JPS60152665A - カム駒及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）発明の技術分野 本発明は、中空状のシャフトに結合されるカム駒の改良
及びその製造方法に関する。

（ロ）従来技術と問題点 −ｍに内燃機関のカムシャフトは、カム部がロッカーア
ームやタペットと衝撃的に接して摺動するので、摩耗が
多く、そのため従来は摺動面のみをチル化させた鋳鉄製
のカムシャフトが多く使用されている。

しかし乍ら、鋳鉄のヤング率は１００００〜１２０００
ｋｇ／Ｉｌｌ＋１２と低いため、鋳鉄製のカムシャフト
は軸部の肉厚を厚くして剛性を高めたものとならざるを
得す、重量が大きいという欠点がある。また、前記鋳鉄
製のカムシャフトは、カム摺動面にチラーく冷し金）を
当ててチル化させたものであるが、品質のバラツキがあ
る他に過酷な使用条件下、例えばカーボン粒子で油が汚
染されるディーゼルエンジンや鉛化合物で油が汚染され
る有鉛ガソリン使用のエンジンでは摩耗が多いという不
具合がある。

従来、上述した軽量化とカム部の耐摩耗性を向上させる
方法として、鋼製パイプに他部品をろう付は又は拡散接
合する方法があるが、この方法ではカムシャフトを構成
する部材及びそれを支持するための耐火物で作った支持
治具を高温の雰囲気炉内に入れてろう付は又は拡散接合
するため、設備が大きくなり、作業性並びに経済性に難
があった。

また、特公昭４６−２１２９９号、特公昭５６−５０６
号等にもカム駒、ジャーナルを中空状のカムシャフトに
拡管により結合することの開示はあるが、実用に供し難
く、現実には使用されていない。

（ハ）発明の目的 そこで本発明は、耐摩耗性に優れるとともに軽量化を可
能としたカム駒を提供することを目的とする。

（ニ）発明の構成 本発明はかかる目的を達成するために、第一の発明は、
中空状のシャフトに結合されるカム駒に於て、少なくと
もカムノーズの摺動部分に耐摩耗性に優れた溶射層を設
けるとともに該溶射層とカム駒母材との間に拡散接合層
を設けた構成とし、第二の発明は、中空状のシャフトに
結合されるカム駒の製造方法に於て、少なくともカムノ
ーズの摺動部分に耐摩耗性に優れた金属粉を溶射した後
、焼成して当該溶射層とカム駒母材との間に拡散接合層
を形成する構成とした。

け）発明の実施例 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。

第１図は本発明に係るカム駒２を用いたカムシャフト１
の側面図で、中空状のシャフト４に所定数のカム駒２及
びジャーナル３を所定位置に配した後、例えばシャフト
４に拡管棒を圧入して該シャフト４を拡管し、カム駒２
とジャーナル３の内周面に設けた噛合部（例えばセレー
ション、ローレットはぼ鋸歯状の凹凸等）７の凹部に該
シャフト４を食い込ませ、カムシャフト１の回転力を伝
達するに充分な結合力を以てカム駒２とジャーナル３を
嵌着する。

本発明に係るカム駒２は、例えば第２図（ａ）及び山）
に示すように、例えば冷間又は温間鍛造、厚板打抜き若
しくは引抜き加工等の任意の手段により形成された素体
を冷間鍛造にて成形し、シャフト４用の貫通孔２ａを設
けかつこの貫通孔２ａの内周面にはシャフト４と結合す
るための噛合部７（本実施例では山角９０°、高さ０．
５ｎ＋ｍのセレーション）が設けである。この噛合部７
は、シャフト４の拡管時に於けるシャフト４を構成する
材料の塑性変形を考慮してその形状を決定する必要があ
る。

また、カム駒２は、カムノーズ２ｂの外周面（少なくと
もタペットとの摺動面となる部分）には例えば高クロム
（５〜３０％）、高炭素（１，５〜３．５％）の粉末を
プラズマ溶射して耐摩耗性に優れた溶射層５を設けた後
、焼成してカム駒母材との間に拡散接合層６を形成する
。その後、カム駒２を焼入れ、焼戻しを行ない、拡散接
合時に負荷される周方向の引張強度以上の強度をカム駒
に与え、また貫通孔２ａの内周面に形成されている噛合
部の強度を高め、拡管接合時の噛合を容易にする。

