JP3037894B2 - 切削時の油煙除去方法及び装置 - Google Patents
切削時の油煙除去方法及び装置Info
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- JP3037894B2 JP3037894B2 JP8134336A JP13433696A JP3037894B2 JP 3037894 B2 JP3037894 B2 JP 3037894B2 JP 8134336 A JP8134336 A JP 8134336A JP 13433696 A JP13433696 A JP 13433696A JP 3037894 B2 JP3037894 B2 JP 3037894B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、切削時の油膜除
去方法及び装置に係り、特に切削油を供給しながらカッ
タによりワークを切削している切削加工部の上方から圧
力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワー
クの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成し、該油膜
により切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収させ
て流下させることにより油煙を完全に除去できるように
して作業環境を大幅に改良することができ、しかも構造
が簡易でコストも安く、また切削加工の状態が外部から
油膜を通してよく見えるようにして切削中のワークの視
認性を向上させることができる画期的な切削時の油煙除
去方法及び装置に関する。
去方法及び装置に係り、特に切削油を供給しながらカッ
タによりワークを切削している切削加工部の上方から圧
力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワー
クの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成し、該油膜
により切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収させ
て流下させることにより油煙を完全に除去できるように
して作業環境を大幅に改良することができ、しかも構造
が簡易でコストも安く、また切削加工の状態が外部から
油膜を通してよく見えるようにして切削中のワークの視
認性を向上させることができる画期的な切削時の油煙除
去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯切盤、フライス盤、旋盤等の工
作機械において、高速度鋼や超硬合金チップのカッタを
用いて鋼材のワークを切削加工する際には、切削加工部
に多量の切削油を噴射して供給し、ワーク及びカッタを
冷却すると共に潤滑して円滑に切削加工ができるように
している。
作機械において、高速度鋼や超硬合金チップのカッタを
用いて鋼材のワークを切削加工する際には、切削加工部
に多量の切削油を噴射して供給し、ワーク及びカッタを
冷却すると共に潤滑して円滑に切削加工ができるように
している。
【0003】 この際、切削加工部は摩擦熱により相当
高温になるため、供給された切削油は油煙となって上昇
し、該油煙は切削加工部の周囲を覆って該切削加工部の
視認性を悪化させるばかりでなく、工作機械の全体、ひ
いては機械工作現場の全体にまで広がり、作業環境を悪
化させていた。
高温になるため、供給された切削油は油煙となって上昇
し、該油煙は切削加工部の周囲を覆って該切削加工部の
視認性を悪化させるばかりでなく、工作機械の全体、ひ
いては機械工作現場の全体にまで広がり、作業環境を悪
化させていた。
【0004】 このような油煙は、毒性のほとんどない
切削油が蒸発しただけのものであって、それが直ちに作
業者の健康に悪影響を与えたりするものではないため、
従来はそのまま放置したりする例も多かった。
切削油が蒸発しただけのものであって、それが直ちに作
業者の健康に悪影響を与えたりするものではないため、
従来はそのまま放置したりする例も多かった。
【0005】 またこの油煙を除去するための従来の切
削時の油煙除去装置1としては、図7に示すように、工
作機械の一例たる歯切盤2の上方にフード3を設け、該
フードに連通するダクト4の途中に給気ファン5を配設
し、その下流側に複数枚のフィルタ6を内蔵したミスト
コレクタ8を設けて油煙の除去を行っていた。
削時の油煙除去装置1としては、図7に示すように、工
作機械の一例たる歯切盤2の上方にフード3を設け、該
フードに連通するダクト4の途中に給気ファン5を配設
し、その下流側に複数枚のフィルタ6を内蔵したミスト
コレクタ8を設けて油煙の除去を行っていた。
【0006】 即ち、図7において、歯切盤2のスピン
ドル9には歯車となる鋼材のワーク10が取り付けら
れ、その上端10aは、センタ支持アーム11に固着さ
れたセンタ12により回動自在に支持され、ワーク10
は定められた回転速度で矢印Aの如くゆっくりと回転
し、カッタ駆動部13に装着されたカッタ14が矢印B
の如く回転してワーク10に歯切加工を施すが、この際
オイルタンク15内に貯溜された切削油16は、オイル
ポンプ18により送油管19を通して矢印Cの如くノズ
ル20に送られ、該ノズルから切削加工部21に噴射さ
れる。
ドル9には歯車となる鋼材のワーク10が取り付けら
れ、その上端10aは、センタ支持アーム11に固着さ
れたセンタ12により回動自在に支持され、ワーク10
は定められた回転速度で矢印Aの如くゆっくりと回転
し、カッタ駆動部13に装着されたカッタ14が矢印B
の如く回転してワーク10に歯切加工を施すが、この際
オイルタンク15内に貯溜された切削油16は、オイル
ポンプ18により送油管19を通して矢印Cの如くノズ
ル20に送られ、該ノズルから切削加工部21に噴射さ
れる。
【0007】 すると切削油16は切削加工部21にお
ける摩擦熱により高温となって蒸発し、油煙22が発生
し、この油煙22は切削加工部21を覆い、このため外
部からは切削加工部21がほとんど見えない状態となっ
てしまう。また油煙22は上昇してそのほとんどはフー
ド3に矢印Dの如く吸い込まれて矢印Eの如く回転して
いる吸気ファン5によりミストコレクタ8のフィルタに
送られ、切削油16は該フィルタに吸着して除去され、
その他の空気等は矢印Fの如くダクト4から外部に排出
されるようになっている。
ける摩擦熱により高温となって蒸発し、油煙22が発生
し、この油煙22は切削加工部21を覆い、このため外
部からは切削加工部21がほとんど見えない状態となっ
てしまう。また油煙22は上昇してそのほとんどはフー
