JP3034545B2 - 水平偏向回路及びそれを取り入れた投写形ディスプレイ - Google Patents

水平偏向回路及びそれを取り入れた投写形ディスプレイ

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JP3034545B2 JP2024498A JP2449890A JP3034545B2 JP 3034545 B2 JP3034545 B2 JP 3034545B2 JP 2024498 A JP2024498 A JP 2024498A JP 2449890 A JP2449890 A JP 2449890A JP 3034545 B2 JP3034545 B2 JP 3034545B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、陰極線管ディスプレイにおいて電子ビーム
を偏向するための水平偏向回路に関するものであり、更
に詳しくは、陰極線管画面におけるサイドピン歪(左右
糸巻歪)及び水平リニアリティ(水平直線性)を補正す
る補正回路を備えた水平偏向回路に関するものである。
更に付言すれば、R(赤)、G(緑)、B(青)の三
つの陰極線管を用いる投写形ディスプレイに適用したと
き特に効果(高画質)を発揮する如き水平偏向回路の改
良に関するものである。
〔従来の技術〕
投写形ディスプレイを構成する各陰極線管画面におけ
るサイドピン歪や水平リニアリティを補正する方法とし
て、特開昭58−215886号公報に示されたように、コンバ
ーゼンス補正回路を用いる方法がある。具体的には、N
本の陰極線管にN個のコンバーゼンスヨークを設け、こ
のコンバーゼンスヨークに、上記サイドピン歪や水平リ
ニアリティ補正用の磁界を発生させることにより、補正
を行っている。
また、水平偏向周波数の異なる各テレビジョン信号に
対して帰線期間を略一定となるように設定する陰極線管
受像機などで、画面の水平リニアリティの補正を行う従
来技術としては、特開昭60−24626号公報に示されたよ
うに、水平偏向コイルと直列に接続されるS字補正用コ
ンデンサの容量値を切り換えることにより、水平偏向周
波数の違い等に対して、常に適切な水平リニアリティを
確保する方法がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
投写形ディスプレイは、一般に、赤・緑・青の各陰極
線管(以下、投射管と称する)を有している。各投射管
の配置は、通常、人間の目に最も感じやすい光を放つ緑
を中央に、赤・青を両端にしている。
第4図に投写形ディスプレイの構成図を示す。第4図
中、101は偏向回路、102はコンバーゼンス補正回路、10
3は電磁フォーカス回路、104,105,106はフォーカスマグ
ネット、107,108,109はコンバーゼンスヨーク、110,11
1,112は偏向ヨーク、113,114,115は投射管、116,117,11
8は投写レンズ、119は投射管の蛍光面である。
なお、104,107,110,113,116は赤色投射管用、105,10
8,111,114,117は緑色投射管用、106,109,112,115,118は
青色投射管用である。
第4図に示した投写形ディスプレイの特長は、投射管
の電子ビームを集束させるレンズとして、フォーカスマ
グネット104,105,106を用い、電磁フォーカスを行って
いる点にある。この結果、直視形ディスプレイ等に広く
用いられている静電フォーカスの場合に比べて、レンズ
の口径を大きくすることができる。従って、投射管面上
の電子ビームのスポット径を小さくでき、フォーカス特
性の向上(画質の向上)がはかれる。
この際、フォーカスマグネットの取り付け位置が、投
射管の蛍光面119に近いほど、電磁レンズの倍率を低く
して管面上の電子ビームのスポット径を小さくすること
ができ、フォーカス特性のさらなる向上がはかれる。
従って、上下左右のピン歪やリニアリティの補正を偏
向回路で行い、緑色投射管用コンバーゼンスヨーク108
