JP3032988U - チョコレート菓子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼き菓子とチョコレートの組み合わせによる
複合菓子において、チョコレートが剥離せず、手を汚さ
ずに重ねて遊ぶことができ、亀や自動車、てんとう虫な
どの形状を楽しみ、中空部に充填した他の可食物によっ
てカラカラと鳴る音を楽しむことである。 【解決手段】 半球状のシェル型チョコレートの中空部
に他の可食物を装填し、中央部に孔を設けた平板状の焼
き菓子と、シェル型チョコレートのリム部が焼き菓子を
包み込むように接着したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、半球状の窪みを持つシェル型チョコレートの中空部に他の可食物を 装填した後、中央部に孔を設けた平板状の焼き菓子にシェル型チョコレートのリ ム部が焼き菓子を包み込むように接着することにより、該チョコレート菓子を喫 食前に重ねること、振って音を楽しむこと、装填した中身の可食物を楽しむこと を付加したチョコレート菓子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、表面にチョコレートを塗布したビスケット菓子（実公昭４４−２９ ４０６）や、菓子に液状油脂を配合した油脂性菓子を接着した油脂性複合菓子（ 特開平５−６８４８０）、さらに中空の卵形チョコレートの中に種々可食物を挿 入した菓子等が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

焼き菓子とチョコレートの組み合わせによる複合菓子は、チョコスナックとし て幅広い商品群を形成しており、チョコレート菓子の中でのシェアは最も高い。 しかしながら、焼き菓子とチョコレートとの接着は、チョコレートの固化時の収 縮により接着後の強度が得にくく、チョコレートの物性を変更することなく成型 することは困難であった。 本考案は、上記の欠点を改善するためになされたものであるとともに、喫食前 にも手を汚すことなく複数の遊びを楽しむことができるチョコレート菓子を提供 するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用】

本考案者らは、上記の問題点を解決するために鋭意研究の結果、焼き菓子（２ ）の形状を工夫すること、シェル型チョコレート（４）が焼き菓子（２）を全面 的または部分的に挟み込むようにして接着することにより、チョコレートの物性 を変更することなく、また後述の複数の遊びを楽しむ際に支障のない程度の接着 強度を持つチョコレート菓子（１）を得ることができた。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、図面を用いて本考案を説明する。 第１図は、本考案に係るチョコレート菓子の１態様を示す斜視図である。本図 に示すものは、亀の頭、手足、尻尾を象り、中央に孔を設けた平板状焼き菓子の 上に、糖衣掛けチョコレート粒を内部に装填した亀の甲羅様のシェル型チョコレ ートを接着したものである。第２図は、本考案に用いる焼き菓子の１態様を示す 平面図である。次に第３図は、本考案に用いるシェル型チョコレートの１態様を 示す斜視図である。さらに第４図は、本考案の方法によって接着したチョコレー ト菓子の断面図である。最後に、第５図は、従来の方法によって接着したチョコ レート菓子の断面図である。 しかしながら、本考案で提供されるチョコレート菓子の形状は、第１図に示し た亀型に限定されるものではなく、チョコレートや焼き菓子の部分の形状を様々 に変化させることができ、亀型以外の例えば、てんとう虫、自動車等の形状のチ ョコレート菓子への応用も容易に行うことができる。

【０００６】 第１図および第４図に示すように、請求項１〜３記載の本考案で提供されるチ ョコレート菓子は、シェル型チョコレートの中空部に他の可食物を装填した後、 中央部に孔を設けた平板状の焼き菓子にシェル型チョコレートのリム部が焼き菓 子を包み込むように接着したものである。

【０００７】 本考案におけるチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規 約」におけるチョコレート・準チョコレートを指し、配合上特に制約はない。チ ョコレートの形状は半球状の窪みを持ち、後に合わせる焼き菓子に対して適宜な 大きさのものであれば特に制限はないが、例えば半球状のシェル型とし、必要に 応じて表面に亀の甲羅等の模様をつけたものがあげられる。

【０００８】 本考案に用いられる焼き菓子（２）には、ビスケット、クラッカー、クッキー 等を用いることができ、そのテクスチャーの違いにより、様々な食感を楽しむこ とができる。 また、焼き菓子（２）の中央部に適当な大きさの孔（３）を設けることにより 、シェル型チョコレート（１）中空部に装填された他の可食物（５）の存在を確 認することができ、また本考案のチョコレート菓子（１）を上下に積み重ねて遊 ぶ際に安定感を持たせる役割をも合わせ持つ。

