JPH0220702B2 - - Google Patents

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JPH0220702B2
JPH0220702B2 JP59274552A JP27455284A JPH0220702B2 JP H0220702 B2 JPH0220702 B2 JP H0220702B2 JP 59274552 A JP59274552 A JP 59274552A JP 27455284 A JP27455284 A JP 27455284A JP H0220702 B2 JPH0220702 B2 JP H0220702B2
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Akira Harayama
Kazunori Mizutani
Mikio Uchama
Masateru Yagi
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Mahle Engine Components Japan Corp
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Izumi Automotive Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/04Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the coating material
    • C23C4/06Metallic material
    • C23C4/067Metallic material containing free particles of non-metal elements, e.g. carbon, silicon, boron, phosphorus or arsenic

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動部材の製造方法に関するものであ
り、さらに詳しく述べるならば内燃機関等のピス
トンリングあるいはシリンダライナのように耐焼
付性及び耐摩耗性が要求される摺動部材の摺動面
の改良に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、内燃機関の小型軽量化と高出力化に伴い
その負荷が増大する傾向にあり、この傾向はピス
トンリングあるいはシリンダライナ等の内燃機関
の機能部品に対して、より高度な耐焼付性及び耐
摩耗性を要求するに至つている。通常、かかる要
求を満足させるために、ピストンリング等の母材
表面にクロムメツキ層を被着して用いられている
が、一部の高性能内燃機関においては耐熱性が不
足し摺動部品間に焼付きが起こる。そこでクロム
メツキ層に代るものとしてモリブデン溶射も一部
の高性能内燃機関に用いられており、これにより
優れた耐焼付性が提供されるものの耐摩耗性の点
でクロムメツキより若干劣り、しかも資源的な制
約から原材料が高価であつて、モリブデン溶射を
適用する内燃機関の範囲拡大には自ずから限度が
ある。さらに、上記要求を満足させるために、モ
リブデン溶射以外の高融点.高硬度の溶射材料、
例えばタングステンカーバイト等を主体とする高
級溶射材料も、実用されてはいないが文献上に提
案されている。しかし、これらの溶射材料を適用
した摺動部材それ自体の耐摩耗性が絶大である
が、相手材であるシリンダライナ等の摩耗を増大
させる欠点があり、摺動に関与する双方の部材の
総合寿命(以下相対的寿命と称する)の点で不充
分である。なお、この欠点は相手材としてのシリ
ンダライナに特殊鋳鉄、例えばモリブデン等の合
金元素を添加した鋳鉄、を使用すれば或る程度除
くことができるが、FC20ないしFC30等の普通鋳
鉄材をシリンダブロツクに用いるライナレスタイ
プの内燃機関ではシリンダブロツクの摩耗を著し
く増大させてしまう。したがつて、内燃機関の摺
動部材にあつてはそれ自体の耐摩耗性のみなら
ず、相手材の摩耗を考慮して溶射材料を選択する
ことが肝要となる。 本出願人の一名は特公昭57−54547号公報にお
いて、溶射層が重量比でフエロクロム55ないし90
