JP3032510U - 除塵装置 - Google Patents

除塵装置

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JP3032510U
JP3032510U JP1996005434U JP543496U JP3032510U JP 3032510 U JP3032510 U JP 3032510U JP 1996005434 U JP1996005434 U JP 1996005434U JP 543496 U JP543496 U JP 543496U JP 3032510 U JP3032510 U JP 3032510U
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哲郎 成実
明 西野
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株式会社丸島アクアシステム
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対用水路平行タイプのものを対象とし、比較
的大きな塵埃を、環状スクリーンの能力を低下させるこ
となく確実に除去することができるようにする。 【解決手段】 用水路の幅方向中央部の水面上に用水路
の延びる方向に略平行な支持軸が設けられ、この支持軸
回りに回転自在にスプロケットが軸支され、用水路の底
部に上記スプロケットに対向した被張設部材が設けら
れ、この被張設部材と上記スプロケットとの間に、複数
のネットフレーム3が環状に連結されてなる環状スクリ
ーン2が掛け回され、上記支持軸の回転によるスプロケ
ットを介した環状スクリーン2の周回によって用水中の
塵埃を捕捉するようにした除塵装置1において、上記ネ
ットフレーム3は、張設された網体34の上流側に所定
ピッチで複数の桟材37aを配して形成されたバースク
リーン37を備えている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ダム貯水池、溜池、あるいは河川や海から用水を引き入れるための 用水路に設けられ、用水路に流入した用水中に存在する塵埃を取り除く除塵装置 に関するものであり、特に用水路の幅方向の中央部に用水路と平行になるように 塵埃除去面が設けられる、いわゆる対用水路平行タイプの除塵装置に関するもの である。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所や製鉄所等の水を大量に使用する工場においては、用水路を通して 河川や海から用水が引き入れられ、例えば、熱交換用の冷却水として使用される 。このような冷却水は、熱交換器の細いパイプ中に通されるが、冷却水中に塵埃 が存在するとパイプ詰りの原因になるため、予め除塵することが一般に行われて いる。また、上記用水が冷却水以外の用途、すなわち、農業用水、上水、下水、 火力発電用のボイラー水等に用いられる場合にあっても、用水中に塵埃が存在す ると不都合が多いため、使用前に用水から塵埃を取り除くようにするのが普通で ある。
【0003】 従来、このような目的で使用される除塵装置としては、用水路を横断するよう に塵埃除去面が設けられた用水路横断タイプのものと、用水路の幅方向の中央部 に用水路と平行になるように塵埃除去面が設けられた対用水路平行タイプのもの とが知られている。
【0004】 このような除塵装置は、いずれのタイプのものも、複数のネットフレームを環 状に連結して形成された環状スクリーンを備えてなり、用水路の底部と水面上と の間で環状スクリーンを周回させることにより環状スクリーンを通過する用水中 の塵埃を捕捉するようになっている。そして、捕捉された塵埃は、環状スクリー ンが上部で反転したとき系外に排出されるようになっている。
【0005】 ところで、用水路横断タイプの除塵装置においては、上流側で上昇中のネット フレームに捕捉された塵埃が、ネットフレームの上方での反転時に確実に系外に 排出されるとは限らず、ネットフレーム内に残留する場合がある。そうなると、 ネットフレームの下降時に塵埃が用水路の下流側に持ち込まれた状態になり、こ れによって除塵効率が低下するという不都合がある。
