JP3034061B2 - 光学活性4−置換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

光学活性4−置換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体及びその製造方法

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JP3034061B2
JP3034061B2 JP3027355A JP2735591A JP3034061B2 JP 3034061 B2 JP3034061 B2 JP 3034061B2 JP 3027355 A JP3027355 A JP 3027355A JP 2735591 A JP2735591 A JP 2735591A JP 3034061 B2 JP3034061 B2 JP 3034061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光学活性4−置
換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体
(1)[化5]
【0002】
【化5】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキル基、
炭素数1〜10個のアルキル、アリ−ルまたはアラルキ
ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルキ
ル、アリ−ルまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
ダゾ−ル基またはインド−ル基を有するアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子、炭素
数1〜12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキ
ル基、炭素数1〜12個のアルキル、アリ−ルまたはア
ラルキルのオキシ基またはアミノ基、炭素数1〜20個
で任意の箇所にエステル基、ヒドロキシ基、イミダゾ−
ル基もしくはインド−ル基を有するアルキル基、アリ−
ル基またはアラルキル基、炭素数1〜20で任意の箇
所にヒドロキシ基あるいはヒドロキシカルボニル基を有
するアルキル、アリ−ルまたはアラルキルのオキシ基ま
たはアミノ基、ニトリル基、アミノ基もしくはニトロ基
である]で表される光学活性4−置換−2,6−ビス
(オキサゾリル)ピリジン誘導体、及びその製造方法に
関するものである。本発明の化合物は、三つの窒素原子
によってその中心に金属原子を配位させ取り込む事が出
来るため、有機金属触媒反応や有機合成に於ける不斉配
位修飾剤として有用である。
【0003】
【従来の技術】近年、不斉金属触媒を利用した不斉合成
反応が、アミノ酸、および医薬、農薬中間体の製造を目
的として、盛んに研究されている。しかしながら本技術
のポイントとなる不斉金属触媒の配位子としては、ホス
フィン系の化合物がよく知られているが、不斉ホスフィ
ン配位子系はその製造方法が一般的に極めて煩雑であ
る。また、ホスフィン配位子を有する不斉金属触媒は、
代表的には還元反応のみに多く用いられており、酸化反
応への応用は著しく制限されている。
【0004】このような事情を反映して、近年新しいタ
イプの光学活性配位子の開発が盛んであり、例えば特開
平2−36181号には新規な光学活性窒素系三座配位
子の開発が公開されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特に、窒素系の三座配
位子で且つ共役系を形成している三座配位子に於いて、
その共役系の電子的な性質を任意に制御された配位子の
利用がさらに望まれる。本発明は、このような不斉金属
触媒に使用され得る工業的に有利で且つ特殊な性能を有
する新規な不斉配位子、及びその製造方法を提供する事
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、工業的に有
利で且つ特殊な性能を有する不斉配位子を提供すべく永
年鋭意検討した結果本発明を完成したもので、軸不斉
(アトロプ異性)と類似の不斉環境を、二つの不斉オキ
サゾリン環で造り出す新規な分子設計を実現する事によ
り、完成させるに至ったものである。
【0007】即ち、本発明は、一般式(1)[化6]
【0008】
【化6】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキル基、
炭素数1〜10個のアルキル、アリ−ルまたはアラルキ
ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルキ
ル、アリ−ルまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
ダゾ−ル基またはインド−ル基を有するアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子、炭素
数1〜12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキ
ル基、炭素数1〜12個のアルキル、アリ−ルまたはア
