JP3032284B2 - インクジェット記録液用樹脂組成物及びそれを使用したインクジェット記録液 - Google Patents

インクジェット記録液用樹脂組成物及びそれを使用したインクジェット記録液

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JP3032284B2
JP3032284B2 JP32983690A JP32983690A JP3032284B2 JP 3032284 B2 JP3032284 B2 JP 3032284B2 JP 32983690 A JP32983690 A JP 32983690A JP 32983690 A JP32983690 A JP 32983690A JP 3032284 B2 JP3032284 B2 JP 3032284B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は記録ヘッドのオリフイスから液適を飛翔させ
て記録を行うインクジェット方式に好適なインクジェッ
ト記録液用樹脂組成物及びそれを使用したインクジェッ
ト記録液に関し、更に詳しくは沈降性、液分離性等の少
ない優れたインク特性を有し吐出性、連続安定性、非目
づまり性等の機械特性が優れ、吐出オリフイスにおける
耐乾燥性が良好であり、定着性、印字濃度、印字品質、
OHPの透光性等の印字特性等の優れたインクジェット記
録液用樹脂組成物及びそれを使用したインクジェット記
録液に関するものである。
(従来の技術) 従来から、紙等の被記録材に記録を行なう筆記具(サ
インペン、水性ボールペン等)には、インキとして各種
の染料、顔料を水または、その他の有機溶剤に溶解また
は、分散させたものが使用されている。また、圧力振動
子の振動や熱により発生する圧力や、高電圧印加による
静電引力によりヘッド内のインキを微細なノズルから吐
出させて記録を行なう所謂インキジェット記録方式にお
いても各種の染料、顔料を水またはその他の有機溶剤に
溶解または分散させたものが使用されている。しかし、
一般のサインペン、水性ボールペン等の様な文具用イン
キに比べて、インキジェット記録方式に使用する記録液
は、極めて微細なノズルからインキ液滴を発生させて記
録を行うため、多くの特性で一層緻密な条件が要求され
る。すなわち、インキジェット記録用記録液は、 1. 液滴発生方法、液滴飛翔方向制御方法に応じた適当
な物性(記録液の粘度、表面張力、比電導度、密度等)
の値を有していること。
2. 長期間の保存に対して安定であり、また、長期間未
使用或いは印刷休止中に固形物が析出したりノズル近傍
に固形物等が付着しないこと。
3. 印刷された画像が十分にコントラストが高く鮮明で
あること。
4. 印刷された画像が耐水性及び定着性に優れているこ
と。
5. 普通紙にコントラストのある印字が出来ること。
等の条件を満足する事が必要である。
現在インクジェット記録用インクとして、水と水混和
性有機溶剤を溶媒体とする水系インクが主として使用さ
れているが、液媒体の蒸発が比較的早いために、ノズル
目詰りが発生しやすいことが大きな欠点となっている。
これを解決するためにインク組成、装置面から種々の工
夫がなされているが、問題を完全に解決するまでに至っ
ていない。インク組成から目詰りを解決する一つの方法
として、インク液媒体に高沸点の有機溶剤を使用した非
水系インクの採用により、インク液媒体の蒸発を少なく
することが知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら染料の高溶解性を保持しながら、粘度・
比抵抗などの液物性、人体に対する安全性、液組成安定
性などの項目についてすべてを満足させる記録液用樹脂
組成物及び記録液を見い出すことは非常に困難であっ
た。
本発明の目的は長期間ノズル目詰まりを起さず、良好
な吐出安定性を保持するインクジェット記録用樹脂組成
物及びインクジェット記録用インク(以下、記録液と記
す)を提供することであり、他の目的は人体に安全で臭
いの少ない記録液を提供することである。
更に他の目的は印字定着性、印字濃度、印字品質、OH
Pの透光性等が優れ、普通紙ににじみがなく鮮明でコン
トラストのある画像を与える記録液を提供することであ
る。
(問題点を解決するための手段) (A)式 〔ここでXは、水素またはメチル基を表わし、Yは−CO
OR、−OCORまたは−ORを表わし、RはC420のアルキル
基を表す〕 の単量体89.5〜20重量部及び (B)式 〔ここでXは水素又はメチル基を表わし、R2はC3〜C8
シクロアルキル基またはアルキル基部分がC1〜C3である
アラルキル基を表わす〕の単量体10〜60重量部及び (C) (a)N−ビニル−複素環ケトン系単量体、 (b)ヒドロキシアルキル部分の炭素原子数が2〜12
のヒドロキシアルキルアクリレート単量体又はヒドロキ
