JP3035231U - 一方向全回転のケーシングチューブとケーシングチューブ内掘削具が取付けられる回転部材との結合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤中に大口径の孔を掘削する場合に用いら
れ一方向全回転のケーシングチューブとケーシングチュ
ーブ内掘削具が取り付けられる回転部材との結合装置の
提供。 【解決手段】 ケーシングチューブ１の内壁面の周方向
の複数箇所に案内材７を突設するとともに、下方にケー
シングチューブ内掘削具６が取り付けられる回転部材５
に突出部８を設け、案内材７の下端部に設けたケーシン
グチューブ１の正回転方向に開口する受け口に突出部８
を係合させて、ケーシングチューブ１に作用する回転力
と圧入力が回転部材５に伝達されるようにケーシングチ
ューブ１と回転部材５とを結合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、地盤に大口径の孔を掘削する場合に用いられる一方向全回転のケー シングチューブとケーシングチューブ内掘削具が取付けられる回転部材との結合 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地盤に大口径の孔を掘削する場合に、先端に掘削ビットを装着したケー シングチューブを一方向に全回転させながら地中に圧入するとともに、ケーシン グチューブ内を別途、ハンマーグラブ等で掘削することは公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、前記公知例におけるケーシングチューブ内 にケーシングチューブ内掘削具が取り付けられた円筒状の回転部材を挿入し、こ の回転部材とケーシングチューブとを結合させて、ケーシングチューブ内の掘削 を、ケーシングチューブに作用する回転力と圧入力とを利用して行うという着想 に基づき、ケーシングチューブと前記回転部材との脱着自在の結合装置を提供す ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案の第１の結合装置では、一方向に全回転し ながら地中に圧入されるケーシングチューブの内壁面の周方向の複数箇所に縦長 の案内溝を突設するとともに、該案内溝の下端部にケーシングチューブの正回転 方向に開口する受け口を形成し、また、ケーシングチューブ内掘削具を取り付け てケーシングチューブ内に挿入される円筒状の回転部材に、前記案内溝に係合し て案内される棒状の突出部を設け、前記受け口に前記突出部を係合させてケーシ ングチューブに作用する回転力と圧入力が前記回転部材に伝達されるようにケー シングチューブと回転部材とを結合するようにしている。

【０００５】 また、本考案の第２の結合装置では、一方向に全回転しながら地中に圧入され るケーシングチューブの内壁面の周方向の複数箇所に縦長の案内突条を設けると ともに、該案内突条の下端部にケーシングチューブの正回転方向に開口する受け 口を形成し、また、ケーシングチューブ内掘削具を取り付けてケーシングチュー ブ内に挿入される円筒状の回転部材に、前記案内突条と係合する溝部を形成した 円環状の突出部を設け、前記受け口に前記溝部の一側部を係合させてケーシング チューブに作用する回転力と圧入力が前記回転部材に伝達されるようにケーシン グチューブと回転部材とを結合するようにしている。

【０００６】 また、本考案の第３の結合装置では、一方向に全回転しながら地中に圧入され るケーシングチューブの下部内壁面の周方向の複数箇所に縦長の案内突条を設け るとともに、該突条の先端部に独立した突子を形成し、また、ケーシングチュー ブ内掘削具を取り付けてケーシングチューブ内に挿入される円筒状の回転部材に 、前記案内突条と係合する溝部を形成したリング状の突出部を設けるとともに、 前記溝部の一側にケーシングチューブの正回転方向と逆向きに開口する受け口を 形成し、前記受け口に前記突子を係合させてケーシングチューブに作用する回転 力と圧入力が前記回転部材に伝達されるようにケーシングチューブと回転部材と を結合するようにしている。

【０００７】 なお、本考案の前述の各結合装置では、ケーシングチューブを正回転させるこ とによりケーシングチューブと回転部材とが結合され、逆回転させることにより 結合が解かれることは言うまでもない。

【０００８】

【考案の実施の形態】

先ず、図１により本考案の第１ないし第３の結合装置に関連する共通の事項に ついて説明すると、ケーシングチューブ１は、地上に設置したケーシングドライ バ（図示しない）の作動で一方向に全回転しつつ地中に圧入されるようになって おり、その下端には地盤を円形に掘削する掘削ビット２が取り付けられている。

【０００９】 ケーシングチューブ１内にロープ３等で吊り下げられた枠体４の下には円筒状 の回転部材５が回転自在に取り付けられ、回転部材５の下にはケーシングチュー ブ内掘削具６が一体的に取り付けられている。

【００１０】 ケーシングチューブ１の内壁面の周方向の複数箇所には縦長の案内材７が設け られ、また、回転部材５には側方に延びる突出部８が設けられている。

【００１１】 回転部材５を案内材７の案内により真っすぐ下降させて、案内材７の下端部に おいて後述する本考案の結合装置によりケーシングチューブ１と結合すると、ケ ーシングチューブ１に作用する回転力と圧入力が回転部材５に伝達されて、掘削 ビット２による前述の円形掘削と同時進行的に、ケーシングチューブ内掘削具６ でケーシングチューブ１内が掘削される。

【００１２】 なお、前述のケーシングチューブ１内の掘削により生ずるずりは、一旦、ケー シングチューブ内掘削具６の内部に取り込んだ後、ロープ３等を巻き上げて枠体 ４，回転部材５と一緒に地上に引き上げ、孔外に放出すればよい。

【００１３】 本考案の第１の結合装置では、図２に示すように、案内材７に相当するものが 案内溝９であり、また、突出部８が棒状であって、突出部８を案内溝９に係合さ せて回転部材５の下降時の案内がなされる。

