JPS63114945A - 耐摩耗性および耐食性に優れた焼結合金部材 - Google Patents

耐摩耗性および耐食性に優れた焼結合金部材

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JPS63114945A
JPS63114945A JP25982786A JP25982786A JPS63114945A JP S63114945 A JPS63114945 A JP S63114945A JP 25982786 A JP25982786 A JP 25982786A JP 25982786 A JP25982786 A JP 25982786A JP S63114945 A JPS63114945 A JP S63114945A
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JP
Japan
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powder
sintered alloy
sintered
alloy powder
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Application number
JP25982786A
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English (en)
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Toru Ogasawara
徹 小笠原
Tsuyoshi Morishita
強 森下
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンのバルブシートの如くの、他の部材
が反復当接する状態におかれるとともに腐食性物質が付
着するものとされる部品等を形成すべく用いるに適した
、耐摩耗性および耐食性に優れた焼結合金部材に関する
(従来の技術) エンジンのバルブシート等の高温下における耐摩耗性及
び耐食性が要求される部品を形成するものとされる金属
材料としては、一般に、例えば、特開昭60−2215
57号公報にも記載されている如くの、オーステナイト
系ステンレス鋼の粉末等が焼結されて得られる母地組織
を有し、その母地組織中に硬質粒子が分散混入されて成
る焼結合金部材が用いられる。
このような焼結合金部材にあっては、その母地組織中に
おける結晶粒子間等に多数の気孔が生成されるが、特に
、有鉛ガソリンが使用されるエンジンのバルブシート等
の形成に用いられる焼結合金部材は、斯かるバルブシー
トが他のエンジンの場合に比してより高温に晒されるこ
とになるので、それによって形成されるバルブシートに
おけるバルブとの当接部の温度を降下させる作用を伴う
ものとされるべく、母地組織中に生成される気孔中に銅
あるいは鉛等が含浸されたものとなされる。
斯かる母地U織中に生成される気孔中に銅あるいは鉛等
が含浸された焼結合金部材は、その母地組織の強度及び
硬度の向上も図られることになる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、フォークリフト車等に搭載される、液化
石油ガス(L P G)を燃料として比較的低い回転数
で運転され、しかも、断続運転の機会が多いものとされ
るエンジンに使用されるバルブシートにおいては、その
バルブとの当接部における表面温度が比較的低いとき、
空気あるいは潤滑油等に含まれる水分が斯かる当接部等
に付着し、その水分とエンジンの排気バルブ側に排出さ
れる燃焼生成物中に含まれる硫黄酸化物とが反応して硫
酸が生成されることになり、それによって、バルブとの
当接部に腐食及び摩耗等を生じてしまうという問題があ
る。
斯かるバルブシートの腐食及び摩耗等は、それを形成す
る焼結合金部材の母地組織中に分散混入されて焼結合金
部材の耐摩耗性の向上に寄与するものとなる硬質粒子が