【０００９】 本考案におけるシェル型チョコレート（４）中空部に装填される可食物（５） には、チョコレート、キャンデー、グミ、ビスケット等を用いることができ、シ ェル型チョコレート（４）の内容積に応じて大きさを選定する。

【００１０】 本考案で提供されるチョコレート菓子は、喫食前に手が汚れることなく重ねる こと、振って音を楽しむこと、装填した中身の可食物を楽しむことができる。

【００１１】

【実施例】

以下にこのチョコレート菓子の製造の概略の実施例を説明するが、本考案は、 これに限定されるものではない。

【００１２】 実施例１ 小麦粉、砂糖、植物性油脂、粉乳、香料からなる通常のビスケット生地を、２ ００℃で１０分間焼成して、亀の頭、手足、尻尾を象った、第２図に示す形状の 焼き菓子を得た。また、通常の菓子に用いられるチョコレート生地を使用して、 シェル成型プラントにてリッキングロールを使用せず、第３図に示す甲羅様シェ ル型チョコレートを得た。甲羅様シェル型チョコレートの中空部に、糖衣掛けし たチョコレート粒を装填した後、リム部を再加熱して溶かし、第２図に示したビ スケットを静かに接着し、冷却、固化して亀型のチョコレート菓子を得た。

【００１３】 この際、第４図に示したようにチョコレートのリム部がビスケットを包み込む ことにより、高い接着強度が得られる。チョコレートの結晶が安定した後、チョ コレート部とビスケット部との接着強度を以下の方法で測定した。すなわち、本 亀型菓子を甲羅部を下側にして台に固定し、ビスケットの中央孔から、孔の径よ りも小さい底面積の円柱状アダプターで甲羅部を内側から押して、ビスケットと 甲羅部のチョコレートが剥離する限界応力を測定した。その結果を第１表に示す 。第５図に示した従来法によりチョコレート部とビスケット部を単純に接着した ものは、本考案の方法で接着したものに比較して、劣った強度であり、消費者の 手に渡る時点で、チョコレート部とビスケット部との剥離が起こる可能性が高い 。

【００１４】 第１表 接着方法と接着強度（ｎ＝２０）

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、亀型等のシェル型チョコレートをビスケット等の焼き菓子と 組み合わせ、両者が剥離することなく、以下の遊びに供する事が可能となる。す なわち、喫食前に７〜８段程度積み重ねて楽しむこと、振ることによりカラカラ と鳴る音を楽しむことなどを、チョコレート菓子にありがちであった喫食時に手 が汚れることなく楽しむことができる。 また、チョコレート、焼き菓子の形状を変えることにより、てんとう虫、自動 車など、子供が好きな他の形状も可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１図は、本考案の１態様のチョコレート菓子
を示す斜視図である。

【図２】第２図は、本考案に用いる焼き菓子の１態様を
示す平面図である。

【図３】第３図は、本考案に用いるシェル型チョコレー
トの１態様を示す斜視図である。

【図４】第４図は、本考案の方法によって接着したチョ
コレート菓子の断面図である。

【図５】第５図は、従来の方法によって接着したチョコ
レート菓子の断面図である。

【符号の説明】

１ チョコレート菓子 ２ 焼き菓子 ３ 孔 ４ シェル型チョコレート ５ 可食物 ６ リム部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シェル型チョコレート（４）の中空部に
   他の可食物（５）を装填し、その後に中央部に孔（３）
   を設けた平板状の焼き菓子（２）と、リム部（６）が焼
   き菓子（２）を包み込むように接着することを特徴とす
   るチョコレート菓子。
2. 【請求項２】 半球状のシェル型チョコレート（４）
   に、亀の甲羅等の模様を施すことを特徴とする、請求項
   １に記載のチョコレート菓子。
3. 【請求項３】 中央部に孔（３）を設けた平板状の焼き
   菓子（２）に亀の頭、手足、尻尾等を象ったことを特徴
   とする、請求項１または請求項２に記載のチョコレート
   菓子。