JP3033294U - 容器胴部用紙筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器胴部用紙筒の内面に、アルミ箔の両面に
プラスチックフィルムを積層したラミネートシート帯の
一側縁を折り返してスパイラル巻きして形成してアルミ
箔端面が露出しないようにしたライニング層の内面突出
段部の厚さを減少すること。 【解決手段】 紙筒の内面に、ラミネートシート帯を側
縁重ね合せてスパイラル巻きして形成したライニング層
（２）において、その内面に露出したラミネートシート
帯の後側縁端面を被覆する合成樹脂接着剤層（２１）に
より、ライニング層の内面突出段部の厚さを半減してア
ルミ箔端面の露出を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は食品、薬剤などを密封収容する容器の胴部用の紙筒に関し、特に液状 物を収容する場合に、紙筒の内面に設けられるライニング層が、アルミ箔の両面 に熱可塑性プラスチックフィルムが積層されたラミネートシートの帯状物のスパ イラル巻きして形成されるさいの改良構造を目的とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

液状物を密封収容する容器において、その胴部として内面に気密液密のライニ ング層を設けた紙筒を用いることは従来一般に行なわれ、該ライニング層として 、、アルミ箔の両面に熱可塑性プラスチックフィルムのラミネートシートの帯状 物を、その側縁部を重ね合わせてスパイラル巻きして形成することも普通に採用 されている。

【０００３】 上記の容器胴部用の紙筒において、収容する液状物がライニングシートの側縁 端に露出したアルミ箔端面に接触する場合には、化学反応によりアルミニウムイ オンの溶出、水素ガス、炭酸ガスなどの発生により食品風味を害したり薬剤の変 質あるいは内部圧の増大等の問題を生ずることがあり、これを回避するためラミ ネートシートの側縁を筒外方へ折り返して側縁重ね合せするスパイラル巻き構造 によりアルミ箔端面が露出しないライニング層を形成する手段が行なわれている 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述したラミネートシートの帯状物の一側縁を折り返してスパイラル巻きして 形成したライニング層は、縁部重ね合せ部分においてラミネートシート厚の２倍 の内面段差を生じ、したがって液状収容物の流出使用後に、該段部に相当量の付 着液が残留し好ましくなく、又ライニング形成のさいのラミネートフィルム使用 量の増大、縁部折り返しの操作が必要となるなどの問題点があり、又、特にシー ラント押出し用のカートリッジ式容器の場合には、該紙筒胴内部に密嵌したプラ ンジャー外周面における液密状態が不十分となり又その摺動移動が困難となるな どの欠点があった。

【０００５】

【課題を解決する手段】

本考案は前記の従来の容器胴部用の紙筒のライニング形成手段の課題を解決し たものである。 すなわち、本考案は紙筒の内周面に熱圧着されたライニング層が、アルミ箔の 両面に熱可塑性プラスチックフィルムを積層した帯状のラミネートシートを、そ の側縁部が重ね合されてスパイラル巻きして形成され、該ライニング層の内面側 に露出したラミネートシートの側縁端面が、合成樹脂接着剤層により被覆されて いることを特徴とする容器胴部用紙筒を要旨とし、該要旨において紙筒が帯紙を その側縁縁を衝き合せてスパイラル巻きしてなる巻層の複数層を積層接着したも のであり、その最内層となる第１紙層が、その内面側に熱可塑性プラスチックフ ィルム層を有してライニング層の熱可塑性プラスチックフィルムと熱接着してい ることも含むものである。

【０００６】 上記の紙筒は通常１００μ以上の厚さのライナー帯紙を、その側縁を衝き合せ てスパイラル巻きし、その上に同様の帯紙を接着剤を塗布し側縁衝き合せ線を喰 い違わせてスパイラル巻きして２層以上を積層接着して形成することによって十 分な強度を有せしめたものであり、その帯紙の幅は内部口径並びに巻層形成にし たがって増大する外径と、帯紙のスパイラル巻きの巻軸線に対する傾斜巻き付け 角度等により設計的に決定する。

