JP3036735U - 破砕機 - Google Patents

破砕機

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JP3036735U
JP3036735U JP1996011094U JP1109496U JP3036735U JP 3036735 U JP3036735 U JP 3036735U JP 1996011094 U JP1996011094 U JP 1996011094U JP 1109496 U JP1109496 U JP 1109496U JP 3036735 U JP3036735 U JP 3036735U
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明 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックホーなどの作業台車に搭載し、解体作
業時における旋回姿勢によって両破砕アームの開口度が
左右で極端にアンバランスになることを防止する。 【解決手段】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
両破砕アームを開閉し、両動型シリンダの側壁にはピン
を突設し、リンクの一端を該ピンに回転可能に連結する
とともに、該リンクの他端をフレーム側板に軸着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、バックホーなどの作業台車に搭載し、主として大型コンクリート建 造物などの解体作業に用いる破砕機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート建造物の解体作業のうち、基礎解体をはじめ太い柱や梁などの破 砕には、大きな開口幅を有する強力な破砕機を使用しなければならない。この種 の破砕機は、その基本形態が図7に例示するような構造であり、1対の破砕アー ム70,71の中間部を本体フレーム72の下方において一定間隔を隔てて枢着 するとともに、両破砕アームの後端部に両動型シリンダ74の各ピストンロッド 76,77をそれぞれ軸着し、該シリンダの伸縮作動によって破砕アーム70, 71を開閉する形式である。この種の破砕機は、従来から各地の解体現場で使用 されている。
【0003】 この破砕機80では、通常、本体フレーム72の上部に回 転機構を介してブラケット81を取り付け、該ブラケットをバックホーなどの作 業台車のアーム先端に搭載する。破砕機80は、バックホーのアーム・ブームお よびバケットリンクの操作と前記回転機構とにより、任意の旋回姿勢に設定して 作業することが可能である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記の破砕機80では、解体作業時における旋回姿勢によって、両動型シリン ダ74の両ピストンロッド連結部に作用する破砕アーム70,71やシリンダの 重量が不均等に配分され、破砕アーム70と71の開閉操作力が個々のピストン ロッド連結部で均等にならない。この結果、軽い負荷の方のピストンロッドが先 行して伸縮作動することにより、破砕アーム70,71の開口度が左右でアンバ ランスになってしまう。また、一方の破砕アーム(図7では70)が先に破砕対 象物に当接した場合、その破砕アームの動きが重くなって閉鎖回動が一時停止し たり遅れたりすることにより、破砕アーム70,71が破砕機の中心に対して常 に左右対称の開口度で破砕対象物を噛むとは限らない。
【0005】 不均一なアーム開口が極端になると、図7に示すように、 両動型シリンダ74が一方のピストンロッド76のみを押し出すとともに、他方 のピストンロッド77とともに後退して大きく傾斜する。このような現象は、破 砕アーム70,71の噛み合い位置と破砕対象物との相対的なずれ、またはピス トンロッド76,77の摺動抵抗の差などによっても発生する。
【0006】 一方の破砕アーム70が全閉位置またはそれ以上に回動し てシリンダ74が大きく傾くと、該シリンダへの作動油給排ポートを狭くしたり 、該シリンダに接続されたホースに無理な曲げが作用するなどの不具合が発生す るとともに、解体作業中に破砕対象物を破壊する瞬間の衝撃によってシリンダカ バーやシリンダピストンを損傷しやすい。さらに、このような偏心位置で破砕対 象物を破壊すると、左右の破砕アーム70,71による圧縮力が相殺されずに本 体フレーム72に捻れ力となって作用することにより、該フレームに余分な負担 を掛けたり、または取付け台車のアームやブームに無理な捻れ力が作用する結果 、その台車の損傷原因ともなる。