ド3に矢印Dの如く吸い込まれて矢印Eの如く回転して
いる吸気ファン5によりミストコレクタ8のフィルタに
送られ、切削油16は該フィルタに吸着して除去され、
その他の空気等は矢印Fの如くダクト4から外部に排出
されるようになっている。
【0008】 しかし実際には、フード3に入らず、矢
印Gの如くフード3の外部に拡散する油煙22も多く、
またミストコレクタ8によっても完全には除去されない
で外部に排出される油煙もかなりあり、従来の上記技術
では、どうしても切削加工部21から出る油煙を完全に
除去することはできないという欠点があった。このた
め、切削加工部21が油煙22のためによく見えなかっ
たり、油煙22が作業環境を悪化させるのを完全に防ぐ
ことができなかった。
印Gの如くフード3の外部に拡散する油煙22も多く、
またミストコレクタ8によっても完全には除去されない
で外部に排出される油煙もかなりあり、従来の上記技術
では、どうしても切削加工部21から出る油煙を完全に
除去することはできないという欠点があった。このた
め、切削加工部21が油煙22のためによく見えなかっ
たり、油煙22が作業環境を悪化させるのを完全に防ぐ
ことができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、切削油を供給しながらカッタによ
りワークを切削している切削加工部の上方から圧力をか
けたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周
囲を取り囲むような層流の油膜を形成し、該油膜により
切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収させて流下
させることにより油煙を除去することによって、切削加
工部から出る油煙を外部に全く放出することなく、その
全量を除去できるようにすることであり、またこれによ
って切削加工を行う作業場の油煙による環境の悪化を防
止すると共に、油煙をその発生と同時に油膜に吸収させ
ることで切削加工部付近の視認性を向上させることであ
る。
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、切削油を供給しながらカッタによ
りワークを切削している切削加工部の上方から圧力をか
けたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周
囲を取り囲むような層流の油膜を形成し、該油膜により
切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収させて流下
させることにより油煙を除去することによって、切削加
工部から出る油煙を外部に全く放出することなく、その
全量を除去できるようにすることであり、またこれによ
って切削加工を行う作業場の油煙による環境の悪化を防
止すると共に、油煙をその発生と同時に油膜に吸収させ
ることで切削加工部付近の視認性を向上させることであ
る。
【0010】 また他の目的は、切削油を供給しながら
カッタによりワークを切削している切削加工部の上方か
ら圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及び
ワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するに
際し、該油膜の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に
夫々傾斜した薄い板からなる油膜改良板を設置して油膜
をより強固なものとし、油膜により切削加工部から発生
する切削油の油煙を吸収させて流下させると共に、カッ
タ付近における油膜の乱れを防止することにより油煙を
除去することによって、カッタの幅が大きい場合やカッ
タの切刃が粗いために油膜の形成が乱され易い場合で
も、非常にきれいな油膜が常に形成されて切削加工部よ
り下方の機枠にまで油膜が到達するようにすることで、
より完全な油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを
防止し、油煙の除去をより完全にすることである。
カッタによりワークを切削している切削加工部の上方か
ら圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及び
ワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するに
際し、該油膜の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に
夫々傾斜した薄い板からなる油膜改良板を設置して油膜
をより強固なものとし、油膜により切削加工部から発生
する切削油の油煙を吸収させて流下させると共に、カッ
タ付近における油膜の乱れを防止することにより油煙を
除去することによって、カッタの幅が大きい場合やカッ
タの切刃が粗いために油膜の形成が乱され易い場合で
も、非常にきれいな油膜が常に形成されて切削加工部よ
り下方の機枠にまで油膜が到達するようにすることで、
より完全な油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを
防止し、油煙の除去をより完全にすることである。
【0011】 また他の目的は、切削油を供給しながら
カッタによりワークを切削している切削加工部の上方か
ら圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及び
ワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するよ
うにした油膜形成装置を備えることで切削加工部から発
生する切削油の油煙を油膜により吸収させて流下させる
ことにより油煙を除去するように構成することによっ
て、切削加工部から出る油煙を完全に除去できるように
することであり、またこれによって非常にコンパクト
で、構造が簡易かつ安価な装置で油煙の除去ができるよ
うにすることてある。
カッタによりワークを切削している切削加工部の上方か
ら圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部及び
ワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するよ
うにした油膜形成装置を備えることで切削加工部から発
生する切削油の油煙を油膜により吸収させて流下させる
ことにより油煙を除去するように構成することによっ
て、切削加工部から出る油煙を完全に除去できるように
することであり、またこれによって非常にコンパクト
で、構造が簡易かつ安価な装置で油煙の除去ができるよ
