JP2822497B2 - 板金プレートと焼結部品の接合方法及び接合体 - Google Patents

板金プレートと焼結部品の接合方法及び接合体

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JP2822497B2 JP1274710A JP27471089A JP2822497B2 JP 2822497 B2 JP2822497 B2 JP 2822497B2 JP 1274710 A JP1274710 A JP 1274710A JP 27471089 A JP27471089 A JP 27471089A JP 2822497 B2 JP2822497 B2 JP 2822497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は板金プレートと鉄系焼結部品をロー付接合
して製造する接合方法およびその方法によって得られる
複雑な形状の接合体に関するものである。
「従来の技術」 鉄系の焼結部品は鉄を主成分とする金属粉末をプレス
して圧粉体とし焼結して製造する。この鉄系の焼結部品
は各種の機械部品として用いられるので複雑な形状が要
求されることが多く、そこで焼結部品と板金プレート
(板状以外の形の場合もある)を接合する必要が生ず。
この接合方法としては板金プレートの孔に焼結部品を
圧入して接合したり、カシメによって接合したりするこ
とが知られている。しかしこれらの方法は接合強度が弱
く、スラスト,ラジアルの応力に対して接合部に高強度
が必要とされる場合には不適当である。
高強度の接合には主として板金プレートと焼結部品を
ロー付する方法が用いられている。
従来の技術の一例として鍔を有する鉄系のブッシュに
板金プレートを接合するには、第3図に示すように、焼
結したブッシュ1の鍔の上側に板金プレート2を重ねて
Cu−Ni−Mn系のロー材をブッシュと板金プレートの接合
部に置きロー材の融点以上の温度に加熱するとロー材が
溶融してブッシュと板金プレートの接合面7にロー材が
拡がり鉄系焼結部品のブッシュ1と板金プレート2がロ
ー付接合できる。
「発明が解決しようとする課題」 前記従来の方法は焼結を完了した鉄系焼結部品をロー
付するものであり、また第3図に示すようにロー付部に
ロー材の残滓8が残り、或いはロー付面をロー材が拡が
って一部が流出してロー材の滲出部9が生ずる。従って
焼結とロー付の2工程が必要となると共に残滓8や滲出
部9を何らかの後加工で除去する必要があり、加工費が
高くなるという課題がある。
また従来のロー材では焼結時に、鉄系焼結部品の圧粉
体が有する粉末間の隙間にロー材が浸透するという課題
もある。
「課題を解決するための手段」 この発明は前記の課題を解決する板金プレートと鉄系
焼結部品のロー付接合方法および接合体を提供すること
を目的とするものである。
この発明は板金プレートと鉄系焼結部品を接合する方
法において、焼結部品側の接合界面にロー材圧粉体を挿
入する溝と該溝から外部に通ずるガス抜き用の小さな溝
をもうけた鉄系焼結部品用の圧粉体を造り、該溝にロー
材圧粉体を挿入したあと板金プレートを接合面に固定
し、ロー材の融点以上の温度に加熱してロー付と焼結を
同時に行う際に、前記ロー材として重量比でNi:30〜50
%,Mn:15〜25%,Si:1〜5%,B:0.5〜2%,残部Cuから
なる合金粉末に3〜15%のFe粉末,1〜10%のCu粉末,1〜
7%のSn粉末のうち少なくとも一種以上を添加混合した
混合粉末を用いると共に、該混合粉末を所定形状にプレ
ス成形して前記ロー材圧粉体として用い、焼結後前記ロ
ー材の焼結部品外部への流出がないことを特徴とする板
金プレートと鉄系焼結部品の接合方法であり、さらに、
この方法で製造される複雑な形状の接合体である。
以下本発明を具体例の図面を用いて説明する。
先ず鉄系金属粉末により焼結部品となる圧粉体をプレ
ス成形する。ここでは第1図に示すように中心に孔を有
する鍔のあるブッシュ1を成形する。この場合に圧粉体
(ブッシュ)の板金プレート2との接合面に、第2図に
示すように、ロー材圧粉体3を挿入するためのロー材挿
入用溝6がもうけられている。また該溝6からブッシュ
1の外部に通ずるガス抜き溝4が放射状にもうけられて
いる。