シアルキルメタクリレート単量体、 (c)炭素原子数が3〜8のα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸、 (d)−NRR′基(ここでR及びR′は独立してH、
炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜
4のヒドロキシアルキル基を表す)を有するビニル系単
量体、 (e)エポキシ基を有するビニル系単量体 及び、 (f)その他のビニル系単量体、 よりなる群より選ばれた単量体0.5〜30重量部 〔但し(A)(B)及び(C)の単量体の合計が100重
量部となる〕 を重合してなる沸点が150〜200℃のパラフィン系又は脂
環族系炭化水素を主成分とする高絶縁性炭化水素媒体に
可溶性の共重合体100重量部と、前記媒体に実質的に不
溶性の重合体を20〜250重量部と前記媒体とを含んでな
ることを特徴とするインクジェット記録液用樹脂組成
物。
及び前記インクジェット記録液用樹脂組成物に前記可
溶性の共重合体100重量部に対し5〜500重量部の着色剤
を含む記録剤を分散していることを特徴とするインクジ
ェット記録液が提供される。
上記可溶性の共重合体に使用できる前記A式(I)の
単量体としては、n−ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−
オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリ
レート、イソデシルメタクリレート、イソノニルメタク
リレート等のメタクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリ
レート、イソデシルアクリレート、イソノニルアクリレ
ート等のアクリレート、酢酸ビニール、バーサチック酸
ビニール等の脂肪酸ビニル及びビニールnブチルエーテ
ル、ビニールイソブチルエーテル、ビニルnヘキシルエ
ーテル、ビニルnオクチルエーテル、ビニル・2エチル
ヘキシルエーテル等のビニールエーテル等を例示するこ
とができる。
式(I)の単量体としては、n−オクチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート又はラウリル
メタクリレートが好適であり、特にn−オクチルメタク
リレート又は2−エチルヘキシルメタクリレートが好適
である。
上記可溶性の共重合体に含有される前記B式(II)の
単量体としては、シクロプロピルメタクリレート、シク
ロヘプチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、シクロペンチルメタクリレート、シクロオクチル
メタクリレート等のシクロアルキルメタクリレート、シ
クロプロピルアクリレート、シクロヘプチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアク
リレート、シクロオクチルアクリレート等のシクロアル
キルアクリレート、γ−フェニルプロピルメタクリレー
ト、β−フェニルエチルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート等のアラルキルメタクリレート並びにγ−フ
ェニルプロピルアクリレート、β−フェニルエチルアク
リレート及びベンジルアクリレート等のアラルキルアク
リレート等を例示することができる。
好適な式(II)の単量体はC3シクロアルキルメタ
クリレート、C3シクロアルキルアクリレート、ベン
ジルメタクリレートまたはベンジルアクリレートであ
り、殊にシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ベンジルメタクリレートまたはベンジ
ルアクリレートが好適に用いられる。
更に前記(C)の(a)(b)(c)(d)(e)
(f)としては、 a) N−ビニル−複素環ケトン系単量体としては、ビ
ニル基を結合している1個の環内窒素原子と該窒素原子
の隣りにカルボニル基(ケトン)を有している付加重合
性のビニルモノマーであり、例えば、N−ビニル−ピロ
リドン、N−ビニル−オキサゾリドン、N−ビニル−ピ
ペリドンなどがある。
b) ;炭素数2〜12のアルキル基を有するヒドロキシ
アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレ
ートとしては例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒド
ロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、5−ヒドロ
キシアミル、6−ヒドロキシヘキシル、8−ヒドロキシ
オクチル、10−ヒドロキシデシルなど。さらに他の置換
基をアルキル基に導入してもよく、その例としてはヒド
