JP3034646B2 - G−csfおよびgm−csf誘導剤 - Google Patents

G−csfおよびgm−csf誘導剤

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JP3034646B2 JP3148548A JP14854891A JP3034646B2 JP 3034646 B2 JP3034646 B2 JP 3034646B2 JP 3148548 A JP3148548 A JP 3148548A JP 14854891 A JP14854891 A JP 14854891A JP 3034646 B2 JP3034646 B2 JP 3034646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2−ピラノン誘導体類お
よびその薬理上許容される塩を有効成分とする顆粒球・
コロニ−刺激因子(以下、「G−CSF」という。)お
よび顆粒球マクロファ−ジ・コロニ−刺激因子(以下、
「GM−CSF」という。)誘導剤に関する。
【0002】本発明を利用することにより、G−CSF
およびGM−CSF誘導作用に基づく、癌化学療法・放
射線療法の副作用軽減、感染防御、好中球やマクロファ
ージの活性化を介した癌治療等が可能になる。
【0003】
【従来の技術】造血作用を有する、G−CSFおよびG
M−CSFと命名された糖蛋白質が、癌化学療法・放射
線療法の副作用軽減作用、感染防御作用等を有すること
が見出され、これらの造血因子の臨床上の有用性が明ら
かになっている (Br. J.Cancer 59 巻、2-5 頁、198
9 年)。
【0004】これらの因子は人体に投与すると、さまざ
まな薬理作用を有する事がわかっているが、本来は生体
内のある種の細胞(リンパ球・単球・線維芽細胞・血管
内皮細胞・ストローマ細胞)により複雑な調節機構によ
って産生され、血液中の種々の細胞の産生のホメオスタ
ーシスを司っているものと考えられている。したがっ
て、これらの因子を人体外より投与した場合には、これ
らの調節機構の微妙なバランスは全く考慮されず、調節
機構のバランスのくずれからくると思われる副作用が認
められる。たとえば注射部位における炎症、骨痛、発
熱、悪寒等があげられる。
【0005】他方、造血因子そのものを投与するのでは
なく生体内の産生機構を介して造血因子の産生を刺激す
る物質もいくつか知られている。
【0006】たとえば、インターロイキン1(以下、
「IL−1」という。)や腫瘍壊死因子(以下、「TN
F」という。)は各種細胞からG−CSFおよびGM−
CSFの産生を誘導する事が知られているが、これらの
因子は、発熱等の副作用を起こし、薬剤として用いるこ
とには難点がある。
【0007】また、低分子では、リポポリサッカライド
(以下、「LPS」という。)やムラミルディペプタイ
ド(以下、「MDP」という。)等を初めとする各種免
疫活性化剤を投与すると、単球・マクロファージが活性
化しG−CSFおよびGM−CSFを産生することが知
られているが、同時にIL−1・TNFなどのモノカイ
ン産生が誘導され、発熱等の副作用が起こることが知ら
れている(日本医学放射線学会誌、48、(4):51
4、1988)。
【0008】ホルボールエステル類やカルシウムイオノ
ホア類も相乗的にG−CSFおよびGM−CSFの産生
を誘導する事が知られている(Kohama等、Experimental
Hematology 、16 巻、603-608 頁、1988年)。この作
用は造血因子にとどまらず、インシュリン等のホルモン
など分泌蛋白質一般にその分泌及び産生を刺激する事が
知られている(Nishizuka Y.、Science 、225 巻、1365
頁、1984年)。特開平1-304893号、特開平2-186 号お
よびザ・ジャ−ナル・オブ・アンティビオティックス
(The Journal of Antibiotics)、42巻、 1331〜1343
頁、(1989年)には、ストレプトマイセス(Streptomyc
es)属の放線菌の代謝物として2−ピラノン誘導体類が
記載されている。しかしながらその作用については、一
部化合物において植物病原カビに対する抗菌活性と白血
病細胞に対する細胞毒性が知られるのみであり、本発明
における生理作用については全く知られていない。
【0009】一方、血球の産生メカニズムについては造
血幹細胞と呼ばれる共通の前駆細胞からさまざまな造血
因子や細胞間相互作用を介して各種成熟血液細胞が産生
されると考えられているが、その詳しいメカニズムにつ
いては殆ど明らかにされていない。
【0010】しかし、正常成人における造血の場が骨髄
内に限られている事や、in vitroの骨髄細胞の培養にお
いて骨髄内のストローマ細胞という細胞が造血に重要な
役割をはたしている事が知られるようになり(Dexter
等、J.Cell.Physiol. 、91 巻、335 頁、1977 年)、
骨髄内のストローマ細胞が各種造血因子を産生する事も