【００１４】 案内溝９はケーシングチューブ１の内壁面に小間隔で側壁１０，１０を立設し て形成され、ケーシングチューブ１の内壁面が案内溝９の底面になっている。

【００１５】 案内溝９の下端部にはケーシングチューブ１の正回転方向（図２の左方向）に 開口する受け口１１が形成され、また、案内溝９の下端は閉じられてストッパー を構成している。

【００１６】 回転部材５が下降して突出部８が図２に示す位置に達した段階でケーシングチ ューブ１を少し正回転させると、突出部８が受け口１１に係合し、回転部材５と ケーシングチューブ１が結合された状態になる。

【００１７】 本考案の第２の結合装置では、図３，図４に示すように、案内材７に相当する ものが案内突条１２であり、また、突出部８が円環状であって、これには案内突 条１２が入る溝部１３が形成され、両者の係合により回転部材５の下降時の案内 がなされる。

【００１８】 案内突条１２の下端部にはケーシングチューブ１の正回転方向（図３の矢印方 向）に開口する受け口１４が形成され、また、案内突条１２の下端にはストッパ ー１５が設けられている。

【００１９】 回転部材５が下降して突出部８が図４に示す位置に達した段階でケーシングチ ューブ１を少し正回転させると、溝部１３の一側部が受け口１４に係合し、回転 部材５とケーシングチューブが結合された状態になる。

【００２０】 本考案の第３の結合装置では、図５，図６に示すように、案内材７に相当する ものが案内突条１６であり、また、突出部８が円環状であって、これには案内突 条１６が入る溝部１７が形成され、両者の係合により回転部材５の下降時の案内 がなされる。

【００２１】 案内突条１６の下方にそれぞれ小間隔を明けて独立した突子１８とストッパー １９が設けられ、また、溝部１７の一側部にはケーシングチューブ１の正回転方 向（図５の矢印方向）に逆向きに開口する受け口２０が形成されている。

【００２２】 回転部材５が下降して突出部８が図６に示す位置に達した段階でケーシングチ ューブ１を少し正回転させると、突子１８が受け口２０に係合し、回転部材５と ケーシングチューブ１が結合された状態になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の結合装置における結合時の状態を総括
的に示す縦断面図である。

【図２】本考案の第１の結合装置における結合部の拡大
縦断面図である。

【図３】本考案の第２の結合装置における結合部の拡大
横断面図である。

【図４】本考案の第２の結合装置における結合部の拡大
縦断面図である。

【図５】本考案の第３の結合装置における結合部の拡大
横断面図である。

【図６】本考案の第３の結合装置における結合部の拡大
縦断面図である。

【符号の説明】

１：ケーシングチューブ、２：ビット、３：ロープ、
４：枠体、５：回転部材、６：ケーシングチューブ内掘
削具、７：案内材、８：突出部、９：案内溝、１０：側
壁、１１：受け口、１２：案内突条、１３：溝部、１
４：受け口、１５：ストッパー、１６：案内突条、１
７：溝部、１８：突子、１９：ストッパー、２０：受け
口。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方向に全回転しながら地中に圧入され
   るケーシングチューブの内壁面の周方向の複数箇所に縦
   長の案内溝を突設するとともに、該案内溝の下端部にケ
   ーシングチューブの正回転方向に開口する受け口を形成
   し、また、ケーシングチューブ内掘削具を取り付けてケ
   ーシングチューブ内に挿入される円筒状の回転部材に、
   前記案内溝に係合して案内される棒状の突出部を設け、
   前記受け口に前記突出部を係合させてケーシングチュー
   ブに作用する回転力と圧入力が前記回転部材に伝達され
   るようにケーシングチューブと回転部材とを結合するよ
   うにしたことを特徴とする一方向全回転のケーシングチ
   ューブとケーシングチューブ内掘削具が取付けられる回
   転部材との結合装置。
2. 【請求項２】 一方向に全回転しながら地中に圧入され
   るケーシングチューブの内壁面の周方向の複数箇所に縦
   長の案内突条を設けるとともに、該案内突条の下端部に
   ケーシングチューブの正回転方向に開口する受け口を形
   成し、また、ケーシングチューブ内掘削具を取り付けて
   ケーシングチューブ内に挿入される円筒状の回転部材
   に、前記案内突条に係合する溝部を形成した円環状の突
   出部を設け、前記受け口に前記溝部の一側部を係合させ
   てケーシングチューブに作用する回転力と圧入力が前記
   回転部材に伝達されるようにケーシングチューブと回転
   部材とを結合するようにしたことを特徴とする一方向全
   回転のケーシングチューブとケーシングチューブ内掘削
   具が取付けられる回転部材との結合装置。
3. 【請求項３】 一方向に全回転しながら地中に圧入され
   るケーシングチューブの下部内壁面の周方向の複数箇所
   に縦長の案内突条を設けるとともに、該突条の下方に独
   立した突子を形成し、また、ケーシングチューブ内掘削
   具を取り付けてケーシングチューブ内に挿入される円筒
   状の回転部材に、前記案内突条と係合する溝部を形成し
   たリング状の突出部を設けるとともに、前記溝部の一側
   にケーシングチューブの正回転方向と逆向きに開口する
   受け口を形成し、前記受け口に前記突子を係合させてケ
   ーシングチューブに作用する回転力と圧入力が前記回転
   部材に伝達されるようにケーシングチューブと回転部材
   とを結合するようにしたことを特徴とする一方向全回転
   のケーシングチューブとケーシングチューブ内掘削具が
   取付けられる回転部材との結合装置。