JP3036154B2 - 石油燃焼装置 - Google Patents

石油燃焼装置

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JP3036154B2
JP3036154B2 JP3253447A JP25344791A JP3036154B2 JP 3036154 B2 JP3036154 B2 JP 3036154B2 JP 3253447 A JP3253447 A JP 3253447A JP 25344791 A JP25344791 A JP 25344791A JP 3036154 B2 JP3036154 B2 JP 3036154B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気化式の石油燃焼装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の石油燃焼装置は、図5お
よび図6に示すように、有底箱状の混合室1の上面にバ
ーナヘッド2を設け、このバーナヘッド2に接して混合
室1の上流側に気化器3を設けている。気化器3の上部
にはバーナヘッド2の側に広がりU字状ヒータ4を内蔵
した傾斜気化部5を設け、この傾斜気化部5の表面と気
化器3の下部の内部表面とには水平方向に形成した拡散
溝6を設けている。気化器蓋7には気化器3に空気を供
給する気化空気入口8を傾斜気化部5の中程に対向する
ように設けている。また、傾斜気化部5の中程から気化
空気入口8へこの気化空気入口8の下縁を受けるように
案内板9を水平方向に突出して形成している。さらに、
気化器蓋7の上部には送油ノズル入口10が傾斜気化部
5の上部に対向するように設けられ、この送油ノズル入
口10に送油ノズル11が臨んでいる。また、バーナヘ
ッド2の上方で傾斜気化部5の傾斜外壁に受熱フィン1
2が設けられている。ここで、燃焼ファン13に連通し
た空気室14は気化器3とバーナヘッド2とを内包する
ように設け、バーナヘッド2の下流近傍には点火電極1
5を設けている。また、気化器サーミスター16は気化
器3の上部外壁に設けている。
【0003】次に、上記構成における予熱動作について
説明する。最初にU字状ヒータ4に通電すると、気化器
3が予熱される。この予熱によって気化器サーミスター
16の出力が設定値になるとこの出力を境にしてU字状
ヒータ4が入り切りして傾斜気化部5の温度が気化温度
になるように制御される。
【0004】続いて、燃焼動作を説明する。燃焼ファン
13から送られる空気は気化空気入口8から気化器3へ
流入する気化空気と、バーナヘッド2から噴出する2次
空気との2系統に分けられて供給される。特に、気化空
気は案内板9に沿って流れて傾斜気化部5の表面に衝突
すると、さらに、傾斜気化部5の表面に沿って上昇し、
その後、混合室1に向かって傾斜気化部5の表面に沿っ
て逆に降下する。一方、送油ノズル11から噴出し傾斜
気化部5に衝突した灯油は、拡散溝6の拡散作用によっ
て傾斜気化部5の表面を帯状に拡がりながら、気化空気
に気化促進され瞬時に気化する。ここで発生した気化ガ
スは先の気化空気と混合して予混合気となり、バーナヘ
ッド2から噴出し、点火電極15の放電により点火され
て燃焼を開始し、さらに、2次空気により燃焼が促進さ
れる。そして、受熱フィン12で受熱した燃焼熱が気化
器3に熱伝導されると、気化器サーミスター16の出力
は設定値に近づき、同時にU字状ヒータ4が入り切りし
て傾斜気化部5の温度が気化温度になるように制御され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の石油燃焼装置の構成では、燃焼量の増加に対応して
空気量を増加した場合、当然傾斜気化部5の表面に沿っ
て上昇する気化空気が増加するので、拡散溝6に流入し
た灯油は、この上昇する気化空気に押し上げられて、拡
散溝6から流れ落ちることができずに拡散溝6に沿って
水平方向に流れる。その後、灯油は傾斜気化部5の表面
を逆に降下する気化空気に押し下げられて、拡散溝6の
端部付近から流れ落ちる。この流れ落ちた灯油は気化空
気と同じ方向に流れるので、気化空気による拡散作用は
なく、傾斜気化部5の表面や気化器3の下部の内部表面
を帯状となって流れる。その結果、灯油を気化させるた
めに設けた傾斜気化部5の表面や気化器3の下部の内部
表面は十分に機能されないので、傾斜気化部5や気化器
3の下部での気化能力が小さく、灯油の気化不良が生じ
るという課題があった。
【0006】また、傾斜気化部5の表面を上昇する気化
空気は気化器3の上部に衝突した後、一部の気化空気は
気化器3の内部上面や内部側面に沿って気化器蓋8の方
向に流れる。したがって、傾斜気化部5の上部に衝突し
気化器3の内部天上や内部側面に飛散した灯油はこの気
化空気に流されて気化器蓋8に衝突する。そして、気化
器蓋8の内面の温度が気化温度より低いので、気化不良
が発生したり、灯油が気化空気入口9や送油ノズル入口
10から気化器3の外に飛び出して臭気や火災の原因に
なるという課題があった。
【0007】一方、気化空気は空気室14から気化空気
入口7へと流れる際に、送油ノズル入口10の近傍の気
