JP3033928B2 - メッキ性に優れた耐熱、耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

メッキ性に優れた耐熱、耐衝撃性樹脂組成物

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JP3033928B2 JP5295974A JP29597493A JP3033928B2 JP 3033928 B2 JP3033928 B2 JP 3033928B2 JP 5295974 A JP5295974 A JP 5295974A JP 29597493 A JP29597493 A JP 29597493A JP 3033928 B2 JP3033928 B2 JP 3033928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ性に優れた耐
熱、耐衝撃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性の優れた熱可塑性樹脂として、
従来、ABS樹脂、ASA樹脂、及びAES樹脂に代表
されるゴム変性熱可塑性樹脂が広く利用されている。し
かしながら、高い耐熱変形性を必要とされる分野では、
これらの樹脂は耐熱性に欠けるため、比較的高温下での
使用に制限があった。このため、これらの樹脂の耐熱性
を改良する方法が種々提案されており、例えばα−メチ
ルスチレンとアクリロニトリルを主成分とするものから
なる共重合体をブレンドする方法により高い耐熱性を有
する組成物が得られることが開示されている(特公昭4
5−33661号公報、特開昭55−78043号公
報、特開昭56−103211号公報、特公昭57−6
0373号公報等。)。しかし、上記耐熱ABS樹脂に
使用されているアクリロニトリルとスチレン及び/又は
α−メチルスチレンとの共重合体は、耐熱性が充分に高
くないために得られるABS樹脂のより高い耐熱性の向
上が望めず、加えてα−メチルスチレン系の共重合体は
熱分解しやすく、成形温度幅が狭いという欠点を有して
いる。
【0003】また、ABS樹脂にポリカーボネート樹脂
をブレンドして、耐熱性を向上させる方法が開示されて
いる(特公昭38−15225号公報、同55−275
79号公報、同57−21530号公報、同58−12
300号公報、同58−46269号公報、特開昭57
−40536号公報、同58−149938号公報、同
57−12047号公報、同57−40536号公報
等。)。しかし、この方法においては、耐熱性の向上は
みられるが、相溶性が悪く、そのために良好な耐衝撃性
を有するものが得られないという欠点がある。
【0004】また、ABS樹脂の耐熱性を上げる方法と
して、ABS樹脂にマレイミド系共重合体を配合する方
法が提案されているが(特開昭63−89561号公
報)、耐熱性を向上させるために、マレイミド系共重合
体の含有量を多くすると耐衝撃性が低下するようにな
り、耐衝撃性及び耐熱性に優れた樹脂を得ることは困難
である。
【0005】さらに、他の方法としてABS樹脂に、ポ
リカーボネート樹脂及びマレイミド系共重合体をブレン
ドする方法が提案されている(特公平4−81623号
公報)。しかし、この方法では得られる樹脂組成物の衝
撃強度の低下は少ないものの、耐熱性、耐衝撃性、成形
性及びコストのバランスが未だに不十分であり、かつメ
ッキ性が悪いという問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記のような欠点を解消し、メッキ性、耐熱性及び
耐衝撃性に優れた樹脂組成物の提供を目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記欠点を
解消するため鋭意検討の結果、マレイミド系共重合体
と、グラフト重合体及びポリカーボネート樹脂を特定の
組成比で配合して得られる樹脂組成物において、マレイ
ミド系共重合体を構成する単量体の組成比を特定し、さ
らにシアン化ビニル系単量体とマレイミド化合物との合
計量を特定することによって上記問題点を解消できるこ
とを見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明は
(A)芳香族ビニル単位(a−1)30〜70重量%、
シアン化ビニル単位(a−2)10〜25重量%、及び
下記の一般式(I)
【化2】 (式中、Rは水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、
シクロヘキシル基、アリール基又は置換アリール基を表
わす。)で示されるマレイミド化合物単位(a−3)5
