JP3038438U - 溶接裏当材及びルートギャップ設定具、並びに裏当材とカラムとダイアフラムとの結合構造 - Google Patents

溶接裏当材及びルートギャップ設定具、並びに裏当材とカラムとダイアフラムとの結合構造

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JP3038438U JP1996010872U JP1087296U JP3038438U JP 3038438 U JP3038438 U JP 3038438U JP 1996010872 U JP1996010872 U JP 1996010872U JP 1087296 U JP1087296 U JP 1087296U JP 3038438 U JP3038438 U JP 3038438U
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芳博 成田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性がよく取り付け容易な溶接裏当材及び
ルートギャップ設定具を提供する。 【解決手段】 裏当材1を各辺の中央位置で切断したよ
うに4分割形とする。この各分割点にルートギャップ設
定具を取り付けて裏当材を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、鉄骨構造のカラムとダイアフラム等の溶接裏当材及びルートギャッ プ設定具及びその結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄骨構造のカラム相互の溶接用の溶接裏当材は、例えば特開平3−21 6295号公報または特開平5−337644号公報に記載のように、溶接裏当 材の外周にルートギャップを設定する突起または切り込み段部を設けていた。
【0003】 図14(a)、(b)は従来例の1つである特開平5−337644号の溶接 裏当材を例示する要部平面図、断面図である。図14(a)、(b)において、 溶接裏当材12の外周縁にルートギャップ設定用の切り込み段部13が形成され ていると共に、この切り込み段部13の内方側に面取り部14を連設し、前記切 り込み段部13にカラム3Aが当接し、前記裏当材12とダイアフラム4Aとカ ラム3Aとが溶接により一体的に形成される。溶接部位50は点線で示してある 。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来技術は、特開平3−216295号にあっては溶接裏当材のルートギ ャップ設定用突起または特開平5−337644号にあっては、ルートギャップ 設定用の切り込み段部を製品ごとに切削加工する必要があり、生産性が悪い問題 点があった。
【0005】 本考案の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、生産性がよく取り付け容易 な溶接裏当材及びルートギャップ設定具及び結合構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本考案は、カラムとダイアフラム等を周方向に溶接連結する方形又は円形溶接 裏当材において、周方向の任意の複数個所で切断して得られた如き分割辺を持ち 、その切断相当個所にルートギャップを規定する取り付け自在なルートギャップ 設定具を設けて切断相当個所の連結をはかって成る溶接裏当材を開示する。
【0007】 更に本考案は、切断相当個所の形状は垂直な切断面である溶接裏当材を開示す る。
【0008】 更に本考案は、切断相当個所の形状は互いにかみ合うような段差面を持つ溶接 裏当材を開示する。
【0009】 更に本考案は、切断相当個所の形状は斜めな切断面である溶接裏当材を開示す る。
【0010】 更に本考案は、溶接裏当材において、切断面の形状とは、ルートギャップ設定 具の厚み方向に対してのものとする溶接裏当材を開示する。