を不要として除去することが出来れば、その分、フォー
カスマグネット105を投射管の蛍光面に近づけて低倍率
化することができ、画質の向上を図る上で有効と考えら
れる。
但し、赤色投射管用・青色投射管用コンバーゼンスヨ
ーク107,109は、本来のコンバーゼンス補正のために除
去できないからフォーカスマグネットを蛍光面に近づけ
ることはできないが、画質に最も影響する緑色投射管に
おいてコンバーゼンスヨーク108を除去して、その分フ
ォーカスマグネットを蛍光面に近づけただけでも画質向
上の効果は大きい。
一方、第4図に示した投写形ディスプレイでは、光学
レンズ(投写レンズ116,117,118)の像面湾曲を補正す
るために、投射管の蛍光面119が電子銃方向に向かって
凸面形状になるように曲率を持たせている。この結果、
前記したように偏向回路で、従来方式の歪補正,リニア
リティ補正を行った場合、以下の問題が生じる。
この問題は、垂直偏向回路と水平偏向回路の両者に発
生するが、ここでは本発明に関連した水平偏向回路の場
合について、第5図を用いて説明する。
第5図は、投写形ディスプレイのスクリーン上に投影
されるピン歪,リニアリティの様子を示している。第5
図中、(a)はピン歪補正・リニアリティ補正なしの場
合、(b)は従来方式のピン歪補正・リニアリティ補正
ありの場合である。第5図中の80,81,82,83,84は一定期
間ごとに表示される縦線信号を示している。
なお、従来方式のピン歪補正(サイドピン補正)方法
としては、水平偏向出力回路の電源電圧を変調させた
り、サイドピン補正トランスを用いる方法が一般的であ
る。また、従来方式のリニアリティ補正(水平リニアリ
ティ補正)では、水平偏向回路の水平偏向コイルと直列
に接続されたS字補正コンデンサの値を調整して、最適
な水平リニアリティが得られるようにしている(但し、
ここでは回路の抵抗分によって生じる水平リニアリティ
の左右非対称性に関しては無視して以下の説明を行
う)。
しかしながら、第4図に示した投写形ディスプレイに
おいて、この従来方式の補正を行った場合、投射管の蛍
光面に凸状の曲率があるため、スクリーン上の左右両端
の縦線(第5図中の80,84)を直線状に補正しても、左
中央部の縦線81,及び右中央部の縦線83は、第5図
(b)に示したように湾曲する。つまり、スクリーンの
上下と、中央部とで水平リニアリティが異なる。
これに対して、前記S字補正コンデンサの容量値を垂
直周期内で連続的に変化させることにより、水平リニア
リティを最適に保つことが可能となる。このS字補正コ
ンデンサの容量値を変化させる従来技術として、前記特
開昭60−24626号公報に示された方法がある。しかしな
がら、この方法では、S字補正コンデンサの容量値を断
続的に切換えることしかできず、S字補正量を垂直同期
内で連続的に変化させることができない。
本発明の目的は、垂直周期内で連続的にS字補正量を
変化させることにより、蛍光面に凸状の曲率を持つ投射
管を用いた場合でも、サイドピン補正及び水平リニアリ
ティ補正を偏向回路側で行うことができ、その結果、従
来必要としたコンバーゼンスヨークの除去を緑色投射管
において可能とし、ひいてはその分、フォーカスマグネ
ットを蛍光面に近づけることができ、フォーカス特性
(画質)の向上した投写形ディスプレイの実現に有効で
ある如き水平偏向回路を提供すること、及び上記投写形
ディスプレイを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の水平偏向回路で
は、前記S字補正コンデンサを複数個直列接続のコンデ
ンサにより構成し、このコンデンサ相互の接続点とグラ
ンド電位との間にスイッチング手段を接続し、このスイ
ッチング手段の制御端子にパルス幅変調回路を接続し
た。
そして本発明の投写形ディスプレイでは、その緑色投
射管において、上記の如き水平偏向回路を採用した。
〔作用〕
本発明の水平偏向回路では、前記S字補正コンデンサ
を構成する直列接続のコンデンサ相互の接続点に接続さ