明かになっている(Harigaya等、 Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 、 82 巻、 3477 頁、1985 年; Kohama 等、Expe
rimental Hematology 、16 巻、603-608 頁、1988年
)。
【0011】従って、ストローマ細胞の造血因子産生等
に影響を与える物質を見いだすことができれば、生理的
条件下での造血メカニズムの解析や血液学的疾患の病態
の解析や、G−CSFおよびGM−CSF産生に基づく
臨床的利用が可能になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、G−C
SFおよびGM−CSF産生誘導作用に基づいた癌化学
療法・放射線療法の副作用軽減作用、感染防御作用、マ
クロファージの活性化等を介した抗癌作用等を有する治
療剤開発を目的として、種々の化合物を探索し鋭意研究
した結果、2−ピラノン誘導体類がヒト骨髄ストローマ
細胞から上記造血因子を誘導する事を見いだし本発明を
完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(I):
【0014】
【化3】
【0015】(式中、Rは4−メチルヘキサノイルオキ
シ基、6−メチルヘプタノイルオキシ基、シクロヘキシ
ルエチルカルボニルオキシ基またはオクタノイルオキシ
基を示す。)で表わされる化合物又はその薬理上許容さ
れる塩を有効成分とするG−CSF誘導剤に関するもの
であり、あるいは、一般式(I):
【0016】
【化4】
【0017】(式中、Rは4−メチルヘキサノイルオキ
シ基、6−メチルヘプタノイルオキシ基、シクロヘキシ
ルエチルカルボニルオキシ基またはオクタノイルオキシ
基を示す。)で表わされる化合物又はその薬理上許容さ
れる塩を有効成分とするGM−CSF誘導剤に関するも
のである。
【0018】なお、本発明において、上記式中のRが、 4−メチルヘキサノイルオキシ基の化合物を 化合物1、 6−メチルヘプタノイルオキシ基の化合物を 化合物2、 シクロヘキシルエチルカルボニルオキシ基の化合物を 化合物3、 オクタノイルオキシ基の化合物を 化合物4 とそれぞれ定義する。
【0019】本発明において「G−CSF誘導剤」また
は「GM−CSF誘導剤」とは、該薬剤を人体に投与す
ることにより体内におけるG−CSFまたはGM−CS
Fの産生を誘導し、癌化学療法・放射線療法の副作用軽
減、感染防御、マクロファージの活性化を介した癌治療
を可能ならしめる薬剤をいう。
【0020】本発明の前記式を有する2−ピラノン誘導
体類は薬理上許容される無毒性の塩の形で使用すること
ができる。そのような塩としては、例えばナトリウム、
カリウムのようなアルカリ金属;リジン、アルギニンの
ような塩基性アミノ酸;などとの塩をあげる事ができ
る。更に、本発明の前記式を有する2−ピラノン誘導体
類は薬理上許容される無毒性の酸付加塩の形で使用する
ことができる。そのような酸付加塩としては、例えば塩
酸、硫酸、硝酸、燐酸のような無機酸;酢酸、コハク
酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、グルタミン
酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸のような有機酸;などとの酸付加塩をあげる
事ができる。
【0021】しかしながら、本発明の薬理上許容される
塩はこれらに限定されるものではない。
【0022】本発明の前記式を有する2−ピラノン誘導
体類は種々の異性体を有する。前記式においては、これ
ら異性体およびこれら異性体の混合物がすべて単一の式
で示されている。従って本発明においてはこれら異性体
およびこれら異性体の混合物もすべて含むものである。
【0023】本発明の前記式を有する2−ピラノン誘導
体類はいずれも公知の化合物であり、例えば、Rが4−
メチルヘキサノイルオキシ基の化合物は J. Antibiotic
s 、vol.42、 pp1019-1036、(1989)に記載されており、
またRが6−メチルヘプタノイルオキシ基、シクロヘキ
シルエチルカルボニルオキシ基またはオクタノイルオキ
シ基の化合物は特開平1-304893号に開示されている。
【0024】本発明の前記式を有する2−ピラノン誘導
体類は、ストレプトマイセス・プラテンシス(Streptom
yces platensis)SANK 60191(微工研条寄第
3288号)を培養し、その培養液より分種することが
できる。
【0025】以下に、ストレプトマイセス・プラテンシ
スSANK 60191の菌学的性状を示す。
【0026】1.形態学的特徴 ISP[インターナショナル・ストレプトマイセス・プ
ロジェクト(International Streptomyces Project)]
規定の寒天培地上 28 ℃、14日間培養後、顕微鏡下観
察では、SANK 60191の基生菌糸は良好に伸
長、分岐し、黄味灰ないし薄黄味橙色を示すが、ノカル
ディア(Nocardia)属菌株様の断裂やジグザグ伸長は観
察されない。気菌糸は単純分岐である。胞子鎖の形態は