【0011】 更に本考案は、カラムとダイアフラム等を周方向に溶接連結する円形溶接裏当 材において、周方向の少なくとも1つ以上の任意の個所を切断して得られた如き 分割辺を持ち、この分割辺の切断相当個所に、この切断相当位置を含む近傍の円 周方向に沿うような円周形状の、ルートギャップを規定する取り付け自在なルー トギャップ設定具を設けて、隣り合う切断相当分割辺の連結をはかった溶接裏当 材を開示する。
【0012】 更に本考案は、カラムとダイアフラム等を円周方向に溶接連結する円形裏当材 の、切断相当個所の連結及びルートギャップ設定に使用するルートギャップ設定 具であって、周方向に沿って1個以上の、周方向に直交する方向にかけて切り込 み部を持つものとしたルートギャップ設定具を開示する。
【0013】 更に本考案は、カラムとダイアフラム等を周方向に溶接する溶接裏当材に取り 付けて、カラムとダイアフラムとのルートギャップを規定する、溶接裏当材の周 方向に沿う所定幅相当幅を持つルートギャップ設定具において、裏当材の上面に 掛ける所定幅の掛け部と、該掛け部につながり、裏当材の背面に沿う背面部と、 該背面部につながり、裏当材の下面に沿う下面部と、該下面部につながり、裏当 材の端部からのルートギャップを規定するルートギャップ規定部と、該ルートギ ャップ規定部につながり、ルートギャップにカラムの端部を受けるカラム受け部 とから成るルートギャップ設定具であって、上記掛け部と、下面部とルートギャ ップ規定部とカラム受け部とより成る構成部と、のそれぞれの、周方向に沿う少 なくとも1個所以上の位置に、周方向と直交する方向にかけて切り込み部を持つ ものとしたルートギャップ設定具を開示する。
【0014】 更に本考案は、溶接裏当材のルートギャップ設定具の位置までカラムを嵌合し てルートギャップ設定を行い、この設定後にルートギャップ設定具とカラムとダ イアフラムとを含む3者の接触面を含む周辺に沿って溶接を行って裏当材とカラ ムとダイアフラムの結合をはかるカラムとダイアフラムとの結合構造を開示する 。
【0015】 更に本考案は、接触面での裏当材とカラムとダイアフラムとの溶接に際しては 、ルートギャップ設定具を取り付けたまま行うものとしたカラムとダイアフラム との結合構造を開示する。
【0016】
【考案の実施の形態】
図2(a)は本考案の一実施の形態である正方形裏当材1の斜視図である。こ の裏当材1は、4つの各辺の中央部分で垂直に切断されて得られるL字形の均等 4分割辺鋼材30、31、32、33より成る。均等4分割辺鋼材30〜33は 、同一物を作っておいてこれを使うやり方、又は実際に四角形裏当材を作ってお いて均等4分割となるように切断するやり方、のいずれでも作れる。4分割辺鋼 材30〜33は、図2に示すように各辺の切断面34〜37を面合わせた上で裏 当材として使う。但し、面合わせただけでは各辺がばらばらで単一の裏当材とな り得ないため、本考案では、図2(a)の状態のもとで、後述するようにルート ギャップ設定具をこの切断面34〜37に取り付けた状態で裏当材として使う。 裏当材1は、厚み幅d1、高さd2、縦×横のサイズd3×d3であり、鉄や炭素鋼 板等より成り、またカラム材と同材質であってもよい。4分割辺鋼材30、31 、32、33のLの字形の2辺の長さは、それぞれd3/2とした。こうした4 つのL字形の4分割辺鋼材30、31、32、33としたのは、裏当材1の縦× 横のサイズを微調整してカラム連結部分の縦×横のサイズに合うようにするため であり、これによりカラムへの裏当材の連結を容易で正確且つ確実にできる利点 を持つ。
【0017】 裏当材1は、鉄骨ビルの柱となるカラムの内部側面に、その外面が当接嵌合( 又は強固に嵌合)する。嵌合は、裏当材1の高さ幅d2すべてで行うのではなく 、高さ幅の中で、高さgを残して行う。この高さgが溶接強度を担保するための 長さであり、通常ルートギャップと称せられるものである。