%、及び自溶合金10ないし45%の組成を有するこ
とを特徴とする摺動部材を提案した。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、従来の溶射摺動部材よりも耐熱性・
耐焼付性と耐摩耗性に優れ、而も相手材の摩耗を
も低減させる摺動部材の製造方法を提供しようと
するものであり、特に溶射層に、Moを添加した
クロム含有鉄基複合材料を用いることにより、従
来の摺動部材の耐熱性・耐摩耗性を向上せんとす
るものである。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明の第1の特徴(以下第1発明という)
は、粒度が74μmより粗粒でない高クロム鋳鉄粉
末と、フエロクロム(以下、Fe−C−Cr合金粉
末という)とを混合して組成を重量比でC3.0〜
7.0%,Cr25〜60%を含有し、残部が実質的にFe
とした混合粉末65〜90重量%と、更に粒度が
74μmより粗粒でないMo粉末10〜35重量%とを混
合した混合物をプラズマ溶射してなる溶射層を有
する摺動部材の製造方法にある。 本発明の第2の特徴(以下第2発明という)
は、粒度が74μmより粗粒でない高クロム鋳鉄粉
末と、Fe−C−Cr合金粉末とを混合して組成を
重量比でC3.0〜7.0%,Cr25〜60%を含有し、残
部が実質的にFeとした混合粉末65〜80重量%と、
粒度が74μmより粗粒でないMo粉末10〜25重量%
及び粒度が74μmより粗粒でない自溶合金粉末17
〜25重量%とを混合した混合粉末をプラズマ溶射
してなる溶射層を有する摺動部材の製造方法にあ
る。 〔作用〕 一般的に言つて、溶射層がもつ多孔性は潤滑油
の保持性の面から摺動部材の耐焼付性にとつて有
利に作用するが、耐摩耗性及び相手材の摩耗は溶
射層のその他の性質に依存する。例えば溶射層が
モリブデンを主体とする場合は、金属モリブデン
の特性故に前述の如く摺動部材の耐摩耗性が充分
でなく、一方、高硬度金属の溶射層の場合であつ
ても溶射材料の種類乃至は粒子サイズによつては
溶射粒子間の結合が弱まり、研摩、ラツピング加
工等の摺動部材の仕上加工中に溶射層の表面で溶
射粒子が脱落し、鋭利な角をもつた表面状態とな
る。この傾向はクロムカーバイト(Cr2C)、タン
グステンカーバイド(WC)等の、硬度が高くそ
れ自体の耐摩耗性は優れているが難加工材に属す
る溶射材において著しい。このように、鋭利な角
をもつた表面状態を呈したピストンリングの摺動
表面は相手シリンダ材との関係で、仮令焼付に至
らなくとも初期摩耗の段階で相手シリンダ材を過
大に摩耗させる。したがつて、本発明が対象とす
る内燃機関において見られるように耐熱性と耐摩
耗性及び優れた相対的寿命が要求され、しかも研
摩、ラツピング等により仕上げられる摺動部材に
あつては、摺動表面の材質のみならず摺動表面構
成成分のミクロ的構造が重要であることの知見を
得た。本発明はかかる知見に基づいて完成したも
のであつて、摺動部材表面の溶射層が高クロム鋳
鉄粉末とFe−C−Cr合金粉末を基本成分として
いると、モリブデンを用いた場合に比して耐摩耗
性、耐熱性(特に高温耐酸化性)が優れ、一方、
クロムカーバイドなどと比較して相手材を摩耗さ
せる傾向が著しく少なくなる。さらに、溶射層内
の粒子間結合強度が高められ、溶射粒子が摺動部
材の加工又は摺動中に脱落する傾向が少なくな
り、耐焼付性、耐摩耗性及び相対的寿命がさらに
向上することが期待される。 特記すべきことは、高クロム鋳鉄粉末とFe−
C−Cr合金粉末との混合粉末をプラズマ溶射す
ると、高クロム鋳鉄粉末及びFe−C−Cr合金粉
末が夫々相互補完的作用によつて、双方の摩耗を
適度にバランスさせると共に耐スカツフイング性
を改善し、以つて内燃機関の耐久性信頼性をより
高度化するところにある。 高クロム鋳鉄粉末とは「鉄鋼材料便覧、昭和42
年6月30日発行」第865頁、表22,26、及び表の
下の説明に示されている成分を基本とし、Cr含
有量に富み、クロム炭化物が鋳鉄基地中に均一に
分散されている性質が摺動部材の成分として利用
される。すなわち高クロム鋳鉄溶射層は安定した
炭化物形態として微細に分散させ、耐熱、耐摩耗
性に優れると共に耐食性ことに稀硫酸腐食に対す