うにすることてある。
【0012】 また他の目的は、水平断面円形に形成さ
れ内部にオイルを貯溜する円環状のオイルギャラリが形
成され外部下方に外方に拡開した円環状の下り斜面が形
成された油膜形成体と、該油膜形成体に被せられ該油膜
形成体に対して一定の円環状の隙間が形成されるように
配設されると共にオイルポンプからオイルが供給される
ようにした油膜調整カバーとからなり切削油を供給しな
がらカッタによりワークを切削している切削加工部の上
方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部
及びワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成す
るようにした油膜形成装置を備えることで切削加工部か
ら発生する切削油の油煙を油膜により吸収させて流下さ
せることにより油煙を除去するように構成することによ
って、円環状の隙間の調節によって、安定した油膜が長
時間にわたって得られるようにすることであり、またこ
れによって非常にコンパクトで構造が簡易、かつ安価な
装置で切削加工部から発生する油煙を完全に除去できる
ようにすることである。
れ内部にオイルを貯溜する円環状のオイルギャラリが形
成され外部下方に外方に拡開した円環状の下り斜面が形
成された油膜形成体と、該油膜形成体に被せられ該油膜
形成体に対して一定の円環状の隙間が形成されるように
配設されると共にオイルポンプからオイルが供給される
ようにした油膜調整カバーとからなり切削油を供給しな
がらカッタによりワークを切削している切削加工部の上
方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工部
及びワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成す
るようにした油膜形成装置を備えることで切削加工部か
ら発生する切削油の油煙を油膜により吸収させて流下さ
せることにより油煙を除去するように構成することによ
って、円環状の隙間の調節によって、安定した油膜が長
時間にわたって得られるようにすることであり、またこ
れによって非常にコンパクトで構造が簡易、かつ安価な
装置で切削加工部から発生する油煙を完全に除去できる
ようにすることである。
【0013】 更に他の目的は、上記構成に加えて、油
膜形成装置により形成される油膜の上下方向の中間点に
水平及び垂直方向に夫々傾斜して設置され油膜をより強
固なものとするための薄い板からなる油膜改良板を備え
ることで油膜により切削加工部から発生する切削油の油
煙を吸収させて流下させると共にカッタ付近における油
膜の乱れを油膜改良板により防止して油煙を除去するよ
うに構成することによって、長さの長いホブのようにカ
ッタの幅が大きい場合やカッタの切刃が粗いため又はカ
ッタの回転方向によって油膜の形成が乱され易い場合で
も、非常に強固な油膜が常に形成されて切削加工部より
下方の機枠にまで油膜が到達するようにし、より完全な
油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、油
煙の除去をより完全にすることである。
膜形成装置により形成される油膜の上下方向の中間点に
水平及び垂直方向に夫々傾斜して設置され油膜をより強
固なものとするための薄い板からなる油膜改良板を備え
ることで油膜により切削加工部から発生する切削油の油
煙を吸収させて流下させると共にカッタ付近における油
膜の乱れを油膜改良板により防止して油煙を除去するよ
うに構成することによって、長さの長いホブのようにカ
ッタの幅が大きい場合やカッタの切刃が粗いため又はカ
ッタの回転方向によって油膜の形成が乱され易い場合で
も、非常に強固な油膜が常に形成されて切削加工部より
下方の機枠にまで油膜が到達するようにし、より完全な
油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、油
煙の除去をより完全にすることである。
【0014】
【0015】 要するに本発明方法(請求項1)は、切
削油を供給しながらカッタによりワークを切削している
切削加工部の上方から圧力をかけたオイルを噴出流下さ
せて前記切削加工部及び前記ワークの周囲を取り囲むよ
うな層流の油膜を形成するに際し、該油膜の上下方向の
中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した薄い板からな
る油膜改良板を設置して前記油膜をより強固なものと
し、前記油膜により前記切削加工部から発生する前記切
削油の油煙を吸収させて流下させると共に、前記カッタ
付近における前記油膜の乱れを防止することにより油煙
を除去することを特徴とするものである。
削油を供給しながらカッタによりワークを切削している
切削加工部の上方から圧力をかけたオイルを噴出流下さ
せて前記切削加工部及び前記ワークの周囲を取り囲むよ
うな層流の油膜を形成するに際し、該油膜の上下方向の
中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した薄い板からな
る油膜改良板を設置して前記油膜をより強固なものと
し、前記油膜により前記切削加工部から発生する前記切
削油の油煙を吸収させて流下させると共に、前記カッタ
付近における前記油膜の乱れを防止することにより油煙
を除去することを特徴とするものである。
【0016】
【0017】また本発明装置(請求項2)は、水平断面
円形に形成され内部にオイルを貯溜する円環状のオイル
ギャラリが形成され外部下方に外方に拡開した円環状の
下り斜面が形成された油膜形成体と該油膜形成体に被せ
られ該油膜形成体に対して一定の円環状の隙間が形成さ
れるように配設されると共にオイルポンプからオイルが
供給されるようにした油膜調整カバーとからなり切削油
を供給しながらカッタによりワークを切削している切削
加工部の上方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて
前記切削加工部及び前記ワークの周囲を取り囲むような
層流の油膜を形成するようにした油膜形成装置と、該油
膜形成装置により形成される前記油膜の上下方向の中間
点に水平及び垂直方向に夫々傾斜して設置され前記油膜
をより強固なものとするための薄い板からなる油膜改良
板とを備え、前記油膜により前記切削加工部から発生す
る前記切削油の油煙を吸収させて流下させると共に前記
カッタ付近における前記油膜の乱れを前記油膜改良板に
より防止して油煙を除去するように構成したことを特徴
とするものである。
円形に形成され内部にオイルを貯溜する円環状のオイル
ギャラリが形成され外部下方に外方に拡開した円環状の