【0018】 図3は、図2(a)等の裏当材1に用いるルートギャップ設定具2の斜視図で ある。この設定具2は、厚み幅m0、縦×横サイズM1×M2の平板の鋼材をブレ スによって図3の如く折り曲げたものである。即ち、設定具2は、掛け部20、 背面部21、下面部22、立ち上げ部(ルートギャップ規定部)23、受け部2 4、より成る。図3でM2は指示され、M1が指示されていないが、M1=m1+m 2 +m3+m4+m5を指す。m1〜m5については以下で説明する。 掛け部20は、背面部21からの、外側幅m1を持つ90゜折り曲げ部である 。外側幅m1は、裏当材1の厚み幅d1との間で次の関係に選ぶ。 m1≦d1+m0 又は d1≧m1−m0 即ち、掛け部20の内側幅(m1−m0)を、裏当材1の厚み相当値、又は裏当材 の厚みd1よりも小さい値、例えばd1=(m1−m0)/2程度に選ぶ。尚、20 Aは掛け部20の上面であり、この面20Aは後述の図1で説明する。
【0019】 背面部21、長さ幅m2を有し、裏当材1の高さ幅d2との間で下記の関係に選 ぶ。 m2=d2+2m0 又は d2=m2−2m0 即ち、背面部21の内側幅(m2−2m0)を、裏当材1の高さ幅d2相当値に 選ぶ。
【0020】 下面部22は、背面部21からの、外側幅m3を持つ90゜折り曲げ部である 。外側幅m3は、裏当材1の厚み幅d1との間で次の関係に選ぶ。 m3=d1+2m 又は d1=m3−2m0 即ち、下面部22の内側幅(m3−2m0)を、裏当材1の厚み幅d1相当値に 選ぶ。
【0021】 立ち上げ部23は、下面部22から90゜上側に立ち上げた部分であり、その 高さ外側幅m4は、ルートギャップgとの間で次の関係に選ぶ。 m4=g+m0 又は g=m4−m0 尚、m0の大きさを無視すれば、g=m4、即ち、m4はルートギャップg相当 値となる。
【0022】 受け部24は、立ち上げ部23から外側に90゜折り曲げた部分であり、外側 幅m5を有する。この受け部24は、図の上方からのカラムの受け部であり、そ の幅m5はカラムを受けうるだけの広さであればよい。尚、実際の受け面は、受 け部24の上面である24Aである。 尚、実際のプレス加工に際しては、22→23→24の順に折り曲げるのでは なく、24→23→22の順に折り曲げるやり方をとれば加工しやすい。
【0023】 かかるルートギャップ設定具2は、図2(a)の裏当材1にセットして使う。 裏当材1の4つの辺の切断個所34、35、36、37のそれぞれに、ルートギ ャップ設定具を取り付け、各切断個所で互いに面合わせをしている隣り合う分割 辺鋼材相互をこの設定具によって連結化して一体化し、この一体化した裏当材を カラムに連結するやり方をとる。こうしたやり方をとらずに、カラムに裏当材1 を嵌合する際にルートギャップ設定具を、各切断個所34〜37に取り付けなが ら、カラムと裏当材1との連結をはかるやり方をとってもよい。ルートギャップ 設定具の横幅M2は、裏当材1の幅d3に比して、d3/2以下、例えばd3/5程 度の大きさでよい。これはカラムを一部受けるだけの幅及び隣り合う分割辺鋼材 相互のギャップ(縦又は横のサイズ調整用のギャップのこと。前記ルートギャッ プとは異なる概念)調整可能な幅であればよいためである。
【0024】 設定具2の裏当材1の切断個所35への取り付け方法の一例を以下に示す。取 り付け位置の例は、切断個所35の位置であって図2(a)のA−Bの位置を含 む近傍とする。 (イ)、先ず、図2(a)に示すように4つの分割辺鋼材30〜33の中の取 り付け位置となる切断個所を、所定の空き間隔(サイズ調整用ギャップのこと) Lをおいて面合わせをしておく。間隔Lは、設定具の横幅M2の大きさに比して できるだけ小さいことが好ましい。設定具を介しての、カラムと裏当材との溶接 強度を弱くしないことが必要なためである。間隔Lは裏当材の縦×横のサイズを どのようにするかによって定める。間隔Lを大きくすればこのサイズは大きくな り、間隔Lを小さくすればこのサイズは小さくなる。これにより、連結相手とな るカラムのサイズに微少な差異があっても、そうした差異に合うように間隔Lを 定める。勿論、間隔L=0となる例もある。図2(b)には分割辺鋼材30の端 面30Aと鋼材31の端面31Aとの間のサイズ調整用ギャップ300の例を示 図である。ギャップ300の間隔Lは、設定具1に端面30A及び30Bが充分 に収まっているような状態まで拡げることができる。間隔Lを調整することで、 裏当材の縦又は横のサイズ(図では30と31とLとで定まる長さ)調整をはか ることができる。