JP3038527U - ガスバーベキューグリル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火後短時間のうちに所定の火力を得ること
ができ、火力調整を簡単に行うことができ、後始末も容
易なバーベキューグリルを提供する。 【解決手段】 本体(１)の上面開口部に金網(４)を設置
し、本体(１)の内部に棒状ガスバーナ(２)を配置したガ
スバーベキューグリルである。本体(１)の内部で棒状ガ
スバーナ(２)の上方で金網(４)の下側となる位置に金属
製輻射板(３)を配置する。この輻射板(３)は棒状ガスバ
ーナ(２)の中心軸と直交する方向での中央部が両端縁よ
りも僅かに高い山形に形成してある。輻射板(３)の両傾
斜面(８)に傾斜方向上手側と上側部分とを覆ってルーバ
ー状に構成したフレームホール(９)を所定間隔置きに開
口する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する分野】

本考案は、いわゆるアウトドアで使用するバーベキューグリルに関し、特に、 燃料としてカセットボンベを使用するガスバーベキューグリルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

アウトドアで使用するバーベキューグリルとしては一般に、本体内に炭等の固 形燃料を充填し、本体の上面開口部に金網を配置したものが多様されている。と ころが、固形燃料を熱源とするバーベキューグリルでは、使い終わった後に灰が 大量に出ることから処分に困る、食事が終わっても残り火があって安全性に問題 がある、所定の火力になるまで時間がかかる、火力調整が難しいという諸問題が ある。

【０００３】 そこで、液化ガスを貯蔵したガスカートリッジ(カセットボンベ)を使用するガ バーベキューグリルも提案されている。このガスバーベキューグリルは本体内に 溶岩石を充填し、この溶岩石をガスバーナで熱するように構成し、本体の上面開 口部に金網を配置して溶岩石からの輻射熱を熱源に使用するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、この溶岩石を使用しているガスバーベキューグリルでも、ガスに点 火してから、溶岩石が輻射熱を発するまでに時間がかかる、細かな火力調整がし にくい、溶岩石と金網までの間隔があることから、風があると熱に片寄りがでる という問題があった。また、この溶岩石を使用しているものでは、肉や魚を焼い た際に落下して溶岩石に付着した油分が除去しにくいことから、後日使用した際 に前回の匂いが新たな肉や魚に付着するという問題があった。

【０００５】 本考案は、このような点に着目してなされたもので、点火後短時間のうちに所 定の火力を得ることができ、火力調整を簡単に行うことができ、後始末も容易な バーベキューグリルを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために請求項１に記載の考案は、ガスバーベキューグリ ルの本体内部で棒状ガスバーナの上方で金網の下側となる位置に金属製輻射板を 配置し、この輻射板は棒状ガスバーナの中心軸と直交する方向での中央部が両端 縁よりも僅かに高い山形に形成してあり、輻射板の両傾斜面にはフレームホール を所定間隔置きに開口するとともに、この各フレームホールを傾斜方向上手側と 上側部分と覆ったルーバー状に構成したことを特徴としている。

【０００７】 請求項２に記載の考案は、請求項１の構成に加えて、輻射板に開口形成するフ レームホールを半球状に形成した突起の傾斜下手側に対応する部分を切除して形 成したことを特徴としている。 また、請求項３に記載の考案は、請求項２の構成に加えて、輻射板の周縁と本 体の内周面との間に隙間をもたせて配置することを特徴としている。 さらに、請求項４に記載の考案は、請求項３の構成に加えて本体内に装着する 棒状ガスバーナをあらかじめ下に凸の形状に湾曲させて配置したことを特徴とし ている。 また、請求項５に記載の考案は、請求項４の構成に加えて、棒状ガスバーナに 接続するガスカートリッジを本体に対して傾斜姿勢で装着するようにしたことを 特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案では、ガスバーナと金網との間に金属製輻射板を配置し、この金属製輻 射板はガスバーナの中心軸と直交する方向での中央部が両端縁よりも僅かに高い 山形に形成してあるので、ガスバーナの点火後短時間のうちに輻射板が加熱され 、調理可能な状態になる。