腐食して腐食生成物を生じ、母地組織がその腐食生成物
に起因する研磨摩耗及びそれに伴う腐食摩耗等を生じる
ことによりもたらされる。
また、液化石油ガスを燃料として比較的低い回転数で運
転され、しかも、断続運転の機会が多いものとされるエ
ンジンのバルブシートにあっては、それを形成する焼結
合金部材の母地組織中に生成される気孔内を液体状もし
くは気体状の腐食性物質が伝播することにより、焼結合
金部材の腐食が促進されてしまう問題もある。
さらに、上述の如くにバルブシート等の部品を形成する
ものとしてオーステナイト系ステンレス鋼の粉末等が焼
結されて得られる焼結合金部材が用いられるが、斯かる
焼結合金部材の母地組織における結晶粒界には、オース
テナイト系ステンレス鋼の粉末の焼結時に、それに含ま
れたクロム成分と炭素成分とが結合してクロム炭化物が
多量に生成されることに起因して、耐食性の向上に寄与
するものとなるべきクロムの欠乏部が生じる。そして、
母地組織にクロムの欠乏部が生じた焼結合金部材が、液
化石油ガスを燃料として比較的低い回転数で運転され、
しかも、断続運転の機会が多いものとされるエンジンの
バルブシート等に用いられた場合には、クロムの欠乏部
に腐食生成物が侵入し、それによって、焼結合金部材の
母地Mi織が応力腐食割れを生じる虞がある。
斯かる点に鑑み、本発明は、母地組織の耐研磨摩耗性及
び耐腐食摩耗性が高められるとともに、腐食生成物が侵
入するものとなる母地組織中における気孔の数が低減さ
れ、さらに、焼結時に発生して母地mvIiに応力腐食
割れを生じさせる虞があるものとなる、母地組織の結晶
粒界におけるクロム欠乏部の存在率が低減されて、耐摩
耗性及び耐食性の向上が図られた、耐摩耗性および耐食
性に優れた焼結合金部材を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成すべく、本発明に係る第1の耐摩耗性
および耐食性に優れた焼結合金部材は、鉄系金属粉末と
、4.5〜40重量%のコバルト基合金粉末と、0.5
〜2.0重量%の黒鉛粉末と力9昆合されて成る混合合
金粉末が、焼結されることにより得られ、その際、鉄系
金属粉末が、11〜15重量%のクロム、4〜6重量%
のモリブデン、0.5〜1.5重量%の炭素、及び、0
.5〜1.5重量%のバナジウムを含むものとされる。
このように、本発明に係る第1の耐摩耗性および耐食性
に優れた焼結合金部材が得られるものとなる混合合金粉
末中の鉄系金属粉末が、11〜15重量%のクロム、4
〜6重量%のモリブデン20.5〜1.5重量%の炭素
、及び、0.5〜1.5重量%のバナジウムを含むもの
とされるのは、以下の理由に基づく。
クロムは、均一で微細なソルバイト組織を形成すること
により、母地組織の高温強度、耐食性及び耐酸化性の向
上に寄与する。このような事柄を踏まえて、鉄系金属粉
末中におけるクロムの含有量を規定する実験を行った結
果、クロムの含有量が11重量%未満では、母地組織の
高温強度、耐食性及び耐酸化性が充分に向上するものと
ならず、また、15重量%を越える場合には、コストの
上昇に見合う効果が得られないことが確認された。従っ
て、鉄系金属粉末中におけるクロムの含有量は、11〜
15重量%の範囲とされる。
モリブデンは、焼結時に液相成分を生成して母地組織を
緻密化することにより、母地組織の高温強度及び靭性を
向上させる役目を果たす。このような事柄を踏まえて、
鉄系金属粉末中におけるモリブデンの含有量を規定する
実験を行った結果、モリブデンの含有量が4重量%未満
では、焼結時に生成される液相成分の量が不足して、焼
結時に生成される炭化物の母地組織中への均一な分散が
妨げられ、また、6重量%を越える場合には、生成され
る液相成分が過多となることが確認された。
従って、鉄系金属粉末中におけるモリブデンの含有量は
、4〜6重量%の範囲とされる。
炭素は、焼結時に鉄等と結合して炭化物を生成すること
により母地Mi織の耐摩耗性の向上に寄与する。このよ
うな事柄を踏まえて、鉄系金属粉末中における炭素の含
有量を規定する実験を行った結果、炭素の含有量が0.