化器蓋8の外面に衝突するので、負圧域が気化器蓋8の
外面近傍に発生する。この負圧域の吸引作用により気化
器3の内部で発生した気化ガスが気化空気入口7や送油
ノズル入口10から気化器3の外に逆流して臭気や火災
の原因になるという課題があった。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、気化
能力の向上と灯油や気化ガスの気化器からの逆流防止と
を目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は気化器の上部に設けて上方をバーナヘッド
側に広げた傾斜気化部と、この傾斜気化部に設け略水平
方向に形成した拡散溝と、気化器の内部上面及び内部側
面の開放端近傍で傾斜気化部に対向するように気化器蓋
に設けた気化空気を供給する気化空気入口と、傾斜気化
部からこの気化空気入口の下縁に向って延立し略水平方
向に突出して設けた案内板と、気化空気入口の上部に臨
ませ傾斜気化部に向って燃料を噴出する送油ノズルとを
備えたものである。
【0010】
【作用】本発明は上記構成によって、気化空気入口から
流入した気化空気は案内板に沿って流れ、傾斜気化部の
表面に沿って上昇する流れと気化器の内部上面に沿って
流れ、傾斜気化部の表面に沿って降下する流れとに二分
する。このために、燃焼量増加に対応して空気量を増加
させても、拡散溝に流入した灯油は、この拡散溝に沿っ
て水平方向に流れながら、傾斜気化部の表面に沿って降
下する気化空気により押し下げられて拡散溝から流出す
る。その後、灯油は、傾斜気化部を上昇する気化空気に
より逆に押し拡げられて傾斜気化部の表面に広く拡散し
て瞬時に気化する。
【0011】また、傾斜気化部に衝突し気化部の内部上
面や内部側面に飛散した灯油は気化器の内部上面や内部
側面に沿って流れる気化空気により押し戻され、傾斜気
化部で気化する。
【0012】一方、気化空気は、気化器蓋の外面に衝突
することなく、気化空気入口に流入するので、気化空気
入口の上流近傍に負圧域が発生しない。したがって、気
化器の内部で発生した気化ガスは気化空気入口から気化
器の外に逆流しない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。
【0014】図1〜図4において、17は有底箱状の混
合室で、上面にバーナヘッド18を設け、このバーナヘ
ッド18に接して混合室17の上流側に気化器19を設
けている。気化器19は上部に、上方がバーナヘッド1
8の側に突出するように形成した傾斜気化部20を設
け、この傾斜気化部20の上部及び下部にはU字状ヒー
タ21の両直線部を内蔵している。また、傾斜気化部2
0の表面と気化器19の下部の内部表面には略水平方向
に延びた複数本の拡散溝22を設けている。そして、傾
斜気化部20に対向する側には気化器蓋23を立設し、
この気化器蓋23には気化器19の内部上面及び内部側
面の開放端近傍で傾斜気化部20に対向するように気化
空気入口24を設けている。また、この傾斜気化部20
の中程から気化空気入口24へこの気化空気入口24の
下縁を受けるように略水平方向に突出して案内板25を
設け、この案内板25は先端に向かって細くなる平板状
面を形成し、且つ、側面を下向きに傾斜させている。さ
らに、この気化空気入口24の上部には、傾斜気化部2
0に燃料を噴霧する送油ノズル26を臨ませている。傾
斜気化部20の傾斜外壁にはバーナヘッド18の上方に
位置する受熱フィン27を設けている。また、気化器蓋
23の後方には、気化器19とバーナヘッド18とを内
包し、空気を供給する空気室28に連通した燃焼ファン
29を設けている。なお、30はバーナヘッド18の下
流近傍に設けた点火電極であり、31は気化器19の上
部外壁に設けた気化器サーミスターである。
【0015】次に、上記構成における予熱動作を説明す
る。最初に通電されたU字状ヒータ21により気化器1
9が予熱される。この予熱によって気化器サーミスター
31の出力が設定値に上昇すると、この出力を境にして
U字状ヒータ21が入り切りして傾斜気化部20の温度
が気化温度になるように制御される。
【0016】続いて、空気と灯油の供給について説明す
る。燃焼ファン29から空気室28を介して気化空気入
口24から傾斜気化部20へ供給される気化空気及びバ
ーナヘッド18へ供給される2次空気の2系統に分けら
れ供給される。特に、気化空気は主に次の二つの流れに
分けられる。一つは案内板25の上面に沿って流れ傾斜
気化部20の中程に衝突し、その後、傾斜気化部20の
表面に沿って上昇する上昇気化空気である。他方は気化
器19の内部上面や内部側面に沿って流れ傾斜気化部2
0の上部に衝突し、その後、傾斜気化部20の表面に沿
って降下する降下気化空気である。
【0017】そして、ノズル26から噴出し傾斜気化部
20に衝突した灯油は、拡散溝22に流入する際に拡散
溝22内で少し拡がる。この拡散溝22の拡散作用によ
って、この灯油は傾斜気化部20の表面を帯状に拡がり
ながら下方へ流れ、上昇気化空気および降下気化空気に
気化促進され瞬時に気化する。ただし、拡散溝22が小
さい場合、拡散溝22の拡散作用が小さくなり、灯油は