下り斜面が形成された油膜形成体と該油膜形成体に被せ
られ該油膜形成体に対して一定の円環状の隙間が形成さ
れるように配設されると共にオイルポンプからオイルが
供給されるようにした油膜調整カバーとからなり切削油
を供給しながらカッタによりワークを切削している切削
加工部の上方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて
前記切削加工部及び前記ワークの周囲を取り囲むような
層流の油膜を形成するようにした油膜形成装置と、該油
膜形成装置により形成される前記油膜の上下方向の中間
点に水平及び垂直方向に夫々傾斜して設置され前記油膜
をより強固なものとするための薄い板からなる油膜改良
板とを備え、前記油膜により前記切削加工部から発生す
る前記切削油の油煙を吸収させて流下させると共に前記
カッタ付近における前記油膜の乱れを前記油膜改良板に
より防止して油煙を除去するように構成したことを特徴
とするものである。
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基いて説明する。本発明に係る切削時の油煙除去装置3
1は、図1から図5に示すように、油膜形成装置25
と、油膜改良板26とを備えている。
基いて説明する。本発明に係る切削時の油煙除去装置3
1は、図1から図5に示すように、油膜形成装置25
と、油膜改良板26とを備えている。
【0020】 油膜形成装置25は、油膜形成体28
と、油膜調整カバー29とからなり、油膜形成体28
は、水平断面円形に形成され内部にオイルの一例たる切
削油16を貯溜する円環状のオイルギャラリ28aが形
成され外部下方に外方に拡開した円環状の下り斜面28
bが形成されたものであり、また油膜調整カバー29
は、油膜形成体28に被せられ該油膜形成体に対して一
定の円環状の隙間Wが形成されるように配設されると共
にオイルポンプ18から切削油16が供給されるように
したものであって、切削油16を供給しながらカッタ1
4によりワーク10を切削している切削加工部21の上
方から圧力をかけた切削油16を噴出流下させて切削加
工部21及びワーク10の周囲を取り囲むような層流の
油膜30を形成するようにしたものである。
と、油膜調整カバー29とからなり、油膜形成体28
は、水平断面円形に形成され内部にオイルの一例たる切
削油16を貯溜する円環状のオイルギャラリ28aが形
成され外部下方に外方に拡開した円環状の下り斜面28
bが形成されたものであり、また油膜調整カバー29
は、油膜形成体28に被せられ該油膜形成体に対して一
定の円環状の隙間Wが形成されるように配設されると共
にオイルポンプ18から切削油16が供給されるように
したものであって、切削油16を供給しながらカッタ1
4によりワーク10を切削している切削加工部21の上
方から圧力をかけた切削油16を噴出流下させて切削加
工部21及びワーク10の周囲を取り囲むような層流の
油膜30を形成するようにしたものである。
【0021】 油膜形成体28について更に詳細に説明
すると、図1から図3に示すように、中心部にはセンタ
支持アーム11により支持されたセンタ12に嵌合する
センタ穴28cが形成され、センタ穴28cの周囲に
は、ボス部28dが形成され、該ボス部には下端面28
eから高さHの位置に油膜調整カバーとの間の隙間Wを
決めるための段差28fが形成され、更にボス部28d
の外周の一部にはめねじ28gが形成されている。
すると、図1から図3に示すように、中心部にはセンタ
支持アーム11により支持されたセンタ12に嵌合する
センタ穴28cが形成され、センタ穴28cの周囲に
は、ボス部28dが形成され、該ボス部には下端面28
eから高さHの位置に油膜調整カバーとの間の隙間Wを
決めるための段差28fが形成され、更にボス部28d
の外周の一部にはめねじ28gが形成されている。
【0022】 そしてオイルギャラリ28aの外周部2
8hの下端面28eからの高さhは、段差28fの高さ
Hよりも隙間Wだけ低く設定され、結果として油膜調整
カバー29との隙間Wが確保されるようになっている。
またこのことは外周部28hと油膜調整カバー29の内
周面29hとの寸法差についても同様であり、ここにも
同一の円環状の隙間Wが形成されるようになっている。
8hの下端面28eからの高さhは、段差28fの高さ
Hよりも隙間Wだけ低く設定され、結果として油膜調整
カバー29との隙間Wが確保されるようになっている。
またこのことは外周部28hと油膜調整カバー29の内
周面29hとの寸法差についても同様であり、ここにも
同一の円環状の隙間Wが形成されるようになっている。
【0023】 またボス部28dの上部には、油膜形成
体28をセンタ12に固定するための止めねじ33が螺
合するめねじ穴28iが形成されている。なお、油膜3
0を形成するための下り斜面28bの水平面に対する角
度θ(図2)は、例えば約60°に設定されている。
体28をセンタ12に固定するための止めねじ33が螺
合するめねじ穴28iが形成されている。なお、油膜3
0を形成するための下り斜面28bの水平面に対する角
度θ(図2)は、例えば約60°に設定されている。
【0024】 次に、油膜調整カバー29について更に
詳細に説明すると、図1から図5に示すように、該油膜
調整カバーには、油膜形成体28の外周部との間で隙間
Wを形成するための大径穴29aが下から上下方向の中
央部まであけられ、その天井面29bが油膜形成体28
の段差28fに載置されることにより上下方向の隙間W
が得られるようになっており、また中央には油膜形成体
28のボス部28dに嵌合するための小径穴29cが形
成され、その内周面29dには、Oリング等のシール部
材34を収容するための溝29eが形成され、更に上面
29fには、オイルポンプ35に接続された送油管36
が接続される接続パイプ38のおねじ38aが螺合する
ための貫通めねじ穴29gが形成されている。
詳細に説明すると、図1から図5に示すように、該油膜
調整カバーには、油膜形成体28の外周部との間で隙間
Wを形成するための大径穴29aが下から上下方向の中
央部まであけられ、その天井面29bが油膜形成体28
の段差28fに載置されることにより上下方向の隙間W
が得られるようになっており、また中央には油膜形成体
28のボス部28dに嵌合するための小径穴29cが形
成され、その内周面29dには、Oリング等のシール部
材34を収容するための溝29eが形成され、更に上面
29fには、オイルポンプ35に接続された送油管36
が接続される接続パイプ38のおねじ38aが螺合する
ための貫通めねじ穴29gが形成されている。
【0025】 そして図2に示すように、シール部材3
4を油膜調整カバー29の溝29eに嵌め込んでから、
油膜形成体28に嵌合させ、ロックナット39を油膜形