こうした配置状態のもとで、裏当材1の点線Cで示す下側方向 から設定具2を下面Aに近づけ、この下面Aの下側に設定具2の下面部22を持 ってゆく。 (ロ)、設定具2の下部を傾けて立ち上げ部23を外側に開き裏当材1の下面 Aに、設定具2の下面部22と立ち上げ部23で挟まれた空間Eを差し込む。 (ハ)、設定具2の下部(21、23)を傾けた状態から、上部(21の上部 及び20)を右方向に動かし裏当材1の上面Bに掛け部20を掛ける。 (ニ)、かくして、設定具2は、裏当材1のA−B近傍にセットされたことに なる。 (ホ)、ルートギャップ設定具をはずすには、(ハ)→(ロ)→(イ)の如き 逆手順を取ればよい。又は、設定具に収納されている分割辺鋼材の2つの端面を この設定具からはずすことでも実現できる。 (ヘ)、尚、以上のルートギャップ設定具の取り付け方法は、一例であって、 他のやり方もある。例えば、切断個所の互いに隣り合う鋼材の一方(例えば31 )の切断面(例えば図2(b)の30A)に、その端面側からルートギャップ設 定具の一部を差し込み、更にその隣り合う他方の鋼材(例えば32)の切断端面 (例えば図2(b)の31A)を、上記ルートギャップ設定具の空いている側に 差し込む。かくして互いに隣り合う鋼材相互がルートギャップ設定具によって切 断個所を介して連結されたことになる。(イ)〜(ニ)にするか、(ヘ)にする かは、任意に選ぶ。(イ)〜(ニ)は、裏当材を事前に組み立てておき、この状 態でカラムに連結する如き例に適し、(ヘ)は事前の組み立ての際に使う例もあ れば、カラムに連結する際に順次に辺の組立を行う如き例にも使える。 ルートギャップ設定具2を裏当材1にセットするには、セットできるだけの余 裕代を、設定具2に持たせることが好ましい。その例を以下説明する。 背面部21の内側幅(m2−2m0)は、 m2−2m0=d2 としたが、余裕代ε1を持たせて、 m2−2m0=d2+ε1 にするとよい。余裕代ε1は大きすぎると、セットした時にガタつき、余りに小 さすぎると裏当材1に設定具がセットしにくいため、セットしやすく且つガタつ かないような値に選ぶ。 下面部22の内側幅(m3−2m0)は、 m3−2m0=d1 としたが、余裕代ε2を持たせて、 m3−2m0=d1+ε2 にするとよい。ここで、ε2はε1と同様にセットしやすく且つガタつかないよう な値に選ぶ。但し、ガタつきについては、背面部21が縦方向のガタつきのため 特にそのガタつきが少なくなるようにε1で選ぶことが好ましいが、下面部22 のガタつきは裏当材の幅d1方向のため、多少のガタつきは許されうる。特に、 裏当材の下面Aを22と23とで作られた空間Eに余裕を持って挿入できるよう にするために、ある程度の大きさε2に設定するとよい。後述する図6では、極 力ε2を大きくした例を示している。
【0025】 立ち上げ部23の傾きを90゜としたが、上記大きさをε2とあいまって、9 0゜よりも若干大きな傾斜90゜+α(外側に90゜よりも若干大きな傾斜とい うこと)にしてもよい。但し、ε2をある程度大きくとった場合には、傾きは9 0゜でよい。後述の図6の例がその例である。αを大きくすると、受け部24の 強度が弱くなったり、受け部24の面の水平化作業をしたりしなければならない ため、好ましくなく、ある程度の小さい許容値の範囲内で選ぶ。
【0026】 以上のルートギャップ設定具2を裏当材1の4辺の中央部付近の切断個所34 、35、36、37に取り付けた際の上面図を図1に示す。図で、24Aが受け 部24の受け表面、20Aが掛け部20の上側表面を示す。切断個所はルートギ ャップ設定具の中央付近に持ってゆくことが好ましいが、多少の中心位置からの ずれがあっても、ルートギャップ設定具に横幅M2があるため、それほど問題は ない。
【0027】 図4には、図1の設定具セットずみの裏当材1にカラム3とダイアフラム4を 取り付けた際の上面図を示す。図の紙面手前側からカラム3を裏当材1の外周面 に当接するようにして(又はカラム3に対して裏当材1を図の裏側から、カラム の内周面に当接するようにして)両者を嵌合させる。嵌合するのに、きつければ 間隔Lを小さくするように対向する切断面を動かして調整することで、きちんと した嵌合を行わせる。逆に裏当材1がゆるい嵌合の時には間隔Lを大きくするよ うにすればよい。カラム3は、ルートギャップ位置(受け部24の上側表面24 A)まで嵌合し、それ以上は受け部24があるため嵌合しない。即ち、受け部2 4はストッパーの役割を果たす。
