JP4394889B2 - インク組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料、樹脂および溶媒を少なくとも含むインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界などを駆動源として液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このようなインクジェット記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能なことより、近年、オフィス用のみならず民生用としても急速に普及している。
【0003】
インクジェット記録用のインクとしては、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性染料インクが、着色力が大きい、ヘッドオリフィスでの目詰まりが少ないなどの理由により、使用されてきている。しかしながら、この水性染料インクは、耐水性および耐候性が十分でないという問題を抱えている。
【0004】
近年、A−Oサイズにも対応できる大型のインクジェットプリンターが開発され、屋外用ポスターなどの屋外用途での使用環境が増え、また、デジタルカメラの普及により、長期間保存する用途も増加している。このような背景のもと、耐水性および耐候性にすぐれた顔料インクの開発が盛んに行われている。
【0005】
顔料インクの中でも、水を溶媒とした水性顔料インクは、安全性、取り扱いやすさという点からも、コンシューマー向けインクジェットプリンター用を中心に、近年よく用いられるようになってきた。
しかし、普通紙に印字した際のコックリング(紙が波打つ現象)が起こる、また水性用に販売されている媒体の多くは耐水性に欠け、ラミネートなどの特殊な加工がない限り、屋外用途には適さないなどの欠点がある。
【0006】
これに対して、主溶媒に脂肪族炭化水素を用いた油性顔料インクなどは、普通紙、マット紙などにコックリングなく印字でき、また、水性顔料インクに比べて印字物の耐水性にすぐれ、屋外専用媒体に印字したものはラミネート加工などなく屋外で使用が可能である。しかし、印字物の乾燥性が遅く、また印字媒体への浸透性にすぐれないため、光沢紙などに印字した場合、定着性が不十分で印字物が擦れやすいという問題を抱えている(特許文献1〜3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特表平10−507487号(第6〜8頁)
【特許文献2】
特開2000−38533号(第3〜5頁)
【特許文献3】
特開2001−329193号(第3〜5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の事情に照らし、炭化水素系溶媒を主溶媒に用いたインク組成物では困難とされているカチオン処理を施した光沢紙などの印字媒体に対して定着性があり、かつ普通紙に対しコックリングなく印字でき、かつ印字物の耐水性にすぐれたインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、主溶媒として炭化水素系溶媒を用いたインク組成物において、樹脂として特定の酸価を有するアニオン性樹脂を含ませるようにしたときには、耐水性にすぐれ、普通紙に対しコックリングなく印字できるとともに、炭化水素系溶媒を主溶媒とした顔料インクでは困難とされていたカチオン性処理を施した光沢紙などへの定着性を大幅に改善できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、顔料、樹脂および溶媒を少なくとも含むインク組成物において、主溶媒として炭化水素系溶媒を全溶媒中50〜99重量%含み、その他の溶媒として(ポリ)アルキレングリコール誘導体を溶媒全体の1〜30重量%含み、かつ樹脂として酸価が10〜200mgKOH/gであるアニオン性樹脂をインク組成物中0.5〜20重量%含むことを特徴とするインク組成物、とくに、アニオン性樹脂の重量平均分子量が5,000〜100,000、分子量分布が1.5〜10であり、また、主溶媒である炭化水素系溶媒がノルマルパラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系の中から選ばれる1種または2種以上の混合物である上記構成のインク組成物に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物において、主溶媒には、炭化水素系溶媒を使用する。この炭化水素系溶媒は、その構造、具体的には主鎖の炭素数、側鎖の数と炭素数などにより、粘度、表面張力、沸点などの特性が決定される。これらの単体または混合物により、所望の物性に調整することができる。
【0012】
しかし、炭素鎖の短い化合物を用いると、印字物の乾燥性は向上するが、ヘッド目詰まりが起きやすく印字不良をきたしやすい。一方、炭素鎖の長い化合物を用いると、ヘッド上でインクが乾燥しにくく目詰まりは起きにくいが、印字後、溶剤が速やかに揮発または印字物への浸透を起こし難く、印字直後のインクの定着性に欠け、印字物の取り扱いに問題を生じやすい。
【0013】
本発明においては、インク組成物中にアニオン性樹脂を添加することにより、上記問題が解決される。一般に水性染料インクジェット用光沢紙はアニオン性染料の定着性および耐水性を高めるため、インク受容層がカチオン性に設計されている。たとえば、カチオン性樹脂やカチオン性アルミナフィラーなどがインク受容層に用いられている。インク組成物中に特定酸価を有するアニオン性樹脂を適当量含有させると、上記のカチオン性インク受容層に対する接着性が高められ、塗膜の擦れが防がれて、すぐれた耐擦れ性が得られる。
【0014】
耐擦れ性とは、連続して印刷する場合、2枚目の印刷物が数秒後重なったり、印刷物を手で触れたりしたときの、印刷物の擦れやすさである。
本発明者らは、この耐擦れ性の評価につき、広範囲の実験検討を続けた結果、インク組成物を、カチオン処理を施した記録媒体(たとえば前記の光沢紙)に、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて塗布し乾燥した塗膜に対して、50gの分銅をのせた布で摺動する摺動試験を行い、この摺動試験前と摺動試験後との光学濃度(OD)値の変化が±10%以内であれば、上記の耐擦れ性にすぐれたものであると評価できることがわかった。
【0015】
すなわち、本発明において、主溶媒として炭化水素系溶媒を使用したインク組成物中に上記のアニオン性樹脂を適量含ませたときには、上記した光学濃度(OD)値の変化が±10%以内、とくに好ましくは±5%以内となって,すぐれた耐擦れ性が得られるようになり、たとえば、このインク組成物を用いて連続して印刷する場合に、2枚目の印刷物が数秒後重なったり、印刷物を手で触れたりしたときでも、印刷物の擦れはほとんどみられなくなることが判明した。つまり、上記構成を採ることにより、光沢紙などのカチオン処理を施した記録媒体に対して、非常に良好な定着性が得られるものである。