〜40重量%(合計100重量%)からなる共重合体で
あって、該共重合体における上記シアン化ビニル単位
(a−2)と上記マレイミド化合物単位(a−3)との
合計が50モル%以下(ただし、芳香族ビニル単位(a
−1)、シアン化ビニル単位(a−2)及びマレイミド
化合物単位(a−3)の合計を100モル%とする。)
であるマレイミド系共重合体10〜75重量部、 (B)ジエン系単量体を主成分とするジエン系ゴムの存
在下に、シアン化ビニル、芳香族ビニル及びアクリル系
単量体からなる群から選ばれた1種以上の単量体を重合
して得られた平均ゴム粒径0.15〜0.25μmのグ
ラフト重合体10〜60重量部、及び (C)ポリカーボネート樹脂15〜70重量部(ただ
し、(A)〜(C)成分の合計を100重量部とす
る。)からなることを特徴とするメッキ性に優れた耐
熱、耐衝撃性樹脂組成物である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の(A)成分であるマレイミド系共
重合体は、樹脂組成物の耐熱性を向上させる成分であ
り、芳香族ビニル単位(a−1)、シアン化ビニル単位
(a−2)及びマレイミド化合物単位(a−3)からな
るものである。
【0010】本発明のマレイミド系共重合体(A)を構
成する芳香族ビニル単位(a−1)は、30〜70重量
%、好ましくは40〜60重量%の範囲であることが必
要である。30重量%未満では成形性が低下し帯色しや
すく、70重量%を超えると耐熱性が低下し好ましくな
い。また、マレイミド系共重合体(A)を構成するシア
ン化ビニル単位(a−2)は、10〜25重量%、好ま
しくは15〜20重量%の範囲であることが必要であ
る。10重量%未満ではメッキ性が悪くなり、25重量
%を超えると帯色するようになる。また、上記の一般式
(I)で示されるマレイミド化合物単位(a−3)は、
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲で
あることが必要であり、5重量%未満では耐熱性が低下
し、40重量%を超えるとメッキ性、成形性が低下する
ようになる。さらに、本発明のマレイミド系共重合体
(A)は、それを構成するシアン化ビニル単位(a−
2)とマレイミド化合物単位(a−3)との合計が50
モル%以下(芳香族ビニル単位(a−1)、シアン化ビ
ニル単位(a−2)及びマレイミド化合物単位(a−
3)の合計を100モル%とする。)とすることが必要
であり、50モル%を超えると帯色しやすくなる。
【0011】本発明のマレイミド系共重合体(A)を構
成する芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル系単量体が挙げられ、これら
のうち1種又は2種以上が使用される。また、シアン化
ビニルとしてはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、フマルニトリル等のシアン化ビニル系単量体が挙げ
られ、これらのうち1種又は2種以上が使用される。さ
らに、上記一般式(I)で示されるマレイミド化合物と
しては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−0−クロロフェニルマレイミド、
N−トルイルマレイミド、N−キシイルマレイミド、N
−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミドのマ
レイミド系単量体が挙げられる。これらのマレイミド化
合物の中で、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−0−ク
ロロフェニルマレイミドの使用が好ましく、特に好まし
くはN−フェニルマレイミドである。上記のマレイミド
化合物は1種でまたは2種以上を併用して使用される。
【0012】上記マレイミド系共重合体(A)を重合す
る方法としては、特に限定されず、公知の方法、例えば
乳化重合法、バルク重合法、懸濁重合法、溶液重合法等
が挙げられる。
【0013】また、本発明で用いられる(B)成分であ
るグラフト重合体は、樹脂組成物の耐衝撃性を発現させ
る成分である。グラフト重合体(B)は、ジエン系単量
体を主成分とするジエン系ゴムに、シアン化ビニル、芳
香族ビニル及びアクリル系単量体から選ばれる少なくと
も1種の単量体を重合して得られるものである。
【0014】ジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム及びアクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体ゴムが挙げられる。