ラルキルのオキシ基またはアミノ基、炭素数1〜20個
で任意の箇所にエステル基、ヒドロキシ基、イミダゾ−
ル基もしくはインド−ル基を有するアルキル基、アリ−
ル基またはアラルキル基、炭素数1〜20で任意の箇
所にヒドロキシ基あるいはヒドロキシカルボニル基を有
するアルキル、アリ−ルまたはアラルキルのオキシ基ま
たはアミノ基、ニトリル基、アミノ基もしくはニトロ基
である]で表される光学活性4−置換−2,6−ビス
(オキサゾリル)ピリジン誘導体、および、一般式
(2)[化7]
【0009】
【化7】 [Xはハロゲン原子、炭素数1〜12個のアルキル基、
アリ−ル基またはアラルキル基、炭素数1〜12個のア
ルキル、アリ−ルまたはアラルキルのオキシ基またはア
ミノ基、炭素数1〜20個で任意の箇所にエステル基、
ヒドロキシ基、イミダゾ−ル基またはインド−ル基を有
するアルキル基、アリ−ル基またはアラルキル基、炭素
数1〜20で任意の箇所にヒドロキシ基あるいはヒド
ロキシカルボニル基を有するアルキル、アリ−ルまたは
アラルキルのオキシ基またはアミノ基、ニトリル基、ア
ミノ基もしくはニトロ基である]で表される4−置換ピ
リジン誘導体を、第一操作として塩素化し、第二操作と
して一般式(3)[化8]
【0010】
【化8】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキル基、
炭素数1〜10個のアルキル、アリ−ルまたはアラルキ
ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルキ
ル、アリ−ルまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
ダゾ−ル基またはインド−ル基を有するアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基である]で表されるアミノ
アルコ−ルを反応させ、アミドアルコ−ルを生成し、第
三操作としてこれを塩素化し、第四操作として塩基で処
理する事を特徴とする光学活性4−置換−2,6−ビス
(オキサゾリル)ピリジン誘導体の製造方法について主
として提案するものである。
【0011】本化合物および製造方法について、更に詳
しく述べる。
【0012】本発明の化合物は、ピリジン骨格の2及び
6位に同じ不斉環境のオキサゾリン基を有し、立体化学
的には分子全体としてC2対称のキラリティ−を有して
いる。不斉源としては、主として後述する光学活性なア
ミノ酸及び糖類を用いる事が出来るが、これには限定さ
れない。
【0013】本発明に於ける光学活性4−置換−2,6
−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体としては、具体
的には例えば、次のようなピリジン化合物、即ち、2,
6−ビス(4’−(S)−メチルオキサゾリン−2’−
イル)ピリジン、2,6−ビス(4’−(R)−メチル
オキサゾリン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス
(4’−(S)−エチルオキサゾリン−2’−イル)ピ
リジン、2,6−ビス(4’−(R)−エチルオキサゾ
リン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス(4’−
(S)−イソプロピルオキサゾリン−2’−イル)ピリ
ジン、2,6−ビス(4’−(S)−t−ブチルオキサ
ゾリン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス(4’−
(S)−sec−ブチルオキサゾリン−2’−イル)ピ
リジン、2,6−ビス(4’−(S)−イソブチルオキ
サゾリン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス(4’
−(S)−フェニルオキサゾリン−2’−イル)ピリジ
ン、2,6−ビス(4’−(R)−フェニルオキサゾリ
ン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス(4’−
(S)−ベンジルオキサゾリン−2’−イル)ピリジ
ン、2,6−ビス(4’−(S)−p−ヒドロキシベン
ジルオキサゾリン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビ
ス(4’−(S)−2−(メチルチオ)エチルオキサゾ
リン−2’−イル)ピリジン、2,6−ビス(4’−
(S)−インドキシメチルオキサゾリン−2’−イル)
ピリジン、2,6−ビス(4’−(S)−イミダゾリル
メチルオキサゾリン−2’−イル)ピリジン、あるいは
2,6−ビス(4’−(S)−メルカプトメチルオキサ
ゾリン−2’−イル)ピリジンの4−位が、塩素、臭素
またはヨウ素等のハロゲン、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、t−ブチル、イソブチル、フェニ
ル、p−トリルまたはベンジル等のアルキル、アリ−ル
またはアラルキル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フ
ェノキシ、p−ヒドロキシフェノキシ、2−ヒドロキシ
フェノキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、4−ヒドロキ
シブトキシ,6−ヒドロキシヘキソキシ、4−カルボキ
シブチロキシまたはフェニルメトキシ等のオキシ基、ア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、2−ヒドロキ
シエチルアミノまたは4−カルボキシブチルアミノ等の
アミノ基、ニトリル基、あるいはニトロ基で置換されて
いる様な化合物を例示する事が出来るが、特に以上のも
のだけに限定はされない。
【0014】本化合物の製造方法は、合成法既知の4−
クロロピリジン−2.6−ジカルボン酸(D.G.Ma
rkesら,J.Amer.Chem.Soc.,
,4130(1956)など)を出発原料として、ま
ず第一操作として、塩素化剤にて酸塩化物に変換する。
塩素化剤としては、例えば、塩化チオニル、ホスゲン、
オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用される。
【0015】次に、第二操作として、一般式(3)[化
9]
【0016】
【化9】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
12個のアルキル基、アリ−ル基またはアラルキル基、
炭素数1〜10個のアルキル、アリ−ルまたはアラルキ
ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルキ
ル、アリ−ルまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
ダゾ−ル基またはインド−ル基を有するアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基である]で表される光学活
性アミノアルコ−ルを反応させ、アミドアルコ−ルを生
成する。光学活性アミノアルコ−ルは、相当する光学活
性アミノ酸を、例えばリチウムアルミニウム水素化物を
用いて還元する事により容易に合成する事が出来る。こ
の光学活性アミノアルコ−ルの原料として光学活性アミ
ノ酸を使用する場合には、例えば、LまたはDのアラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、t−ブチルロイ
シン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、グルタミン
酸、グルタミン、チロシン、フェニルアラニン、フェニ
ルグリシン、トリプトファン、メチオニン、システイ
ン、ド−パ等のアミノ酸、及びその誘導体が代表例とし
て上げられる、また他に2−アミノプロパノ−ル、2−
アミノブタノ−ル等α−アミノアルコ−ル、あるいはL
またはDのセリン又はスレオニンのエステル、アミド等
を直接使用する事も出来る。この第二操作では、塩化水
素捕捉剤としてトリエチルアミン、ピリジンといった塩
基を加えて反応する事も出来る。
【0017】第三操作として、第二操作までの同じ反応
溶液に更に塩素化剤を加えて、塩酸付加物とする。塩素
化剤としては第一操作で用いられる塩素化剤、即ち塩化
チオニル、ホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化リン等が
同様に用いられる。
【0018】次に、第四操作として適当な塩基を用いて
処理する事によりオキサゾリン誘導体とする。ここで、
一般式[1]に於いてXが塩素等のハロゲンの場合に
は、用いられる塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、又は水素化ナト
リウム等のアルカリ金属の水素化物が一般的である。更
に特徴的な事は、Xがアルコキシの場合には相当する金
属アルコキシド、Xがアルキルアミノ基の場合には相当
する金属アルキルアミド、Xがニトリル基の場合には相
当する金属シアン化物、Xがアルキル基の場合には相当
するアルキルグリニャ−ル試薬又はアルキルリチウム試
薬を用いて処理する事によっても製造する事が出来る。
即ち、Xがハロゲン原子以外の場合には、用いた塩基の
陰イオンがXとして導入される。具体的な塩基として例
えば、シアン化カリウムを用いるとニトリル基、ナトリ
ウムメトキシドを用いるとメトキシ基、ジエチルアミノ
ナトリウムを用いるとジエチルアミノ基、1,6−ヘキ
サメチレンジオ−ルのジナトリウム塩を用いて処理する
と6−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ基がXとして導入
された光学活性4−置換−2,6−ビス(オキサゾリ
ル)ピリジン誘導体を得る事が出来る。
【0019】本製造法の別法として、出発原料として、
4−ハロゲン化ピリジン−2,6−ジカルボン酸を直接
強塩基で処理しハロゲン以外の置換基をXとして最初に
導入して製造する事も出来る。例えば、4−クロロピリ
ジン−2,6−ジカルボン酸をジメチルアミンと共に加
熱すると、4−ジメチルアミノピリジン−2,6−ジカ
ルボン酸に、ナトリウムメトキシドと共に加熱すると4
−メトキシピリジン−2,6−ジカルボン酸に、1,6
−ヘキサメチレンジオ−ルのジナトリウム塩と共に加熱
すると、4−(6−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ)ピ
