JP3034964U - 留めピンおよびこれを備えた装飾具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を増やすことなく、簡単な構成で装
飾具の倒れを防止可能な留めピンの提供を目的とする。 【解決手段】 ピン部３を有しネクタイ１５をワイシャ
ツ１７に留めるタイピン１であって、ネクタイ１５等に
刺し通すピン部３が山部１１と谷部１３とを有する波形
形状に形成されてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、装飾具を衣服等に留める留めピンおよびこれを備えた装飾具に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばブローチなどの装飾具を衣服等に留める留めピンは、そのブロー チの取付け面（裏面）に備えられた、安全ピンに類似したほぼ直線的形状のピン 部を有し、このピン部を衣服等に刺し通して留めるのが一般的である。このよう な留めピンは装飾具を留めるための十分な装着性を有している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、衣服等に刺し通すピン部とブローチ本体との間には若干の前後距離 （間隔）があるため、その間隔分だけ衣服面からオーバハングして取付けられる ブローチ本体が自重によりおじぎをするように前傾したり、また縦方向に取付け るものにあっては横方向に倒れてしまい、正面を向かずに装飾効果が損なわれる という保持性の問題がある。

【０００４】 この倒れを防止するために、ブローチ本体の裏面下部に衣服面とのすきまを埋 めるように折り曲げた針金または帯板状部品等を取付ける方法をとっているもの があるが、部品点数や取付け工数が増えるので、コスト的に不利となる。

【０００５】 そこで、本考案は、部品点数を増やすことなく、簡単な構成で装飾具の倒れを 防止可能な留めピンの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、請求項１に記載の考案は、ピン部を有し装飾具を 衣服等に留める留めピンであって、衣服等に刺し通す前記ピン部が波形形状に形 成されてなることを特徴とする。

【０００７】 したがって、波形形状によりピン部が一平面を形成し、衣服に留めたときピン 部の平面が衣服面と身体面との間に挟まれることになる。そのため前記従来例の ほぼ直線的形状のピンと異なり、ピン部が倒れに伴い回動してしまうことがなく なり、衣服等に留めた装飾具の倒れ（例えば前傾）を防止することができる。

【０００８】 ピン部をほぼ水平方向に衣服等に刺し通したときには、波形形状のうちの山部 が装飾具の前倒れを防止する。ピン部が山部と谷部との両方を有する波形形状に 形成されているので、留めピンを左右いずれの方向から衣服等に刺し通してもピ ン部は山部を有するため、同じ前倒れ防止の作用・効果が得られる。

【０００９】 なお、ピン部をほぼ垂直方向に衣服等に刺し通したときにも、上下いずれの方 向から衣服等に刺し通しても、左右両方向への倒れを防止することができる。

【００１０】 請求項２に記載の考案は、ピン部を有し装飾具を衣服等に留める留めピンであ って、前記ピン部をほぼ水平方向に衣服等に刺し通したとき、ピン部が山形形状 になるように形成されてなることを特徴とする。

【００１１】 したがって、山形形状によりピン部が一平面を形成し、その平面が衣服面と身 体面とに挟まれることになる。そのため、山部が衣服面を押圧する方向にピン部 が回動することが抑制されるので、衣服等に留めた装飾具の前倒れを防止するこ とができる。

【００１２】 また、例えば一般のブローチのような装飾具であってピン部を刺し通す方向が ほぼ水平方向で左右いずれか一方向からに限定される場合には、刺し通したとき ピン部が（谷形状でなく）山形形状になるように形成すればよいので、より簡単 な形状構造のピン部により波形形状の場合と同じ作用・効果が得られる。

【００１３】 なお、ピン部をほぼ垂直方向に衣服等に刺し通すものにあっても、上下いずれ かの方向から衣服等に刺し通したとき、ピン部が抵抗する側への倒れを防止する ことができる。

【００１４】 請求項３に記載の考案は、衣服等に留めて用いられる装飾具であって、請求項 １または２に記載の留めピンを備えることを特徴とする。

【００１５】 したがって、請求項１または２の考案と同等の作用・効果が得られる。

【００１６】

【考案の実施の形態】

［第１実施形態］ 本考案の第１実施形態を図１、図２により説明する。図１（ａ）は本考案の留 めピンの実施形態としてのタイピンを装着状態の上方から見た図であり、図１（ ｂ）はそれを正面から見た図である。また、図２はタイピンをネクタイに装着し た状態を示す断面図である。