成体28のボス部28dのおねじ28gに螺合させて締
め付け、送油管36を接続パイプ38に接続することに
よって簡単に油膜形成装置25を組み立てることができ
るようになっている。
4を油膜調整カバー29の溝29eに嵌め込んでから、
油膜形成体28に嵌合させ、ロックナット39を油膜形
成体28のボス部28dのおねじ28gに螺合させて締
め付け、送油管36を接続パイプ38に接続することに
よって簡単に油膜形成装置25を組み立てることができ
るようになっている。
【0026】 次に、油膜改良板26について説明する
と、該油膜改良板は、油膜形成装置25により形成され
る油膜30の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫
々20乃至30°程度傾斜して設置されるもので、油膜
30をより強固なものとするための薄い合成樹脂の板か
らなるものである。この油膜改良板26を用いるのは、
長さの長いホブ(図4参照)のような幅の広いカッタ1
4を用いたり、粗い刃具を用いたり、また回転方向によ
り油膜を乱れさせるような場合又は油膜形成装置25の
高さがワーク10の長さが長いために高い位置に設置せ
ざるを得ないような場合に、油膜30の流れをより強固
にするためであり、油膜改良板26がちょうど飛行機の
翼のような働きをして、流下して来た切削油16を強制
的に一方向に押しやり、この強制力が油膜30全体に行
き渡り、一種の慣性抵抗、即ち回転体におけるジャイロ
効果のような現象を起こさせ、これによって高い位置か
ら、低い位置である歯切盤2の機枠2aに到達するまで
油膜30が乱されることなく流下するようにしたもので
ある。
と、該油膜改良板は、油膜形成装置25により形成され
る油膜30の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫
々20乃至30°程度傾斜して設置されるもので、油膜
30をより強固なものとするための薄い合成樹脂の板か
らなるものである。この油膜改良板26を用いるのは、
長さの長いホブ(図4参照)のような幅の広いカッタ1
4を用いたり、粗い刃具を用いたり、また回転方向によ
り油膜を乱れさせるような場合又は油膜形成装置25の
高さがワーク10の長さが長いために高い位置に設置せ
ざるを得ないような場合に、油膜30の流れをより強固
にするためであり、油膜改良板26がちょうど飛行機の
翼のような働きをして、流下して来た切削油16を強制
的に一方向に押しやり、この強制力が油膜30全体に行
き渡り、一種の慣性抵抗、即ち回転体におけるジャイロ
効果のような現象を起こさせ、これによって高い位置か
ら、低い位置である歯切盤2の機枠2aに到達するまで
油膜30が乱されることなく流下するようにしたもので
ある。
【0027】 なお、その他の構成において、従来例と
同一の部分には図面に同一の符号を付してその説明を省
略する。
同一の部分には図面に同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0028】
【0029】 そして本発明に係る油煙の除去方法(請
求項1)は、切削油16を供給しながらカッタ14によ
りワーク10を切削している切削加工部21の上方から
圧力をかけたオイルの一例たる切削油16を噴出流下さ
せて切削加工部21及びワーク10の周囲を取り囲むよ
うな層流の油膜30を形成するに際し、該油膜30の上
下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した薄い
板からなる油膜改良板26を設置して油膜30をより強
固なものとし、油膜30により切削加工部21から発生
する切削油16の油煙22を吸収させて流下させると共
に、カッタ14付近における油膜30の乱れを防止する
ことにより油煙22を除去することを特徴とするもので
ある。
求項1)は、切削油16を供給しながらカッタ14によ
りワーク10を切削している切削加工部21の上方から
圧力をかけたオイルの一例たる切削油16を噴出流下さ
せて切削加工部21及びワーク10の周囲を取り囲むよ
うな層流の油膜30を形成するに際し、該油膜30の上
下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した薄い
板からなる油膜改良板26を設置して油膜30をより強
固なものとし、油膜30により切削加工部21から発生
する切削油16の油煙22を吸収させて流下させると共
に、カッタ14付近における油膜30の乱れを防止する
ことにより油煙22を除去することを特徴とするもので
ある。
【0030】 本発明は、上記のように構成されてお
り、以下その作用について説明する。本発明に係る油煙
除去装置31を工作機械の一例として、歯切盤2につい
て適用した場合について説明すると、図2に示すように
組み立てられた油膜形成装置25を、図1、図4及び図
5に示すように、センタ12に止めねじ33により取り
付け、送油管36を接続パイプ38に夫々接続して準備
が完了する。
り、以下その作用について説明する。本発明に係る油煙
除去装置31を工作機械の一例として、歯切盤2につい
て適用した場合について説明すると、図2に示すように
組み立てられた油膜形成装置25を、図1、図4及び図
5に示すように、センタ12に止めねじ33により取り
付け、送油管36を接続パイプ38に夫々接続して準備
が完了する。
【0031】 オイルポンプ18及び35を作動させる
と、送油管19を介して切削油16が矢印Cの如く送ら
れてノズル20から切削加工部21に噴射されて供給さ
れる一方、オイルポンプ35からは2本の送油管36を
介して矢印Iの如く送られて接続パイプ38からオイル
ギャラリ28a内に流入し、ここに高い油圧を発生さ
せ、この油圧はオイルギャラリ28a全体にわたって一
定となり安定した油圧となる。
と、送油管19を介して切削油16が矢印Cの如く送ら
れてノズル20から切削加工部21に噴射されて供給さ
れる一方、オイルポンプ35からは2本の送油管36を
介して矢印Iの如く送られて接続パイプ38からオイル
ギャラリ28a内に流入し、ここに高い油圧を発生さ
せ、この油圧はオイルギャラリ28a全体にわたって一
定となり安定した油圧となる。
【0032】 そして継続して送油管36から切削油1
6が送られて来るので、切削油16は隙間Wを通って外
部に流出し、油膜形成体28の下り斜面28bの作用に
より半径方向外側に向かって矢印Jの如く放出され、こ
れが全周にわたって均一に行われるため、切削油16は
きれいな層流となって広がりながら流下し、切削加工部
21を取り囲むように、例えれば「りんどうの花のよう
な形状」となって油膜30が形成され、なおかつこの油
膜30は油膜形成装置25の高い位置から歯切盤2の低