【0006】 これに対して対用水路平行タイプの除塵装置は、環状スクリーンの一方の除塵 面は常に用水路の上側に向かって上昇するとともに、他方の除塵面は常に用水路 の下側に向かっているため、環状スクリーンの周回によって一端捕捉された塵埃 が、万一圧力水噴射ノズルによって排塵溝内に排塵されなくても、下流側に持ち 込まれるという不都合は生ぜず、従って、上記用水路横断タイプの除塵装置のよ うな問題点は発生せず、除塵効率が優れている。従って、より良好な除塵効率が 望まれる場合、対用水路平行タイプの除塵装置が好んで使用される。
【0007】 このような対用水路平行タイプの除塵装置は、例えば、実公昭39−1852 5号公報、実公昭40−33647号公報等によって開示されている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記のような対用水路平行タイプの除塵装置は、その除塵効率が用 水路横断タイプのものよりも優れている点が注目され、用水中に含まれる微細な 塵埃を除去することに主眼がおかれて利用されてきたことから、上記ネットフレ ームに微小な網目のネットが張設されたものしか存在しなかった。
【0009】 しかしながら、網目寸法が小さいと微細な塵埃の除去には適しているが、大き な異物がネットに衝突すると、ネットが破損することがある等の問題点を有して いる。
【0010】 そこで、このような不都合を解消するために、通常、対用水平行タイプ除塵装 置の上流側に別途バースクリーンが設けられていた。また、細目のネットを粗目 のネットでサンドイッチ状に挟持し、粗目のネットで大きな異物を捕捉すること によって細目のネットの破損を防止することが考えられるが(例えば実開平4− 126930号公報)、このようにするとスクリーン枠体へのネットの張設作業 が煩雑になり、環状スクリーンの製造コストが嵩むという問題点を有している。
【0011】 本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、対用水 路平行タイプのものを対象とし、まず、比較的大きな塵埃を、環状スクリーンの 能力を低下させることなく確実に除去することができる除塵装置を提供すること を目的としている。また、大きな塵埃および微細な塵埃の双方を、ネットの目詰 まりを抑制した状態で除去し得る除塵装置を提供することを目的としている。さ らに、スクリーン枠へのネットの取り付け操作が容易な除塵装置を提供すること を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案の請求項1記載の除塵装置は、用水路の幅方向中央部の水面上に用水路 の延びる方向に略平行な支持軸が設けられ、この支持軸回りに回転自在にスプロ ケットが軸支され、用水路の底部に上記スプロケットに対向した被張設部材が設 けられ、この被張設部材と上記スプロケットとの間に、複数の網体が連結されて 環状に形成された環状スクリーンが掛け回され、用水が環状スクリーンの上下方 向に張られた部分の双方を内側または外側から通過するように流路設定された状 態で、上記環状スクリーンの周回によって用水中の塵埃を捕捉するようにした除 塵装置において、上記網体の上流側には、網体を支持するネットフレームと、複 数の塵埃捕捉バーとが設けられ、上記ネットフレームは、環状スクリーンの周回 路を横断するように水平方向に延び、かつ、環状スクリーンが上下方向に張られ た状態における網体の上下の縁部を支持する一対の水平フレームと、これら一対 の水平フレームの両側部間に差し渡された一対の側部フレームとからなり、上記 複数の塵埃捕捉バーは、上記一対の水平フレーム間に、上記側部フレームの網体 からの突出量と略同一の突出量で上記側部フレームに平行に架橋されていること を特徴とするものである。
【0013】 この除塵装置によれば、スプロケットを支持軸回りに回転させて環状スクリー ンをスプロケットと被張設部材との間で周回させることによって、用水路を流れ る用水は、下降しつつある環状スクリーンおよび上昇しつつある環状スクリーン の双方を通過して流下するため、用水中の塵埃は、昇降している環状スクリーン の双方によって捕捉されるようになる。そして、環状スクリーンを構成している ネットフレームには、複数の塵埃捕捉バーが並設されて形成されたいわゆるバー スクリーンが設けられているため、大きな塵埃がこのバースクリーンに捕捉され る。
