JPH1122424A - 耐磨耗性の優れたエンジン用タペット及びその製造方法 - Google Patents

耐磨耗性の優れたエンジン用タペット及びその製造方法

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JPH1122424A
JPH1122424A JP9365359A JP36535997A JPH1122424A JP H1122424 A JPH1122424 A JP H1122424A JP 9365359 A JP9365359 A JP 9365359A JP 36535997 A JP36535997 A JP 36535997A JP H1122424 A JPH1122424 A JP H1122424A
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tappet
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JP9365359A
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Kang Hyung Kim
ヒュン キム カン
Sae Il Oh
イル オウ サエ
Maeng No Park
ノ パーク ミーング
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Samsung Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐久性と耐磨耗性の優れたエンジン用タペッ
ト及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 50〜100wt%のニッケル粉末、0
〜45wt%のCr、0〜35wt%のMo、0〜10
wt%のAl、0〜25wt%のCo、0〜10wt%
のCu、及び仕方なく混合される不純物から構成される
結合材の材料と;炭化物、窒化物、及び硼化物から構成
されるグループの中から選ばれた一つ以上の化合物から
構成される硬質粒子からできている焼結体をタペット5
の表面に形成させる。又、WC44〜88wt%、Co
4〜10wt%、Ni15〜50wt%、Cr5〜20
wt%、B0.5〜4wt%、Fe2〜4wt%、Si
0.5〜4wt%、C1.0wt%以下及び仕方なく含
まれる不純物から構成される合金粉末材料をタペット5
の表面にコーティングさせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐磨耗性(wear
resistance)の優れたエンジン用タペット
(tappet)及びその製造方法に関するものであ
る。特に、本発明はタペットの表面に結合材(bind
er)、炭化物(carbide)、硼化物(bori
de)及び窒化物(nitride)から構成されるグ
ループの中で選ばれた一つ以上の化合物を含んだ材料で
焼結層(sintered layer)を形成する
か、あるいは高融点(high melting po
int)を持ちながらカム(cam)材料との融着性の
低い材料で硬度(hardness)の高いコーティン
グ層を形成させることを特徴とする耐磨耗性の優れたO
HC(Over Head Cam)タイプの大型ディ
ーゼルエンジン用タペットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1にはシリンダーバルブ1(valv
e)を開閉する器具である一般的なバルブドレーンシス
テム(valve train system)が図示
されている。このバルブドレーンシステムはロッカアー
ム3(rocker arm)とプッシュロッド4(p
ush rod)、そしてタペット5(tappet)
から構成される。バルブ1にはバルブに復原力を与える
ためのバルブスプリング2(valve sprin
g)が付着されている。
【0003】この時、タペット5はプッシュロッド4の
下端に結合されてカム6の外周面に沿って摂動(sli
ding motion)する、カム6の外周面の変化
変位によって上下移動しながらプッシュロッド4を往復
運動させることになる。
【0004】ところが、最近では環境保護のために高出
力、高燃比、無整備(maintenance fre
e)エンジンに対する要求が高くなるにつれてバルブド
レーン系の使用環境が次第に厳しくなったため、長い寿
命のバルブドレーン系が必要になった。
【0005】バルブドレーン系の破損(failur
e)は不完全燃焼を誘致して排気ガスを煤煙を増加させ
ることになり、エンジンの騒音と震動を過度に発生させ
て車両全体システムの性能を急激に低下させるようにな
る。
【0006】その中で、核心要素であるタペット5の破
損は、主にカム6と接触の時に高速の滑り摩擦(sli
ding friction)によって発生する滑り磨
耗(sliding wear)によるスカッフィング
(scuffing)あるいは表面の疲労(fatig
ue)による剥離(break away)現象である
ピッティング(pitting)である。
【0007】この時、タペット5の表面にスカッフィン
グとピッティングが発生すると急激に磨耗が進行するた
めバルブ開閉時期の不一致あるいはバルブ気密維持の不
安定によって燃料が不完全燃焼し、結局排気ガスや騒音
等の問題が発生することになる。