ゆるい螺旋状を示し、10ないし50またはそれ以上の
胞子の連鎖を形成する。走査型電子顕微鏡による観察で
は、胞子の表面構造は平滑(Smooth)状を示す。胞子は
卵形ないし楕円形で、その大きさは 0.5 〜 0.6 x
0.6〜1.3 μm である。また気菌糸の車軸分岐、菌核、
菌糸の断裂、胞子のうなどの特殊器官は観察されない。
【0027】2.各種培養基上の諸性質 各種培養基上で 28 ℃、14日間培養後の性状は第1表
に示すとおりである。色調の表示は日本色彩研究所
版、”標準色表”のカラーチップ・ナンバーを表す。本
菌株は培養時間の経過とともに湿潤化し、黒味を帯びて
くる。
【0028】 第1表 培地の種類 項目 SANK 60191株の性状 シュクロース・ G: 良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) 硝酸塩寒天 AM: 良好にビロード状、明るい茶味灰(2−7−
8) R: 薄茶(2−8−9) SP: 産生せず グルコース・ G: 良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) アスパラギン寒天 AM: 余り良くない、ビロード状、白 R: 薄茶(2-8-9) SP: 産生せず グリセリン・ G: 非常に良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) アスパラギン寒天 AM: 余り良くない、ビロード状、茶味灰(2-6-8) (ISP 5) R: 薄黄味茶(4-8-9) SP: 産生せず 澱粉・無機塩寒天 G: 良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) (ISP 4) AM: 良好、ビロード状、茶味白(1-6-6) R: 茶味灰(2-5-9) SP: 産生せず SC: 気菌糸は黒湿化する チロシン寒天 G: 非常に良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) (ISP 7) AM: 良好、ビロード状、白、明るい茶味灰(2-7-8) の班点 R: 薄黄味茶(4-8-9) SP: 産生せず 栄養寒天 G: 良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) (DIFCO) AM: 余り良くない、ビロード状、白 R: 薄黄味茶(4-8-9) SP: 産生せず イーストエキス・ G: 非常に良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) 麦芽エキス寒天 AM: 豊富に形成、ビロード状、明るい茶味白(1-7-6 ) (ISP 2) R: 薄黄味茶(6-7-9) SP: 産生せず SC: 気菌糸は黒湿化する オートミール寒天 G: 良好、平坦、薄黄味橙(2-9-9) (ISP 3) AM: 良好、ビロード状、暗い茶味灰(1-4-6) R: 黄味茶(4-6-9) SP: 産生せず 水寒天 G: 余り良くない、平坦、黄味灰(1-9-10) AM: 余り良くない、ビロード状、茶味灰(2-5-8) R: 明るい茶味灰(2-7-8) SP: 産生せず ポテトエキス・ G: 余り良くない、平坦、黄味灰(1-9-10) 人参エキス寒天 AM: 余り良くない、ビロード状、茶味灰(2-5-8) R: 明るい茶味灰(2-7-8) SP: 産生せず G:生育,AM:気菌糸,R:裏面,SP:可溶性色素、SC:特殊性状 3.生理学的性質 28℃で培養後、2ないし21日間に観察した SAN
K 60191株の生理学的性質は第2表に示したとお
りである。
【0029】 *:培地1;トリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP
1) 2;ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) 3;チロシン寒天(ISP 7) 4;イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2) また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地(ISP 9 )を使
用して、28℃、14日間培養後に観察した SANK
60191株の炭素源の資化性は第3表に示すとおり
である。
【0030】 第3表 D−グルコース + D−フルクトース + L−アラビノース − L−ラムノース − D−キシロース − シュクロース + イノシトール + ラフィノース + D−マンニトール + 対 照 − +:利用する、−:利用しない 4.菌体成分について SANK 60191株の細胞壁はビー・ベッカーらの
方法〔B. Becker et al.,Applied Microbiology, 12
巻、 421〜423 頁、1984 年〕に従い検討した結果、L
L−ジアミノピメリン酸およびグリシンが検出されたこ
とから細胞壁タイプIであることが確認された。また、
SANK 60191株の全細胞壁中の糖成分をエム・