【0007】 破砕機におけるこのような不具合を改善するため、実開平 1−171851号公報などに開示するように、従来から種々の改善手段が提案 されている。実開平1−171851号では、両動型シリンダに1対の位置決め 部材を取り付けることにより、該シリンダを本体フレームに対して上下移動と若 干の左右の傾きを許容しつつ横方向移動を規制しており、この位置決め部材は比 較的構造が単純で製造コストも安価である。この反面、両位置決め部材は、シリ ンダチューブの長手方向において離隔して配置され且つフレーム側板との摩擦抵 抗の影響が大きいことにより、極端に傾いた状態でフレーム側板に接触すると滑 動できず、元の状態に復帰しにくくなる。例えば、一方のピストンロッドが先行 伸縮して両動型シリンダが極端に傾き、位置決め部材がフレーム側板に対して斜 めに接触すると、その接触状態のまま静止してシリンダの上下動が困難になる蓋 然性が高く、結果として位置決め部材,両動型シリンダまたはフレーム側板を損 傷することになる。
【0008】 本考案は、両動型シリンダを備える破砕機に関する前記の 問題点を改善するために、両破砕アームの開閉時におけるシリンダの横方向移動 を一定の範囲に限定し、本体フレームの縦中心線に対してシリンダが横方向に大 きく変位せずに昇降する破砕機を提供することを目的としている。本考案の他の 目的は、破砕アームが一定の範囲を超えて極端に回動しないように構成すること により、両動型シリンダの傾斜範囲を限定する破砕機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る破砕機1は、図1と図2に示すよう に、1対の破砕アーム3,3のほぼ中間部をフレーム側板2,2間にそれぞれ回 動可能に枢着し、破砕アーム3,3の後端部に両動型シリンダの各ピストンロッ ド先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって破砕アーム3,3を開 閉するような構造である。この両動型シリンダは、一般に油圧作動の両動型シリ ンダ7であるけれども、該シリンダ7以外にも通常の複動シリンダ2個を組み合 わせ、両ピストンロッド先端を接続するように構成することも可能である。
【0010】 破砕機1では、両動型シリンダの側壁にピン25を突設し 、リンク24の一端をピン25に回転可能に連結するとともに、該リンクの他端 をフレーム側板2に軸着する。リンク24およびピン25は、両動型シリンダの 片側または両側壁に取り付け、その構造と取付位置を任意に設定できる。例えば 、ピン25は、両動型シリンダ7の軸線と直交方向に突設し、該ピンの突設位置 は両動型シリンダ7のほぼ中間部であると好ましい。一般に直線状のリンク24 は、通常、ピン25,25をシリンダの両側壁に突設することでシリンダ両側に 配置し、リンク他端をフレーム側板2の内壁にそれぞれ軸着すると好ましい。
【0011】 フレーム側板2におけるリンク24の軸着位置は、フレー ム側板2の縦中心から離隔し且つ1対の破砕アーム3,3の全開時と全閉時にお いて水平状態の両動型シリンダ7が昇降する上下方向間隔のほぼ中間位置に設定 すると好ましい。図示しないけれども、このリンクについて、ピンを両動型シリ ンダの端部に突設することで該リンクの一端を両動型シリンダの端部と接続する 一方、リンク他端をフレーム側板の縦中心近傍に軸着することも可能である。2 本のリンクは、両動型シリンダの両側壁において、正面から見て同じ向きに配置 する。
【0012】 さらに、破砕アーム3,3について、フレーム枢着用孔の 周囲部の周面に所定の円周距離を隔てて相対向する段差13,14(図1)を設 けるとともに、フレーム側板2,2間においてストッパを破砕アーム3,3の枢 着用孔の周囲部のほぼ中間位置に設置すると好ましい。両破砕アーム3,3の全 開時には上方段差13がストッパの一方の端部に当接し、両破砕アーム3,3の 全閉時には下方段差14がストッパの他方の端部に当接するように構成する。図 1では、このストッパとしてT字形ストッパ10を形成しているが、ストッパの 平面形状は任意に定めることができる。