狭い帯状になって流れるので、灯油と傾斜気化部22の
表面との接触面積が小さくなり気化不良が発生しやすく
なる。
【0018】一方、燃焼量の増加に対応して気化空気を
増加した場合、傾斜気化部20の上部に設けた拡散溝2
2に流入した灯油は、この拡散溝22に沿って水平方向
に流れながら、降下気化空気により押し下げられて拡散
溝22から下方に設けた拡散溝22に流入する。さら
に、灯油は、上昇気化空気により逆に押し拡げられて傾
斜気化部20の表面に広く拡散するので瞬時に気化でき
る。また、傾斜気化部20の中部では上昇気化空気と降
下気化空気が衝突し流れが乱れるので、熱伝達率が向上
する。この結果、傾斜気化部20の中部での気化能力が
向上する。
【0019】次に、着火初期について説明する。発生し
た気化ガスは混合室17で気化空気と混合して、バーナ
ヘッド18で点火電極30により着火し2次空気と共に
燃焼するので、燃焼特性が良い。受熱フィン27で受熱
した燃焼熱が気化器19に熱伝導されると、気化器サー
ミスター31の出力は設定値に近づき、同時にU字状ヒ
ータ21が入り切りして傾斜気化部20の温度が気化温
度になるように制御している。また、燃焼熱は受熱フィ
ン27で熱回収されるので、U字状ヒータ21の使用頻
度が少なくなり、電気代の低減が図れる。
【0020】また、傾斜気化部20に衝突し気化器19
の内部上面や内部側面に飛散した灯油は気化器19の内
部上面や内部側面に沿って流れる気化空気により押し戻
され、傾斜気化部20の表面で確実に気化する。
【0021】一方、気化空気は、気化器蓋23の外面に
衝突してすることなく、気化空気入口24に流入するの
で、気化空気入口24の上流近傍に負圧域が発生しな
い。したがって、気化器19の内部で発生した気化ガス
は気化空気入口24から気化器19の外に逆流しない。
したがって、気化器からの灯油や気化ガスの逆流防止が
図れる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の石油燃焼装置によ
れば次の効果が得られる。
【0023】気化空気入口を気化器の内部上面及び内部
側面の開放端近傍で傾斜気化部に対向するように設けて
いるので、気化空気は傾斜気化部を上昇する流れと、降
下する流れに二分する。このために、燃焼量の増加に対
応して気化空気を増加しても灯油は拡散溝に沿って水平
方向に流れながら、傾斜気化部を降下する気化空気によ
り押し下げられて拡散溝から下方に設けた拡散溝に流入
する。さらに、灯油は、傾斜気化部を上昇する気化空気
により押し拡げられて傾斜気化部の表面に広く拡散する
ので瞬時に気化できる。
【0024】また、傾斜気化部に衝突した灯油は気化器
の内部上面や内部側面に飛散するが、気化器の内部上面
や内部側面に沿って流れる気化空気により押し戻され、
傾斜気化部の表面で確実に気化できる。
【0025】さらに、傾斜気化部の中部では上昇する気
化空気と降下する気化空気が衝突し流れが乱れるので、
熱伝達率が向上し、傾斜気化部の中部での気化能力向上
が図れる。
【0026】一方、気化空気は、気化器蓋の外面に衝突
してすることなく、気化空気入口に流入するので、気化
空気入口の上流近傍に負圧域が発生しない。したがっ
て、気化器の内部で発生した気化ガスは気化空気入口か
ら気化器の外に逆流しないので、気化器からの灯油や気
化ガスの逆流防止が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の石油燃焼装置の要部を示す
部分断面斜視図
【図2】同装置の縦断面図
【図3】同装置の要部を示す切欠き側面図
【図4】同装置の一部切欠き外観斜視図
【図5】従来の石油燃焼装置の要部を示す部分断面斜視
【図6】同装置の縦断面図
【符号の説明】
18 バーナヘッド 19 気化器 20 傾斜気化部 22 拡散溝 23 気化器蓋 24 気化空気入口 25 案内板 26 送油ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/02 F23D 11/40 F23D 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を気化する気化器と、この気化器の上
    部に設けて上方をバーナヘッド側に広げた傾斜気化部
    と、この傾斜気化部に設け略水平方向に形成した拡散溝
    と、前記傾斜気化部側に対向して立設した気化器蓋と、
    前記気化器の内部上面及び内部側面の開放端近傍で前記
    傾斜気化部に対向するように前記気化器蓋に設けた気化
    空気を供給する気化空気入口と、前記傾斜気化部から前
    記気化空気入口の下縁に向って延出し略水平方向に突出
    して設けた案内板と、前記気化空気入口の上部に臨ませ
    前記傾斜気化部に向かって燃料を噴出する送油ノズルと
    を備えた石油燃焼装置。
JP3253447A 1991-10-01 1991-10-01 石油燃焼装置 Expired - Lifetime JP3036154B2 (ja)

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