【０００９】 金属製輻射板は山形に形成してあることから、金網上の被調理品から滴り落ち る油脂や肉汁は輻射板の傾斜面を流下することになり、流下した油脂や肉汁は特 定の部分にまとまることになるから、使用後の後片付けが容易になる。しかも、 輻射板には複数のフレームホールが整然と開口していることから、バーナの炎や 燃焼ガスがフレームホールから輻射板の上方に抜ける。これにより、輻射板から の輻射熱に加えて、バーナの炎や燃焼ガスの保有熱が金網上の被調理品に作用す ることになるから、小出力のガスバーナでも金網の全範囲で調理することができ る。また、フレームホールの傾斜方向上手側部分及び上側部分は覆われているこ とから、輻射板上を流下する油脂や肉汁がフレームホールからバーナ部に落下し てバーナを汚すことがない。

【００１０】 請求項３に示すように、輻射板の周縁部分と本体の内周面との間に隙間を持た せて配置しておくと、輻射板下側の燃焼ガスがこの隙間部分から上昇することに なるから、輻射板下側部分に熱気がこもることがなく、本体の下側部分での過熱 を防止することができる。

【００１１】 また、請求項４に示すように、本体内に配置した棒状ガスバーナを下に凸とな る湾曲状に形成した場合には、ガス燃焼に伴う熱変形でバーナの上半分が熱膨張 して伸びた際にバーナが一直線になり、輻射板までの距離を均等に取ることがで きるようになる。

【００１２】 さらに、請求項５に示すように、液化ガスを貯蔵しているガスカートリッジを 傾斜姿勢で設置するようにした場合には、ガスカートリッジ内での液面の面積が 増大することから、気化量が増大し、長時間にわたって安定した燃焼を継続する ことができる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１はガスバーベキューグリルの分解斜視図、図２は組み付け状態での中央縦 断面側面図、図３は輻射板及び金網を外した状態での縦断正面図である。 このバーベキューグリルは、上面を開放する状態に形成した金属受皿状の本体 (１)と、この本体(１)内に配置される棒状ガスバーナ(２)と、本体(１)の開口近 傍部分に配置される琺瑯製の輻射板(３)と、本体(１)の開口部に載置される金網 (４)とで構成してあり、本体(１)の外周面には支持脚(５)が折り畳み可能に枢支 してある。

【００１４】 棒状ガスバーナ(２)は、幅方向の中央部に劣弧状溝を凹設した一対の帯板を溝 開口部同士が対向する状態で配置し、その重なり合っている両側の鍔部分をそれ ぞれかしめ止めするとともに、適当間隔置きにスポツト溶接することにより形成 してあり、その上側となる帯板の溝対応部分の周壁での鍔部への移行部分にガス 噴出孔(６)が溝の長手方向に列状に形成してある。そして、この棒状ガスバーナ (２)の一端部はバルブブロック(７)に接続しており、他端部は封着してある。ま た、ガス噴出口(６)は、長さ方向で１／３毎に口径が変えてあり、バルブブロッ ク(７)側の１／３を小口径に、中央部の１／３を中間の口径に、先端側の１／３ を大口径に形成して、ガス流れ方向の上流側ほどガス噴出時の抵抗になるように 構成してある。なお、この棒状ガスバーナ(２)は本体(１)内に下に凸の湾曲状で 配置してある。

【００１５】 輻射板(３)は、棒状ガスバーナ(２)の配設方向と平行に稜線が位置する山形に 形成してあり、図４に示すように、各傾斜面(８)に傾斜下手側周壁を切除してフ レームホール(９)に形成した半球殻状突起(10)が形成してある。この輻射板(３) は、本体(１)の側壁(11)を貫通して本体(１)内に突入している支持脚(５)の上端 部分に受け止められて本体(１)内に保持されるようになっており、その保持部分 を除く傾斜下手側の周縁部は少し切り込んであり、輻射板(３)を本体(１)に装着 した際に本体側壁(11)との間にガス排出間隙(12)が生じるようにしてある。なお 、図中符号(13)は輻射板(３)の下面に突出形成した補強用リブであり、この補強 用リブ(13)は輻射板(３)を上面側から凹陥形成することにより形成してある。