【0013】 破砕機1において、両動型シリンダ7は、リンク24のフ レーム側板側の連結部を中心として、該リンクの長さを半径とする円弧C(図1 )上における限定された範囲で昇降でき、且つ横方向への変位が許容されること になる。また、アームの枢着用孔の周囲部の段差13,14とT字形ストッパ1 0により、両動型シリンダ7の左右の傾きを限定的な範囲に止めることにより、 左右の破砕アーム3,3の開口度が最も片寄った場合でも、ピストン35(図5 )がシリンダカバー33に当接したり、油圧ホース(図示しない)の給排ポート 37(図5)を塞がないように構成することができる。
【0014】
【考案の実施の形態】
次に、本考案に係る破砕機を図面に基づいて説明する。 破砕機1において、本体フレームは、図1に示すように、回転機構19に接続 する上方の水平部材18と、該水平部材の下面に対設する1対のフレーム側板2 ,2とで構成する。フレーム側板2,2間の下方には、1対の貫通ピン孔を所定 の間隔を隔てて形成し、ここに1対の破砕アーム3,3を対向配置し、各アーム の中間部をフレームピン6,6で側板2,2間に回転可能に枢着する。また、両 動型シリンダ7をフレーム側板2,2間の上方に収納するとともに、該シリンダ のピストンロッド8,8のナックル部34(図5)は、アームピン9(図1)を 各破砕アーム3の後端部5の貫通ピン孔に嵌入することにより、各アームと回転 可能に接続する。
【0015】 破砕アーム3,3には、その先端部4の対向内側面に破砕 歯15,16およびカッター刃17を対向設置する。両動型シリンダ7のピスト ンロッド8,8を伸長・収縮作動すると、両破砕アーム3の先端部4,4が開閉 し、アーム先端部4,4間に噛んだコンクリートなどを破砕歯15,16で破壊 したり、鉄筋などをカッター刃17で切断できる。
【0016】 一方、破砕機1の本体フレームにおいて、その上部にブラ ケット20を回転機構19を介して取り付ける。ブラケット部20は、下部水平 部材22と該水平部材上面に対設する1対の側板21,21とで構成し、側板2 1,21の上部にバックホーなどの台車に取付けるピン23,23を挿通するた めの1対の貫通孔を形成する。この両貫通孔を介して、バックホーなどの作業台 車のアーム50の先端部と、該アームに設置したリンク51の先端部とをピン2 3,23で回転可能に連結する。リンク51,51は、アーム50に設置したシ リンダ52のピストンロッド53の伸縮作動で前後に回動し、これによって破砕 機1がアーム50に対して前後に揺動可能である。
【0017】 また、破砕機1の駆動油圧油は、一般に作業台車の油圧源 から供給され、作業台車のブームおよびアーム50に沿って配置された往復配管 (図示しない)を経由して両動型シリンダ7へ送油する。この往復配管は、アー ム50の先端部からブラケット部20に設置の油圧コネクションを中継して、回 転機構19の回転中心に設置したスイベルジョイント(図示しない)にホース接 続する。往復配管の一方のホースは、このスイベルジョイントの下方から両動型 シリンダ7におけるシリンダ中央のポート36(図5)に接続し、且つ他方のホ ースは、シリンダ両端のポート37,37にそれぞれ接続する。これによって、 作業台車の運転室(図示しない)において、ペダル作動弁などの操作により、両 動型シリンダ7のピストンロッド8,8を伸長・収縮作動できる。
【0018】 両動型シリンダ7において、その側壁7a(図3および図 5)のほぼ中間における両側に、同形状のピン25,25を外方に向けて突設し 、両ピンはシリンダ軸線と直交方向に延設している。各ピン25には、直線状の リンク24の一方の端を軸受部材29を介して回転可能に連結するとともに、該 リンクの他方の端を軸受部材29’を介してフレーム側板2の内側に回転可能に 連結する。各フレーム側板2におけるリンク24の軸着位置は、該フレーム側板 の縦中心から離隔し且つ1対の破砕アームの全開時と全閉時において水平状態の 両動型シリンダ7が昇降する上下方向間隔のほぼ中間位置に設定する。
【0019】 図3と図4に示すように、シリンダ側壁に固着するピン2 5には、その外向き端面にエンドプレート27を複数本のボルト28で係止する ことにより、リンク24の一端部が脱落することを防止する。また、フレーム側 板2に固着する支軸26には、その内向き端面にエンドプレート27’を複数本 のボルト28’で係止するとともに、支軸外向き部を側板貫通孔に入れてナット 30で締着することにより、リンク24の他端部がフレーム側板2から脱落する ことを防止する。フレーム側板2,2の中央部分には、リンク24の着脱とメン テナンスのための開口部31を設け、該開口部にカバープレート32をネジ止め して通常は塞いでいる。
