JP2926992B2 - セラミック摺動部品 - Google Patents

セラミック摺動部品

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JP2926992B2 JP8510072A JP51007296A JP2926992B2 JP 2926992 B2 JP2926992 B2 JP 2926992B2 JP 8510072 A JP8510072 A JP 8510072A JP 51007296 A JP51007296 A JP 51007296A JP 2926992 B2 JP2926992 B2 JP 2926992B2
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武 佐藤
久雄 竹内
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は特に自動車エンジンの動弁系部品、カムフォ
ロワーやロッカーアーム、軸受等の耐摩耗性を要求され
る摺動部材、とりわけ金属母材とセラミック摺動部材を
接合した構造よりなるものに関する。 背景技術 近年地球環境問題から自動車の排ガスに関する規制強
化が急務となっており、特にディーゼルエンジンにおい
てはNOx(窒素酸化物)およびP/M(パティキュレートマ
ター)の排出低減が検討されている。その対応策として
EGR(排ガス循環)機構をエンジン排気系に付属させてN
Oxを低減させることが検討されているが、排ガス成分の
循環からエンジンオイルの化学的劣化やP/M混入により
オイルが汚染されこれがエンジン摺動部品の異常摩耗を
生じさせる問題が生じている。 従来より摺動部品材料は、修道面の耐摩耗性が良いこ
とや摺動抵抗が小さいという観点から選択され、摺動部
品としては特性の優れた単一材を利用したり、またはそ
れを用いた接合体を作製することで実用化されてきた。 近年、優れた摺動特性を有するセラミックスが注目さ
れ、特に条件が厳しい摺動部にセラミックスが位置する
よう金属材料と接合された実用例が見られる。 例えば、エンジンの高出力化や排ガス規制対応による
潤滑条件の劣悪化への対応策として特開平2−55809に
あるようにエンジン用タペットにおいてカム摺動部に摺
動特性の優れたセラミックスを接合したものがある。 一般に機械摺動部品では片当り防止のため、対をなす
摺動面の一方は平面ではなく中央部が外縁部に対して僅
かに(数μm〜数十μm程度)高くなった凸状のクラウ
ニング形状をとっている。 このクラウニング形状は機械(研磨)加工や特開昭63
−289306号に記載のセラミックスを金属で外篏し、その
締め付け力でセラミックスを弾性変形させる方法、また
仮燃結体を予めクラウニング形状に加工した上で焼結
し、焼結したままの面を摺動面として用いる方法〔自動
車技術Vol.39,No.10,(1985)p1184〕などにより成形さ
れている。 しかしながらクラウニング形状が3次元形状であるた
め、機械加工では多大なコストを要する。 また、外嵌による方法では、構造、加熱温度などが決
まればクラウニング量に制約が生じてしまう。 仮焼結体を予めクラウニング形状に加工した上で焼結
し、焼結したままの面を摺動面として用いる方法では、
焼結時の収縮によりクラウニング形状に加工した面が変
形し寸法精度が低下してしまうといった問題があった。 機械(研磨)加工コストを低減する方法としては、例
えば特開昭63−225728号公報には摺動面に接合母材より
も熱膨張係数の小さい耐摩耗性部材を加熱接合し、熱膨
張係数の差により摺動面にクラウニング形状を設けるこ
とにより、研磨等の機械加工によることなくクラウニン
グを形成し、摺動時の片当りを防止できる摺動部品を低
コストで提供できる製法が開示されている。又、同公報
には耐摩耗性部材として窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイ
アロン等のセラミック材料を用いることを開示してい
る。 これの関連技術として特開平2−199073号公報や特開
平4−2672号公報には、ろう材や金属の選択や熱処理
(接合)方法の検討等によって熱応力によるクラックの
発生を防止すると共に金属部分の特性を維持できること
が開示されている。 一方、排ガス規制に加え、効率の向上も急務となって
いる。エンジンの高効率化には摺動部の面圧の上昇が避
けられず、これに伴い、摺動部に大きなクラウニング量
が求められるようになった。 前述の技術によれば主たる摺動面がクラウニングを有
するセラミックスで形成されると共にやはり補助的な摺
動部となる金属部の硬度を維持した摺動部品が作製可能
であるが、摺動面のクラウニング量の制御が困難である
他、マルテンサイト変態や低温で固化するろう材を使用
することによってセラミックス−金属母材の熱収縮差を
小さくして熱応力を軽減しているため、クラウニング量
が大きくできないという問題があった。 これらの問題を解決する方法として、特開平4−2032
06号公報には、ろう付後のタペットの摺動面に荷重を加
えて金属部を塑性変形させることや、特開平6−92749
号公報には、セラミックス金属の間に中間層を介在させ
てクラウニング量を調整することが開示されている。し
かし、これらによってもクラウニング量には限度があっ
た。 一方、このような摺動部品においては、セラミックス
を用いた部分以外の摺動部、もしくは部品全体にも摺動
特性が要求される場合もあり、金属材料の摺動特性を向
上させるため硬化処理が施される。 そのため先の特開平2−55809や特開平2−199073、
特開平4−2672、特開平5−18213、特公平5−72354で
は、セラミックスと金属の加熱接合時の加熱と冷却を利
用して金属部分の硬化処理を行っている。 しかしながら、上記加熱接合を利用した硬化処理で
は、通常硬化処理に用いられる焼き入れ処理とは本体摺
動部に負荷される加熱温度が異なり、摺動特性に必要な
硬度を得られない場合もあり、さらには冷却方法が特殊
であり、またそれに適した金属材料はその種類が限定さ
れ、かつその材料(例えば、JIS SNCM630など)が難加
工材であり、コストが高くなるといった問題があった。 また、このコスト増回避のため、部分適に本材料を用
い、その他の部分を加工が行いやすい安価材で作製する
場合でも、2種類の材料の接合や接合部の加工などの工
程増加によるコスト増の問題もあった。 本発明は上記した問題点を解決するため、摺動部材本
体の金属部にも摺動時の耐摩耗性を付与するとともに、
摺動面の少なくとも1カ所の主摺動面に高性能かつ大き
なクラウン形状の摺動部、特にセラミックからなる摺動
部を形成した安価な摺動部材およびその製造方法並びに
同部材を用いた装置の提供を目的とする。 発明の開示 本発明は、 (1)窒化ケイ素系セラミックス材料からなる摺動面部
材より熱膨張率の大きい金属母材に摺動面部材を接合
し、摺動部材の接合面の最大長さに対する厚さの比が0.