ピー・レシェバリエの方法〔M. P. Lechevalier, Jou
rnal of Laboratory & Clinical Medicine, 71 巻、83
4 頁、1968 年〕に従い検討した結果、特徴的なパター
ンは認められなかった。
【0031】以上の菌学的性質から、本菌株は放線菌の
中でもストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する
放線菌であることが明らかにされた。シャーリングとゴ
ットリーブによるISP菌株記載[(E. B. Shirling a
nd D. Gottlieb)、インターナショナル・ジャーナル・
オブ・システマティック・バクテリオロジー(Internat
ional Journal of Systematic Bacteriology)第 18
巻、68-189 頁( 1968年)、第 18 巻、279-392 頁(
1968 年)、第 19 巻、391-512 頁( 1969 年)、第 22
巻、265-394 頁( 1972 年)]、ワックスマン著、ジ
・アクチノミセテス(S. A. Waksman The Actinomycete
s )第 2 巻、ブキャナンとギボンズ編、バージーズ・
マニュアル(R. E. Buchanan and N. E. Gibbons、Berg
ey's Manual of Determinative Bacteriology )第 8
版(1974年)、バージーズ・マニュアル(Bergey's Man
ual of Systematic Bacteriology)第 4 巻( 1989
年)、およびストレプトマイセス(Streptomyces)属放
線菌に関する最近の文献に記載されている菌種と比較し
たところ、ストレプトマイセス・プラテンシス(Strept
omyces platensis)に極めて近縁であることが判明し
た。
【0032】さらに、SANK 60191株はイース
ト・デキストロース培地による液体培養において鮮明な
赤味茶色の可溶性色素を産生し、0.05N HClの
添加により黄色系に変化し、0.05N NaOHの添
加により何らの変化も生じなかった。
【0033】しかしながら、ストレプトマイセス・プラ
テンシス(Streptomyces platensis)はイースト麦芽寒
天、オートミール寒天、澱粉無機塩寒天、グリセリン・
アスパラギン寒天培地上では赤色系または黄色系色素を
産生するがSANK 60191株はほとんど産生しな
い点において差異が認められた。このような菌学的特徴
を有するSANK 60191株は明らかにストレプト
マイセス・プラテンシス(Streptomyces platensis)と
は異なる新菌株であると思われるが、可溶性色素の生産
性の差のみを持って種を区別することはできないため本
SANK 60191株はストレプトマイセス・プラテ
ンシス(Streptomyces platensis)と同定された。
【0034】本発明の2−ピラノン誘導体類を得るた
め、これらの微生物の培養は他の発酵生産物を発酵生成
物を生産するために用いられるような培地中で行われ
る。このような培地には、微生物が資化できる炭素源、
窒素源および無機塩を含有する。一般に、炭素源として
グルコース、フラクトース、マルトース、シュークロー
ス、マンニトール、グリセロール、デキシトリン、オー
ト麦、ライ麦、トウモロコシデンプン、ジャガイモ、ト
ウモロコシ粉、大豆粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石
酸などを単一に、あるいは併用して用いる事ができる。
一般には培地量の1-10 重量%で変量する。
【0035】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水
分解物、ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、
ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マル
トエキス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ア
ンモニルム等である。窒素源は、単一または併用して培
地量の 0.2-6 重量%の範囲で用いる。
【0036】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サ
ルフェート、クロライド、カーボネート等のイオンを得
ることのできる通常の塩類である。また、カリウム、カ
ルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の
微量の金属も含む。
【0037】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0038】ストレプトマイセス・プラテンシス(Stre
ptomyces platensis)SANK 60191株を培養
、2−ピラノン誘導体類を生産する培地の pH は、5.
