JP3033271U - 換気扇フィルター装置およびフィルター装置付き換気扇 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 換気扇の汚れが防止でき、時間と労力をかけ
ることなく容易に交換でき、コストの安く、１回毎に交
換することなく、引き出すことにより連続的に使用で
き、頻繁に取り替える必要のあるお好み焼き屋や焼き肉
屋などに適した換気扇のフィルター装置を提供する。 【解決手段】 中央部に通風口３のある前板２とその周
囲から後方に延びる左右の側壁４と５と天板６及び底板
７から換気扇取付け枠体８を構成し、天板６の上側を半
円管状のロールフィルター載置部９とし、前板下端部１
０に左右の側壁５と６の両脇から前方に突出する左右の
保持板１１と１２を設け、その間に前板２とフィルター
間隙１３を空けて支持棒１５を掛け渡し、支持棒１５の
下方の左右の保持板１１及び１２間に回転軸１６を軸支
する回転軸板１９と押え板保持枠２４を設け、支持棒１
５の下方から１８０度前方に回転して支持棒１５の前面
に当接する押え板１７を押え板保持枠２４に設け、押え
板１７に使用済みフィルター切断用の水平方向に開口す
る溝孔１８を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、厨房の壁面上部に取り付けられた換気扇のフィルターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

種々の煮炊きや焼き物をする料理を行う厨房や或いは焼き肉屋やお好み焼き屋 などのように直接焼き物や煮物をする部屋では、煮炊きしたり焼いたりする際に 種々の煙やあぶら等の蒸発物が厨房内や室内に充満する。そこで、これらの部屋 には換気扇を壁面に取り付けて充満した煙やあぶら等の蒸発物を換気する。とこ ろが、これらの煙や油等の蒸発物は換気扇を通る際に換気扇の羽根の表面にあぶ ら或いはやに状の物質となり凝着し、羽根やモーターや羽根周辺の板体の表面を 覆うこととなる。特に、焼き肉屋やお好み焼き屋では一層あぶら分が蒸発して羽 根の表面などに厚くつく。そしてこの付着物はあぶら分が多いためさらに室内の 塵埃などを付着し非常に不潔になる。そこでこれらの汚れを時々除去する必要が ある。しかし、これらの付着物はあぶら分が多く、かつ、時間とともに一部硬化 しているので、除去は非常に困難となり、多くの時間と労力を必要とする。

【０００３】 そこで、換気扇の大きさに適合する大きさの不織性の通気性の良好な素材から なるフィルターを取替え枠で取替えるものが提案され市販されている。ところが このような１回毎に取り替えるバッチタイプのフィルターは、取替える都度毎に 取替え枠を換気扇の外枠から外し、ついで汚れたフィルターを除去し、除去した 後に新しいフィルターを張り、その後取替え枠で押さえて保持するようにする。 このような取替えは結構時間がかかり、労力も要する。また、フィルターは１回 毎しか使用できない。家庭用など数カ月に１度取り替える様な場合はそれほど負 担でない。しかし、お好み焼き屋や焼き肉料理店などの煙の量の多いところでは 、毎日あるいは数日置きに取り替えねばならない。このような場合、このフィル ターの取替えは、時間と労力並びに費用の点で大きな負担となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、上記の従来の換気扇フィルターの問題点を 解消することである。即ち、換気扇の羽根やモーターや羽根回りの汚れが防止で き、かつ、時間と労力をかけることなく容易に交換でき、且つコストの安い汚れ 防止フィルターを提供することであり、また、１回ごとに取替え枠を取り外して 交換することなく、連続的に引き出して交換することを可能にし、毎日取り替え る必要のあるお好み焼き屋や焼き肉屋などでの使用にも耐える時間と労力とコス トのかからない換気扇フィルター装置及びフィルター付き換気扇を提供すること である。

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための本考案の手段は、請求項１の考案では、中央部に 通風口３を開口する前板２と前板２に接続して四周を囲撓して後方に延びる左側 壁４、右側壁５、天板６及び底板７とから換気扇取付け枠体８を構成し、天板６ の上側に上面を開放する半円管状のロールフィルター載置部９を設け、前板下端 部１０に左側壁５及び右側壁６の両脇から前板前方に突出する左保持板１１及び 右保持板１２を設け、左保持板１１と右保持板１２間に前板２とフィルター通過 間隙１３を空けて支持棒１５を掛け渡し、支持棒１５の下方で左保持板１１及び 右保持板１２にそれぞれ回転軸１６を軸支する回転軸板１９と回転軸板１９にフ ィルター通過間隙１４を空けて押え板保持枠２４を設け、支持棒１５の下方から １８０度前方に回転して支持棒１５の前面に当接する押え板１７を押え板保持枠 ２４に設け、押え板１７に使用済みフィルター切断用の水平方向に開口する溝孔 １８を設けたことを特徴とする換気扇フィルター装置１である。