【0016】
上記の摺動試験において、カチオン処理を施した記録媒体には、代表的には、水性染料インクジェットプリンタ用光沢紙などとして、日立マクセル、エプソン、キャノン、コニカなどの各社の光沢紙が用いられる。
このような光沢紙にインク組成物を塗布するときの環境は、常温(通常20〜25℃)、常湿(通常40〜60%RH)とし、塗布時の厚さは5〜15μmとするのが好ましく、またこれを通常5〜10分間乾燥したのちの塗膜厚さは0.09〜1.8μmとするのが好ましい。
【0017】
また、摺動試験に用いる布としては、アズワン社製のベンコットン、テクニクルー、キムワイプ、キムワイパー、ケムドライ、キムテック、キムテックス、キムタオルや、絹、木綿などの天然繊維、ポリエステルのような化学繊維などの、一般的な布を用いることができる。
このような布にのせる分銅の重さは50gであり、これをのせた布が塗膜に接触する接触面積は通常3.1cm2 程度である。分銅の重さが50gより軽いと、塗膜にかかる力が小さくなり、実際のプリンターで印字するときの条件とあまりかけはなれて耐擦れ性の評価に支障をきたしやすい。分銅の重さが50gより重いと、塗膜に余分な力がかかりすぎて現実的でなく、やはり耐擦れ性の正確な評価に支障をきたしやすい。摺動回数は、目安として10回程度行うのがよく、各回の間隔は3秒程度とするのが望ましい。
【0018】
なお、上記の摺動試験における光学濃度(OD)値とは、マクベス反射濃度計(マクベス分光光度計)(たとえば、マクベスRD−1255)を使用して、反射率(ないし透過率)を求めて、Log10(100/x)〔ただし、xは反射率(ないし透過率)〕として、求められる値である。たとえばxが10の場合、光学濃度(OD)値は1.00となり、xが1の場合、光学濃度(OD)値は2.00となり、xが0.1の場合、光学濃度(OD)値は3.00となる。このように求められる光学濃度(OD)値の摺動試験前後の変化が±10%以内であるときに、耐擦れ性にすぐれ、良好な定着性が得られる。
【0019】
本発明において主溶媒として用いられる炭化水素系溶媒は、既述したとおり、通常、単一の成分または混合物からなる天然または合成の炭化水素混合物からの留出物である。このような炭化水素系溶媒には、ノルマルパラフィンやイソパラフィンなどのパラフィン、ナフテン、パラフィン/ナフテン混合系などがあり、性状は流動状でも固体状でもよい。これらの中でも、市販品として容易に入手可能である、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、パラフィン/ナフテン系溶剤などが好ましく用いられ、これらの中から、その1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
具体的には、エクソン化学社製のイソパラフィン系溶剤であるアイソパーG,H,m、ノーパー12,13,15、パラフィン/ナフテン混合系溶剤であるエクソノールD110,D130、出光石油化学社製のイソパラフィン系溶剤であるIPソルベント1620,2028、日本石油化学社製のノルマルパラフィン系溶剤であるノルマルパラフィンSL,L,M,H,O型ソルベントL,M,H、イソパラフィン系溶剤であるアイソゾール300,400、ナフテン系溶剤であるAF−4,AF−7,AF−5,AF−6、テクリーンN16,N20,N22,パラフィン系溶剤であるドライソルベント、ドライソルベントハイソフト、クレンゾル、ミネラルスピリットA,Aソルベント、ハイアロム2S、丸善石油化学社製のイソパラフィン系溶剤であるマルカゾールR、出光興産社製のパラフィン系溶剤である出光スーパゾルLA25,LA30,LA35,LA41,FP20,FP25,FP38,CA25,ダイアナフレシアP02,P05,SO2、シェルジャパン製のイソパラフィン系溶剤であるシェルゾール71,72、パラフィン/ナフテン混合系溶剤であるシェルゾールD100、松村石油研究所社製の流動パラフィン系溶剤であるモレスコホワイトP−40,P−55,P−60,P−70,P−80,P−85,P−100,P−120,P−150,P−200,P−230,P−300,P−350P、モレスコバイオレスなどを挙げることができる。
【0021】
これらの炭化水素系溶媒は、一般に分子量が低いものをインクに添加することにより流動性が増すが、引火点が低くなるため、取り扱いが困難なものが多く、また乾燥性が速くなるため、ヘッド上でインクが乾燥し、目詰まりなどを起こすおそれがある。一方、一般に分子量が高いものほど引火点が高くなり安全性が増すが、溶媒自体の粘度が高くなり、インクの流動性を悪くしたり、顔料分散剤や樹脂の溶解度を著しく低下させたり、分散性を悪くするおそれがある。よって、インクの流動性を損なわない程度に分子量が高いものを使用し、また数種類を混合してインクに適切な物性に調整するのが望ましい。
【0022】
本発明において、上記の炭化水素系溶媒は、主溶媒として、溶媒全体の50〜100重量%、好ましくは、60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%の割合で用いられる。また、この主溶媒のほかに、(ポリ)アルキレングリコール誘導体を、溶媒全体の1〜30重量%含ませることで、光沢紙などに対する定着性の面でより効果が発揮されることが多い。
上記誘導体は、普通紙やインクジェット用に設計されたコート紙のインク受理層に対する浸透性にすぐれ、印字物の乾燥性を高め、定着性を増す効果があるものが多い。また、添加するアニオン性樹脂によっては、上記誘導体はインク組成物中で樹脂の溶解力を高め、流動性を増す効果が得られることもある。
【0023】
(ポリ)アルキレングリコール誘導体には、(ポリ)アルキレングリコール、つまりアルキレングリコールなどの遊離の水酸基をふたつ有する化合物、またはポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル化合物もしくはモノアルキルエステル化合物などの遊離の水酸基をひとつ有する化合物、モノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物、ジアルキルエーテル化合物、ジアルキルエステル化合物などの遊離の水酸基を持たない化合物などがある。
【0024】
これらの中でも、とくにエステル基を有する化合物として、モノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物またはジアルキルエステル化合物が好ましい。これらの化合物は、分子内に水酸基を持たないために、主溶媒である炭化水素系溶媒との親和性が高く、インクの流動性を高める効果が得られやすく、印字した際に速やかに印字媒体へ浸透しやすく、したがって、すばやい定着性が得られやすい。また、相溶性が高いために、分散系に影響を及ぼし難く、インクの保存性に悪影響を及ぼしにくい。
【0025】