【0008】又、タペット5に許容範囲を越える誤差が
ある場合、あるいはカム6との摂動の時に過度な磨耗が
発生するようになると正確な垂直接触が行われないため
カムシャフト7と平行な方向に荷重が作用するカムウォ
ーキング(cam walking)を起こす可能性が
ある。
【0009】一般的にカム6とタペット5の材料として
は鋼(steel)と鋳鐡(cast iron)がた
くさん利用される。このような材料の表面硬度を向上さ
せ、圧縮応力を残留させて耐磨耗性と耐疲労性を与える
ために高周波誘導硬化(high frequency
induction hardening)、浸炭
(carburizing)、窒化(nitridin
g)等のいろんな表面硬化技術が活用されている。
【0010】チル鋳鐡は鋳造の時に冷却速度を早くして
一次(primary)セメンタイト(Fe3C:ce
mentite)を析出させたもので、金属組織的には
Al変態(tranformation)によってオー
ステナイト(austenite)から変化したパーラ
イト(pearlite)基地(matrix)と針状
(needle type)セメンタイトから構成され
る。
【0011】そして、焼き入れチル鋳鐡はチル鋳鐡に対
して焼き入れ焼き戻し(quenching and
tempering)処理をしたもので、マルテンサイ
トあるいは焼戻しマルテンサイト(tempered
martensite)基地、セメント及びセメンタイ
トから分解された焼戻炭素(tempered car
bon)から構成される。
【0012】これらの材料をタペット材料としてたくさ
ん使用する理由は、セメンタイトの硬度が高く耐磨耗性
が優れていると共に基地組織が焼成流動を防止するので
耐スカッフィング効果あるいは耐ピッティング性(pi
tting resistance)が優秀であるから
である。
【0013】しかし、鋳物であるためいろんな問題点を
抱えている。
【0014】例えば、焼き入れチル鋳鐡材の場合は鎔
解、急冷、焼なまし(annealing)、焼き入
れ、焼き戻しのような複雑な工程を持つ材料である。そ
して、化学成分、冷却速度、熱処理条件等が不均一であ
るとセメンタイト量と焼戻炭素量あるいは基地の硬度が
摩擦熱と高い面圧によって変化しやすいので耐磨耗性と
耐スカッフィング性が低下するようになる。
【0015】その外に炭素鋼あるいは合金鋼を浸炭させ
て表面をマルテンサイト化することによって高硬度のタ
ペットを製造する方法がある。しかし、マルテンサイト
はセメンタイトよりも熱安定性あるいは硬度が低いので
むしろチル鋳鐡材よりも低い耐磨耗性を持つことが明ら
かになった。
【0016】又、カムとタペットの接触面圧の増加が続
く高効率のエンジンに鋳鐡材料を使用する場合、厳しい
生産管理、品質管理、工程管理が必要なだけでなく耐熱
性も充分でなければいけない。しかし、セメンタイトの
耐熱性では300馬力以上の高馬力エンジンで要求する
高面圧に耐えるのが難しい。
【0017】これを解決するための従来の方法としてタ
ペット5をカム6に少し傾けて接触するように装着して
カムウォーキングを解決する方法があった。しかし、こ
の方法はカム6とタペット5の間の接触面を減らす効果
を持たらすため、むしろ磨耗が激しくなった。これを解
決するためにタペットの表面に曲面のクラウニング(c
rowning)を与えるように加工してカムとの間で
先接触と点接触の中間形態がなるようにして極端的なエ
ッジ接触(edge contact)を避けるように
する方法が登場した。この方法もまた、半径が小さい場
合には、タペットの表面にコッキング荷重(cocki
ng load)が作用し、カムとタペットの間にジャ
ミング(jammimg)が発生して凹凸面あるいは逆
フランク(reverse flanks)を誘発す
る。
【0018】したがって、もっとも好ましい接触を成す
ためにはタペットの接動面が約1500mm以上の半径
を持つ曲面であるべきだとコネル(Calvin C.
Connel)はアメリカ特許第4,739,675号
で主張した。しかし、現実的にカムは理論的な緩曲線を
維持するのが難しく、少しの屈曲があるため曲面形状だ
けではタペットの耐久性向上を期待することは難しい。
そして、タペットのクラウニング半径が大きすぎると、
カムとの曲律差によって同心円のトラックを残してカム
が激しく磨耗される問題があって構造の変更による解決
方法には限界がある。
【0019】前記の問題点を解決するために日本特許公
開公報昭62−182407、日本特許公開公報昭62
−185806には炭化物、窒化物、硼化物を含む高融
点の超硬合金の粉末をニッケル粉末と共に焼結した層を
融着させたロッカアームとタペットを提示している。
【0020】しかし、これらの特許には単に焼結層を融
着させる概念だけが紹介されているだけで詳細な製造技
術あるいは具体的な方法が提示されていなかった。又、
材料費を含む製造原価が高くて経済的でない問題点があ
った。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は耐久性と耐磨耗性の優れたエンジン用タペット及
びその製造方法を提供することにある。
【0022】本発明の他の目的は耐ピッティング性と耐
スカッフィング性の優れたエンジン用タペット及びその
製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明はまず、50〜100wt%のニッケル粉
