JPH07317804A - シンクロナイザーリング - Google Patents

シンクロナイザーリング

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JPH07317804A
JPH07317804A JP13650894A JP13650894A JPH07317804A JP H07317804 A JPH07317804 A JP H07317804A JP 13650894 A JP13650894 A JP 13650894A JP 13650894 A JP13650894 A JP 13650894A JP H07317804 A JPH07317804 A JP H07317804A
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Kunio Nakajima
邦夫 中島
Masao Hosoda
征男 細田
Kunihiro Urashiro
邦博 浦城
Wataru Yago
亘 矢後
Atsushi Yasukawa
淳 安川
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Chuetsu Metal Works Co Ltd
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Chuetsu Gokin Chuko Kk
Chuetsu Metal Works Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に選定した耐摩耗性銅合金材料を、シンク
ロナイザーリング摺動部に熱間塑性加工して接合させ、
以て、高負荷高性能のシンクロナイザーリングを提供す
る。 【構成】 自動車用トランスミッション部品であるシン
クロナイザーリングの本体側を鉄系材料で構成し、この
シンクロナイザーリングの摺動面側を特に選定した化学
成分及びマトリックス並びに硬度からなる耐摩耗性銅合
金で構成し、上記シンクロナイザーリング本体側と上記
摺動面側とを熱間塑性加工によって接合させたことを特
徴とする。 【効果】 剛性の高い、高強度鉄系材料でシンクロナイ
ザーリング本体を構成し、これに摺動特性の優れた耐摩
耗性銅合金材料を熱間鍛造等の熱間塑性加工にて摺動面
側に接合したので、高負荷に充分耐えることができる。
また、熱間塑性加工を用いているので、接合工程及び成
形工程が一工程で済む。このため、コスト的に非常に有
利である。また、シンクロナイザーリングの大小にかか
わらず製造可能である点でも有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両等のトランスミ
ッションに用いられるシンクロナイザーリング(略して
単に「シンクロ」とするときがある)関する。
【0002】
【従来の技術】現在、材料としては、銅合金単体のシン
クロナイザーリングが一般に用いられている。しかし、
近年、乗用車の高出力、高トルク化が進み、又、トラッ
クやバス等の大型車両のパワーシフト化で、シンクロナ
イザーリングに大きな負荷が加わるようになり、銅合金
単体シンクロナイザーリングでは、摺動面の耐摩耗性は
十分であるが、シフト時に高荷重が加わるため、チャン
ファー部の耐摩耗性や、全体の剛性及び強度という面で
は、不十分になってきた。
【0003】このため、従来、高負荷用シンクロナイザ
ーリングとして、摺動部に耐摩耗性材料を接合した下記
に示す3つのタイプがあった。 (1)鉄系材料にMoを溶射したシンクロナイザーリン
グ。 (2)鉄系材料に樹脂(例えばフェノール樹脂材料)を
張付けたシンクロナイザーリング。 (3)鉄系材料に耐摩耗性材料を機械的に接合させたシ
ンクロナイザーリング。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、現
在、大型車両等で広く実施されている方法であるが、摺
動材となるMoの材料価格が非常に高価であるため、コ