(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物またはジアルキルエステル化合物としては、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステルなどが挙げられる。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、エチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、エチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、エチレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、プロピレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルモノメチルエステル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノエチルエステル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル、ジエチレングリコールジメチルエステル、ジエチレングリコールジエチルエステル、トリエチレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、ジプロピレングリコールジメチルエステル、ジプロピレングリコールジエチルエステル、トリプロピレングリコールジメチルエステルなどがある。
【0027】
また、上記誘導体以外にも、必要に応じて、水、アルコール系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、アミン系化合物、芳香族系化合物などの他の一般的な溶媒を併用してもよい。ただし、これら他の溶媒を使用する場合、その使用量は、各物性、安全性などを熟知した上で、インク組成物の特徴を損なうことのないように、各溶媒に応じて、適宜の範囲に設定するのがよい。
【0028】
本発明に用いられるアニオン性樹脂は、酸価が10〜200mgKOH/gであることが必要で、好ましくは20〜150mgKOH/g、より好ましくは30〜100mgKOH/gであるのがよい。酸価が10mgKOH/g未満では、定着性に対する効果が低く、200mgKOH/gを超えると、その効果が飽和するとともに、樹脂と溶媒との相溶性が低下し、インクの粘度が上がるなどの問題を生じやすい。なお、酸価は電位差滴定などを用いて容易に測定できる。
【0029】
アニオン性樹脂は、重量平均分子量が5,000〜100,0000、好ましくは8,000〜60,000、より好ましくは10,000〜30,000であるのがよい。重量平均分子量が5,000未満では、顔料粒子にアニオン性樹脂が吸着した際に立体反発効果が得られにくく、保存性を向上させる効果が少ない場合があり、また媒体と顔料粒子との定着性を高める効果が得られにくく、塗膜強度が十分に得られないおそれがある。重量平均分子量が100,000を超えると、その効果が飽和するとともに、インク組成物の粘度が高くなり、十分に流動性が発揮されないおそれがある。また、このアニオン性樹脂の分子量分布は、1.5〜10、好ましくは2〜7であるのがよい。適度に分子量分布を持つことにより、広い使用環境下で十分な定着性を発揮できる。
なお、本明細書において、アニオン性樹脂の重量平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算分子量として、求められる値を意味するものである。
【0030】
本発明において、アニオン性樹脂は、インク組成物中、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%の割合で用いられる。0.5重量%未満となると、印字物の定着性に対する効果が発現されにくい。また、20重量%を超えると、その効果が飽和するとともに、インクの粘度が増加し、印字性などに支障をきたすおそれがある。
【0031】
本発明において、アニオン性樹脂は、アニオン性基としてカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基などの酸性基を有し、前記した酸価を有するものであれば、その種類はとく限定されない。たとえば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、天然たんぱく質、これらの共重合体など、公知の一般的な樹脂を使用できる。
【0032】
これらの中でも、アクリル樹脂は、分子量や酸価などの物性を容易にコントロールできる点で、また顔料の分散性、印字物の定着性などの面からも好ましい。アニオン性基を有するアクリル樹脂は、アニオン性基(酸性基)含有モノマーとともに、カチオン性基(塩基性基)含有モノマーやその他のモノマーなどとを、共重合させることにより、容易に合成できる。
合成時の溶媒は、重合条件などにもよるが、樹脂の溶解性が高いものを選択するのが望ましい。たとえば、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、これらに類似する化合物である。インク組成物中に含ませる溶媒をそのまま反応溶媒として用いてもよい。
【0033】
アニオン性基含有モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸、アクロイルオキシエチルフタレート、アクロイルオキシサクシネートなどのカルボキシル基含有モノマー、アクリル酸2−スルホン酸エチル、メタクリル酸2−スルホン酸エチル、ブチルアクリルアミドスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、メタクリル酸2−ホスホン酸エチル、アクリル酸2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基含有モノマーなどがある。
【0034】
カチオン性基含有モノマーには、アクリル酸アミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピルなどの第1級アミノ基含有モノマー、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピルなどの第2級アミノ基含有モノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノプロピル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどの窒素元素を1個以上含むモノマーやこれらの塩などがある。
【0035】
その他のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、ステアリルメタクリレート、アクリル酸ベヘニル、ベヘニルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系モノマー、イタコン酸ベンジルなどのイタコン酸エステル、マレイン酸ジメチルなどのマレイン酸エステル、フマール酸ジメチルなどのフマール酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー、エチレンなどのαオレフィンなどがある。