末、0〜45wt%のCr、0〜35wt%のMo、0
〜10wt%のAl、0〜25wt%のCo、0〜10
wt%のCu、及び仕方なく混合される不純物から構成
される結合材の材料と;炭化物、窒化物、及び硼化物か
ら構成されるグループの中から選ばれた一つ以上の化合
物から構成される硬質粒子からできている焼結体をタペ
ットの表面に形成することを特徴とする耐磨耗性の優れ
たタペットを提供する。
【0024】本発明はまた前記結合材の材料と硬質粒子
をプレス金型に成形する段階;前記成形材料を一次焼成
する段階;前記焼成された材料をタペットの上に置いて
2次焼結して前記タペットに焼結層を形成する段階;及
び前記タペットの焼結層を加圧しながら急速冷却して焼
結層の表面を高硬度化する段階から構成されることを特
徴とする耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方
法を提供する。
【0025】前記の目的を達成するために本発明はま
た、WC44〜88wt%、Co4〜10wt%、Ni
15〜50wt%、Cr5〜20wt%、B0.5〜4
wt%、Fe2〜4wt%、Si0.5〜4wt%、C
1.0wt%以下及び仕方なく含まれる不純物から構成
される合金粉末材料をタペットの表面にコーティングさ
せたことを特徴とする耐磨耗性の優れたエンジン用タペ
ットを提供する。
【0026】又、本発明は前記合金粉末材料をタペット
の表面に熱鎔射コーティングしてコーティング層を形成
した後、前記コーティング層に再熔融処理を行うことを
特徴とする耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造
方法を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】一般的にタペットの破損の中でスカッフィ
ングの原因はカムと接触する時に時折タペットが回転せ
ずに止まったまま滑り摩擦だけを主に起こすようにな
り、結局反復的な局部磨耗が発生するためである。これ
を避けるために転がり接触を誘導する。しかし、転がり
接触だとしても硬度がビッカース硬さ(HV)800以
下だと耐ピッティング性の面で効果がないのでそれ以上
の硬度を得ることが好ましい。
【0029】そして、過度な面圧と摩擦磨耗による局部
的なタペット表面の剥離は急速に横の方に亀裂を成長さ
せて引接した表面を落としていくので、これを抑制する
ためにも接触面を高硬度化することが必要である。
【0030】一方、カムとタペットはスライディング接
触をするので相対側の表面状態とその相対面に影響を及
ぼし、金属化学的に親和力があると相互表面の間に微細
凝着(cohesion)が発生する。この時、カムと
タペットの間の接動面凝着は再び摩擦系を増加させ、摩
擦系の増加は摩擦熱を増加させて結局的に耐スカッフィ
ング性が悪くなる。
【0031】又、相対面の硬度と表面粗度(rough
ness)等に差があると相対的にもろい方の面が破損
され、この時発生する磨耗粒子は加工硬化によってもと
より硬度が増加した状態になる。
【0032】したがって、カムとタペットの接触面の間
の磨耗を減らすための方法としては摩擦係数(coef
ficient of friction)を減少させ
て接触面で発生する摩擦熱を低下させ、高融点の材料
(高融点炭化物あるいは窒化物)を使用して耐スカッフ
ィング性を向上させる方法、カム材料と凝着性の低い材
料を選択してカム表面の損傷を防止する方法がある。
【0033】本発明は前記の二つの方法を各々使用して
耐磨耗性の優れたタペットを提供する。
【0034】まず、本発明者達は前者の方法として、5
0〜100wt%のニッケル粉末、0〜45wt%のC
r、0〜35wt%のMo、0〜10wt%のAl、0
〜25wt%のCo、0〜10wt%のCu、及び仕方
なく混合される不純物から構成される結合材の材料と;
炭化物、窒化物、及び硼化物から構成されるグループの
中から選ばれた一つ以上の化合物から構成される硬質粒
子からできている焼結体をタペットの表面に形成させる
方法を発見した。
【0035】結合材の材料としては優れた耐熱性と適用
性を持つCoが化学的、物理的性質がもっとも優秀だと
知られているためたくさん使われている。本発明では、
高価であるCoと同等な性能を持ちながら値段の低いN
iを基本材料として使用する。
【0036】Niはタペットの胴体材料である鋼との親
和性が大きく、硬度や弾性率も鋼と同等な水準であり、
耐熱、耐蝕性が高温の磨耗環境を持つタペットの表面材
料として適合である。
【0037】Crは45wt%以下、Moは35wt%
以下、Alは10.0wt%以下、Coは25wt%以
下、Cuは10.0wt%以下に単独あるいは複合的に
添加してNi基地層を強化させ熔融点(meltin
point)を低くする。これによって、焼結層の製造
が容易になり、耐面圧性(pressure resi
stance)と耐磨耗性が増加してピッティングとス
カッフィングに対する抵抗性が改善される。
【0038】結合材の材料の中でNiが50wt%未満
である場合には、靱性低下あるいはタペットの胴体材料
である鐡鋼と熱膨脹係数の大きな差によって接着強度が
低下する恐れがある。したがって、ニッケルの含量は5
0wt%以上にする。
【0039】添加元素であるCrは45%以上では焼結
の後、凝固中にNiと化合物を形成しながら耐熱性と耐
蝕性を悪くするδ相が表われる可能性があるので45w
t%以下に添加する。