次にロー材として重量比でNi:30〜50%,Mn:15〜25%,
Si:1〜5%,B:0.5〜2%,残部Cuからなる合金粉末に3
〜15%のFe粉末,1〜10%のCu粉末,1〜7%のSn粉末のう
ち少なくとも一種以上を添加混合した混合粉末を準備す
る。
そして第1図に示すように、準備したロー材の粉末を
用いてロー材圧粉体3を作り、鉄系焼結部品となる圧粉
体(ブッシュ1)のロー材挿入用溝6に挿入する。次い
でロー付する板金プレート2を所定の位置に固定し、焼
結用治具5の孔に嵌め込む。この状態でロー材の溶融温
度以上に加熱してロー付と同時に焼結を行う。
「作用」 本発明においてガス抜き溝がもうけられているのは次
の理由による。焼結部品の製造においてプレス成形の際
に金属粉末の流動を良くして密度を均一化し、且つプレ
ス亀裂の発生を防ぐために潤滑剤(ステアリン酸亜鉛
等)を混入したり、またロー付のためにフラックスをロ
ー材の表面に少量塗布する場合がある。これらの潤滑
剤,フラックスはロー付および焼結温度になると分解蒸
発してガスとなるが、このガスはガス抜き溝により圧粉
体(ブッシュ1)の外部に流出するので、ロー材の流動
が妨害されることがなく、接合面全面に均一にロー付が
できるからである。
本発明においてはロー付と焼結を同時に行うが、従来
のロー材を使用すると焼結部品とする鉄系焼結部品の圧
粉体には粉末間に隙間があり焼結時にロー材が浸透す
る。しかしながら前記本発明のロー材、すなわち純粋な
鉄粉,銅粉,錫粉をロー材に混合したものではこの浸透
が防止される。
この方法と本発明のロー材によりロー付と焼結を同時
に行うとロー材が均一に流れて完全なロー付ができ、且
つガス抜き溝等の緩衝空間があるのでロー材が外部に流
出することがなく、従って後加工によりロー材の残滓や
滲出部を除去する工程が省略できるものである。
「発明の効果」 以上に詳しく説明したように、本発明の接合方法およ
び接合体では鉄系焼結部品の圧粉体と板金プレートの間
にロー材が挿入されてロー付と焼結が同時に行われ、ロ
ー材が焼結部品の圧粉体(ブッシュ)の外部に流出して
いないので、ロー材の残滓や滲出部を除去する後加工を
省略することができ、板金プレートをロー付した複雑な
形状の機械部品をコスト安で製造できる効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の具体例を示す断面図、第2図はそのA
−A断面図である。第3図は従来のロー付方法を示す断
面図である。 1:ブッシュ、圧粉体、2:板金プレート 3:ロー材、ロー材圧粉体、4:ガス抜き溝 5:焼結用治具、6:ロー材挿入用溝 7:接合面、8:ロー材残滓 9:ロー材滲出部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板金プレートと鉄系焼結部品を接合する方
    法において、焼結部品側の接合界面にロー材圧粉体を挿
    入する溝と該溝から外部に通ずるガス抜き用の小さな溝
    をもうけた鉄系焼結部品用の圧粉体を造り、該溝にロー
    材圧粉体を挿入したあと板金プレートを接合面に固定
    し、ロー材の融点以上の温度に加熱してロー付と焼結を
    同時に行う際に、前記ロー材として重量比でNi:30〜50
    %,Mn:15〜25%,Si:1〜5%,B:0.5〜2%,残部Cuから
    なる合金粉末に3〜15%のFe粉末,1〜10%のCu粉末,1〜
    7%のSn粉末のうち少なくとも一種以上を添加混合した
    混合粉末を用いると共に、該混合粉末を所定形状にプレ
    ス成形して前記ロー材圧粉体として用い、焼結後前記ロ
    ー材の鉄系焼結部品外部への流出がないことを特徴とす
    る板金プレートと焼結部品の接合方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の接合方法によって製造され
    たことを特徴とする板金プレートと焼結部品の接合体。
JP1274710A 1989-10-21 1989-10-21 板金プレートと焼結部品の接合方法及び接合体 Expired - Fee Related JP2822497B2 (ja)

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