JP3035371B2 - 湿し水供給装置 - Google Patents

湿し水供給装置

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JP3035371B2
JP3035371B2 JP3118358A JP11835891A JP3035371B2 JP 3035371 B2 JP3035371 B2 JP 3035371B2 JP 3118358 A JP3118358 A JP 3118358A JP 11835891 A JP11835891 A JP 11835891A JP 3035371 B2 JP3035371 B2 JP 3035371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷用の湿し水供
給装置に関し、特に本発明は、噴射ノズルから、印刷速
度に対応した最適な量の加圧した湿し水を、最適な状態
で供給することによって、安定した品質の印刷を可能に
した湿し水供給装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷(通常オフセット印刷と呼ばれ
ている)に用いられる印刷版は、画線部と非画線部とが
同一平面上に形成されている。画線部は、親油性(疏水
性)であり、油性インキに対して受理性が高く、水に対
して受容性がないように処理されており、一方、非画線
部は、親水性(疎油性)であり、水に対して受理性が高
く、油性インキに対して受容性がないように処理されて
いる。
【0003】このような処理が施された平版印刷版を用
いたオフセット印刷においては、先ず親水性の非画線部
に、水(湿し水)を付与し、均一で薄い水の膜を印刷版
上に形成させることが必要である。
【0004】オフセット印刷においては、印刷版上に非
画線部に湿し水を付与した後、この湿し水の膜が乾かな
い内に、油性インキを印刷版上に与える必要があり、か
つ、印刷品質を維持するためには印刷版上の湿し水と油
性インキとのバランスが極めて重要である。湿し水の供
給量を必要以上に多くすると、油性インキが乳化するな
どの問題が生じ、印刷ができなくなるものである。そこ
で、湿し水を最小限になるよう調整するが、湿し水が少
なくなりすぎると、逆に非画線部に均一な水膜を形成し
なかったり、インキが付与されるまでに乾いてしまった
りして、汚れが発生し、同様印刷ができなくなるもので
ある。
【0005】したがって、印刷作業者は必要最小限の湿
し水を均一に印刷版に与えることに常に注意をはらわな
ければならない。以上のように、オフセット印刷の歴史
は、印刷版にいかに確実に湿し水を付与するかの開発の
歴史でもあり、従来いろいろな湿し水の供給方式が開発
され、実施されてきた。
【0006】最も一般的な湿し水供給方法は、ゴムロー
ラにモルトンと呼ばれる布を巻付け、これに水を含ませ
るもので、この水付けローラが、印刷版上を接触回転す
ることによって印刷版の非画線部に水を付与するもので
ある。このモルトンを用いた方法は、モルトンがインキ
で汚れたり布目が変化したりするもので、常に均一な状
態で印刷版に湿し水を付与することは困難となるもので
ある。
【0007】モルトンの代わりに、より湿し水を均一に
付与するために、前述ゴムローラに紙を巻いたり、細か
い均一な凹凸を持ったプラスチックシートを巻いたり、
いろいろ工夫がされているが、いずれも、印刷中に印刷
インキなどが付着してローラは徐々に汚れ、湿し水を均
一に印刷版に付与することは難しいものである。
【0008】この問題を解決するために、回転ブラシを
用いる方式があり、湿し水の付着したブラシの毛をはじ
くことによって、湿し水を印刷版に付与する。この方法
の場合、ブラシにはインキが付着しにくいが、時間とと
もにブラシは汚れ、湿し水の付与量が変わってくると言
う問題を有する。
【0009】以上述べた従来方法の湿し水給与装置は、
水舟に水付けローラを湿す方法であり、さらにこの水舟
の湿し水がインキ、紙粉などで汚れるものである。この
ため湿し水の化学組織が変化し、湿し水としての機能が
低下するという問題も有するものである。
【0010】これらの従来方法の問題点を解決した湿し
水供給装置として、近年スプレー方式の湿し水供給装置
が実用されている。この方法は、常に新しい湿し水を一
定量印刷版に与えるという点では、優れた方法と言え
る。
【0011】スプレー方式には、湿し水と圧力エアーを