01以上0.05未満であり、摺動面最大長さに対して0.1〜
0.4%(クラウニング比率と称す)の最大高さのクラウ
ニング形状を有する摺動部材である。 本発明の摺動面部材は摺動部品の実用途によって種々
のものが考えられる。本発明では摺動面部材上のこのク
ラウニング形状を同部材の金属母材への接合工程および
/又は同工程とは別の工程で、双方を組み合わせて加熱
し、両者の熱膨張室によって形成する。 摺動面部材は金属母材より熱膨張率の小さいものであ
ればよいが、金属母材と接合されその摺動面に上記の最
大高さのクラウニング形状を形成しうるものとする必要
がある。 したがって金属母材が決っておれば、上記範囲のクラ
ウニング形状が得られる熱膨張率の摺動面部材を選ぶ必
要がある。又、この加熱によって摺動面部材自体及び金
属母材との接合部の劣化・損傷を生じさせない摺動面部
材であることも必要である。さらに摺動時の環境および
負荷に耐えられるものでなければならない。実用条件が
比較的低温で摺動時の面圧が比較的低い場合には、可能
な限り軽量なものがよく、例えば金属母材にアルミニウ
ムベース金属の素材を用い、摺動面部材に軽量の市販の
セラミックスの素材を用いることができる。又この場
合、軽量化の必要がなければ、金属母材に鋼を用い、摺
動面部材として金属母材より低熱膨張率の鉄ベース金
属、サーメット、市販のセラミック等を用いることもで
きる。 以上述べたように本発明の摺動部材の摺動面部材と金
属母材との素材の組合せは用途に応じて種々考えられ
る。クラウニング形状としては摺動面部材の摺動面に、
摺動面最大長さに対して0.1〜0.4%の最大高さのものと
する。 これを例えば本発明の対象とするクラウニング形状摺
動部材の一つである図1に示すディーゼル商用車の動弁
系OHV方式のタペットを用いて説明する。図1の摺動面
材1と金属母材2は通常の接合ロー材(Agロー材等)を
介し加熱接合され、冷却後の摺動面材1と金属母材2の
熱膨張差により摺動面にクラウニング形状がつく。一
方、図1に示すタペット部品ではカム部品3と摺動する
摺動面と同様プッシュロッド部品4との摺動面5の偏摩
耗を防止することが、特にEGR機構の適用に対して重要
となる。そのためにはカム部品3と摺動面材1の片当り
を防ぐとともに、接合面最大長さに対して0.1〜0.4%の
最大高さのクラウニング形状を施し、カム部品3により
摺動面材1を強制的に回転させ偏摩耗を防止できる。こ
れが0.1%未満であると、カム部品3による摺動面1に
加わる回転力が不十分であり、摺動面5の偏摩耗の原因
となり、0.4%を越えるとクラウニングが大きくなるこ
とによる摺動面材の変形により摺動面材円周部に高い引
張り応力が発生し、摺動面材の破壊等につながるために
好ましくない。本発明の対象とする摺動部材は、上記タ
ペットのように相手材とのローリング摺動を主体とする
ものであり、このタイプの摺動部材に対しては、タペッ
トのように摺動面に高い面圧がかかり重負荷のものも、
さらに軽負荷のものも摺動面の形状は、この範囲とする
が回転力の伝達による偏摩耗の防止を考えると望ましい
形状である。 (2)次に本発明の摺動面部材であるが、これを窒化ケ
イ素系セラミックスとすることが望ましい。通常前述の
ようにこのローリングタイプの摺動部材としては、摺動
面への負荷の大きさにより種々の素材が考えられる。 しかしながら、特に自動車のエンジンの動弁系の摺動
部、例えばカムフォロワーやロッカーアーム、軸受等の
苛酷な負荷条件下で耐摩耗性が要求される部分の摺動部
材、とりわけ金属母材の主摺動部に本発明のクラウニン
グ形状摺動面部材を接合したタペット等の摺動部材とし
て用いる場合には、高い耐摩耗性と低い摺動抵抗のセラ
ミックスを摺動面部材として用いることが好ましい。こ
の場合本発明によれば、金属母材に接合される摺動面部
材は全体がセラミックスであり、上述の範囲のクラウニ
ング比率のクラウニング面の施されたものとする。好ま
しい形態としてはクラウニング形状を施された摺動面部
材の一部をセラミックスとする。 セラミックス素材としては、例えば、窒化珪素質、の
ものや、これらに繊維成分を分散させたり、粒内および
/又は粒界に分散質成分を均一に分散させたりした複合
セラミックス材料を用いることができる。尚、本発明で
はこのセラミックス摺動面部材へのクラウニング形状付
与は、前述のように摺動面部材と金属母材の熱膨張差を
利用し(セラミックス摺動面部材の方が金属母材より熱
膨張率が小さいことを利用し)、接合工程および/又は
同工程とは別の工程で、両者を組み合わせて加熱するこ
とによって形成する。 したがってこの加熱温度に耐え、クラウニング変形に
よる損傷が起こらず、この変形によるストレスで金属母
材との接合部に損傷の生じない構造上の組み合わせとす
ることが必要である。 この種のセラミックとしては例えばJIS準拠の室温4
点曲げ強度が50kg/mm2以上、かつ耐熱衝撃性を示す温度
差が400℃以上のものであるのが好ましく、さらにこれ
らセラミックス摺動面部材の中でも、以上のクラウニン
グ形状加工時の熱応力に耐え、なおかつ摺動時の耐摩耗
性に優れた窒化珪素系セラミックスを用いるのが好まし
い。 摺動面材として窒化ケイ素系材料を選択したのは、
(1)熱膨張係数が小さく接合時にクラウニング形状が
安定して設けられること、(2)強度が比較的高く、ク
ラウニング形状を設けた際に発生する引張り応力に対し
耐えられること、(3)硬度が比較的高く、高摩耗性に
優れること、の3点を考慮したためである。さらに好ま
しくはその室温でのJIS準拠の4点曲げ強度が100kg/mm2
以上、耐熱衝撃性を示す温度差が800℃以上、室温での
シャルピー衝撃値が15kJ/m2以上、かつ摺動面に開口し
ている気孔の面積率が摺動面面積に対し、0.5%以下で
ある窒化珪素系セラミックスを用いる。さらにJIS準拠
の4点曲げ強度が130kg/mm2以上のものを用いるとなお
好ましい。 なおこの場合摺動表面に開口している気孔の面積率が
摺動面面積に対し、0.5%以下とするのは、EGR機構を設
けた際にエンジンオイルにP/M成分(すすやSO3等)が混
入し摺動面および相手摺動面に摩耗が生じ易くなるから
である。 このように強度が高く、耐衝撃性も高いセラミックス
を摺動面部材に選ぶのは、これらを金属母材に例えば比
較的高い固相点のロウ材で接合する場合の昇降温時およ
び本発明の範囲のクラウニング形状を付与するために行
う加熱時の昇降温時での熱衝撃、伸縮のストレスに耐
え、それ自体に損傷を生じないことが重要となるからで
ある。又、摺動時に万一衝撃荷重がかかってもそれに耐
えうる必要があるからである。 次にこれらセラミックの中でも窒化珪素系セラミック
スを摺動面部材として用いる場合、前記の摺動面最大高
さのクラウニング形状にすると共に、さらにクラウニン
グ形状部の摺動面最大長さ(l)に対するクラウニング
形状部すなわち固定した摺動部の厚み(t)の比を0.01
〜0.05(すなわち1〜5%)とするのが好ましい。 これを本発明の一実施例である図2に示すタペット部
品で説明する。図2に示す接合面の最大長さlに対する
摺動面材1の厚さtの比率が0.01未満であると、カム部
材により加わる衝撃力に対し、摺動面材1に破壊等の問
題点が生じ易くなる。一方、0.05を越えるとクラウニン
グ形状を設ける際の摺動面材1の変形抵抗が大きく、例
えばセラミックに大きな引張応力が加わり、安定したク
ラウニング形状が得られにくくなる。 さらに本発明の摺動面部材として、特に前記の4点曲
げ強度が100kg/mm2以上の特殊な高強度・高衝撃強度を
有する窒化珪素セラミックスを用いる場合で、例えば図
2のような摺動部支持構造をとる場合には、前記の最大
高さのクラウニング形状と摺動面最大長さ(l)に対す
るクラウニング形状部の摺動面部材の厚み(t)の比に
加えて、さらに母材の接合面に垂直な中心線(C−C)
で切った最小厚さf(つまり図1のプッシュロッドド部
品4と母材との摺動面となる母材の最小厚み)の摺動部
材の厚さtとの比率が0.5以上となるような設計とする
のがより好ましい。 このような比率とすることによって、クラウニング形
状を形成する過程で母材2の変形が生じにくくなり、よ
り再現性よく、安定した摺動部材のクラウニング形状の
ものが得られる。 (3)次に本発明の対象とする摺動面部材全てについて
その摺動面の表面粗さがJIS準拠の十点平均高さ粗さで
0.4μm以下とすることが好ましい。 十点平均高さ粗さが0.4μmを越えると、摺動部材の
相手材の表面の摩耗を引き起こし易いからである。特に
タペットのような重負荷(面圧)でのローリング摺動の
場合には、相手材であるカム部品を傷つけ易い。例えば
タペットのクラウニング形成摺動面が前述のようにセラ
ミックスであり、カム部品が焼き入れした銅である場
合、カム部品はセラミックスとの摺動によって選択的に
摩耗を起すので好ましくない。 (4)さらに本発明の対象とする摺動面部材の摺動面形
状は前述のクラウニングの比率範囲0.1〜0.4%を満たす
とともに、摺動面のクラウニング形状の周辺部の曲率が
中央付近の曲率(曲率比と称す)の0.8倍(すなわち80
%)以下でコントロールすることが望ましい。 このようにコントロールすることによって熱応力に引