【００１６】 本体(１)の底壁(14)は周縁部に油溜溝(15)を形成する状態に中央部を上方に突 出形成するとともに、底壁周縁部分から立ち上げた側壁(11)の上周縁に外側に突 出する段部(16)が形成してあり、この段部(16)に金網(４)が載置されるようにな っいる。そして、金網(４)を載置した状態では、金網(４)の下面と輻射板(３)の 山形部分での頂面とは約５mm程度の間隙を形成するようしてある。

【００１７】 本体(１)の側壁(11)での棒状ガスバーナ(２)の軸方向と平行方向に位置する側 壁(11a)(11b)には、外気取り入れ口(17)が開口している。この外気取り入れ口(1 7)は本体側壁(11)の一部を内側に折り曲げることにより形成してあり、棒状ガス バーナ(２)部分に横風が直接あたらないとともに、本体側壁(11)の内面を流下す る肉や魚の油脂が器外に飛散しないようにしてある。また、本体(１)の底壁(14) には燃焼用二次空気の取入口(18)が開口形成してある。この二次空気取入口(18) は棒状ガスバーナ(２)のガス噴出口(６)に二次空気が下から上への直線的に作用 できるように、平面視で二次空気取入口(18)が棒状ガスバーナ(２)で覆われない 状態で棒状ガスバーナ(２)の鍔部の両側に近接させて配置してある。

【００１８】 バルブブロック(７)にはそのバルブの調整ノブ(19)がカセットボンベ(20)の装 着面と相反する方向に突出形成してあり、その内部に流量調節弁が内蔵してある 。そして、このバルブブロック(７)は棒状ガスバーナ(２)の一端部にカセットボ ンベ(20)の装着面が垂直軸に対して傾斜する姿勢に固定してある。したがって、 カセットボンベ(20)は傾斜姿勢でセットされることとなり、コンロとしての高さ を抑制することができるうえ、カセットボンベ(20)内での気液接触面となる液面 の面積を大きくして、気化効率を高めることができる。

【００１９】 なお、上記実施例では、輻射板(３)の傾斜面(８)に半球殻状の突起(10)を形成 し、その周壁の傾斜下手側に位置する部分を切欠いてフレームホール(９)とした が、このフレームホール(９)は輻射板(３)の傾斜面(８)に三角錘状の突起を形成 し、その傾斜下手側に位置する面を切欠くことにより形成してもよい。

【００２０】 上述の構成からなるバーベキューコンロでは、棒状ガスバーナ(２)の炎で輻射 板(３)を短時間に加熱し、その輻射熱で金網上に載置した肉や魚介類あるいは野 菜等の食材を加熱する。この時、食材からでる汁や油脂は、輻射板(３)の表面を 流下して輻射板(３)の周縁部から本体(１)内の油溜溝(15)に落下する。なお、輻 射板(３)上に肉汁が落下した時の煙で金網上の肉がスモークされ、香ばしい焼き 上がりになる。そして、輻射板(３)にはフレームホール(９)が形成してあること から、棒状ガスバーナ(２)の燃焼による燃焼ガスと炎がフレームホール(９)から 輻射板(３)上に抜ける。この輻射板(３)での輻射熱と、フレームホール(９)から の直接的な熱とで金網上の食材を効率よく調理することができる。

【００２１】 また、本体(１)の側壁(11)と輻射板(３)の周縁との間にガス排出間隙(12)が設 けてあることから、燃焼排ガスはこの間隙(12)から輻射板(３)上に排出されるこ とになるから、輻射板(３)の下側空間の温度が上昇することを抑制でき、本体下 側が過熱することがなくなる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案では、ガスバーナと金網との間に金属製輻射板を配置し、この金属製輻 射板はガスバーナの中心軸と直交する方向での中央部が両端縁よりも僅かに高い 山形に形成してあるので、ガスバーナの点火後短時間のうちに輻射板を加熱して 調理可能な状態にすることができる。また、ガスの燃焼で輻射板を加熱するもの であるから、ガス燃焼状態を変化させることにより、簡単に火力を調整すること ができる。