また、溶射層５をプラズマ溶射により形成するに当たり
、１５〜２５％Ｃｒ、２〜３％Ｃを含み、真密度比９５
％以上が望ましい。このような溶射層を得るためには、
減圧溶射を行なうことが望ましい。溶射したままでは密
着性が低く、使用時に剥離を起こしたり、或いは溶射層
５の強度が低く、ピッチング摩耗を起こすために溶射後
に雰囲気中で高温保持して溶射Ｎ５の拡散による強化と
下地金属（カム駒母材）との間でも拡散接合を起こさせ
て密着を完全なものにすることが必要である。尚、溶射
粉末の中に液相を発生させるＰ、　Ｂを含有させておく
か、或いはＦｅ−Ｐ、Ｎ１−Ｐ、Ｆｅ−Ｂ。

Ｎｉ　−Ｐ等の微粉末と混合した粉末を用いることによ
り、溶射層の高温保持中に液相を発生させて溶射層の緻
密化と下地との拡散接合を容易にすることが望ましい。

斯くして、カム駒２の摺動部分（少なくともカムノーズ
２ｂを含む。）に耐摩耗性に優れた溶射Ｎ５を形成した
ので、カム駒の材料としてはセレーション等の噛合部７
を塑性加工により容易に形成できる低炭素の鋼材（例え
ば５４５Ｃ，ＳＣＭ４４０　）が使用できる。また、溶
射層形成手段以外は殆どの作業が冷間塑性加工により行
えるので、連続的に大量に生産することが可能である。

本発明は上記実施例に係る形状に限定するものではなく
、例えば第３図のように噛合部７を二つ又は第４図のよ
うに噛合部７を三つにしたり、或いは例えば第５図ｆａ
ｔ又は山）のようにカムノーズ２ｂに凹部２ｂ”を設け
る等の如き変更も可能である。

なお、本発明に係るカム駒は、上記実施例の如き冷間塑
性加工法に限らず、例えば焼結、切削加工、鋳造等の手
段によって製造することも可能である。

また、前記実施例では、中空状のシャフトを拡管するこ
とにより該シャフトにカム駒を結合するに用いられるカ
ム駒の例を示したが、ロウ付は等の手段によりカム駒を
シャフトに結合するに用いられるカム駒の場合には、貫
通孔に噛合部を形成することも必ずしも必要ではない。

（へ）発明の効果 上述した如く本発明に係るカム駒は、その摺動面を溶射
層により耐摩耗性が良好にしであるために、カム駒の材
料としては塑性加工の容易な低炭素鋼が使用できる他、
強制潤滑のための油孔をカム駒母体部に穴あけ加工する
ことが容易となり、また溶射層に耐摩耗性に優れた任意
の組成３組織とすることができるために、摺動相手の材
質との相性の良い材質を選定できる。このため従来の拡
管接合用カム駒に比べて拡管接合時に必要な機械的性質
と、耐摩耗の二律背反的な特性の具備が容易である。ま
た、カム駒に強度の高い材質を使用できるため、カム駒
ベースの肉厚を薄くできることから、パイプ材を素体と
して塑性加工によって結合するシャフト用パイプも外径
を大きくすることができ、肉厚を薄くできることから、
軽量化を更に図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るカム駒を用いたカムシャフトの側
面図、第２図ｆａｌは本発明の実施例に係るカム駒の横
断面図、第２図（ｂｌはその縦断面図、第３図及び第４
図は本発明の別の実施例を示す縦断面図、第５図（ａｌ
は本発明の他の実施例を示す横断面図、第５図ｆｂ）は
その縦断面図である。 １・・・カムシャフト、２・・・カム駒、３・・・ジャ
ーナル、４・・・シャフト、５・・・溶射層、６・・・
拡散接合層、７・・・噛合部。 第２図 第１図　（ＣＩ） １１１ １ｉｊ３　５ １１２ １［４７ ：１２ ・１（ｂ） ｉｊｉ！　５２ｂ　７ ・“・・　右１１゜ １、−１ １−５ ■ １：２ １ ：１ １ １１２　第３図 １　１ 亡ゴ １ １１２ ２ １１５ １１１ １　１１ 特開昭ＧＯ−１５２（ｌｉＧ５（４） 第５図 口ｉ２　、−、　。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）　中空状のシャフトに結合されるカム駒に於て、
   少なくともカムノーズの摺動部分に耐摩耗性に優れた溶
   剤層を設けるとともに該溶射層とカム駒母材との間に拡
   散接合層を設けたことを特徴とするカム駒。 （２１シャフト用の貫通孔の側壁には噛合部が形成され
   ている特許請求の範囲第１項記載のカム駒。 （３）噛合部は、はぼ鋸歯状の凹凸、ローレット。 セレーション等である特許請求の範囲第２項記載のカム
   駒。 （４）　中空状のシャフトに結合されるカム駒の製造方
   法に於て、少なくともカムノーズの摺動部分に耐摩耗性
   に優れた金属粉を溶射した後、焼成して当該溶射層とカ
   ム駒母材との間に拡散接合層を形成することを特徴とす
   るカム駒の製造方法。