【0014】 従って、地域的な特性により、微細な塵埃は少ないが比較的大きな塵埃が多く 含まれているような用水にこの除塵装置を適用することにより、用水の圧力損失 の増大を抑えた上で比較的大きな塵埃が効果的に除去される。
【0015】 また、枠体にはバースクリーンの下流側に網体が張設されているため、微細な 塵埃は網体によって捕捉される。
【0016】 本考案の請求項2記載の除塵装置は、請求項1記載の除塵装置において、上記 一対の水平フレームの内の、ネットフレームの上昇中に下方に位置する方の水平 フレームは、上記塵埃捕捉バーより上流側に向かって突出していることを特徴と するものである。
【0017】 この除塵装置によれば、用水中の大きな異物は水平フレームの上流側に突出し ている部分によってすくわれることにより除去される。
【0018】 本考案の請求項3記載の除塵装置は、請求項1記載の除塵装置において、上記 網体は、上記ネットフレームに張設された太い線材による粗目網と、この粗目網 の目の中に張設された細い線材による細目網とが、合成樹脂によって一体に形成 されていることを特徴とするものである。
【0019】 本考案の請求項4記載の除塵装置は、請求項2記載の除塵装置において、上記 網体は、上記ネットフレームに張設された太い線材による粗目網と、この粗目網 の目の中に張設された細い線材による細目網とが、合成樹脂によって一体に形成 されていることを特徴とするものである。
【0020】 請求項3および4記載の除塵装置によれば、太い線材を用いた粗目網によって 網体が構造的に丈夫になる。
【0021】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案に係る除塵装置が適用された用水路の水平断面視の説明図であ る。この図に示すように、用水路Cの適所には除塵装置1が設けられ、この除塵 装置1の上流側(図1の紙面の下方)に左右の土手C1から中央部に向けて突設 された一対の上流堰C2が設けられているとともに、同下流側の中央部に下流堰 C3が設けられている。上流堰C2は、用水Wの流れに死角が生じないように、 土手C1から用水路Cの中央部に向かって先細りに形成され、各先細りの先端部 間に用水Wを採り入れる取水口C21が形成されている。
【0022】 上記除塵装置1は、上下方向(図1の紙面の垂直方向)で環状に張設された環 状スクリーン2のを備えて形成され、本実施形態においては、図1の左方に上昇 側スクリーン2aが、同右方に下降側スクリーン2bが配され、上昇側スクリー ン2aが水面上部で反転して下降側スクリーン2bになり(図2)、この下降側 スクリーン2bが用水路Cの底部で反転して上昇側スクリーン2aに戻るように 周回している。
【0023】 そして、上昇側スクリーン2aは、左方の上流堰C2の先端部と、下流堰C3 の左端部との間に配置されているとともに、下降側スクリーン2bは、右方の上 流堰C2の先端部と下流堰C3の右端部との間に配置され、これによって除塵装 置1の直ぐ上流側に到達した用水Wは、取水口C21を通過した後左右に分かれ 、一方は上昇側スクリーン2aを通って下流側に流下するとともに、他方は下降 側スクリーン2bを通って下流側に流下し、下流堰C3の下流側で合流するよう になっている。
【0024】 下流堰C3は下流側に向かって先細りに形成され、これによって除塵装置1を 通過した左右の用水Wは、流路に死角が生じない状態で合流し得るようにしてあ る。用水Wは、上記除塵装置1の環状スクリーン2を通過することによって除塵 され、清浄化して除塵装置1の下流側に向かうことになる。
【0025】 図2は、本考案に係る除塵装置の全体構成を示す上流側から見た断面視の説明 図である。この図に示すように、除塵装置1は、用水路Cの中央部に配設された 環状スクリーン2と、この環状スクリーン2を用水路Cの上下で張設する張設手 段4と、この張設手段4を介して上記環状スクリーン2を周回させる駆動機構5 と、上記環状スクリーン2によって捕捉された塵埃を系外に排出する塵埃排出機 構6とを備えた基本構成を有している。