れたスイッチング手段を、水平周期内オン・オフさせて
いる。この際、この1水平周期内でのオン・オフ期間を
前記スイッチング手段の制御端子に接続されたパルス幅
変調回路の出力電圧でコントロールすることにより、等
価的に、水平周期ごとにS字補正量を変化させることが
できる。
従って、垂直周期内でS字補正量を連続的に変化させ
ることが可能となる。
また本発明の投写形ディスプレイでは、上記の如き水
平偏向回路を緑色の投射管において採用したので、従来
要したコンバーゼンスヨークが不要となり除去できる。
その結果、緑色の投射管では、フォーカスマグネットを
その分だけ蛍光面側へ接近させることができ、フォーカ
ス特性の向上(画質の向上)を図ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。なお、
各図中、同じ働きをするものには、同じ番号を付けて表
わす。
第1図は、本発明にかかる水平偏向回路の第1の実施
例を示す回路図である。
第1図中、1は水平ドライブパルス入力端子、2はフ
ライバックパルス入力端子、3は垂直パラボラ波入力端
子、4はドライブ電圧入力端子、5はS字制御電圧出力
端子、6は電源電圧入力端子、7,10,14は抵抗、8,11は
コンデンサ、9はドライブトランジスタ、12はドライブ
トランス、13はダイオード、15は水平出力トランジス
タ、16はダンパダイオード、17は共振コンデンサ、18,1
9,20は水平偏向コイル、21は第1のS字補正コンデン
サ、22は第2のS字補正コンデンサ、23はチョークコイ
ル、24はS字制御回路、25は水平ノコギリ波形成回路、
26は反転増幅回路、27は矩形波形成回路、28はスイッチ
ング手段、29はサイドピン補正回路、92はパルス幅変調
回路、93は水平偏向ドライブ回路、94は水平偏向出力回
路である。
第1図中、水平偏向ドライブ回路93は、抵抗7,10,1
4、コンデンサ8,11、ドライブトランジスタ9、ドライ
ブトランス12、ダイオード13によって構成されており、
水平偏向出力回路94は、水平出力トランジスタ15、ダン
パダイオード16、共振コンデンサ17、水平偏向コイル1
8,19,20、第1のS字補正コンデンサ21、第2のS字補
正コンデンサ22、チョークコイル23によって構成されて
いる。
またパルス幅変調回路92は水平ノコギリ波形成回路2
5、反転増幅回路26、矩形波形成回路27によって構成さ
れており、S字制御回路24はパルス幅変調回路92、スイ
ッチング手段28によって構成されている。
なお、以下述べる実施例では、スイッチング手段28と
してパワーMOSFETを用いた場合について説明するが、バ
イポーラトランジスタとダイオード(但し、パワーMOSF
ETにはソース・ドレイン間に内蔵ダイオードがあるた
め、このダイオードは不要)との並列回路等を用いても
良い。
以下、第1図に示した本発明にかかる水平偏向回路の
第1の実施例の動作を説明する前に、本発明の水平偏向
回路の基本原理について説明する。
水平偏向回路では、一般に、S字補正コンデンサの容
量値が大きいほどS字補正量が小さく、S字補正コンデ
ンサの容量値が小さいほどS字補正量が大きい。本発明
の水平偏向回路では、複数個(第1図に示した実施例で
は2個)のS字補正コンデンサを直列接続し、その中の
1個のS字補正コンデンサの両端を短絡させることによ
って、S字補正量の切換えを行ってる。
しかしながら、単純な切換え(例えば前記直列接続さ
れたS字補正コンデンサのうち、1個の両端を、垂直周
期内で1回のみ短絡させる方法など)を行っただけで
は、従来技術と同じであり、垂直周期内でS字補正量を
連続的に変化させることができない。そこで、本発明の
水平偏向回路では、上記S字補正コンデンサの短絡期間
を、水平周期内の適当な期間に制限し、この短絡期間を
連続的に変化させることにより、S字補正量を連続的に
変化させている。
以下、この具体的な回路動作を第3図を併せ参照して
説明する。
第3図は、第1図に示した本発明の一実施例としての
水平偏向回路の動作を説明するための動作波形図であ