【0020】 破砕機1において、シリンダ7を伸縮作動するとアーム3 がフレームピン6を支点に回動してアーム後端部5が上下し、これに伴ってシリ ンダ7がほぼ水平に昇降する。この際に、シリンダ7がフレーム側板2に対して リンク24で連結されているため、シリンダ固設のピン25は側板設置の支軸2 6を中心にしてリンク24の長さを半径とする円弧Cに沿って回動し、結果的に シリンダ7は円弧Cに沿ってほぼ水平を保ちながら昇降する。リンク24の存在 により、シリンダ7は、左右方向に自由移動することが拘束され、円弧Cに沿っ て限定的な範囲で横方向へ移動可能であるが、この移動量はピストンロッド8の ストロークに比較してごく僅かである。仮にピストンロッド8,8のストローク が不均一になり、左右のアーム3,3の開口度が異なってシリンダ7が傾斜した 場合でも、該シリンダ自体はリンク24によって横方向に大きく変位せず、破砕 機1の本体フレームに対してほぼ中心の位置を保つ。
【0021】 さらに、破砕アーム3,3について、フレーム枢着用孔の 周囲部の周面に所定の円周距離を隔てて相対向する段差13,14(図1)を設 けるとともに、フレーム側板2,2間においてT字形ストッパ10を破砕アーム 3,3の枢着用孔の周囲部のほぼ中間位置に設置する。T字形ストッパ10の設 置により、両破砕アーム3,3の全開時には、上方段差13がストッパ10の水 平端部11,11に当接し、両破砕アーム3,3の全閉時には下方段差14がス トッパ10の垂直下端部12に当接する。
【0022】 図1のアーム3,3の全開位置では、両ピストンロッド8 ,8が収縮して左側のピストンロッドは内方ストロークエンドに位置し、上方段 差13,13がT字形ストッパ10の水平端部11,11と当接し、この状態で シリンダ7は最上方に位置して水平状態を保つ。一方、図2のアーム3,3の全 閉位置では、両ピストンロッド8,8が伸長して右側のピストンロッドは外方ス トロークエンドに位置し、下方段差14,14がT字形ストッパ10の垂直下端 部12と接し、この状態でシリンダ7は最下方に位置して水平状態を保つ。T字 形ストッパ10は、破砕アーム3,3の全開位置と全閉位置をそれぞれ規定して 両アームの開閉作動域を制限するとともに、アーム3,3の全開および全閉位置 においてシリンダ7を水平に位置させ、シリンダ7におけるピストンロッド8, 8の位相を同調修正する機能を有する。
【0023】 即ち、破砕機1では、T字形ストッパ10の存在により、 シリンダ7の左右の傾きが図6に示す状態を最大とする範囲に限定されることに なる。図6に例示するように、アーム3,3の開口度が最もアンバランスとなる 態様は、左側のアーム3aの先端部4aが全開するとともに、右側のアーム3b の先端部4bが全閉になってシリンダ7が右下がりに傾いた状態であり、または この反対に、左側のアーム3aの先端部4aが全閉するとともに、右側のアーム 3bの先端部4bが全開になってシリンダ7が左下がりに傾いた状態である。
【0024】 図6に示す態様において、左側のアーム3aにおける上方 段差部11aはストッパ10の水平端部13aに当接し、右側のアーム3bにお ける下方段差14bがストッパ10の垂直下端部12に当接するように設定して いる。この当接位置において、シリンダ7aが円弧Cに沿ってやや右方向に移動 したところで留まるため、右側のピストンロッド8bはシリンダ7aとの相対的 な関係でストロークエンドに達せず、その位置の少し手前に留まる。また、図6 と正反対の態様となった場合は、シリンダ7aは図6と反対に左下がりに傾き、 該シリンダが円弧Cに沿ってやや右方向に移動したところで留まるため、左側の ピストンロッド8aは図2の状態よりもさらに押し出されて外方ストロークエン ドに達し、右側のピストンロッドは図1の状態よりもさらに押し込まれて内方ス トロークエンドに達する。
【0025】 リンク24によるシリンダ7の横方向の変位規制と、T字 形ストッパ10によるアーム3,3の回動規制とを併用すると、アーム3,3の 全回動域において、ピストン35(図5)の背面39がシリンダカバー33の内 側面38に当接することを防ぎ、ピストン35が油圧の給排ポート37を塞がな いように設定できる。シリンダ7の寸法諸元は、好ましくない極限態様(左側の ピストンロッドは図2の状態の時、また、右側のピストンロッドは図6に示す状 態と正反対の位置を占める状態の時における各ピストンロッドが外方ストローク エンドに達する位置)を回避するような基準で決定すればよい。この基準を守る ことにより、安全且つ無駄のないシリンダ設計が可能となる。