リジン−2,6−ジカルボン酸等へ導く事が出来、これ
を出発原料として上述の第一操作から第四操作までを行
う事により、光学活性4−置換−2,6−ビス(オキサ
ゾリル)ピリジン誘導体に導く事が出来る。
【0020】以上の製造操作は、反応温度は第一操作で
は、0〜200℃、好ましくは10〜100℃、第二操
作では−100〜50℃、好ましくは−50〜30℃、
第三操作では0〜200℃、好ましくは10〜100
℃、第四操作では0〜200℃、好ましくは10〜10
0℃で行わせる。第二操作以後、アミドアルコ−ルを単
離して加熱塩素化する場合には20〜300℃、更に好
ましくは50〜150℃の範囲で行わせる。
【0021】以上の製造方法にて得られる本発明の光学
活性4−置換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン
誘導体は、三つの窒素原子によりその中心に金属原子を
配位させ取り込む事が出来る為、金属触媒反応や不斉合
成の不斉配位修飾剤として利用できるばかりではなく、
重金属類の捕捉や生理活性のある光学活性化合物の分離
にも利用できる。特に従来、不斉金属触媒の配位子とし
てはホスフィン系の化合物が良く知られてきたが、主に
還元反応系での使用が中心であった。本発明の化合物
は、窒素系三座配位子であり還元反応ばかりではなく、
酸化反応にも利用でき、産業上極めて応用が容易で有用
な化合物である。
【0022】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1 4−クロロ−2,6−ビス[4’−(S)−イソプロピ
ルオキサゾリン−2’−イル]ピリジン 4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエ
ステル4.1gを水酸化ナトリウム2.2g、水45m
l、メタノ−ル130mlで室温にて一日撹拌した。減
圧乾燥後、塩化チオニル20mlを加え5時間還流し
た。再び減圧濃縮しクロロホルム60mlに溶解後、
(S)−バリノ−ル4.1gとトリエチルアミン5.3
mlのクロロホルム60ml溶液に0℃に冷却下滴下し
た。その後、室温にて一日撹拌した後、更に20mlの
塩化チオニルを加えて2時間加熱還流した。反応液を氷
水に注ぎクロロホルムで抽出した。溶媒を除去後、標題
化合物の塩酸付加物4.7gを得た。これをテトラヒド
ロフラン溶媒中2.1gの水素化ナトリウムにて処理
し、3.1g(出発物質からの収率52%)の白色結晶
の標題化合物を得た。 m.p.83〜84℃ [α]D 25−96.1゜(c1.15、CH2Cl2) プロトン NMR (270 MHz, CDCl3, TMS) 0.94 (d, J=6.34Hz, 6H), 1.05 (d, J=6.34Hz, 6H), 1.87 (m, J=6.34, 6.84Hz, 2H), 4.18 (ddd, J=6.34, 8.3, 9.28Hz, 2H), 4.23(dd, J=8.3Hz, 2H), 4.54 (dd, J=8.3, 9.28Hz, 2H), 8.21(s, 2H) ppm 元素分析 C17H22ClN3O2: 計算値 C、60.80;H、6.60;N、12.51;Cl、10.56 分析値 C、60.33;H、6.59;N、12.44;Cl、10.63
【0023】実施例2 4−メトキシ−2,6−ビス[4’−(S)−イソプロ
ピルオキサゾリン−2’−イル]ピリジン 実施例1における4−クロロ−2,6−ビス[4’−
(S)−イソプロピルオキサゾリン−2’−イル]ピリ
ジンの合成中間体である塩酸付加物2gをメタノ−ル4
0ml、水30ml、水酸化ナトリウム3gで室温14
時間、50℃で2時間処理する事により標題化合物を
1.3g(収率80%)得た。 m.p.83〜84℃ [α]D 25−83.6゜(c0.53、CH2Cl2) プロトン NMR (270 MHz, CDCl3, TMS) 0.94 (d, J=6.83Hz, 6H), 1.05 (d, J=6.84Hz, 6H), 1.87 (m, J=6.35, 6.83, 6.84Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 4.15 (ddd, J=6.35, 8.3, 9.28Hz, 2H), 4.22(t, J=8.3Hz, 2H), 4.52 (dd, J=8.3, 9.28Hz, 2H), 7.71(s, 2H) ppm 元素分析 C18H25N3O3: 計算値 C、65.23;H、7.60;N、12.68 分析値 C、64.94;H、7.59;N、12.78
【0024】実施例3 4−N,N−ジメチルアミノ−2,6−ビス[4’−
(S)−イソプロピルオキサゾリン−2’−イル]ピリ
ジン 4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエ
ステル3gをメタノ−ル100ml,水34ml、水酸化
ナトリウム1.6gで加水分解し、濃縮した。そこへ、
N,N−ジメチルアミン50%水溶液50mlを加え封
管中100℃で一日加熱した後、再び減圧濃縮し固体と
した。塩化チオニル16mlを加え6時間還流し、減圧