ロキシル基、ハライド基、ニトリル基などが挙げられ
る。
c) ;炭素数3〜8のα,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸としては例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ブテント
リカルボン酸など。
d) ;−NRR′基(ここでR、R′は前記の意味を有
す)を有するビニル系モノマー例えば上記bの酸のアミ
ド及びジメチルアミノエチルアクリレート又はメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルアクリレート、又はメタ
クリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート又は
メタクリレート、Nメチロールアクリル又はメタクリル
アミドなど、 e) ;エポキシ基を有するビニル系モノマー、グリシ
ジルメタアクリレートなど。
f) ;その他のビニル系モノマーとしては例えばアク
リロニトリル、スチレン、ビニルトルエン、マレイン酸
モノあるいはジエステル、イタコン酸モノあるいはジエ
ステル、フマル酸モノあるいはジアルキルエステル、メ
タアクリロニトリル、アリルアルコール、アリルクロラ
イド、メタリルクロライド、ビニルアセテート、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、メチルビニルケトンなどである。
また前記高絶縁性炭化水素媒体に実質的に不溶性の重
合体を与える単量体としては単量体では媒体に可溶性で
あるが重合体になると溶解度が減少して析出する性質を
もつ単量体が使用される。このような単量体としては、
スチレン及びその誘導体、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、無水マレイン酸、
N−ビニルピロリドン、マレイン酸モノ−又はジ−アル
キルエステル、フマール酸モノ−又はジ−アルキルエス
テル、イタコン酸モノ−又はジ−アルキルエステル、ア
クリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニール、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビ
ニールイミダゾール、エトキシエチル(メタ)アクリレ
ート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルス
ルホン酸、p−ビニルンベンゼンスルホン酸、ビニルア
ミン、p−ビニルニトロベンゼン及びその他単量体等が
例示できる。本発明の不溶性の重合体には上記単量体の
単独または共重合体等を用いることができる。
本発明で用いられる好適な不溶性の重合体は(i)酢
酸ビニル20−100重量%及び(ii)C110のアルキルメ
タクリレート、C110アルキルアクリレート、及び/ま
たはC1シクロアルキル(メタ)アクリレート80〜0
重量%よりなる重合体である。
本発明で用いられる沸点が150〜200℃のパラフィン系
又は脂環族系炭化水素を主成分とする高絶縁性炭化水素
媒体は、低誘電率で高絶縁性の有機溶媒であり、そのよ
うな有機溶媒としてはアイソパーG、H、K、L及びM
(エクソン化学製)、アイピーソルベント(出光石油
製)、シェルゾール71(シェル石油製)等が挙げられ
る。また、その他の高絶縁性炭化水素媒体を含有するこ
とができ、例えばノルマルパラフィン系炭化水素、イソ
パラフィン系炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化脂
肪族炭化水素等を例示することができる。
また前記可溶性共重合体は(A)〔式(I)の単量
体〕を89.5〜20重量部、好ましくは89.5〜30重量部、最
も好ましくは80〜40重量部及び(B)〔式(II)の単量
体〕を10〜60重量部、好ましくは20〜50重量部、(C)
の単量体を0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、
最も好ましくは3〜10重量部、〔但し(A)、(B)及
び(C)の単量体の合計を100重量部とする〕を共重合
したものであり、(C)の単量体が0.5重量部未満と少
なすぎては記録剤の分散性に欠け目的とする粒子径が得
られず、且つ長期保存性に劣り好ましくない。
また30重量部を超えて多すぎると前記絶縁性炭化水素
媒体との相溶性の点で好ましくない。
また前記可溶性共重合体と不溶性重合体の割合は特に
制限されるものではないが、可溶性共重合体100重量部
に対して不溶性重合体は20〜250重量部の割合で使用さ
れる。(B)の単量体は特に不溶性重合体の含有量によ
るが、インクジェット記録用樹脂として好ましくはガラ
ス転移温度(Tg)を−20℃〜30℃、更に好ましくは−10