【0026】
【考案の効果】
本考案の破砕機は、フレーム側板に連結したリンクによって、両破砕アームを 開閉する両動型シリンダを拘束することにより、両アーム開閉の時に両動型シリ ンダはリンク回動の円弧に沿って上下方向に移動できても、その横方向変位をこ の円弧の軌跡範囲内に規制する。したがって、両動型シリンダは、極端に大きく 変位したり傾いたりせず、限定された範囲でしか横方向に移動しないので、両破 砕アームの開閉域を限定することになる。この破砕機では、解体作業時における 旋回姿勢によって両破砕アームやシリンダの重量が不均等に配分され、各破砕ア ームの開閉操作力が個々のピストンロッド連結部で均等にならなくても、両破砕 アームの開口度が左右で極端にアンバランスになることを防止する。
【0027】 また、本考案の破砕機では、破砕アームの枢着用孔の周囲 に形成した段差がT字形ストッパに当接してアームの全開および全閉の位置を規 制することにより、両破砕アームが破砕機の縦中心線から大きく偏心することな しに破砕対象物を噛んで破砕する。この破砕機を使用すると、該破砕機の本体フ レームや取付台車に無理な捻れ力が作用しない。さらに、シリンダとピストンの 相対ストローク範囲を限定することにより、該ピストンがシリンダカバーに衝突 したりまたは油圧油の給排ポートを塞いだりしない。
【0028】 この破砕機により、両動型シリンダを拘束するリンクと両 破砕アームの回動を規制するストッパとを有するだけで、合理的且つ経済的なシ リンダの設計が容易に実現できる。このような利点は、リンクとT字形ストッパ という単純な機構で得られるため、比較的低いコストで実現できるのみならず、 シリンダの横方向変位を規制する従来例と比較しても、該シリンダの昇降に伴っ て摺動する部材がなく、摩耗損傷などのトラブルも発生しないので有利である。 また、この破砕で用いるT字形のストッパは、一般に構造用形鋼材として知られ る山形鋼を2本背中合わせした板材と同じ断面形状を有し、強度的に優れた性質 を有して両破砕アームから受ける圧縮力に十分耐えるとともに、フレーム下部の 剛性強度を保つための部材としても機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 両破砕アームが全開状態である本考案の破砕
機を一部切り欠いて示す縦断面図である。
【図2】 両破砕アームが全閉状態である本考案の破砕
機を示す正面図である。
【図3】 本考案におけるリンク機構の水平断面図であ
り、取付ボルトはその一部を図示する。
【図4】 図3のA−A線に沿って切断したリンクの断
面図である。
【図5】 本考案で用いる両動型シリンダを例示する縦
断面図と正面図である。
【図6】 本考案の破砕機において両破砕アームが左右
不均等に開いた状態を示す正面図である。
【図7】 従来の破砕機において両破砕アームが左右不
均等に開いた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 破砕機 2 フレーム側板 3 破砕アーム 7 両動型シリンダ 8 ピストンロッド 10 T字形ストッパ 13,14 段差 20 ブラケット 24 リンク 25 ピン 26 支軸

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
    ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
    砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
    先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
    両破砕アームを開閉するコンクリートなどの破砕機にお
    いて、両動型シリンダの側壁にピンを突設し、リンクの
    一端を該ピンに回転可能に連結するとともに、該リンク
    の他端をフレーム側板に軸着する破砕機。
  2. 【請求項2】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
    ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
    砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