【００１７】 図１（ａ）に示すように、タイピン１のピン部３の右端はほぼ直角に折り曲げ られ、その先端に装飾用の真珠５が接着、固定されている。一方、ピン部３の左 先端部７には安全のためにキャップ９が差し込まれ、先端部７をカバーしている 。キャップ９は脱着可能である。

【００１８】 図１（ｂ）に示すようにタイピン１を正面から見たとき、ピン部３は山部１１ と谷部１３とを有する波形形状に形成されている。直線部から山部１１と谷部１ ３に移る角度は２０゜以上が望ましい。こうして、ピン部３は波形形状によって 形成される平面を有し、上記の真珠５はこのピン部３の平面から若干オーバハン グしている（図１（ａ）参照）。

【００１９】 なお、ピン部３の山部１１と谷部１３は一つ宛に限定されるものではない。

【００２０】 つぎに、このタイピン１の作用を図２により説明する。

【００２１】 タイピン１の取付けは、図２に示すように、結び終ったネクタイ１５の前半部 （大剣）１５ａから後半部（小剣）１５ｂおよびワイシャツ１７へピン部３を一 旦刺し通し、ついでネクタイ１５の後半部１５ｂへ刺し返して前半部１５ａの裏 側でピン部先端部７にキャップ９を差し込む。

【００２２】 こうして、ネクタイ１５をワイシャツ１７に留めたとき、タイピン１はピン部 ３の波形形状により形成される平面がワイシャツ１７の面と身体１９の面との間 に挟まれた状態で安定する。そして、真珠５が自重により前倒れしようとしても 、ピン部３の山部１１がピン部３の回動に対して抵抗するので、この抵抗を受け て真珠５の前倒れが防止される。

【００２３】 なお、ピン部３が山部１１と谷部１３とを有する波形形状に形成されているの で、ピン部３（タイピン１）を逆方向から刺し通した場合でも、その場合の山部 １３により同様に真珠５の前倒れが防止される。

【００２４】 こうして、本実施形態によれば、ネクタイ１５をワイシャツ１７に留めたタイ ピン１が、波形形状のピン部３によりワイシャツ１７と身体１９の面に沿った姿 勢を維持しようとするため、真珠５の前倒れが防止されるので、装飾効果が損な われることがなくなる。

【００２５】 また、タイピン１をスーツの襟などにほぼ縦方向に刺し通して用いる場合など には、左右方向への倒れを防止することができる。

【００２６】 なお、本実施形態では波形形状のピン部３を示したが、ピン部３を刺し通す方 向が一定する場合には、ピン部３が（谷でなく）山部１１を有するように形成す れば、波形形状にした場合と同じ作用・効果が得られる。

【００２７】 ［第２実施形態］ 本考案の第２実施形態を図３により説明する。図３は本考案の留めピンを備え た装飾具としてのブローチ５１を示す図である。図３（ａ）は装着状態のブロー チ５１を上方から見た図であり、図３（ｂ），（ｃ）はブローチ５１の取付け面 を示す図である。

【００２８】 図３（ａ）に示すように、ブローチ本体５３の取付け面（裏面）５３ａの両端 部にはピン部５５を保持する脚部５７，５９が固定されている。右端の脚部５７ は、本体５３の裏面５３ａに直交する面内においてピン部５５を支点Ａの周りに 回動可能に支持し、左端の脚部５９はピン部５５の先端部６１を係止可能である 。ブローチ本体５３の裏面５３ａと上記支点Ａとの間、および裏面５３ａと脚部 ５９の係止部Ｂとの間には、それぞれ所定の間隔Ｃが設定されている。

【００２９】 図３（ｂ）に示すように、ピン部５５は、ブローチ本体５３の裏面５３ａに平 行な面内において山部６３が形成されている。なお、ピン部５５の形状は山形形 状に限定されず、図３（ｃ）に示すように、山部６３と谷部６５とを有する波形 形状に形成してもよい。直線部から山部６３、谷部６５に移る角度は２０゜以上 が望ましい。

【００３０】 つぎに、このブローチ５１の衣服への取り付けおよびピン部５５の作用を説明 する。なお、このブローチ５１はピン部５５をほぼ水平方向に衣服に刺し通すも のとして説明する。