【0015】上記ジエン系ゴムにグラフト重合させる単
量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレン、ブロモスチレン等の芳香
族ビニル系単量体:及びメチルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト等のアルキル基の炭素数が1〜8のアルキル(メタ)
アクリレート等から選ばれるアクリル系単量体が挙げら
れる。
【0016】上記ジエン系ゴムに単量体をグラフト重合
させる方法としては、乳化重合法、バルク重合法、懸濁
重合法、溶液重合法や乳化懸濁液重合法、乳化バルク重
合法等が挙げられる。
【0017】グラフト重合体(B)の平均ゴム粒径は
0.15〜0.25μmの範囲にあることが必要であ
る。0.15μm未満ではメッキ性は良好であるが耐衝
撃性が著しく劣る樹脂組成物となる。0.25μmを超
えると耐衝撃性は良好であるがメッキ性が劣る樹脂組成
物となる。
【0018】なお、上記のジエン系ゴムに上記単量体群
から選ばれた単量体をグラフト重合してなるゴム強化樹
脂で市場で販売されているものとしては、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹
脂)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン
−スチレン共重合体樹脂)等を挙げることができる。
【0019】本発明で用いられる(C)成分であるポリ
カーボネート樹脂は樹脂組成物に耐衝撃性を付与させる
成分である。ポリカーボネート樹脂(C)はジヒドロキ
シジアリールアルカンから得られ、任意に枝分れしてい
てもよい。これらポリカーボネート樹脂は公知の方法に
より製造されるものであり、一般にジヒドロキシ及び/
又はポリヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエス
テルと反応させることにより製造される。
【0020】適当なジヒドロキシジアリールアルカン
は、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基、塩
素原子又は臭素原子を有するものも含む。ジヒドロキシ
ジアリールアルカンの好ましい具体例としては4,4’
−ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロパン(ビスフ
ェノールA)、テトラメチルビスフェノールA及びビス
−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベ
ンゼン等が挙げられる。また分岐したポリカーボネート
樹脂は、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.
2〜2モル%をポリヒドロキシで置換することにより製
造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例としては1,
4−ビス−(4’,4,2’−ジヒドロキシトリフェニ
ルメチル)−ベンゼン、フロログルシノール、4,6−
ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,
3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼ
ン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−
エタンならびに2,2−ビス[4,4−(4,4’−ジ
ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン等
が挙げられる。
【0021】上記ポリカーボネート樹脂(C)は単独
で、または2種以上混合して用いることができる。
【0022】本発明の樹脂組成物はマレイミド系共重合
体(A)、グラフト重合体(B)及びポリカーボネート
樹脂(C)配合することにより得られる。マレイミド
系共重合体(A)は、成分(A)〜(C)の合計量10
0重量部中10〜75重量部、好ましくは20〜60重
量部である。10重量部未満ではメッキ性、耐薬品性に
劣り、75重量部を超えると耐衝撃性が低下するので好
ましくない。
【0023】グラフト重合体(B)の配合量は、成分
(A)〜(C)の合計量100重量部中10〜60重量
部、好ましくは20〜40重量部である。10重量部未
満ではメッキ性、耐衝撃性に劣り、60重量部を超える
とメッキ性、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0024】ポリカーボネート樹脂(C)の配合量は、