【０００７】 ライニング層を形成するラミネートシートは、通常２０μ以下の厚さのアルミ ニウム箔、その両面に積層する熱可塑性プラスチックフィルムは、例えばライニ ング表面側には３０〜４０μ厚、紙筒面側には１５〜２０μ厚のポリエチレンフ ィルムを積層したものであり、そのシートを前記のスパイラル巻き条件において 側縁部において３〜１０ｍｍの重ね合せが行なわれるような幅に切断して帯状物 とし、この帯状物のスパイラル巻きによりライニング層を形成するさいに、その 層形成方向と反対側の側縁端面に合成樹脂接着剤を予め塗布し、熱風吹き付けに より粘着性が消失するように乾燥し半硬化状にしてスパイラル巻層形成後に完全 硬化するように加熱処理することが必要である。

【０００８】

【実施の態様】

本考案の容器胴部用紙筒の実施の態様を図面によって説明する。 図１は断面図、図２はその要部を拡大して断面図であって、１は帯紙の側縁を 衝き合せてスパイラル巻きして形成した第１紙層４、第２紙層５、外装紙層６を その層間に接着剤層を介在せしめて形成した紙筒であって、第１紙層は紙筒１の 内面側に熱可塑性プラスチックフィルム層３が形成されるようなフィルムラミネ ート帯紙が用いられる。

【０００９】 ライニング層２はアルミ箔１２の両面に熱可塑性プラスチックフィルム１１， １３を積層したラミネートシート１０の帯状物を、スパイラル巻きするさいに、 その前側縁８に後側縁７が重ね合うようにして熱接着し、その巻層形成のさいに 、その巻層内面に露出した後側縁端面２０を被覆して、合成樹脂接着剤層２１を 固着せしめたものである。 そして、このライニング層２は紙筒１の内面側の表面の熱可塑性プラスチック フィルム層３とライニング層２の外面側の熱可塑性プラスチックフィルム層１３ とは、熱接着により強固に接着されて、胴部用紙筒となる。

【００１０】 前記の胴部用紙筒は従来公知の図３に示すようなスパイラル紙筒製造装置を用 いて容易に連続的に製造することができる。 紙筒製造装置は架台３１に基端が片持ち固定した長尺の丸棒よりなる内部水冷 型の成形芯軸３２と該成形芯軸３２の遊端側に位置して該芯軸３２上に形成され た帯紙スパイラル巻層の外面に圧接して該巻層を回動しつつその遊端方向に摺動 移送する傾斜した２本の平ベルトの傾斜巻回掛けした駆動手段４０を有している 。 上記の駆動手段４０は、成形芯軸３２の一側に設けた一つの駆動プーリー３５ と、他側に離隔した一対の従動プーリー３６，３８との間にそれぞれ架け渡した 二本の平ベルト３７．３９をそれぞれ成形芯軸３２に対し傾斜して１回巻き掛け して張設したものである。

【００１１】 １７は積層されたラミネートシートを適宜幅に切断した帯であり、成形芯軸３ ２へのスパイラル巻き工程へ導入過程において帯１７の後側縁端面２０に、塗布 装置４１によって熱硬化性合成樹脂接着剤が連続的に塗着されついで該塗着端面 に熱風吹き付け機４２により１５０℃以上の空気が吹き付けられて、塗膜が半硬 化状態に乾燥されさらに熱風吹き付け機４３により内面側を加熱して成形芯軸３ ２周面に側縁重ね合わせしてスパイラル巻きされてライニング層２が形成される 。