【0040】Moは他の添加元素達と共にNiを強化さ
せて耐磨耗性を向上させる。しかし、値段が高値であり
35wt%以上ではそれ以上の増大効果が表われないの
で35wt%以下の量で使用する。
【0041】Alは10.0wt%以上では凝固中に弱
いβ相が表われる可能性があるので10.0wt%以下
に制限する。
【0042】CoはNiと全率固溶体(complet
e solid solution)を成し、合金の他
の添加元素達と共にNiを強化させて耐磨耗性を向上さ
せる。しかし、値段が高く、25wt%以上ではそれ以
上の増大効果が表われないので25wt%以下の量で使
用する。
【0043】Cuは耐蝕性(corrsion res
istance)と耐焼付性(resistance
to seizure)を改善するために添加する。し
かし、10.0wt%以上添加すると焼結体の強度を低
下させるので10.0wt%以下に制限する。
【0044】本発明の焼結体で、前記の結合材の材料の
分率は面積分率30〜60%である。結合材の分率が3
0%以下である場合にはタペットで要求する靱性(to
ughness)と亀裂抑制効果を表わすことができ
ず、60%以上では硬質粒子の不足で耐面圧性が低下す
るようになる。
【0045】硬質粒子としては窒化物、炭化物、硼化物
あるいはその混合物を利用するが、その中でWCはビッ
カース硬さ2400の高硬度と弾性率70×104 MP
aの高強度を表わす。
【0046】本発明者は実験を通してWCのような硬質
粒子が平均10μm以上の大きさでは相対のカムにスカ
ッフィング磨耗を起こし、タペットにはオロビス(or
obis)分類番号6−8番程のピッティング磨耗が起
きることを知るようになった。
【0047】実験の結果、平均5μm以下の粒径を持つ
粒子を使用する時にオロビス分類番号9番以上の満足的
な磨耗結果を得た。平均2μm以下に管理する場合には
スカッフィング等の損傷の兆候がまったく見えない10
番以上のより満足的な結果を得ることができた。
【0048】本発明ではまた、焼結体と胴体の接着性を
向上させるために別途のブレージング(brazin
g)材料を接着面に塗布することを含める。この時、ブ
レージング材料は例えばニッケルあるいはニッケル−ク
ロム合金等のニッケル合金を使用できる。
【0049】前記本発明の材料をタペット表面上に焼結
する方法に関して説明する。まず、前記結合材の材料と
硬質粒子を混合してサーメット(cermet)化され
た材料を成形して1次焼成した後、これをタペットの表
面に置いて再び高温で焼結する。
【0050】この時、焼結体と胴体との接着性を向上さ
せるためにブレージング材料でタペットの表面を塗布し
た後、前記成形体を置いて焼結させることも可能であ
る。
【0051】一般的に、サーメット焼結では液状焼結を
行うがこれは大体1200〜1550度の高温で1〜2
時間の間、加熱して行われる。このような方法は気孔率
を低くして密度を向上させるには効果的だが、高温で長
時間加熱するので硬質粒子が最初の球形から角形に変わ
る問題点がある。このような現象は球形粒子を維持する
に比べて靱性、耐磨耗性、耐疲労性で不利である。
【0052】又、低温加熱は硬質粒子の形状が角形に変
わるのを抑制できるが、微細気孔が除去されない欠点が
ある。
【0053】したがって、本発明では材料をプレス金型
に成形して450〜550度で1次焼成した後、これを
タペットの胴体上に置いて1200度以上の温度で焼結
加熱するが維持時間を2分以内に短縮することによって
焼結体内の硬質粒子が角形に変わることを抑制できた。
【0054】このような急速加熱の方法としては、例え
ば高周波誘導加熱(high frequency i
nduction heating)、火焔加熱(fl
ame heating)、プラズマ加熱(plasm
a heating)あるいはレーザー加熱(lase
r heating)等があり、その他の急速溶融のた
めの他の方法を使用することもできる。
【0055】本発明は他の特徴として、タペットの焼結
層を急速加熱した後、加圧しながら急速冷却する方法を
含む。このようにすると、表面に圧縮応力が残留して面
圧に対する抵抗性が向上する。
【0056】この方法の例としては、加熱の後の凝固過
程中に表面に平面の冷却板を接触させながら加圧する方
法がある。この時、冷却板は冷却水ラインを内蔵するか
熱伝導度の優れた材料を利用し、表面には黒鉛、窒化
物、酸化物、炭化物、硼化物等のセラミックあるいはサ
ーメット、Ni−P材料のように凝着性の低い材料を化
学的蒸着法(chemical vapor depo
sition)、物理的蒸着法(physical v
apor deposition)、無電解鍍金(no
n−electrolytic plating)、鎔
射(spraying)等を行って凝着を防止する。
【0057】ここで別途の冷却板を使用せずに加熱コル
イを冷却板として兼ねることも可能である。この時、コ
イル自体が高温に温度が上昇することを防止するために
内部に冷却水を循環させる。したがって、コイルを平ら
な状態に作ると加熱を終えながら電源を遮断して、それ
以上タペットを加熱しない状態から冷却されたコイルで
焼結層を加圧することによって急速冷却させることがで
きる。
【0058】又、本発明者達は二つ目の方法として、W
C44〜88wt%、Co4〜10wt%、Ni15〜
50wt%、Cr5〜20wt%、B0.5〜4wt
%、Fe2〜4wt%、Si0.5〜4wt%、C1.