℃〜20℃、最も好ましくは0℃〜10℃に調整するのに用
い、Tgが−20℃以下であると、画像のタッキネスが生じ
る傾向があり、且つこすりによる画像の汚れが生じる傾
向がある。またTgが30℃以上であると画像がガラス状に
なり、折り曲げ特による画像のヒビ割れが生じる傾向が
ある。
本発明で用いられる可溶性重合体は好ましくは3,000
〜100,000、更に好ましくは5,000〜50,000、最も好まし
くは10,000〜25,000の分子量を有する。分子量が100,00
0を超えて高すぎては分散液の粘度が高くなる傾向があ
り、インクジェット記録用インクとして安定な吐出が得
られない場合もある。分子量3,000未満と低すぎては、
ガラス転移温度(Tg)が−20℃以下となり好ましくない
場合がある。
不溶性重合体を含有した樹脂を用いて着色剤を分散さ
せると不溶性重合体を核として着色剤が分散され記録剤
の粒子径調整が容易となる。又、記録剤の核に重合体が
存在する為、記録剤粒子内の凝集力が低くなり定着性に
優れる。又驚く事に、印字画像の光の透過性も向上する
事が判った。
不溶性重合体の粒子径は一般に0.05〜5ミクロンの範
囲内が好ましいが必要に応じてある程度広範囲に変える
ことも出来る。
本発明に用いられる可溶性の共重合体は、直接高絶縁
性炭化水素溶媒中で溶液重合を行なって製造する事が出
来るが、他の低沸点有機溶媒中で溶液重合を行なった
後、真空濃縮して溶媒置換を行なっても得られる。又不
溶性の重合体を含んでなる樹脂分散液は一般に、媒体中
の可溶性共重合体の溶液の中で不溶性重合体の重合を行
うことによって、容易に製造することができるが、可溶
性共重合体及び不溶性重合体を別途に製造しておいて、
両重合体の共通溶媒に両重合体を溶解してから炭化水素
系媒体中に攪拌下滴下する等の方法によっても適宜製造
することができる。
また前記着色剤は着色剤として使用するもので公知の
各種顔料が使用可能であり、具体例を挙げるとアゾ系顔
料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナ
クリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン
系顔料、インジゴ系顔料、イソインドレノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料等
の有機顔料や、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック
等の無機顔料及び蛍光顔料等が挙げられる。
又、高絶縁性炭化水素溶媒に不溶であれば、公知の各
種染料が使用可能であり、具体例を挙げると、水溶性染
料としての直接染料、塩基性染料、酸性染料、酸性媒染
染料、媒染染料、非水溶性染料としての硫化染料、硫化
建染染料、建染染料、油溶染料、分散染料等の他、反応
染料、アゾイック染料等の中で、高絶縁性炭化水素溶媒
に不溶の染料が挙げられる。
又、本発明で用いる記録液には上記の必須成分のほか
に、従来公知の各種添加剤、例えば塩類、合成及び天然
樹脂、各種染料等を併用することも出き、その調製に
は、各種の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配
合し、それをボールミル、ロールミル、スピードライン
ミル、ホモミキサー、サンドグランダー等を用いて混合
摩砕する方法を採用する。
目的の粒子径に調整するには可溶性の共重合体中の官
能性モノマーである(C)成分の共重合量を調整する事
により達成できるが、不溶性の重合体成分中に官能性モ
ノマーを共重合する事により達成できる。
尚、顔料の分散工程は、できるだけ顔料が高濃度の状
態に於て行ない、分散処理の後、必要に応じて更に樹脂
及び媒体を加えて調整を行ない記録液の粘度は、最終的
に約1〜30cps、好ましくは約3〜20cpsに記録剤の粒子
径は、0.1μm〜20μm好ましくは、1μm〜10μmに
調整される。
この様にして、調製した記録液は、低粘度域に於て、
長期間保存した場合にも、顔料粒子が凝集したり沈降す
ることがない。そして、この記録液は、 (1) 広範囲の記録液吐出条件(圧電素子の駆動電
圧、駆動周波数、吐出オリフィスの形状と材質、吐出オ
リフィス径等)にマッチングした液物性(粘度、表面張
力、比電導度等)を有している。
(2) 長期保存に対して安定でインクジェット装置の
目詰まりを起さない。
(3) 形成された記録画像の色調が鮮明で濃度が高
い。
(4) 被記録材(紙、フィルム等)に対して定着性に
優れていて、しかも普通紙に印字してもドットの周辺が
滑らかでにじみがない。
(5) 形成された記録画像の耐水性・耐光性が優れて
いる。
(発明の効果) 本発明は記録ヘッドのオリフイスから液適を飛翔させ
て記録を行うインクジェット方式に好適なインクジェッ