ストが高くなる。
【0005】(2)の方法は、使用温度によって、シン
クロナイザーリングとして最も重要な同期性能に変化が
生じる。シンクロナイザーリングの摺動面は、使用条件
によっては、瞬間的に300℃を超えることもあるが、
このような高温領域では、樹脂が溶融を起こし、シンク
ロナイザーリングとしての機能を損なう恐れがある。ま
た、低温領域において同期させた場合、高粘度となった
潤滑油が摺動部から排除し切れず、同期時間が長くな
り、ギヤ鳴りを発生させる。従って、使用できる温度範
囲が限定される。
【0006】(3)の方法としては、摺動材をビス止め
する方法とカシメにて接合する方法とが知られている。
【0007】図7は、ボルグワーナータイプのシンクロ
ナイザーリング本体21と摺動材22とをビス止め23
にて接合する方法であるが、機械的接合のため取付強度
に問題があり、部品数が増え、また、各部品の品質管理
や寸法精度を厳しくしなければならず、組立工数も必要
となるので、コスト的に不利となるのは明白である。ま
た、ビス取付部には、摺動材が無いため、当たり面積の
確保が難しく、性能的に不利である。さらに、径の小さ
いシンクロナイザーリングに取付けるのは、非常に困難
である。なお、図7において、24はハブスリーブ、2
5はギヤコーンを示す。
【0008】図8は、ピンタイプのシンクロナイザーリ
ング本体26と摺動材27をカシメ加工28で接合させ
る方法であるが、カシメ加工が可能な銅合金材料は、延
性を確保するため、一般的に硬度を低くしてあるので、
耐摩耗性に問題がある場合が多く、十分な同期性能を発
揮しないものと考える。
【0009】さらに、カシメ加工には、圧入、焼ばめ、
冷しばめがあるが、圧入は嵌入時に焼付やカジリ疵が発
生する。焼きばめや冷しばめは、熱膨張や熱収縮を伴な
った弾性変形を利用した締結であるため、使用温度が高
温あるいは低温になると、シンクロナイザーリング本体
から脱落する可能性がある。また、上記3種類共、はめ
合いでの締結であるため、締め代が大きい場合でも、径
に対して3/1000であり、寸法精度を確保するには、精
密機械加工が必要であり、コストが高くなる。また、抜
力が小さいので、大トルクを発生する車両には不向きで
ある。
【0010】他に、ろう付けによって耐摩耗性材料を接
着する方法がある。ろう付けは、接着部が600℃以上
と高温になる場合が多いため、母体に歪みを生じやす
く、精度に問題がある。また、シンクロナイザーリング
という限られたスペースの中では、製作は非常に困難で
ある。
【0011】本発明は、上記の点に鑑み提案されもの
で、特に選定した耐摩耗性銅合金材料を、シンクロナイ
ザーリング摺動部に熱間塑性加工して接合させ、以て、
高負荷高性能のシンクロナイザーリングを提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、自動車用トランスミッション部品で
あるシンクロナイザーリングの本体側を鉄系材料で構成
し、このシンクロナイザーリングの摺動面側を下記の化
学成分及びマトリックス並びに硬度からなる耐摩耗性銅
合金で構成し、上記シンクロナイザーリング本体側と上
記摺動面側とを熱間塑性加工によって接合させたことを
特徴とする。 重量%で、Zn:22〜45%を含有し、更に、A
l,Mn,Fe,Pb,Ni,Be,Si,Co,C
r,Ti,Nb,V,Zr,Mo,Sn,Bi,B等の
金属元素群から選ばれた少なくとも1種以上の金属元
素:0.1〜15%を含有し、残部がCu及び不純物よ
りなる耐摩耗性銅合金。 上記耐摩耗性銅合金が、α相+β相又はβ単相若くは
β相+γ相からなるマトリックスを有すること。 HRB(ロックウェル硬さ試験 B硬さ)が80以上
であること。
【0013】また、耐摩耗性銅合金の化学成分として
は、重量%で、Al:3〜15%を含有し、更に、Z
n,Mn,Fe,Pb,Ni,Be,Si,Co,C
r,Ti,Nb,V,Zr,Mo,Sn,Bi,B等の
金属元素群から選ばれた少なくとも1種以上の金属元