0wt%以下及び仕方なく含まれる不純物から構成され
る合金粉末材料をタペットの表面にコーティングさせる
方法を発見した。
【0059】一般的に、耐磨耗性が要求される部材ある
いは部品は使用環境によって差はあるが、大きく見て二
つの特性、耐ピッティング性と耐スカッフィング性があ
ってこそ品質を満足させることができる。
【0060】したがって、本発明者達は耐スカッフィン
グ性を得るために凝着磨耗、つまり滑りに対する耐性を
補うビッカース硬度1300以上の硬質化合物であるタ
ングステンカーバイト(WC)を使用した。又、耐ピッ
ティング性を補うために高荷重の転がり摩擦状態で優れ
た靱性を与えるCo及びNi系合金の含量を調整した。
【0061】コーティング粉末は大きくタングステンカ
ーバイド強化相と基地合金に分かれる。
【0062】強化相であるタングステンカーバイドとC
oは通常88:12の重量比で製造される。タングステ
ンカーバイドはコーティング工程中の酸化雰囲気に容易
に露出され、飛行中酸化によって粒子が消失されるかあ
るいは安定相であるWC相に弱く、不安定なW29
η、ε等の準安定相に変化する。したがって、これを防
止するためにCoを混合した後に焼結等の工程によって
適切な大きさの塊の形態に作らなければならない。
【0063】このように製造された炭化物の塊の大きさ
は通常数μmから数百μmに及すが、塊の形態に作られ
る前の炭化物自体の粒度は最大5〜7μmを越えない微
粒子で、普通1〜5μm内の大きさで分布させなければ
ならない。炭化物単独の粒度が大きすぎる場合には、コ
ーティング表面が相対材料と摩擦磨耗の時に相対の接触
面に激しいスコーリング(scoring)等の磨耗を
発生させる場合があるからである。
【0064】全体のコーティング材料の中でタングステ
ンカーバイド単独の重量分率は44〜80wt%が好ま
しい。タングステンカーバイドが44wt%以下の時に
は高出力エンジン用タペットで要求する耐磨耗性の中で
スライディング抵抗性が落ち、硬度が低くなって耐ピッ
ティング性が落ちるようになる。又、80wt%以上で
は結合金属の役割をあまり期待できず、コーティング層
がとても低い密度と弱わを表わすため高面圧の使用環境
でぜい性破損が発生する。
【0065】この時、Coはタングステンカーバイドの
使用量によって4〜10wt%に使用する。CoはNi
と完全固溶体を成し、合金の他の添加元素達と共にNi
を強化させて耐磨耗性を向上させる。又、前記のように
WC相を保護する役割をする。
【0066】基地合金の組成はNi15〜50wt%、
Cr5〜20wt%、B0.5〜4wt%、Fe2〜4
wt%、Si0.5〜4wt%、C1.0wt%以下を
含有し、Cu或いはMoは、必要な場合1.0wt%以
下の量で含まれることができる。
【0067】Niはタペットの胴体材料である鋼との親
和性が大きく、硬度や弾性率も鋼と同等な水準である。
又、耐熱、耐蝕性が優れているため高温の磨耗環境を持
つタペットの表面材料として適合である。15wt%以
下では他の合金元素を固溶する母合金としての量が不足
である。又、50wt%以上では再熔融の後、凝固中の
弱い相ができる可能性がある。
【0068】CrはNiに固溶、合金化されて耐蝕、耐
熱性を表わし強度が優秀である。5wt%以下では効果
がなく、20wt%以上ではカーバイドが形成されて再
熔融処理の時に組織の不均一と酸化を招来する。
【0069】B、SiはNi、Crで共晶反応(eut
eutic reaction)をする。0.5wt%
以下ではその効果がほとんどなく、4wt%以上では粒
界に析出されて効果の増加がない。
【0070】Cは多元系合金組成で基地の固溶を強化
し、急冷の時に微細炭化物を分散させて基地の強度を上
昇させる。しかし、1wt%以上では弱い未固溶黒鉛等
で存在するので1wt%以下の量で使用する。
【0071】この合金は通常の同一領域の組成での合金
よりもずいぶん低い熔融点を持つが、これはB、Si等
がNi、Cr等と共晶(euteutic)組成を成す
領域を持つためである。
【0072】基地合金の組成の中で物理的性質の似てい
るNiとCoは役割が入れ変えることが可能で、Niの
変わりにCoを基地元素として使用できる。
【0073】又、Cuは基地の耐蝕性を改善するが、1
wt%以上では強度が低下させることができ、Moは基
地を強化する効果はあるが、1wt%以上では効果が飽
和され効果であるので制限する。コーティングは火焔鎔
射、プラズマ鎔射あるいは高速火焔鎔射等の熱鎔射コー
ティングに行われる。
【0074】コーティングされた皮膜の内部に存在する
鎔射欠陥は外部加熱源による再熔融によって容易に除去
できる。すなわち、強化相とコーティング母材面には損
傷あるいは溶融なしでコーティング皮膜だけが熔融点直
下までに加熱されるのでほとんど気孔がなく母材と皮膜
の間では金属結合を得ることになる。
【0075】しかし、耐ピッティング性と同時に耐スカ
ッフィング性等が特に優秀なコーティング層が要求され
る場合には望ましいことに高速火焔鎔射を適用すること
が、再熔融処理の後に優秀な品質を得ることができる。
【0076】すなわち、再熔融後の工程によって鎔射コ