【００１２】 １４は第１紙層４を形成する裏面側に、熱可塑性プラスチックフィルム層３を ラミネートした帯紙であって、そのスパイラル巻き付け直前において、ライニン グ層２の外面と帯紙１４の対向面間に、熱風吹き付け装置４４から１５０℃以上 の空気を吹き付けて、両者の熱可塑性プラスチックフィルム面同志の圧着接合を 図って側縁衝き合せスパイラル巻きする。 １５は第１紙層４上に第２紙層５を形成するための帯紙であって、第２紙層５ に接する面に例えば酢ビ系の接着剤を塗布して、側縁衝き合せ線を第１紙層４と 喰い違わせてスパイラル巻き積層する。

【００１３】 １６は前記のようにして連続的に形成された紙筒の外面に設ける外装シート層 ６を前記と同様にスパイラル巻きにより形成するため、成形芯軸３２の遊端に近 接した位置から傾斜供給される裏面に接着剤を塗布した所望の印刷表示や装飾を 施した紙、プラスチックフィルム、アルミ箔などの帯である。

【００１４】 上記の製造方法により成形芯軸遊端から押し出される長尺の紙筒は、所定寸法 に切断して容器胴部とし、その一方の開口に蓋板を巻締めなどにより固着し、内 容物を収容後、他の開口に蓋板を被着固定することにより密封容器とすることが でき、あるいは流出ノズル付き天蓋により一方の開口を密封し、内容液を収容し 、次いで押し出し用プランジャーを嵌入して密封することによりシーリング剤押 し出し容器とすることができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の容器胴部用紙筒はその内面に、アルミ箔の両面に熱可塑性プラスチッ クフィルムのラミネートシートの帯を側縁重ね合せてスパイラル巻きにより形成 して、その紙筒内部に露出する帯側縁縁を合成樹脂接着剤層により被覆したので 、図４に示すようなラミネートシート帯の側縁を折り返し部５０を形成してラミ ネートシート１０の側端面にアルミ箔端面の内部露出を防止する従来の手段によ る容器胴部の内面ライニング層２に生ずる段部５１の厚さを半減することができ 、したがって、容器内容物の残留付着量の減少、ラミネートシートの使用量の節 減、胴部開口に取り付ける密封蓋の密封性の向上、あるいは胴部内に嵌入するプ ランジャーの周面密封性並びにその円滑摺動性などの改善とともに、その製造に 当たってライニングシート帯の縁部折り返し工程を省略できるなどの効果が得ら れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施態様を示す縦断面図である。

【図２】 図１の要部を拡大した断面図である。

【図３】 本考案に用いる紙筒を製造する装置の説明的
な側面図である。

【図４】 従来の製品の縦断面とした要部の拡大側面図
である

【符号の説明】

１ 紙筒 ２ ライニング層 ３ 熱可塑性プラスチックフィルム層 ４ 第１紙層 ５ 第２紙層 ６ 外装シート層 ７ 後側縁 ８ 前側縁 １０ ラミネートシート １１ 熱可塑性プラスチックフィルム １２ アルミ箔 １３ 熱可塑性プラスチックフィルム ２０ 後側縁端面 ２１ 合成樹脂接着剤層 ４０ スパイラル巻き紙筒製造装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙筒（１）の内周面に熱圧着積層された
   ライニング層（２）が、アルミ箔（１２）の両面に熱可
   塑性プラスチックフィルム（１１，１３）を積層した帯
   状のラミネートシート（１０）を、その側縁部が重ね合
   されてスパイラル巻きして形成され、該ライニング層
   （２）の内面側に露出したラミネートシート（１０）の
   側縁端面（２０）が、合成樹脂接着剤層（２１）により
   被覆されていることを特徴とする容器胴部用紙筒。
2. 【請求項２】 紙筒（１）が帯紙をその側縁端を衝き合
   せてスパイラル巻きしてなる巻層の複数層を積層接着し
   たものであり、その際内層となる第１紙層（（４）が、
   その内面側に熱可塑性プラスチックフィルム層（３）を
   有してライニング層（２）の熱可塑性プラスチックフィ
   ルム（１３）と熱接着したものである請求項１記載の容
   器胴部用紙筒。