0-7.0 に変化させる事が出来る。
【0039】菌の生育温度は 9 ℃ から 37 ℃ まで
であるが 20 ℃ から 35 ℃ の範囲が生育良好であ
り、更に2−ピラノン誘導体類類の生産には、22 ℃
から 30 ℃ が好適である。2−ピラノン誘導体類は、
好気的に培養して得られるが通常用いられる好気的培養
法、例えば個体培養法、振とう培養法、通気撹拌培養法
等が用いられる。
【0040】小規模な培養においては、28 ℃で数日間
振とう培養を行うのが良好である。培養は、バッフル
(水流調節壁)のついた三角フラスコ中、1−2段階の
種の発育工程により開始する。種発育段階の培地は、炭
素源および窒素源を併用できる。種フラスコは定温イン
キュベーター中で 28 ℃、 3 日間振とうするか、また
は充分に成長するまで振とうする。成長した種は第二の
種培地、または生産培地に接種するのに用いる。中間の
発育工程を用いる場合には、本質的に同様の方法で成長
させ、生産培地に接種するためにそれを部分的に用い
る。接種したフラスコを一定温度で数日間振とうし、イ
ンキュベーションが終わったらフラスコの含有物を遠心
分離またはろ過する。
【0041】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地に
あらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 28
℃ で通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を
得るのに適している。
【0042】培養の経過に伴って生産される2−ピラノ
ン誘導体類の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフ
ィーを用いて測定することが出来る。通常は、48 時間
から96時間の培養で2−ピラノン誘導体類の生産量は最
高値に達する。
【0043】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在する2−ピラノン誘導体類を、その物理化学的
性状を利用し抽出精製することにより得られる。例え
ば、ろ液または上清中に存在する2−ピラノン誘導体類
は、酸性 pH 条件下で水と混和しない有機溶剤、例えば
酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチレン、塩化メチレ
ン、ブタノール等の単独または、それらの組み合わせに
より抽出精製することができる。また塩基性 pH 条件
下で上記有機溶剤の単独または、それらの組み合わせに
より不純物の抽出除去を行い、精製することができる。
あるいは吸着剤として、例えば活性炭または吸着用樹脂
であるアンバーライトXAD−2、XAD−4(ローム
・アンド・ハース社製)等や、ダイアイオンHP−1
0、HP−20、CHP−20、HP−50(三菱化成
(株)製)等が使用される。2−ピラノン誘導体類を含
む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物を吸
着させて取り除くか、または2−ピラノン誘導体類を吸
着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノー
ル水などを用いて溶出させることにより得られる。ま
た、菌体内に存在する2−ピラノン誘導体類は、 50-90
%の含水アセトンまたは含水メタノールにより抽出し
有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽出精製操作を行
うことにより得られる。
【0044】このようにして得られた2−ピラノン誘導
体類は、更にシリカゲル、マグネシウム−シリカゲル系
のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマト
グラフィー、セファデックスLH−20(ファルマシア
社製)などを用いた分配カラムクロマトグラフィー、お
よび順層、逆層カラムを用いた高速液体クロマトグラフ
ィー等で精製することが出来る。
【0045】以上の分離、精製の手段を単独または適宜
組み合わせ反復用いることにより2−ピラノン誘導体類
を分離精製することが出来る。
【0046】各種2−ピラノン誘導体類のG−CSF又
はGM−CSF産生誘導活性は基本的にはKohama等の方
法(Experimental Hematology 、16 巻、 603-608
頁、1988 年)による各種造血因子産生系と各種造血因
子測定系を組み合わせることにより測定できる。すなわ
ち、各種造血因子産生細胞として、例えばヒト骨髄スト
ローマ細胞株である KM-102 細胞を用い、まず検討する
各種薬剤を適当濃度に希釈して培養系に添加する(各種
造血因子産生系)。次に、通常 24 時間後培養上清の一
部を取り、各種造血因子依存性の細胞株、たとえば TF-
1 細胞や NFS-60 細胞等、の培養系に適当濃度で KM-
102 細胞培養上清を添加し、適当時間後、各種造血因子
依存性細胞株の増殖より造血因子量を定量(各種造血因
子定量系)し、造血因子産生誘導活性を測定する。各種
造血因子依存性細胞株の増殖はトリチウムチミジンの取
り込みやMTT 法キット(米国 ケミコン インターナシ
ョナルインコーポレーション社製)などいかなる方法に
よって測定してもよい。また、各種造血因子の定量法は
コロニ−法、 ELISA 法等他のいかなる方法を用いても
良い。また、各種造血因子産生細胞としては初代培養の