ト記録液用樹脂組成物及びそれを使用したインクジェッ
ト記録液を得るものであり、更に詳しくは、沈降性、液
分離性等の少ない優れたインク特性を有し吐出性、連続
安定性、非目づまり性等の機械特性が優れ、吐出オリフ
イスにおける耐乾燥性が良好であり、定着性、印字濃
度、印字品質、OHPの透光性等の印字特性等の優れたイ
ンクジェット記録液用樹脂組成物及びそれを使用したイ
ンクジェット記録液を得る発明である。
以下に実施例をもって本発明を説明するがこれら実施
例により本発明は限定されるものではない。
実施例及び樹脂例 以下の実施例樹脂例で使用する数量は、特にことわり
がない限り、重量に基づくものである。
樹脂例−1 可溶性成分の重合 攪拌機、還流器、滴下装置を有する反応器中にA成分
として2エチルヘキシルメタクリレート35部、n−ラウ
リルメタアクリレート25部、B成分としてシクロヘキシ
ルメタアクリレート30部、C成分としてマレイン酸モノ
ブチルエステル10部、メルカプトエタノール0.5部及び
n−ヘプタン40部を加え、加熱して90℃で3時間反応さ
せた後、アゾビスイソブチロニトリルを0.5部加えて更
に2時間反応させた後、アイソパーHを110部加えて不
揮発分40%、分子量約30,000の重合物からなる溶液を得
た。
不溶性成分の重合 得られた樹脂液250部を90℃に保ちながら酢酸ビニル3
0部及びパーロイルL0.3部とn−ヘプタン10部の混合液
を1時間で滴下し2時間反応後、パーロイルL0.2部を加
えて更に2時間熟成し、アイソパーHを35部加えて冷却
を行い、不揮発分40%、Tg約5℃の重合物からなる乳白
色のエマルション樹脂分散液−1を得た。
実施例−1 樹脂分散液−1を325部(可溶性重合体100部)に塩基
性カーボン300部とアイソパーH1355部とを加えてサンド
ミルで2時間分散し、更に樹脂分散液−1を120部とア
イソパーHを900部加えて、サンドミルで10分間分散し
た後、フィルターで粗大粒子を除去して黒色のインクジ
ェット記録用インクを得た。
得られた記録液の粘度は15.9cpsであり、分散してい
る記録剤の平均粒子径は3.6μmであった。
比較例−1 カーボンブラック10部とアイソパーH90部とポリオキ
シエチレンラウリルエーテル(HLB=10.5)10部とを加
えてサンドミルで1時間分散した後、フィルターで粗大
粒子を除去して黒色のインクジェット記録用インクを得
た。
得られた記録液の粘度は25cpsであり、分散している
記録剤の平均粒子径は0.6μmであった。
比較例−2 アルキッド樹脂(大日本インキ(株)ベッコゾールER
−3303−60)10部とカーボンブラック10部とアイソパー
H90部とを加えてサンドミルで1時間分散した後、フィ
ルターで粗大粒子を除去して、黒色のインクジェット記
録用インクを得た。
得られた記録液の粘度は18.7cpsであり、分散してい
る記録剤の平均粒子径は18.6μmであった。
比較例−3 キシレン93部にオイルブラックHBB7部を溶解させ、黒
色インクジェット記録用インクを得た。得られた記録液
の粘度は8.7cpsであった。
本発明に於ける試験方法、評価方法、用語の説明は以
下のとおりである。
1 ガラス転移温度(Tg)の計算 本発明におけるガラス転移点(以下Tgと略することあ
り)とは、LEニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力
学的性質」11頁〜35頁に記載されているような一般の高
分子で測定されるTgであり、共重合体の場合は同書26〜
27頁に記載されている計算Tgである。
即ち共重合体のTgは次式によって計算されたものであ
る。
(但しW1+W2+……Wn=1) ここでTgとは共重合体ガラス転移温度であり絶対温度
に換算し計算する。Tg1、Tg2…およびTgnは成分1、成
分2……、および成分nのそれぞれ純粋な単独重合体
1、2……及びnのガラス転移温度であり絶対温度に換
算し計算する。W1、W2……およびWnはそれぞれの成分の
重量分率である。これを本発明に有用であるモノマーお
よび成立の限定に便宜上使用する。したがって本発明に
用いられるTgは必ずしもポリマーそのもののTgではな
い。
2 平均分子量の測定 分子量の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー(GPC)にカラム(東ソー製GMH×3本)を装
着し、次の条件で測定した。試料をTHF(テトラヒドロ
フラン)に0.2wt%の濃度で溶解し、温度20℃において1
ml/minの流速で測定した。
試料の分子量測定に際しては、該試料の有する分子量
が数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された
検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内