張り破損の危険性を低下させることができる。従って、
この曲率比を小さくすることによって、例えばセラミッ
クス摺動面部材として前述の100kg/mm2以上の4点曲げ
強度の特殊の窒化珪素系セラミックス以外の市販の窒化
珪素系セラミックスも損傷なく使用できる。 (5)本発明の金属母材としては、摺動面部材より熱膨
張率の大きい組み合わせとなるもので、加熱によって摺
動面部材に形成されるクラウニング比率が前述のように
0.1〜0.4%であれば、いかなるものでもよいが、同母材
の一部に重負荷のかかる前述のタペットを構成する部材
として利用する場合には、鋼が好ましい。さらに鋼の中
でも摺動面となる部分の表面がマルテンサイト組織を有
し、硬度がHRCで45以上であるものが望ましい。 鋼の母材の摺動面をこのように部分硬化又は全体の硬
化を行うためには、浸炭処理や表面焼き入れを適宜組み
合わせて行う。母材の硬度を上記レベルとするのは、H
RC45未満では例えばタペットとカムのような図2に示す
ような摺動部材として用いる場合、図2のプッシュロッ
ド部は絶えず高い面圧下で摺動をしているため、その摩
耗が大きくなり、ローリング摺動時の回転駆動の回転精
度に支障をきたし、タペット母材自体が変形し易くなっ
たり、ひいてはローリング摺動しているタペットの偏摩
耗が生じ易くなるためである。 但し、通常は母材の硬化処理は、摺動負荷の加わる部
分のみ局部的に行えばよい。 例えば図2のタペットで摺動面部材をロウ付けで接合
した後で表面焼き入れする場合には、油冷・空冷による
急速冷却が必要であり、ロウ付け部のゆるみのないよう
に予めより高温でロウ付接合をしておき、この急速冷却
に耐えうる耐熱衝撃性で、かつ変形に耐え、接合部周辺
に損傷を生じないような摺動面部材選ぶ必要がある。セ
ラミックスの場合このロウ付時および母材の表面焼き入
れ温度差に応じてそれに適した前述の耐熱衝撃温度差と
曲げ強度を有するものを適宜選ぶ必要がある。 つまり耐熱衝撃性を示す温度差が400℃以上で曲げ強
度が50kg/mm2以上のセラミックスで充分なのか、又はさ
らにそれぞれの値が800℃以上でかつ100kg/mm2以上の特
殊な窒化珪素系セラミックが必要なのか、組み合わせと
実用条件を考えてケースバイケースで選択する必要があ
る。 又、本発明では予め全体が浸炭処理された鋼製母材を
用意し、これに摺動面部材を加熱接合した後に、再度本
体の摺動特性の要求される部分のみ表面焼き入れを行っ
てもよい。すなわちこの場合、金属母材は公知の浸炭処
理を施し、加熱接合後の焼き入れ処理を経ると本体自体
の表面が硬化されるので、未処理材よりも摺動特性が向
上し、また内部組織は靭性を有したままなので摺動部品
として衝撃荷重に対しても十分な強度を有する。 以上の硬化処理を行うことによって、硬化処理した鋼
製の母材となり、1ケ所またはそれ以上の摺動面があ
り、当該摺動面の少なくとも1ケ所は加熱接合により本
体に取り付けられている複数の摺動面を有する本発明摺
動部品を得ることができる。つまり、例えば主摺動面を
セラミックとして摺動面部材として固定し、他にHRC45
以上に硬化処理された金属からなる摺動部を同時に構成
することができる。 又、硬化処理対象材と同処理条件を選ぶことにより、
摺動面の実際の摺動条件に合わせた複合構造の摺動面部
材を作ることもできる。 すなわち、本発明では、表面焼き入れ時の発熱による
鋼部の軟化とマルテンサイト変態による体積膨張を利用
することにより、部分的摺動部品中の任意の摺動面を形
成することができる。そして表面焼き入れを施す箇所は
クラウニングを付与する摺動面の場所により適時選択さ
れ、付与するクラウニング量は表面焼き入れの手法や方
法(加熱や冷却時間など)、また使用する鋼材の種類に
より広範囲の制御が可能である。 本体の鋼材としては、浸炭処理と焼き入れ処理により
HRCで45以上を示せば、種類は特に問われないが、強
度、材料や加工のコスト面から機械構造用鋼として広く
用いられている炭素鋼やNi,Cr,Moを合金元素として添加
されている合金鋼などが好ましい。つまり本発明の摺動
部材では、例えば以下のものを用いる。 (1)C0.1重量%以上、Si0.1〜0.5重量%、Mn0.2〜1.2
重量%、Cr0.1〜2重量%、P,Sを共に0.03重量%以下、
不純物として0.3重量%以下のCu、0.25重量%以下のNi
や不可避的元素を含む鋼材。 (2)C0.1重量%以上、Si0.1〜0.5重量%、Mn0.2〜1.2
重量%、Cr0.1〜2重量%、Ni1〜5重量、P,Sを共に0.0
3重量%皮下、不純物として0.3重量%以下のCuや不可避
的元素を含む鋼材。 (3)C0.1重量%以上、Si0.1〜0.5重量%、Mn0.2〜1.2
重量%、Cr0.1〜2重量%、Mo0.1〜1重量%、P,Sを共
に0.03重量%以下、不純物として0.3重量%以下のCu、
0.25重量%以下のNiや不可避的元素を含む鋼材。 本発明の摺動部品は、本体の鋼材において焼き入れ性
と耐摩耗性を増大させるが高価である添加元素のCrの含
有量が0.1〜2重量%と低く、さらに同様に高価なNiま
たはMoが非添加もしくはどちらか1種類しか添加されな
いためコストを低くできる。Crの含有量は0.2〜1.5重量
%がより好ましい。 Niの添加は鋼の強度を低下させず粘り強さを向上でき
るが、その作用を効果的にするには1重量%以下の添加
が好ましい。しかし、Niは高価なため多量の添加はコス
トの面からは好ましくなく、5重量%以下が望ましく、
1〜3重量%がより好ましい。又、Niの添加はCrとの合
成効果により焼き入れ性を著しく向上させる。 Moの添加は焼き入れ性が向上し、高温での加工性も良
好にできる。添加量はコストを考慮すれば、0.1〜1重
量%が望ましく、0.1〜0.3重量%がより好ましい。各元
素の添加量は用途に応じ調整することが望ましい。 (6)本発明においてセラミック摺動面部材をロウ層の
みで加熱接合によって固定したものでは、そのロウ層は
15〜25μmの厚みとするのが望ましい。15μmより薄く
なるとロウ層による接合時の熱応力緩衝効果が場合によ
っては低下する。又25μmを越えるとロウ層の強度低下
を招く場合もある。又、この場合、接合時にセラミック
がその熱応力に耐えうるようにするためには、母材と摺
動面部材の間に、母材と摺動部材とは異なる中間層を設
けることも有効である。 この中間層は場合によっては、ロウ層に代って用いる
ことも可能である。なお中間層を用いたロウ付けの場合
は上記ロウ層の厚みの範囲は無関係となる。しかしこの
場合、接合後の硬化処理に充分耐えうるものとする必要
がある。 例えばAl合金でもよいが、その場合には鋼の表面焼き
入れがその融点を越すため好ましくなく、むしろ高融点
のCu等の方がよい。又セラミックとの接合時の緩和生も
考えて中間層を選ぶことが必要である。通常は表面にT
i,Zr等の活性金属を蒸着する等の前後処理を講じる。
又、必要により薄い多層構造の接合中間層を作ることに
よって応力緩和を図ることも行う。 しかし通常はロウ層とロウ層とは異る成分の中間層を
複合させて接合介在層を形成する方が望ましい。 中間層をあえて設けるのは同層の介在によってセラミ
ックにかかる熱応力を緩和しながら、ロウ層だけによる
接合介在層では達成できない大きなクラウニング量が加
熱接合時に中間層の構造次第で得られるというメリット
があるからである。又、前記のように加熱接合後摺動部
を表面焼き入れする場合の緩衝機能をも果たせるととも
に実用時の応力の緩衝にも役立つ。 クラウニング量を増加させるために中間層はヤング率
がセラミックスよりも大きい金属又はサーメットがよ
く、そのヤング率は4.5×105MPa以上のものがさらによ
い。又、クラウニング増大と熱応力緩和を両立させるた
めには、中間層の周辺部分の熱膨張係数が中心部よりセ
ラミックスの熱膨張係数に近いものがよい。さらに、中
間層の周辺部のヤング率並びに降伏応力が中心部のヤン
グ率、降伏応力より低いものがよい。 熱応力の緩和のためには中間層は金属母材とセラミッ
クスの中間の熱膨張係数又は塑性変形能を有し、金属母
材よりヤング率が低いものがよい。 セラミックスと金属母材とはろう付けによって接合さ
れるが、固相点は700℃以上、より好ましくは850℃以上
のものがよい。又、850℃以上でろう付けする場合に
は、ろう材は銅を含まない例えばAg−Ti系が好適であ
る。 接合後の機械加工によらず、接合時の操作や冷却時の
熱応力によって、摺動面を形成するセラミックスのクラ
ウニング量を大きくするためには次の2条件を満たす必
要がある。 第1の条件はクラウニングを形成可能な応力が存在す
ることである。応力を発生させる方法としては接合時に
印加する方法と接合後の熱応力による方法が考えられ
る。熱応力による場合には金属母材と接合されるセラミ
ックスや熱応力緩和層等の部分の熱膨張係数が小さく、
金属母材と一定以上の差があることや、これらの部分の
剛性が高いこと、すなわち一定以上の厚さがあること
や、ヤング率が高いことが必要である。 第2の条件はクラウニングを形成することによって発
生する応力に耐え得る構造を有することである。セラミ