混合させて噴霧供給(二流体方式という)する方式と、
加圧した湿し水をノズルから噴霧供給(一流体方式とい
う)する方式の2つのタイプがある。たとえば、特公昭
49ー29241号には、代表的な二流体方式を採用し
たスプレー式湿し水供給装置が開示されている。この方
式によれば、印刷速度に連動して湿し水を供給するため
のポンプ装置が駆動してスプレーノズルに湿し水を供給
する一方、当該ノズルに圧縮空気を混入せしめ、湿し水
を印刷版に噴霧供給するものである。この場合、印刷速
度に対応した形での湿し水供給は可能ではあるが、スプ
レーノズルからポンプの一回転で押出される湿し水の供
給量については、個々のスプレーノズルに対応する各ポ
ンプのストローク幅を手動で調整しなければならないも
のである。したがって、従来の湿し水供給装置に比べ、
多くの利点は有するものの、湿し水の微妙な供給量調整
までも自動的に行うことができないという問題を有する
ものである。
【0012】一方、後者の加圧した湿し水をノズルから
噴霧供給(一流体方式という)する方式では、適当に加
圧された湿し水をスプレーノズルに供給する工程内に電
磁開閉弁を設け、この開閉弁を印刷条件と、印刷速度と
に対応したパルス周波数を有する信号でもって制御する
ものである。この方式の湿し水供給装置としては、米国
特許第4,708,058、米国特許第4,873,9
25、米国特許第4,815,375あるいは特開平1
ー308631等が提案されている。これら一流体方式
の湿し水供給装置においては、前述のとおり印刷条件
と、印刷速度とに対応したパルス周波数を有する信号で
電磁開閉弁を制御できることに加え、パルス幅も制御で
きることから、個々のスプレーノズル単位で、湿し水の
供給量が自動的に調整でき、二流体方式のスプレー式湿
し水供給装置よりも自動化に適した装置と言える。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
一流体方式のスプレー式湿し水供給装置では、一般にノ
ズルから噴霧される湿し水の粒子径が、約200μm程
度の大きい粒子となるものであり、湿し水の微妙な供給
量の調整には充分な適性があるとは言えないものであ
る。
【0014】すなわち、150μmより大きい粒子径に
よる湿し水供給の場合、単位時間当たりの噴射水量が多
くなるため、供給量の関係から1回の噴射における電磁
開閉弁の開口時間、すなわち、1回の噴射のパルス幅を
少なくすることが必要となる。この結果、たとえばダン
プニングローラに吹付けられた湿し水がダンプニングロ
ーラ上では充分練りきれず、水ムラが出やすくなる。ま
た、ダンプニングローラに湿し水をスプレーで噴射する
場合、通常隣合う噴射ノズルから噴射されるスプレーパ
ターンが互いにオーバーラップするよう吹付けられる関
係上、大きな粒子の場合、このオーバーラップする部分
の水量が多くなり過ぎ、ダンプニングローラ上では前記
同様練りきれず、これが水アトとなって印刷物上に現れ
ることとなる。逆に、噴射される水の粒子径を50μm
以下にすると、高速で回転するダンプニングローラ表面
の空気の流れに疎外されて噴射された湿し水粒子が飛散
し、必要な水が不足するという結果を生じる。
【0015】また、従来の一流体方式のスプレー式湿し
水供給装置では、ダンプニングローラの幅方向の湿し水
供給量にムラが発生し、水が多く供給される箇所では、
ダンプニングローラ上で前記同様練りきれず、また、水
が少なく供給される箇所では、前記のように水が不足す
るという結果を生じる。
【0016】本発明は、従来の一流体方式のスプレー式
湿し水供給装置における前述の問題点、すなわち、噴霧
される水粒子が大きいこと、およびダンプニングローラ
の幅方向の湿し水供給量のムラに起因する問題を解決し
た湿し水供給装置を提供しようとするものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、平版印刷機の
プレートシリンダの回転速度を検出する速度検出手段
と、湿し水をダンプニングローラに供給するための噴射
ノズル、電磁開閉弁から主として構成される湿し水噴射
手段と、噴射ノズルへ湿し水を圧送するための湿し水貯
蔵タンク、配管および加圧器から主として構成される湿
し水供給手段と、前記速度検出手段からの出力に応答し
て、前記湿し水噴射手段を制御する制御手段とから構成
される湿し水供給装置において、前記噴射ノズルのオリ
フィスが楕円形であり、オリフィスの換算直径が、0.