に包含される測定条件を選択した。
3 記録液の粘度の測定 Contraves社のレオマット30粘度計を用いてずり速度1
04[sec-1]における粘度を測定した。
4 記録剤の粒子径の測定 超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所 CAPA−
700)において測定した。
5 インクの保存性 インクをガラス容器に密閉し、−5℃と50℃で1ケ月
間保存し、変化を調べた。
(評価) ◎;記録液の液分離及び記録剤の沈降が認め
られない。
○;記録液の液分離が若干認められるが記録
剤の沈降は認められず、又、弱い振とうにより元に戻
る。
×;記録液の液分離及び記録剤の沈降が認め
られ弱い振とう程度では元に戻らない。
6 吐出安定性 室温5℃、40℃の雰囲気中でそれぞれ5,000枚連続吐
出を行ない記録安定性を調べた。
(評価) ◎;安定な吐出が続いた ×:吐出にみだれが生じた。
7 再起動性 20℃、60%RHの無風状態の恒温恒湿に記録装置を配置
し、1時間連続運転の後運転を停止し、記録ヘッドを完
全開放の状態で15分間放置し、再起動した時の印字品質
を確認した。
(評価) ◎;最初から良好な印字が得られる。
○;初期印字が乱れるが、復元する。
×;印字不能。
8 印字濃度 市販のコピー用紙(ゼロックス社製P紙)に印字して
試験片とし、マクベス濃度計で測定した。
9 印字品質 上記用紙において、1ドット印字を行なった時のドッ
ト径の広がり(にじみ)とドットの切れ(真円度)を光
学顕微鏡にて判定評価した。
(評価) ◎;にじみが少なく真円度が高い。
○;にじみが少ないが真円度が低い。
×;にじみが多く真円度も低い。
10 印字定着性 上記印字試験片を、上記コピー用紙でこすった時の汚
れを目視にて判断した。
(評価) ◎;汚れがない。
×;印字部周辺が汚れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)式 〔ここでXは、水素またはメチル基を表わし、Yは−CO
    OR、−OCORまたは−ORを表わし、RはC420のアルキル
    基を表す〕 の単量体89.5〜20重量部及び (B)式 〔ここでXは水素又はメチル基を表わし、R2はC3〜C8
    シクロアルキル基またはアルキル基部分がC1〜C3である
    アラルキル基を表わす〕の単量体10〜60重量部及び (C) (a)N−ビニル−複素環ケトン系単量体、 (b)ヒドロキシアルキル部分の炭素原子数が2〜12の
    ヒドロキシアルキルアクリレート単量体又はヒドロキシ
    アルキルメタクリレート単量体、 (c)炭素原子数が3〜8のα,β−エチレン性不飽和
    カルボン酸、 (d)−NRR′基(ここでR及びR′は独立してH、炭
    素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4
    のヒドロキシアルキル基を表す)を有するビニル系単量
    体、 (e)エポキシ基を有するビニル系単量体 及び、 (f)その他のビニル系単量体、 よりなる群より選ばれた単量体0.5〜30重量部 〔但し(A)(B)及び(C)の単量体の合計が100重
    量部となる〕 を重合してなる沸点が150〜200℃のパラフィン系又は脂
    環族系炭化水素を主成分とする高絶縁性炭化水素媒体に
    可溶性の共重合体100重量部と、前記媒体に実質的に不
    溶性の重合体を20〜250重量部と前記媒体とを含んでな
    ることを特徴とするインクジェット記録液用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】前記媒体に実質的に可溶性の共重合体の平
    均分子量が3,000〜100,000であり、該インクジェット記
    録用樹脂のガラス転移温度(Tg)が−20℃〜30℃である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のインク
    ジェット記録用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    インクジェット記録用樹脂組成物を、沸点が150〜200℃
    のパラフィン系又は脂環族系炭化水素を主成分とする高
    絶縁性炭化水素媒体で希釈し、且つ前記可溶性重合体10
    0重量部に対して5〜500重量部の着色剤を含む記録剤を
    分散していることを特徴とするインクジェット記録液。
  4. 【請求項4】該インクジェット記録液の粘度が1〜30cp
    sであり、該記録剤の粒子径が0.1〜20μmであることを
    特徴とする特許請求の範囲第3項に記載のインクジェッ
    ト記録液。
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