5重量%未満では、形成される炭化物の量が不足して母
地組織の耐摩耗性が充分なものとならず、また、炭素の
含有■が1゜5重量%を越える場合には、焼結時にクロ
ムと結合して多量のクロム炭化物を生成し、それにより
、母地組織にクロム欠乏部が生じてしまうことが確認さ
れた。従って、鉄系金属粉末中における炭素の含有量は
、0.5〜1.5重量%の範囲とされる。
バナジウムは、母地組織の結晶粒を微細化して密度を向
上させ、それによって、焼結合金の引張強さを向上させ
る役目を果たす。このような事柄を踏まえて、鉄系金属
粉末中におけるバナジウムの含有量を規定する実験を行
った結果、バナジウムの含有量が、0.5重量%未満で
は、母地組織の結晶粒の微細化が充分になされずに焼結
合金の引張強さが充分なものとならず、また、1.5重
量%を越える場合には、焼結合金の靭性及び耐衝撃性を
低下させることが確認された。従って、鉄系金属粉末中
におけるバナジウムの含有量は、0.5〜1.5重量%
の範囲とされる。
また、本発明に係る第1の耐摩耗性および耐食性に優れ
た焼結合金部材が得られるものとなる混合合金粉末中に
おけるコバルト基合金粉末の割合が、4.5〜40重量
%とされるのは、以下の理由に基づく。
コバルト基台金粉末は、焼結時に母地組織中に分散混入
される硬質粒子を生成し、母地組織の耐摩耗性の向上に
寄与するものとなる。このような事柄を踏まえて、混合
合金粉末中におけるコバルト基合金粉末の割合を規定す
る実験を行った結果、混合合金粉末中におけるコバルト
基合金粉末の割合が、4.5重量%未満である場合には
、焼結時に生成される硬質粒子の量が不足し、母地組織
が充分な耐摩耗性を有するものとならず、また、混合合
金粉末中におけるコバルト基合金粉末の割合が、40重
量%を越える場合には、硬質粒子の増加に伴って母地組
織の靭性が低下することが確認された。
従って、混合合金粉末中におけるコバルト基合金粉末の
割合は、4.5〜40重量%の範囲とされる。
さらに、本発明に係る第1の耐摩耗性および耐食性に優
れた焼結合金部材が得られるものとなる混合合金粉末中
における黒鉛粉末の含有量が、0゜5〜2.0重量%の
範囲とされるのは、以下の理由に基づく。
黒鉛粉末は、焼結時に液相成分を生成して焼結合金の密
度を向上させ、母地組織中に生成される気孔の数を低減
させる役目を果たす。このような事柄を踏まえて、混合
合金粉末中における黒鉛粉末の含有量を規定する実験を
行った結果、黒鉛粉末の含有量が0.5重量%未満では
、焼結時に生成される液相成分の量が不足しで焼結合金
の高E度化が促進されず、母地組織中に生成される気孔
の割合が10%を越えるものとなり、また、2.0重量
%を越える場合には、母地組織中に生成される気孔の割
合が10%以下とされて、コストの上昇に見合う効果は
得られないことが確認された。従って、混合合金粉末中
における黒鉛粉末の含有量は、0゜5〜2.0重量%の
範囲とされる。
本発明に係る第2の耐摩耗性および耐食性に優れた焼結
合金部材は、鉄系金属粉末と、4.5〜40重量%のコ
バルト基合金粉末と、0.5〜2.0重量%の黒鉛粉末
とが混合されて成る混合合金粉末が、焼結されることに
より得られ、その際、鉄系金属粉末が、11〜15重量
%のクロム、4〜6重量%のモリブデン、0.5〜1.
5重量%の炭素、及び、065〜1.5重量%のバナジ
ウムを含み、さらに、0゜5〜5.0重量%のチタン、
タンタル及びニオブのうちの少なくとも1種を含むもの
とされる。
このように、本発明に係る第2の耐摩耗性および耐食性
に優れた焼結合金部材が得られるものとなる混合合金粉
末中の鉄系金属粉末が、11〜15重量%のクロム、4
〜6重量%のモリブデン、0.5〜1.5重量%の炭素
、及び、0.5〜1.5重量%のバナジウムに加えて、
0.5〜5.0重量%のチタン。
クンタル及びニオブのうちの少なくとも1種を含むもの
とされるのは、以下の理由に基づく。
チタン、タンタル及びニオブは、焼結時に優先的に炭素
と結合して炭化物を生成することにより、クロム炭化物
の生成を抑制して母地組織の結晶粒界におけるクロム欠
乏部の発生を抑制し、それにより、母地組織の応力腐食
割れを低減させる役目を果たす。このような事柄を踏ま
えて、チタン。
タンタル及びニオブのうちの少な(とも1種の鉄系金属
粉末中における含有量を規定する実験を行った結果、チ
タン、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1種の含
有量が、0.5重量%未満では、チタン、タンタル及び
ニオブの炭化物が充分に生成されず、クロム炭化物の生
成を抑制する効果が充分なものとならず、また、5.0
重量%を越える場合には、コストの上昇に見合う効果が
得られないことが確認された。従って、鉄系金属粉末中
におけるチタン、タンタル及びニオブのうちの少な(と
も1種の含有量は、0.5〜5.0重量%の範囲とされ
る。
なお、チタン、タンタル及びニオブのうちの少なくとも
1種は、合金化して鉄系金属粉末中に含まれるだけでな
く、フェロチタン粉末、フェロタンタル粉末及びフェロ
ニオブ粉末として鉄系金属゛ 粉末中に含まれるように
されてもよい。
(作 用) 上述の如くの構成とされた本発明に係る第1の耐摩耗性
および耐食性に優れた焼結合金部材にあっては、鉄系金
属粉末と、4.5〜40重量%のコバルト基合金粉末と
、0.5〜2.0重量%の黒鉛粉末とが混合されて得ら
れた混合合金粉末が液相焼結されることにより得られて
、その密度が高められたものとされるので、腐食性物質
が侵入するものとなる母地組織中における気孔の数が低
減せしめられるとともに、母地組織中に充分な硬質粒子
が形成される。
また、本発明に係る第2の耐摩耗性および耐食性に優れ
た焼結合金部材にあっては、チタン、タンタル及びニオ
ブのうちの少なくとも1種を含む鉄系金属粉末を、4.