【０００５】 請求項２の考案では、請求項１記載の換気扇フィルター装置１の換気扇取付け 枠体８を換気扇２５の周壁２６となし、換気扇取付け枠体８の後部に換気扇羽根 設置用の丸穴３０を有する換気扇の前壁２７を設けたことを特徴とするフィルタ ー装置付き換気扇３１である。

【０００６】 上記手段の作用について図を参照して説明する。本考案の換気扇フィルター装 置１は、図９に示すように既設の換気扇２５に取り付けて、フィルター付き換気 扇とするものである。フィルター装置付き換気扇３１は、図１０に示すように換 気扇の外枠自体をフィルター取付け用の外枠として構成したものである。これら はいずれもその外枠の天板６の上面はロールフィルター載置部９となっている。 ロールフィルター載置部９は上面が開放された半円管状に形成されているので、 この半円管状のロールフィルター載置部９に繊維間に隙間が粗く開いて通気性の 良好な紙製のロールフィルター２２を装着し、ロールフィルター２２の最外側の 巻回端を外枠の前面を経て下方に引っ張ると、ロールフィルター２２はその自重 でロールフィルター載置部９内に位置したまま回転してロールフィルター２２が 巻き戻される。換気扇の枠体の前面の長さ分が必要長さとして巻き戻され、その 巻き戻したロールフィルター２２の端は換気扇の枠体の前面の下部で押え板１７ により挟持することにより換気扇にフィルターがセットされる。換気扇の運転に よりセットしたフィルターにあぶら分が充分に吸着されて汚れが進んで交換する 必要が生じるたときには、ロールフィルター２２をさらに巻き戻してフィルター の未使用分を引っ張りだして外枠体の通風口を覆い、使用済みのあぶら分で汚れ たフィルター部分を押え板１７のところで切断して廃棄する。

【０００７】 従って、本考案では各１回分づつのフィルターをその都度換気扇に交換して取 り替えるものと異なり、換気扇のフィルター装置に載置装着した長尺のロールフ ィルターを使用分だけ引っ張りだして巻き戻すことにより簡単に新しいフィルタ ーを換気扇にセットできるものである。従って、お好み焼き屋や焼き肉店などの あぶら分の多い蒸発物や煙の立ち込めた場所において長時間継続して使用される 換気扇のフィルターとするとき、頻度の激しいフィルター交換が極めて手軽に行 えることとなり、時間と労力が軽減される。また、家庭用に使用するときも、フ ィルター交換の手間が省けることは言うまでもない。