る。
第3図中、(a)は水平出力トランジスタ15のコレク
タ電圧VCP波形、(b)はスイッチング手段28(ここで
は破線で示した内蔵ダイオードを含んだパワーMOSFET)
のゲート電圧VSG波形、(c)はスイッチング手段28の
ドレイン電圧VSD波形、(d)は水平偏向電流IDY波形
である。
また、t1,t4はスイッチング手段28がオフする時刻、t
2はスイッチング手段28がオンする時刻(但し、パワーM
OSFET使用時は、ソース・ドレイン間の破線で示した内
蔵ダイオードがオンする時刻)、t3はスイッチング手段
28に流れる電流が反転する時刻(パワーMOSFETのドレイ
ンからソースへ電流が流れ始める時刻)を示している。
なお、期間(t1〜t4)は1水平周期に相当する。
第3図において、期間(t1〜t2)では、第1図に示し
たS字制御回路24中のスイッチング手段28がオフ状態に
ある。このため、水平偏向電流IDYは、第1のS字補正
コンデンサ21と第2のS字補正コンデンサ22の両者を介
して流れる。よって、第1のS字補正コンデンサ21と第
2のS字補正コンデンサ22の直列回路の容量値は、それ
ぞれのS字補正コンデンサを単独で用いた場合よりも小
さい。従って、この期間(t1〜t2)では、S字補正量は
大きい。
これに対して、期間(t2〜t4)では、スイッチング手
段28がオン状態のため、等価的に、第2のS字補正コン
デンサ22の両端が短絡したのと同じ状態になっている。
このため、水平偏向電流IDYは、第1のS字補正コンデ
ンサ21のみを介して流れる。従って、上記期間(t1〜t
2)に比べて、S字補正コンデンサの容量値は大きく、
S字補正量は小さい。
本発明の水平偏向回路では、第1図に示したS字制御
回路24中のパルス幅制御回路92により、上記期間(t1〜
t2)と期間(t2〜t4)の比率を連続的に変化させること
により、水平周期ごとにS字補正量を変化させている。
以下、このパルス幅制御回路92の動作について説明す
る。
第1図に示したパルス幅制御回路92中の水平ノコギリ
波形成回路25では、フライバックパルス入力端子2より
入力されたフライバックパルスFBPから、水平周期の水
平ノコギリ波を形成し、矩形波形成回路27へ出力してい
る。また、パルス幅制御回路92中の反転増幅回路26で
は、垂直パラボラ波入力端子3より入力される垂直パラ
ボラ波(サイドピン歪及び水平リニアリティ補正のため
にはパラボラ波形が適しているとして作り出された垂直
周期のパラボラ波形)電圧Vpを反転増幅し、矩形波形成
回路27へ出力している。矩形波形成回路27では、水平ノ
コギリ波形成回路25から出力される水平ノコギリ波と反
転増幅回路26から出力される垂直パラボラ波を比較して
切り合いをさせることにより、矩形波(スイッチング手
段28のゲート電圧VSG)を形成している。
この結果、ゲート電圧VSGは、その平均値が垂直周期
のパラボラ波状にパルス幅変調された矩形波になってい
る。従って、スイッチング手段28のオン・オフのタイミ
ング(第3図の期間(t1〜t2)と期間(t2〜t4)の比
率)を、水平周期ごとに連続的に変化させることができ
る。
以上説明したS字制御回路24中のスイッチング手段28
とパルス幅変調回路92によって、垂直周期内で、連続的
にS字補正量を変化させることが可能となる。具体的に
は、垂直走査期間の初期と末期(スクリーン画面の上部
と下部)では、期間(t1〜t2)を短くしてS字補正量を
小さくし、垂直走査期間の中期(スクリーン画面の中央
部)では、期間(t1〜t2)を長くして、S字補正量を大
きくしている。
例えば、第3図中の(b),(c),(d)を垂直走
査期間初期、及び末期の動作波形とすれば、垂直走査期
間中期の動作波形は(e),(f),(g)に示すよう
になる(但し、この場合は、各記号にダッシュ′を付け
て表わす)。
なお、第1図中のサイドピン補正回路29は、電源電圧
制御方式のサイドピン補正回路であり、水平偏向出力回
路94の電源電圧を垂直周期のパラボラ状に変化させてい