ーティング層の欠陥をなくせるが、高速火焔鎔射の後に
再熔融処理する工程の組合によって最上の品質を得るこ
とができるのである。
【0077】通常の火焔鎔射の場合、粒子の飛行速度が
300m/secだが、高速火焔鎔射の場合は粒子の飛
行速度が1400〜2200m/secである。したが
って、高速火焔鎔射の場合にはすさまじい速度で表面に
衝突して熱エネルギーと運動エネルギーを発散するので
内部欠陥が最初からとても少なくなる。
【0078】製品の表面が図形でコーティングの時に回
転が必要な場合には中心部とはしの付着速度が異なるよ
うになる。したがって、これを防止できるように制御装
置を考慮しなければならない。
【0079】タングステンカーバイトが分散されたコー
ティングに再熔融処理するためには酸素−アセチレンあ
るいは酸素−プロパン等の熱源を利用する。炎の吐出穴
の間隔の長さが10〜25mmの特殊トーチが必要であ
り、この時の炎の強さも一般のトーチより多少弱くしな
ければならない。
【0080】又、再熔融処理の時に局部領域を高温に加
熱するとコーティング層が急激に熱膨脹して剥離が発生
するので避けなければならない。すなわち、製品を10
0〜130mmの距離で300〜550度までにまず予
熱する。トーチノズルを30〜40mmの距離に移動し
て表面が積熱状態になって流動性が大きく変化し、液体
になろうとする瞬間に加熱を中断する。そして、製品を
適当な媒体を使用して徐冷させる。
【0081】この時、加熱されるが時間が遅れると熔融
されて流れ落ちるかあるいは表面に酸化物質が発生す
る。最適の再熔融温度及び時間は1050〜1100度
の温度で数秒〜1分間であった。
【0082】タペットの冷間鍛造品の形状は加熱熱源か
ら入熱される熱量の吸収経路が非対称あるいは不均一で
あるため健全な品質を得ることができない。
【0083】したがって、本発明者はタペットを旋盤あ
るいは回転するターンテーブルに固定して再熔融処理を
するが、予熱過程で前面部はもちろん加熱と冷却速度の
遅い中央部を回転軸と垂直な面で加熱した。したがっ
て、タペットのはしと中央部の厚さの差にもかかわらず
均一な温度で再溶融することができた。
【0084】再熔融はトーチはもちろん、熱処理と高周
波加熱による加熱方式によっても可能である。温度と入
熱量だけ適切に制御されると良好な品質の獲得が可能で
あった。
【0085】以下、実施例による本発明をより詳細に説
明する。
【0086】(実施例1〜4)下記表1に記載された組
成を持つ結合材の材料を使用するがNi粉末の平均粒度
は4μm、他の添加合金の粒度は平均4〜10μmのも
のを使用した。下記表1に記載された粒度を持つWCと
前記結合材の材料を各々表1に掲載された面積分率であ
る35〜55%に混合してプレス金型に成形した。成形
された材料を500度で1次焼成した。Cr7.0wt
%、Fe3.0wt%、Cu3.2wt%、Si4.5
wt%と残りはNiから構成されたペースト(Past
e)型ブレージングニッケル合金を利用して焼成品をタ
ペットに付着させた。200kHz、150kW容量の
高周波加熱装置を利用してタペットを回転させながら各
々下記の表1に掲載された焼結温度である1200〜1
350度で2分間急速加熱した。冷却水ラインを内蔵し
た銅板に無電解ニッケル鍍金をした冷却板を使用して冷
却を実施した。この時、冷却板は中央に油圧シリンダー
を内蔵しているため加熱が終わると焼結体を加圧しなが
ら急速冷却させる。
【0087】焼結層の厚さは最終の錬磨状態で0.7m
mであった。
【0088】耐ピッティング性を通しての磨耗テストは
単動タペット−カムテスト装置で1000rpm、スプ
リング定荷重174.5kg、テスト回数107 サイク
ル、潤滑油温度75〜85度の条件で実施し、結果は下
記の表1に掲載した。
【0089】(比較例1〜4)下記表1に記載された組
成を持つ結合材の材料を使用するがNi粉末の平均粒度
は4μm、他の添加合金の粒度は平均4〜10μmのも
のを使用した。平均粒度が7.5μmであるWCと前記
結合材の材料を各々表1に掲載された面積分率35〜6
0%で混合してプレス金型に成形した。残りは実施例1
−4と同一な条件で実施し、焼結温度は各々1200〜
1400度であった。結果は表1に掲載した。
【0090】(比較例5)下記表1に記載された組成を
持つ結合材の材料を使用するNi粉末の平均粒度は4μ
m、他の添加合金の粒度は平均4〜10μmのものを使
用した。平均粒度が3.0μmであるWCと前記結合材
の材料を各々表1に掲載された面積分率45%で混合し
てプレス金型に成形した。焼結温度は1200度にし、
冷却板を使用していないことを除くと実施例1−4と同
一な方法で実施した。結果は表1に掲載した。
【0091】
【表1】 (実施例5)WC−Co合金を強化相にしてNi系自溶
合金を基地合金とするWC61.6wt%、Co8.4
wt%、Ni19.8wt%、Cr5.4wt%、B
2.6wt%、Fe2.1wt%、Si1.2wt%、
C0.3wt%以下及び仕方なく含まれる不純物から構
成される粉末材料を準備した。タングステンカーバイド
自体の粉末粒度は平均3〜4μmで、鎔射用粉末状でW
C−Co粒子の平均粒度は15〜45μmであった。