濃縮後メタノ−ル16mlを加えた。溶出カラムクロマ
トグラフィ−により4−N,N−ジメチルアミノピリジ
ン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエステルを1.4g
分離回収した。
【0025】このジメチルエステル2.0gを水酸化ナ
トリウム1.0g、水21ml、メタノ−ル62mlで
室温にて一日撹拌した。減圧乾燥後、塩化チオニル30
mlを加え5時間還流した。再び減圧濃縮しクロロホル
ム20mlに溶解し、(S)−バリノ−ル1.9gとト
リエチルアミン2.4mlのクロロホルム20ml溶液
に0℃冷却下滴下した。更に室温にて一日撹拌した後、
再び塩化チオニル8mlを加えて2時間加熱した。その
後、反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムにて抽出処理す
る事により、標題化合物の塩酸付加物2.7gを得た。
この塩酸付加物を、メタノ−ル21ml、水6ml、水
酸化ナトリウム0.6gで、室温にて20時間撹拌処理
した後、分離し2.2g(4−N,N−ジメチルアミノ
ピリジン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエステルから
の収率76%)の標題化合物を得た。 m.p.81〜82℃ [α]D 25−42.5゜(c0.52、CH2Cl2) プロトン NMR (270 MHz, CDCl3, TMS) 0.94 (d, J=6.84Hz, 6H), 1.06 (d, J=6.84Hz, 6H), 1.86 (m, J=6.34, 6.84Hz, 2H), 3.11 (s, 6H), 4.14 (ddd, J=6.34, 8.3, 9.28Hz, 2H), 4.19(t, J=8.3Hz, 2H), 4.49 (dd, J=8.3, 9.28Hz, 2H), 7.37(s, 2H) ppm 元素分析 C19H28N4O2: 計算値 C、66.25;H、8.19;N、16.27 分析値 C、66.12;H、8.39;N、16.09
【0026】実施例4 4−シアノ−2,6−ビス[4’−(S)−イソプロピ
ルオキサゾリン−2’−イル]ピリジン 実施例1にて得られた4−クロロ−2,6−ビス[4’
−(S)−イソプロピルオキサゾリン−2’−イル]ピ
リジン2gをジメチルスルホキシド40ml中、KCN
0.6gと室温にて14時間、更に50℃で3時間撹拌
処理する事により標題化合物を1.1g(収率57%)
得た。 m.p.84〜86℃ [α]D 25 −38.3゜(c0.40、CH2Cl2) プロトン NMR (270 MHz, CDCl3, TMS) 0.94 (d, J=6.8Hz, 6H), 1.03 (d, J=6.8Hz, 6H), 1.14 (m, 2H), 4.17 (m, 2H), 4.25(m,2H), 4.55 (m, 2H), 7.31(s, 2H) ppm 元素分析 C18H22N4O2: 計算値 C、66.24;H、6.79;N、17.17 分析値 C、65.97;H、6.81;N、17.02
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、軸不斉と疑似の不斉環
境を有する不斉オキサゾリルピリジン誘導体を、簡便な
方法により製造する事が出来る。本発明に於ける新規な
光学活性オキサゾリルピリジン誘導体は、配位能を有す
る三座の窒素が共役系を形成している上に、置換基の効
果により種々の電子的性質をこの共役系に賦与する事が
出来、その応用は極めて広い範囲に及ぶ。即ちこの新規
な光学活性オキサゾリルピリジン誘導体は、金属触媒反
応や有機合成の不斉配位修飾剤として利用できるばかり
ではなく、重金属類の捕捉や光学活性化合物の分割にも
有用であるなど、種々の用途に極めて重要である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
    12個のアルキル基、アリール基またはアラルキル基、
    炭素数1〜10個のアルキル、アリールまたはアラルキ
    ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10個のアルキ
    ル、アリールまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
    もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
    基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
    ダゾール基またはインドール基を有するアルキル基、ア
    リール基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子、炭素
    数1〜12個のアルキル基、アリール基またはアラルキ
    ル基、炭素数1〜12個のアルキル、アリールまたはア
    ラルキルのオキシ基またはアミノ基、炭素数1〜20個
    で任意の箇所にエステル基、ヒドロキシ基、イミダゾ−
    ル基もしくはインドール基を有するアルキル基、アリー
    ル基またはアラルキル基、炭素数1〜20個で任意の箇