5〜40重呈%のコバルト基合金粉末、及び、0.5〜
2.0重量%の黒鉛粉末とともに含有する混合合金粉末
が焼結されて得られるものとされるので、母地組織が応
力腐食割れを生じる事態が低減される。
(実施例) 本発明に係る第1の耐摩耗性および耐食性に優れた焼結
合金部材の具体例の説明にあたり、先ず、その製造工程
の一例にフいて述べ、続いて、それにより得られる本発
明に係る第1の焼結合金部材の具体例について述べる。
本発明に係る第1の焼結合金部材の一例を得るにあたっ
ては、先ず、11〜15重量%のクロム(Cr)、4〜
6重量%のモリブデン(M o ) 、 0.5〜1.
5重量%の炭素(C)及び0.5〜1.5重量%のバナ
ジウム(V)を含み、粒径が149μm以下とされた鉄
系金属粉末58.2〜94.6重量%と、4.9〜39
.8重量%のコバルト基合金粉末と、0.5〜2゜0重
量%の黒鉛(C)粉末とを含む混合合金粉末を得る。コ
バルト基合金粉末は、例えば、25〜33重量%のCr
、3〜13重量%のタングステン(W)、0.5〜1.
5重量%のC,0,4〜2.0重量%のシリコン(St
)、O〜1.0重量%のマンガン(Mn)、及び、O〜
3.0重量%の不可避成分を含むとともに、残部にコバ
ル)(Co)を含み、149μm以下の粒径を有するも
のとされる。
なお、コバルト基合金粉末に含まれる各元素が、上述の
如くの成分範囲をとるものとされるのは、以下の理由に
基づく。
Crは、焼結時にCと結合してCr炭化物を形成するこ
とにより、硬質粒子の耐摩耗性の向上に寄与する。この
ような事柄を踏まえて、コバルト基合金粉末中における
Crの含有量を規定する実験を行った結果、Crの含有
量が25重量%未満では、形成されるCr炭化物の量が
不足し、硬質粒子が充分な耐摩耗性を有するものとなら
ず、また、Crの含有量が33重量%を越える場合には
、コストの上昇に見合う効果が得られないことが確認さ
れた。従って、コバルト基合金粉末中におけるCrの含
有量は、25〜33重量%の範囲とされる。
Wは、焼結時にCと結合してW炭化物を形成することに
より、硬質粒子の耐摩耗性の向上に寄与する。このよう
な事柄を踏まえて、コバルト、1合金粉末中におけるW
の含有量を規定する実験を行った結果、Wの含有量が3
重量%未満では、形成されるW炭化物の量が不足し、硬
質粒子が充分な耐摩耗性を有するものとならず、また、
Wの含有量が13重量%を越える場合には、コストの上
昇に見合う効果が得られないことが確認された。従って
、コバルト基合金粉末中におけるWの含有量は、3〜1
3重量%の範囲とされる。
Cは、焼結時にCr及びWと結合してCr炭化物及びW
炭化物を形成することにより、硬質粒子の耐摩耗性の向
上に寄与する。このような事柄を踏まえて、コバルト基
合金粉末中におけるCの含有量を規定する実験を行った
結果、Cの含有量が0.5重量%未満では、形成される
Cr炭化物及びW炭化物の量が不足し、硬質粒子が充分
な耐摩耗性を有するものとならず、また、Cの含有量が
1゜5重量%を越える場合には、コストの上昇に見合う
効果が得られないことが確認された。従って、コバルト
基合金中におけるCの含有量は、0.5〜1.5重量%
の範囲とされる。
Siは、コバルト基合金粉末を得るべく所定形状のコバ
ルト基合金を形成するにあたり、溶融状態とされたコバ
ル)!合金の流動性を向上させる役目を果たすため、最
低限コバルト基合金粉末中に0.4重量%含有されるこ
とが必要とされるが、2.0重量%を越えて含有される
場合には、硬質粒子の硬度が低下することが確認された
。従って、コバルト基合金粉末中におけるSiの含有量
は、0.4〜2.0重量%の範囲とされる。
Mnは、コバルト基合金粉末を得るべくコバルト基合金
を形成する際に含まれる不純物であるため、1.0重量
%以下の含fffiとされる。
上述の如(にして得られた、58.2〜94.6重量%
の鉄系金属粉末と、4.9〜39.8重量%のコバルト
基合金粉末と、0,5〜2.0重量%の黒鉛(C)粉末
とを含む混合合金粉末は、Crが11.6〜21゜9重
量%、Moが2.3〜5.7重量%、Cが1.0〜3.