【0092】タペットの表面にHVOF(高速火焔鎔
射)で粉末材料を鎔射コーティングした。タペットを回
転させるターンテーブルに固定して酸素;アセチレンの
比が3:4である酸素−アセチレン熱源を利用して10
0mmの距離で450度までに予熱した。そして、トー
チノズルを30mmの距離まで移動して1050度で1
分間再熔融させた。
【0093】冷却された最終製品のコーティングの厚さ
は6μm、硬度はHRA85で、光学顕微鏡による微細
組織の観察結果、気孔を発見できず、WC粒子がコーテ
ィング全体に均一に分布していることを確認した。耐ピ
ッティングテストを通しての磨耗テストは単動タペット
−カムテスト装置で1000rpm、スプリング定荷重
174.5kg、テスト回数107 サイクル、潤滑油温
度75〜85度の条件で実施し、オロビス指数9、カム
適応性は良好でピッティングあるいはスカッフィングの
ない正常接触であることを確認した。
【0094】
【発明の効果】本発明のエンジン用タペットは耐ピッテ
ィング性と耐スカッフィング性共に優れている。したが
って、寿命が長く、磨耗によるエンジンの騒音及び不完
全燃焼を防止できる。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】OHCタイプの大型ディーゼルエンジンの中で
バルブドレーンを示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 バルブ 2 バルブスプリング 3 ロッカアーム 4 プッシュロッド 5 タペット 6 カム 7 カムシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 29/14 C22C 29/14 Z (72)発明者 サエ イル オウ 大韓民国 キュングサングナム−ド チャ ングウォン−シティー ジュンガン−ドン 54−11 (72)発明者 ミーング ノ パーク 大韓民国 キュングサングナム−ド チャ ングウォン−シティー ミュングセオ−ド ン 142−8

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜100wt%のニッケル粉末、0
    〜45wt%のCr、0〜35wt%のMo、0〜10
    wt%のAl、0〜25wt%のCo、0〜10wt%
    のCu、及び仕方なく混合される不純物から構成される
    結合材の材料と;炭化物、窒化物、及び硼化物から構成
    されるグループの中から選ばれた一つ以上の化合物から
    構成される硬質粒子からできている焼結体をタペットの
    表面に形成させることを特徴とする耐磨耗性の優れたエ
    ンジン用タペット。
  2. 【請求項2】 前記結合材の材料は面積分率が30〜6
    0%であることを特徴とする請求項1に記載の耐磨耗性
    の優れたエンジン用タペット。
  3. 【請求項3】 前記硬質粒子がタングステンカーバイド
    から構成されることを特徴とする請求項1に記載の耐磨
    耗性の優れたエンジン用タペット。
  4. 【請求項4】 前記硬質粒子の平均粒径は5μm以下で
    あることを特徴とする請求項1あるいは請求項3に記載
    の耐磨耗性の優れたエンジン用タペット。
  5. 【請求項5】 前記焼結体の硬度はビッカース硬さ80
    0以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐磨耗
    性の優れたエンジン用タペット。
  6. 【請求項6】 前記焼結体とタペットの表面の間にはブ
    レージング材料がもっと含まれていることを特徴とする
    請求項1に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペッ
    ト。
  7. 【請求項7】 前記ブレージング材料はニッケルあるい
    はニッケル系合金であることを特徴とする請求項6に記
    載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペット。
  8. 【請求項8】 結合材の材料と硬質粒子をプレス金型に
    成形する段階;前記成形材料を1次焼成する段階;前記
    焼成された材料をタペットの上に置いて2次焼結して前
    記タペットに焼結層を形成する段階;及び前記タペット
    の焼結層を加圧しながら急速冷却して焼結層の表面を高
    硬度化する段階から構成されることを特徴とする耐磨耗
    性の優れたエンジン用タペットの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記結合材の材料は50〜100wt%
    のニッケル粉末、0〜45wt%のCr、0〜35wt
    %のMo、0〜10wt%のAl、0〜25wt%のC
    o、0〜10wt%のCu及び仕方なく混合される不純
    物から構成されることを特徴とする請求項8に記載の耐
    磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記結合材の材料は面積分率が30〜