【0036】
また、その他のモノマーとしては、ポリエーテル基を含有するマクロモノマーを使用するのが望ましく、この使用により、顔料分散性や保存安定性にすぐれたアニオン性樹脂を合成できる場合がある。このようなポリエーテル基を有するマクロモノマーとしては、アクリロイル基もしくはメタクリロイル基に直接またはアルキル基を介してメトキシポリエチレングリコールやメトキシポリプロピレングリコールが結合したマクロモノマーが用いられる。
【0037】
ポリエーテル基を含有するマクロモノマーの市販品としては、日本油脂社製のPE−200,PE−350,AE−200,AE−350,AP−400,AP−550,AP−800,70PEP−350B,10PEP−550B,AEP,50POEP−800B,50AOEP−800B,PLE,ALE,PSE,ASE,PNE,ANE,PNP,ANP,PNEP−600,PME−200,PME−400,PME−1000,AME−400,PP−500,PP−800,PP−1000、新中村化学社製のAMP−10G,AMP−20G,AMP−60G,AM−90G、大阪有機化学工業社製のビスコート#355HP,ビスコート#310,ビスコート#310HP,ビスコート#310HG,ビスコート#312,ビスコート#700、共栄社化学社製のライトアクリレートEHDG−A,ライトアクリレートEC−A,ライトアクリレートMTG−A,ライトアクリレート130A,ライトアクリレートP−200A,ライトアクリレートNP−4EA,ライトアクリレートNP−8EA,ライトエステルMC,ライトエステル130MA,ライトエステル041MA、新中村化学工業社製のNKエステルM−20G,NKエステルM−40G,NKエステルM−90G、旭電化工業社製のアデカリアソープNE−10,アデカリアソープNE−20,アデカリアソープNE−40などが挙げられる。
【0038】
本発明のインク組成物においては、耐光性の点より、色材として顔料が用いられ、無機顔料や有機顔料などが挙げられる。
これらの顔料の使用量は、インク組成物中、1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%、より好ましくは3〜6重量%の割合とするがよい。顔料の濃度が1重量%未満では、着色力に欠けるようになり、また10重量%を超えると、粘度が上昇してインクの流動性が損なわれるおそれがある。
【0039】
無機顔料には、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカなどがある。
【0040】
有機顔料には、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系などがある。酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックも用いられる。
【0041】
シアンインク組成物に使用される顔料の種類としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60などが挙げられる。好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0042】
マゼンタインク組成物に使用される顔料の種類としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112,122,123,168,184、202、209、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。好ましくは、C.I.ピグメントレッド57:1、122、202、209、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0043】
イエローインク組成物に使用される顔料の種類としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、150、151、154、155、180、185などが挙げられる。好ましくは、C.I.ピグメントイエロー14、74、83、109、110、120、150、151、155、180から選択される1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0044】
ブラックインク組成物に使用される顔料の種類としては、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社性のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェンなどが挙げられる。好ましくは、三菱化学社製のHCF#2650、#2600、#2350、#2300、MCF#1000、#980、#970、#960、MCF88、LFFMA7、MA8、MA11、MA77、MA100、デグサ・ヒュルス社製のプリンテックス95、85、75、55、45、25などから選択される1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0045】
本発明においては、顔料分散剤として、カチオン性基またはアニオン性基の少なくとも一方を含む化合物を含ませるのが望ましい。有機溶媒中で顔料は分散剤との酸塩基相互作用により分散安定化している。そのため、顔料分散剤には顔料吸着サイトであるカチオン性基またはアニオン性基の少なくとも一方を含むことが望ましく、顔料の種類などに応じて分散剤中のカチオン性基、アニオン性基の種類と量をコントロールするのがよい。
また、このような顔料分散剤としては、インク組成物中の顔料の分散安定性などの点より、高分子系化合物であるのが好ましい。高分子系顔料分散剤は、疎水基を含むのが好ましく、水に不溶性であるのがより好ましい。疎水基を含む高分子系顔料分散剤は印字物の耐水性をより改善できる。
【0046】
高分子系顔料分散剤には、ゼネカ社製の「SOLSPERSE」、ビックケミー社製の「DISPERBYK」、エフカアディティブズ社製の「EFKA」などが市販されている。これらを顔料、溶媒の種類にあわせて用いることにより、インク組成物としてすぐれた効果を発揮できる。
なお、前記したアニオン性樹脂として、顔料サイトへの吸着力を持ち、しかも印字した際の媒体に対する親和性にすぐれたモノマー構成としたものは、この樹脂自体に上記した顔料分散剤としての機能を持たせることもできる。たとえば、顔料の種類に応じて塩基性基を有するモノマーを共重合させて両性ポリマー構成としたものは、上記機能を持たせやすい。
【0047】