2〜0.4mmであり、湿し水の供給圧が、3〜10k
g/cm2であることを特徴とする湿し水供給装置であ
る。ここにオリフィスの換算直径とは、オリフィスの外
周長をπ(円周率)で除した値をいう。
【0020】また本発明は、前記噴射ノズルがダンプニ
ングローラに対向して、70〜100mmの距離をおい
て配置されたことを特徴とする。
【0021】また本発明は、前記噴射ノズルがダンプニ
ングローラの長手方向に沿って、100〜120mm間
隔で複数個配置されたことを特徴とする。
【0022】また本発明は、前記制御手段が、印刷条件
ならびに速度検出手段で検出される印刷速度に対応する
予め記憶させたメモリ手段を有し、速度検出手段からの
出力に応答して、当該メモリ手段に記憶されている制御
信号に従い、前記湿し水噴射手段を制御することを特徴
とする。
【0023】また本発明は、前記電磁開閉弁が、湿し水
の供給量に対応したパルス周波数を有する信号によって
駆動されることを特徴とする。
【0024】また本発明は、前記制御手段が、電磁開閉
弁を駆動するための周波数可変のパルス発生回路と、パ
ルス発生回路からのパルス幅を変化して調整するパルス
幅調整回路とを含むことを特徴とする。
【0025】
【作用】本発明に従えば、噴射ノズルのオリフィスが楕
円形とされ、その換算直径が0.2〜0.4mmに、湿
し水の供給圧力が3〜10kg/cm2にされる。これ
によって、噴射ノズルから噴射される湿し水の粒子径が
50〜150μmの範囲に調整され、ダンプニングロー
ラ上に湿し水による楕円形のスプレーパターンが形成さ
れ、楕円形の両端部分が一部重合って、全体として均一
な湿し水が供給される。
【0026】また、ダンプニングローラの幅方向に湿し
水の供給量にムラを生じないようにすることであり、こ
のために、噴射ノズルを複数個設ける場合は、互いに隣
接する噴射ノズルから噴射される湿し水の重なり部分
が、ダンプニングローラ上で50〜150mmの範囲に
なるようにすることであり、この具体的な構成として
は、噴射ノズルをダンプニングローラに対向して、70
〜100mmの距離をおいて、ダンプニングローラの長
手方向に沿って100〜120mmの間隔で配置するこ
とである。
【0027】また本発明に従えば、湿し水噴射手段は、
印刷条件や印刷速度に対応して、制御される。具体的に
は、電磁開閉弁の開閉動作が印刷条件や印刷速度による
湿し水の供給量に対応したパルス周波数を有する信号に
よって制御される。さらに周波数可変のパルス発生回路
とパルス幅調整回路とによって制御される。これらによ
って、印刷条件や印刷速度に応じた量の湿し水が均等に
ダンプニングローラ上に供給され、印刷品質を格段に向
上できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例でもって本発明に係る湿し水供
給装置をより具体的に説明するが、これに限定されるも
のではない。
【0029】図1は、本発明に係る湿し水供給装置の一
実施例の構成を示す斜視図である。本装置は、速度検出
部1、水噴射部2、水供給部3および制御部4から構成
される。
【0030】図1において、5は平版印刷機のプレート
シリンダを示し、6はプレートシリンダに巻付けられた
オフセットの印刷版を示し、7はプレートシリンダの軸
を示す。また8は、ダンプニングローラを示す。
【0031】通常、1つの印刷機で4色以上の印刷が行
われるため、プレートシリンダは4本以上あるが、図1
では2本のみを5a,5b等で示している。
【0032】先ず、平版印刷機のプレートシリンダ5a
の回転速度を検出する速度検出部1は、プレートシリン
ダ5aの軸7に固定されたプリー11、ベルト12、プ
リー13、回転速度を検出する回転速度検出器15およ
びその軸14から構成される。プレートシリンダ5aの
回転は、プレートシリンダ軸7、プーリ11、ベルト1
2、プリー13、軸14を介して回転速度検出器15に
伝達され、この回転速度検出器15によって、プレート
シリンダの回転速度が検出される。