る。このサイドピン補正回路29と前記S字制御回路24と
の併用により、スクリーン上の縦線は、第5図(c)に
示すように、いずれも(縦線80,81,82,83,84)直線状に
補正することができる。
繰り返しになるが、このようにして、水平偏向回路の
側で、回路的な手段によってサイドピン歪補正及び水平
リニアリティ補正を実現した水平偏向回路を、第4図の
投写形ディスプレイにおける緑の投射管114に用いれ
ば、コンバーゼンスヨーク108を不要として除去できる
ので、その分だけフォーカスマグネット105を蛍光面側
へ近づけることができ、投写形ディスプレイとしてのフ
ォーカス性能ひいては画質の向上を期待できるというわ
けである。
次に、第1図中のS字制御回路24とサイドピン補正回
路29の具体的な回路例を第2図に示す。
第2図中、30,31は直流電圧入力端子、33,37,38,40,4
1,44,45,48,50,57,58,61,62,63,64,65,68,70,71は抵
抗、34,39,67はダイオード、35,36,59,60,66,72はトラ
ンジスタ、42はツェナダイオード、43,46,47,52,56,73
はコンデンサ、49は演算増幅器、51,53,55,69は可変抵
抗、54はコンパレータである。
第2図中、第1図に示された水平ノコギリ波形成回路
25は、抵抗33,37,38,40、ダイオード34,39、トランジス
タ35,36、コンデンサ46によって構成され、反転増幅回
路26は抵抗41,44,45,48,50、ツェナダイオード42、コン
デンサ43,47、可変抵抗51、演算増幅器49によって構成
され、矩形波形成回路27はコンパレータ54、可変抵抗5
3、コンデンサ52によって構成されている。
また、第1図に示されたサイドピン補正回路29は、第
2図では、可変抵抗55,69、コンデンサ56,73、抵抗57,5
8,61,62,63,64,65,68,70,71、トランジスタ59,60,66,7
2、ダイオード67によって構成されている。
第2図中、水平ノコゴリ波形成回路25では、コンデン
サ46と、このコンデンサ46に定電流充電を行う定電流源
(トランジスタ36を用いて構成されている)と、フライ
バックパルス入力端子2から入力されるフライバックパ
ルスに基づいてスイッチングし、コンデンサ46の電荷を
放電するトランジスタ35によって、水平周期のノコギリ
波を形成している。
また、反転増幅回路26では、垂直パラボラ波入力端子
3から入力される垂直パラボラ波電圧を演算増幅器49を
用いて反転増幅している。この際、可変抵抗51は垂直パ
ラボラ波の増幅率を調整する働きをしている。また、矩
形波形成回路27は、コンパレータ54を用いて構成され、
水平ノコギリ波形成回路25と反転増幅回路26の出力電圧
を比較することによって、矩形波を形成している。な
お、可変抵抗53は、コンパレータ54へ入力する垂直パラ
ボラ波電圧の直流レベルを調整する働きをしている。
次に、第2図中のサイドピン補正回路29の動作につい
て説明する。このサイドピン補正回路29は、トランジス
タ59,60から成る差動増幅回路によって構成されてい
る。この差動増幅回路では、トランジスタ60のベース電
圧(トランジスタ72のエミッタ電圧を抵抗68,70、可変
抵抗69によって分圧して得られる)が、トランジスタ59
のベースへ入力される垂直パラボラ波電圧と等しくなる
ように動作している。この結果、トランジスタ72のエミ
ッタ電圧(水平偏向出力回路94の電源電圧)は、垂直周
期のパラボラ状に変化し、サイドピン補正が可能とな
る。
以上述べた本発明の第1の実施例を用いることによ
り、垂直周期内でS字補正量を連続的に変化させること
ができる。従って、蛍光面に凸状の曲率を持つ投射管を
用いた場合でも、サイドピン補正及び水平リニアリティ
補正を偏向回路の側で回路的に行うことができ、先にも
述べたように、緑色投射管用コンバーゼンスヨークの除
去と、それに伴なうフォーカスマグネットの蛍光面側へ
の接近によるフォーカス特性の向上をはかることができ
る。