本発明において、顔料分散剤の使用量は、顔料や溶媒の種類、分散条件などにもよるが、一般的に、顔料に対して、5〜150重量%の割合とするのがよい。有機顔料の場合は、この顔料に対して、20〜100重量%の割合とするのがよい。無機顔料の場合は、この顔料に対して、10〜60重量%の割合とするのがよい。さらに、前記したアニオン性樹脂を分散助剤として使用する場合、顔料に対して、0.1〜20重量%の割合で用いるのがよい。
【0048】
本発明のインク組成物は、顔料、アニオン性樹脂および溶媒を必須とし、通常はさらに顔料分散剤を使用し、また必要により、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料、顔料誘導体などの公知の一般的な添加剤を、任意成分として、添加することができる。
【0049】
本発明のインク組成物は、上記の各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、攪拌槽型ミルなどの媒体攪拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により、よく撹拌混合し、分散させることにより、調製することができる。
各成分の添加順序は、任意である。好ましくは、顔料、顔料分散剤および溶媒をプレミックス後分散し、この分散体にアニオン性樹脂および溶媒を添加するのがよい。この場合、添加時や添加後、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザーなどの簡単な攪拌機にて、均一に混合する。ラインミキサーなどの混合機を用いて、混合してもよい。また、析出粒子をより微細化する目的で、ビーズミルや高圧噴射ミルなどの分散機を用いて、混合してもよい。また、顔料の種類によっては顔料分散前のプレミックス時にアニオン性樹脂を顔料分散剤として添加してもよい。
【0050】
本発明のインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物は、25℃における表面張力が20〜35mN/mであるのが好ましい。また、25℃における粘度は2〜20cpが好ましく、より好ましくは3〜15cpであるのがよい。表面張力および粘度を上記範囲に設定すると、インクジェット用として用いた場合、ジェット曲がりなどが少なく噴射性に優れ、また普通紙、マット紙などに印字した際のにじみが少なくなるという特性が得られやすい。
【0051】
顔料粒子の分散平均粒子径は、50〜200nmが好ましく、80〜160nmがより好ましい。50nm未満でば、粒子が細かすぎ、印字物の耐光性に欠けるおそれがあり、200nmを超えると、印字物の精細さに欠ける場合がある。また、ヘッドでの目詰まりなどを避けるため、顔料粒子の最大分散粒子径は1,000nm以下が好ましい。これらの設定は、前記した主溶媒および他の構成成分の種類や量を適宜調整することで、容易に行えるものである。
【0052】
本発明のインク組成物は、インクジェット印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、感熱転写印刷などのあらゆる印刷方式のインクとして、使用することができる。上記印刷方式の中でも、とくにインクジェット印刷に適用すると、前記した本発明の効果がより良く発現できるので、望ましい。
【0053】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。
なお、以下、「部」および「%」とあるのは、とくに断りがない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。また、注意書きのない試薬については、すべて、和光純薬(株)製の試薬1級を用いたものである。
なおまた、以下に記載される「実施例1〜10」のうち、「実施例2,4〜6,8〜10」が本発明の特許請求の範囲に含まれるインク組成物の例を示したものであり、「実施例1,3,7」は本発明の特許請求の範囲には含まれない参考例としてのインク組成物の例を示したものである。
【0054】
なおまた、以下の実施例において、酸価が10〜200mgKOH/gであるアニオン性樹脂として使用した「アニオン性樹脂A〜E」は、下記の合成例1〜5により、合成したものである。
また、以下の比較例において、上記樹脂に代わるものとして使用した「アニオン性基を含まない樹脂F」と「酸価が高すぎるアニオン性樹脂G」は、下記の比較合成例1、2により、合成したものである。
【0055】
合成例1(アニオン性樹脂Aの合成)
n−ブチルアクリレート 30.0部
n−ブチルメタクリレート 24.0部
スチレン 10.0部
メタクリル酸 11.0部
ラウリルメタクリレート 25.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 4.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した。
【0056】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−ブタノン100部を計り込み、窒素シールをしながら、80℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、80℃で7時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が51.0%で、酸価が71.5mgKOH/g、重量平均分子量が16,000、分子量分布が4.5のアニオン性樹脂Aを含んでいた。
【0057】
合成例2(アニオン性樹脂Bの合成)
エチルメタクリレート 30.0部
n−ブチルメタクリレート 18.0部
スチレン 12.0部
メタクリル酸 8.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 13.3部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 6.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した。
【0058】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−ブタノン100部を計り込み、窒素シールをしながら、80℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、80℃で7時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が50.5%で、酸価が51.0mgKOH/g、重量平均分子量が12,900、分子量分布が3.5のアニオン性樹脂Bを含んでいた。
【0059】
合成例3(アニオン性樹脂Cの合成)
n−ブチルアクリレート 30.0部
n−ブチルメタクリレート 25.5部
スチレン 10.0部
メタクリル酸 4.5部
ラウリルメタクリレート 30.0部
2,2−アゾビスイソブチロニトリル 3.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した.