い位置にある機枠2aまで矢印Kの如く間断なく形成さ
れ、あたかも透明な容器の様子を呈する。また機枠2a
上を流れた切削油16はオイルタンク15内に戻され、
繰り返し使用される。
6が送られて来るので、切削油16は隙間Wを通って外
部に流出し、油膜形成体28の下り斜面28bの作用に
より半径方向外側に向かって矢印Jの如く放出され、こ
れが全周にわたって均一に行われるため、切削油16は
きれいな層流となって広がりながら流下し、切削加工部
21を取り囲むように、例えれば「りんどうの花のよう
な形状」となって油膜30が形成され、なおかつこの油
膜30は油膜形成装置25の高い位置から歯切盤2の低
い位置にある機枠2aまで矢印Kの如く間断なく形成さ
れ、あたかも透明な容器の様子を呈する。また機枠2a
上を流れた切削油16はオイルタンク15内に戻され、
繰り返し使用される。
【0033】 そこでスピンドル9によりワーク10を
回転させると共に、カッタ駆動部13によりカッタ14
を矢印Bの如く回転させ、かつ矢印の如く移動させて切
削加工、即ち歯切加工を開始すると、ノズル20から供
給される切削油16は摩擦熱のために高温となって蒸発
し、多くのオイルミストを含んだ油煙22を発生させる
が、油膜30がこの切削加工部21を完全に包囲してい
るので、油煙の逃げ場はなく、大量に流下する油膜30
の内側に接触することによりどんどんこれに吸着して、
油膜30により吸収されて一緒になって流れてしまう。
回転させると共に、カッタ駆動部13によりカッタ14
を矢印Bの如く回転させ、かつ矢印の如く移動させて切
削加工、即ち歯切加工を開始すると、ノズル20から供
給される切削油16は摩擦熱のために高温となって蒸発
し、多くのオイルミストを含んだ油煙22を発生させる
が、油膜30がこの切削加工部21を完全に包囲してい
るので、油煙の逃げ場はなく、大量に流下する油膜30
の内側に接触することによりどんどんこれに吸着して、
油膜30により吸収されて一緒になって流れてしまう。
【0034】 これによって油煙22はいかに大量に発
生しても油膜30により完全に除去され、油膜30の外
部に放出されることは皆無となる。またこの油膜30に
よる吸収によって、油膜30の内部にはほとんど油煙2
2そのものがなくなり、透明に近い状態となり、切削加
工部21を外部から容易に見ることができるようにな
る。即ち、切削加工部21の視認性が油膜30により非
常に向上し、作業者が加工状態を確認し易くなる。
生しても油膜30により完全に除去され、油膜30の外
部に放出されることは皆無となる。またこの油膜30に
よる吸収によって、油膜30の内部にはほとんど油煙2
2そのものがなくなり、透明に近い状態となり、切削加
工部21を外部から容易に見ることができるようにな
る。即ち、切削加工部21の視認性が油膜30により非
常に向上し、作業者が加工状態を確認し易くなる。
【0035】 以上のように、油煙改良板26がなくて
も、油膜形成装置25が低い位置に設定される場合や、
カッタ14の幅が狭かったり流線型をしていて油膜30
を乱さないような状況においては、油膜30は順調に形
成されて、油煙22の除去作用を十分に行うが、そうで
ない場合には、油膜改良板26がその効果を発揮する。
も、油膜形成装置25が低い位置に設定される場合や、
カッタ14の幅が狭かったり流線型をしていて油膜30
を乱さないような状況においては、油膜30は順調に形
成されて、油煙22の除去作用を十分に行うが、そうで
ない場合には、油膜改良板26がその効果を発揮する。
【0036】 即ち、油膜改良板26を図示のように適
宜なステー(図示せず)により設置することにより、切
削加工部21の反対側において油膜30の流れを強制的
に一方向に向かわせて、一種の慣性抵抗を生じさせてよ
り強固な油膜30を形成することができる。
宜なステー(図示せず)により設置することにより、切
削加工部21の反対側において油膜30の流れを強制的
に一方向に向かわせて、一種の慣性抵抗を生じさせてよ
り強固な油膜30を形成することができる。
【0037】 このため、図4及び図6に示すような長
さの長いホブのような幅の広いカッタ14で、しかも粗
い刃具を回転させて切削加工を行っても油膜30はカッ
タ14の位置において乱されることはなく、容器のよう
な油膜30は機枠2aの位置まで継続し、油煙22を十
分に吸収しながら流下し、油煙22を完全に除去するこ
とができる。
さの長いホブのような幅の広いカッタ14で、しかも粗
い刃具を回転させて切削加工を行っても油膜30はカッ
タ14の位置において乱されることはなく、容器のよう
な油膜30は機枠2aの位置まで継続し、油煙22を十
分に吸収しながら流下し、油煙22を完全に除去するこ
とができる。
【0038】 なお、上記実施例においては、工作機械
は歯切盤2として説明したが、本発明の適用範囲はこれ
に限定されるものではなく、フライス盤、旋盤、各種の
NC工作機械やマシニングセンタ等あらゆる工作機械に
適用できることは言うまでもない。
は歯切盤2として説明したが、本発明の適用範囲はこれ
に限定されるものではなく、フライス盤、旋盤、各種の
NC工作機械やマシニングセンタ等あらゆる工作機械に
適用できることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】本発明は、上記のように切削油を供給し
ながらカッタによりワークを切削している切削加工部の
上方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工
部及びワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成
し、該油膜により切削加工部から発生する切削油の油煙
を吸収させて流下させることにより油煙を除去するよう
にしたので、切削加工部から出る油煙を外部に全く放出
することなく、その全量を除去できるという効果があ
り、またこの結果切削加工を行う作業場の油煙による環
境の悪化を防止できると共に、油煙をその発生と同時に
油膜に吸収させることで切削加工部付近の視認性を向上
させることができる効果がある。
ながらカッタによりワークを切削している切削加工部の
上方から圧力をかけたオイルを噴出流下させて切削加工
部及びワークの周囲を取り囲むような層流の油膜を形成
し、該油膜により切削加工部から発生する切削油の油煙
を吸収させて流下させることにより油煙を除去するよう
にしたので、切削加工部から出る油煙を外部に全く放出
することなく、その全量を除去できるという効果があ
り、またこの結果切削加工を行う作業場の油煙による環
境の悪化を防止できると共に、油煙をその発生と同時に
油膜に吸収させることで切削加工部付近の視認性を向上
させることができる効果がある。