【0026】 上記環状スクリーン2は、用水路Cの延びる方向に平行に延びるネットフレー ム3が上下に連設されて形成されている。各ネットフレーム3は、その両側部が 環状に連結されたリンクチエン7に固定され、これによって一のネットフレーム 3と他のネットフレーム3との間で曲折可能になっている。このようなネットフ レーム3は、正面視で矩形状を呈したフレーム(枠体)30と、このフレーム3 0の奥部に張設された網体(用水濾過面)34と、この網体34の上流側に設け られた複数本の桟材(塵埃捕捉バー)37aからなるバースクリーン37とを有 し、上昇側スクリーン2aおよび下降側スクリーン2b間に流入した用水Wは、 各スクリーン2a,2bを通過する間に、大きな異物がバースクリーン37によ って捕捉されるとともに、微細な塵埃は網体34に捕捉され、環状スクリーン2 の両サイドから用水路Cの下流側に向かうようになっている。
【0027】 上記張設手段4は、用水路Cの中央上部で用水路Cの延びる方向(図2の紙面 に対する垂直方向)に平行に配設された支持軸41と、この支持軸41の両側部 に設けられた用水路Cの長手方向一対のスプロケット42と、用水路Cの底部に 各スプロケット42に対向して設けられた一対のガイド部材(被張設部材)43 とを備えて形成されている。スプロケット42とガイド部材43との間に環状ス クリーン2の両側部に取り付けられたリンクチエン7が掛け回されることにより 、環状スクリーン2が用水路Cの中央部で上下に張設された状態になっている。
【0028】 上記駆動機構5は、駆動モータ51と、この駆動モータ51の駆動軸に一体に 軸支された駆動プーリ52と、上記支持軸41の一端側に一体に軸支された従動 プーリ53と、この従動プーリ53と上記駆動プーリ52間に張設された伝動ベ ルト54とを備えて形成されている。上記駆動モータ51は、スプロケット42 を囲繞するように設けられたハウジングC4から突設された架台C5上に配設さ れている。
【0029】 そして、駆動モータ51の駆動で駆動軸を軸心回りに時計方向に回転させるこ とにより、この回転は駆動プーリ52、伝動ベルト54および従動プーリ53を 介して支持軸41に伝えられ、支持軸41の回転によるスプロケット42の時計 方向の回転によって環状スクリーン2が時計方向に周回し、これによって用水W 中の塵埃を捕捉した上昇側スクリーン2aは上昇してスプロケット42で反転し て下降側スクリーン2bになるとともに、下降側スクリーン2bは下降しつつ用 水W中の塵埃を捕捉するようになっている。
【0030】 なお、プーリ52,53に代えてスプロケットを採用するとともに、スプロケ ット間にチエンを張設して駆動モータ51の駆動力を支持軸41に伝達するよう にしてもよいし、駆動モータ51の駆動軸と支持軸41との間に一または複数の ギヤを介在させて駆動モータ51の駆動力をギヤを介して支持軸41に伝達する ようにしてもよい。
【0031】 上記塵埃排出機構6は、圧水噴射配管61と排塵溝62とを備えて形成されて いる。上記圧水噴射配管61は、ハウジングC4内の天井部に用水路Cの延びる 方向に向けて配設されている。この圧水噴射配管61には、反転しつつある環状 スクリーン2に向けて圧水を噴射する複数の噴射ノズル61aが並設されている 。また、上記排塵溝62は、ハウジングC4内におけるスプロケット42よりも 下部であって、噴射ノズル61aから噴射された圧水を受け得る位置に配設され ており、受けた圧水は系外に排出されるようにしてある。
【0032】 従って、スプロケット42で反転しっつつある状態のネットフレーム3に向け て圧水噴射配管61からの圧水が噴射されることによって網体34に捕捉されて いる塵埃が取り除かれ、網体34から剥離した塵埃が噴射水流に同伴して排塵溝 62に導入され、系外に排出されることになる。なお、バースクリーン37に捕 捉された大きな異物は、環状スクリーン2が反転した時点で自然落下で排塵溝6 2に導入される。
【0033】 図3は、ネットフレーム3の一実施形態を示す部分斜視図であり、図4はその 側面図、図5はその正面図である。これらの図においてはスプロケット42とガ イド部材43との間を昇降して周回するネットフレーム3の内、上昇側スクリー ン2aのものを示している。これらの図に示すように、ネットフレーム3は、用 水路Cの幅方向に延びる矩形状のフレーム30と、このフレーム30の奥部側に 張設された網体34と、この網体34の上流側に設けられたバースクリーン37 とを備えて形成されている。
