JP3032990B2 - オムレツ類焼成食品の連続製造方法 - Google Patents

オムレツ類焼成食品の連続製造方法

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JP3032990B2 JP3220475A JP22047591A JP3032990B2 JP 3032990 B2 JP3032990 B2 JP 3032990B2 JP 3220475 A JP3220475 A JP 3220475A JP 22047591 A JP22047591 A JP 22047591A JP 3032990 B2 JP3032990 B2 JP 3032990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流動性を有し、加熱
焼成によってゲル化するような生材料を用いて、オムレ
ツまたはウインナー状製品などの焼成食品を連続的に製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている卵類製品を例に取っ
てみると、オムレツなどの製品を作る場合、目的に応じ
た形状の鍋に油を塗布した後、卵材料を鍋内に落とし込
んで焼成し、次いでこれを重ね合わせることが一般に行
われている。すなわち、半連続的な人手による工程によ
って製品が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような半連続的な製造方法では、手間と時間がかかり、
労働力不足に対応できない、生産性を上げることができ
ないなどの問題がある。一方、本発明者らは、出し巻き
卵に代表されるようなロール状の焼成食品を連続的に製
造する連続加熱調理成形装置あるいは連続製造法を発明
し、既に出願している(実願平2−402685号、特
願平3−104215号)。これは、加熱されつつ回転
する焼成ドラムの内周面に焦げ付き防止用の油膜を塗布
し、油膜が塗布された焼成ドラムの内周面上に生材料を
落とし込んで展延・焼成し、焼成によってゲル化した生
材料を焼成ドラムの内周面から剥離させてロール状に巻
き、このロール状の成形品を焼成ドラムの先端部から連
続的に取り出すようにされている。ロール状に成形する
に際しては、焼成ドラムの内周面に沿って迫り上がった
焼成材料の上端縁を、焼成ドラム内に設けた掻き取りス
クレーパと巻き取り用ガイドローラによって剥離反転さ
せ、この剥離反転させた部分を芯として後続する焼成部
分をロール状に巻き込み、あるいは前記スクレーパ・ガ
イドローラを用いずに、迫り上がった焼成材料の自重と
回転モーメントにより剥離反転・巻き込みを行わせるよ
うにしている。このような製造法は、ロール状の出し巻
き卵を連続的に製造するものであり、オムレツなどの焼
成食品にそのまま適用することはできない。
【0004】この発明は、前述のような半連続式の問題
点を解消すべくなされたもので、その目的はオムレツな
どの焼成食品を、連続して製造することができ、省人化
・省力化を図れると共に、製造効率の飛躍的な向上を図
れるオムレツ類焼成食品の連続製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するため、本発明者らが先に出願した焼成ドラムを
用いたロール状焼成食品の連続製造法、すなわち加熱さ
れつつ回転する焼成ドラムの内周面に焦げ付き防止用の
油膜を塗布し、油膜が塗布された焼成ドラムの内周面上
に生材料を落とし込んで展延・焼成し、焼成によってゲ
ル化した生材料を焼成ドラムの内周面から剥離させてロ
ール状に巻き、このロール状の成形品を焼成ドラムの先
端部から連続的に取り出す連続製造方法において、焼成
ドラム内に供給される生材料の供給量を一定周期で変
え、焼成ドラム内におけるロール状の成形品の太さを変
化させるようにしたものである。
【0006】
【作用】ロール状焼成食品の連続製造法にあっては、生
材料を供給し始めると、徐々に成形品の太さが太くな
り、また供給を止めると、徐々に細くなる現象が起こ
る。従って、この現象を利用し、生材料の供給量を一定
周期で変化させると、ロール状の成形品の太さに大小を
付けることができる。すると、焼成ドラム上でのロール
状の成形品は、太い部分と細い部分で転がろうとする速
度に差が生じ、その結果、細い部分に歪みが集中し、自
動的に切れる現象が起こる。従って、焼成ドラムの出口
からは、所定間隔で切れたウインナー状の加熱成形食品
が出てくる。この時点の製品は、充分熱く、卵主体の原
料であれば、可塑性が高いため、放っておくと自重でや
や潰れた状態、いうならばオムレツ状に変形する。すな
わち、オムレツ状の製品が連続的に得られることにな
る。澱粉主体のような熱可塑性の低いものであれば、潰
れることなくウインナー状(円柱状)の製品が得られる
ことになる。製品の長さは、ドラムの回転数および材料
供給の周期時間で制御することができる。すなわち、ド
ラムの回転数を増加し、材料供給の周期を短くすれば、
長さの短い製品が得られる。製品の太さは、材料の供給
量で調節できる。
【0007】
【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づい
て説明する。これは、出し巻き卵などのロール状の焼成
食品を連続製造する焼成ドラムを用いてオムレツを連続
製造する例である。図2に示すように、焼成ドラム1
は、両端が開口した円筒状の横型ドラムであり、その両
端部に配設した軸受2により回転自在にドラムフレーム
3に支承され、図示しない駆動モータと歯車伝動機構を
介して回転駆動される。駆動モータは可変式であり、焼
成ドラム1の回転速度を任意に設定可能とされている。
また、ドラムフレーム3は、例えば屈曲可能な支持脚3
a、昇降可能な支持脚3bにより支持されており、支持
脚3bを昇降させることにより焼成ドラム1の傾斜角度
を任意に設定できるようにされている。