【0040】 また切削油を供給しながらカッタにより
ワークを切削している切削加工部の上方から圧力をかけ
たオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周囲
を取り囲むような層流の油膜を形成するに際し、該油膜
の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した
薄い板からなる油膜改良板を設置して油膜をより強固な
ものとし、油膜により切削加工部から発生する切削油の
油煙を吸収させて流下させると共に、カッタ付近におけ
る油膜の乱れを防止することにより油煙を除去するよう
にしたので、カッタの幅が大きい場合やカッタの切刃が
粗いために油膜の形成が乱され易い場合でも、非常にき
れいな油膜が常に形成されて切削加工部より下方の機枠
にまで油膜が到達するようにすることができ、より完全
な油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、
油煙の除去をより完全にすることができる効果がある。
ワークを切削している切削加工部の上方から圧力をかけ
たオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周囲
を取り囲むような層流の油膜を形成するに際し、該油膜
の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜した
薄い板からなる油膜改良板を設置して油膜をより強固な
ものとし、油膜により切削加工部から発生する切削油の
油煙を吸収させて流下させると共に、カッタ付近におけ
る油膜の乱れを防止することにより油煙を除去するよう
にしたので、カッタの幅が大きい場合やカッタの切刃が
粗いために油膜の形成が乱され易い場合でも、非常にき
れいな油膜が常に形成されて切削加工部より下方の機枠
にまで油膜が到達するようにすることができ、より完全
な油膜で切削加工部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、
油煙の除去をより完全にすることができる効果がある。
【0041】 また切削油を供給しながらカッタにより
ワークを切削している切削加工部の上方から圧力をかけ
たオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周囲
を取り囲むような層流の油膜を形成するようにした油膜
形成装置を備えることで切削加工部から発生する切削油
の油煙を油膜により吸収させて流下させることにより油
煙を除去するように構成したので、切削加工部から出る
油煙を完全に除去できる効果があり、またこの結果非常
にコンパクトで、構造が簡易かつ安価な装置で油煙の除
去ができるという効果がある。
ワークを切削している切削加工部の上方から圧力をかけ
たオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの周囲
を取り囲むような層流の油膜を形成するようにした油膜
形成装置を備えることで切削加工部から発生する切削油
の油煙を油膜により吸収させて流下させることにより油
煙を除去するように構成したので、切削加工部から出る
油煙を完全に除去できる効果があり、またこの結果非常
にコンパクトで、構造が簡易かつ安価な装置で油煙の除
去ができるという効果がある。
【0042】 また水平断面円形に形成され内部にオイ
ルを貯溜する円環状のオイルギャラリが形成され外部下
方に外方に拡開した円環状の下り斜面が形成された油膜
形成体と、該油膜形成体に被せられ該油膜形成体に対し
て一定の円環状の隙間が形成されるように配設されると
共にオイルポンプからオイルが供給されるようにした油
膜調整カバーとからなり切削油を供給しながらカッタに
よりワークを切削している切削加工部の上方から圧力を
かけたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの
周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するようにした
油膜形成装置を備えることで切削加工部から発生する切
削油の油煙を油膜により吸収させて流下させることによ
り油煙を除去するように構成したので、円環状の隙間の
調節によって、安定した油膜が長時間にわたって得られ
る効果があり、またこの結果非常にコンパクトで構造が
簡易、かつ安価な装置で切削加工部から発生する油煙を
完全に除去できるという効果がある。
ルを貯溜する円環状のオイルギャラリが形成され外部下
方に外方に拡開した円環状の下り斜面が形成された油膜
形成体と、該油膜形成体に被せられ該油膜形成体に対し
て一定の円環状の隙間が形成されるように配設されると
共にオイルポンプからオイルが供給されるようにした油
膜調整カバーとからなり切削油を供給しながらカッタに
よりワークを切削している切削加工部の上方から圧力を
かけたオイルを噴出流下させて切削加工部及びワークの
周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するようにした
油膜形成装置を備えることで切削加工部から発生する切
削油の油煙を油膜により吸収させて流下させることによ
り油煙を除去するように構成したので、円環状の隙間の
調節によって、安定した油膜が長時間にわたって得られ
る効果があり、またこの結果非常にコンパクトで構造が
簡易、かつ安価な装置で切削加工部から発生する油煙を
完全に除去できるという効果がある。
【0043】 更には、上記構成に加えて、油膜形成装
置により形成される油膜の上下方向の中間点に水平及び
垂直方向に夫々傾斜して設置され油膜をより強固なもの
とするための薄い板からなる油膜改良板を備えることで
油膜により切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収
させて流下させると共にカッタ付近における油膜の乱れ
を油膜改良板により防止して油煙を除去するように構成
したので、長さの長いホブのようにカッタの幅が大きい
場合やカッタの切刃が粗いため又はカッタの回転方向に
よって油膜の形成が乱され易い場合でも、非常に強固な
油膜が常に形成されて切削加工部より下方の機枠にまで
油膜が到達するようにし得、より完全な油膜で切削加工
部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、油煙の除去をより
完全にすることができる効果が得られる。
置により形成される油膜の上下方向の中間点に水平及び
垂直方向に夫々傾斜して設置され油膜をより強固なもの
とするための薄い板からなる油膜改良板を備えることで
油膜により切削加工部から発生する切削油の油煙を吸収