【0034】 上記フレーム30は、幅方向に延びる第1水平フレーム31と、この第1水平 フレーム31に平行に設けられた第2水平フレーム32と、これら各水平フレー ム31,32の端部間に架橋された一対の側部フレーム33とから構成され、こ れらの端部同士が接合された矩形状に形成されている。各フレーム31,32, 33は全て板状体によって形成されている。側部フレーム33は、図3では右方 のものを示している。
【0035】 上記第1水平フレーム31は、ネットフレーム3が上昇しつつある状態で上方 に位置するものであるとともに、第2水平フレーム32は同下方に位置するもの である。そして、特に第1水平フレーム31は、その先端縁部に外方に向かって 斜め上方に突出した吐出した棚部材32aを有しており、この棚部材32aによ って大きな異物がすくい取られるようになっている。
【0036】 側部フレーム33の外方には板状の連結板35がリンクチエン7を貫通した接 続ボルト71によって固定されている。この連結板35は、図3および図4に示 すように、上端部にリンクチエン7の上方のローラ72の軸心を中心とした円周 に沿う凹没円弧部35aを有しているとともに、下端部にリンクチエン7の下方 のローラ72の軸心を中心とした凸出円弧部35bを備えている。こうすること によって隣接するネットフレーム3同士は、連設部分の隙間寸法を小さくした上 で、無理なく角度変更し得るようになっている。
【0037】 そして、ネットフレーム3は鉛直方向に延びる連結板35に対して第2水平フ レーム32が上流側(図3および図4の右方)に突出するように斜めに固定され 、これによって第2水平フレーム32が先端側に向かって斜め上方に傾斜した状 態になり、第2水平フレーム32に捕捉された塵埃がこぼれ落ち難くなっている 。
【0038】 また、一のネットフレーム3と他のネットフレーム3とは、第1水平フレーム 31の前端縁部(図3および図4の右方の縁部)と第2水平フレーム32の後端 縁部(同左方の縁部)とが僅かな隙間で互いに対向するように連設され、これに よって隣接するネットフレーム3間の隙間からの用水Wの漏出を最小限に抑える ようにしている。なお、この隙間部分を塞ぐようにゴム等の可撓性材料からなる シート体をネットフレーム3,3間に架橋すれば、上記隙間からの用水Wの漏出 は確実に阻止される。
【0039】 一方、各フレーム31,32,33は、それらの奥部(図30および図4の左 方)に端縁部が内側に向かって折り曲げられて形成した網体支持部36を有して おり、この網体支持部36に網体34が張設されている。
【0040】 このようなネットフレーム3は、リンクチエン7、連結板35、および側部フ レーム33を貫通した上下一対の接続ボルト71の締結によってリンクチエン7 に固定されている。そして、ネットフレーム3は、連結板35の凹没円弧部35 aおよび凸出円弧部35bの中心とリンクチエン7のローラ72の軸心とが同心 になるように相対位置が決められてリンクチエン7に固定され、これによって連 設されたリンクチエン7間の曲折状態と、連設された連結板35間の曲折状態と が一致するようにしている。
【0041】 また、第1水平フレーム31と第2水平フレーム32との間には、ネットフレ ーム3の長手方向に等ピッチで複数の桟材37a(図6)が架橋され、これら複 数の桟材37aによってバースクリーン37が形成されている。このバースクリ ーン37によって大きな塵埃が網体34に到るのが阻止され、かつ、捕捉される ようにしている。
【0042】 図6は、網体34の一実施形態を示す部分斜視図である。この図に示すように 、網体34は、網目寸法が細かい細目ネット(細目網)34aと、この細目ネッ ト34aよりも網目寸法が粗く、かつ、細目ネット34aよりも太い線材で形成 された粗目ネット(粗目網)34bとからなり、これら細目ネット34aと粗目 ネット34bとは合成樹脂によって一体に射出成形されて網体34が形成されて いる。本実施形態においては、細目ネット34aの網目寸法は1〜3mm平方に 設定されているとともに、粗目ネット34bの網目寸法は10〜50mm平方に 設定されている。