【０００８】 また、使用済みフィルターは換気扇の枠体の前面の下部の押え板１７で適宜カ ッターなどにより切断することができる。即ち、本考案では切断するとき、支持 棒１５をあて板にして押え板１７の溝穴からカッターの刃を挿入して支持棒１５ で受けて切断するのでフィルターが容易に切断できる。しかし、切断は、この切 断方法に限られるものでなく、適宜手段が利用でき、例えば、ロールフィルター ２２の長尺のフィルターに１回の使用分の長さごとに切断用に横断してミシン目 を設けておくこともできる。さらに、この考案では換気扇フィルター取付け枠体 ８の下部に水平に設けた支持棒１５にフィルターを巻き返して押え板１７で押さ えているので、フィルターが確実に固定できる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図面を参照して本考案の実施の形態を説明する。本考案の換気扇フィルター装 置１は、中央部に換気扇に通風する通風口３を開口する前板２と前板２に接続し て、前板２の四辺の周囲を囲撓して後方側に左側壁４と右側壁５と天板６と底板 ７が延在して箱型の換気扇取付け枠体８となっている。天板６はその上側がロー ルフィルター載置部９となっている。ロールフィルター載置部９の形状は上面を 開放する半円管状に形成されている。なお、ロールフィルター載置部９にはロー ルフィルターに埃が付かないように適宜形状の蓋を設けるとよい。前板２の下端 部１０には左側壁５及び右側壁６の両脇から前板２の前方に突出する左保持板１ １及び右保持板１２をねじ２３で左側壁５及び右側壁６に設ける。左保持板１１ と右保持板１２間には支持棒１５が取り付けられている。支持棒１５の取付けは 左保持板１１及び右保持板１２の前端中央部に支持棒断面の切欠きを形成し、そ の切欠きに支持棒１５を嵌合することにより行う。前板２と支持棒１５間にはフ ィルターを通すフィルター間隙１３を形成している。さらに、左保持板１１と右 保持板１２の支持棒１５の上部は図６に示すように前方に突出して突出部２０を 形成している。支持棒１５の下方の左保持板１１と右保持板１２には回転軸１６ を取り付ける軸穴が形成されている。一方、図８に示すように回転軸１６を端に 持つ回転軸板１９と押え板保持枠２４からフィルターを通すフィルター間隙１４ が設けられ、回転軸１６が上記の軸穴に通されて回転軸板１９と押え板保持枠２ ４が回動可能に左保持板１１と右保持板１２に取り付けられている。押え板保持 枠２４の外側に押え板１７が取り付けられている。図６に示すように左保持板１ １と右保持板１２の下端には凹欠部２１が形成されている。図６の（ａ）に示す ように回転軸板１９と押え板保持枠２４が回動されて押え板１７が前面にある時 は、押え板１７の上端が突出部２０の下端に当接して嵌合され押え板１７が容易 に動かないようになっている。図６の（ｂ）に示すように押え板１７を１８０度 回転させるとき、（ａ）における押え板１７の上端と反対側の下端は凹欠部２１ 内に嵌入するものとなっている。このような構成の本考案の換気扇フィルター装 置１は、図９に示すように、壁などに既設の換気扇２５の外枠である換気扇の周 壁２６に換気扇取付け枠体８の後部を取付け方向矢印２９の方向に移動して嵌合 して取り付けて、換気扇２５と換気扇フィルター装置１を一体化する。両者は適 宜ねじなどにより固定する。

【００１０】 さらに、本願の他の考案は、換気扇２５の製造において、図１０に示すように 換気扇２５の周壁２６を上記の考案の換気扇フィルター装置１の換気扇取付け枠 体８でもって形成する。そして、換気扇取付け枠体８の後側部に換気扇の羽根を 設置するための丸穴３０を設けた換気扇の前壁２７を配設する。そしてその他の 細部の構造は上記の考案と同様の構成とすることによりロールフィルター２２を 装着できるフィルター装置付き換気扇３１が形成される。

【００１１】 上記の装置の使用方法を説明すると、図２に示すように、天板上部のロールフ ィルター載置部９に載置したロールフィルター２２は前板２の前面に引き下ろす 。ロールフィルター２２を引き下ろす際にロールフィルター載置部９から外れる ことを防止するために、前板２の上端にはフィルターが通過し得る間隙３５を設 けた横棧３４を適宜設けるのもよい。一方、図６の（ｂ）のように押え板１７を 回動して換気扇フィルター装置１の下部に立垂する。押え板１７の立垂により、 図７の（ｂ）に示すフィルター間隙１３の真下には図８の（ｂ）に示すようにフ ィルター間隙１４が位置することとなる。この状態で、上記の前板２の前面に引 き下ろしたロールフィルター２２の端をフィルター間隙１３を経てフィルター間 隙１４に通して更に下に引く。使用済みフィルター片３２は未使用部分が通風口 ２を覆うまで引き下げる。次いで、押え板１７を１８０度回転して、図６の（ａ ）の状態とする。このように回転すると、容易に使用済みフィルター片３２は、 図１１の（ｂ）に示すように回転軸板１９に巻き回して押え板保持枠２４の上方 で保持棒１５と押え板１７間に挟持されて固定されることとなる。そこで、ロー ルカッターの刃３３を押え板１７の溝孔１８に挿入して支持棒１５をあて板にし 、溝孔１８をガイドにして使用済みフィルター片３２を切断する。支持棒１５の あて板があるので容易に切断される。支持棒１５の素材はロールカッターの刃３ ３を傷めない合成樹脂製とするとよい。切断後はそのままの状態で換気扇の使用 態勢となる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、ロール状フィルターを使用することにより、 ロールを巻き戻すことで取替えの手間を省いて短時間で使用済みのフィルターか ら未使用のフィルターに交換でき、しかも一本のロールフィルターで長期にわた り使用できる。また、フィルターの固定機構も簡単な機構でありながら確実に行 える。従って、あぶら分の多く煙か出て換気扇に油分が激しく付着し汚れ、頻繁 にフィルターの交換が望まれるお好み焼き屋や焼き肉料理店等に設置するとき極 めて効率よくフィルター交換ができる。本考案の換気扇フィルター装置は既設の 換気扇に後から取付けすることができ、また、本考案の換気扇フィルター装置の 機構は製造当初に換気扇に設けてフィルター付き換気扇とすることもできるなど 、本考案は従来装置にない優れた作用効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の換気扇フィルター装置の斜視図であ
る。