次に、第6図を用いて本発明にかかる水平偏向回路の
第2の実施例について説明する。第6図中、3′はS字
補正信号入力端子、3″はサイドピン補正信号入力端
子、90は任意波形発生回路である。
第6図中、任意波形発生回路90は、任意の波形を発生
させる機能を有しており、例えば産業用ディスプレイや
一部の家庭用投写形テレビ(日立製C42−PX1等)に用い
られているディジタルコンバーゼンス補正回路等が利用
できる。つまり、所望の波形を構成するデータを予めRO
Mに格納しておき、これを読み出すことによって所望の
波形を発生させる回路である。
この任意波形発生回路90を用いることにより、前記投
射管の蛍光面の凸形状が非球面の場合(蛍光面の凸形状
を非球面とすることにより、前記像面湾曲に対する補正
をスクリーン各部で最適に行うことができる)でも、正
確なS字補正(水平リニアリティ)、サイドピン補正が
可能となる如き波形を発生させることができる。
なお、S字補正信号入力端子3′、サイドピン補正信
号入力端子3″から入力されるS字補正信号、サイドピ
ン補正信号は、両者とも同一の信号でも良いが、それぞ
れ独立な最適波形の信号を作成して発生させるようにす
れば、より高精度なS字補正・サイドピン補正が可能と
なる。
以上、これまでの説明では、投射管に凸状の曲率の蛍
光面を有するシステムについて述べてきたが、投射管の
蛍光面が平面でも投写形レンズ等の光学設計上、同様の
問題が生じる場合(従来方式のサイドピン補正・リニア
リティ補正を行った場合、スクリーン上の縦線が第5図
(b)に示したように湾曲する)がある。この場合で
も、本発明を適用することにより、同様の効果(上記縦
線の湾曲を偏向回路の側で回路的に補正し、緑色投射管
用コンバーゼンスヨーク除去によるフォーカス特性向
上)を挙げることができる。
また、これまでは電磁フォーカスを用いたシステムに
ついて述べてきたが、静電フォーカスを用いた場合でも
同様の効果(緑色投射管用コンバーゼンスヨーク除去に
より、静電レンズを蛍光面へ近づけ、低倍率化によるフ
ォーカス特性向上をはかる)を挙げることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、水平偏向回路において、垂直周期内
で連続的にS字補正量を変化させることができる。よっ
て、蛍光面に凸状の曲率を持つ投射管を用いた場合で
も、サイドピン補正及び水平リアリティ補正を偏向回路
側で回路的に行うことができる。従って、緑色投射管に
おいて、かかる水平偏向回路を用いれば、コンバーゼン
スヨークの除去が可能となり、その分フォーカスマグネ
ットを蛍光面側へ接近させることができるので、それに
伴なう投写形ディスプレイにおけるフォーカス特性の向
上(画質の向上)をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる水平偏向回路の第1の実施例を
示す回路図、第2図はS字制御回路及びサイドピン補正
回路の具体的回路図、第3図は第1図に示した第1の実
施例の動作波形図、第4図は本発明適用の対象例として
の投写形ディスプレイの構成図、第5図はサイドピン歪
及び水平リニアリティを説明するためのスクリーン上の
縦線形状を示す説明図、第6図は本発明にかかる水平偏
向回路の第2の実施例を示す回路図、である。 符号の説明 21……第1のS字補正コンデンサ、22……第2のS字補
正コンデンサ、24……S字制御回路、28……スイッチン
グ手段、92……パルス幅変調回路、29……サイドピン補
正回路、90……任意波形発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 通孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (56)参考文献 特開 平2−107067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/31 H04N 3/16 H04N 3/23 H04N 9/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平偏向コイルと、該水平偏向コイルと直