    60%であることを特徴とする請求項8あるいは請求項
    9に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記硬質粒子はタングステンカーバイ
    ドであることを特徴とする請求項8に記載の耐磨耗性の
    優れたエンジン用タペット。
  12. 【請求項12】 前記硬質粒子の平均粒径は5μm以下
    であることを特徴とする請求項8あるいは請求項11に
    記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペット。
  13. 【請求項13】 前記焼結層の硬度はビッカース硬さ8
    00以上であることを特徴とする請求項8に記載の耐磨
    耗性の優れたエンジン用タペット。
  14. 【請求項14】 前記1次焼成は400〜550度で行
    われることを特徴とする請求項8に記載の耐磨耗性の優
    れたエンジン用タペットの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記2次焼結は1200度以上の温度
    で2分以内に行われることを特徴とする請求項8に記載
    の耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記1次焼成段階の後、タペットの表
    面にブレージング材料を塗布する段階をも含むことを特
    徴とする請求項8に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用
    タペットの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記ブレージング材料はニッケルある
    いはニッケル系合金であることを特徴とする請求項16
    に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記焼結層を加圧しながら急速冷却す
    る段階は冷却板によって行われることを特徴とする請求
    項8に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製
    造方法。
  19. 【請求項19】 WC44〜88wt%、Co4〜10
    wt%、Ni15〜50wt%、Cr5〜20wt%、
    B0.5〜4wt%、Fe2〜4wt%、Si0.5〜
    4wt%、C1.0wt%以下及び仕方なく含まれる不
    純物から構成される合金粉末材料をタペットの表面にコ
    ーティングさせたことを特徴とする耐磨耗性の優れたエ
    ンジン用タペット。
  20. 【請求項20】 前記WCの平均粒径は5μm以下であ
    ることを特徴とする請求項19に記載の耐磨耗性の優れ
    たエンジン用タペット。
  21. 【請求項21】 WC44〜88wt%、Co4〜10
    wt%、Ni15〜50wt%、Cr5〜20wt%、
    B0.5〜4wt%、Fe2〜4wt%、Si0.5〜
    4wt%、C1.0wt%以下及び仕方なく含まれる不
    純物から構成される合金粉末材料をタペットの表面に熱
    鎔射コーティングをしてコーティング層を形成した後、
    前記コーティング層に再熔融処理を行うことを特徴とす
    る耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記WCの平均粒径は5μm以下であ
    ることを特徴とする請求項21に記載の耐磨耗性の優れ
    たエンジン用タペットの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記熱鎔射コーティングは火焔鎔射、
    プラズマ鎔射あるいは高速火焔鎔射コーティングである
    ことを特徴とする請求項21に記載の耐磨耗性の優れた
    エンジン用タペットの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記再熔融は300〜550度で1次
    予熱の後、1050〜1100度で1分以内に再加熱す
    ることによって行われることを特徴とする請求項21に
    記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペットの製造方
    法。
  25. 【請求項25】 前記再熔融は酸素−アセチレンあるい
    は酸素−プロパン熱源によって行われることを特徴とす
    る請求項21に記載の耐磨耗性の優れたエンジン用タペ
    ットの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記再熔融はトーチ加熱、熱処理ある
    いは高周波加熱による加熱方式によって行われることを
    特徴とする請求項21あるいは請求項25に記載の耐磨
    耗性の優れたエンジン用タペットの製造方法。
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