【0060】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−ブタノン100部を計り込み、窒素シールをしながら、80℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、80℃で7時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が53.8%で、酸価が32.0mgKOH/g、重量平均分子量が10,800、分子量分布が3.0のアニオン性樹脂Cを含んでいた。
【0061】
合成例4(アニオン性樹脂Dの合成)
エチルメタクリレート 20.0部
n−ブチルメタクリレート 32.0部
ラウリルメタクリレート 20.0部
アクリル酸 18.0部
NKエステルSA 10.0部
(新中村化学社製のβ−メタクリロイ
ルオキシエチルハイドロジェンサクシネート)
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 2.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した。
【0062】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−プロパノール100部を計り込み、窒素シールをしながら、85℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、85℃で8時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が48.8%で、酸価が136.0mgKOH/g、重量平均分子量が24,800、分子量分布が4.8のアニオン性樹脂Dを含んでいた。
【0063】
合成例5(アニオン性樹脂Eの合成)
エチルメタクリレート 30.0部
n−ブチルメタクリレート 20.0部
エチルヘキシルアクリレート 20.0部
アクリル酸 10.0部
ジメチルアミノメチルメタクリレート 20.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 2.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した。
【0064】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−プロパノール100部を計り込み、窒素シールをしながら、85℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、85℃で8時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が50.2%で、酸価が75.9mgKOH/g、重量平均分子量が22,100、分子量分布が3.9のアニオン性樹脂Eを含んでいた。
【0065】
比較合成例1(アニオン性基を含まない樹脂Fの合成)
n−ブチルアクリレート 30.0部
n−ブチルメタクリレート 35.0部
スチレン 10.0部
ラウリルメタクリレート 25.0部
パーブチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 4.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した.
【0066】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−ブタノン100部を計り込み、窒素シールをしながら、80℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、80℃で8時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が49.0%で、重量平均分子量が18,400のアニオン性基を含まない樹脂Fを含んでいた。
【0067】
比較合成例2(酸価が高すぎるアニオン性樹脂Gの合成)
n−ブチルメタクリレート 30.0部
スチレン 10.0部
メタクリル酸 35.0部
ラウリルメタクリレート 25.0部
バープチルO(日本油脂社製のパーオキシエステル) 8.0部
上記の各成分を混合し、溶液を調製した.
【0068】
つぎに、窒素導入管を備え付けた反応容器に、2−プロパノール100部を計り込み、窒素シールをしながら、85℃まで昇温した。これに、上記の溶液を2時間にわたって滴下し、滴下終了後、85℃で8時間反応させた。反応後の溶液は、不揮発分が51.5%で、酸価が224.3mgKOH/g、重量平均分子量が8,400、分子量分布が3.8のアニオン性樹脂Gを含んでいた。
【0069】
実施例1
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニン顔料である「フアストゲンブルーTGR」3.8部、分散剤としてゼネカ社製のポリエステルアミン超分散剤である「SOLSPERSE 13940」2部、ゼネカ社製の置換アンモニウムフタロシアニンである「SOLSPERSE 5000」0.2部、溶媒として松村石油研究所製のパラフィン/ナフテン系溶剤である「モレスコホワイトP−40」14部、直径3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)で2時間分散した。
上記条件で分散した分散体10部に、アニオン性樹脂A2部、「モレスコホワイトP−40」28部を加え、マグネチックスターラーにて30分撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて吸引ろ過を行い、インク組成物Aを調製した。
【0070】
実施例2
実施例1と同様の条件で分散した分散体10部に、アニオン性樹脂A2部、「モレスコホワイトP−40」24部、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルモノメチルエステル4部を加え、以下は、実施例1と同様の処理を行い、インク組成物Bを調製した。
【0071】
実施例3
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として大日本インキ化学工業社製のアゾ顔料である「シミュラーファーストイエロー4190」4.0部、分散剤として「SOLSPERSE 13940」2部、溶媒として「モレスコホワイトP−40」14部、直径3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーで2時間分散した。