【0008】このような焼成ドラム1の下面には電熱式
の面状発熱体、電磁誘導加熱体等からなる加熱装置4が
設けられ、内部には材料供給装置5、油塗布ローラ6が
配設されている。材料供給装置5は、攪拌混合装置、供
給ポンプからの生材料Aを供給ノズル5aから焼成ドラ
ム1の内周面に落とし込む装置であり、焼成ドラム1の
図2における時計回り方向の回転に対して右側の内周面
に寄せて配設する。油塗布ローラ6は、生材料Aの落と
し込みに先立って、焼成ドラム1の内周面に油を敷いて
焦げ付きを防止するものであり、図2の左側における上
部内側面に当接させる。この油塗布ローラ6は、モータ
により回転駆動させ、焼成ドラム1の内周面を転動させ
る。
【0009】前述のような構成の焼成ドラム1において
本発明では、図1に示すように材料供給装置5からの生
材料Aの供給量を一定周期で変え、焼成ドラム1内のロ
ール状成形品A1の太さを所定間隔で変化させる。この
供給量の制御は、攪拌混合装置7と材料供給装置5との
間に配設された供給ポンプ8をON・OFF制御し、あ
るいは供給量を調節し得る制御弁を設けるなどして行
う。以上のような構成において、焼成ドラム1の傾斜角
度を10°(傾斜は取り出し側に向かって下り勾配)、
焼成ドラム1の回転数を20rpmとし、1秒周期で材
料供給装置5からの生材料Aの供給量を変化させたとこ
ろ次のような工程によりオムレツを連続的に得ることが
できた。
【0010】(1)先ず、焼成ドラム1を回転させつつ
加熱装置4で例えば170°C以上に加熱した後、油塗
布ローラ6により焦げ付き防止用の油が塗布された焼成
ドラム1の内周面に、鶏卵に少量の調味料を添加し攪拌
して得られた生材料Aを材料供給装置5から落とし込
む。供給した生材料Aは、その流動性と焼成ドラム1の
回転により薄く延ばされ、焼成される。 (2)ゲル化された生材料Aは、焼成ドラム1の回転に
より焼成ドラム1の内周面に沿って時計回り方向に迫り
上げられ(図2参照)、ある高さ位置、具体的にはゲル
化された生材料Aの上端縁部が自重により剥離作用を受
ける位置に達すると、剥離された生材料Aの上端縁部は
続いて迫り上がってくるゲル化された生材料Aにより反
転し、その表面に重合される。重合された部分はその自
重と芯を中心とする回転モーメントにより、迫り上がっ
てくる生材料を自動的に巻き込み、ロール状に成形され
る。 (3)このロール状の成形品A1は、生材料A供給量が
一定周期で変化しているため、約5cm間隔のくびれを
有する連続した卵焼きロールとなった。この卵焼きロー
ルは、焼成ドラム1の回転により転動するため、太い部
分と細い部分で転がり速度に差を生じ、くびれの部分で
切れ、ウインナー状(円柱状)の卵焼きとして焼成ドラ
ムから出てくる。 (4)この卵焼きを放置しておくと、充分熱く可塑性が
高いため、自重でややつぶれた状態となり、オムレツ状
の製品A2となった。
【0011】なお、以上はオムレツの連続製造について
説明したが、これに限ることなく、澱粉主体の熱可塑性
の低いものを材料とすれば、ウインナー状の製品も連続
製造できることはいうまでもない。また、焼成ドラム1
は、焼成された生材料の上端縁部を自動的に重合させる
タイプについて説明したが、これに限らず焼成ドラム内
に設けた掻き取りスクレーパと巻き取り用ガイドローラ
を用い、強制的に剥離反転させるタイプを用いてもよ
い。さらに、焼成ドラム1のドラム形状も円筒状に限る
ことなく、釣鐘状、その他の形状を使用できる。
【0012】
【発明の効果】前述の通り、この発明は、生材料を焼成
ドラムで加熱、焼成してロール状の成形品を連続的に製
造する連続製造方法において、焼成ドラム内に供給され
る生材料の供給量を一定周期で変え、ロール状の成形品
の太さを変化させるようにしたため、オムレツ、ウイン
ナー状製品などの焼成食品を、連続して製造することが
でき、省人化・省力化を図れると共に、製造効率の飛躍
的な向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の連続製造方法の一実施例を示す概略
断面図である。
【図2】(イ)はこの発明を実施するための装置の一例
を示す斜視図、(ロ)はその横断面図である。
【符号の説明】
A 生材料 A1 ロール状の成形品 A2 オムレツ状の製品 1 焼成ドラム 2 軸受 3 ドラムフレーム 4 加熱装置 5 材料供給装置 6 油塗布ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−57217(JP,A) 特開 平4−332509(JP,A) 実開 平5−56030(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 37/00 - 37/07 A21B 5/00 A23L 1/32 - 1/322 A23G 3/00 - 3/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱されつつ回転する焼成ドラムの内周
    面に焦げ付き防止用の油膜を塗布し、油膜が塗布された
    焼成ドラムの内周面上に生材料を落とし込んで展延・焼
    成し、焼成によってゲル化した生材料を焼成ドラムの内
    周面から剥離させてロール状に巻き、このロール状の成
    形品を焼成ドラムの先端部から連続的に取り出す連続製
    造方法において、 焼成ドラム内に供給される生材料の供給量を一定周期で
    変え、焼成ドラム内におけるロール状の成形品の太さを
    変化させることを特徴とするオムレツ類焼成食品の連続
    製造方法。
JP3220475A 1990-12-28 1991-08-30 オムレツ類焼成食品の連続製造方法 Expired - Fee Related JP3032990B2 (ja)

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