳鉄搗砕粉末
    をプラズマ溶射し、摺動面に耐熱耐摩耗層を形成した摺
    動部材。 2 重量比で、C1ないし6%及びCr20ないし35
    %を含有し、さらに0.5%ないし6%のSi及び0.
    5ないし3%のMoの少なくとも1種を含有する、粒度
    が200メツシユより粗粒でない高クロム鋳鉄搗砕粉末
    55ないし90重量%と、粒度が250メツシユより粗
    粒でないアトマイズ粉末からなる自溶合金10ないし4
    5重量%と、をプラズマ溶接し、摺動面に耐熱耐摩耗層
    を形成した摺動部材。 3 重量比で、C1ないし6%及びCr20ないし35
    %を含有し、さらに0.5%ないし6%のSi及び0.
    5ないし3%のMoの少なくとも1種を含有する、粒度
    が200メツシユより粗粒でない高クロム鋳鉄搗砕粉末
    70ないし95重量%と、粒度が350メツシユより粗
    粒でない造粒粉末からなるMo5ないし30重量%と、
    をプラズマ溶射し、摺動面に耐熱耐摩耗層を形成した摺
    動部材。 4 重量比で、C1ないし6%及びCr20ないし35
    %を含有し、さらに0.5%ないし6%のSi及び0.
    5ないし3%のMoの少なくとも1種を含有する粒度が
    200メツシユより粗粒でない高クロム鋳鉄搗砕粉末7
    0ないし85重量%と、粒度が350メツシユより粗粒
    でない造粒粉末からなるMo5ないし15重量%と、粒
    度が250メツシユより粗粒でないアトマイズ粉末から
    なる自溶合金10ないし25重量%と、をプラズマ溶射
    し、摺動面に耐熱耐摩耗層を形成した摺動部材。 5 Mo造粒粉末の見掛け密度が2.0ないし2.5g
    /cm^3である特許請求の範囲第4項記載の摺動部材
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