【0028】 更に、図4において、裏当材1のカラム挿入側と反対側(紙面の裏側)の部位 には、ダイアフラム4を装着する。カラム3と裏当材1の外部露出面とダイアフ ラム4との相互の接触面は溶接によって結合をはかる。そして他カラムとの間に あっては、このダイアフラム4と、図4と同様に他カラム装着の裏当材に取り付 けられた他ダイアフラムとをボルトや溶接等で結合することで、ダイアフラムを 介してのカラム相互の連結がはかられる。図4にはボルト孔40をダイアフラム 4の周辺に設けた例を示す。
【0029】 図5は、図4の一部拡大図である。カラム3については設定具2に重なるため 、仮想線で示してある。仮想線3内の斜線部分がカラム領域を示す。ダイアフラ ム4は、外側のみ斜線で示してある。ダイアフラム4の形状は例えば正四角形で ある。ルートギャップ設定具を取り付けた際のダイアフラム4とカラム3と裏当 材との断面図を図6に示す。この図6は、図5AのA−A断面図である。設定具 2の受け部24の表面部24Aがカラム3(正確にはカラム3の端部35)のス トッパーとなっていることが理解できよう。尚、図では、設定具2の厚みが、裏 当材1の厚みに比べて結構大きい値になっているが、実際にはもっと小さい厚み でもよい。
【0030】 カラム3と裏当材1とダイアフラム4との結合は、ルートギャップ部を含む面 での溶接による。ルートギャップgの相当部分には、設定具2が図4に示すよう に周囲4個所(切断個所)にあるが、かかる設定具2を含めて全周溶接を行う。 設定具2、特に、下面部22の一部、立ち上げ部23、受け部24は、溶接によ って溶融し溶接部位を、設定具のない領域と同時に、溶接部位を形成する。 図7には、図6に対する溶接例を示す。設定具2の部位22の一部、23の全 部、24の全部が溶融して溶接部位100を形成している様子を示す。
【0031】 具体的数値例を説明する。 裏当材1が 厚み幅d1=5mm、高さ幅d2=15mm 縦×横サイズ=20cm×20cm である時の、ルートギャップ設定具は、 M2=4cm M1=5cm m0=0.2mm〜0.5mm(この幅の任意の値) m3−2m0=7mm m1=5mm m5=4mm ルートギャップg=7mm(m0無視) とした。 カラムには種々の大きさがあり、これに嵌合する裏当材のサイズも種々であり 、上記サイズは一例である。カラムの大きさに応じてルートギャップgが定まっ ているため、カラムに応じて設定具の各種サイズも種々存在する。例えばルート ギャップgは7mm以外に6mm、8mm等の例がある。
【0032】 ルートギャップ設定具の素材としては、普通の鋼材を使用してもよいが、炭素 工具鋼材を用いるとよい。また、ルートギャップ設定具の素材としてはプラスチ ック製でもよい。
【0033】 裏当材1をカラム3に嵌合しやすくするためには、裏当材1の端部35の嵌合 端面に面取り部を設けるとよい。更に、裏当材全体又は一部をテーパ状加工(折 り曲げ又は切削)することで更に嵌合しやすくすることもできる。
【0034】 尚、図3に示した形状のルートギャップ設定具は一例であって、他の種々の形 状のルートギャップ設定具を含むことは云うまでもない。 例えば、以下の如きものがある。 (1)、図8は、図3のルートギャップ設定具であり、その変形例の説明図で ある。この設定具で、掛け部20と背面部21との折り曲げ角度θ1、背面部2 1と底面部22との折り曲げ角度θ2、下面部22と立ち上げ部23との折り曲 げ角度θ3、立ち上げ部23と受け部24との折り曲げ角度θ4は、いずれも90 ゜以外(前述のε1やε2、αとは大きく異なる例)にとることもできる。こうし た構成とすることで、裏当材1にセットしやすく、且つセット後にあっては、む やみにそのセット位置からずれない利点を持つ。