骨髄ストローマ細胞、その他骨髄内に存在する血管内皮
細胞、リンパ球、マクロファージ等いかなる造血因子産
生細胞を用いても良い。
【0047】本発明の前記式を有する化合物は種々の形
態で投与される。その投与形態としては例えば錠剤、カ
プセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与
または注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤
等による非経口投与をあげることができる。これらの各
種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊
剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーテ
ィング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し
うる既知の補助剤を用いて製剤化する事ができる。その
使用量は症状、年齢、体重、投与方法によって異なる
が、通常は成人に対して1日 1 mg から 200 mg を投
与する事ができる。
【0048】
【実施例】以下に参考例、実施例、製剤例をあげて本発
明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0049】参考例1.2−ピラノン誘導体類の製造法
(培養と単離) A)培養 ストレプトマイセス・プラテンシス(Streptomyces pla
tensis)SANK 60191株(微工研条寄第328
8号)と命名した2−ピラノン誘導体類産生株を無菌的
に滅菌した後述の組成の培地 100 ml を含むバッフル付
の 500 ml 三角フラスコに 1 白金耳接種し、28 ℃で
200 rpm (7 cm の回転半径)のロータリー振盪培養
機で 3 日間培養した。
【0050】4 基の 30 L ステンレス製ジャーファーメ
ンター中に、各々 15 L づつの種培養と同一の組成の培
地を入れ、これを120 ℃ 30 分間加熱殺菌した。次
いで、これに上述の種培養液を 150 ml 入れ、28 ℃
で 3 日間、15 L/分の空気流量で溶存酸素濃度を 5 p
pm に保つため撹拌速度を 100−300 rpm の範囲で自動
的にコントロールし撹拌培養した。
【0051】培地組成 可溶性デンプン 30 g 生イースト 10 g 大豆粉 7 g 魚粉 5g コーン・スチープ・リカー 2 g 肉エキス 1 g 炭酸カルシウム 1 g 水 1000 ml pH 7.0 B)単離 得られた培養液 60 L にろ過助剤としてセライト 545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)を 2.4kg 加えてろ過を行い、菌体7.2kg
を得た。得られた菌体は 50 % アセトン 30 L で 1
回、80 % アセトン20L でさらに 2 回抽出し、抽出
液を合併後ロータリーエバポレーターで有機溶媒を除去
し, さらに塩酸で pH 2.0 に調整し、酢酸エチル 10 L
で 2 回抽出した。得られた酢酸エチル層に 1 % 重炭
酸ソーダ 10 L を添加し、活性画分を水層に転溶させ、
酢酸エチル層はもう一度 1 % 重炭酸ソーダ 5 L を添
加、抽出した。得られた重炭酸ソーダ液を合併後、塩酸
で pH 2.0 に調整し酢酸エチル10 L で2回抽出した。
得られた酢酸エチル層は順次、水、飽和食塩水で洗浄
し、さらに無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリ
ーエバポレーターで減圧下、メタノールを添加しながら
濃縮して 10 ml の油状物を得た。
【0052】得られた油状物を 100 ml の60 %メタノー
ルに溶解し、セップパックバック C18 20 cc(米国ウォ
ーターズ社製)に吸着させ、ついで不用物を 30 ml の
60 %メタノールで溶出し、その後 100 % メタノール 1
5 ml で2−ピラノン誘導体類を溶出させ濃縮し、油状
物800 mg を得た。得られた油状物をメタノール10 ml
に溶解し、高速液体クロマトグラフィーを用いて分取を
行った。以下の分取条件で分取を行い、13分、19分、24
分付近のピークをそれぞれ集め粗画分A、粗画分Bおよ
び粗画分Cとした。
【0053】分取条件 カラム:ラジアルパック 25 x 10 (米国ウォーターズ
社製) 溶離液:50 % アセトニトリル− 0.5 %トリエチルアミ
ン−燐酸緩衝液 pH 3.0 流速: 9 ml/min 測定波長: 230 nm 各ピークをそれぞれ濃縮後、さらに高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて分取を行った。粗画分Aは以下の分取
条件で分取を行い 53 分付近と56分付近のピークを集
め、セップパックにて脱塩、濃縮し、4−メチルヘキサ
ノイルオキシ基と5−メチルヘキサノイルオキシ基を側
鎖に持つ2−ピラノン誘導体をそれぞれ22.03mg, 11.66
mg 得る事ができた。
【0054】粗画分Aの分取条件 カラム:コスモシール 5C 18-AR 20 x 250 mm (ナカラ
イテスク社製) 溶離液:42 % アセトニトリル− 0.5 %トリエチルアミ
ン−燐酸緩衝液 pH 3.0 流速: 9 ml/min 測定波長: 230 nm 粗画分Bは以下の分取条件で分取を行い 74 分、79分お
よび82分付近のピークを集め、セップパックにてそれぞ