成分(A)〜(C)の合計量100重量部中15〜70
重量部、好ましくは30〜60重量部である。15重量
部未満では耐衝撃性に劣り、70重量部を超えるとメッ
キ性、成形性、耐薬品性に劣るようになり好ましくな
い。
【0025】このようにして得られた組成物は、そのま
までも使用し得るが、熱安定性の改良を目的としてヒン
ダードフェノール系抗酸化剤やホスファイト系安定剤
を、耐候性改良を目的としてベンゾフェノン系UV吸収
剤やヒンダードアミン系安定剤、ベンゾトリアゾール系
のUV吸収剤を、加工性改良を目的としてエチレンビス
ステアリルアマイド等のアミド系の滑剤や金属石鹸等を
それぞれ単独又は併用して配合することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、例中における部は重量部、%は重量%を表わ
す。
【0027】合成例1〜9 マレイミド系共重合体(I−1〜I〜9)の製造;図1
に示した製造装置を用いて各種マレイミド系共重合体
(I−1〜I−9)の製造を行った。
【0028】まず第1重合反応器(完全混合重合反応
器)1内を真空ポンプにより器内の空気を除去した後窒
素ガスを器内に導入し、窒素雰囲気にした。この操作を
さらにもう1回繰り返して器内を完全に窒素雰囲気にし
た後に重合を実施した。すなわち表1に示す割合の各種
混合液A及び混合液Bを別々の配管から第1重合反応器
1に連続的に滴下供給し、重合温度100℃、及び平均
滞留時間1時間の条件で共重合反応を行った。重合転化
率が40〜50%になった時点で供給仕込み単量体の総
量に等しい量を反応器の底よりギヤポンプ2で連続的に
抜き取り連続運転を行った。第1重合反応器1を出た重
合反応液をギヤポンプ2により押出し流れ型の第2重合
反応器3に移送した。第2重合反応器3においてさらに
重合を進行せしめ残存マレイミド系単量体の量を大幅
減少せしめた。しかる後第2重合反応器3から重合反応
物をギヤポンプ4により脱揮押出機5へ供給した。
【0029】脱揮押出機5は2ベントタイプ(図1中の
1 及びV2 )の二軸押出機である。脱揮押出機5にて
残存単量体、有機溶媒等を除去した後ペレタイザー6に
よりペレット化して透明な樹脂を得た。
【0030】表1に重合収率、得られたマレイミド系共
重合体(I−1〜I−9)の還元粘度(ηSP/C)及び組
成を示す。重合収率は、定常運転における物質収支から
求めた。また、還元粘度(ηSP/C)はポリマー0.1g
をN,N’−ジメチルホルムアミド50mlに溶解しウ
ベローデ型粘度計で求めた。さらに組成はガスクロマト
グラフにより求めた。
【0031】合成例10 グラフト重合体(II−1)の製造:反応容器に下記の物
質を仕込んだ。平均粒径0.2μmのポリブタジエンラ
テックス (固形分換算) 60 部 純水 140 〃 デキストロース 0.6 〃 ピロリン酸ソーダ 0.3 〃 FeSO4 ・7H2 O 0.002〃 ロジン酸カリウム 1.0 〃 反応器内の組成物を60℃に昇温し、アクリロニトリル
12部、スチレン28部、クメンヒドロペルオキシド
(CHP)0.2部及びt−ドデシルメルカプタン0.
5部の混合物を120分間にわたって連続的に滴下し
た。滴下終了後、さらに120分間、60℃の温度で熟
成して重合を完結した。得られたラテックスに2、6−
ジターシャリーブチル−p−クレゾール(BHT)0.
5部を添加し、十分混合した後、希硫酸にて凝固し、脱
水、乾燥して白色粉末を得た。
【0032】合成例11 グラフト重合体(II−2)の製造:ポリブタジエンラテ
ックスとして平均粒径0.1μmのポリブタジエンラテ
ックスを用い、他は合成例10と全く同じ方法をくり返
して、グラフト重合体(II−2)を得た。
【0033】合成例12 グラフト重合体(II−3)の製造: ポリブタジエンラテックスとして平均粒径0.35μm
のポリブタジエンラテックスを用い、他は合成例10と
全く同じ方法をくり返して、グラフト重合体(II−
3)を得た。
【0034】実施例1〜8及び比較例1〜11 マレイミド系共重合体(I〜1)〜(I〜9)、グラフ
ト重合体(II〜1)〜(II〜3)及びポリカーボネ
ート樹脂(ノバレックス7022、三菱化成(株)製)
を、表2〜に示す割合で配合し、安定剤として、フェ
ノール系抗酸化剤(アンテージW−400、川口化学工
業(株)製)0.2部とホスフアイト系安定剤(マーク
C、アデカアーガス社製)0.4部とを加え、十分に混
合した後、30mmφの二軸押出機にて260℃で押出
し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
【0035】このようにして得られた熱可塑性樹脂組成