【0033】また、湿し水を供給するため湿し水噴射部
2は、ダンプニングローラ8に臨んで設けられた複数の
噴射ノズル21a〜21hおよびそれぞれの噴射ノズル
に対応した電磁開閉弁22a〜22hから主として構成
され、湿し水供給部3の供給管35を介して湿し水が噴
射ノズル21a〜21hに供給される。図1では、噴射
ノズルおよび電磁開閉弁が、1つのダンプニングローラ
8に対して4個の連結した場合を示しているが、各ダン
プニングローラに対応する噴射ノズルおよび電磁開閉弁
の個数は、ダンプニングローラの長さによって異なるも
のである。
【0034】また、噴射ノズルへ湿し水を圧送するため
の湿し水供給部3は、湿し水貯蔵タンク31に貯留さ
れ、ポンプ32によって、必要な圧力が与えられ、主供
給管34に送出される。圧力調整弁33は、送出される
湿し水の圧力を調整している。主供給管34に接続され
る各供給管35には、それぞれ停止弁36と、フィルタ
37とが設けられている。なお、フィルタ37の設置位
置は、上記場所に限定されるものではなく、圧力調整弁
33の手前や、それぞれの電磁開閉弁22の手前に設け
てもよい。また、前記の場所に2重、3重に設けること
もできる。平版印刷機には、前述のとおり通常多数の印
刷ユニットが設けられており、全ての印刷ユニットを使
用しない場合などには、使用しない印刷ユニットに対す
る停止弁36によって湿し水の供給を停止することがで
きる。またフィルタ37は、湿し水中に混入した異物が
噴射ノズル21へ送られ、目詰まりが発生することを防
止している。
【0035】供給管35を経由して電磁開閉弁22に供
給される湿し水の量は、制御部4から出力される信号に
よって制御される。前記回転速度検出器15によって検
出された出力は、制御部4に与えられ、制御部4には、
プレートシリンダ5a,5b等に個別的に対応する制御
回路41a,41b等を含み、たとえば制御回路41a
は、プレートシリンダ5aに関連して設けられた電磁開
閉弁22a〜22dの開閉動作を制御する。
【0036】ここで、本発明に係る湿し水供給装置の湿
し水噴射部2において、ダンプニングローラ8に対して
噴射される湿し水の粒子径を、50〜150μmの範囲
になるよう設定している。そのため、噴射ノズル21の
オリフィスの換算直径を、0.2〜0.4mmとし、3
〜10kg/cm2 の供給圧で噴射ノズルに湿し水を供
給している。
【0037】さらに本発明では、ダンプニングローラ8
の表面と、噴射ノズル21との距離を70〜100mm
とし、噴射ノズル21を複数個設けるときは、互いに隣
接する噴射ノズル21間の距離を100〜120mmと
なるよう配列している。この結果、ダンプニングローラ
に噴射された湿し水のスプレーパターンの重なり部が、
50〜100mmの範囲となるものである。
【0038】以上のような構成にすることによって、前
述した各種問題のない湿し水供給が可能となるものであ
る。
【0039】図2は、本発明に係る湿し水供給装置のダ
ンプニングローラ8に対する噴射ノズル21の配列状態
および湿し水のスプレーパターンを示すものである。図
2(1)はプレートシリンダ5と、ダンプニングローラ
8(ダンプニングローラは、吹付け用ローラ81と付け
ローラ82とから構成されている)と、噴射ノズル21
との位置関係を示すものであり、噴射ノズル21は、吹
付け用ローラ81に対して、L1=70〜100mmの
距離をおいて対向し、点線XYで示した範囲のいずれか
の方向から湿し水を噴射させることができる。また、図
2(2)は吹付け用ローラ81と互いに隣接する噴射ノ
ズル、たとえば21b,21cとの位置関係を示すもの
であり、図2(3)は噴射されるスプレーパターンの吹
付け用ローラ81上でのオーバラップ状況を示すもので
ある。図2(2)および図2(3)に示すように、互い
に隣接する噴射ノズル21b,21cは、距離L2=1
00〜120mmをおいて配置され、吹付け用ローラ8
1上ではL3=50〜100mmがオーバラップするこ
ととなる。また、図2(3)では、スプレーパターンは