【0043】 このように網体34を細目ネット34aと粗目ネット34bとで形成すること により、網体34を全体的に丈夫なものにすることができるとともに、粗目ネッ ト34bに捕捉された大きな塵埃と細目ネット34aとの間に隙間が形成される ため、細目ネット34aの閉塞が防止され、用水Wの圧力損失の増大を防ぐこと が可能になる。
【0044】 以上詳述した本考案の除塵装置1の上記構成によれば、駆動機構5(図2)を 駆動することによって駆動モータ51の駆動軸の時計方向の回転は駆動プーリ5 2、伝動ベルト54、従動プーリ53および支持軸41を介してスプロケット4 2に伝達され、スプロケット42は支持軸41回りに時計方向に回転する。そし て、このスプロケット42の時計方向の回転によってスプロケット42に噛合し ているリンクチエン7がスプロケット42およびガイド部材43間で時計方向に 周回する。
【0045】 一方、用水路C(図1)を流下する用水Wは、左右の上流堰C2に誘導されて 取水口C21から環状スクリーン2の上昇側スクリーン2aおよび下降側スクリ ーン2b間に導入される。この部分に導入された用水Wは、環状スクリーン2の 下流側に設けられた下流堰C3に阻まれ、上昇側スクリーン2aおよび下降側ス クリーン2bを通過して除塵装置1よりも下流側の用水路Cに流下する。
【0046】 そして、用水Wが上昇側スクリーン2aおよび下降側スクリーン2bを通過す るに際し、用水W中の微細な塵埃はネットフレーム3の網体34の細目ネット3 4aに捕捉されるとともに、大きい塵埃は粗目ネット34bに捕捉され、これに よって大きな塵埃による細目ネット34aの閉塞が有効に防止された状態になり 、用水Wの圧力損失を上昇させない状態で塵埃の捕捉が確実に行われる。
【0047】 また、非常に大きな異物は、上昇側スクリーン2aのネットフレーム3の棚部 材32a(図3〜図5)にすくい取られた状態になる。ネットフレーム3の網体 34および棚部材32aに捕捉された塵埃および異物は、環状スクリーン2の周 回によってスプロケット42に到達し、スプロケット42の回転によって反転さ れ、網体34および棚部材32aに捕捉された塵埃や異物が下方に落下する。
【0048】 そして、ネットフレーム3がスプロケット42の頂部に到達した状態で、圧水 噴射配管61から噴射ノズル61aを介して吐出された圧水が網体34の背面側 に当たり、網目を通過するため、網体34にこびり付いている塵埃も取り除かれ て下方に落下する。落下した塵埃や異物は、排塵溝62に受けられ、排塵溝62 を通して系外に排出される。
【0049】 本考案の除塵装置1は、以上のように網体34が用水路Cの延びる方向に平行 に配設された対用水路平行タイプのものであって、従来の対用水路平行タイプの ものは、ネットフレーム3に網体34は張設されているのみであったのに対し、 網体34に加えてその前方にバースクリーン37を設けたものであるため、この バースクリーン37によって大きな異物が捕捉され、これによって大きな異物が 網体34に衝突して網体34を破損させたり、網体34に目詰まりを生じさせる ような不都合は起こらず、用水Wの塵埃除去を確実に、かつ、順調に行う上で有 効である。
【0050】 しかも、網体34は、合成樹脂製の細目ネット34aと粗目ネット34bとか らなっているため、比較的大きな塵埃は粗目ネット34bで捕捉され、これによ って細目ネット34aの目詰まりが有効に抑制され、用水Wの圧力損失の増大を 抑制することが可能になり、用水Wの確保を確実に行う上で好都合である。
【0051】 また、細目ネット34aと粗目ネット34bとが合成樹脂を原料として一体に 射出成形されることによって網体34が形成されているため、網体34の製造が 容易であるとともに、従来のように別体の細目ネットを2枚の粗目ネットによっ て挟持した状態でネットフレーム3に取り付ける場合に比較して網体34の取り 付けが簡単になり、ネットフレーム3の製造コストの低減を図る上で有効である 。
【0052】 以上要すれば、本考案は、対用水路平行タイプの除塵装置において、従来、用 水Wが環状スクリーン2に到達するまでに、大型の塵芥を予め取り除くために除 塵装置の上流側に第1次除塵処理用としてのバースクリーンを別途設け、さらに 、このバースクリーンと環状スクリーン2との間に比較的大きな塵埃を取り除く ために第2次除塵処理用としての粗目ネットスクリーンを別途設け、最後の第3 次除塵処理用として環状スクリーン2の細目ネットスクリーンが用いられていた のを、除塵装置1に一体化したものであり、これによって、第1〜第3次の除塵 処理のための装置設置スペースが少なくて済み、さらに設備が全体的にコンパク トになるため、設備コストの削減にも寄与するものである。