物のペレットを1オンス射出成形後(山城精機製SAV
−30A)で290℃にて50×80×3mmの平板を
射出成形した。表2〜5に得られた評価結果を示す。
【0036】なお、評価方法は以下に示す方法で行っ
た。
【0037】(1)メッキ性の評価 一般に行われているメッキ工程でメッキを行った。 エッチング液組成: CrO3 400g/l H2 SO4 200cc/l エッチング温度 : 65℃ エッチング時間 : 15分 密着強度 : テープ(ニチバン)による引き剥
しテスト ○ メッキが剥がれない × メッキが剥がれる
【0038】 (2)アイゾット衝撃値:ASTM D−256 (単位kgf・cm/cm)1/4″ 棒ノッチ付
【0039】(3)ビカット軟化温度 ISO R−3
06 (単位℃)荷重5kg
【0040】(4)Y.I.値 色差計 CM
S−1500型 ((株)村上色彩技術研究所製)により測定した(Ti
2 標準)。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】以上の実施例及び比較例の結果から次のこ
とが明らかとなる。 (1)本発明の樹脂組成物は、メッキ性、耐熱性、耐衝
撃性に優れていることが判る(実施例1〜7)。 (2)マレイミド系共重合体(A)において、アクリロ
ニトリルの量が本発明の範囲外であるとメッキ性が低下
する(比較例1,2)。またマレイミド共重合体におい
て、マレイミド化合物の量が本発明の範囲外であると耐
熱性が低下する(比較例3)。またマレイミド共重合体
において、アクリロニトリルとマレイミド化合物との合
計量及びアクリロニトリルの量が本発明の範囲外である
と、本発明の組成物(実施例8)に比べて帯色性が増加
する(比較例8,9)。 (3)マレイミド系共重合体(A)、グラフト重合体
(B)及びポリカーボネート樹脂(C)の配合比におい
て、ポリカーボネート樹脂(C)又はマレイミド共重合
体(A)の量が本発明の範囲外であるとメッキ性が劣っ
たり(比較例5,7)、耐衝撃性が劣ったりする(比較
例4,6)。 (4)グラフト重合体(B)において、平均ゴム粒径が
本発明の範囲外であると耐衝撃性が劣ったり(比較例1
0)、メッキ性が劣ったりする(比較例11)。
【0046】
【発明の効果】以上述べた如き構成からなる本発明の樹
脂組成物は、メッキ性、耐熱性及び耐衝撃性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、自動車部品、工業部品、家庭部
品などの各種用途にきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マレイミド共重合体を得るのに使用した製造装
置の概略図である。
【符号の説明】
第1重合反応器 2 ギヤポンプ 3 第2重合反応器 4 ギヤポンプ 5 脱揮押出機 6 ペレタイザー V,V ベント孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−117050(JP,A) 特開 昭62−18467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ビニル単位(a−1)30
    〜70重量%、シアン化ビニル単位(a−2)10〜2
    5重量%、及び下記の一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、
    シクロヘキシル基、アリール基又は置換アリール基を表
    わす。)で示されるマレイミド化合物単位(a−3)5
    〜40重量%(合計100重量%)からなる共重合体で
    あって、該共重合体における上記シアン化ビニル単位
    (a−2)と上記マレイミド化合物単位(a−3)との
    合計が50モル%以下(ただし、芳香族ビニル単位(a
    −1)、シアン化ビニル単位(a−2)及びマレイミド
    化合物単位(a−3)の合計を100モル%とする。)
    であるマレイミド系共重合体10〜75重量部、 (B)ジエン系単量体を主成分とするジエン系ゴムの存
    在下に、シアン化ビニル、芳香族ビニル及びアクリル系
    単量体からなる群から選ばれた1種以上の単量体を重合
    して得られた平均ゴム粒径0.15〜0.25μmのグ
    ラフト重合体10〜60重量部、及び (C)ポリカーボネート樹脂15〜70重量部(ただ
    し、(A)〜(C)成分の合計を100重量部とす
    る。)からなることを特徴とするメッキ性に優れた耐
    熱、耐衝撃性樹脂組成物。
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