    先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
    破砕アームを開閉するコンクリートなどの破砕機におい
    て、両動型シリンダの両側壁に1対のピンをシリンダ軸
    線と直交方向にそれぞれ突設し、直線状のリンクの一端
    を該ピンにそれぞれ回転可能に連結するとともに、該リ
    ンクの他端をフレーム側板の内壁にそれぞれ軸着する破
    砕機。
  3. 【請求項3】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
    ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
    砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
    先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
    破砕アームを開閉するコンクリートなどの破砕機におい
    て、両動型シリンダのほぼ中間部における両側壁に1対
    のピンをシリンダ軸線と直交方向にそれぞれ突設し、直
    線状のリンクの一端を該ピンにそれぞれ回転可能に連結
    するとともに、該リンクの他端をフレーム側板の内壁に
    それぞれ軸着し、前記フレーム側板におけるリンク軸着
    位置はフレーム側板の縦中心から離隔し且つ1対の破砕
    アームの全開時と全閉時において水平状態の両動型シリ
    ンダが昇降する上下方向間隔のほぼ中間位置に設定する
    破砕機。
  4. 【請求項4】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
    ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
    砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
    先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
    破砕アームを開閉するコンクリートなどの破砕機におい
    て、両動型シリンダの側壁にピンを突設し、リンクの一
    端を該ピンに回転可能に連結するとともに、該リンクの
    他端を前記フレーム側板に軸着し、一方、各破砕アーム
    についてフレーム枢着用孔の周囲部の周面に所定の円周
    距離を隔てて相対向する段差を設けるとともに、フレー
    ム側板間においてストッパを両破砕アームの枢着用孔の
    周囲部のほぼ中間位置に配置し、両破砕アームの全開時
    には上方段差がストッパの一方の端部に当接し、両破砕
    アームの全閉時には下方段差がストッパの他方の端部に
    当接するように構成する破砕機。
  5. 【請求項5】 1対の破砕アームのほぼ中間部をフレー
    ム側板間にそれぞれ回動可能に枢着するとともに、両破
    砕アームの後端部に両動型シリンダの各ピストンロッド
    先端をそれぞれ軸着して該シリンダの伸縮作動によって
    破砕アームを開閉するコンクリートなどの破砕機におい
    て、両動型シリンダのほぼ中間部における両側壁に1対
    のピンをシリンダ軸線と直交方向にそれぞれ突設し、直
    線状のリンクの一端を該ピンにそれぞれ回転可能に連結
    するとともに、該リンクの他端をフレーム側板の内壁に
    それぞれ軸着し、前記フレーム側板におけるリンク軸着
    位置はフレームの縦中心から離隔し且つ1対の破砕アー
    ムの全開時と全閉時において水平状態の両動型シリンダ
    が昇降する上下方向間隔のほぼ中間位置に設定し、一
    方、各破砕アームについてフレーム枢着用孔の周囲部の
    周面に所定の円周距離を隔てて相対向する段差を設ける
    とともに、フレーム側板間において垂直断面がほぼT字
    形のストッパを両破砕アームの枢着用孔の周囲部のほぼ
    中間位置に配置し、両破砕アームの全開時には上方段差
    がT字形ストッパの水平端部に当接し、両破砕アームの
    全閉時には下方段差がT字形ストッパの垂直下端部に当
    接するように構成する破砕機。
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