【0053】 本考案は、以上の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含す るものである。
【0054】 (1)上記の実施形態においては、除塵装置1の上流側の用水Wは上昇側スクリ ーン2aと下降側スクリーン2bとの間に導入されるようにしているが、こうす る代りに上昇側スクリーン2aおよび下降側スクリーン2bの外面側から用水W を供給し、各スクリーン2a,2bを通過した用水Wを、上昇側スクリーン2a および下降側スクリーン2b間で合流させた後、下流側に流下させるようにして もよい。
【0055】 (2)上記の実施形態においては、ネットフレーム3には網体34およびバース クリーン37が設けられているが、網体34を設けずにバースクリーン37のみ を設けるようにしてもよい。こうすることによって、例えば地域的な特性から、 用水W中に海草や藻が多いがその他の塵埃は非常に少なく、従って海草や藻の除 去のみを目的とした用途に除塵装置1を適用するときには、網体34を設けずに バースクリーン37のみを設けたネットフレーム3で対応することができる。
【0056】 (3)上記の実施形態においては、環状スクリーン2を張設するために、用水路 Cの上部にスプロケット42が、また、用水路Cの底部にガイド部材43が設け られているが、ガイド部材43に代えて用水路Cの底部にもスプロケットを設け 、上下のスプロケットに環状スクリーン2を張設するようにしてもよい。
【0057】
【考案の効果】
本考案の請求項1記載の除塵装置によれば、用水通過面が用水路の延びる方向 に平行に配設された、いわゆる対用水路平行タイプの除塵装置において、ネット フレームには、その用水通過面に所定ピッチで複数の塵埃捕捉バーを配して形成 されたバースクリーンが設けられているため、大きな塵埃をこのバースクリーン によって確実に捕捉することができるとともに、微細な塵埃はバースクリーンの 下流側に張設された網体によって捕捉することができ、大小に拘らず用水中の塵 埃を確実に取り除くことが可能になる。
【0058】 従って、地域的な特性により、微細な塵埃は少ないが比較的大きな塵埃が多く 含まれているような用水が流れる用水路にこの除塵装置を適用することにより、 大きな塵埃による網目の閉塞がバースクリーンによって防止され、これによって 用水の圧力損失の増大を抑えることが可能になり、塵埃除去効率の向上を図る上 での効果は大きい。
【0059】 本考案の請求項2記載の除塵装置によれば、一対の水平フレームの内の、ネッ トフレームの上昇中に下方に位置する方の水平フレームは、上記塵埃捕捉バーよ り上流側に向かって突出させてあるため、用水中の大きな異物は塵埃捕捉バーの 上記突出した部分によってすくわれ、ネットフレームのみでは取り除くことがで きなかった用水中の大きな異物を確実に除去することができる。
【0060】 本考案の請求項3および4記載の除塵装置によれば、網体は、細目網と、この 細目網よりも線材の径寸法が大きく、かつ、網目寸法が粗い粗目網とから形成さ れ、しかもこれら細目網と粗目網とは合成樹脂によって一体に形成されているた め、まず、粗目網によって網体を全体的に丈夫なものにすることができる。また 、粗目網を細目網よりも上流側に突出させておくことにより、大きな塵埃は粗目 網によって捕捉され、これによって捕捉された大きな塵埃と細目網との間に隙間 が形成された状態になるため、この隙間の存在によって細目網の閉塞が回避され 、用水の圧力損失の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る除塵装置が適用された用水路の水
平断面視の説明図である。
【図2】本考案に係る除塵装置の全体構成を示す上流側
から見た断面視の説明図である。
【図3】ネットフレームの一実施形態を示す部分斜視図
である。
【図4】図3に示すネットフレームの側面視の断面図で