れ脱塩、濃縮し、6−メチルヘプタノイルオキシ基、シ
クロヘキシルエチルカルボニルオキシ基およびオクタノ
イルオキシ基を側鎖に持つ2−ピラノン誘導体をそれぞ
れ、26.16mg、23.24 mg、3.24 mg 得る事ができた。
【0055】粗画分Bの分取条件 カラム:コスモシール 5C 18-AR 20 x 250 mm (ナカラ
イテスク社製) 溶離液:45 % アセトニトリル− 0.5 %トリエチルアミ
ン−燐酸緩衝液 pH 3.0 流速: 9 ml/min 測定波長: 230 nm 粗画分Cは以下の分取条件で分取を行い 47 分および51
分付近のピークを集め、セップパックにてそれぞれ脱
塩、濃縮し、6−メチルオクタノイルオキシ基および7
−メチルオクタノイルオキシ基を側鎖に持つ2−ピラノ
ン誘導体をそれぞれ、9.83 mg 、5.22 mg 得る事ができ
た。
【0056】粗画分Cの分取条件 カラム:コスモシール 5C 18-AR 20 x 250 mm (ナカラ
イテスク社製) 溶離液:47 % アセトニトリル− 0.5 %トリエチルアミ
ン−燐酸緩衝液 pH 3.0 流速: 9 ml/min 測定波長: 230 nm 実施例1.GM−CSF 産生誘導活性 GM−CSF産生誘導活性測定には基本的にはKohama
等の方法(Experi-mental Hematology 、16 巻、 603-
608 頁、 1988 年)と、Kitamura 等の方法(Journ
al of Cellular Physiology、140 巻、 323-334 頁、
1989 年)を組み合わせて使用した。すなわち、GM−
CSF産生細胞としてヒト骨髄ストローマ細胞株である
KM-102細胞を用い、まず検討する各種薬剤を適当濃度に
希釈して添加した(GM−CSF産生系)。次に、通常
24 時間後培養上清の一部を取り、GM−CSF 依存
性のヒト細胞株である TF-1 細胞の培養系に適当濃度で
上清を添加し、通常48〜72 時間後、TF-1細胞の増殖よ
りGM−CSF量を定量(GM−CSF 定量系)し、
GM−CSF産生誘導活性を測定した。TF-1細胞の増殖
はトリチウムチミジンの 4 時間パルスラベルによって
測定した。なお、TF-1細胞の増殖測定は MTT 法キット
(米国 ケミコン インターナショナルインコーポレー
ション社製)、GM−CSFの定量法は ELISA 法キッ
ト(米国 ジェンザイム社製)によって行っても同様の
結果が得られた。まず、GM−CSF産生誘導系が正常
に働いているかヒトリコンビナントインターロイキン1
β(IL-1β:米国 ジェンザイム社製)を用いて、アッ
セイを行った。IL-1βは 1〜100 units/ml の濃度範囲
で濃度依存的にGM−CSFを産生誘導し、無添加の時
に比べ最大 10 〜20 倍のGM−CSFが産生誘導さ
れ、実験系が正しく機能している事を確認した。
【0057】次に2−ピラノン誘導体類のうち、化合物
、化合物2、化合物3又は化合物4を KM-102 細胞に
適当濃度添加し測定した結果、各々濃度依存的にGM−
CSFの産生誘導を促進し、無添加の時に比べ最大10〜
20倍のGM−CSFが産生誘導された。各2−ピラノン
誘導体のED50値は表1に示す。
【0058】 表1 各2−ピラノン誘導体のGM−CSF産生誘導活性 ──────────────────────────────────── 化合物名 ED50 値(ng/ml ) ──────────────────────────────────── 化合物1 340 ± 50 化合物2 200 ± 80 化合物3 260 ± 50 化合物4 260 ± 50 ──────────────────────────────────── この結果各2−ピラノン誘導体はIL-1βに匹敵する強
いGM−CSF産生誘導作用を 130〜340 ng/ml といっ
た低濃度で骨髄ストローマ細胞に対し示す事が明らかと
なった。
【0059】実施例2.G−CSF産生誘導活性 G−CSF産生誘導活性測定は、上記GM−CSF産生
誘導活性測定のGM−CSF定量系をG−CSF定量系
(Shirafuji 等、Experimental Hematology 、17 巻、
116-119 頁、1989 年)におきかえる事によって実施
した。すなわち、G−CSF産生細胞としてヒト骨髄ス
トローマ細胞株であるKM-102細胞を用い、まず検討する
各種薬剤を適当濃度に希釈して添加した(G−CSF産
生系)。次に、通常 24 時間後培養上清の一部を取り、
G−CSF依存性の細胞株であるNFS-60 細胞の培養系
に適当濃度で上清を添加し、通常24〜48 時間後、NFS-
60細胞の増殖よりG−CSF量を定量(G−CSF 定
量系)し、G−CSF産生誘導活性を測定した。NFS-60
細胞の増殖はトリチウムチミジンの 4 時間パルスラベ
ルによって測定した。なお、NFS-60細胞の増殖測定は
MTT 法キット、G−CSFの定量法は ELISA 法(Moto
jima等、Journal of Immunological Methods、118 巻、
187-192 頁、1989 年)によって行っても同様の結果
が得られた。まず、G−CSF産生誘導系が正常に働い
ているか ヒトリコンビナントインターロイキン1β
(IL-1β:米国 ジェンザイム社製)を用いて、アッセ
イを行った。IL-1βは 1〜100 units/ml の濃度範囲で
濃度依存的にG−CSFを産生誘導し、無添加の時に比
べ最大 10 〜20 倍のG−CSFが産生誘導され、実験
系が正しく機能している事を確認した。