具体的な例としては、 θ1=87゜とか80゜とかの例、 θ2=87゜とか80゜とかの例、 θ3=87゜とか80゜とかの例、 θ4=θ1やθ2、θ3に合わせて受け部24の面24Aがカラムの端面と 面接触するように、θ4を設定。θ1、θ2、θ3の選び方(例えば87゜)によれ ば、θ4=90゜で面接触となる。また、面接触以外に線接触の例も採用可。そ の際は、この接触線と下面部22の基準位置との距離がルートギャップとなる。 (2)、更に、例えば、幅M2は、特に必要としない例(例えば棒状体の設定 具の例)もあれば、ルートギャップgの設定を折り上げ2段(22、23、24 )の例以外の1段等の例もある。いずれにも、裏当材を加工することでルートギ ャップを作る如き以外の例であって、外部設定具を用いる場合での、すべてのそ うした外部設定具を含む。
【0035】 尚、各図において、上面とか下面とかの上下関係の表現を用いて説明したが、 これはあくまで説明の便宜のためであって、使用の仕方によっては上面が下面に なったり、下面が上面になったり、或いは側面になったりすることがあることは 当然である。こうしたことを含めて便宜上、上面、下面との定義を行ったことを ここに明らかにしておく。また、ダイアフラムは連結部材であって、他の連結部 材による例にも適用できる。またダイアフラムの形状も種々存在する。
【0036】 図9(a)は図2(a)の切断個所に代わる他の切断形状を例示する上面図で ある。図2(a)は高さ方向にかけて垂直に切断した垂直面であるが、この溶接 裏当材1での、紙面の手前から後方側への切断個所34、35、36、37の形 状は、それぞれ裏当材1の厚み幅d1の半幅d1/2づつの段差部が交差幅kだけ 交差した切断形状をなす。 このようにすると、鋼材30、31、32、33を組み合わせての裏当材1を 形成するのに好都合である上、段差部の交差幅kによって、裏当材1の方形幅( 縦や横のサイズ)を可変調整できる利点がある。例えば、鋼材31と32との切 断面において、図9(b)に示すように、切断面との間に空き間隔δを設けるこ とで、その長さ方向(縦又は横の方向のこと)は、+2δだけ大きくなる(但し 、δ<kである)。これによって、カラムの内径の大きさや形状にバラツキがあ ってもカラム内径にきちんと収納できるように裏当材をセットできる。
【0037】 図10は切断個所の種々の形状を例示する部分平面図である。図10において 、図10(a)は、図2(a)に示す例であって、鋼材30、31の切断個所3 4が、鋼材30、31の高さ面に垂直な切断面であって、この切断面は最も容易 に形成できる。 図10(b)は、図9の例であり、鋼材30、31の切断個所34が、鋼材3 0、31の高さ面に垂直な切断面34a、34c及び平行な切断面34bから成 る。その切断面のサイズは図(c)に示す通りである。即ち図10(c)では、 鋼材30厚み幅d1に対して、その垂直な切断面34a、34bの幅がそれぞれ d1/2で、その平行な切断面34cの幅がkの例である。 図10(d)は、図10(c)の鋼材30厚み幅d1に対して、その垂直な切 断面34a、34cの各幅d1、d2がそれぞれ例えば0.7d1、0.3d1で、 その平行な切断面34cの交差幅がkの例である。
【0038】 図10(e)は、鋼材30、31の切断個所34が、鋼材30、31の厚み方 向に対して斜めな切断面であって、この切断面34は適宜な斜角θ=tand1 /fを有していてよい。 この切断面の形状も、裏当材1を形成するのに好都合であり、かつ対向する切 断面34の交差幅fを種々設定することで裏当材1の方形幅を切断時に調整でき る利点がある。 なお、これらの裏当材1の切断個所に使用するルートギャップ設定具の素材が 、裏当材と同質のものであれば、溶接がし易く、溶接後の多くは超音波とか、あ るいはX線とかによる被破壊検査時に、異質ならば発生し易いノイズがなくなる 効果が現れる利点がある。
【0039】 以上の図10の各種の形状は、厚み方向の切断面の形状であるが、高さ方向に 図10の如き各種切断面にしてもよい。この場合、図10でd1の代わりに、d2 に置換すれば考えやすい。