【図２】連続フィルター紙を装着した本考案の換気扇フ
ィルター装置の斜視図である。

【図３】本考案の換気扇フィルター装置の連続フィルタ
ーの押え板を閉じた正面図である。

【図４】本考案の換気扇フィルター装置の連続フィルタ
ーの押え板を開いた正面図である。

【図５】本考案の換気扇フィルター装置の背面図であ
る。

【図６】本考案の換気扇フィルター装置の右側面図で、
（ａ）は連続フィルターの押え板を閉じた図で、（ｂ）
は連続フィルターの押え板を開いた図である。

【図７】本考案の換気扇フィルター装置の平面図で、
（ａ）は連続フィルターの押え板を閉じた図で、（ｂ）
は連続フィルターの押え板を開いた図である。

【図８】本考案の換気扇フィルター装置の底面図で、
（ａ）は連続フィルターの押え板を閉じた図で、（ｂ）
は連続フィルターの押え板を開いた図である。

【図９】本考案の換気扇フィルター装置の既設の換気扇
への適用を説明する斜視図である。

【図１０】本考案のフィルター装置付き換気扇の斜視図
である。

【図１１】本考案の換気扇フィルター装置の使用済みフ
ィルターの切断状況の説明図で、（ａ）は換気扇フィル
ター装置及びロールカッターの斜視図で、（ｂ）は切断
部の部分的拡大端面図である。

【符号の説明】

１ 換気扇フィルター装置 ２ 前板 ３ 通風口 ４ 左側壁 ５ 右側壁 ６ 天板 ７ 底板 ８ 換気扇取付け枠体 ９ ロールフィルター載置部 １０ 前板下端部 １１ 左保持板 １２ 右保持板 １３ フィルター間隙 １４ フィルター間隙 １５ 支持棒 １６ 回転軸 １７ 押え板 １８ 溝孔 １９ 回転軸板 ２０ 突出部 ２１ 凹欠部 ２２ ロールフィルター ２３ 取付けねじ ２４ 押え板保持枠 ２５ 換気扇 ２６ 換気扇の周壁 ２７ 換気扇の前壁 ２８ 羽根 ２９ 取付け方向矢印 ３０ 円穴 ３１ フィルター装置付き換気扇 ３２ 使用済みフィルター片 ３３ ロールカッターの刃 ３４ 横棧 ３５ 間隙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部に通風口３を開口する前板２と前
   板２に接続して四周を囲撓して後方に延びる左側壁４、
   右側壁５、天板６及び底板７とから換気扇取付け枠体８
   を構成し、天板６の上側に上面を開放する半円管状のロ
   ールフィルター載置部９を設け、前板下端部１０に左側
   壁５及び右側壁６の両脇から前板前方に突出する左保持
   板１１及び右保持板１２を設け、左保持板１１と右保持
   板１２間に前板２とフィルター通過間隙１３を空けて支
   持棒１５を掛け渡し、支持棒１５の下方で左保持板１１
   及び右保持板１２にそれぞれ回転軸１６を軸支する回転
   軸板１９と回転軸板１９にフィルター通過間隙１４を空
   けて押え板保持枠２４を設け、支持棒１５の下方から１
   ８０度前方に回転して支持棒１５の前面に当接する押え
   板１７を押え板保持枠２４に設け、押え板１７に使用済
   みフィルター切断用の水平方向に開口する溝孔１８を設
   けたことを特徴とする換気扇フィルター装置１。
2. 【請求項２】 請求項１記載の換気扇フィルター装置１
   の換気扇取付け枠体８を換気扇２５の周壁２６となし、
   換気扇取付け枠体８の後部に換気扇羽根設置用の丸穴３
   ０を有する換気扇の前壁２７を設けたことを特徴とする
   フィルター装置付き換気扇３１。