斜線の範囲で示し、その形状は図2(3)に示すように
楕円形になるのが湿し水の飛散を防止するうえで好まし
い。
【0040】なお、スプレーパターンの形状が楕円形に
なる噴射ノズル21の一例として、図4に示すものを用
いるとよい。図4(1)は、スプレーノズル21の斜視
図を、図4(2)はその正面図、図4(3)はその分解
断面図を示す。本スプレーノズルは、ボデイ51、スト
レーナ52、リテーナ53およびスプレーチップ54か
ら構成されており、スプレーチップ54の先端には、換
算直径0.2〜0.4mmの楕円形オリフィス55があ
る。この楕円の長径の方向をタンプニングローラ8の長
手方向に向けることによって、図2(3)に示すような
スプレーパターンが得られる。
【0041】図3は、制御回路41aの構成を示すブロ
ック図である。制御回路41aは、変換テーブル43a
と、メモリ43bと、パルス発生回路44と、パルス幅
調整回路45a〜45dと、駆動回路46a〜46dと
を含んで構成される。この制御回路41aは、回転速度
検出器15からの信号に基づいて印刷条件に対応したパ
ルス周波数を有する信号で電磁開閉弁22a〜22dを
駆動する。これによって、電磁開閉弁22a〜22dは
噴射ノズル21a〜21dに印刷条件に対応した湿し水
を供給する。
【0042】回転速度検出器15からのプレートシリン
ダ5aの回転速度の検出信号は、アナログ/デジタル変
換器(以下、A/D変換器と略す。)42に与えられ
る。この検出信号は、プレートシリンダ5aの回転速
度、たとえば0〜600rpmに対応した0〜10Vの
アナログ信号である。A/D変換器42は、この検出信
号をたとえば8ビットのデジタル信号に変換して、変換
テーブル43aに出力する。メモリ43bには、印刷速
度と、画像濃度、印刷機の種類、用紙の種類、あるいは
印刷作業環境などの異なる複数の印刷条件に対応した噴
射ノズル21a〜21dから噴射される最適な湿し水供
給量との関係を表す複数データD1〜Dnが記憶されて
いる。メモリ43bのデータに基づき変換された回転速
度に関する信号は、変換テーブル43aからたとえば8
ビットの湿し水の供給量を表す信号として、パルス発生
回路44に出力される。パルス発生回路44は、たとえ
ばデジタル/アナログ変換器および電圧/周波数変換器
を含んで構成され、変換テーブル43aから出力される
デジタル信号に対応して周波数可変のパルス周波数信号
を発生する。
【0043】パルス発生回路44からのパルス周波数信
号は、電磁開閉弁22a〜22dに個別的に対応するパ
ルス幅調整回路45a〜45dに与えられる。パルス幅
調整回路45a〜45dでは、入力されたパルス周波数
信号の周波数を変化せずにデューティ比を0〜100%
まで変化して出力し、これによって噴射ノズル21a〜
21dから噴射される湿し水の供給量を補正することが
できる。
【0044】パルス幅調整回路45a〜45dからのパ
ルス周波数信号は、駆動回路46a〜46dにそれぞれ
与えられ、電力増幅されて電磁開閉弁22a〜22dを
それぞれ駆動する。
【0045】このように本実施例においては、噴射ノズ
ル21のオリフィス径、湿し水供給圧さらには噴射ノズ
ル21と吹付け用ローラ81との距離、互いに隣接する
噴射ノズル21間の間隔を特定の範囲にすることによっ
て、目的とする粒子径の湿し水をダンプニングローラ8
にムラなく、安定して供給することができる。
【0046】また、本実施例のような制御を行うことに
よって、所望の印刷条件に対応して、各噴射ノズル単位
で最適な供給量で湿し水を噴射することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、噴射ノズ
ルに楕円形であって換算直径が0.2〜0.4mmのオ
リフィスを用い、湿し水の供給圧力を3〜10kg/c
2に調整するので、印刷版上に50〜150μmの粒
子径で均一に湿し水を噴霧することができる。また湿し
水量は、印刷条件や印刷速度に応じた最適量に制御され