【0040】 図11は本考案の溶接裏当材の他の実施の形態である円形カラム用の裏当材へ の適用例を示す平面図である。図11は、所定高さの円形カラム用の裏当材50 を周方向に4個所の等間隔で、高さ方向に切断した鋼材51、52、53、54 を示す。この鋼材51〜54の切断個所55〜58にルートギャップ設定具60 をそれぞれ取り付ける。
【0041】 図12は、図11のルートギャップ設定具60の一実施の形態の斜視図である 。この設定具60は、厚み幅m0、縦×横サイズM1×(M2対応周長)の平板の 鋼材をブレスによって図12の如く折り曲げたものであって、例えば図3の方形 カラム用裏当材のルートギャップ設定具2を円形パイプ用裏当材60の設定具6 0に変形したものであって、(M2+Δ)は裏当材50の半径Rによってきまる 。即ち、設定具60は、掛け部61、背面部62、下面部63、立ち上げ部(ル ートギャップ規定部)64、受け部65、より成り、それぞれ円形カラム用の裏 当材50の半径Rに合わせて、弯曲した形状を有する。図12でM2は指示され 、M1が指示されていないが、M1=m1+m2+m3+m4+m5を指す。
【0042】 かかるルートギャップ設定具60は、図11の裏当材50にセットして使う。 裏当材50の4つの切断個所55、56、57、58のそれぞれに、ルートギャ ップ設定具を取り付ける。ルートギャップ設定具の横幅M2は、裏当材50の周 長2πRに比して、2πR/8以下、例えば2πR/20程度の大きさでよい。 カラムを一部受けるだけの幅であればよいためである。
【0043】 図13は図11のルートギャップ設定具60の他の実施の形態の斜視図である 。このルートギャップ設定具600は、図12のルートギャップ設定具60に対 して、掛け部61、下面部63、立ち上げ部(ルートギャップ規定部)64、受 け部65に、それぞれV字形(くさび形)の切り込み61B、63B、64B、 65Bを設けている。こうすることにより、これを取り付けるべき図11の円形 カラム用裏当材50の直径2Rに合うように周方向に折り曲げて使用すれば、使 用裏当材50の直径2Rに幅を持たせることが可能である。 尚、図11の裏当材50の直径2Rに応じて、鋼材の切断個所による分割数を 決めるようにするのもよい。例えば直径が60cm以上の場合は4分割(中心角 90゜間隔)以上にし、直径が60cm以下の場合は4分割以下例えば3分割( 中心角120゜間隔)にする。
【0044】 裏当材の切断相当個所は方形又は円形のいずれも4つの例としたが、これに限 定されない。 また、ルートギャップ設定具の取り付けに際し、単に機械的に組み込ませただ けとしたが、点溶接することで裏当材にルートギャップ設定具を固定してもよい 。 また円形カラム以外の非直線的な形状(楕円形とか)の設定具も容易に提供で きることは云うまでもない。
【0045】
【考案の効果】
本考案によれば、生産性がよく取り付け容易なカラム用及び円形パイプ用の溶 接裏当材及びルートギャップ設定具が提供される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の溶接裏当材の一実施の形態を示す平面
図である。
【図2】裏当材1の斜視図である。
【図3】ルートギャップ設定具の一実施の形態の斜視図
である。
【図4】カラム及びダイアフラムと裏当材との組合せ例
の上面図である。
【図5】図4の一部拡大図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図6に対する溶接例図である。
【図8】他の設定具の説明図である。
【図9】図2の切断個所の形状を例示する平面図であ
る。
【図10】図2の切断個所の形状を例示する平面図であ
る。
【図11】本考案の溶接裏当材の他の実施の形態を示す
平面図である。
【図12】図11のルートギャップ設定具の斜視図であ
る。
【図13】図11のルートギャップ設定具の他の実施の
形態の斜視図である。
【図14】従来例図である。
【符号の説明】
1 方形裏当材 2 ルートギャップ設定具 3 方形カラム(四角パイプ柱材) 4 ダイアフラム 20 掛け部 21 背面部 22 下面部 23 ルート間隔規定部(立ち上げ部) 24 カラム受け部 50 円形裏当材 60 ルートギャップ設定具 61 掛け部 62 背面部 63 下面部 64 ルート間隔規定部(立ち上がり部) 65 カラム受け部 61B、63B、64B、65B 切り込み