素:0.1〜15%を含有し、残部がCu及び不純物よ
りなる耐摩耗性銅合金であってもよい。
【0014】また、本体側と摺動面側との接合部におい
て、本体側に凹凸加工、例えば波目加工を施せば、本体
側と摺動面側との接合強度を向上させることができる。
また、本体側に回り止め用の切欠部を設けた場合も、同
様に、或いはそれ以上に両者の接合強度を向上させるこ
とができる。
【0015】シンクロナイザーリングが内径側に摺動部
を有するボルグワーナータイプまたはキーレスタイプで
ある場合に、N2またはAr等の非酸化性雰囲気中にお
いて、本体側の鉄系材料と摺動部側の耐摩耗性銅合金材
料の伸縮量が略同一となるように、それぞれの最適加熱
加工温度を設定し、シンクロナイザーリング本体側と摺
動面側とを熱間塑性加工により接合させれば、冷却時の
脱落を完全に防止できるばかりか、両者の接合強度をい
っそう強固なものにすることができる。なお、耐摩耗性
銅合金材料の加熱温度は、概ね600〜900℃の範囲
内で、その材料の最適加熱温度が設定される。
【0016】また、熱間塑性加工としては、上記熱間鍛
造加工のほか、押出,引抜,せん断,曲げ等の各熱間塑
性加工を挙げることができ、いずれの加工法にあって
も、本発明を実施することができる。
【0017】次に、耐摩耗性銅合金として、上記のよう
に化学成分及びその添加量を特定した理由を説明する。
黄銅系材料は、Cu−Znが主成分となる銅合金で、展
延性がよく、高強度である。アルミニウム青銅系材料
は、Cu−Alが主成分となる銅合金で、高強度、耐食
性、耐摩耗性がよい。銅合金の耐摩耗性を上げるために
は、種々の元素を添加して、金属間化合物を析出させる
必要がある。しかし、添加量が適正でないと、耐摩耗性
に効果が無かったり(添加量が少ない場合)、逆に金属
間化合物が飽和状態になると、それ以上の耐摩耗性の向
上が認められず、ハードスポットの生成等で加工性に害
をおよぼす(添加量が多い場合)。よって、上記した金
属元素の含有量は、最適な耐摩耗性を確保するためのも
のである。
【0018】また、マトリツクスを特定した理由は次の
通りである。銅合金の耐摩耗性を上げるには、化学成分
の特定の他に、銅合金そのものの硬度を上げる方法があ
る。本発明では、低硬度のα相単相の銅合金ではなく、
高硬度のβ相を作り出せる化学成分とし、且つ、α相+
β相、β相単相、より高硬度のγ相を析出させたβ相+
γ相のマトリックスにより、硬度を確保し、耐摩耗性を
上げたものである。
【0019】さらに、HRB(ロックウェル硬さ試験
B硬さ)が80より低い値では耐摩耗性が不十分であ
り、本発明の目的達成のためには80以上を確保する必
要がある。
【0020】
【作 用】本発明は、剛性の高い、高強度鉄系材料でシ
ンクロナイザーリング本体を構成し、これに摺動特性の
優れた耐摩耗性銅合金材料を熱間鍛造等の熱間塑性加工
にて摺動面側に接合したので、高負荷に充分耐えること
ができる高性能の異種複合シンクロナイザーリングを提
供できる。
【0021】熱間塑性加工を用いているので、接合工程
及び成形工程が一工程で済む。また、シンクロナイザー
リングの大小にかかわらず製造可能である。鉄系材料と
銅合金材料を常温で鍛造し接合させようとすると、銅合
金材料の延性が足りないため、銅合金材料が割れる。従
って、冷間加工は不可能である。また、たとえ、銅合金
材料の延性を確保するため、α単相の材料を使用して
も、その材料は硬度が低く、耐摩耗性に問題がある。
【0022】銅の方が鉄より熱膨張率が大きいため、常
温になった場合の両者の収縮量が大旨同一となるよう
に、鉄の方を銅より高い最適温度で加熱し、接合させ
る。これは、特に、内径部に摺動部があるボルグワーナ
ータイプまたはキーレスタイプのシンクロにおいて、そ
の摺動材の脱落防止と強固な接合強度に有効である。
【0023】さらに、本体側と摺動面側との接合部にお
いて、本体側に凹凸加工を施したり、切欠部を設けるこ
とにより、接合強度をいっそう高めたシンクロナイザー