上記条件で分散した分散体10部に、アニオン性樹脂B1部、「モレスコホワイトP−40」29部を加え、マグネチックスターラーにて30分撹拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、インク組成物Cを調製した。
【0072】
実施例4
顔料として、「シミュラーファーストイエロー4190」に代えて、クラリアント社製のアゾ顔料である「Novoperm Yellow P−HG」を同量使用した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散体を調製した。
この分散体10部に、アニオン性樹脂B1部、「モレスコホワイトP−40」21部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル8部を加え、以下は、実施例3と同様の処理を行い、インク組成物Dを調製した。
【0073】
実施例5
実施例4と同様の条件で分散した分散体10部に、アニオン性樹脂B2部、「モレスコホワイトP−40」24部、ジプロピレングリコール4部を加え、以下は、実施例3と同様の処理を行い、インク組成物Eを調製した。
【0074】
実施例6
顔料として、「シミュラーファーストイエロー4190」に代えて、デグサ・ヒュルス社製の塩基性カーボンブラック顔料である「Printex 85」を同量使用した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散体を調製した。
この分散体10部に、アニオン性樹脂B1部、「モレスコホワイトP−40」21部、プロピレングリコールジメチルエステル8部を加え、以下は、実施例3と同様の処理を行い、インク組成物Fを調製した。
【0075】
実施例7
顔料として、「シミュラーファーストイエロー4190」に代えて、三菱化学社製の酸性カーボンブラック顔料である「MA100」を同量使用した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散体を調製した。
この分散体10部に、アニオン性樹脂C4部、「モレスコホワイトP−55」26部を加えて、以下は、実施例3と同様の処理を行い、インク組成物Gを調製した。
【0076】
実施例8
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として大日本インキ化学工業社製のキナクリドン顔料である「Fastogen Magenta RG」4.0部、分散剤としてゼネカ社製のポリエステルアミン超分散剤である「SOLSPERSE 13940」4部、溶媒として新日本石油社製のノルマルパラフィンである「O型ソルベントM」14部、直径3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーで2時間分散した。
上記条件で分散した分散体10部に、アニオン性樹脂D1部、「O型ソルベントM」24部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル5部を加え、マグネチックスターラーにて30分撹拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、インク組成物Hを調製した。
【0077】
実施例9
顔料として、「Fastogen Magenta RG」に代えて、クラリアント社のキナクリドン顔料である「Hostaparm Pink EB trans」を同量使用し、溶媒として、「O型ソルベントM」に代えて、出光興産社製の低アロマパラフィンである「スーパゾルLA35」を同量使用した以外は、実施例8と同様にして、顔料分散体を調製した。
この分散体10部に、アニオン性樹脂E4部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル20部、「スーパゾルLA35」6部を加え、以下は、実施例8と同様の処理を行い、インク組成物Iを調製した。
【0078】
実施例10
100ccのプラスチック製ビンに、顔料として大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニン顔料である「Fastogen Blue 5430 SD」4.0部、分散剤としてアニオン性樹脂E2部、溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル14部、直径3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナーで2時間分散した.
上記条件で分散した分散体10部に、「モレスコホワイトP−40」25部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル15部を加え、マグネチックスターラーにて30分撹拌後、グラスフィルターを用いて吸引ろ過を行い、インク組成物Jを調製した。
【0079】
比較例1
実施例1で調製した顔料分散体10部に、「モレスコホワイトP−40」30部だけを加えて、以下は、実施例1と同様の処理を行い、インク組成物Kを調製した。
【0080】
比較例2
実施例1で調製した顔料分散体10部に、アニオン性基を含まない樹脂F2部、「モレスコホワイトP−40」20部、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルモノメチルエステル8部を加え、以下は、実施例1と同様の処理を行い、インク組成物Lを調製した。
【0081】
比較例3
実施例1で調製した顔料分散体10部に、酸価が高すぎるアニオン性樹脂G2部、「モレスコホワイトP−40」20部、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルモノメチルエステル8部を加え、以下は、実施例1と同様の処理を行い、インク組成物Mを調製した。
【0082】
比較例4
溶媒として、「モレスコホワイトP−40」に代えて、水/トリエチレングリコール(重量比90/10)の混合溶媒を同量使用し、分散剤として「SOLSPERSE 13940」に代えて、ジョンソンポリマー社製のスチレンーアクリル共重合体分散剤である「ジョンクリル62」を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散体を調製した。
この分散体10部に、水30部を加えて、インク組成物Nを調製した。
【0083】
上記の実施例1〜10のインク組成物A〜Jおよび比較例1〜4のインク組成物K〜Nについて、下記の方法により、粘度、表面張力および平均粒子径を測定した。結果は、表1に示されるとおりであった。