る抵抗性も良好であるので、高硬度のクロム炭化
物粉末や高炭素のFe−Cr合金粉末を単独で溶射
する場合よりも、高クロム鋳鉄溶射成分は相手材
(シリンダ)の摩耗を促進することはない。尚、
高クロム鋳鉄は鋳造状態で白鋳鉄組織を呈し、搗
砕性に優れるので粉末の製造が容易である他、炭
火物、Fe−C−Cr合金粉末等と比較して安価に
入手できる点でも混合粉末としてプラズマ溶射す
る利点が多い。又、高クロム鋳鉄粉末としては搗
砕性粉末に限らずアトマイズ粉末を使用してもよ
い。然し高クロム鋳鉄の場合には鋳鉄溶解等の点
からCr含有量に自ずから限度があり、その単独
溶射ではピストンリングの摩耗を増大させる傾向
がある。 従つて、高クロム鋳鉄よりCr含有量の高いFe
−C−Cr合金粉末を混合した混合粉末をプラズ
マ溶射することによつて、夫々の欠点を補完した
摺動面が得られるのである。 Fe−C−Cr合金粉末としてはJISG2303に規定
されるフエロクロムが用いられ、中炭素以上の
Fe−Cr(フエロクロム)合金粉末、就中、高炭素
Fe−Cr(フエロクロム)合金粉末が望ましい。 発明の具体的構成 次いで、高クロム鋳鉄粉末とFe−C−Cr合金
粉末との混合粉末及びMo粉末の組成限定理由に
ついて述べる。 高クロム鋳鉄とFe−C−Cr合金の主要成分で
あるCrは強い炭化物形成作用をもつ元素であつ
て、夫々の中に含有されるCの大部分をCr7C3
Cr23C6等の炭化物として固定する。これらの炭化
物は夫々の鋳鉄及び合金の基地中に均一微細に分
散しており、混合溶射された摺動面中にも介在相
として含まれ、耐スカツフイング性を付与する重
要な作用を持つ。この混合粉末中のCr含有量は
25%未満では摺動面中の炭化物の量が不足してピ
ストンリング自身の耐摩耗性及び耐スカツフイン
グ性が低下し、60%を超えるとピストンリングの
耐摩耗性が向上する反面、相手シリンダの摩耗を
促進する。従つてCr含有量は25〜60重量%の範
囲とするが、より好ましくは30〜55重量%、更に
最も望ましい範囲は30〜50重量%である。 Cはそのほとんどが前記鋳鉄又は合金中でCr
と結合して、前記クロム炭化物を生成する範囲に
留めるべきであり、そのためには混合粉中のC含
有量は3〜7重量%、好ましくは3.5〜6重量%
の範囲とする。即ち、C含有量が3%未満では生
成される炭化物の絶対量が不足して耐摩耗性が不
充分であり、又7%を越えると被溶射基材との密
着性を阻害する遊離炭素(黒鉛)が高Cr鋳鉄中
に発生するおそれがあるので、7%以下に留める
ことが望ましい。尚、上記C及びCr以外に鋳鉄
材としての他の成分例えばSi,Mn,P,S域い
はCo,V,Ni等は、前記特性を害しない範囲で
少量含有してもよい。 次に高クロム鋳鉄粉末とFe−C−Cr合金粉末
との混合粉末を74μm以下の粒度に限定した理由
について述べる。 一般に溶射層は気孔を有し、これが油溜りとな
つて耐スカツフイング性に貢献するが、一方、気
孔が粗大になると溶射粒子間の自己結合力が不足
して摺動中に溶射粒子が脱落して摺動面間に介在
し、ピストンリング及び相手シリンダが摩耗する
結果を招く。そこで潤滑油保持及び双方の摺動面
の耐摩耗性の面から気孔率、気孔の大きさ及びそ
の分布状態を適正に制御すべきであり、これは溶
射法をプラズマ溶射と特定した場合主として溶射
材料特に溶射粉末の粒度に大きく影響されるか
ら、前記諸点を勘案して74μm以下の粒度に限定
した。更に、溶射の作業性ひいては溶射層の性質
も溶射粉末粒度によつて影響を受け、余りに微粉
になると流動性が低下し、溶射ノズルへの粉末の
安定供給が困難になるのでこの面から2μm以上の
粒度が好ましい。 本発明の第1発明においては更にMoが混合溶
射される。Mo単独溶射は耐スカツフイング性に
優れているものの、耐アブレーシブ摩耗に劣る
他、耐酸化性に劣るため溶射層内のMo粒子相互
の結合力が弱く、往々にして層間剥離を起こし易
い欠陥がある。 本発明においては、Mo粉末は高クロム鋳鉄粉
末とFe−C−Cr合金粉末との混合粉末とともに
プラズマ溶射法によつて混合溶射されるから、各
溶射粒子は溶融状態において共存しMo粒子自身
の低い耐酸化性も緩和される。 Mo粉末は単独粉末でもよいが、Mo微粒子を
有機その他のバインダーで結合したMo造粒粉末
を使用すれば、Mo粒子が微細に分散した溶射層