    所にヒドロキシ基あるいはヒドロキシカルボニル基を有
    するアルキル、アリールまたはアラルキルのオキシ基ま
    たはアミノ基、ニトリル基、アミノ基もしくはニトロ基
    である]で表される光学活性4−置換−2,6−ビス
    (オキサゾリル)ピリジン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Xはハロゲン原
    子、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基、
    炭素数1〜12個のアルキルまたはアリールのオキシ基
    またはアミノ基、炭素数1〜20個で任意の箇所にヒド
    ロキシ基を有するアルキル基またはアリール基、ニトリ
    ル基、もしくはニトロ基である請求項1記載のピリジン
    誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(2)[化2] 【化2】 [Xはハロゲン原子、炭素数1〜12個のアルキル基、
    アリール基またはアラルキル基、炭素数1〜12個のア
    ルキル、アリールまたはアラルキルのオキシ基またはア
    ミノ基、炭素数1〜20個で任意の箇所にエステル基、
    ヒドロキシ基、イミダゾール基またはインドール基を有
    するアルキル基、アリール基またはアラルキル基、炭素
    数1〜20個で任意の箇所にヒドロキシ基あるいはヒド
    ロキシカルボニル基を有するアルキル、アリールまたは
    アラルキルのオキシ基またはアミノ基、ニトリル基、ア
    ミノ基もしくはニトロ基である]で表される4−置換ピ
    リジン誘導体を、第一操作として対応する酸塩化物に塩
    素化し、第二操作として一般式(3)[化3] 【化3】 [式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、炭素数1〜
    12個のアルキル基、アリール基またはアラルキル基、
    炭素数1〜10個のアルキル、アリールまたはアラルキ
    ルのオキシカルボニル基、炭素数1〜10個のアルキ
    ル、アリールまたはアラルキルのアミノカルボニル基、
    もしくは炭素数1〜10個で任意の箇所にカルボキシル
    基、エステル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、イミ
    ダゾール基またはインドール基を有するアルキル基、ア
    リール基またはアラルキル基である]で表されるアミノ
    アルコールを反応させ、アミドアルコールを生成し、第
    三操作としてこれを塩素化し、第四操作として塩基で処
    理する事を特徴とする請求項1に記載の光学活性4−置
    換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2)において、Xはハロゲン原
    子、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基、
    炭素数1〜12個のアルキルまたはアリールのオキシ基
    またはアミノ基、炭素数1〜20個で任意の箇所にヒド
    ロキシ基を有するアルキル基またはアリール基、ニトリ
    ル基、もしくはニトロ基である請求項3記載の光学活性
    4−置換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(4) MZ (4) [式中、Mはリチウム、ナトリウム、またはカリウム、
    Zは炭素数1〜12個のアルキル基、アリール基または
    アラルキル基、炭素数1〜12個のアルキル、アリール
    またはアラルキルのオキシ基またはアミノ基、炭素数1
    〜20個で任意の箇所にエステル基、ヒドロキシ基、イ
    ミダゾール基またはインドール基を有するアルキル基、
    アリール基またはアラルキル基、炭素数1〜20個で任
    意の箇所にヒドロキシ基あるいはヒドロキシカルボニル
    基を有するアルキル、アリールまたはアラルキルのオキ
    シ基またはアミノ基、ニトリル基、アミノ基もしくはニ
    トロ基である]で表される塩基性試剤の陰イオンZを、
    一般式(5)[化4] 【化4】 [式中、Yは塩素、臭素またはヨウ素である]で表され
    る光学活性4−置換−2,6−ビス(オキサゾリル)ピ
    リジン誘導体の置換基Yと置換させる事を特徴とする請
    求項1に記載の光学活性4−置換−2,6−ビス(オキ
    サゾリル)ピリジン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(4)において、Zは炭素数1〜
    12個のアルキル基またはアリール基、炭素数1〜12
    個のアルキルまたはアリールのオキシ基またはアミノ
    基、炭素数1〜20個で任意の箇所にヒドロキシ基を有
    するアルキル基またはアリール基、ニトリル基、もしく
    はニトロ基である請求項5記載の光学活性4−置換−2,6
    −ビス(オキサゾリル)ピリジン誘導体の製造方法。
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