リングを提供できる。
【0024】
【実施例】本発明実施例供試材と比較例供試材(従来例
も含む)を表1に示す。また、本発明実施例シンクロナ
イザーリングを図1,図2,図3に示し、各々以下の方
法により成形し、比較例シンクロナイザーリングと共に
各種試験を行なった。
【表1】
【0025】図1は、ピンタイプのシンクロナイザーリ
ングについて本発明を実施した例を示す。ピンタイプシ
ンクロは、外径側に摺動面を有するシンクロで、内径部
にスプリングを差し込んで固定される。図1(a)は本
発明実施例シンクロの要部断面図で、図1(b)はその
平面図である。図において、1はシンクロ本体、2は摺
動部、3は切欠部、4はピンタイプのスプリングを示
す。シンクロ本体1は、鉄系材料例えばJIS G 41
04 SCr−415材で構成され、摺動部2は、耐摩
耗性銅合金材料、例えば表1に示す供試材Bで構成され
ている。7は摺動部表面に形成したネジランド部であ
る。そして、本体側と摺動面側との接合部5において、
本体側に波目状の凹凸加工6が施され、さらに平面図
(図1(b))に示すように、本体側に回り止め用の切
欠部3を設け、本体側と摺動面側との接合強度を向上さ
せてある。
【0026】図2は、複数のシンクロを用いシンクロ1
個にかかる負担を軽減すると同時に高トルクを発生させ
るマルチコーンタイプのシンクロについて、本発明を実
施した例を示す要部断面図である。こゝでは、1個のコ
ーン(中間リング)8に対し、2個のシンクロ(インナ
ーリング9,アウターリング10)を使用した実施例
で、中間リング8の本体11に、鉄系材料JIS G 4
805 SUJ2材を使用し、その摺動部12には耐摩
耗性銅合金材料として、表1に示す供試材Cを使用し
た。上記実施例同様に、本体側に波目状の凹凸加工13
が施され、本体側と摺動面側との接合強度を向上させて
ある。
【0027】図3は、現在最も良く使用されているシン
クロで、内径部に摺動面があるボルグワーナータイプの
シンクロについて、本発明を実施した例を示す要部断面
図である。図3において、14はシンクロ本体、15は
内径側摺動部、16は凹凸波目加工である。このような
タイプのシンクロの場合、内径側に銅合金材料を高温化
で接合すると、常温になったとき、銅合金材料の方が鉄
材料より収縮量が大きくなり、径が小さくなって、摺動
材が脱落する恐れがある。
【0028】従って、このようなタイプのシンクロにお
いては、N2またはAr等の非酸化性雰囲気中におい
て、本体側の鉄系材料と摺動部側の耐摩耗性銅合金材料
の伸縮量が略同一となるように、それぞれの最適加熱加
工温度を設定し、シンクロナイザーリング本体側と摺動
面側とを熱間塑性加工により接合させれば、冷却時の脱
落を完全に防止できるばかりか、両者の接合強度をいっ
そう強固なものにすることができる。なお、具体的な製
法は以下に例示する通りであるが、非酸化性雰囲気中で
加熱及び加工を行なうのは、鉄の酸化(スケール発生)
を防ぐためである。
【0029】(1)熱間鍛造法 ピンタイプシンクロ(摺動部:外径側) (なお、マルチコーンタイプのシンクロも同様である) a.下金型にシンクロナイザーリング本体を構成するF
e系材料をセットし、その上に摺動材となる本発明に係
る耐摩耗性銅合金材料を適正温度に加熱後、セットする
(図4(a))。 b.次に上金型により鍛造し、シンクロナイザーリング
本体と摺動材とを接合・成形する。(図4(b))。
【0030】ボルグワーナータイプシンクロ(摺動
部:内径側) a.JIS G4105 SCM−420材を用い、ボル
グワーナータイプシンクロを製作する。 b.本発明に係る摺動用耐摩耗性銅合金材料にて、鍛造
用ブランクを製作する。 c.aで製作したFeシンクロを、N2ガス雰囲気加熱
炉で、980℃に加熱する。 d.bで製作した銅合金材料鍛造用ブランクを加熱炉で
650℃に加熱する。 e.鍛造用金型を150℃に予熱する。 f.各材料が所定の温度に達したら、先ず、Feシンク
ロを摺動面が上になるようにセットする。この時金型は