ックスと金属母材を接合する場合には、主として冷却時
の熱収縮のためセラミックス部に生じる引張応力によっ
てセラミックス部分にクラックが生じることがある。こ
の引張応力はセラミックス部分の変形に起因するため、
クラウニングを大きくする必要がある場合にはより深刻
な問題となる。本発明はセラミックス部分にクラック等
の欠陥を生ずることなく大きなクラウニングを形成した
摺動部品を提供する。セラミックスと金属母材を接合す
る場合には通常セラミックスの熱膨張係数の方が小さい
ため、接合面付近には基本的にはセラミックス側が圧
縮、金属母材側が引張の熱応力が生じる。セラミックス
材料は圧縮応力には強いため、この圧縮応力によって割
れることはほとんどない。一方、この熱膨張係数差のた
め接合体は図3に示すようにセラミックス1と金属母材
2とが変形し、クラウニングが形成される。しかし、こ
の変形に伴い接合体の周辺部には接合面に垂直な方向に
引張応力が生じる(図4)。接合体に図4の17に示すよ
うなクラックが生じることがあるのは、この引張応力が
材料強度より高いためと考えられる。この引張応力の大
きさは多くの要因によって決まるが、基本的には前述の
変形量に依存する。このためクラウニング量が大きい接
合体の作製は困難であった。 大きいクラウニング量を確保しながらセラミックスの
破壊を防止する最も単純で有効な方法はセラミックスと
して、金属母材との熱膨張数差が大きく強度の高い材料
を選択することである。この条件に適合するセラミック
スとしては前述の如く窒化ケイ素がある。窒素ケイ素の
熱膨張係数は3×10-6K-1であって、ほとんどの金属母
材とかなりの差があり、強度も高いため最も適した材料
である。前述のように窒化ケイ素のなかでもその強度が
100kg/mm2以上、さらには130kg/mm2以上のものはさらに
好ましい。セラミックスの強度の値は測定方法によって
異なることが知られているが、ここではJIS R1601に準
拠した4点曲げ強度を示す。窒化ケイ素は一般的に高強
度であるが、中でも強度が130kg/mm2以上の材料を用い
た場合には苛酷な接合条件又は焼き入れ加熱時でもクラ
ックの発生が急激になくなる。この傾向は金属母材が鋼
材の場合に顕著である。高強度セラミックスとの接合で
は金属母材側の塑性変形による応力緩和が支配的になる
ためと推定される。 金属母材として鋼材を用いる場合には前記した鋼材の
硬度確保、あるいは前述のような鋼材を用いマルテンサ
イト変態を利用した実質的な熱膨張係数差の低減による
セラミックスの割れ防止のため、鋼材の種類及び接合条
件(特に冷却条件)を選定することや低融点ろう材を用
いることが特開平2−55809号公報及び特開平2−19907
3号公報に記載されている。これらの方法によれば高硬
度を維持しながら割れのない摺動部品を作製できるが、
熱収縮量の差が小さいため、クラウニング量を大きくす
ることは不可能であった。鋼材の硬度を維持しながらク
ラウニングの大きな接合体を得るためには、高融点のろ
う材を用いる等により、高温で接合を形成することが有
効である。接合形成温度とクラウニング量・熱応力の関
係はセラミックス・金属母材及び後述の中間層にも依存
するため、いちがいにはいえないが、700℃以上である
のが好ましく、850℃以上であるのがより好ましい。700
℃未満では容易には十分なクラウニング量が得られない
のに対し、特に850℃以上ではマルテンサイト変態に伴
う膨張を考慮しても容易に十分大きなクラウニング量が
得られる。850℃以上の融点のろう材としては、Ag−Ti
ろう材が適している。セラミックスとしてSi3N4を選択
する場合にはCuを含有するろう材(例えばAu−Cu−Tiろ
う材:融点910℃)を用いて高温でろう付けすることは
界面強度の低下につながり好ましくない。 通常の強度の窒化ケイ素焼結体あるいは他のセラミッ
クス材料を用いた場合には、発生する熱応力に耐えられ
ず割れが生じるのが避けられないが、上述の強度が130k
g/mm2以上の窒化ケイ素焼結体を用いた場合には鋼材と
直接接合しても多くの場合割れのない接合体が得られ
る。高強度の窒化ケイ素を用いれば上述のように熱応力
による割れを避けられるだけでなく、部品として使用す
る際に、高い荷重や衝撃によっても破損する確率の低下
につながることは言うまでもない。 形状的な要因(例えば接合面が非常に大きい場合)に
よって高強度窒化ケイ素を用いてもセラミックスに割れ
が生じる場合には図5のようにセラミックス1と金属母
材2との間に中間層4を用いることが有効になる。 熱応力を緩和するための中間層としては被接合材の中
間的あるいはセラミックスに近い熱膨張係数を有する材
料や塑性変形能を有する材料が有効であることが知られ
ているが、本摺動部品のように大きなクラウニングの形
成を目的とする場合には前者に属する材料が好ましい。
後者に属する材料はクラウニングを小さくするため好ま
しくない。前者が好ましい理由は熱膨張係数が小さい中
間層の場合には中間層もクラウニング形成に寄与するた
め、セラミックスを直接接合する場合よりクラウニング
を大きくできるためである。中間層が有すべき他の特性
としては、ヤング率が高いことが挙げられる。ヤング率
が高い場合の利点の一つは少ない変形量で大きな応力を
発生するため、クラウニングを増加させる効果が高いこ
とである。又、他の利点としては中間層はセラミックス
をバックアップする構造になっており、そのヤング率が
高いことはセラミックスに高い応力や衝撃力が加わった
時にセラミックスの変形を抑える効果が高いことが挙げ
られる。この観点から中間層のヤング率は対応するセラ
ミックスのヤング率より高いことが望ましい。この様な
ヤング率が高く熱膨張係数が低い材料としては、金属と
してはMoやWあるいはそれらの合金がありサーメットと
しては、WC,TiC,TiN基の材料が挙げられる。特にWCを主
成分とし、Coを主要な結合相とするいわゆる超硬合金
は、熱膨張係数が4.5〜5.5×10-6K-1、ヤング率が4.5×
105MPa以上であり、本目的に最も適した材料である。ヤ
ング率が4.5×105MPa以上の場合にはクラウニング形成
及びバックアップ機能への効果が特に顕著となる。 通常中間層としては被接合材料の中間の熱膨張係数の
ものが使われるが、セラミックスによってはより熱膨張
係数の低い材料を用いることもあり得る。例えばセラミ
ックスとしてAl2O3を用いる場合にMoやW−Cu合金等Al2
O3より僅かに熱膨張係数が低い中間層を用いることが可
能である。この場合にも熱応力緩和やクラウニング量を
増大させる効果がある。 クラウニング量の確保と熱応力緩和を両立させるさら
に有効な方法として、クラウニング形状を制御すること
がある。すなわち、図6に示すように接合体の周辺部
(A部)の曲率を中央部(B部)より小さくすることに
より、実質的なクラウニング量を確保しながら、セラミ
ックス1部分が割れるのを防止することができる。セラ
ミックスが割れる原因となっている周辺部の引張応力は
ほとんど周辺部分近傍の変形によって発生しており、こ
の部分のみ曲率を低くすることによってセラミックス部
分には大きな引張応力が発生しなくなるため、割れのな
い接合体の作製が可能となる。中央部の変形(湾曲)は
セラミックス部分に主として圧縮応力を発生させるた
め、割れにはつながりにくい。例えばすでに述べたよう
に周辺部の曲率が中央部の0.8倍を超す場合には応力を
低減させる効果が小さい。尚、周辺部と中央部の境界は
構成部品の材料や形状によって異なるため明確ではない
が、周辺部は外側からセラミックス部品の厚さの1〜2
倍程度の領域、中央部はセラミックス部品の中心からそ
の大きさの30〜50%程度長さの領域を意味する。 この様にクラウニング形状を制御する方法としては、
下記のような周辺部と中央部で特性の異なる中間層を用
いる方法や接合時に応力を印加する(強制的に変形させ
る)方法がある。 中間層による方法は図7に模式的に示すように中間層
の周辺部6と中央部7に特性の異なる材料を用いる方法
である。中央部と周辺部は一体化していてもいなくても
良く、それぞれ2種以上の材料からなっていても良い。
又、特性が連続的に変化していても良い。この中間層の
周辺部の熱膨張係数を中心部よりセラミックスに近くす
ることにより前述のクラウニング形状の制御が可能とな
る。熱膨張係数の他、周辺部のヤング率や降伏応力を低
くすることによっても同様の効果が得られる。又、これ
らの特性を同時に変化させても良い。 この様な構造の中間層の場合にはクラウニング量は主
として内側中間層によって支配されるため、外側にはヤ
ング率や降伏応力の低い材料を用いても良い。 又、図8のように周辺部にのみ中間層21を用い、中央
部はセラミックス1と金属母材2と直接接合することに
よっても同様の効果がある。この場合には中間層21はリ
ング形状の単一材料であっても良いためコストの低減が
可能となる。勿論この構造の場合にも中間層はいくつか
の材料から構成されていても良い。中間層の特性として
は金属より熱膨張係数が低いこと、塑性変形能を有する
こと、ヤング率が低いことのいずれか一つ以上が必要と
なる。 この他のクラウニング形状の制御方法として接合を応