ある。
【図5】図3に示すネットフレームの正面図である。
【図6】網体の一実施形態を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 除塵装置 2 環状スクリーン 2a 上昇側スクリーン 2b 下降側スクリーン 3 ネットフレーム 30 フレーム 31 第1水平フレーム 32 第2水平フレーム 32a 棚部材 33 側部フレーム 34 網体 34a 細目ネット(細目網) 34b 粗目ネット(粗目網) 35 連結板 35a 凹没円弧部 35b 凸出円弧部 36 網体支持部 37 バースクリーン 4 張設手段 41 支持軸 42 スプロケット 43 ガイド部材 5 駆動機構 51 駆動モータ 52 駆動プーリ 53 従動プーリ 54 伝動ベルト 6 塵埃排出機構 61 圧水噴射配管 61a 噴射ノズル 62 排塵溝 C 用水路 C1 土手 C2 上流堰 C3 下流堰 W 用水

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用水路の幅方向中央部の水面上に用水路
    の延びる方向に略平行な支持軸が設けられ、この支持軸
    回りに回転自在にスプロケットが軸支され、用水路の底
    部に上記スプロケットに対向した被張設部材が設けら
    れ、この被張設部材と上記スプロケットとの間に、複数
    の網体が連結されて環状に形成された環状スクリーンが
    掛け回され、用水が環状スクリーンの上下方向に張られ
    た部分の双方を内側または外側から通過するように流路
    設定された状態で、上記環状スクリーンの周回によって
    用水中の塵埃を捕捉するようにした除塵装置において、
    上記網体の上流側には、網体を支持するネットフレーム
    と、複数の塵埃捕捉バーとが設けられ、上記ネットフレ
    ームは、環状スクリーンの周回路を横断するように水平
    方向に延び、かつ、環状スクリーンが上下方向に張られ
    た状態における網体の上下の縁部を支持する一対の水平
    フレームと、これら一対の水平フレームの両側部間に差
    し渡された一対の側部フレームとからなり、上記複数の
    塵埃捕捉バーは、上記一対の水平フレーム間に、上記側
    部フレームの網体からの突出量と略同一の突出量で上記
    側部フレームに平行に架橋されていることを特徴とする
    除塵装置。
  2. 【請求項2】 上記一対の水平フレームの内の、ネット
    フレームの上昇中に下方に位置する方の水平フレーム
    は、上記塵埃捕捉バーより上流側に向かって突出してい
    ることを特徴とする請求項1記載の除塵装置。
  3. 【請求項3】 上記網体は、上記ネットフレームに張設
    された太い線材による粗目網と、この粗目網の目の中に
    張設された細い線材による細目網とが、合成樹脂によっ
    て一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の除塵装置。
  4. 【請求項4】 上記網体は、上記ネットフレームに張設
    された太い線材による粗目網と、この粗目網の目の中に
    張設された細い線材による細目網とが、合成樹脂によっ
    て一体に形成されていることを特徴とする請求項2記載
    の除塵装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106445A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Hitachi Plant Technologies Ltd スクリーン循環式除塵機
JP2013234480A (ja) * 2012-05-08 2013-11-21 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 取水噴出防止装置
JP2016011553A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 株式会社丸島アクアシステム 回転式除塵装置

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