2ガスでシールされている。 g.次に、銅合金材料鍛造用ブランクをFeシンクロの
摺動部にセットする。 h.各部にズレがないか確認後、速やかに鍛造し、両材
質を接合させる。
【0031】(2)単体摩耗試験 JIS G 4805 SUJ2材を用いピンタイプの鉄
製シンクロナイザーリングを作成し、その摺動部に、表
1に示す各種供試材を上記熱間鍛造法に従って接合させ
た。このシンクロナイザーリングらに、フェノール樹脂
材料を張付けたもの、及び、供試材を焼ばめ,ろう付
け,圧入の各方法でそれぞれ接合したものをさらに比較
例シンクロナイザーリングとして加え、表2の条件にお
いて、シンクロ単体摩耗試験を実施した。その結果を表
3に示す。なお、摩耗試験は、あくまで摺動材で結果が
決まるので、他のタイプのシンクロについては、試験を
省略した。
【表2】
【表3】
【0032】(3)抜荷重試験 上記単体摩耗試験を行なった各種実施例材及び比較例材
について、接合強度を確認するため、図5に示すような
方法で、抜荷重試験を実施した。その結果を表4に示
す。
【表4】
【0033】(4)圧壊強度 本発明実施例シンクロナイザーリングの強度を確認する
ため、表1に示した実施例供試材でもって銅合金単体シ
ンクロナイザーリングを作成し、図6に示す試験治具に
より圧壊試験を行ない、本発明実施例シンクロナイザー
リングと比較した。その結果を表5に示す。
【表5】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、剛性の
高い、高強度鉄系材料でシンクロナイザーリング本体を
構成し、これに摺動特性の優れた耐摩耗性銅合金材料を
熱間鍛造等の熱間塑性加工にて摺動面側に接合したの
で、高負荷に充分耐えることができる高性能の異種複合
シンクロナイザーリングを提供できる。
【0035】また、熱間塑性加工を用いているので、接
合工程及び成形工程が一工程で済む。このため、コスト
的に非常に有利である。また、シンクロナイザーリング
の大小にかかわらず製造可能である点でも有利である。
【0036】さらに、本体側と摺動面側との接合部にお
いて、本体側に凹凸加工を施したり、切欠部を設けるこ
とにより、接合強度をいっそう高めたシンクロナイザー
リングを提供できる。
【0037】また、特に、内径側に摺動部があるボルグ
ワーナータイプまたはキーレスタイプのシンクロナイザ
ーリングにおいては、本体側の鉄系材料と摺動面側の耐
摩耗性銅合金材料の伸縮量が略同一となるように、それ
ぞれの最適加熱加工温度を設定して、鍛造等の熱間塑性
加工により両者を接合させれば、冷却時の脱落を防止で
き、より強固な接合強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピンタイプのシンクロについて本発明を実施し
た例で、図1(a)はその要部断面図、同図(b)はその
平面図である。
【図2】マルチコーンシンクロについて本発明を実施し
た例を示す要部断面図。
【図3】ボルグワーナータイプシンクロについて本発明
を実施した例を示す要部断面図。
【図4】ピンタイプシンクロについての熱間鍛造法を説
明した図で、図4(a)は鍛造前、同図(b)は鍛造後を
それぞれ説明する断面図。
【図5】抜荷重試験を説明する断面図。
【図6】圧壊試験を説明する断面図。
【図7】従来例のビス止め接合方法を説明する断面図。
【図8】従来例のカシメ加工接合方法を説明する断面
図。
【符号の説明】
1,11,14 シンクロ本体 2,12,15 摺動部 3 切欠部 6,13,16 凹凸波目加工 7 ネジランド部 8 中間リング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢後 亘 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内 (72)発明者 安川 淳 富山県中新川郡立山町西芦原新1番地の1 中越合金鋳工株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用トランスミッション部品である