【0060】次に2−ピラノン誘導体類のうち、化合物
1、化合物2、化合物3又は化合物4を KM-102 細胞に
適当濃度添加し測定した結果、各々濃度依存的にG−C
SFの産生誘導を促進し、無添加の時に比べ最大 10 〜
20 倍のG−CSFが産生誘導された。各2−ピラノン
誘導体のED50 値は表2に示す。
【0061】 表2 各2−ピラノン誘導体のG−CSF産生誘導活性 ──────────────────────────────────── 化合物名 ED50 値(ng/ml ) ──────────────────────────────────── 化合物1 500 ± 50 化合物2 450 ± 100 化合物3 280 ± 80 化合物4 280 ± 80 ──────────────────────────────────── この結果各2−ピラノン誘導体はIL-1βに匹敵する強い
G−CSF産生誘導作用を 150〜500 ng/ml といった低
濃度で骨髄ストローマ細胞に対し示す事が明らかとなっ
た。
【0062】実施例3.2−ピラノン誘導体復腔内投与
によるマウス血清中G−CSF活性誘導 BALB/Cマウス(雄 8-10週齢)に2−ピラノン誘導体又
はコントロ−ルとして生理食塩水を復腔内投与し、経時
的に採血し血清中のG−CSF活性を実施例2で示した
G−CSF定量系を用いて測定した。2−ピラノン誘導
体のうち化合物2について検討した結果を表3に示す。
【0063】 表3 化合物2のin vivo におけるG−CSF産生誘導 ──────────────────────────────────── 投与量 採血時間 血清中のG−CSF活性 (mg/kg) ( 時間) ( units/ml ) ──────────────────────────────────── 1.0 0 < 0.4 1.0 2 3.07 ± 0.90 1.0 4 7.53 ± 2.32 1.0 6 536 ± 284 1.0 8 3600 ± 3086 1.0 11 674 ± 610 ──────────────────────────────────── この結果、2−ピラノン誘導体類は、in vivo において
も強いG−CSF産生誘導作用をもち、マウスの血中G
−CSF活性を上昇させることが明らかとなった。
【0064】実施例4.2−ピラノン誘導体腹腔内投与
による感染防御効果 ICR マウス(雄5 週齢)に2−ピラノン誘導体又はコン
トロ−ルとして生理的食塩水を腹腔内投与し、マウスの
生存率を調べ感染防御効果を検討した。2−ピラノン誘
導体のうち化合物2について検討した結果について記載
する。
【0065】2−ピラノン誘導体投与により著しい感染
防御効果が認められ、コントロ−ル群では感染2日目ま
でに100 %死亡したのに対して、0.1 mg/kg 投与群で
は、感染7 日目まで死亡率6/10であり、0.3mg/kg 投与
群では、感染7 日まで死亡率1/10であった。
【0066】毒性試験 BALB/c マウスを用い、2−ピラノン誘導体類をそれぞ
れ 1 mg/kg 腹腔内投与したが死亡例はなかった。
【0067】 製剤例1.カプセル剤 処方 化合物2 100 mg 乳糖 100 mg トウモロコシ澱粉 148.8 mg ステアリン酸マグネシウム 1.2 mg 全量 350 mg 上記処方の粉末を混合し、20 メッシュのふるいを通し
た後、この粉末 350mg を2号ゼラチンカプセルに入
れ、カプセル剤とした。
【0068】
【発明の効果】本発明の2−ピラノン誘導体類を有効成
分とする、G−CSFまたはGM−CSF誘導剤はヒト
骨髄ストローマ細胞から各種造血因子を産生誘導し、in
vivoにおいても血中CSF活性を上昇させ、CSF産
生誘導が作用機作と思われる感染防御作用を有し、癌化
学療法・放射線療法の副作用軽減作用、感染防御作用、
マクロファージの活性化等を介した抗癌作用等を有する
治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 博昭 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 白石 明郎 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−186(JP,A) 特開 平1−304893(JP,A) 特開 平5−123179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/665 A61P 31/00 A61P 35/00 C07F 9/655 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): 【化1】 (式中、Rは4−メチルヘキサノイルオキシ基、6−メ
    チルヘプタノイルオキシ基、シクロヘキシルエチルカル
    ボニルオキシ基またはオクタノイルオキシ基を示す。)
    で表わされる化合物又はその薬理上許容される塩を有効
    成分とするG−CSF誘導剤。
  2. 【請求項2】一般式(I): 【化2】 (式中、Rは4−メチルヘキサノイルオキシ基、6−メ
    チルヘプタノイルオキシ基、シクロヘキシルエチルカル
    ボニルオキシ基またはオクタノイルオキシ基を示す。)
    で表わされる化合物又はその薬理上許容される塩を有効
    成分とするGM−CSF誘導剤。
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