力印加しながら行う方法がある。例えば図9に示すよう
にセラミックス1と金属母材2を周辺部の方が曲率の小
さい型8に杵9で押しつけながら加熱・接合することに
よって、前述の周辺部の方が中央部より曲率の小さい接
合体が得られる。型形状としては図10に示すような凸型
のものも有効である。又、接合と同時に金属部の形成
(焼結や鍛造)を同時に行うことも可能である。 次に本発明摺動部材の製造方法について述べる。 本発明の方法は、(1)金属母材および摺動面を形成
する摺動面部材を準備する工程(I)と、金属母材の少
なくとも1カ所に摺動面部材を固定するため、該母材と
該摺動面部材の双方に接合面となる合せ面を加工する工
程(II)と、双方の合せ面を対向させて金属母材に摺動
面部材を加熱固定する工程(III)とを含むものであ
る。固定(接合)方法としてはロウ付、拡散接合など公
知の方法が利用できる。 又、本発明の工程(III)での摺動面部材の加熱固定
は、双方の合せ面を直接接触させて行われる方法、合せ
面間にロウ材および/又はロウ材以外の中間層材を介挿
する方法がとられる。 双方の合せ面を直接接触させる加熱固定法には用途に
よっては双方の熱膨張差を利用した加熱嵌合によって行
われる方法が含まれる。 又、双方の合せ面を直接接触させて行う方法において
も合せ面間にロウ材および/又はロウ材以外の中間層材
を介挿して行う方法のいずれにおいても、補助的に加圧
して成形する手段として、3次元のクラウニング曲面を
なす凹型によって加熱して型内加圧で行われる方法が含
まれる。 後者の型内加圧は摺動面部材を本体に加熱固定した後
に別途クラウニング量調整手段として行ってもよい。 例えば摺動面部材を母材に固定する構造をとる場合、
摺動面部材の一部である摺主摺動部にセラミックスを配
置する。つまり金属でセラミックスを保持するような摺
動部の構造をとる場合、事前に摺動部を工程(III)と
同じステップを経て作り、さらに本体に加熱固定する方
法をとってもよい。この場合の本体への固定については
用途によって機械的なネジ止め等の別の方法としてもよ
い。又、例えば以上の方法の組み合わせでセラミックを
直接本体に埋め込みセラミックの周囲の本体面にも摺動
面を形成することもできる。 又、クラウニング形状はセラミック部のみで主摺動面
からの本体を外す場合もある。 加熱固定工程(III)の雰囲気および温度とその加熱
方法については、摺動部本体材質、摺動部材質および仮
にロウ材、中間層材を介在層として用いる場合にはそれ
らの材質も含めた素材種の組み合わせクラウニング形状
の所望クラウニング量によって適宜な条件を選ぶ。 加熱時の雰囲気については通常真空又は不活性ガス
(Ar,H2,N2等)雰囲気による所定圧力下で行う。圧力は
減圧下、加圧下も含む。加熱方法については、以下の種
々の方法がある。 なお接合される部材がセラミックスの場合には、ロウ
付けによる接合を行うが、ロウ材は、セラミックスを金
属に直接接合する場合、Tiを含む銀ロウ、例えばAg−Cu
−Ti系、Ag−Ti系等が選択され、セラミックスの接合面
側にメタライズ処理されている場合は、Ag−Cu系等がよ
い。 また、ロウ付け雰囲気は非酸化雰囲気(真空およびA
r,N2,H2およびそれらの混合ガス等)が好ましい。嵌合
は圧入や焼きばめなどの公知の方法に行えばよい。 本発明では(III)の工程で摺動面部材を母材に固定
接合すると同時に前述のクラウニング比率のクラウニン
グ状の摺動面を形成することができる。この場合接合層
には中間層があってもよい。 (2)又、本発明の方法によれば工程(III)の後に母
材の摺動部を焼き入れ処理する工程(IV)を追加しても
よい。この工程の手段には同形状部のみを表面焼き入れ
する方法とこの焼き入れとともにクラウニング凹型によ
る型内加圧で成形する方法が含まれる。又これらを前後
して組み合わせる方法も含まれる。又、表面焼き入れを
行う母材としては前述のように焼き入れ後HRC45位上と
なるような銅を用いる。用いる表面焼き入れ処理法は高
周波、火炎、レーザービーム、電子ビーム焼き入れなど
の公知の方法を用いる。 又、焼き入れ処理を行う箇所の靭性を確保する必要が
ある場合は、前述のようにあらかじめ浸炭処理を施した
鋼製本体を用いればよい。なお浸炭処理の方法としては
固体、液体、ガス浸炭等の公知の手法のいずれでもよ
い。又、焼き入れ後の摺動部品本体の硬度がHRC45以上
であれば、焼き入れ温度、冷却方法は特に規定されるも
のではなく、用いた鋼材のJISに定められている方法
(例えば機械構造様合金鋼であるニッケルクロムモリブ
デン鋼であればJIS G4103)に準じて行えばよい。 又、焼き入れ処理後摺動部品本体の靭性を向上させる
ために焼き戻し処理を行ってもよい。方法は摺動部品本
体の硬度がHRCで45以上を保持できるのであれば、JISに
準拠したものを選択すればよい。 なおこの場合加熱接合は接合部の劣化を防ぐために、
好ましくは表面焼き入れ温度以上で行うことが望まし
い。 摺動面を形成する部材を摺動部品本体に取り付ける場
合は、接合や嵌合により行う。接合としてはロウ付けや
拡散接合など加熱接合、溶接や圧接などの公知の方法を
利用すればよい。 この点で前記(III)の工程での加熱接合時の温度は
表面焼き入れ処理時の温度上昇での影響がないように80
0℃以上であることが最も望ましい。例えば亜共析鋼な
らば加熱時オーステナイト相のみとなるAC3またはAC1
態点以上30〜50℃が焼き入れ時の適当な加熱温度とされ
ているので、接合温度は800℃を超えることが好まし
い。 図面の簡単な説明 図1 本発明を適用したディーゼル商用車の動弁系OHV方式
のタペットの説明図である。 図2 本発明を適用したタペット部品の説明図である。 図3 セラミックスと金属母体との熱膨張係数差に基づくク
ラウニング形成の説明図である。 図4 同じく発生応力及びクラック発生の説明図である。 図5 本発明において中間層を用いた例の説明図である。 図6 本発明においてクラウニング形状を制御する説明図で
ある。 図7 中間層の中央部と周辺部で特性の異なる材料を用いる
例の説明図である。 図8 中間層を周辺部のみに用いた例の説明図である。 図9 クラウニング形状制御方法の説明図である。 図10 型形状の一例を示す説明図である。 図11 実施例1におけるタペットの例の説明図である。 図12 落下型シャルピー衝撃試験の説明図である。 図13 カムの摩耗状態の説明図である。 図14 実施例6で用いた金属母材の形状を示す説明図であ
る。 図15 市販の軽油燃料ポンプのカム/ピストン機構の説明図
である。 図16 本発明をタペットに応用した例の説明図である。 図17 本発明をタペットに応用した例で中間層とろう材を用
いた例の説明図である。 図18 同じく中間層の材質を中央部と周辺部で変えた例の説
明図である。 図19 同じく中間層を周辺部のみとした例の説明図である。 図20 カーボン製のモールドと杵を用いた例の説明図であ
る。 図21 モールドの寸法の一例の説明図である。 図22 本発明を適用したタペットの説明図である。 図23 タペットの使用状態の説明図である。 符号の説明 1 摺動面部材(セラミックスは一具体例) 2 金属母材 3 カム 4 プッシュロッドド 5 金属母材摺動面 6 周辺部中間層 7 中央部中間層 8 型 9 杵 10 タペット本体(金属母材) 11 ろう材(銀ろうは一具体例) 12 中間層 13 周辺部中間層 14 中央部中間層 15 中間層 16 型 17 クラック 18 中間層 19 プッシュロッドドとの摺動面 20 衝突材 21 周辺部中間層 22 焼き入れ箇所 23 プッシュロッド 発明を実施するための最良の形態 実施例1 市販のSi3N4、Al2O3、Y2O3粉末を各々93重量%、2重
量%、5重量%配合し、エタノール中で72時間湿式混合
した後、乾燥粉末を作製した。この粉末を圧力1.5トン/
cm2にてCIP成形した後、1700℃、4時間、窒素ガス2気
圧にて焼結した後、更に1650℃、1時間、窒素ガス1000
気圧中にてHIP処理を施した。得られた焼結体より直径2
mm、厚み0.5〜3mmの素材を切り出し、1面については砥
粒平均粒径7〜11μmのダイヤモンド砥石により、面粗
度を十点平均高さ粗さで0.3μm以下になるような仕上
げ研削加工を施した。得られた摺動面材1を図11に示す
形状のSCr420で作製した金属母材2にAgを主成分とする
ロー材を用いて真空中、1時間、780〜900度の種々の温
度にて接合した後、JIS準拠のSCr420の焼入れ処理を行
いタペット部品を作製した。ロウ付層の厚みは17μmで
あった。得られたタペット部品のプッシュロッドとの摺
動面5の硬度を測定したところ、HRC=50であった。こ
の部品を市販の商用車用OHV方式のヂーゼルエンジンに
組み込み、市内走行を4万km実施後の回収エンジンオイ
ルを用いて、機関回転数1000rpmにて200時間耐久試験を
行い、プッシュロッドの先端および金属母材側の受け面
の摩耗量を測定した。以上の結果を表1にした。表1中
でクラウニング最大高さの比率(クラウニング比率)を
決める接合最大長さは接合面直径の25mmとした。また、
摩耗の判定については、プッシュロッド先端および母材