    シンクロナイザーリングの本体側を鉄系材料で構成し、
    このシンクロナイザーリングの摺動面側を下記の化学成
    分及びマトリックス並びに硬度からなる耐摩耗性銅合金
    で構成し、上記シンクロナイザーリング本体側と上記摺
    動面側とを熱間塑性加工によって接合させたことを特徴
    とするシンクロナイザーリング。 重量%で、Zn:22〜45%を含有し、更に、A
    l,Mn,Fe,Pb,Ni,Be,Si,Co,C
    r,Ti,Nb,V,Zr,Mo,Sn,Bi,B等の
    金属元素群から選ばれた少なくとも1種以上の金属元
    素:0.1〜15%を含有し、残部がCu及び不純物よ
    りなる耐摩耗性銅合金。 上記耐摩耗性銅合金が、α相+β相又はβ単相若くは
    β相+γ相からなるマトリックスを有すること。 HRB(ロックウェル硬さ試験 B硬さ)が80以上
    であること。
  2. 【請求項2】 自動車用トランスミッション部品である
    シンクロナイザーリングの本体側を鉄系材料で構成し、
    このシンクロナイザーリングの摺動面側を下記の化学成
    分及びマトリックス並びに硬度からなる耐摩耗性銅合金
    で構成し、上記シンクロナイザーリング本体側と上記摺
    動面側とを熱間塑性加工によって接合させたことを特徴
    とするシンクロナイザーリング。 重量%で、Al:3〜15%を含有し、更に、Zn,
    Mn,Fe,Pb,Ni,Be,Si,Co,Cr,T
    i,Nb,V,Zr,Mo,Sn,Bi,B等の金属元
    素群から選ばれた少なくとも1種以上の金属元素:0.
    1〜15%を含有し、残部がCu及び不純物よりなる耐
    摩耗性銅合金。 上記耐摩耗性銅合金が、α相+β相又はβ単相若くは
    β相+γ相からなるマトリックスを有すること。 HRB(ロックウェル硬さ試験 B硬さ)が80以上
    であること。
  3. 【請求項3】 N2またはAr等の非酸化性雰囲気中に
    おいて、本体側の鉄系材料と摺動部側の耐摩耗性銅合金
    材料の伸縮量が略同一となるように、それぞれの最適加
    熱温度を設定し、シンクロナイザーリング本体側と摺動
    面側とを熱間塑性加工により接合させたことを特徴とす
    る請求項1または2記載のシンクロナイザーリング。
  4. 【請求項4】 シンクロナイザーリングのタイプが、内
    径側に摺動部を有するボルグワーナータイプまたはキー
    レスタイプであることを特徴とする請求項3記載のシン
    クロナイザーリング。
  5. 【請求項5】 本体側と摺動面側との接合部において、
    本体側に凹凸加工を施し、本体側と摺動面側との接合強
    度を向上させたことを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1項に記載のシンクロナイザーリング。
  6. 【請求項6】 凹凸加工が波目加工であることを特徴と
    する請求項5記載のシンクロナイザーリング。
  7. 【請求項7】 本体側と摺動面側との接合部において、
    本体側に回り止め用の切欠部を設け、本体側と摺動面側
    との接合強度を向上させたことを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載のシンクロナイザーリング。
  8. 【請求項8】 熱間塑性加工が、熱間鍛造加工であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    シンクロナイザーリング。
JP06136508A 1994-05-25 1994-05-25 シンクロナイザーリング Expired - Fee Related JP3085627B2 (ja)

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