させて流下させると共にカッタ付近における油膜の乱れ
を油膜改良板により防止して油煙を除去するように構成
したので、長さの長いホブのようにカッタの幅が大きい
場合やカッタの切刃が粗いため又はカッタの回転方向に
よって油膜の形成が乱され易い場合でも、非常に強固な
油膜が常に形成されて切削加工部より下方の機枠にまで
油膜が到達するようにし得、より完全な油膜で切削加工
部を取り囲み、油煙の逃げを防止し、油煙の除去をより
完全にすることができる効果が得られる。
【図1】図1から図6は本発明の実施例に係り、図1は
油煙除去装置の部分縦断面正面図である。
油煙除去装置の部分縦断面正面図である。
【図2】油膜形成装置の縦断面図である。
【図3】油膜形成装置の一部破断分解斜視図である。
【図4】油煙除去装置を歯切盤に適用して油煙の除去を
行っている状態を示す斜視図である。
行っている状態を示す斜視図である。
【図5】図4と同様な状態を示す部分縦断面図である。
【図6】切削加工部におけるカッタにより油膜が乱され
る状態を示す部分斜視図である。
る状態を示す部分斜視図である。
【図7】従来例に係る油煙除去装置の作用を示す正面図
である。
である。
10 ワーク 14 カッタ 16 オイルの一例たる切削油 18 オイルポンプ 21 切削加工部 22 油煙 25 油膜形成装置 26 油膜改良板 28 油膜形成体 28a オイルギャラリ 28b 下り斜面 29 油膜調整カバー 30 油膜 31 油煙除去装置 35 オイルポンプ W 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 11/00
Claims (2)
- 【請求項1】 切削油を供給しながらカッタによりワー
クを切削している切削加工部の上方から圧力をかけたオ
イルを噴出流下させて前記切削加工部及び前記ワークの
周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するに際し、該
油膜の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾斜
した薄い板からなる油膜改良板を設置して前記油膜をよ
り強固なものとし、前記油膜により前記切削加工部から
発生する前記切削油の油煙を吸収させて流下させると共
に、前記カッタ付近における前記油膜の乱れを防止する
ことにより油煙を除去することを特徴とする切削時の油
煙除去方法。 - 【請求項2】 水平断面円形に形成され内部にオイルを
貯溜する円環状のオイルギャラリが形成され外部下方に
外方に拡開した円環状の下り斜面が形成された油膜形成
体と該油膜形成体に被せられ該油膜形成体に対して一定
の円環状の隙間が形成されるように配設されると共にオ
イルポンプからオイルが供給されるようにした油膜調整
カバーとからなり切削油を供給しながらカッタによりワ
ークを切削している切削加工部の上方から圧力をかけた
オイルを噴出流下させて前記切削加工部及び前記ワーク
の周囲を取り囲むような層流の油膜を形成するようにし
た油膜形成装置と、該油膜形成装置により形成される前
記油膜の上下方向の中間点に水平及び垂直方向に夫々傾
斜して設置され前記油膜をより強固なものとするための
薄い板からなる油膜改良板とを備え、前記油膜により前
記切削加工部から発生する前記切削油の油煙を吸収させ
て流下させると共に前記カッタ付近における前記油膜の
乱れを前記油膜改良板により防止して油煙を除去するよ
うに構成したたことを特徴とする切削時の油煙除去装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8134336A JP3037894B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 切削時の油煙除去方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8134336A JP3037894B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 切削時の油煙除去方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09295243A JPH09295243A (ja) | 1997-11-18 |
JP3037894B2 true JP3037894B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=15125971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8134336A Expired - Fee Related JP3037894B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 切削時の油煙除去方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3037894B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4614029B2 (ja) * | 2000-08-21 | 2011-01-19 | マツダ株式会社 | 加工装置の遮断層形成装置 |
JP2002361538A (ja) * | 2001-06-08 | 2002-12-18 | Rix Corp | クーラントカーテン供給器 |
JP2010110867A (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 工作機械 |
JP6850387B1 (ja) * | 2020-05-26 | 2021-03-31 | Dmg森精機株式会社 | 工作機械 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0725007A (ja) * | 1993-07-09 | 1995-01-27 | Canon Inc | インクジェット記録装置 |
JPH0751981A (ja) * | 1993-08-13 | 1995-02-28 | Taiho Kogyo Co Ltd | 切削加工方法とその装置 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP8134336A patent/JP3037894B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09295243A (ja) | 1997-11-18 |
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