【0084】
<粘度>
R100型粘度計(東機産業社製)により、25℃、コーンの回転数20rpmの条件により、インク組成物の粘度を測定した。
【0085】
<表面張力>
全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)により、温度を25℃にして、インク組成物の表面張力を測定した。
【0086】
<平均粒子径>
粒度分布測定装置N4−PLUS(コールター社製のレーザードップラー方式の粒度分布計)により、インク組成物の平均粒子径を測定した。
【0087】
表1
【0088】
つぎに、上記の実施例1〜10のインク組成物A〜Jおよび比較例1〜4のインク組成物K〜Nについて、下記の方法により、定着性、乾燥性およびコックリングを評価した.結果は、表2に示されるとおりであった。
【0089】
<定着性>
インク組成物を、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)により、光沢紙(日立マクセル社製のフォト光沢紙)上に14μmの厚さに塗布し、5分後(このときの塗膜厚さは1.3μm)、50gの分銅をのせた布(旭化成社製のベンコットン)で、光沢紙上の塗膜を3秒間隔で10回摺動する摺動試験を行った。
この摺動試験後、光学濃度(OD)値をマクベスRD−1255により測定して、摺動試験前の光学濃度(OD)値に対する変化が±5%以内のものを○、±(5〜10%)のものを△、±10%以上のものを×、と評価した。
【0090】
<乾燥性>
インク組成物を、No.6ワイヤーバー(東洋精機社製)により、光沢紙(日立マクセル社製のフォト光沢紙)上に塗布し、指で触れたときに指にインクが付着しなくなった時間を測定した。
【0091】
<コックリング>
インク組成物を、No.4ワイヤーバー(東洋精機社製)により、普通紙上に塗布し、乾燥したのちに、コックリング(波打ち)がないものを○、コックリングが少しあるものを△、コックリングのあるものを×、と評価した。
【0092】
表2
【0093】
上記の結果から明らかなように、適度な酸価を有するアニオン性樹脂を用いた本発明の実施例1〜10のインク組成物A〜Jは、いずれも、光沢紙に対してすぐれた定着性を示しており、かつ普通紙に印字してもコックリングを全くまたはほとんど起こさないものであることがわかる。また、これら実施例1〜10のインク組成物A〜Jは、主溶媒に炭化水素系溶媒を用いたインクであるため、水性インクとは異なり、耐水性にもすぐれたものである。
【0094】
なお、炭化水素系溶媒のみを用いた実施例1,3,7の各インク組成物では、(ポリ)アルキレングリコール誘導体を添加したものに比べ、光沢紙への乾燥性がやや遅く、定着性もやや低下する傾向がある。また、(ポリ)プロピレングリコールを加えた実施例5のインク組成物は、粘度が高くなる傾向があり、乾燥性もやや遅く、普通紙に対して若干のコックリングがみられる。
この結果から、炭化水素系溶媒に対し、光沢紙への浸透性にすぐれる(ポリ)アルキレングリコール誘導体を添加することで、印字物の乾燥性や定着性にとくにすぐれたインク組成物を調製できることがわかる。
【0095】
これに対して、アニオン性樹脂を使用しなかった比較例1,2のインク組成物では、光沢紙に対する定着性が明らかに不十分となる。また、酸価が高すぎるアニオン性樹脂を使用した比較例3のインク組成物は、表1の結果からも、粘度が高くなる傾向がみられ、また(ポリ)アルキレングリコール誘導体を添加しているにもかかわらず、乾燥性がやや低下する傾向がみられる。さらに、水系溶媒を使用した比較例4のインク組成物では、普通紙に対してコックリングが生じる。また、この水系インク組成物は、耐水性にも劣っている。
【0096】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、顔料、樹脂および溶媒を少なくとも含むインク組成物において、主溶媒として炭化水素系溶媒を使用し、これにさらに特定の酸価を有するアニオン性樹脂を含ませたことにより、耐水性にすぐれ、普通紙に対してコックリングなく印字できるとともに、光沢紙などに対する定着性にすぐれる、インク特性が大幅に改善されたインク組成物を提供できる。
Claims (8)
- 顔料、樹脂および溶媒を少なくとも含むインク組成物において、主溶媒として炭化水素系溶媒を全溶媒中50〜99重量%含み、その他の溶媒として(ポリ)アルキレングリコール誘導体を溶媒全体の1〜30重量%含み、かつ樹脂として酸価が10〜200mgKOH/gであるアニオン性樹脂をインク組成物中0.5〜20重量%含むことを特徴とするインク組成物。
- アニオン性樹脂は、重量平均分子量が5,000〜100,000、分子量分布が1.5〜10である請求項1に記載のインク組成物。
- カチオン処理を施した記録媒体にNo.6ワイヤーバー(東洋精機社製)で塗布し乾燥した塗膜に対して50gの分銅をのせた布で摺動する摺動試験を行い、摺動試験前と摺動試験後との光学濃度(OD)値の変化が、±10%以内である請求項1または2に記載のインク組成物。
- 主溶媒である炭化水素系溶媒は、ノルマルパラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系の中から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物。
- (ポリ)アルキレングリコール誘導体は、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物またはジアルキルエステル化合物の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載のインク組成物。
- (ポリ)アルキレングリコール誘導体は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステルの中から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載のインク組成物。
- 顔料分散剤としてアニオン性基またはカチオン性基のうちの少なくとも一方を含む高分子化合物を顔料に対して5〜150重量%含む請求項1〜6のいずれかに記載のインク組成物。
- 25℃における粘度が2〜20cp、表面張力が20〜35mN/m、分散平均粒子径が50〜200nm、最大粒子径が1,000nm以下である請求項1〜7のいずれかに記載のインク組成物。
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