る。これらによって、印刷品質を格段に向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例における噴射ノズルとダンプ
ニングローラの関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の制御回路の電気的構成を示
すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に用いる噴射ノズルの図であ
る。
【符号の説明】
1 速度検出手段 2 水噴射手段 3 水供給手段 4 制御手段 5 プレートシリンダ 8 ダンプニングローラ 21 水噴射ノズル 22 電磁開閉弁 32 ポンプ 33 圧力調整弁 41 制御回路 43b メモリ 44 パルス発生回路 45 パルス調整回路 55 オリフィス 81 吹付け用ローラ 82 付けローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−308631(JP,A) 特開 昭63−72549(JP,A) 特開 昭49−120704(JP,A) 特開 平2−59345(JP,A) 実公 昭52−19606(JP,Y2) 実公 昭59−24510(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 7/24 - 7/40 B41F 33/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平版印刷機のプレートシリンダの回転速
    度を検出する速度検出手段と、 湿し水をダンプニングローラに供給するための噴射ノズ
    ル、電磁開閉弁から主として構成される湿し水噴射手段
    と、 噴射ノズルへ湿し水を圧送するための湿し水貯蔵タン
    ク、配管および加圧器から主として構成される湿し水供
    給手段と、 前記速度検出手段からの出力に応答して、前記湿し水噴
    射手段を制御する制御手段とから構成される湿し水供給
    装置において、 前記噴射ノズルのオリフィスが楕円形であり、オリフィ
    スの換算直径が、0.2〜0.4mmであり、湿し水の
    供給圧が、3〜10kg/cm2であることを特徴とす
    る湿し水供給装置。
  2. 【請求項2】 前記噴射ノズルがダンプニングローラに
    対向して、70〜100mmの距離をおいて配置された
    ことを特徴とする請求項1記載の湿し水供給装置。
  3. 【請求項3】 前記噴射ノズルがダンプニングローラの
    長手方向に沿って、100〜120mm間隔で複数個配
    置されたことを特徴とする請求項1記載の湿し水供給装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、印刷条件ならびに速度
    検出手段で検出される印刷速度に対応する予め記憶させ
    たメモリ手段を有し、速度検出手段からの出力に応答し
    て、当該メモリ手段に記憶されている制御信号に従い、
    前記湿し水噴射手段を制御することを特徴とする請求項
    1記載の湿し水供給装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁開閉弁が、湿し水の供給量に対
    応したパルス周波数を有する信号によって駆動されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の湿し水供給装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、電磁開閉弁を駆動する
    ための周波数可変のパルス発生回路と、パルス発生回路
    からのパルス幅を変化して調整するパルス幅調整回路と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の湿し水供給装
    置。
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