が得られ各溶射粒子間の結合強度の向上が期待さ
れる。しかも単独粉末ではMoの昇華性故に使用
できない超微粉も造粒することによつて均一分布
性が良好となるので使用可能となる。第1発明及
び第2発明においてMo粉末を74μm以下の粒度と
したのは、74μmよりも粗粒であると溶射層の表
面気孔率が高くなり耐アブレーシブ摩耗性が劣化
する他、均一分布性が損なわれるからである。 そしてMo粉末の粒度は好ましくは5μm以上で
ある。 次に第1発明におけるMo粉末混合量の限定理
由については、その混合量が10%末満ではMo独
自の耐スカツフイング性、各溶射粒子間の結合強
度の向上による摺動面相互間のアブレーシブな摩
耗に対する抵抗性等の効果が発揮されず、35%を
越えると溶射層の耐酸化性が劣化して、内燃機関
運転中に粒子間結合力が急速に低下する結果を招
きアブレーシブ摩耗を足す。従つて、Mo粉末の
混合量は10〜35重量%の範囲、好ましくは10〜30
重量%の範囲をする。一方、高クロム鋳鉄粉末と
Fe−C−Cr合金粉末との混合粉末の混合量は前
述の混合粉末中のCr及びC含有量ひいては溶射
層中のCr及びC含有量によつて限定されるが、
Mo粉末混合量に見合つて65〜90重量%、好まし
くは70〜90重量%である。そして前記混合粉末中
の高クロム鋳鉄粉末の混合量は好ましく30〜55重
量%である。 第2発明は高クロム鋳鉄粉末とFe−C−Cr合
金粉末との混合粉末(特許請求の範囲では「クロ
ム粉末」と称している)、Mo粉末及び自溶合金
粉末の組合せを特色とするものである。 第2発明の自治合金は自溶成分として一般的に
B及び/又はSiを含有し、主成分としてNi,Co,
Fe及びNi−Crの少なくとも1種を残部として含
有する。その組成の例は「金属表面処理便覧、改
訂新版」第970頁に示されている。一般に耐熱性
及び耐酸化性が良好である上記Ni,Co,Cr等を
含有する自治合金粉末を前記粉末と混合溶射する
と、溶射層内で高クロム鋳鉄粉末とFe−C−Cr
合金との各混合粒子及びMo粒子は自治合金粒子
により強固に分散保持され、この結果溶射層の強
度も格段と高められる。又自溶合金を用いると母
材との密着強度が向上し、又気孔率も低目に調節
され、さらに溶射後の摺動面を加工仕上した際に
極めて平滑な上面が得られ摺動初期の相手材との
馴染み上好結果を得る。 上述のように自溶合金は耐酸化性が高くかつ溶
射層の強度及び母材との密着強度も高められるの
で、熱負荷が高く酸化も厳しい内燃機関の運転条
件下でピストンリング等の性能が改善される。自
溶合金粉末の量は上記特性の他に他の混合粉末と
の相対的割合を考慮して定められ、殊に高クロム
鋳鉄粉末とFe−C−Cr合金粉末との混合粉末
(クロム粉末)がもたらす耐摩耗性を阻害しない
ように10〜25重量%の範囲とする。自溶合金粉末
の混合量が10%未満では前記効果が十分でなく、
25%を越えると必然的に高クロム鋳鉄粉末とFe
−C−Cr合金粉末との混合粉末の量、即ちクロ
ム炭化物の生成量及びMo粉末の混合割合が相対
的に低下する。より好ましい範囲は10〜20重量%
である。第2発明における摺動面は各昆合粉末の
特色を兼備し総合したものであると同時に、単独
粉末における欠点を相互に補完するものである。
各粉末の混合量は第1発明におけると同様の理由
によつて限定されるが、粉末相互の関連から高ク
ロム鋳鉄粉末とFe−C−Cr合金粉末との混合粉
末(クロム粉末)65〜80重量%、MO粉末10〜25
重量%自溶合金粉末10〜25重量%である。そして
より好ましい範囲は夫々65〜75重量%、10〜20重
量%、10〜20重量%である。自溶合金粉末の粒度
は74μmより粗粒になると、溶射時の粒子溶融が
不足して気孔の増大又は粗大化、粒子間結合力、
母材との密着性の劣化及び溶射層中の各成分の分
散不均一等望ましくない結果を招来する。好まし
い粒度は10μm以上であり、これよりも微粒では
溶射中に自溶合金が過度に溶解し溶射層の物性が
劣化する。斯様に自溶合金粉末を混合溶射すると
耐熱・耐酸化性、その被覆密度、粒子間結合力、
母材との密着性及び加工性が向上し摺動特性上よ
り安定した仕上面が得られる。自溶合金粉末を混
合して溶射した場合の気孔率は5〜15%、気孔の
大きさは5μm以下に調整され、しかも気孔は均一