5重量%、Siが0.05〜1.4重量%、Mnが0〜
0.4重量%、■が0.5〜1.0重量%、Wが0゜7
〜5.2重量%、Coが2.3〜28.3重量%、不可
避成分がO〜1.8重量%とされるとともに残部が鉄(
Fe)とされた成分組成を有するものとなる。
斯かる混合合金粉末の具体例は、例えば、Crが15.
79重量%、Coが5.91重量%、Moが4゜23重
量%、Cが1.42重量%、Wが1.27重量%、St
が1.00重量%、Mnが0.27重量%。
■が0.92重量%、不可避成分が0.03重量%とさ
れるとともに残部がFeとされた成分組成を有するもの
(以下、これを混合合金粉末X、という)とされる。
次に、混合合金粉末X、に対し、潤滑剤としてステアリ
ン酸亜鉛を1.0重量%添加した後、5t。
n/cJの圧力を加えて所定形状を有した圧粉体を形成
する。
続いて、混合合金粉末X、から成る圧粉体を、750℃
の水素ガス(H2)雰囲気中において30分間保持した
後、徐冷することにより、予備焼結体を得る。そして、
得られた予備焼結体を、真空炉中において、10℃/m
inの昇温速度で1200℃まで加熱して30分間保持
した後、徐冷する。
以上の工程を経て、本発明に係る第1の焼結合金部材の
具体例である焼結合金部材Y、が得られる。
斯かる焼結合金部材Y1における内部金属組織が、添付
された図に顕微鏡写真をもって示されている。図の写真
において、黒色部分が、微細化された結晶粒子を有する
緻密化したソルバイト組織とされた母地m織であり、母
地Mi繊織中分散する白色部分は、焼結時にコバルト基
合金粉末より生成された硬質粒子である。
次に、本発明に係る第2の耐摩耗性および耐食性に優れ
た焼結合金部材の具体例の説明にあたり、先ず、その製
造工程の一例について述べ、続いて、それにより得られ
る本発明に係る第2の焼結合金部材の具体例について述
べる。
本発明に係る第2の焼結合金部材の具体例を得るにあた
っては、先ず、11〜15重量%のCr、4〜6重量%
のMo、0.5〜1.5重量%のC,0,5〜1.5重
里%のVl及び、0.5〜5.0重量%のチタン(Ti
)、タンタル(Ta)及びニオブ(Nb)のうちの少な
くとも1種を含み、粒径が149μm以下とされた鉄系
金属粉末50.80〜93.46重量%と、4.90〜
39.80重量%のコバルト基合金粉末と、0.5 〜
2.0重量%の黒鉛粉末とが混合されて成る混合合金粉
末を得る。コバルト基合金粉末は、例えば、25〜33
重量%のCr、3〜13重量%のW、0.5〜1.5重
量%のC,0,4〜2.0重量%のS i、O〜1.0
重量%のMn、及び、0〜3゜0重量%の不可避成分を
含むとともに、残部にCOを含み、149μm以下の粒
径を有するものとされる。
このようにして得られた混合合金粉末の具体例は、例え
ば、以下に述べる如くの成分組成を有するXz、X’r
及びX4の如くのものとされる。
混合合金粉末X2は、Cを2.93重里%、Siを1.