    列に接続されたS字補正コンデンサと、該S字補正コン
    デンサの容量を切換えるスイッチ手段と、を備えた水平
    偏向回路において、 前記スイッチ手段は、S字補正コンデンサに流す電流
    を、その流入方向と流出方向の双方向に流し得るよう、
    双方向において導通し、または双方向において遮断する
    ことの出来るスイッチ手段から成り、更に同一の水平走
    査期間内において、前記スイッチ手段の双方向に導通す
    る期間と双方向において遮断する期間とを変化させるよ
    うに該スイッチ手段に対して可変幅のパルスを印加して
    S字補正コンデンサの容量を切換えてS字補正量を変化
    させるパルス幅制御手段を備え、 かつ前記可変幅のパルスは、水平周期の水平ノコギリ波
    電圧と垂直周期の垂直パラボラ波形電圧とをレベル比較
    することにより形成される矩形波電圧であることを特徴
    とする水平偏向回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の水平偏向回路において、
    前記パルス幅制御手段は、水平偏向周期に同期してノコ
    ギリ波を発生する水平ノコギリ波形成回路と、サイドピ
    ン歪補正用に作成された垂直偏向周期に同期したパラボ
    ラ波形を入力され反転増幅して出力する反転増幅回路
    と、前記水平ノコギリ波形成回路からのノコギリ波と前
    記反転増幅回路からの反転したパラボラ波とを入力され
    両者のレベル比較により矩形波を形成して前記スイッチ
    ング手段へ向けそのオン、オフ駆動信号となる可変幅の
    パルスとして出力する矩形波形成回路と、から成ること
    を特徴とする水平偏向回路。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の水平偏向回路において、
    前記パルス幅制御手段は、水平偏向周期に同期してノコ
    ギリ波を発生する水平ノコギリ波形成回路と、所望の任
    意形状の波形を作成して発生することのできる任意波形
    発生回路と、前記水平ノコギリ波形成回路からのノコギ
    リ波と前記任意波形発生回路からの波形とを入力され両
    者のレベル比較により矩形波を形成して前記スイッチン
    グ手段へ向けそのオン、オフ駆動信号となる可変幅のパ
    ルスとして出力する矩形波形成回路と、から成ることを
    特徴とする水平偏向回路。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の水平偏向回路において、
    前記任意波形発生回路は、前記矩形波形成回路へ入力す
    るための波形を出力するだけでなく、それとは別にサイ
    ドピン歪補正用の波形も作成して出力する波形発生回路
    から成ることを特徴とする水平偏向回路。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3又は4に記載の水平偏向回路
    であって、蛍光面が電子銃の方に向かって凸形状になる
    ように曲率を持たせた陰極線管における電子ビーム走査
    用の水平偏向回路であることを特徴とする水平偏向回
    路。
  6. 【請求項6】赤、緑、青の3個の陰極線管をもつ投写形
    ディスプレイにおいて、緑の陰極線管における水平偏向
    回路として請求項1,2,3又は4に記載の水平偏向回路を
    用いることにより、該緑の陰極線管におけるコンバーゼ
    ンスヨークを不要として除去し、その分だけフォーカス
    マグネットを蛍光面に接近させ、フォーカス特性の向上
    を図ったことを特徴とする投写形ディスプレイ。
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