【００３１】 ブローチ５１の衣服への取り付けは、ピン部先端部６１を一旦衣服の外側から 内側へ刺し通し、ついで内側から外側へ刺し返して左端の脚部５９に先端部６１ を係止する。ピン部５５はその山形形状により形成される平面が衣服面と身体面 とに挟まれた状態で安定する。ブローチ本体５３が自重および間隔Ｃにより前倒 れしようとしても、ピン部５５の回動に対して山部６３が抵抗するので、この抵 抗を受けてブローチ本体５３の前倒れが防止される。

【００３２】 なお、ブローチ５１の場合、ピン部５５を刺し通す方向が一定しているので、 山形６３を形成するだけで波形形状の場合と同じ前倒れ防止作用が得られる。

【００３３】 また、ピン部５５をほぼ垂直方向に刺し通すブローチにあっては、図３（ｂ） の山部６３が倒れに抵抗する側への左右方向の片側倒れを防止することができる 。図３（ｃ）の波形形状の場合は、左右両方向への倒れを防止できる。

【００３４】 なお、本実施形態の変形として、ブローチ５１を留める衣服の布地が薄い場合 には、衣服の布地の裏に上記間隔Ｃにほぼ見合う厚さの布地などをあてがい、両 者にピン部５５を刺し通して留めるようにしてもよい。これにより倒れ防止効果 が一層向上する。

【００３５】 こうして、本実施形態によれば、ピン部５５が衣服と身体の面に沿った姿勢を 維持しようとするため、ブローチ本体５３の倒れが防止されるので、ブローチ５ １の装飾効果が損なわれることがなくなる。

【００３６】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、請求項１に記載の考案によれば、留めピンの ピン部が波形形状により一平面を形成し、その面が衣服面と身体面とに挟まれる ことになるため、前記従来例のほぼ直線的形状のピンと異なり、波形形状がピン 部の回動に対して抵抗し、衣服等に留めた装飾具の倒れを防止できる。

【００３７】 また、ピン部が波形形状に形成されているので、留めピンを左右いずれの方向 からほぼ水平方向に衣服等に刺し通しても、同じ倒れ防止効果が得られる。

【００３８】 さらに、ピン部をほぼ垂直方向に衣服等に刺し通したときにも、上下いずれの 方向から衣服等に刺し通しても、左右両方向への倒れを防止することができる。

【００３９】 請求項２に記載の考案によれば、山形形状のピン部が一平面を形成し、その面 が衣服面と身体面とに挟まれることになるため、山形形状部が衣服面を押圧する 方向にはピン部の回動が抑制されるので、衣服等に留めた装飾具の倒れを防止で きる。

【００４０】 また、例えばブローチのような装飾具であってピン部を刺し通す方向が一方向 からに限定される場合には、ピン部が（谷形状でなく）山形形状になるように形 成すればよいので、より簡単な形状構造のピン部により波形形状の場合と同じ効 果が得られる。

【００４１】 なお、ピン部をほぼ垂直方向に衣服等に刺し通すものにあっても、上下いずれ かの方向から衣服等に刺し通したとき、ピン部の山形形状が抵抗する側への倒れ を防止することができる。

【００４２】 請求項３に記載の考案によれば、請求項１または２に記載の留めピンを備えた 装飾具であるので、請求項１または２の考案と同等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）図は第１実施形態のタイピンを装着状態
の上方から見た図であり、（ｂ）図は正面から見た図で
ある。

【図２】第１実施形態の装着状態を示す断面図である。

【図３】（ａ）図は第２実施形態のブローチを装着状態
の上方から見た図であり、（ｂ），（ｃ）図はブローチ
の裏面を示す図である。

【符号の説明】

１ タイピン（留めピン） ３，５５ ピン部 ５ 真珠 １１，６３ 山部 １３，６５ 谷部 ５１ ブローチ（装飾具） ５３ ブローチ本体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピン部を有し装飾具を衣服等に留める留
   めピンであって、 衣服等に刺し通す前記ピン部が波形形状に形成されてな
   ることを特徴とする留めピン。
2. 【請求項２】 ピン部を有し装飾具を衣服等に留める留
   めピンであって、 前記ピン部をほぼ水平方向に衣服等に刺し通したとき、
   ピン部が山形形状になるように形成されてなることを特
   徴とする留めピン。
3. 【請求項３】 衣服等に留めて用いられる装飾具であっ
   て、請求項１または２に記載の留めピンを備えることを
   特徴とする装飾具。