05重量%、Mnを0.27重量%、Crを18.71
重量%、Moを2.45重量%、■を0.52重量%、
Wを2.30重量%、Coを23.55重量%、Nbを
4.66重量%、Taを0.04重量%、不可避成分を
0.01重量%含み、Feが残部とされた成分組成を有
する。
混合合金粉末X3は、Cを2.16重量%、Siを1.
01重量%、Mnを0.26重量%、Crを16.80
重量%、Moを3.43重量%、■を0.74重量%、
Wを1.68重量%、Coを13.23重量%、Nbを
2.73重量%、Taを0.02重量%、不可避成分を
0.03重量%含み、Feが残部とされた成分組成を有
する。
混合合金粉末X4は、Cを1.39重星%、Stを0.
97重量%、Mnを0.27重量%、Crを14.90
重量%、Moを4.40重量%、■を0.96重量%、
Wを1.07重量%、Coを2.90重量%、Tiを0
.50重里%、不可避成分を0.03重量%含み、Fe
が残部とされた成分組成を有する。
次に、上述の3種類の混合合金粉末X2.X3及びX4
に対し、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を1.0重世%
添加した後、5ton/CTAの圧力を加えて所定形状
を有した3種類の圧粉体を形成する。
続いて、混合合金粉末X z 、  X :l及びX4
から成る3種類の圧粉体を、750℃の水素ガス(Hz
)雰囲気中において30分間保持した後、徐冷すること
により、3種類の予備焼結体を得る。そして、得られた
予備焼結体を、真空炉中において、10℃/minの昇
温速度で1200℃まで加熱して30分間保持した後、
徐冷する。
以上の工程を経て、本発明に係る第2の焼結合金部材の
3種類の具体例である焼結合金部材Y2、Y3及びY4
が得られる。
以下、本発明に係る第1の焼結合金部材Y1、及び、本
発明に係る第2の焼結合金部材Y2.Y、及びY4と、
本発明とは異なる焼結合金部材である比較例Ys 、Y
b及びY7との比較結果について述べる。
比較例Y、は、Niが2.0重量%、Crが8.5重量
%、Coが9.5重量%、Moが0.55重量%。
Cが1.0重量%、Wが3.3重量%とされるとともに
残部がFeとされた組成を有する焼結合金である。
また、比較例Y6は、Crが6.5重量%、  C。
が7.5重量%、Moが0.55重量%、Cが1.0重
量%、Wが2.8重量%とされるとともに残部がFeと
された組成を有する焼結合金に、17.0重世%の1i
(Cu)が含浸されて得られたものである。
さらに、比較例Y7は、Nfが1.3重量%、Crが1
.3重量%、Coが13.0重量%、Moが5゜0重量
%、Cが0.6重量%とされるとともに残部がFeとさ
れた組成を存する焼結合金に、18.0重量%の鉛(p
 b)が含浸されて得られたものである。
そして、焼結合金部材Y1〜Y4及び比較例Y、〜Y、
の夫々により、25鶴Xll+nX 5inの直方−体
形状を有する7種類の試験片T1〜T7を形成し、各試
験片T1〜T、を、5%の硫酸()12sO。
)水溶液中に4時間浸した後、各試験片T、〜T7にお
ける単位面積あたりの重量の減少量ΔW/S (g/c
al)を測定することにより、焼結合金部材Y1〜Y4
と比較例Y5〜Y、との耐食性の比較を行った。
また、焼結合金部材Y1〜Y4及び比較例Y5〜Y、の
夫々により、バルブシートとして形成された7種類の試
験片S、〜S7を形成し、各試験片S、〜S、を、LP
Gガス仕様のエンジンに装着して2400rptaの回
転数で1.00時間の連続運転を行った後、各試験片8
1〜S、の表面からの後退距離L(+n)を測定するこ
とにより、焼結合金部材Y I” Y 4と比較例Y、
−Y7との耐摩耗性の比較を行った。なお、エンジンの
運転時に各試験片S、〜S?と摺接するバルブとしては
、その着座部にステライトが盛り金されたものが用いら
れた。
上述の如くの、本発明に係る第1の焼結合金部材YI、
及び、本発明に係る第2の焼結合金部材Y2 、Yz及
びY4と、本発明とは異なる焼結合金部材である比較例
Y2.Yb及びY7との、耐食性及び耐摩耗性の比較結
果を、下記の表に示す。
上記の表かられかる如く、比較例Y、〜Y7によって形
成された試験片T5.T、及びT、における単位面積あ
たりの重量の減少量ΔW/Sが、夫々、3.7xlO−
’g/cJ  、 5.7 XIO〜”g/caf及び
1.9 X 10−2g / crAであるのに対し、
焼結合金部材Y1〜Y4によって形成された試験片T、
、T2、T、及びT4における単位面積あたりの重量の
減少量ΔW/Sは、8.6 X 10−’ g / C
l11以下である。斯かる結果より、焼結合金部材Y1
〜Y4の夫々が、優れた耐食性を有していることが認め
られる。
また、比較例Y、〜Y、によって形成された試験片Ss
、Sh及びS、の表面からの後退距離りが、夫々、0.