に分布している。 第1発明および第2発明により製造される摺動
部材は、母材としての鋳鉄又は鋼材に直接溶射し
た場合でも可成りな密着強度を得られるが、より
可酷な条件下で使用する場合には下地溶射として
Mo−Ni系合金(Mo75%)、Ni−Al系合金、お
よびMo等を用いてもよい。 以下、本発明の実施例を述べその効果を詳述す
る。この実施例においては、本発明に係るピスト
ンリングと比較のために種々の表面処理を施した
ピストンリングを内燃機関に組付け、ピストンリ
ングの半径方向の平均摩耗量(T寸)及びピスト
ンリング上死点におけるシリンダの最大摩耗量を
測定した。ピストンリング(トツプ)に所定の表
面処理を施した。供試エンジンは77φm/m(内
径)×86m/m(行程)×4気筒、総排気量:1770
c.c.、またそのシリンダはFC25相当材であつた。
試験条件は、使用燃料有鉛ガソリン(Pb3.2gr/
usガロン)、5,000r.P.m×全負荷×200Hr(運転
時間)であつた。所定時間の運転後摩耗量を測定
し、ピストンリングの摩耗量に関しては100時間
当りの値に換算して添附図面に示した。表面処理
は次表のとおりである。
【表】
〔発明の効果〕
以上のような混合溶射による効果は従来技術に
おいて解決できなかつた問題点を除くものであ
り、摺動部材自身及び相手材の摩耗量を少なくす
る本発明の効果は、近年の高性能内燃機関に十二
分に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はガソリンエンジン(ライナレス)に対
して種々のピストンリングを組付けた場合の摩耗
量をピストンリングとシリンダについて調査した
結果のグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粒度が74μmより粗粒でない高クロム鋳末と
    フエロクロム粉末を混合してなり、これ混合粉末
    (以下、クロム粉末という)が、重で、C3.0〜7.0
    %、Cr25〜60%有し、残部が実質的にFeからな
    る該クロムを全体に対して65〜90重量%と、更に
    粒74μmより粗粒でないMo粉末を全体に対10〜35
    重量%と、を混合した混合粉末を面にプラズマ溶
    射することを特徴とする摺動の製造方法。 2 Mo粉末が10μm以下のMo微粉末を7mより粗
    粒でないようにバインダで造粒した粉末である特
    許請求の範囲第1項記載の摺動の製造方法。 3 粒度が74μmより粗粒でない高クロム鋳末と
    フエロクロム粉末を混合してなり、これらの混合
    粉末(以下、クロム粉末という)が、重量比で、
    C3.0〜7.0%、Cr25〜60%を含有し、残部が実質
    的にFeからなる該クロム粉末を全体に対して65
    〜80重量%と、粒度が74μmより粗粒でないMo粉
    末を全体に対して10〜25重量%と、粒度が74μm
    より粗粒でない自溶合金粉末を全体に対して10〜
    25重量%と、を混合した混合粉末を摺動面にプラ
    ズマ溶射することを特徴とする摺動部材の製造方
    法。 4 Mo粉末が10μm以下のMo微粉末を74μmより
    粗粒でないようにバインダで造粒した造粒粉末で
    ある特許請求の範囲第3項記載の摺動部材の製造
    方法。 5 自溶合金粉末がNi−Cr系合金粉末からなる
    特許請求の範囲第3項又は第4項記載の摺動部材
    の製造方法。
JP59274552A 1984-12-28 1984-12-28 摺動部材の製造方法 Granted JPS61157670A (ja)

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EP1045175B1 (de) * 1999-04-12 2006-11-08 Wärtsilä Schweiz AG Stopfbuchsenring
JP2007211293A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Fujimi Inc 溶射皮膜及び溶射用粉末

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