側受け面の摩耗量の和が10μm以上の場合に「摩耗有
り」、10μm未満の場合に「摩耗ナシ」と記述した。一
方、表2にはここで用いたSi3N4焼結体の特性を示し
た。ここで曲げ強度については、JISR1601に準拠して測
定した。またシャルピー衝撃値についてはJISR1601に準
拠した試料を用いてスパン30mmの無溝による測定を実施
した。また熱衝撃温度差についてもJISR1601に準拠した
試料を用いて、水中投下法により評価した。 以上によりクラウニング比率が0.1〜0.4の間で摩耗が
生じず、良好な摺動性能が得られることが明らかとなっ
た。 実施例2 実施例1と同様に原料粉末を配合しCIP成形した後、1
600〜1800℃、1〜6時間、窒素ガス2気圧の種々の雰
囲気下で作製した焼結体を1部、実施例1と同様のHIP
処理を実施し素材を作製した。作製した素材を実施例1
と同様の形状をしたSNCM616の金属素材に実施例1と同
様の条件範囲に接合し、さらにJIS準拠のSNCM616の焼入
れ処理を行い、タペット部品を作製した。ロウ付層の厚
みは17μmであった。得られたSi3N4焼結体の特性およ
び同セラミックを摺動面部材としたタペット部品の摺動
性能を実施例1と同様の手法、同様の基準により評価し
表3中に示した。 一方、得られた部品を実施例1と等価である図12に示
す落下型シャルピー衝撃試験により破壊評価試験を実施
し、Si3N4部の破壊の有無を評価した。尚、シャルピー
衝撃試験の条件は衝突速度が3.5m/秒、衝撃エネルギー
が30Jとした。また衝突材6の先端形状はカムの先端形
状を想定し、R=3〜4mm、幅20mmのカム先端形状相当
とした。ここでSi3N4部の破壊の有無は衝撃荷重80kNを
負荷し、破壊のあったものを「破壊有り」、破壊のなか
ったものを「破壊ナシ」として併せて表3中に示した。 以上の結果より摺動面にJIS準拠の4点曲げ強度が100
kg/mm2以上、シャルピー衝撃値が15kJ/m2以上で、熱衝
撃温度差が800℃以上のSi3N4焼結体で構成されたクラウ
ニング比率が0.1〜0.4%であるセラミックスをタペット
部品に用いることで特に摺動時の高い衝撃破壊に対する
信頼性の高い部品が得られることがわかる。一方、JIS
準拠の4点曲げ強度が100kg/mm2未満のSi3N4を用いると
この実施例1と同じ耐久試験によるプッシュロッド先端
および金属母材側の受け面の摩耗は生じず、摺動に障害
はないがクラウニング比率が好ましい範囲内でも、クラ
ウニング比率を大きくとるセラミックの外周部に微小な
割れが生じているのが観測され、本耐久試験を越える苛
酷な環境下でこの種のセラミックスを万全な状態で利用
するためには、後述の実施例のように予め接合部に中間
層を入れたり、中央と外周のクラウニング比率を変える
等の工夫が必要であることがわかる。 実施例3 実施例1と同様のSi3N4素材を用いて、その摺動面の
面粗度と厚みを種々変化させた接合材を作製した。この
場合のロウ層の厚みは17μmであった。その接合材を実
施例2で示した金属母材に、図11中で3mm厚さに表示さ
れている母材中心線に対する最小厚さをSi3N4摺動材の
厚さに対する比率を種々変化させて接合し、さらにJIS
準拠の焼入れ処理を行いタペット部品を作製した。ここ
で接合個数は同一条件では20個としてそのクラウニング
比率について最小値と最大値の範囲で表4中に示した。
更に種々のタペット部品を実施例1と同様のエンジンを
用いてプッシュロッド及びプッシュロッド受け面の摩耗
を実施例1と同様の評価を行いその際のカムの摩耗状況
を図13に示すカムノーズ高さの摩耗量にて評価し、この
摩耗量が5μm以上の場合を「摩耗有り」、5μm未満
の場合を「摩耗ナシ」と評価し、各々表4中に示した。 以上の結果より、例えばNo.4にみられるようにクラウ
ニング比率は0.1〜0.4%の範囲内に有るが、母材最小厚
さ比率が0.5未満の場合には、クラウニング比率のロッ
ト内でのバラツキが大きくなり性能のバラツキが生じ易
くなる。またNo.1,No.7にみられるように動面の表面粗
度が十点平均高さ粗さで0.4μmを越えるとカムノーズ
の摩耗が生じ易くなることが分かる。さらにクラウニン
グ比率が0.10未満の場合はプッシュロッドおよび受け面
の摩耗のみならず、タペットの回転不良によりカムノー
ズの摩耗も生じ好ましくないことが分かる。 実施例4 実施例1と同様のSi3N4素材を用いて、実施例2に示
す母材を用いて、摺動材の厚みを種々変化させた接合材
を用いタペット部品を作製した。部品のロウ付層の厚み
は16μmであった。このタペットを用いて実施例1と同
様のエンジンを用いてプッシュロッド及びプッシュロッ
ド受け面の摩耗及び、カムの摩耗を実施例3と同様の評
価を行い、各々表5中に示した。 更に実施例2と同様の衝撃試験によりセラミック部の
破壊の有無を評価した結果も表5中に示した。 以上より摺動面の厚さ比率が0.01〜0.05の範囲であれ
ば、プッシュロッド及び受け面、カムノーズの摩耗がな
く、かつ衝撃特性に優れたタペット部品を得られること
が明らかである。又、摺動面の厚さ比率が0.01を越え大
きくなると、セラミック部の変形量が十分にとれず、ク
ラウニング比率が小さくなることが明らかである。 実施例5 実施例2で得られた種々のSi3N4接合材の表面粗さを
十点平均高さ粗さで0.1μm以下に鏡面仕上げ加工した
後、その表面の10mm×10mmの視野に観察される気孔率を
面積率で評価した結果を表6に示す。一方、この接合素
材を実施例2と同様の接合によりタペット部品を作製し
た。ロウ層は17μmの厚みであった。これを実施例3と
同様の評価を実施し、プッシュロッド及びプッシュロッ
ド受け面の摩耗及び、カムノーズの摩耗を評価した結果
を表6に示す。 以上より摺動面の気孔の面積率が0.5%を越えるとカ
ムノーズに若干の摩耗が生じるが0.5%以下の場合はカ
ムノーズの摩耗がないことが明らかとなった。 実施例6 市販の窒化ケイ素セラミックスより直径10mm、厚み1.
5mmの素材を切り出し、1面についてはダイヤモンド遊
離砥石によるラッピングにより、表面粗さを十点平均高
さ粗さで0.3μmに仕上げ加工を施した。得られた窒化
ケイ素摺動面材1を図14に示す形状のJIS準拠のSCM420
鋼材で作製した金属母材2にAgを主成分とするロー材を
用いて真空中、1時間、780℃の温度にて接合加工した
後、接合界面より金属母材に対し、1〜3mm長さの範囲
及び摺動部材を接合した対抗面を高周波により表面焼き
入れとし、窒化ケイ素摺動部材に10〜15μmのクラウニ
ング形状を設けると共に、表面硬度をHRC42に調整した
プッシュロッド部品23を作製した。一方、これとは別に
上記の1〜3mmの範囲のみ焼き入れを実施せず、窒化ケ
イ素摺動部材のクラウニング形状が5μm以下の比較例
1及び表7に示した種々の表面処理を行った金属単体の
プッシュロッド比較例2〜4及びG2級超硬合金を用いた
比較例5を、図15に示した市販の軽油燃料ポンプのカム
3/ピストン4機構に組み込み1,000時間の耐久評価を行
い、各部品の長さ方向の総摩耗量、すなわちプッシュロ
ッド23先端および本体母材受け面の摩耗量の総和を測定
した。この結果を同表中に示した。
【実施例】
実施例7 セラミックスとしてY2O3−Al2O3を主成分とする焼結
助剤を用いた、JIS4点曲げ強度が1350MPaの表面すべて
を#800のダイヤモンド砥石で研磨し10点平均表面粗さ
を0.3μmとしたSi3N4(外径28mm、厚さ2mm)焼結体を
作製した。尚、このSi3N4焼結体の耐熱衝撃性を示す温
度差は800℃であった。図16に示すように、このSi3N41
の表面をTi−Cu−Agの順にイオンプレーティングでメタ
ライズした。各層の厚さは0.5μmとした。このSi3N4
固相点780℃の銀ろう11(Ag−Cu)を用いて、高真空
中、810℃で10分加熱してSCr420鋼製のタペット本体10
とろう付し接合体を得た。ろう付後の冷却に要した時間
は2時間であった。メタライズ層並びに銀ろう33からな
る接合層の厚みは17μmであった。又タペット本体10の
接合層の周辺には750℃で高周波加熱によって表面焼き
入れを行った。同部の硬度はHRCで50であった。又、表
面焼き入れ後の接合体にはクラックが見られず、摺動面
のクラウニング量すなわちクラウニング形状部の最大凸
部高さhは75μm(摺動面最大長lの0.26%)であっ
た。このタペットを実施例1と同様の耐久試験を行い実
施例1と同様にカムノーズの摩耗量を確認したところ総
摩耗量は2μmであった。 実施例8 セラミックスとして実施例7と同じ形状ではあるが、
4点曲げ強度が1500MPaのSi3N4を作製し、メタライズす
ることなく、表8に示すろう材を用い、高真空中、同表
の温度で10分間加熱してSNCM630鋼と接合した。冷却はA
rガスによる強制空冷により300℃までは50℃/分、それ
以降は20℃/分としたロウ付層の厚みは17μmであっ
た。得られた試料は蛍光探傷試験によるクラックの有無
の確認とクラウニング量の確認をし、金属部分の硬度測
定を行った。 Ag−Cu−Tiろう材を用いて980℃でろう付した試料No.