059 m醜、0.286 璽*及び0.034 va
であるのに対し、焼結合金部材Y、−Y4によって形成
された試験片S+、SKI  S3及びs4の表面から
の後退距離りは、0.030 龍以下である。斯かる結
果より、焼結合金部材Y1〜Y4の夫々が、優れた耐摩
耗性を有していることが認められる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかな如く、本発明に係る第1の耐摩
耗性および耐食性に優れた焼結合金部材は、鉄系金属粉
末、コバルト基合金粉末、及び、黒鉛粉末が混合されて
成る混合合金粉末が、焼結されることにより得られるも
のとされるので、焼結時に黒鉛粉末が生成する液相成分
によって焼結合金の密度が高められることにより、腐食
性物質が侵入するものとなる母地組織中における気孔の
数が低減されたものとなされ、そのため、気孔中に腐食
生成物質が混入して母地組織の腐食が促進、される事態
が著しく低減されることになる。
また、本発明に係る第2の耐摩耗性および耐食性に優れ
た焼結合金部材は、チタン、タンタル及びニオブのうち
の少なくとも1種を含む鉄系金属粉末と、コバルト基合
金粉末と、黒鉛粉末とが混合されて成る混合合金粉末が
、焼結されることにより得られるものとされるので、焼
結時におけるクロム炭化物の生成が抑制されて、結晶粒
界にクロム欠乏部を伴わない母地組織が得られる。従っ
て、母地組織中に分散混入されることになる硬質粒子が
腐食されて腐食生成物を生じる場合にも、斯かる腐食生
成物によって母地Mi織が応力腐食割れ、研磨摩耗及び
それに伴う腐食摩耗等を生じる事態が著しく低減される
【図面の簡単な説明】
図は、本発明に係る第1の耐摩耗性および耐食性に優れ
た焼結合金部材の一例の内部金属組織を示す顕微鏡写真
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)11〜15重量%のクロム、4〜6重量%のモリ
    ブデン、0.5〜1.5重量%の炭素、及び、0.5〜
    1.5重量%のバナジウムを含む鉄系金属粉末と、4.
    5〜40重量%のコバルト基合金粉末と、0.5〜2.
    0重量%の黒鉛粉末とが混合されて成る混合合金粉末が
    、焼結されることにより得られる耐摩耗性および耐食性
    に優れた焼結合金部材。
  2. (2)11〜15重量%のクロム、4〜6重量%のモリ
    ブデン、0.5〜1.5重量%の炭素、0.5〜1.5
    重量%のバナジウム、及び、0.5〜5.0重量%のチ
    タン、タンタル及びニオブのうちの少なくとも1種を含
    む鉄系金属粉末と、4.5〜40重量%のコバルト基合
    金粉末と、0.5〜2.0重量%の黒鉛粉末とが混合さ
    れて成る混合合金粉末が、焼結されることにより得られ
    る耐摩耗性および耐食性に優れた焼結合金部材。
JP25982786A 1986-10-31 1986-10-31 耐摩耗性および耐食性に優れた焼結合金部材 Pending JPS63114945A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035785A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 高温耐蝕耐摩耗性焼結部品の製造方法
JP2009035786A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 高温耐蝕耐摩耗性焼結部品の製造方法
JP2012251245A (ja) * 2012-07-31 2012-12-20 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 高温耐蝕耐摩耗性焼結部品の製造方法

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