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 37/053 B23K 37/053 H

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラムとダイアフラム等を周方向に溶接
    連結する方形又は円形溶接裏当材において、周方向の任
    意の複数個所で切断して得られた如き分割辺を持ち、そ
    の切断相当個所にルートギャップを規定する取り付け自
    在なルートギャップ設定具を設けて切断相当個所の連結
    をはかって成る溶接裏当材。
  2. 【請求項2】 切断相当個所の形状は垂直な切断面であ
    る請求項1記載の溶接裏当材。
  3. 【請求項3】 切断相当個所の形状は互いにかみ合うよ
    うな段差面を持つ請求項1記載の溶接裏当材。
  4. 【請求項4】 切断相当個所の形状は斜めな切断面であ
    る請求項1記載の溶接裏当材。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかの溶接裏当材に
    おいて、切断面の形状とは、ルートギャップ設定具の厚
    み方向に対してのものとする溶接裏当材。
  6. 【請求項6】 カラムとダイアフラム等を周方向に溶接
    連結する円形溶接裏当材において、周方向の少なくとも
    1つ以上の任意の個所を切断して得られた如き分割辺を
    持ち、この分割辺の切断相当個所に、この切断相当位置
    を含む近傍の円周方向に沿うような円周形状の、ルート
    ギャップを規定する取り付け自在なルートギャップ設定
    具を設けて、隣り合う切断相当分割辺の連結をはかった
    溶接裏当材。
  7. 【請求項7】 カラムとダイアフラム等を円周方向に溶
    接連結する円形裏当材の、切断相当個所の連結及びルー
    トギャップ設定に使用するルートギャップ設定具であっ
    て、周方向に沿って1個以上の、周方向に直交する方向
    にかけて切り込み部を持つものとしたルートギャップ設
    定具。
  8. 【請求項8】 カラムとダイアフラム等を周方向に溶接
    する溶接裏当材に取り付けて、カラムとダイアフラムと
    のルートギャップを規定する、溶接裏当材の周方向に沿
    う所定幅相当幅を持つルートギャップ設定具において、
    裏当材の上面に掛ける所定幅の掛け部と、該掛け部につ
    ながり、裏当材の背面に沿う背面部と、該背面部につな
    がり、裏当材の下面に沿う下面部と、該下面部につなが
    り、裏当材の端部からのルートギャップを規定するルー
    トギャップ規定部と、該ルートギャップ規定部につなが
    り、ルートギャップにカラムの端部を受けるカラム受け
    部とから成るルートギャップ設定具であって、上記掛け
    部と、下面部とルートギャップ規定部とカラム受け部と
    より成る構成部と、のそれぞれの、周方向に沿う少なく
    とも1個所以上の位置に、周方向と直交する方向にかけ
    て切り込み部を持つものとしたルートギャップ設定具。
  9. 【請求項9】 請求項1から6のいずれかの溶接裏当材
    のルートギャップ設定具の位置までカラムを嵌合してル
    ートギャップ設定を行い、この設定後にルートギャップ
    設定具とカラムとダイアフラムとを含む3者の接触面を
    含む周辺に沿って溶接を行って裏当材とカラムとダイア
    フラムの結合をはかるカラムとダイアフラムとの結合構
    造。
  10. 【請求項10】 請求項9において、接触面での裏当材
    とカラムとダイアフラムとの溶接に際しては、ルートギ
    ャップ設定具を取り付けたまま行うものとしたカラムと
    ダイアフラムとの結合構造。
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