3にはセラミックス部のクラックは見られなかったが接
合面で剥離していた。No.3を除き実施例1と同一条件の
耐久試験およびその場合のカムノーズの摩耗量を確認し
た結果もあわせて表8に示す。 実施例9 セラミックスとしてY2O3−Al2O3を主成分とする焼結
助剤を用いた、直径25mmの表9の強度・厚さのSi3N4
焼結体を作製した。接合面を#800のダイヤモンド砥石
で研削し、摺動面は鏡面加工し十点平均最大高さ粗さで
0.2μm以下とした。図17に示すようにこのセラミック
ス1とSKC31鋼材で作製した、同径のタペット本体10と
を、表9に示す中間層12を介在させて、Ag−Cu−Tiろう
材11を用いて高真空中、820℃で接合し接合体を得た。
冷却速度は200℃までは50℃/分、それ以降は10℃/分
とした。実施例8に示す蛍光探傷、クラウニング量確認
試験の他、接合体の摺動部に鋼製のハンマー(先端形
状:R=2.5mm、長さ17mm)を落下させ、その時に生じる
衝撃荷重をハンマーに取り付けたロードセルによって測
定する、前記実施例2(図12)と同様のいわゆる計装化
シャルピー試験装置による衝撃試験を行った。鋼材部分
の平均硬度はHRC=48であった。同表の最終列に示した
本発明のタペットは実施例1と同様のエンジン試験の結
果、クラウニング部に対する相手カムノーズ部の摩耗量
は5μm以下と小さく高い耐久性を示した。 実施例10 ろう材としてAg−Tiを用い、980℃でろう付けした他
は実施例9と同様の試験を行ったところ表10の結果が得
られた。鋼材部分の平均硬度はHRC=50であった。なお
摺動面部材の表面粗さは十点平均高さ粗さで0.2μmで
あった。同表の最終列に示した本発明のタペットは実施
例1と同様のエンジン試験の結果、クラウニングに対す
る相手カムノーズ部の摩耗量は5μm以下と小さく高い
耐久性を示した。 実施例11 セラミックス摺動面部材及び中間層として表11に示し
た直径12mm一面の表面粗さを十点平均高さ粗さで0.2μ
mとした材料を用い、同径の厚さ5mmのSCr420鋼と、Ag
−Cu−Tiろう材を用いてAr雰囲気中、820℃で15分保持
して接合体を得た。冷却速度は10℃/分とした。同表に
結果を示す。表中の右端の○印が本発明例である。 この様にヤング率及び降伏応力が高く、熱膨張係数が
接する摺動面部材に近接した中間層を介在させることに
より、クラウニング量の大きな接合体を得ることができ
た。ただし、本表のAl2O3,SiCは強度がSi3N4,WC−Coに
比べて低いため中間層の選択範囲は狭く、形成し得るク
ラウニング量の上限も低い。実施例1と同様の耐久試験
の結果、相手カムノーズの摩耗量は6〜8μmでタペッ
ト自体及びその接合部とも異常な摩耗損傷はなかった。 実施例12 図18に示すようにセラミックスとして直径30mmで厚さ
が2.5mmの4点曲げ強度が1350MPaから800MPaのSi3N41
を、金属として同径のSKD11製タペット本体10を、さら
に中間層を介して接合した。中間層は周辺部中間層とし
て外径30mm、内径22mmの厚さ1.2mmのリング状材料を中
央部中間層14として外径22mm、厚さ1.2mmの材料を作製
し、これらの材料を同図のように組み合わせ、実施例11
と同じ条件、ろう材11で接合して接合体を得た。尚、外
側中間層として用いたNi,Cuの室温における降伏応力は
各々180MPa,90MPaであり、表中の他の材料の降伏応力は
300MPa以上であった。 接合した試料についてはクラックの有無の他、クラウ
ニング量と曲率比(中央部直径15mmの範囲の曲率に対す
る周辺部4mm範囲の曲率の比率)を測定した。これらの
結果を表12に示す。この結果より中間層の周辺部のヤン
グ率並びに降伏応力が中心部のそれより低いもので容易
に大きいクラウニングが得られている。又、この中でN
o.9のように本発明例のように曲率比が0.8を越す場合に
はセラミックス部の接合界面付近にクラックが生じた。
以上本発明例試料タペットにつき実施例1と同様の耐久
試験を行ったところ、相手カムノーズの摩耗は4〜6μ
mでタペット自体及びその接合部とも異常な摩耗損傷は
なかった。この様にクラウニング形状を外周部ほど曲率
が低くなるように抑制することにより、比較的低強度の
セラミックスを用いた場合にもクラックが発生すること
なく大きなクラウニングを得ることができた。 実施例13 実施例12において内側中間層を用いず図19に示すよう
に、中央部をセラミックス1と金属製タペット本体2の
間に実施例12と同じろう材11のみが介在して接合された
構造とし、表13に示す外周部中間層15のみを用いた他
は、同じ接合及び試験を行った。その結果も併せ同表に
示す。なお金属部の熱膨張係数は13×10-6K-1、ヤング
率は2.0×105MPa、降伏応力は300MPaであった。この様
に外側にのみ中間層を用いた場合にも応力緩和効果が大
きくクラウニング量の大きな接合体が得られた。 実施例14 図20に示すようにカーボン製型16、カーボン製杵17、
曲げ強度1350MPaのSi3N41(直径16mm、厚さ2mm)焼結体
と鉄基焼結合金の原料粉末18(緻密化後の厚さが6mmと
なるよう秤量)をセットし、真空中30MPaの加圧下、100
0℃で5分保持した。金属部の焼結が十分に進んでいた
他、セラミックス部にクラックがない良好な接合体が得
られた。クラウニング量は30μmであり、直径の0.19%
に相当した。 実施例15 実施例7と同様のメタライズを行った直径20mm、厚さ
1.0mmの強度1350MPaのSi3N4焼結体と同径で厚さが1mmの
中間層となる超硬合金板及び同径で厚さ10mmのクロム・
モリブデン鋼の間に固相点が780℃の銀ろうを介在させ
カーボンモールド中にセットした。 Si3N4板は図21に示す中央部が10μm低く、周辺3mm部
分が平坦なカーボン型と接するようにセットした。これ
らの試料を荷重をかけない状態で真空中、810℃に加熱
して3分間保持した後、400MPaの圧力を印加して1分間
保持し、円柱状接合体を得た。接合体にはクラック等の
欠陥は見られず、クラウニング量は55μm、周辺部(同
図A部=周辺から3mmの範囲)の中央部(同図B部=中
央部直径8mmの部分)に対する曲率比は0.75であった。
同様の接合を全面が平坦なカーボン型を用いて行ったと
ころ、クラウニング量は48μm、曲率比は0.9であり、
型形状を変化させた効果が見られた。 実施例16 図22に本発明に基づく摺動部品の例として作製したタ
ペットを示す。本タペットは図23に示す実際の使用状態
からもわかるように摺動面1の摺動条件が特に厳しく、
本発明に基づきSi3N4製摺動部材Aを摺動面1を形成す
るためにロウ付け、または超硬合金を拡散接合(1050
℃)により接合している。なお、図23中3はカム、4は
プッシュロッド部品を示す。Si3N4製摺動面部材Aは以
下に示すように作製した。 市販のSi3N4粉末に焼結助剤として5重量%のY2O3
2重量%のAl2O3を加え、エタノール中でボールミルに
よる混合を48時間行った。乾燥後、得られた混合粉末を
プレス、CIPを行った後、2気圧の窒素ガス雰囲気中に
おいて1700℃、4時間の条件で焼結し、その後1000気圧
の窒素ガス雰囲気中において1700℃、4時間の条件で焼
結し、その後1000気圧の窒素ガス雰囲気中で1650℃、1
時間のHIP処理を行った。 得られた焼結体より直径30mm、厚さ1mmの素材を切り
出し、摺動面となる平面部を平面度10μm、表面粗さ0.
3μm以下(十点平均高さ粗さ)に加工した。得られた
焼結体の機械的特性を表14に示す。 タペット本体10はニッケルクロムモリブデン鋼SNCM61
6(JIS G4103)を用い、ガス浸炭処理を920℃、120分の
条件で行い、その後ロウ付け面および外周部に研磨加工
を施した。 摺動部材Aとタペット本体10を厚み50μmのAg−Cu−
Ti系ロウ材を介して真空中で900℃、30分保持の条件で
ロウ付けを行った。 ロウ付けされたタペットを種々の温度に加熱し、空冷
により焼き入れ処理を施した。すべての加熱温度におい
て焼き入れ処理後、窒化珪素製摺動部材Aには割れは生
じていなかった。タペットのクラウニング比率はほぼ0.