【００２３】 金属製輻射板は山形に形成してあることから、金網上の被調理品から滴り落ち る油脂や肉汁は輻射板の傾斜面を流下することになり、流下した油脂や肉汁は特 定の部分にまとまることになるから、使用後の後片付けが容易になる。しかも、 輻射板には複数のフレームホールが整然と開口していることから、バーナの炎や 燃焼ガスがフレームホールから輻射板の上方に抜ける。これにより、輻射板から の輻射熱に加えて、バーナの炎や燃焼ガスの保有熱が金網上の被調理品に作用す ることになるから、小出力のガスバーナでも金網の全範囲で調理することができ る。また、フレームホールの傾斜方向上手側部分及び上側部分は覆われているこ とから、輻射板上を流下する油脂や肉汁がフレームホールからバーナ部に落下し てバーナを汚すことがない。

【００２４】 請求項３に示すように、輻射板の周縁部分と本体の内周面との間に隙間を持た せて配置した場合には、輻射板下側の燃焼ガスがこの隙間部分から上昇すること になるから、輻射板下側部分に熱気がこもることがなく、本体の下側部分での過 熱を防止することができる。

【００２５】 また、請求項４に示すように、本体内に配置した棒状ガスバーナを下に凸とな る湾曲状に形成した場合には、ガス燃焼に伴う熱変形でバーナの上半分と下半分 との熱膨張差が生じるがこの熱膨張差によりバーナ上半部が伸びた際にバーナが 一直線になり、輻射板までの距離を均等に取ることができる。

【００２６】 さらに、請求項５に示すように、液化ガスを貯蔵しているガスカートリッジを 傾斜姿勢で設置するようにした場合には、ガスカートリッジ内での液面の面積が 増大することから、気化量が増大し、長時間にわたって安定した燃焼を継続する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガスバーベキューグリルの分解斜視図である。

【図２】組み付け状態での中央縦断面側面図である。

【図３】輻射板及び金網を外した状態での縦断正面図で
ある。

【図４】輻射板の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１…本体、２…棒状ガスバーナ、３…金属製輻射板、４
…金網、５…支持脚、８…輻射板の傾斜面、９…フレー
ムホール、10…半球殻状の突起、12…ガス排出間隙、20
…ガスカートリッジ。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面を開口形成した本体(１)の内部に棒
   状ガスバーナ(２)を配置し、本体(１)の外周面に支持脚
   (５)を折り畳み可能に連結し、本体(１)の上面開口部に
   金網(４)を設置し、液化ガスを貯蔵しているガスカート
   リッジ(20)をガスバーナ(２)に接続するように構成した
   ガスバーベキューグリルにおいて、 本体(１)の内部で棒状ガスバーナ(２)の上方で金網(４)
   の下側となる位置に金属製輻射板(３)を配置し、この輻
   射板(３)は棒状ガスバーナ(２)の中心軸と直交する方向
   での中央部が両端縁よりも僅かに高い山形に形成してあ
   り、輻射板(３)の両傾斜面(８)にはフレームホール(９)
   を所定間隔置きに開口するとともに、この各フレームホ
   ール(９)を傾斜方向上手側と上側部分を覆ったルーバー
   状に構成したことを特徴とするガスバーベキューグリ
   ル。
2. 【請求項２】 輻射板(３)の各傾斜面(８)に半球殻状の
   突起(10)を突出させ、この半球状突起(10)の傾斜下手側
   に対応する周壁を切欠いて、その切欠部をフレームホー
   ル(９)に形成するとともに、半球状突起(10)の残った周
   壁を障壁に形成した請求項１に記載のガスバーベキュー
   グリル。
3. 【請求項３】 金属製輻射板(３)の周縁部分と本体(１)
   の内周面との間にガス排出間隙(12)を持たせた請求項２
   に記載のガスバーベキューグリル。
4. 【請求項４】 本体(１)内に棒状ガスバーナ(２)を下に
   凸に湾曲させた状態で配置した請求項３に記載のガスバ
   ーベキューグリル。
5. 【請求項５】 ガスカートリッジ(20)を本体に対して傾
   斜する状態でガスバーナ(２)に接続した請求項４に記載
   のガスバーベキューグリル。