2%であった。 比較例として浸炭処理を施さないもの、またタペット
全体をチル鋳鉄にした物を作製した。以上作製した種々
のタペットを市販の商用車用OHV方式のディーゼルエン
ジンに組み込み、劣化オイルを用いて機関回転数1000rp
mにて200時間耐久試験を行い、金属母材の摺動面19の摩
耗量を測定した。 結果を表15に示す。ただし摩耗の判定は摩耗量が10μ
m未満の場合は「摩耗無」、10μm以上の場合は「摩耗
有」とした。又、ロックウェル硬度のCスケールで評価
したタペット本体(金属母材)10の硬度も同時に示す。 実施例17 実施例16で得られた窒化珪素と市販の種々のセラミッ
クスを実施例16と同様の形状に加工した後、クロム鋼SC
r420(JIS G4104)製タペット本体10にロウ付けし、接
合体に焼き入れ処理を施した。タペット本体10の硬度は
HRCで49であった。 タペット本体に施した浸炭処理および研磨加工、また
ロウ付け処理は実施例16と同様であり、焼き入れ処理は
850℃で油冷により行った。クラウニング比率は0.20%
であった。作製したタペットにおける実施例16と同様の
耐久試験を実施した後の種々のセラミックス製摺動部材
Aの状態を焼き入れ後の状態と共に表16に示す。 なお、No.9〜11の市販セラミックの中ではSi3N4が最
も好ましい状況を示すが、本実施例の場合中間層による
熱応力の緩衝効果がなく、又、接合、焼き入れ時の温度
が高いため接合部の界面セラミックス部に微小な割れが
生じた。 なおこのようなセラミックでも中間層を設けて試行し
たところ、同じクラウニング量でもセラミックスに割れ
は生じず、耐久試験でも以上は生じなかった。 実施例18 JIS曲げ試験片形状で測定した抗折強度が90kg/mm2
あるSi3N4素材と同じ条件で作製した直径25mm、厚さ1.1
mmのSi3N4円板と実施例1において接合したSCr420鋼製
のタペット母材より接合面とプッシュロッド受け部間の
間隔が1mm小さい母材を、Ti−Cu−Agロウ材を用いて高
真空中840℃で20分保持し、ロウ付接合した。ロウ付の
際、介在させるロウ材の厚さを50〜100μmの範囲で、S
i3N4にのせる重りを50〜500gの範囲で変化させることに
よって、接合後のロウ材の厚さが7〜55μmの試料を得
た。表16に示すように、ロウ材厚さが極端に薄い7μm
の試料に熱応力に起因する割れが見られたのを除けば、
全試料共熱応力による割れはなかった。超音波探傷法に
よる接合面の欠陥調査において、欠陥率はすべて3%以
下であり良好な接合が形成されていた。又、なめらかな
クラウン形状が形成されていた。 母材部の硬度を向上させるため実施例1と同様のJIS
に準拠した焼き入れ処理を実施した。プッシュロッド部
と接合面5の硬度は、HRC=51であった。破損の有無を
調べたところ、表17に示すようにロウ材厚さが15μmに
満たない場合にはSi3N4に割れが生じることがあった
(本母材では接合面とプッシュロッドの距離が小さいの
に加え、ロウ材が薄い場合には、その塑性変形による緩
衝効果が低く鋼材部分の歪みが直接Si3N4に伝わったた
めと考えられた) 割れのない試料について、Si3N4の面に1mの高さから
直径15mmの鋼球を落下させ、Si3N4の損傷の有無を調べ
る試験を行った。表17に示すように、ロウ材厚さが25μ
mを越える領域では破損することがあり、その割合はロ
ウ材が厚くなるに従って増加した。破損した試料を切断
して断面を観察したところ、ロウ材部の塑性変形が観測
された。 産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明によれば、自動車エンジ
ンの動弁系部品、カムフォロワーやロッカーアーム、軸
受等の耐摩耗性を要求される摺動部材、特に金属母材と
セラミック摺動部材とを接合した耐久性の高い摺動部材
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 久雄 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−225728(JP,A) 特開 平1−181988(JP,A) 特開 平6−92749(JP,A) 特開 平4−203206(JP,A) 特開 平2−55809(JP,A) 特開 平4−2672(JP,A) 特開 平4−12609(JP,A) 特開 平4−159403(JP,A) 特開 平2−49956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/14,1/18 C04B 37/02

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化ケイ素系セラミックス材料からなる摺
    動面部材より熱膨張率の大きい金属母材に摺動面部材を
    接合し、摺動面部材の接合面の最大長さに対する厚さの
    比が0.01以上0.05未満であり、摺動面最大長さに対し、
    0.1〜0.4%の最大高さのクラウニング形状を有する摺動
    部品。
  2. 【請求項2】窒化ケイ素材料のJIS準拠の4点曲げ強度
    が、100kg/mm2以上、シャルピー衝撃値が15kJ/m2以上、
    熱衝撃温度差が800℃以上、かつ摺動面に開口している
    気孔の面積率が摺動面面積に対し、0.5%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の摺動部品。
  3. 【請求項3】金属母材の接合面に垂直な中心線に対する
    最小厚さの、摺動面部材の厚さに対する比率が0.5以上
    であることを特徴とする請求項2記載の摺動部品。
  4. 【請求項4】摺動面の表面粗さが十点平均高さ粗さで0.
    4μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかの摺動部品。
  5. 【請求項5】摺動面のクラウニング形状の周辺部の曲率
    が中央付近の曲率の0.8倍以下であることを特徴とする
    請求項1記載の摺動部品。
  6. 【請求項6】金属母材が鋼であり、少なくともその表面
    がマルテンサイト組織を有し、硬度がHRC45以上である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の摺動
    部品。
  7. 【請求項7】セラミックスと金属母材の間に中間層を用
    いることを特徴とする請求項1又は6記載の摺動部品。
  8. 【請求項8】中間層にヤング率がセラミックスより大き
    な金属又はサーメットを用いることを特徴とする請求項
    7記載の摺動部品。
  9. 【請求項9】中間層が4.5×105MPa以上のヤング率の材
    料からなることを特徴とする請求項7記載の摺動部品。
  10. 【請求項10】請求項7の中間層において周辺部分の熱
    膨脹係数が、中心部よりもセラミックスの熱膨脹に近い
    ことを特徴とする摺動部品。
  11. 【請求項11】請求項7又は9のいずれかの中間層にお
    いて、周辺部分のヤング率が中心部のヤング率より低い
    ことを特徴とする摺動部品。
  12. 【請求項12】請求項7又は9のいずれかの中間層にお
    いて、周辺部分の降伏応力が中心部の降伏応力より低い
    ことを特徴とする摺動部品。
  13. 【請求項13】セラミックスと金属母材との接合面の周
    辺部分のみに中間層を用い、他の部分は中間層を用いる
    ことなく接合されたことを特徴とする請求項5記載の摺
    動部品。
  14. 【請求項14】請求項13の中間層が金属母材とセラミッ
    クスの中間の熱膨脹係数又は塑性変形能を有する摺動部
    品。
  15. 【請求項15】請求項13又は14の中間層が金属母材より
    ヤング率が低いことを特徴とする摺動部品。
  16. 【請求項16】セラミックスと金属母材との間がロウ付
    けによって接合されたことを特徴とする請求項1又は15
    記載の摺動部品。
  17. 【請求項17】請求項16のロウ材の固相点が700℃以上
    である摺動部品。
  18. 【請求項18】請求項16のロウ材の固相点が850℃以上
    である摺動部品。
  19. 【請求項19】請求項18のロウ材が銅を含まないことを
    特徴とする摺動部品。
  20. 【請求項20】請求項19のロウ材がAg−Ti系であること
    を特徴とする摺動部品。
  21. 【請求項21】摺動面部材より熱膨脹率の大きい金属母
    材に摺動面部材を接合し、摺動面部材の摺動面にクラウ
    ニング形状を付与する摺動部品の製造方法であって、金
    属母材及び摺動面を形成する窒化ケイ素系セラミックス
    材料からなる摺動面部材を準備する工程(I)と、金属
    母材の少なくとも1ケ所に摺動面部材を固定するため、
    該母材と該摺動面部材の双方に接合面となる合せ面を加
    工する工程(II)と、双方の合せ面を対向させて金属母
    材に摺動面部材を配置して加熱し、摺動面部材の摺動面
    に対応する接合面の最大長さに対する厚さの比を0.01以
    上0.05未満の範囲とした条件下で、それらの接合固定と
    同時に摺動面最大長さに対して0.1〜0.4%の最大高さを
    なすような形状のクラウニング形成を行う工程(III)
    とを含む前記クラウニング形状を有する摺動部品の製造
    方法。
  22. 【請求項22】前記(III)の工程で、前記クラウニン
    グ状の摺動面を特定形状の型に押しつけ、同形状を調整
    することを特徴とする請求項21記載の摺動部品の製造方
    法。
  23. 【請求項23】前記金属母材が鋼であり、前記の(II)
    の工程と(III)の工程との間に該母材を浸炭処理する
    工程と前記(III)の工程に加え、さらに該母材の摺動
    面に焼き入れ処理する工程(IV)を含むことを特徴とす
    る請求項21〜22記載の摺動部品の製造方法。
  24. 【請求項24】前記(IV)の焼き入れ処理温度が前記
    (III)の加熱固定温度以下である請求項(23)記載の
    摺動部品の製造方法。
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